JP2000516152A - 切削用インサート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 チップ切削用インサートは、上方チップ面（２）、下方底面（４）、少なくも３個の側面（６、８）、及び上面（２）と２個のインサート側面（６）との交差に形成された少なくも２個の切れ刃（１０）を持つ。各切れ刃（１０）は先端部（３０）と後端部（３２）とを持つ。各切れ刃（１０）と組み合わせられた側面（６）は、第１の内角α₁でインサート底面（４）に対し傾けられた上方の１次逃げ部分（２０）、及び第２の内角α₂でインサート底面（４）に対して傾けられた下方の２次逃げ部分（２２）を備え、第２の内角α₂は鋭角でかつ切れ刃（１０）の少なくもある一部分に沿って第１の内角α₁とは異なっている。

Description

【発明の詳細な説明】 切削用インサート発明の分野 本発明はチップ切削作業用、特にフライス工具に使用する切削用インサートに 関する。発明の背景 本発明が特に引用する形式の切削用インサートは、ＵＳ ５４４７３９６号に 明らかにされる。このインサートは、プレスし次いで焼結することにより作られ 、そしてインサートを切削工具のインサート受入れ用ポケット内に取り付けるた めのクランプ用ネジを受け入れるようにされた中央貫通穴が形成される。インサ ートは上方チップ面（ｃｈｉｐ ｓｕｒｆａｃｅ）、下方底面及び両側の主側面 とこれの間を伸びている副側面との２対を持ち、これら側面は、インサートの上 面とともに主切れ刃と副切れ刃とを定める。各主側面は、交差線で互いに交差し ている上方及び下方の逃げ部分を備え、上方逃げ部分はねじり曲げられかつイン サートの上面から外向きに伸び、また下方逃げ部分は通常の方法でインサートの 下面に向かって内向き（正方向）に伸び、インサートが工具のインサート受入れ 用ポケット内に取り付けられたときに、インサート位置決め用の面として機能す る。 ＷＯ ９５／１７２８４号は、主側面の上方逃げ部分の特別な形状が上述と同様 な切削用インサートを教示する。しかし、ＷＯ ９５／１７２８４号のインサー トにおいては、主側面の上下の逃げ部分の形状は個別に管理されないで、上下の 逃げ部分はインサートの上面からインサートの下面に向かって外向きに伸びてい る１個の側面の形式である。イン サートの副側面は、インサートの主側面と同様な方法で方向付けされ、このため 、作動主側面と組み合わせられた作動切れ刃を与えるように切削用インサートが 工具ホルダーのインサート受入れ用ポケット内に取り付けられたとき、外向きに 伸びている非作動の主側面及び副側面がインサート位置決め用の面として作用し 、これによりポケットにおけるインサートの有効なあり溝状の把持が提供される 。これにより、インサートを工具に取り付ける手段によりクランプ用ネジに加わ る荷重が本質的に減らされる。 しかし、ＷＯ ９５／１７２８４号に説明されたような切削用インサートにお いては、インサート底面に関するインサート側面の傾斜の大きさは、インサート 底面に隣接のインサート主側面と機械加工されている加工物との間の設けねばな らない隙間により制限され、この制限は、比較的小さい切削直径を有する切削工 具にとり特に厳しい。即ち、かかる工具においては、インサート底面に関する主 側面の利用可能な傾斜角度は９０°に近く、従ってかかる工具は、あり溝式でイ ンサートを把持するには適していない。 以上の態様において有利な新規な切削用インサートを提供することが本発明の 目的である。発明の概要 本発明により、上方チップ面、下方底面、少なくも３個の側面、及び前記上方 面と２個のインサート側面との交差に形成された少なくも２個の切れ刃を有する チップ切削用インサートであって、各切れ刃は先端部と後端部とを有し、各切れ 刃と組み合わせられた側面は、第１の内角でインサート底面に対し傾けられた上 方の１次逃げ部分、及び第２の内角 でインサート底面に対して傾けられた下方の２次逃げ部分を備え、前記第２の内 角が切れ刃の少なくもある一部分に沿って第１の内角とは異なっている前記チッ プ切削用インサートが提供される。 好ましくは、前記第１の内角も鋭角であるが、必要ならば９０°に等しいか又 はその付近とすることができる。第１の内角が鋭角である場合、これは第２の鋭 角よりもなお鋭角であることが好ましい。これにより、インサート側面は、切れ 刃の長さの少なくもある一部分に沿って、インサート底面との鋭角の内角が、イ ンサート上面に近いその最小値からインサート底面に近いその最大値まで、イン サートの高さ全体に沿って変化するような形を持つ。これにより、インサートの 全長に沿ってインサートと機械加工されている加工物との間の所要の間隙が保持 され、このため、インサートは切れ刃に直角方向に得られるその断面における可 能な最大幅を持つことができる。 好ましい実施例においては、インサートは、１対の両側の主側面、１対の両側 の副側面及び前記両側の主側面と組み合わせられた１対の割出し可能な両側の主 切れ刃を持つ。好ましくは、各主側面の前記１次逃げ部分が曲げられ、前記第１ の内角は組み合わせられた主切れ刃に沿って変動し、このため、作動切れ刃が工 具軸線に対して傾けられた状態で、インサートが適切な切削直径を有する工具内 に取り付けられたとき、その横逃げ角は切れ刃に沿って実質的に不変である。好 ましくは、前記２次逃げ部分は実質的に平面であって、インサートの主位置決め 面を構成する。 好ましくは、インサートの各副側面に、インサート底面の方向に外向きに伸び ている副位置決め面が形成される。各副側面に、インサートの 平面図で見て、インサートの前記副位置決め面より先に少なくも僅かに突き出る インサート上面の副切れ刃が形成されることも好ましい。図面の説明 本発明及びこれを実際に実行するかを示すために、付属図面が参照されるであ ろう。図面において 図１は、本発明により切削用インサートの等角図であり、 図２は、図１に示された切削用インサートの側面図であり、 図３は、図１に示された切削用インサートの平面図であり、 図４は、図１に示された切削用インサートの正面図であり、 図５は、図３の線V-Vに沿って得られたインサートの断面図であり、 図６、７、８及び９は、それぞれ図３の線VI-VI、VII-VII、VIII-VIII及びIX- IXに沿って得られた切削用インサートの断面図であり、 図１０は、工具ホルダーに取り付けられたときの、図１に示された切削用イン サートの断面図であり、 図１１は、図１０におけるＡ部の拡大図であり、そして 図１２ａ及び１２ｂは、本発明の別の実施例によるインサートの断面平面図で ある。好ましい実施例の詳細な説明 本発明による切削用インサート１が図１、２、３及び４に示される。見られる ように、切削用インサート１は、上方チップ面２、下方底面４、両側の２個の主 側面６、及び両側の２個の副側面８を有する角柱状の割出し可能なインサートで ある。切削用インサート１は、その主側面６、副側面８と上方チップ面２との交 差にそれぞれ形成された２個の主切れ刃１０と２個の副切れ刃１２とを持つ。イ ンサート１には、これを切削 工具（図示せず）の工具ホルダーに形成されたインサート受入れ用ポケット内に インサートを取り付けるためのクランプ用ネジを受け入れるようにされた中央貫 通穴１４が形成される。 図４及び５に見られるように、各主側面６は、１次逃げ部分２０、２次逃げ部 分２２、及びインサート底面４の近く配置された第３の部分２４を有し、これら の部分は、図５にそれぞれα₁、α₂及びα₃で示された異なった第１、第２及び 第３の角度で、インサート底面に対して傾けられる。 図７、８及び９に示されるように、説明された実施例においては、第１及び第 ２の内角は共に組み合わせられた主切れ刃１０の全長に沿って実質的に鋭角であ り、前者の角度は後者の角度よりもより鋭角である。第１の内角α₁は切れ刃１ ０の長さに沿って変わり、従って、インサートがその作動主切れ刃を工具軸線に 対して傾けられて工具に取り付けられたときは、その逃げ角は、切れ刃の長さに 沿って実質的に不変である。説明された実施例においては、角度α₁は、副切れ 刃１２と組み合わせられたインサート先端部３０の近くの約９０°から、インサ ート後端部３２に近いその最小値に変化する。インサート主側面６の２次逃げ部 分２２は平面であり、かつインサート主位置決め面として機能するようにされる 。そこで、第２の内角α₂は切れ刃１２の長さに沿って不変であり、特にインサ ートの寸法及び切削工具の切削直径に応じて、実質的に６５°から８７°の範囲 とすることができる。第３の内角α₃は約９０°である。 図１に見られるように、各副側面８は副切れ刃１２と組み合わせられた領域３ ４を有し、領域３６はいかなる切削機能も持たないエッジ３８ と組み合わせられる。図３に見られるように、副切れ刃１２及び副側面８の領域 ３４とは、その領域３６に関して突き出る。 図１及び２に見られるように、副側壁８は主側面６と同様な形状を有し、イン サートの上面２からインサート底面４に外向きに伸びる。図１及び４に見られる ように、副側面８は、主側面６と同様に、第１、第２及び第３の部分４０、４２ 及び４４を持つ。副切れ刃１２に隣接した領域３４の第１の１次逃げ部分４０は 、好ましくは図６に示されるような負の逃げ形状を持つ。非切削エッジ３８と組 み合わせられた副側面の領域３６の第２の部分４２は、インサートの副位置決め 面として機能するようにされる。 上述のようなインサート１は、参考文献としてここに組み入れられたＵＳ ０ ８／３６０５２２号又はその対応出願ＷＯ ９５／１７２８４号に詳細に説明さ れたような実質的にあり溝の方法で、切削工具のインサート受入れ用ポケット内 に取り付けるようにされる。切削用インサート１がかかる方法で切削工具内に取 り付けられたときは、その非作動主側面及びインサートの作動切削コーナーから 遠いその非作動副側面は、ここから離れると近寄り、傾斜した主位置決め面及び 副位置決め面がインサート受入れ用ポケットの対応側壁に当たる。 図１０及び１１に見られるように、本発明によるインサート主側面の形状によ り、工具内にインサートをあり溝式の取付けで連結する利点に加え、切削作業中 、インサートが、インサートの全高に沿って、機械加工されている加工物Ｗから 所要の間隙Ｃを保持できることが見られる。 本発明による側面の形状を有する切削用インサートは、好ましく型における形 状プレスの手段により、続く研磨の必要なしに、現在のネット シェープ粉末冶金処理により容易に製造できることが特に注意される。 本発明の切削用インサートは上述の特徴以外の特徴を持つことができる。例え ば、切削用インサートを三角形、正方形、又はその他の適宜の形状とし、従って ３個以上の同様な主切れ刃を有するようにすることができる。工具内のインサー トの位置に応じて、主側面の１次逃げ部分により定められる角度α₁は、作動切 れ刃の先端部近くでその後端部付近よりもより鋭角とすることができる。角度α₂ は鋭角である必要はなく、それぞれ図１２ａ及び１２ｂに示されるように正又 は負とすることができる。一般に、角度α₁は９０°±１５°の範囲である。イ ンサートの主側面は、その組み合わせられた主切れ刃の全長に沿って上述の特別 な形状を持つ必要はなく、その一部分に沿ってのみこれを持つことができる。加 えて、インサートの切れ刃は適宜適切な形状及び方向を持つことができる。例え ば、インサートの主切れ刃をインサート底面に対して傾けることができる。 本発明による切削用インサートは上述以外の変更をなし得ることが認められる であろう。 番号表 １ 切れ刃 ２ 上方チップ面 ３ 下方底面 ６ 主側面 ８ 副側面 １０ 主切れ刃 １２ 副切れ刃 １４ 中央貫通穴 ２０ 主側面の１次逃げ部分 ２２ 主側面の２次逃げ部分 ２４ 主側面の第３の部分 ３０ 主切れ刃の先端部 ３２ 主切れ刃の後端部 ３４ 副切れ刃と組み合わせられた副側面の領域 ３６ 副切れ刃と組み合わせられない副側面の領域 ３８ 領域３６と組み合わせられた非切れ刃 ４０ 副側面の第１の部分 ４２ 副側面の第２の部分 ４４ 副側面の第３の部分

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年５月１３日（１９９８．５．１３） 【補正内容】 【図１０】 【図１１】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，Ｆ Ｉ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ， ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，Ｍ Ｘ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ， ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．上方チップ面、下方底面、少なくも３個の側面、及び前記上方面と２個の インサート側面との交差に形成された少なくも２個の切れ刃を有するチップ切削 用インサートであって、各切れ刃は先端部と後端部とを有し、各切れ刃と組み合 わせられた側面は、第１の内角でインサート底面に対し傾けられた上方の１次逃 げ部分、及び第２の内角でインサート底面に対して傾けられた下方の２次逃げ部 分を備え、前記第２の内角が切れ刃の少なくもある一部分に沿って第１の内角と は異なっている前記チップ切削用インサート。 ２．前記第１の内角が切れ刃の長さの少なくも前記部分に沿って鋭角である請 求項１によるチップ切削用インサート。 ３．第１の内角が切れ刃の長さの少なくもある一部分に沿って第２の内角より もなお鋭角である請求項２によるチップ切削用インサート。 ４．前記第１の内角が、切れ刃の長さの少なくもある一部分に沿って９０°に 等しい請求項１によるチップ切削用インサート。 ５．前記第１の内角が切れ刃の長さの少なくもある一部分に沿って鈍角である 請求項１によるチップ切削用インサート。 ６．切削用インサートが、１対の両側の主側面、１対の両側の副側面及び前記 両側の主側面と組み合わせられた１対の割出し可能な両側の主切れ刃を有する請 求項１によるチップ切削用インサート。 ７．前記１次逃げ部分が曲げられ、工具内に取り付けられたときにインサート の逃げ角がインサートの作動切れ刃に沿って不変であるように、前記第１の内角 が組み合わせられた切れ刃の長さに沿って変動する請求項１によるチップ切削用 インサート。 ８．前記２次逃げ部分が実質的に平面であり、かつインサート主位置決め面を 構成する請求項１によるチップ切削用インサート。 ９．インサートの各副側面に、インサート底面に向かう方向で外向きに伸びて いる副位置決め面が形成される請求項６によるチップ切削用インサート。 １０．各副側面に、インサートの平面図で見てインサートの前記副位置決め面 より先に少なくも僅かに突き出るインサート上面の副切れ刃が形成される請求項 ９によるチップ切削用インサート。