JPH08218227A - 分割型複合繊維 - Google Patents

分割型複合繊維

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JPH08218227A
JPH08218227A JP7023745A JP2374595A JPH08218227A JP H08218227 A JPH08218227 A JP H08218227A JP 7023745 A JP7023745 A JP 7023745A JP 2374595 A JP2374595 A JP 2374595A JP H08218227 A JPH08218227 A JP H08218227A
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fiber
polyamide
splittable conjugate
conjugate fiber
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JP7023745A
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Isao Tokunaga
勲 徳永
Kazuhiko Tanaka
和彦 田中
Masao Kawamoto
正夫 河本
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直接紡糸延伸法において製糸された分割型複
合繊維であって、工程性やアルカリ熱水溶液による分割
性が良好で、筋斑等の発生の全くない織編物を得ること
ができる分割型複合繊維を提供する 【構成】 A成分によりB成分が複数個に分割された分
割型複合繊維において、A成分が測定周波数110H
z、絶乾状態において室温から150℃の温度範囲内に
損失弾性率E”のピ−クを有し、かつその値が1.7×
109 dyn/cm2 以上であるポリアミドブレンドポ
リマ−であることを特徴とする分割型複合繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定の粘弾性特性を有す
るポリアミドブレンドポリマ−を一成分とした分割型複
合繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルとポリアミドからなる分割
型複合繊維からなる織編物は、製織編後、0.5デニ−
ル以下の極細繊維に分割することにより、柔軟性、嵩高
性を有する高密度織編物として衣料用、非衣料用、スポ
−ツ分野等に巾広く利用されている。とくに、透湿防水
性、クリ−ン機能、ピ−チスキン調の肌触りが消費者の
ニ−ズにマッチしてその販売量が拡大している。該分割
型複合繊維は織編物にするまでは分割することなく、製
織編した後分割処理を施して極細繊維に分割する必要が
ある。
【0003】しかしながら、従来の分割型複合繊維は紡
糸後、製織編以前、たとえば延伸段階で該複合繊維が部
分的にフィブリル化し、ロ−ラやガイドに毛羽が巻き付
いたり、断糸が発生するなどして工程性が非常に不良で
あった。工程性の悪化はとくに直接紡糸延伸法(以下、
SDY法と略記する)において著しく、また長期に亘る
量産時にも顕著であり、経時的に毛羽巻きや断糸が増加
し、収率が低くなってくる。さらに、このような複合繊
維を用いて製織編したのち分割処理時に完全に分割させ
る必要があるにもかかわらず、分割は不完全であり、得
られる織編物に筋斑が生じることになる。
【0004】また、該分割型複合繊維の分割方法として
は公知の方法が種々あり、たとえばベンジルアルコ−
ル、フェニルエチルアルコ−ル等の乳化水溶液によりポ
リアミドを膨潤せしめ、ポリアミドとポリエステルとを
分割させる方法、アルカリ熱水溶液でポリエステルを部
分溶解させ、ポリアミドとポリエステルとを剥離分割さ
せる方法、仮撚等の物理的方法によりポリアミドとポリ
エステルとを剥離させる方法、これらの方法の組み合わ
せなどを挙げることができる。
【0005】これらの方法の中で、アルカリ熱水溶液に
よる剥離分割方法が、薬液が安価で取扱い易いこと、薬
剤の回収の必要性がないことなどから、設備・工程・コ
ストの点で有利である。しかしながら、アルカリ熱水溶
液による剥離分割方法は従来の分割型複合繊維では完全
な剥離分割が困難であり、かかる方法により分割された
複合繊維からなる織編物は筋斑が多く、染色斑等の原因
となり実用性に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は上述の観
点から、分割型複合繊維を構成するポリアミドに着眼
し、検討を開始した。一般的にポリアミドは紡糸後、吸
水による配向結晶化が進行し、分子構造の変化が生じる
ことはよく知られていることである。したがって、製糸
工程中、または糸の保管中にポリアミドが吸湿し、繊維
中の吸水・吸湿および配向結晶化度に部分的に斑が発生
し、フィブリル化斑、分割斑の発生原因となると考えら
れる。また、ポリアミドはガラス転移温度が室温付近に
あるため、保管室等に保管中、物性変化が生じ易いこと
もフィブリル化斑、分割斑の発生原因となると考えられ
る。またUDY−延伸法においては、一旦紡糸して得ら
れた未延伸糸はある時間放置して後に延伸が施されるた
め、放置中に吸湿等によりポリアミドの物性変化が生
じ、延伸工程から製織編工程を通過する間に歪みが拡大
し、分割型複合繊維の分割が容易に行われると考えられ
る。これに対し、SDY法では紡糸後ただちに延伸する
ためにポリアミドの物性変化がないままに延伸が行われ
るため、分割型複合繊維の分割性が悪く、分割不良の発
生の原因の1つと考えられる。
【0007】本発明の目的は、直接紡糸延伸法において
製糸された分割型複合繊維であって、工程性やアルカリ
熱水溶液による分割性が良好で、筋斑等の発生の全くな
い織編物を得ることができる分割型複合繊維を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、A成分によりB成分が複数個に分割された分割
型複合繊維において、A成分が測定周波数110Hz、
絶乾状態において室温から150℃の温度範囲内に損失
弾性率E”のピ−クを有し、かつその値が1.7×10
9 dyn/cm2 以上であるポリアミドブレンドポリマ
−であることを特徴とする分割型複合繊維を提供するこ
とによって達成される。
【0009】本発明のA成分について説明する。該A成
分は測定周波数110Hz、絶乾状態において室温から
150℃の温度範囲内に損失弾性率E”のピ−クを有
し、かつその値が1.7×109 dyn/cm2 以上で
あることが必要である。かかる条件を満足することによ
って、SDY法により得られた分割型複合繊維は、製織
編工程までに毛羽、断糸の発生がなく、アルカリ熱水溶
液による分割処理によって完全な剥離分割が可能となる
のである。好ましい損失弾性率E”は2.0×109
yn/cm2 以上である。
【0010】一般に損失弾性率E”はポリマ−の軟らか
さを表し、この値が大きい程軟らかいことを示す。本発
明では、上記のような損失弾性率E”値を有するポリマ
−をA成分とすることにより、従来の分割型複合繊維よ
りもSDY法による紡糸・延伸が容易に行われ、工程性
が非常に良好となる。
【0011】このような性能を有するA成分としてポリ
アミドのブレンドポリマ−を挙げることができ、該ブレ
ンドポリマ−は結晶性ポリアミドと非晶性ポリアミドの
ブレンドポリマ−である。「非晶性ポリアミド」とはナ
イロン6やナイロン66のような直鎖脂肪族ナイロンと
は異なり、ポリマ−の結晶化がほとんど生じないか、あ
るいは結晶化速度が極めて小さいポリアミドを示す。ま
た、本発明において「非晶性」とは、示差走査熱量計
(DSC)を用いて10℃/分の昇温速度で測定したと
き、1cal/g以上の結晶融解熱を有しないものを示
す。一方、「結晶性」とはDSCを用いて10℃/分の
昇温速度で測定したとき、1cal/g以上の結晶融解
熱を有するものを示す。
【0012】非晶性ポリアミドは結晶相を持たないため
に耐熱性等の熱的性質はほとんどガラス転移温度に支配
されるため、ガラス転移温度は高いことが好ましい。本
発明に係わる非晶性ポリアミドはガラス転移温度が10
0〜200℃にあることが好ましく、この範囲にガラス
転移温度を有することによって耐熱性にも優れるのであ
る。
【0013】本発明に係わる非晶性ポリアミドとして、
芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンを主成分とするポ
リアミド、芳香族ジカルボン酸と脂環式ジアミンとラク
タムを主成分とするポリアミド等を挙げることができ
る。このうち、前者の非晶性ポリアミドを構成する芳香
族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、
1,2−ビス(4−カルボフェノキシ)エタン、2,6
−ナフタリンジカルボン酸等が挙げられ、1種のみを使
用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。ま
たアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸を少
量併用することもできる。脂肪族ジアミンとしてはエチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレ
ンジアミン、1,10−ジアミノデカン等が挙げられ
る。またm−フェニレンジアミン、p−フェニレンジア
ミン等の芳香族ジアミンを少量併用することもできる。
【0014】後者の非晶性ポリアミドを構成する芳香族
ジカルボン酸としては上述のものを挙げることができ、
また、脂環式ジアミンとしては4,4’−ジアミノ−
3、3’−ジメチルジシクロヘキシレンメタン等を、ラ
クタムとしてはω−ラウロラクタム等を挙げることがで
きる。
【0015】このようにして得られた非晶性ポリアミド
の比粘度(98%の硫酸中、30℃で測定)は通常1.
2〜2.0、好ましくは1.4〜1.8である。
【0016】ポリアミドブレンドポリマ−に用いる結晶
性ポリアミドとしてはナイロン6、ナイロン66などの
汎用の繊維形成性のポリアミドが好ましく、これらのポ
リアミドは1種または2種以上の混合物であってもよ
い。また、これらのポリアミドを主成分とした繊維形成
性の共重合ポリアミドが挙げられる。
【0017】本発明に係わるポリアミドブレンドポリマ
−を構成する非晶性ポリアミドと結晶性ポリアミドとの
ブレンド比率にはとくに限定はなく、測定周波数110
Hz、絶乾状態において室温から150℃の温度範囲内
に損失弾性率E”のピ−クを有し、かつその値が1.7
×109 dyn/cm2 以上になるようなブレンド比率
であればよい。好ましくは、前者/後者=5/95〜3
0/70(重量比)である。
【0018】本発明に係わるB成分としてはポリアミド
ブレンドポリマ−と親和性のない繊維形成性ポリマ−で
あることが好ましく、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポ
リブチレンテレフタレ−ト等のポリエステルが好まし
い。かかるポリエステルにはポリマ−の直線性を損なわ
ない範囲内でピロメリット酸、トリメリット酸、トリメ
シン酸、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタ
エリスリト−ル等の3価以上の多官能化合物が含まれて
いてもよい。
【0019】本発明の分割型複合繊維の複合形態は、上
記A成分とB成分とが単一繊維の断面において一方の成
分が他方の成分を完全に包含しない状態、すなわち、A
成分によりB成分が複数個に分割された状態で繊維軸方
向に添って接合されている状態をいう。具体的には、多
層貼合型、放射状に接合された型など公知の複合形態が
挙げられる。該分割型複合繊維を構成するA成分とB成
分の複合比率は、分割性、柔軟性、製糸性等の点から、
A/B=15/85〜60/40(重量比)であること
が好ましく、A/B=20/80〜50/50であるこ
とがより好ましい。
【0020】本発明の分割型複合繊維の繊度はどのよう
なものでもよいが、分割後の繊度が1デニ−ル以下、好
ましくは0.6デニ−ル以下となるような極細繊維とな
ることが好ましい。また、分割後の極細繊維の形状もそ
の断面が偏平であることが好ましい。たとえば、モップ
にした場合のワイピング性および洗濯時の汚れ落ちが良
好である点が挙げられる。
【0021】本発明の分割型複合繊維は公知の複合紡糸
法を適用することができる。すなわち、A成分とB成分
を別々の押出機で押出して、複合紡糸ヘッドに供給す
る。A成分であるポリアミドブレンドは、非晶性ポリア
ミド重合時の重合槽中でブレンドすることも可能ではあ
るが、押出し前にチップブレンドすることが好ましい。
また、該分割型複合繊維は紡糸直後に従来のナイロン6
やナイロン66等で使用されている加湿設備がなくても
自発伸長等が少なく、安定に次の延伸工程に供される。
本発明の分割型複合繊維はSDY法により製糸されるこ
とが好ましいが、紡糸繊維を一旦巻き取った後延伸する
方法、すなわちUDY法−延伸法により製糸されてもさ
しつかえない。本発明の分割型複合繊維はこの紡糸・延
伸工程において毛羽・断糸の発生が全くなく、極めて安
定に均一に製糸することができる。このようにして得ら
れた分割型複合繊維は製織編工程を経て、該分割型複合
繊維を少なくとも一部含む織編物として作成され、アル
カリ熱水溶液によって剥離分割処理を行い極細繊維に分
割される。
【0022】本発明の分割型複合繊維の分割方法はアル
カリ熱水溶液にて行われる。具体的には40g/リット
ル濃度の水酸化ナトリウム水溶液を用いて、98℃、5
〜20分間の条件にて行われる。該分割型複合繊維はか
かるアルカリ熱水溶液による分割処理により、完全に分
割され、均一で柔軟なボリュ−ム感のある織編物を得る
ことができる。
【0023】また、本発明の分割型複合繊維は熱水収縮
率が10%以上と大きいので、該複合繊維を少なくとも
一部含む織編物がリラックス、アルカリ熱水溶液により
分割処理される際に、湿熱によりA成分であるポリアミ
ドブレンドポリマ−が収縮し、B成分の剥離を生じせし
め、アルカリ熱水溶液によりB成分が溶解して分割が進
行していき、分割が完全に行われると推定される。
【0024】本発明の分割型複合繊維の製造に際して、
必要に応じてA成分および/またはB成分に艶消剤、顔
料、導電剤、帯電防止剤、抗菌剤等の公知の添加剤が配
合されていてもよい。また該複合繊維は他の単独成分か
らなる合成繊維または複合繊維を混繊や合撚してもよ
く、交編、交織してもよい。同様に綿、羊毛、絹等の天
然繊維と交撚、交編、交織してもよい。
【0025】本発明の分割型複合繊維を少なくとも一部
含有する織編物等の繊維構造物はコ−ト、ブルゾン等の
一般衣料、ワイピングクロス、濾過布、テント、自動車
用エア−バッグ、等の産業資材用途;モップ、カ−シ−
ト用立毛布帛、布団側地等のリビング資材用途など多く
のものに適している。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。なお、実施例中の測定値は以下の方法によって測定
した値である。 (1)ポリアミドの比粘度(ηSP) ポリマ−チップを98%硫酸中で30℃で測定した。 (2)ポリエステルの固有粘度(〔η〕) ポリマ−チップをフェノ−ル/テトラクロロエタン(等
重量比)中で25℃で測定した。 (3)ポリアミドブレンドポリマ−の損失弾性率E” ブレンドポリマ−からなる単独糸を100℃で3時間真
空乾燥させ、オリエンテック社製レオバイブロンDDV
−II−EAにより、実質試料長30mm、昇温速度3℃
/分で測定した。 (4)紡糸・延伸工程性 紡糸・延伸時の断糸、ビス落、ロ−ラへの巻き付きなど
の発生状態から以下の基準により評価した。 ◎:非常に良好でまったく問題はない。 ○:ビス落ちや巻き付きが若干発生するが、大きな問題
はない。 △:紡糸・延伸はあまり良くないが、繊維は採取可能で
ある。 ×:ビス落ち、断糸が多発し、繊維がまったく採取でき
ない。
【0027】(5)複合繊維繊維の強度および伸度 JIS L1013 に準拠して測定した。 (6)複合繊維の熱水収縮率 沸騰水中に繊維を0.5mg/デニ−ルの荷重下で30
分間処理し、処理前後の糸長を50mg/デニ−ル荷重
下で測定し、下記式にて算出した。 熱水収縮率(%)=〔(L1 −L2 )/L1 〕×100 L1 :処理前の糸長 L2 :処理後の糸長 (7)複合繊維の寸法安定性 延伸糸を常温の水に2分間浸漬した後、引き上げて無荷
重で寸法を測定し、浸漬前後寸法変化と収縮形態によっ
て安定性を評価した。 寸法変化率(%)=〔(L3 −L4 )/L3 〕×100 L3 :浸漬前の糸長 L4 :浸漬後の糸長 ◎:寸法変化率が10%未満であって、視覚的な寸法形
態に変化なし。 ○:少し収縮が見られるが、形態変化はほとんど変化な
し。 △:収縮が見られ、捩じれが発生していた。 ×:繊維束が不規則に大きく収縮し、繊維長も短くな
る。
【0028】(8)筒編地の分割性 アルカリ熱水溶液処理後の筒編地を解舒し、20本のフ
ィラメントをパラフィンに包埋して薄切片とし、光学顕
微鏡で観察して分割の程度を観察し、以下の基準で評価
した。 ◎:すべてのフィラメントが完全に分割している。 ○:全体の80%以上が完全に分割しており、残余も分
割しつつある状態である。 △:全体の約50%が分割せず残っており、残余の分割
状態も不十分である。 ×:すべてのフィラメントがほとんど分割していない。 (9)筒編地の染色性 分割処理後の筒編地を分散染料と含金染料によって染色
し、その発色性を肉眼観察し、以下の基準で評価した。 ○:非常に鮮明かつ均一に染色されており、染色性は非
常に良好である。 △:やや染色斑が見られる。 ×:全体に濃淡の染色斑が見られ、発色性も不良であ
る。 (10)筒編地の筋斑 分割処理、染色後の筒編地の筋斑を肉眼観察し、以下の
基準で評価した。 ◎:筋斑がまったく見られない。 ○:やや筋斑が見られるが、目立たず、合格レベルであ
る。 △:筋斑が目立ち、商品価値が低いものである。 ×:筋斑が非常に目立ち、縞模様になっている。
【0029】実施例1 非晶性ポリアミドとして、テレフタル酸/イソフタル酸
=25/75(モル%比)とヘキサメチレンジアミンと
からなる非晶性ナイロン(GrivoryG21、エム
ス社製、比粘度1.68)を用い、結晶性ポリアミドと
してナイロン6(1013、宇部興産社製、比粘度1.
60)を用い、前者/後者のブレンド率を10/90
(重量比)にしたブレンドポリマ−をA成分とした。一
方、B成分として固有粘度0.65のポリエチレンテレ
フタレ−トを用いた。次いで、複合比率A/B=1/2
(重量比)、紡糸口金0.25mmφ−24ホ−ル、1
1分割多層貼合わせ型の断面形態の繊維を、延伸後の繊
度が75デニ−ル、分割後の繊度が0.21〜0.35
デニ−ルになるような吐出量で吐出し、引取り速度10
30m/分(第1ロ−ラ)で引取り、ただちに1050
m/分(第2ロ−ラ)、3150m/分(第3ロ−ラ)
で延伸し巻き取った。延伸倍率は3倍、延伸温度(第2
ロ−ラ)は80℃、熱固定温度(第3ロ−ラ)は130
℃であった。
【0030】得られた延伸糸を用いて筒編地を作成し、
98℃で3分間熱水で精練処理を行い、40g/リット
ル濃度の水酸化ナトリウム水溶液にて98℃、20分間
アルカリ処理を行い、極細繊維に分割した。その後、分
散染料で120℃、40分間染色後還元洗浄を行い、含
金染料で100℃、40分間染色を施した。表1および
表2に紡糸・延伸性、繊維物性、筒編地の物性を示す。
本発明の分割型複合繊維を用いた繊維構造物は、工程性
が非常に良好で、生産性が高く、染色、分割性等の後加
工性も良好であった。
【0031】実施例2〜3 実施例1において、非晶性ポリアミドと結晶性ポリアミ
ドとのブレンド率を表1に示すように変更した以外は同
様にして複合繊維を紡糸・延伸し、筒編地を作成して、
分割処理、染色を行った。結果を表1および表2に示
す。本発明の分割型複合繊維を用いた繊維構造物は、工
程性が非常に良好で、生産性が高く、染色、分割性等の
後加工性も良好であった。
【0032】実施例4 実施例2において、非晶性ポリアミドとしてエムス社
製、TR−55(比粘度1.72、ガラス転移温度15
5℃)を用いた以外は同様にして複合繊維を紡糸・延伸
し、筒編地を作成して、分割処理、染色を行った。結果
を表1および表2に示す。本発明の分割型複合繊維を用
いた繊維構造物は、工程性が非常に良好で、生産性が高
く、染色、分割性等の後加工性も良好であった。
【0033】実施例5〜6 実施例2において、ポリアミドブレンドポリマ−とポリ
エチレンテレフタレ−トとの複合比率を表1に示すよう
に変更した以外は同様にして複合繊維を紡糸・延伸し、
筒編地を作成して、分割処理、染色を行った。結果を表
1および表2に示す。本発明の分割型複合繊維を用いた
繊維構造物は、工程性が非常に良好で、生産性が高く、
染色、分割性等の後加工性も良好であった。
【0034】比較例1〜3 実施例1において、A成分中における非晶性ポリアミド
のブレンド率を表1に示すように変更した以外は同様に
して複合繊維を紡糸・延伸し、筒編地を作成して、分割
処理、染色を行った。結果を表1および表2に示す。S
DY法による紡糸・延伸において、曵糸性が不良でロ−
ラに毛羽が巻き付いたり、断糸が生じ、筒編地を作成す
る前に分割している部分があった。このような糸を用い
て作成された筒編地筋斑が多く発生しており、実用的で
はなかった。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明の分割型複合繊維は、一成分とし
て特定の粘弾性能を有するポリアミドブレンドポリマ−
を用いているために、SDY法による紡糸・延伸工程性
が良好であり、アルカリ処理による分割処理も均一にか
つ完全に分割が行われ、織編物等の繊維構造物に筋斑の
発生がなく、より柔軟で、緻密で、発色性のよい繊維構
造物が得られる。また、本発明の分割型複合繊維を少な
くとも一成分とした繊維構造物は従来の分割型複合繊維
含有布帛よりも濃色に均一に染色することが可能である
ため、発色性の良好な製品を得ることができる。さらに
従来品は染色時または染色後の保管中に色調が変化し、
規格外をなることがあったが、本発明の分割型複合繊維
を少なくとも一成分とする繊維構造物は色調の経時変化
が極めて少なく、不合格率が減少し、工程管理がし易
く、コスト的、品質的に有利である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A成分によりB成分が複数個に分割された
    分割型複合繊維において、A成分が測定周波数110H
    z、絶乾状態において室温から150℃の温度範囲内に
    損失弾性率E”のピ−クを有し、かつその値が1.7×
    109 dyn/cm2 以上であるポリアミドブレンドポ
    リマ−であることを特徴とする分割型複合繊維。
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