JP3301534B2 - 伸縮回復性に優れた混繊糸 - Google Patents

伸縮回復性に優れた混繊糸

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル系繊維
からなる混繊糸であり、織物あるいは編物に加工したの
ち、通常の染色・仕上げ加工を施すことにより、自己伸
長を発現することによって、ふくらみに優れしかも優れ
た伸縮回復性を有する、新規な風合いを有する織編物で
ある。
【0002】
【従来の技術】従来よりポリエステル繊維を用いた織編
物、特に婦人用薄地から中肉、厚地に至る分野で主に異
収縮混繊糸を用いた織編物が多数上市されている。これ
らの商品はその熱収縮差を利用して織編物にふくらみ
感、ソフト感を付与し、更にアルカリ減量加工を組み合
わせることによって繊維間および組織に空隙を付与する
などいわゆるルーズ化を行い、シルキー風合いを実現さ
せてきた。しかしながら、これらの開示されている手法
では風合い、染色性などが単調で、変化に乏しいものと
なり勝ちである。特開平2-293410号公報や特開平5-3317
05号公報などで開示されている自己伸長糸と熱収縮糸を
組み合わせた混繊糸織編物も多数提案、上市されてきて
いる。しかしながらこれら開示されている手法ではふく
らみ感やソフト感には富むものには仕上がるが、触感と
してポリエステル特有のヌメリ感が残存してしまい、好
ましいものとはならない。また、これらの布はくは伸縮
性が不足し、それが起因して、縫いにくい、仕立て映え
がしないといった縫製上の問題もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は優れた伸縮回
復性を有する混繊糸に関するものであり、さらに詳しく
は、染色加工時の湿熱処理及び乾熱処理によって自己伸
長を発現し、これが起因しポリエステル織編物特有のヌ
メリ感を感じさせることなく、適度なふくらみ感(嵩高
性)、ソフト感、かつ芯糸に用いるポリエステル系弾性
繊維による優れた伸縮回復性を有する新規風合い織編物
に加工し得る混繊糸を提供することを課題とするもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段、即ち本発明は以下の構成よりなる。乾熱 160℃
での熱収縮率(SHD) が0%以下、単繊維繊度が5デニール
以下のポリエステル繊維と乾熱 160℃での熱収縮率(SH
D) が30%以下、単繊維繊度が10デニール以下のポリエ
ステル系弾性繊維よりなる混繊糸であり、該ポリエステ
ル繊維と該ポリエステル系弾性繊維の乾熱 160℃での収
縮率差 (△SHD)が5%≦△SHD ≦30%であることを特徴
とする伸縮性混繊糸、(ここで△SHD は芯糸と鞘糸の両
者の乾熱 160℃収縮差(%) を示すものである。)ポリエ
ステル系弾性繊維が、ポリプロピレンテレフタレート繊
維である請求項1記載の伸縮回復性に優れた混繊糸、ポ
リエステル系弾性繊維が、ポリブチレンテレフタレート
繊維である請求項1記載の伸縮回復性に優れた混繊糸で
ある。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の伸縮性混繊糸の構成繊維
の一つである乾熱 160℃での熱収縮率(SHD)が0%以下、
単繊維繊度が5デニール以下のポリエステル繊維を得る
に際しては重合体としてエチレンテレフタレート単位を
少なくとも85モル%含む固有粘度[η]が、0.45〜0.7c
c/g のポリエステルを使用し、溶融紡糸法によってポリ
エステル繊維を得るのもであるが、15モル%を超過しな
い範囲でテレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、1、
4−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスフホイ
ソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸成分とエチレングリ
コール、1、3−プロパンジオール、1、4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール等のグリコール成分を
組み合わせてなるエステル形成性誘導体をその共重合成
分として含むものであっても構わない。また必要に応じ
て二酸化チタンや硫酸バリウム、カオリナイト、二酸化
珪素等の無機微粒子や顔料、その他添加剤を混入させた
ポリエステルであってもよい。
【0006】使用するポリエステルはエチレンテレフタ
レート単位を少なくとも85モル%以上含む固有粘度
[η]が、0.45〜0.7cc/g のものであることが必要であ
り、エチレンテレフタレート成分が85モル%未満では溶
融紡糸に於ける曳糸性が悪化する他、布はくに加工する
際のアルカリ減量によってアルカリ加水分解作用を選択
的に強く受けてしまい、脆化の程度が著しく、布はくは
実用に耐え得る強力を保持するものにはなり得ない。
【0007】また、本発明の混繊糸のもう一つの構成繊
維である単繊維繊度が10デニール以下のポリエステル系
弾性繊維は、ポリエステル系弾性糸であることが必要で
ある。好ましくは、ポリプロピレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレートが好適である。本発明におけ
るポリプロピレンテレフタレートとは、テレフタル酸を
主たるジカルボン酸成分とし、トリメチレングリコール
を主たるグリコール成分とするポリエステルであり、ト
リメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位と
するものであって、その特性を損なわない範囲でエチレ
ングリコール、ブタンジオール等のグリコール、イソフ
タル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸等を通常10モ
ル%以下共重合していてもよいものである。また、本発
明におけるポリブチレンテレフタレートとは、テレフタ
ル酸を主たる酸成分とし、テトラメチレングリコールを
主たるグリコール成分とするポリエステルであり、テト
ラメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位と
するものであって、その特性を損なわない範囲でエチレ
ングリコール、プロピレングリコール等のグリコール、
イソフタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸等を通
常10モル%以下共重合していてもよいものである。な
お、本発明で述べたポリプロピレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレートは、ポリプロピレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート中に、その物性を
損なわない範囲だ、紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃剤
等の改質剤を含んでも良い。
【0008】これらのポリエステル系弾性繊維を本発明
の構成糸に用いることで伸縮性を確保することができ
る。特に、ポリプロピレンテレフタレートは10%〜2
0%程度の伸長回復時の伸縮回復性に優れるなどの特徴
を有するため、好適である。また常圧染色が可能なこと
で各種の共重合ポリエステルとの組合せが可能となる。
該ポリエステル繊維と該ポリエステル系弾性繊維の収縮
率差 (△SHD)が重要であり、自発伸長発現することに起
因する捲縮が新規な風合いを創出させることができる。
その際の収縮率差 (△SHD)は5%≦△SHD ≦30%が良
い。△SHD が5%以下では自発伸長発現することに起因す
る捲縮が不十分であり、逆に△SHD が30%以上ではふか
つきが発生するため好ましくない。
【0009】また、繊維の断面形状も風合い及び外観な
どに影響を及ぼす。断面形状の例としては、三角形状、
中空丸形状、複数の突起を有する形状など、その目的に
あったものを選択することが重要である。本発明の伸縮
性混繊糸の総デニールについては特に限定されるもので
はないが一般衣料用途を考慮し大凡30〜300 デニールの
範囲内でその風合いや用途に応じて適宜選定することが
できる。また、該ポリエステル繊維と該ポリエステル系
弾性繊維の構成比は重量比として、30/70 〜70/30 より
好適には 40/60〜60/40 が望ましい。
【0010】該ポリエステル繊維の単糸デニールの好適
な範囲としては、2デニール〜10デニールであり、該ポ
リエステル系弾性繊維の単糸デニールの好適な範囲とし
ては、0.3 デニール〜5デニールである。勿論これらも
なんら限定されるものではなく、風合いや用途等に応じ
て適宜組み合わせを考慮するとよい。本発明の該ポリエ
ステル繊維の製造方法については、エチレンテレフタレ
ート単位を少なくとも85モル%含むポリエステルを用
い、紡糸を行う。例えば、2000〜4000m/min.の範囲の紡
糸速度で溶融紡糸したポリエステル未延伸糸を該未延伸
糸の一次転移温度以上結晶化温度以下の温度領域で延伸
した後、弛緩率10〜100%で乾熱弛緩する方法が挙げられ
る。乾熱弛緩熱処理はスリットヒーターの使用が好まし
く弛緩率を増加させることによって熱収縮能が除去され
易くなり自己伸長率向上に効果があるばかりでなく、フ
ィラメント間の熱収縮除去の程度のバラツキが生じ易く
なり、捲縮能を発現させることも容易となる。本発明の
該ポリエステル系弾性繊維、好ましくは、ポリプロピレ
ンテレフタレートあるいはポリブチレンテレフタレート
繊維は、ポリプロピレンテレフタレートあるいはポリブ
チレンテレフタレートを出発原料とし、それを通常設定
しうる条件を選んで紡糸、延伸することにより、伸長回
復性に優れていて、かつ適度な曲げ剛性も有しており、
本発明における糸を構成するフィラメントとして適して
いるものを容易に製造することができる。
【0011】更に本発明の伸縮回復性に優れた混繊糸は
自発伸長性を示すポリエステル繊維とポリエステル系弾
性繊維を組み合わせてなるものであるが、該混繊には常
温の高圧空気流を使用した公知のエアー交絡ノズルを使
用することができる。高圧空気の圧力は処理する糸条の
走行速度、エアー交絡ノズルの種類、糸条の総デニー
ル、フィラメント本数等によって適宜選定することが必
要となるが大凡2〜6kg/cm2の範囲での使用が望まし
い。混繊糸の交絡度は20〜100 ヶ/mの範囲が好ましい。
【0012】本発明の伸縮回復性にすぐれた混繊糸はそ
のまま、あるいは公知の撚糸機を用いて施撚した後、織
編物構造物に製織編された後、通常の染色加工を施され
る。この染色加工工程における乾熱処理、湿熱処理によ
って鞘部を構成するポリエステル繊維は自己伸長発現
し、ふくらみ感に富み、ソフト感を有する新規な風合い
を示し、かつポリエステル系弾性繊維の寄与で伸縮回復
性に富む織物あるいは編物とすることができる。
【0013】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。勿論、本発明は以下の実施例になんら限定される
ものではない。尚、本文中および実施例記載の各物性値
は以下の測定方法によるものである。 (a) 相対粘度 p−クロロフェノールとテトラクロロエタンからなる比
で3:1 の混合溶媒を用い、30℃で測定した。溶液濃度は
0.4g/dlである。 (b) 160 ℃乾熱収縮率 SHD (%) 試料に1/30(g/d) の荷重を掛け、その長さL3(mm)を測定
する。ついでその荷重を取り除き、試料を乾燥機に入れ
乾熱 160℃で30分間乾燥する。乾燥後冷却し、再度1/30
(g/d) の荷重を掛け、その長さL4(mm)を測定する。上記
L3,L4 を下記式に代入し、乾熱収縮SHD を求める。尚、
測定回数5回の平均値をもってその測定値とする。 SHD (%)=(L3−L4)/L3×100
【0014】実施例1 相対粘度が、1.45であるポリエチレンテレフタレートセ
ミダルレジンを使用し通常の溶融紡糸法によって紡糸速
度3300m/min.で巻き取り未延伸糸85デニール48フィラメ
ントを得た。該未延伸糸を雰囲気温度 210℃のスリット
ヒーター(非接触式加熱)を使用し弛緩率50%,加工速度
300m/min. 、で弛緩熱処理を施した。該弛緩処理糸の乾
熱収縮率SHD は-6%であり、実質的に糸条は自己伸長能
を有するものであった。一方、相対粘度が1.39であるポ
リプロピレンテレフタレートを、通常の溶融紡糸によっ
て、紡糸速度1300m/min で一旦巻き取り、2.8 倍に延
伸、熱セットして、 160℃乾熱収縮率SHD 6%の延伸糸
75デニール12フィラメントを得た。該弛緩熱処理後のポ
リエステル未延伸糸とポリプロピレンテレフタレート延
伸糸をエアー交絡ノズルを使用し、常温の高圧空気流に
て混繊交絡処理を施し、混繊糸を得た。該交絡処理され
た混繊糸の交絡数Diは46ヶ/mであり取り扱い性には支障
のないものであった。
【0015】該混繊糸を村田機械社製ダブルツイスター
No310 にて撚糸した後、生機密度が経119本/in 、緯
83本/in.のツイル組織に製織した。製織した織物を精
錬、リラックス処理した後、液流染色機を使用し減量率
として17%のアルカリ減量加工を施した後、引き続き液
流染色機を使用し分散染料によって染色加工を施し、通
常のファイナルセットを行い、最終的に仕上げ密度が経
136本/in.、緯95本/in.の染色加工布を得た。走査型電
子顕微鏡にて該布の表面状態を観察したところ、弛緩熱
処理された未延伸糸が自己伸長してなる微細なループ状
形態を多数形成しており、該布の表面は該ループ状形態
によってほぼ覆われていることが確認された。該布は適
度なふくらみ感(嵩高性)、ソフト感、を有するものと
なっていた。また、伸長回復性に優れるものであった。
伸長回復性などの特性値を表1に示す。
【0016】実施例2 相対粘度が、1.45であるポリエチレンテレフタレートセ
ミダルレジンを使用し通常の溶融紡糸法によって紡糸速
度3300m/min.で巻き取り未延伸糸85デニール48フィラメ
ントを得た。該未延伸糸を雰囲気温度 210℃のスリット
ヒーター(非接触式加熱)を使用し弛緩率50%,加工速度
300m/min. 、で弛緩熱処理を施した。該弛緩処理糸の乾
熱収縮率SHD は-6%であり、実質的に糸条は自己伸長能
を有するものであった。一方、相対粘度が1.56であるポ
リブチレンテレフタレートを、通常の溶融紡糸によっ
て、紡糸速度1300m/min で一旦巻き取り、2.6 倍に延
伸、熱セットして、 160℃乾熱収縮率SHD 13%の延伸
糸75デニール12フィラメントを得た。該弛緩熱処理後の
ポリエステル未延伸糸とポリブチレンテレフタレート延
伸糸をエアー交絡ノズルを使用し、常温の高圧空気流に
て混繊交絡処理を施し、混繊糸を得た。該交絡処理され
た混繊糸の交絡数Diは47ヶ/mであり取り扱い性には支障
のないものであった。該混繊糸を村田機械社製ダブルツ
イスターNo310 にて撚糸した後、生機密度が経120本
/in 、緯84本/in.のツイル組織に製織した。製織した
布はくを精錬、リラックス処理した後、液流染色機を使
用し減量率として15%のアルカリ減量加工を施した後、
引き続き液流染色機を使用し分散染料によって染色加工
を施し、通常のファイナルセットを行い、最終的に仕上
げ密度が経 137本/in.、緯96本/in.の染色加工布を得
た。走査型電子顕微鏡にて該布の表面状態を観察したと
ころ、弛緩熱処理された未延伸糸が自己伸長してなる微
細なループ状形態を多数形成しており、該布の表面は該
ループ状形態によってほぼ覆われていることが確認され
た。該布は適度なふくらみ感(嵩高性)、ソフト感、を
有するものとなっていた。また、伸長回復性に優れるも
のであった。伸長回復性などの特性値を表1に示す。
【0017】比較例1 実施例1に記載したポリエステル繊維を実施例1と同じ
ように混繊糸の構成繊維として用い、同時に下記に示す
ポリエステル繊維を用い混繊糸を得た。相対粘度が、1.
45であるポリエチレンテレフタレートセミダルレジンを
使用し通常の溶融紡糸法によって紡糸速度1100m/min.で
一旦巻き取り、3.7 倍に延伸、熱セットすることにより
75デニール12フィラメントの延伸糸を得た。これら2種
類の繊維を実施例1と同じエアー交絡ズルを使用し、常
温の高圧空気流にて混繊交絡処理を施し、混繊糸を得
た。該交絡処理された混繊糸の交絡数Diは51ヶ/mであり
取り扱い性には支障のないものであった。
【0018】該混繊糸を村田機械社製ダブルツイスター
No310 にて撚糸した後、生機密度が経122本/in 、緯
85本/in.のツイル組織に製織した。製織した布はくを
精錬、リラックス処理した後、液流染色機を使用し減量
率として20%のアルカリ減量加工を施した後、引き続き
液流染色機を使用し分散染料によって染色加工を施し、
通常のファイナルセットを行い、最終的に仕上げ密度が
経 138本/in.、緯97本/in.の染色加工布を得た。走査型
電子顕微鏡にて該布の表面状態を観察したところ、弛緩
熱処理された未延伸糸は自己伸長が発現してループ状形
態を形成してマイクロパウダータッチを有していたが、
伸縮回復性に欠けるものであった。伸縮回復性などの特
性値を表1に示す。
【0019】比較例2 実施例1と同じポリエチレンテレフタレートセミダルレ
ジンを使用し通常の溶融紡糸法によって紡糸速度3300m/
min.で巻き取り未延伸糸85デニール48フィラメントを得
た。該未延伸糸を雰囲気温度 210℃のスリットヒーター
(非接触式加熱)を使用し弛緩率0%, 加工速度300m/mi
n. 、で定長熱処理を施した。該定長処理糸の乾熱収縮
率SHD は3.9%であり、実質的に糸条は熱収縮性を示すも
のであった。したがって、捲縮は有しておらず糸は嵩高
性のないものであった。該定長熱処理後の未延伸糸と実
施例1のポリプロピレンテレフタレート延伸糸75デニー
ル12フィラメントを実施例1と同様にエアー交絡ノズル
を使用し、常温の高圧空気流にて混繊交絡処理を施し、
混繊糸を得た。該交絡処理された混繊糸の交絡数Diは41
ヶ/mであり取り扱い性には支障のないものであった。該
混繊糸を村田機械社製ダブルツイスターNo310 にて撚糸
した後、生機密度が経120本/in 、緯84本/in.のツ
イル組織に製織した。製織した布はくを精錬、リラック
ス処理した後、液流染色機を使用し減量率として20%の
アルカリ減量加工を施した後、引き続き液流染色機を使
用し分散染料によって染色加工を施し、通常のファイナ
ルセットを行い、最終的に仕上げ密度が経 133本/in.、
緯94本/in.の染色加工布を得た。走査型電子顕微鏡にて
該布の表面状態を観察したところ、定長熱処理された未
延伸糸は自己伸長しておらず、該布は、伸縮回復性は有
していたが、ふくらみ感(嵩高性)、ソフト感、はり感
に欠けるものとなっていた。伸縮回復特性値などを表1
に示す。
【0020】
【表1】 *1 混繊糸を構成するポリプロピレンテレフタレート
繊維の10%伸長時の回復率を示す。 *2,*3 織物の評価結果。測定法は、官能検査により、
良好を○、悪いを×とした。評価は8人で実施し、最も
多く評価された段階値で示した。
【0021】
【発明の効果】上述のごとく構成された本発明に係わる
伸縮回復性に優れた混繊糸は布はく構造物として製織編
した後、通常の染色加工を施すことによって、自己伸長
性ポリエステル繊維が自己伸長する際に捲縮が発現する
ことによって微細なループを多数形成し、該ループが多
層となって布はく構造表面を覆い、好適な、適度のふく
らみ感、ソフト感、を有する。また、ポリエステル系弾
性繊維によって、伸縮回復性を付与され、これらの特性
が相まってスポーツ用などの衣料などの用途に好適な素
材となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D01F 6/62 306 D01F 6/62 306P D02G 3/04 D02G 3/04 D02J 1/00 D02J 1/00 R

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾熱 160℃での熱収縮率(SHD) が0%以
    下、単繊維繊度が5デニール以下のポリエステル繊維と
    乾熱 160℃での熱収縮率(SHD) が30%以下、単繊維繊度
    が10デニール以下のポリエステル系弾性繊維よりなる混
    繊糸であり、該ポリエステル繊維と該ポリエステル系弾
    性繊維の乾熱 160℃での収縮率差 (△SHD)が5%≦△SH
    D ≦30%であることを特徴とする伸縮回復性に優れた混
    繊糸。(ここで△SHD は芯糸と鞘糸の両者の乾熱 160℃
    収縮差(%) を示すものである。)
  2. 【請求項2】ポリエステル系弾性繊維が、ポリプロピレ
    ンテレフタレート繊維である請求項1記載の伸縮回復性
    に優れた混繊糸。
  3. 【請求項3】ポリエステル系弾性繊維が、ポリブチレン
    テレフタレート繊維である請求項1記載の伸縮回復性に
    優れた混繊糸。
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