JP2001002869A - ダイレクト蒸着性に優れた熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
ダイレクト蒸着性に優れた熱可塑性樹脂組成物Info
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Abstract
物を提供する。 【解決手段】 ゴム質重合体にビニル系単量体をグラフ
ト重合してなるゴム含有グラフト共重合体(A)15〜
50重量部と、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル
系単量体と、必要に応じて用いられる他の共重合可能な
不飽和単量体とを共重合してなる硬質共重合体(B)8
5〜50重量部とを含有する熱可塑性樹脂組成物であっ
て、前記ゴム質重合体は、重量平均粒子径800〜30
00Åで、粒子径5000Å以上のゴム粒子の割合が1
0%未満である熱可塑性樹脂組成物。ゴム含有グラフト
共重合体(A)と硬質共重合体(B)とポリカーボネー
ト(C)とを含み、ゴム含有グラフト共重合体が重量平
均粒子径800〜3000Åで、粒子径5000Å以上
のゴム粒子の割合が10%未満であり、組成物中のゴム
含有量が3〜20重量%である熱可塑性樹脂組成物。
Description
理を施すことなく直接アルミニウム、クロムなどの金属
層を真空蒸着法やスパッタリング法などのメタライジン
グにより形成することができる、いわゆるダイレクト蒸
着性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
樹脂成形品には、製品の外観や耐候性、その他の機能性
を高めるために、アルミニウム、クロムなどの金属層を
真空蒸着法やスパッタリング法などにより成形品表面に
形成するメタライジング処理が施される場合がある。
どによりメタライジングするに際しては、次のような工
程が必要であった。
るためにベースコート処理を施し、ベースコート層を形
成する。 ベースコート層を焼き付け処理する。 真空蒸着法などでメタライジングを行い金属層を形
成する。 金属層を保護し傷つきを防止するためにトップコー
ト処理を施し、トップコート層を形成する。 トップコート層を焼き付け処理する。
イジングには多数の工程と処理剤を必要とするものであ
ったが、最近になって、工程数の削減、処理コストの低
減を目的として、上記,のベースコート処理工程を
無くし、成形品表面に直接メタライジングを行って金属
層を形成させる、いわゆるダイレクト蒸着が試みられて
いる。
製品については、当然のことながら、メタライジング表
面が良好な光輝性を有することが要求され、また、用途
によってはメタライジング層の基材への密着強度も重要
となる。
熱可塑性樹脂組成物では、得られる成形品の樹脂基材表
面に微細な凹凸が存在するため、ベースコート処理無し
では、良好な光輝面をもつ金属層を形成し得ない。ま
た、各種溶剤を含むトップコートを焼き付け処理した場
合、ベースコート層がないと、この溶剤が金属層を浸透
して成形品の樹脂基材を侵すことから、メタライジング
面が白濁し、外観が著しく損なわれるといった問題もあ
った。
レクト蒸着性に優れた熱可塑性樹脂組成物、即ちベース
コート処理を行わなくても、良好な光輝面をもつ金属層
を形成することができ、また、トップコート処理後も白
濁等の外観の劣化の問題もなく、良好な光輝表面を保つ
ことができ、しかも、メタライジング表面密着強度も高
い成形品を得ることができる熱可塑性樹脂組成物を提供
することを目的とする。
るダイレクト蒸着性に優れた熱可塑性樹脂組成物は、ゴ
ム質重合体にビニル系単量体をグラフト重合してなるゴ
ム含有グラフト共重合体(A)15〜50重量部と、芳
香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体と、必要
に応じて用いられる他の共重合可能な不飽和単量体とを
共重合してなる硬質共重合体(B)85〜50重量部と
を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、前記ゴム質重
合体は、重量平均粒子径800〜3000Åで、該ゴム
質重合体中の粒子径5000Å以上のゴム粒子の割合が
10%未満であることを特徴とする(ただし、ゴム含有
グラフト共重合体(A)と硬質共重合体(B)との合計
で100重量部とする。)。
性に優れた熱可塑性樹脂組成物は、ゴム質重合体にビニ
ル系単量体をグラフト重合してなるゴム含有グラフト共
重合体(A)と、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニ
ル系単量体と、必要に応じて用いられる他の共重合可能
な不飽和単量体とを共重合してなる硬質共重合体(B)
とポリカーボネート(C)とを含有する熱可塑性樹脂組
成物であって、前記ゴム質重合体は、重量平均粒子径8
00〜3000Åで、該ゴム質重合体中の粒子径500
0Å以上のゴム粒子の割合が10%未満であり、該熱可
塑性樹脂組成物中のゴム含有量が3〜20重量%である
ことを特徴とする。
優れた熱可塑性樹脂組成物を得るべく鋭意検討を重ねた
結果、ゴム含有グラフト共重合体(A)と硬質共重合体
(B)との所定量で構成される熱可塑性樹脂組成物にお
いて、ゴム含有グラフト共重合体(A)のゴム質重合体
として、重量平均粒子径800〜3000Åで、該ゴム
質重合体中の粒子径5000Å以上のゴム粒子の割合が
10%未満のものを用いることにより、また、ゴム含有
グラフト共重合体(A)と硬質共重合体(B)とポリカ
ーボネート(C)、好ましくは粘度平均分子量(Mv)
が30,000以下のポリカーボネートとで構成される
熱可塑性樹脂組成物において、ゴム含有グラフト共重合
体(A)のゴム質重合体として、重量平均粒子径800
〜3000Åで、該ゴム質重合体中の粒子径5000Å
以上のゴム粒子の割合が10%未満のものを用いると共
に、所定のゴム含有量に調整することにより、著しく優
れたダイレクト蒸着性が得られることを見出し、本発明
を達成した。
は、成形品表面にアンダーコート処理すること無しに直
接メタライジングを行い金属層を形成させた場合の光輝
性、更にトップコート処理後の光輝性をも含めた表面状
態の良否を指し、この光輝性は、反射率計により金属層
の全反射率と拡散反射率を測定し、その差から正反射率
を求める方法で調べることができる。拡散反射率が大き
くなると金属層が白濁したように観察され商品価値を著
しく損ねる。一般に、最終工程のトップコート処理後の
正反射率が80%以上で拡散反射率が2.0%以下であ
れば、各種分野に実用可能と言える。
のメタライジング表面密着強度も重要であるが、本発明
のダイレクト蒸着性に優れた熱可塑性樹脂組成物は、こ
の密着強度においても良好な特性を示す。
体(A)のゴム質重合体の重量平均粒子径は、特に10
00〜2500Åであることが好ましい。またゴム質重
合体としては、共役ジエン系重合体、アクリルエステル
系重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン系重合
体、及びポリオルガノシロキサン系重合体よりなる群か
ら選ばれる1種又は2種以上の複合ゴムが好ましい。
ニル系単量体の含有量は20〜45重量%であることが
好ましい。
細に説明する。
体(A)とは、ゴム質重合体の存在下に、ビニル系単量
体をグラフト重合してなる共重合体である。
質重合体としては、ボリブタジエン、ブタジエンと共重
合可能なビニル系単量体との共重合体のような共役ジエ
ン系重合体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エ
ステルと共重合可能なビニル系単量体との共重合体のよ
うなアクリルエステル系重合体、エチレン−プロピレン
又はブテン、好ましくはプロピレン−非共役ジエン共重
合体、ポリオルガノシロキサン系重合体等が挙げられ
る。ここで、アクリル酸エステル重合体のアクリル酸エ
ステルとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イ
ソブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、イソア
ミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−メ
チルペンチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、n−オクチルアクリレートなどが挙げられ、ま
た、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体に含
有されるジエンとしては、ジシクロペンタジエン、1,
4−ヘキサジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−シ
クロオクタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエ
ン、11−エチル−1,11−トリデカジエン、5−メ
チレン−2−ノルボルネンなどが挙げられ、これらのう
ちの1種を単独で、或いは2種以上の複合ゴムとして用
いることができる。
その重量平均粒子径が800〜3000Åで、粒子径5
000Å以上のゴム粒子の割合(以下「粗大粒子割合」
と称す。)がゴム質重合体全体の10%未満のものを用
いる。
0Å未満では、得られる成形品の衝撃強度が低下し、3
000Åを超えると、前記拡散反射率が2.0%を超
え、ダイレクト蒸着性が劣るものとなる。ゴム質重合体
の重量平均粒子径は特に1000〜2500Åであるこ
とが好ましい。
00Åの範囲内であっても、粗大粒子割合が10%以上
であると前記拡散反射率が2.0%を超え、ダイレクト
蒸着性に劣るものとなる。
粒子径及び粗大粒子割合に粒子径制御したゴム質重合体
を用いる。
のゴム含量は40〜75重量%であることが好ましい。
ゴム含量が40重量%未満では耐衝撃性に劣り、75重
量%を超えてもグラフト率が低下することから耐衝撃性
に劣るものとなる。
単量体としては、芳香族ビニル、シアン化ビニル、(メ
タ)アクリル酸エステル、マレイミド化合物、不飽和カ
ルボン酸等が挙げられる。芳香族ビニル系単量体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、ブロムスチレン等が挙げられ、特にスチレン、α−
メチルスチレンが好ましい。また、シアン化ビニル系単
量体としては、アクリロニトリル、メタクリルニトリル
等が挙げられ、特にアクリロニトリルが好ましい。(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル又はア
クリル酸エステルが挙げられ、マレイミド化合物として
は、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレ
イミド等が挙げられ、不飽和カルボン酸としては、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げ
られる。これらは、それぞれ1種を単独で、又は2種以
上を混合して用いることができる。
ニル系単量体とシアン化ビニル系単量体と、更に必要に
応じて用いられる共重合可能な他の不飽和単量体を共重
合してなる共重合体からなり、芳香族ビニル系単量体と
シアン化ビニル系単量体と、更に必要に応じて用いられ
る共重合可能な他の不飽和単量体は、ゴム含有グラフト
共重合体(A)にグラフトさせる単量体として例示した
ものと同様な単量体が使用される。
ビニル系単量体の含有量は、好ましくは20〜45重量
%である。シアン化ビニル系単量体の含有量が20重量
%未満では、耐衝撃性等の物性が得にくく、また、拡散
反射率が2.0%を超え、正反射率が80%未満となっ
てダイレクト蒸着性にも劣るものとなり、45重量%を
超えると、メタライジング密着強度等が劣るものとな
る。
として、ゴム含有グラフト共重合体(A)と硬質共重合
体(B)とで構成される場合、これらの割合はゴム含有
グラフト共重合体(A)15〜50重量部と硬質共重合
体(B)85〜50重量部とで合計で100重量部とす
る。この範囲よりもゴム含有グラフト共重合体(A)が
多く、硬質共重合体(B)が少ないと流動性が劣るもの
となり、また、拡散反射率が2.0%を超え、正反射率
が80%未満となってダイレクト蒸着性にも劣るものと
なる。逆に、ゴム含有グラフト共重合体(A)が少なく
硬質共重合体(B)が多いと耐衝撃性が劣るものとな
る。なお、このゴム含有グラフト共重合体(A)及び硬
質共重合体(B)よりなる熱可塑性樹脂組成物中の全ゴ
ム含有量は5〜25%であることがダイレクト蒸着性と
物性バランスの面から好ましい。
としてゴム含有グラフト共重合体(A)と硬質共重合体
(B)とポリカーボネート(C)とで構成される場合、
全ゴム含有量が3〜20重量%となるようにこれらを配
合すれば良い。この全ゴム含有量が3重量%未満では耐
衝撃性に劣るものとなり、メタライジング密着性も悪
く、また、全ゴム含有量が20重量%を超えるとダイレ
クト蒸着性が損なわれ、また、流動性も悪くなる。
することにより、耐熱性及び耐衝撃性を格段に高めるこ
とができるが、樹脂流動性においては低下する傾向があ
るため、目的に応じて、樹脂の構成成分を選定するのが
好ましい。
質共重合体(B)及びポリカーボネート(C)よりなる
熱可塑性樹脂組成物の場合、物性ないし特性のバランス
面で好ましい配合は、ゴム含有グラフト共重合体(A)
10〜20重量部、硬質共重合体(B)30〜50重量
部、ポリカーボネート40〜70重量部で合計が100
重量部となる配合である。
は粘度平均分子量(Mv)が30,000以下であるも
のが好ましい。粘度平均分子量(Mv)が30,000
を超えるポリカーボネートを用いた場合、流動性が損な
われると共にダイレクト蒸着性も劣るものとなる。
必要に応じて顔料、染料、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、帯電防止剤、補強剤、充填剤など各種添加剤をそ
の物性等を損なわない範囲内に配合することができる。
法として、特に制限はないが、例えば、押出機、バンバ
リーミキサー等を用いた溶融混練法が好ましい。
本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を
超えない限り、以下の実施例により限定されるものでは
ない。
を意味するものとする。また、各種物性の測定方法は次
の通りである。
DLS−700型を用いて動的光散乱法により重量平
均粒子径と粒子径分布を求めた。
Nコーダー(Yanaco社製:CHN corder
MT−3)を用いて各元素の分析値より算出した。
ベローデ粘度計を用いて塩化メチレンを溶媒とした溶液
で測定し、下記のSchnellの粘度式を用いて算出
した。
成した。
酸化カリウム及びポリブタジエン・ラテックスを仕込
み、60℃に加熱後、硫酸第一鉄、ピロリン酸ナトリウ
ム、結晶ブドウ糖を添加し、60℃に保持したままS
T、AN、t−DM及びクメンハイドロパーオキサイド
を2時間かけて連続添加し、その後70℃に昇温して1
時間保って反応を完結した。かかる反応によって得たA
BSラテックスに酸化防止剤を添加し、その後硫酸によ
り凝固させ、十分水洗後、乾燥してABSグラフト共重
合体(a−1)を得た。
−2)の製造 重量平均粒子径が2500Åで、粗大粒子割合が15%
のポリブタジエン・ラテックス50部(固形分として)
の存在下に、AN15部、ST35部を反応させたこと
以外は、合成例1と同様にしてABSグラフト共重合体
(a−2)を得た。
−3)の製造 重量平均粒子径が3800Åのポリブタジエン・ラテッ
クス50部(固形分として)の存在下、AN15部、S
T35部を反応させたこと以外は、合成例1と同様にし
てABSグラフト共重合体(a−3)を得た。
−4)の製造 重量平均粒子径が2000Åで、粗大粒子割合が7%の
ポリブチルアクリレート・ラテックス50部(固形分と
して)の存在下、AN15部、ST35部を反応させた
こと以外は、合成例1と同様にAASグラフト共重合体
(a−4)を得た。
−5)の製造 重量平均粒子径が2400Åで、粗大粒子割合が8%の
エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムラテ
ックス(エチレン:プロピレン:非共役ジエン(5−エ
チレン−2−ノルボルネン)=80:19:1(モル
%))50部(固形分として)の存在下、AN15部、
ST35部を反応させたこと以外は、合成例1と同様に
してAESグラフト共重合体(a−5)を得た。
−6)の製造 重量平均粒子径が1400Åで、粗大粒子割合が5%の
ポリオルガノシロキサンゴムラテックス50部(固形分
として)の存在下、AN15部、ST35部を反応させ
たこと以外は、合成例1と同様にしてASSグラフト共
重合体(a−6)を得た。
ルホン酸ソーダ0.002部、ポリビニルアルコール
0.5部、アゾイソブチルニトリル0.3部、t−DM
0.5部と、AN35部、ST65部からなるモノマー
混合物を使用し、STの一部を逐次添加しながら開始温
度60℃から5時間昇温加熱後、120℃に到達させ
た。更に、120℃で4時間反応した後、重合物を取り
出した。得られた硬質共重合体(b−1)のAN含有量
は、35.8重量%であった。
たこと以外は合成例7と同様にして重合を行った。得ら
れた硬質共重合体(b−2)のAN含有量は、15.5
重量%であった。
たこと以外は合成例7と同様にして重合を行った。得ら
れた硬質共重合体(b−3)のAN含有量は、49.2
重量%であった。
造 AN25部、ST20部、α−メチルスチレン35部、
N−フェニルマレイミド20部からなるモノマー混合物
を使用し、スチレン、α−メチルスチレン、N−フェニ
ルマレイミドの一部を逐次添加したこと以外は合成例7
と同様にして重合を行った。得られた硬質共重合体(b
−4)のAN含有量は、24.3重量%であった。
下のものを用いた。
ニアリングプラスチック(株)製S−1000F〔粘度
平均分子量(Mv):24,000〕 ポリカーボネート(c−2):三菱エンジニアリングプ
ラスチック(株)製E−2000〔粘度平均分子量(M
v):31,000〕 実施例1〜7、比較例1〜9 表1,2に示す配合割合で、更に、滑剤、酸化防止剤等
の添加剤と共に混合させた後(この熱可塑性樹脂組成物
の全ゴム含有量は表1,2に示す通りである。)、22
0〜240℃で2軸押出機(東芝(株)製「TEX−4
4」)にて溶融混合し、ペレット化した。この樹脂ペレ
ットを4オンス射出成形機(日本製鋼(株)製)にて2
20〜260℃にて成形し、必要なテストピースを作成
し、各種物性を下記の方法で測定し、結果を表1,2に
示した。
−D1238(220℃/10Kg) (g/10mi
n) 〔アイゾット衝撃強度〕 ASTM−D256
(常温) (Kg・cm/cm) 〔熱変形温度〕 ASTM−D648
(℃) また、下記方法によりメタライジング及びトップコート
処理を施したものについて、下記測定方法で反射率と密
着強度を測定し、結果を表1,2に示した。
真空蒸着法によるアルミニウムのメタライジングを行っ
た。射出成形により100×100×2.3mmの平板
を成形し、到達真空度1×10-5Torr、電流値40
0mAで電子ビームを発生させ膜厚約800Åのアルミ
ニウム蒸着膜を形成した。これにトルエン:10〜20
%、1−ブタノール:20〜30%、石油系炭化水素:
40〜50%からなる溶剤とアクリル系クリアー塗料を
混合した溶液を吹き付けてトップコート層を形成した
後、70〜110℃で焼き付け処理した。
ー製)によりトップコート処理した金属層の全反射率と
拡散反射率を測定し、その差から正反射率を求める方法
でそれぞれの値を得る。正反射率が高く拡散反射率が小
さいほうが光輝性に優れる。 正反射率=全反射率−拡散反射率 密着強度:トップコート処理した表面に碁盤目セロテー
プ剥離試験を行い、密着強度を以下の判断基準で評価し
た。 ○:全く剥がれず △:剥がれた面積が50%未満 ×:剥がれた面積が50%以上
発明の範囲外のゴム質重合体を用いて合成されたゴム含
有グラフト共重合体を配合した比較例1,2では、良好
な光輝性が得られずダイレクト蒸着性に劣る。
との配合割合が本発明の範囲外の比較例5,6ではダイ
レクト蒸着性、メタライジング密着性や衝撃強度、流動
性に問題を生じる。
が本発明の好適範囲外のものであるが、ダイレクト蒸着
性やメタライジング密着性、衝撃強度等が劣るものとな
る。
いて、全ゴム含有量が本発明の範囲外である比較例8,
9では、ダイレクト蒸着性やメタライジング密着性、衝
撃強度等が劣るものとなる。
分子量(Mv)が本発明の好適範囲を外れるものである
が、ダイレクト蒸着性が劣るものとなっている。
可塑性樹脂組成物であれば、ダイレクト蒸着性,メタラ
イジング密着性、流動性や機械的強度等において良好な
特性を得ることができる。
蒸着性に優れた熱可塑性樹脂組成物によれば、ベースコ
ート処理を行わなくても、良好な光輝性をもつ金属層を
形成することができ、また、トップコート処理後も白濁
等の外観の劣化の問題もなく、良好な光輝表面を保つこ
とができ、しかも、メタライジング表面密着強度も高い
熱可塑性樹脂成形品を得ることができる。
ウジング等の車両用部品や各種OA機器等のメタライジ
ング成形品に好適であり、各種分野の基本的要求特性に
応じて適宜使い分けることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 ゴム質重合体にビニル系単量体をグラフ
ト重合してなるゴム含有グラフト共重合体(A)15〜
50重量部と、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル
系単量体と、必要に応じて用いられる他の共重合可能な
不飽和単量体とを共重合してなる硬質共重合体(B)8
5〜50重量部とを含有する熱可塑性樹脂組成物であっ
て、 前記ゴム質重合体は、重量平均粒子径800〜3000
Åで、該ゴム質重合体中の粒子径5000Å以上のゴム
粒子の割合が10%未満であることを特徴とするダイレ
クト蒸着性に優れた熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項2】 ゴム質重合体にビニル系単量体をグラフ
ト重合してなるゴム含有グラフト共重合体(A)と、芳
香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体と、必要
に応じて用いられる他の共重合可能な不飽和単量体とを
共重合してなる硬質共重合体(B)とポリカーボネート
(C)とを含有する熱可塑性樹脂組成物であって、 前記ゴム質重合体は、重量平均粒子径800〜3000
Åで、該ゴム質重合体中の粒子径5000Å以上のゴム
粒子の割合が10%未満であり、該熱可塑性樹脂組成物
中のゴム含有量が3〜20重量%であることを特徴とす
るダイレクト蒸着性に優れた熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項3】 前記ゴム質重合体の重量平均粒子径が1
000〜2500Åであることを特徴とする請求項1又
は2に記載のダイレクト蒸着性に優れた熱可塑性樹脂組
成物。 - 【請求項4】 前記ゴム質重合体が、共役ジエン共重合
体、アクリルエステル系重合体、エチレン−プロピレン
−非共役ジエン系重合体、及びポリオルガノシロキサン
系重合体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であ
ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に
記載のダイレクト蒸着性に優れた熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項5】 前記硬質共重合体(B)中のシアン化ビ
ニル系単量体の含有量が20〜45重量%であることを
特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のダ
イレクト蒸着性に優れた熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項6】 前記ポリカーボネート(C)の粘度平均
分子量(Mv)が30,000以下であることを特徴と
する請求項2ないし5のいずれか1項に記載のダイレク
ト蒸着性に優れた熱可塑性樹脂組成物。
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Cited By (10)
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