JP2000516993A - 被覆光ディスク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 基板と、金属化層と、放射線硬化性組成物から形成された被膜とを有する光ディスク。放射線硬化性組成物は、アルカンジオールジアクリレート、アルカンジオールジメタクリレート、アルケングリコールジアクリレート、アルケングリコールジメタクリレート、及びこれらの混合物からなる群より選択される第一成分と、アクリレート−またはメタクリレート含有アルコキシル化ビスフェノールＡ化合物からなる第二成分とを含有するものである。該組成物は、光開始剤と、金属化層への被膜の接着を促進するための接着促進剤とをさらに含有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 被覆光ディスク 発明の分野 本発明は、基板と金属化層と被膜とを有する光ディスクに関し、さらに詳しく は、被膜が放射線硬化性組成物から形成され、かつ、諸物性の有利な組み合わせ を持つ光ディスクに関する。発明の背景 この技術分野において、光ディスク技術は、よく知られている。一般に、コン パクトディスク（ＣＤ）などの光記憶ディスクの形成では、溶融した透明プラス チックを射出成型して基板を形成している。基板の片面に、親型に含まれている ピットとランドの複製を形成する。ピットとランドを含む基板表面には、例えば 、金、銅、銀またはアルミニウムなどの金属からなる高反射層を形成して、該表 面がＣＤプレイヤーなどの光ディスク読み取り機からのレーザビームを反射する ようにしている。反射層は、普通、アルミニウムにより形成しており、通常、真 空蒸着などにより、約５０から１００ナノメーターの厚みに形成している。従来 、金属化した基板には、次いで、スピンコーティング、電子噴霧技術、真空蒸着 などにより、紫外線（ＵＶ）硬化性コーティングを施している。典型的に、コー ティングをスピンコーティングにより行う場合には、全表面を塗布するために基 板を回転させるとき、金属化基板の内径中心にＵＶ硬化性コーティングのビード を塗布する。次いで、被膜を硬化し、所望により、引き続いて印刷することがで きる。通常、ＵＶ硬化被膜 は、摩耗や湿気から金属化基板を保護する。 ウォルフ等の米国特許第４，６５２，４９８号には、情報を含んだ表面を持つ 透明な基板、鏡面反射層、並びに、ポリアクリロイル及びポリメタクリロイル材 料のようなエチレン性不飽和成分の重合体ネットワークから形成された保護層か らなる光学的媒体が開示されている。りん酸官能性を供給する化合物も含まれて いる。ナンバ等の米国特許第５，１６１，１５０号には、放射線硬化性化合物と 光重合増感剤とから形成された保護層を持つ光記録ディスクが開示されている。 好適な放射線硬化性化合物は、オリゴエステルアクリレート類と、例えば、各種 アクリレート、ジアクリレート及びトリアクリレートなどの放射線硬化性モノマ ー類との組み合わせを含むことが示されている。ディジクストラ等の米国特許第 ４，１８８，４３３号には、アクリル酸エステルのプロトン性混合物を含有する 紫外線硬化性ラッカーから形成された被覆層を含む光ディスクが開示されている 。また、エポキシアクリレート類とウレタンアクリレート類が好適であるとして 開示されている。 一般に、従来のＵＶ硬化性コーティング組成物は、ＣＤなどの光ディスクに、 摩耗や湿気に対して、いろいろな程度の保護を提供している。また、硬化したコ ーティング組成物は、無色かつ透明のままであり、容易に印刷可能で、かつ、比 較的低価格で製造されるものであることが重要である。当業者は、満足な光ディ スク製品を供給するには、ＵＶコーティング組成物の最終的な物性が重要である だけではなく、未硬化の組成物の種々の特性も重要であることを認めるであろう 。例えば、未硬化の組成物は、硬化する前に、金属化基板上に良好で均一な塗膜 を与えるために、低粘度と良好な流動を発揮する必要がある。容易に大量生産で きる製品を供給するには、 コーティング組成物の硬化速度も重要である。多くの従来のコーティング組成物 では、これらの望ましい特性は互いに競合しており、例えば、未硬化組成物の粘 度などの一つの特性を改善すると、例えば、硬化組成物の硬度などの他の特性に 悪影響を及ぼす。したがって、これらの要求や時には競合する付加的な要求を最 適化する光ディスク用のコーティング組成物を開発する要求が存続している。発明の要約 したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を克服する光ディスクを提供す ることにある。本発明のより具体的な目的は、有利な特性の組み合わせを提供す る放射線硬化性組成物から形成された被膜を含む光ディスクを提供することにあ る。本発明のさらなる目的は、諸物性の有利な組み合わせを発揮するコンパクト ディスクのような光記憶ディスクを提供することにある。なおかつ付加的な目的 は、従来の光ディスク製品に比べて、改善された速度で製造することができる光 ディスクを提供することにある。 これらと付加的な目的は、本発明の光ディスクによって提供される。より具体 的に、該ディスクは、基板、金属化層、及び放射線硬化性組成物から形成される 被膜からなる。一つの態様において、放射線硬化性組成物は、アルカンジオール ジアクリレート、アルカンジオールジメタクリレート、アルケングリコールジア クリレート、アルケングリコールジメタクリレート、及びこれらの混合物からな る群より選択される第一成分と、アクリレート−またはメタクリレート含有アル コキシル化ビスフェノールＡ化合物からなる第二成分とを含有するものである。 放射線硬化性組成物は、さらに第一及び第二成分の硬化を開始して硬い保護被膜 を形成する光開始剤、並び に、例えば、金属化層などのディスクに対する被膜の接着を促進するための接着 促進剤を含有する。接着促進剤は、アクリル酸エステル化スルホン酸、メタクリ ル酸エステル化スルホン酸、アクリル酸エステル化スルホン酸無水物、メタクリ ル酸エステル化スルホン酸無水物、アクリル酸エステル化カルボン酸、メタクリ ル酸エステル化カルボン酸、アクリル酸エステル化カルボン酸無水物、メタクリ ル酸エステル化カルボン酸無水物、アクリル酸エステル化りん酸、メタクリル酸 エステル化りん酸、及びこれらの混合物からなる。 本発明の光ディスクは、良好な硬度、良好な耐水性、及び良好な無色透明性を 含む諸物性の良好な組み合わせを示す前述の放射線硬化性組成物から形成された 被膜を含有する。さらに、本発明の光ディスクにおいて被膜を形成するのに用い られる放射線硬化性組成物は、金属化基板に充分かつ均一に塗布することが容易 で、かつ、迅速に硬化して光ディスクの大量生産を容易にする。 これらと付加的な目的及び効果は、以下の詳細な説明を参照することにより、 より一層充分に明らかになる。詳細な説明 本発明の光ディスクは、基板、金属化層、及び被膜からなる。典型的に、基板 は、片面に親スタンパーを有する型内で、透明なプラスチックを射出成型するこ とにより形成される。コンパクトディスク製造技術における周知の方法に従って 、親スタンパーには、記録された信号に対応する極めて微細なピットとランドが 形成され、それによって、射出成型により得られた基板の片面は、親型上に含ま れているピットとランドの複製を含有する。典型的に、基板が成型機から排出さ れる際に、中心穴がディスク基板に穿孔される。一つ の態様において、ディスク基板を形成する透明なプラスチックは、コンパクトデ ィスクの製造用に特別に設計され、かつ、市場で容易に入手できる種々の市販形 態のポリカーボネートを含む。 金属化層は、典型的に、極めて微細なピットとランドを含有する基板表面上に 形成され、それによって、ピット及びランド含有表面を、例えば、通常のＣＤプ レイヤーにおけるタイプのレーザビームなどの光ビームを反射するようにさせる 。金属化層は、如何なる好適な反射金属により形成することができる。金、銅、 銀、及びアルミニウムは、高度の反射特性により好ましく、アルミニウムが特に 好ましい。金属化層は、典型的には真空蒸着により形成されるが、その他の公知 技術を採用してもよく、そして、その厚みは約５０から１００ナノメーターであ るが、厚みは、ディスクの特別に意図した用途に応じて変化させることができる 。 光ディスク被膜は、放射線硬化性組成物から形成され、好ましくは、金属化層 上に形成される。被膜を形成する放射線硬化性組成物は、アルカンジオールジア クリレート、アルカンジオールジメタクリレート、アルケングリコールジアクリ レート、アルケングリコールジメタクリレート、及びこれらの混合物からなる群 より選択される第一成分と、アクリレート−またはメタクリレート含有アルコキ シル化ビスフェノールＡ化合物からなる第二成分とを含有する。これらの成分は 、光開始剤及び接着促進剤と組み合わさって、迅速に硬化して、良好な硬度と耐 水性を持つ均一な被膜を形成する組成物を与える。硬化したコーティング組成物 は、透明かつ無色であり、さらには、本発明の光ディスクにおける有利な使用に 貢献する。 放射線硬化性組成物中に含まれる第一成分のアルカン及び／またはアルケン成 分は、好ましくは約２から約１０炭素原子を持つか、 あるいは、約２から約１０の炭素原子を含有する繰り返し単位を持つ重合体成分 を含んでいてもよい。放射線硬化性組成物中で好適に用いられる第一成分の例に は、１，３−プロパンジオールジアクリレートまたはジメタクリレート、１，４ −ブタンジオールジアクリレートまたはジメタクリレート、１，６−ヘキサンジ オールジアクリレートまたはジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリ レートまたはジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレートまたは ジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートまたはジメタクリレ ート、トリプロピレングリコールジアクリレートまたはジメタクリレートなどが 含まれるが、これらに限定されない。一般に、この成分は、光ディスク被膜を形 成する放射線硬化性組成物の低粘度に寄与し、かつ、金属化基板上に被膜が提供 する連続的かつ均一な被覆に寄与する。好ましい態様では、第一成分は、１，６ −ヘキサンジオールジアクリレートを単独で、あるいは追加のアルカンジオール ジアクリレート、アルカンジオールジメタクリレート、アルケングリコールジア クリレートまたはアルケンジオールジメタクリレートと組み合わせて含有する。 光ディスク被膜を形成する放射線硬化性組成物中に含まれる第二成分は、一般 に、式： Ｒ¹−Ｘ¹−Ｚ−Ｘ²−Ｒ² （ここで、各Ｒ¹及びＲ²は、個々に放射線硬化性官能基であり、各Ｘ¹及びＸ²は 、個々に約２から約４０の炭素原子を持つアルキレンオキシ基であり、かつ、Ｚ に結合する酸素原子を含有し、そして、Ｚは、約５から約４０の炭素原子を持つ 炭化水素基であり、かつ、少なくとも１つの環状基を含有する。） の化合物からなる。第二成分は、放射線硬化性組成物の速い硬化に 寄与し、かつ、光ディスク被膜の良好な硬度に寄与する。特に好ましい態様では 、第二成分は、エトキシル化ビスフェノールＡジアクリレートからなる。 放射線硬化性組成物中に含まれる第一及び第二成分の量は、例えば、組成物の 粘度と硬化速度、並びに、組成物から形成される硬化被膜の硬度、耐水性、及び 無色透明性を最適化するなど、成分の特定の組み合わせによる諸特性の最適化の ために、変化させることができる。この点に関して、放射線硬化性組成物の粘度 は、ＡＳＴＭ−Ｄ−２１９６に従って測定した時、約１０から約２００ｃｐｓの 範囲内にあることが好ましく、約３０から約７０ｃｐｓがより好ましい。さらな る好ましい態様において、放射線硬化性組成物は、約３００ｍＪ／ｃｍ²レベル の紫外線を用いて、約２秒間以内、より好ましくは約１秒間以内に効果的に硬化 し得るものである。放射線硬化性組成物が一旦金属化基板に塗布されて硬化され ると、得られる被膜は、ＡＳＴＭ−Ｄ−３３６３−７４に従って測定した時、少 なくともＢ、より好ましくは、少なくともＨＢの鉛筆硬度を示すことが好ましい 。また、硬化した組成物は、透明かつ無色、すなわち黄化しておらず、ＡＳＴＭ −Ｄ−１２０９に従って測定した時、約０から約１００のＡＰＨＡカラーを示す ことが好ましい。 好ましくは、放射線硬化性組成物は、約２０から約７０重量％の第一成分と、 約２０から約７０重量％の第二成分とを含有する。より好ましくは、放射線硬化 性組成物は、組成物とそれから形成される硬化被膜とが前述の諸特性の有利な組 み合わせを有するために、約３０から約６０重量％の第一成分と、約３０から約 ６０重量％の第二成分とを含有する。 本発明のさらなる態様では、放射線硬化性組成物は、例えば、ポ リオールを含有するアクリレート類またはメタクリレート類、若しくはそれらか ら誘導される化合物、及び／またはウレタンアクリレート類またはメタクリレー ト類などの１つ以上の追加的な反応アクリレート成分を含むことができる。ＵＶ 硬化性であるこのタイプのアクリレート及びメタクリレートオリゴマー類は、こ の技術分野で周知かつ商業的に入手可能であり、そして、例えば、トリメチロー ルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートやネオ ペンチルグリコール（ＰＯ）ジアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒド ロキシペンタアクリレートなどのペンタエリスリトール含有アクリレート、ジー トリメチロールプロパンテトラアクリレートなどを包含する。また、ウレタンア クリレート成分は、追加的な反応アクリレート成分としての使用に好適であり、 イソシアヌレート モノ−、ジ−またはトリアクリレート成分またはそれらの混 合物が包含される。放射線硬化性組成物が第一及び第二成分と組み合わせて、少 なくとも１つの追加的な反応アクリレートを含有する場合、第一及び第二成分の 一方または両方の含有量を減少させることができる。追加的な反応アクリレート 成分を採用する好ましい態様では、組成物は、約２０から約７０重量％の第一成 分、約５から約４０重量％の第二成分、及び約１０から約５０重量％の追加的な 反応アクリレート成分または成分類を含有する。より好ましくは、これらの放射 線硬化性組成物は、約３０から約６０重量％の第一成分、約１０から約３０重量 ％の第二成分、及び約２０から約４０重量％の追加的な反応アクリレート成分ま たは成分類を含有する。 放射線硬化性組成物は、放射線露光に応答して、組成物、特に第一及び第二成 分の硬化を開始するために、光開始剤をさらに含有す る。本発明の組成物は、好都合にＵＶ硬化できる。各種の光開始剤がこの技術分 野で公知であり、本発明の放射線硬化性組成物に採用することができる。本発明 の放射線硬化性組成物に好適に使用される光開始剤の例としては、ベンゾフェノ ン類などのベンゾインまたはそのアルキルエーテル類、フェニルメチルケトン（ アセトフェノン）、置換アセトフェノン類、アントラキノン類、多核キノン類、 ジスルフィド類またはベンジルを包含するが、これらに限定されない。好ましい 態様において、光開始剤は、置換または未置換のベンゾフェノン、アセトフェノ ン、またはこれらの混合物からなり、より好ましくは、置換アセトフェノンから なる。光開始剤は、第一及び第二成分の硬化を開始するのに充分な量で、放射線 硬化性組成物中に含有される。光開始剤は、好ましくは組成物の約２から約１５ 重量％の量、より好ましくは組成物の約５から約１２重量％の量、そして、さら に好ましくは組成物の約８から約１０重量％の量で含有される。 光ディスク被膜を形成する放射線硬化性組成物は、ディスク、殊に光ディスク の金属化基板への被膜の接着を促進するために、接着促進剤をさらに含有する。 その結果、本発明の光ディスクは、改良されたコーティング特性を発揮し、それ によって、光ディスクの耐久性が増大する。一般に、接着促進剤は、有機官能の 酸性化合物からなる。好ましくは、接着促進剤は、アクリル酸エステル化スルホ ン酸、メタクリル酸エステル化スルホン酸、アクリル酸エステル化スルホン酸無 水物、メタクリル酸エステル化スルホン酸無水物、アクリル酸エステル化カルボ ン酸、メタクリル酸エステル化カルボン酸、アクリル酸エステル化カルボン酸無 水物、メタクリル酸エステル化カルボン酸無水物、アクリル酸エステル化りん酸 、メタクリル 酸エステル化りん酸、及びこれらの混合物からなる。接着促進剤のアクリレート またはメタクリレート成分は、接着促進剤と第一成分及び第二成分との相溶性を 増大させると思われる。接着促進剤は、光ディスク、普通は金属化基板の隣接層 への硬化組成物の接着を改善するのに充分な量で、放射線硬化性組成物中に含有 される。好ましい態様では、接着促進剤は、放射線硬化性組成物の約０．０１重 量％から約１重量％の量で含有される。接着促進剤は、より好ましくは、放射線 硬化性組成物の約０．０５重量％から約０．５重量％の量、さらに好ましくは、 約０．０５重量％から約０．３重量％の量で含有される。さらなる好ましい態様 では、接着促進剤は、りん酸アクリレートまたはりん酸メタクリレート、あるい はこれらの混合物からなる。 光ディスク被膜を形成する放射線硬化性組成物は、前述の必須成分により提供 される諸特性の最適な組み合わせに実質的に影響することがない１以上の汎用の 添加剤をさらに含有することができる。例えば、該組成物は、組成物が塗布され る金属化基板を迅速、完全かつ均一に塗布する放射線硬化性組成物の能力を促進 するために、流動促進剤を所望により含有させることができる。好適な流動促進 剤は、商業的に入手可能な反応シリコーンアクリレート及びメタクリレート化合 物、高分子量アクリル酸化合物などを含む。このような流動促進剤を含有させる 場合は、放射線硬化性組成物とそれから形成される硬化被膜の物性の最適な組み 合わせに不利に影響しないように、比較的少量で用いられる。好ましい態様では 、流動促進剤は、組成物の０．５重量％までの量、より好ましくは、約０．０１ から約０．３重量％の量で放射線硬化性組成物中に含有される。 放射線硬化性組成物は、汎用の処理技術により調製される。一般 に、アクリレートまたはメタクリレート成分が固体状態である場合には、加熱に より液化し、次いで残余の成分と混合する。得られた液体混合物は、金属化基板 に塗布する前に、必要があれば、例えば０．４５μｍのフィルターなどを通して 濾過することができる。放射線硬化性組成物は、この技術分野で周知の技術に従 って、金属化基板に塗布することができる。例えば、放射線硬化性組成物は、ス ピンコーティング技術、電子噴霧技術または真空蒸着により適用することができ る。好ましくは、かつ、通常は、放射線硬化性組成物は、公知技術のスピンコー ティング技術を用いて金属化基板に塗布される。粘度の利点があるため、組成物 を塗布するのにスピンコーティング技術を使用することができ、ディスク、普通 は金属化基板上に、完全で均一な被膜を得ることができる。 常法に従って、好ましくはインラインフィルターを含有するシリンジを用いて 、ディスクに組成物を塗布することができる。組成物を塗布後は、ディスクを回 転させて、完全かつ均一な方法で、ディスク表面を横切って組成物を分布させる 。次いで、被覆ディスクに放射線を照射して組成物を硬化させ、硬い保護被膜を 形成する。本発明の未硬化組成物は、例えば、電子ビーム照射または紫外線照射 などの好適な照射形態を使用して、硬化させることができる。組成物は、光硬化 性、すなわち、紫外線照射で硬化できることが好ましい。中圧または高圧水銀ラ ンプなどの電力アークランプ、及びＨ−型、Ｄ−型またはＶ−型ハロゲン化金属 ランプなどの無電極ランプを含む各種のＵＶ照射源が好ましいが、これらに限定 されない。一例として、約２４０から約４５０ｎｍの波長で、約２００から約４ ５０ｍＪ／ｃｍ²のエネルギーで操作するＵＶ照射源が好ましい。放射線硬化性 組成物が一旦硬化すると、得られる被膜は、所望によ り、インクで印刷することができる。記述の放射線硬化性組成物から形成された 本発明の被膜は、その上に印刷するインクを好適に受容する。 本発明の光ディスクの詳細な説明は、典型的なディスクがＣＤ型であることを 指摘している。また、本発明の範囲内には、就中ＣＤ−Ｒ、ＣＤ−ＲＯＭ、及び ＤＶＤ型の光ディスクがある。 本発明の光ディスクは、下記の実施例により、さらに示される。実施例中、ま た、本件明細書を通して、全ての部及び％は、特に断りのない限り、重量基準で ある。実施例 表Ｉを参照し、表示された成分の規定量を用いて、放射線硬化性組成物を調製 した。 表Ｉ 放射線硬化性組成物 成分（重量％） Ａ Ｂ １，６−ヘキサンジオールジアクリレート 46.75 40.75 エトキシル化ビスフェノールＡ ジアクリレート 13.00 50.00 トリス（２−ヒドロキシエチル）イソシア ヌレートトリアクリレート 31.00 イルガキュア１８４¹ 9.00 9.00 エベクリル１６８² 0.15 0.15 シリコーンアクリレート流動促進剤 0.10 0.10¹ １−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンからなる光開始剤² カルボン酸／りん酸メタクリレートからなる接着促進剤 上記の組成物Ａの調製では、イソシアヌレートトリアクリレート成分を最初に ６５℃で２４時間加熱して該成分を溶解させて、その使用を容易にした。各組成 物Ａ及びＢの成分を表Ｉに示す順で混合槽に添加した。次いで、剪断を開始し、 混合槽の温度を約５６℃に上げた。組成物をこれらの条件下にほぼ１時間維持し 、次いで、光ディスクの金属化基板に塗布するために０．４５μｍのフィルター で濾過して調製した。組成物Ａ及びＢは、ＡＳＴＭ−Ｄ２１９６に従って測定し たところ、５２．４ｃｐｓ及び６３．５ｃｐｓの粘度を示した。組成物を３００ ｍＪ／ｃｍ²で硬化させ、鉛筆硬度試験ＡＳＴＭ−Ｄ３３６３−７４に従って測 定したところ、それぞれＢ及びＨＢの鉛筆硬度を示した。このように、組成物及 びその硬化生成物は、諸特性の有利な組み合わせを示した。 この実施例は、本発明の特定の具体化物を例示するためのものであって、これ に限定することを意図するものではない。追加の具体例と本発明の効果は、この 技術の分野における通常の知識を有する者には明らかである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 基板と金属化層と被膜とを有する光ディスクにおいて、該被膜が、アル カンジオールジアクリレート、アルカンジオールジメタクリレート、アルケング リコールジアクリレート、アルケングリコールジメタクリレート、及びこれらの 混合物からなる群より選択される第一成分、アクリレート−またはメタクリレー ト含有アルコキシル化ビスフェノールＡ化合物からなる第二成分、光開始剤、及 びディスクへの被膜の接着を促進するための接着促進剤を含有する放射線硬化性 組成物から形成され、該接着促進剤は、アクリル酸エステル化スルホン酸、メタ クリル酸エステル化スルホン酸、アクリル酸エステル化スルホン酸無水物、メタ クリル酸エステル化スルホン酸無水物、アクリル酸エステル化カルボン酸、メタ クリル酸エステル化カルボン酸、アクリル酸エステル化カルボン酸無水物、メタ クリル酸エステル化カルボン酸無水物、アクリル酸エステル化りん酸、メタクリ ル酸エステル化りん酸、及びこれらの混合物からなるものであることを特徴とす る光ディスク。 ２． 放射線硬化性組成物が、約２０から約７０重量％の第一成分、約２０か ら約７０重量％の第二成分、約２から約１５重量％の光開始剤、及び約０．０１ から約１重量％の接着促進剤を含有するものである請求項１記載の光ディスク。 ３． 放射線硬化性組成物が、約３０から約６０重量％の第一成分、約３０か ら約６０重量％の第二成分、約５から約１２重量％の光開始剤、及び約０．０５ から約０．５重量％の接着促進剤を含有 するものである請求項１記載の光ディスク。 ４． 第一成分が、アルカンジオールジアクリレートを含有するものである請 求項１記載の光ディスク。 ５． 第一成分が、ヘキサンジオールジアクリレートを含有するものである請 求項１記載の光ディスク。 ６． 第二成分が、エトキシル化ビスフェノールＡジアクリレートを含有する ものである請求項１記載の光ディスク。 ７． 放射線硬化性組成物が、少なくとも１つの追加的な反応アクリレート成 分をさらに含有するものである請求項１記載の光ディスク。 ８． 追加的な反応アクリレート成分が、エトキシル化トリアクリレート、ペ ンタエリスリトールポリアクリレート、イソシアヌレート モノ−，ジ−，また はトリアクリレート、またはこれらの混合物を含有するものである請求項７記載 の光ディスク。 ９． 放射線硬化性組成物が、約２０から約７０重量％の第一成分、約５から 約４０重量％の第二成分、約１０から約５０重量％の追加的な反応アクリレート 成分、約２から約１５重量％の光開始剤、及び約０．０１から約１重量％の接着 促進剤を含有するものである請求項７記載の光ディスク。 １０． 放射線硬化性組成物が、約３０から約６０重量％の第一成分、約１０ から約３０重量％の第二成分、約２０から約４０重量％の追加的な反応アクリレ ート成分、約２から約１５重量％の光開始剤、及び約０．０５から約０．５重量 ％の接着促進剤を含有するものである請求項７記載の光ディスク。 １１． 接着促進剤が、アクリル酸エステル化りん酸またはメタクリル酸エス テル化りん酸またはこれらの混合物を含有するものである請求項１記載の光ディ スク。 １２． 放射線硬化性組成物が、流動促進剤をさらに含有するものである請求 項１記載の光ディスク。 １３． 流動促進剤が、反応シリコーン（メタ）アクリレート化合物または高 分子量アクリル酸化合物を含有し、そして約０．０１から約０．５重量％の量で 含有されている請求項１２記載の光ディスク。 １４． 光開始剤が、ベンゾフェノン、アセトフェノンまたはこれらの混合物 を含有するものである請求項１記載の光ディスク。 １５． 基板が、ポリカーボネートから形成されたものである請求項１記載の 光ディスク。 １６． 被膜が、ディスクの外面に形成されたものである請求項１記載の光デ ィスク。 １７． 被膜が、硬化され、かつ、インク印刷に供される請求項１６記載の光 ディスク。 １８． 基板が、ピットとランドとが形成されたものであり、かつ、光ディス クが、光記憶ディスクである請求項１記載の光ディスク。 １９． 基板と金属化層と硬化被膜とを有する光ディスクにおいて、被膜が、 約１０から約２００ｃｐｓの粘度を持つ放射線硬化性組成物から形成され、かつ 、約２４０から約４５０ｎｍの波長と約２００から約４５０ｍＪ／ｃｍ²のエネ ルギーで操作される紫外線照射源を用いて約２秒間以内に効果的に硬化されたも のであり、そして、硬化被膜が、少なくともＢの鉛筆硬度を有するものであるこ とを特徴とする光ディスク。 ２０． 基板と金属化層と硬化被膜とを有する光ディスクにおいて、被膜が、 約１０から約２００ｃｐｓの粘度を持つ放射線硬化性組成物から形成され、かつ 、約２４０から約４５０ｎｍの波長と約２００から約４５０ｍＪ／ｃｍ²のエネ ルギーで操作される紫外線照射源を用いて約２秒間以内に効果的に硬化されたも のであることを特徴とする光ディスク。