JP2000516091A - アルカリプロテアーゼを用いる核酸の単離方法 - Google Patents

アルカリプロテアーゼを用いる核酸の単離方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、溶液中のタンパク質、特に、溶液中で問題の核酸物質を分解することが可能なタンパク質を実質的に不活性化するためにアルカリプロテアーゼで核酸溶液を処理する新規な方法を開示する。本発明は、また、試料のアルカリライゼートをアルカリプロテアーゼと共にインキュベートすることにより生物試料からRNA又はDNAのような核酸物質を単離する新規な方法を開示する。本発明の単離方法の好ましい態様においては、アルカリプロテアーゼで処理した核酸溶液から核酸物質を単離するためにシリカ粒子の樹脂マトリックスが用いられる。開示した方法を生物試料又は核酸溶液に適用すると様々な異なる実用的用途に十分有効であるだけ活性タンパク質による混入がない核酸物質が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】 アルカリプロテアーゼを用いる核酸の単離方法 発明の分野 本発明は、生物試料中に含まれる核酸物質又は単離された核酸物質が様々な用 途に用いられるように、生物試料から核酸物質を単離する方法において生じた溶 液を含む核酸溶液を処理する方法に関する。本発明の方法に従って単離又は処理 された様々な種類の核酸物質の溶液の使用としては、クローニング、マッピング 又は遺伝子操作する問題のデオキシリボ核酸(DNA)物質の制限酵素消化、遺伝子 の存在又はDNA断片内の突然変異を同定するDNAシークエンシング、遺伝子伝達疾 患の診断のため、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による核酸の増幅又は法廷用又は 実父確定用の個体確認の他の標的増幅操作のため、又は遺伝子治療用又は遺伝子 発現への研究用の哺乳動物細胞へのDNA導入(トランスフェクション)のためのリ ボ核酸(RNA)又はDNAのハイブリッド形成分析が含まれる。特に、本発明の態様は 、生物試料から単離した核酸物質が単離操作中に分解されず、ヌクレアーゼのよ うな有害なタンパク質も混入されないことを行わせる迅速で効率のよい方法に関 する。本発明の他の態様は、溶液中の活性ヌクレアーゼが核酸物質を分解するこ とができる、核酸物質の溶液中に含まれるヌクレアーゼを不活性化するために迅 速で効率よく処理する方法に関する。 発明の背景 多くの診断、研究及び開発方法には、生物試料中に存在する特定の核酸(DNA又 はRNA)配列の単離及び検出が必要である。例えば、その存在が感染症の原因を意 味する細菌、ウイルス又は他の微生物を同定するために核酸検出法が用いられて いる。がんや遺伝病と関連がある突然変異の存在を確かめるために、ヒト白血球 のDNAのような複雑な生物細胞の核酸が一般に単離及び試験されるようになって きた。個体又は犯行現場から直接採取した血液のような生物体組織試料から単離 した核酸は、例えば、実父確定用又は法廷用にその試料が由来する個体の同 定を求めるためによく用いられている。当業者に周知のクローニング技術や核酸 分析技術のような研究開発操作を行うためにも生物体組織から核酸が単離されて いる。 上記の用途のいずれの場合にも核酸物質が単離される前に、生物体試料中問題 の特定核酸を使用できるようにすることが必要である。しばしば、核酸は細菌細 胞、真菌細胞、ウイルス粒子、又はヒト白血球又は植物細胞のような複雑な生物 の細胞の中に含まれる。 かかる細胞又は粒子は、かかる生物の壁を化学的又は酵素的に溶解又は変性す るために処理され、核酸を遊離させる。この溶解処理は、一般に“溶解”と言わ れている。溶解した物質を含む得られた溶液は、“ライゼート”と言われている 。 残念ながら、かかる遊離により核酸は、核酸遊離の際に直ちに核酸の破壊が始 まるような量で存在する、試料中に存在する内在ヌクレアーゼによる分解を受け る。後続の精製過程の終わりに残存しているヌクレアーゼは、残存している無傷 核酸を各核酸分子のもとの配列のまま役立つものがなくなるまで分解し続ける。 ヌクレアーゼは、たいていの生物試料中に豊富にあり、他の酵素を不活性化する ことが知られている処理に対して非常に耐性がある。エンドヌクレアーゼIのよ うなデオキシリボヌクレアーゼ(DNAase)は、今日のDNAのクローン化、形質転換 や試験に用いられる細菌細胞の最もふつうの菌株の多くによって大量に自然に生 じる。例えば、Schoenfeldら,Promega Notes 53:13-21(1995)による大腸菌(E.c oli)のend A+株の論文と表を参照されたい。リボヌクレアーゼ(RNAase)は、全部 ではないがたいていの生物試料中に豊富に存在する。 生物体を溶解する方法で遊離される他のタンパク質は、別の問題を導くことが ある。多くの種類の生物体から遊離される一種のリポ多糖修飾タンパク質は、動 物組織培養細胞に毒性があり、問題の核酸含有配列が該細胞に形質転換される前 に標的細胞を破壊してしまう。従って、エンドトキシンが混入した核酸の溶液は 、使用するために細胞が生き続けなければならない組織培養細胞のトランスフェ クションには役に立たない。更に、エンドトキシンは、核酸を生きている動物に 導入する可能性を含む遺伝子治療において合併症を引き起こす。 溶解によって遊離したヌクレアーゼや他の望ましくない産物の問題点を扱うた めに、生物試料からの核酸を精製する様々な手段を用いることは当該技術におい て普通のことである。例えば、アニオン清浄剤やチオシアン酸グアニジニウムの ようなカオトロピック剤がヌクレアーゼ活性を不活性化又は阻害すると同時に細 胞や細胞下組織の中から核酸を遊離させるために用いられた。残念ながら、かか る多くの薬剤は制限消化、形質転換、増幅、標的化やハイブリッド形成操作のよ うな多くの標準操作に用いられる酵素の強力な阻害剤である。上記要因の全ての 結果として、それらの薬剤を除去して実質的に無傷の使用できる核酸を回収する 単離工程を更に用いることが通例になった。 ライゼートから核酸を単離するために用いられる一般操作は、低分子量アルコ ールを用いて溶液から核酸を沈殿させるものである。他の高分子は核酸がからみ つく扱いにくい粘着性の塊を生じる条件下で沈殿することから、エタノール沈殿 の前にフェノール及び/又はクロロホルムを含む有害な有機溶媒混合液で試料を 抽出することがしばしば必要であった。アニオン清浄剤を用いる場合には、プロ テイナーゼKのような清浄剤の存在下に活性であるプロテアーゼを用いて試料の タンパク質成分を部分的に分解し、溶媒処理によって抽出されない成分も分解す る。 上記の単離方法は煩雑であり、有害であり、労働集約的でありかつ緩慢である ことは容易に理解される。操作をあまり注意せずに行う場合には、ヌクレアーゼ による残存している混入があり、試料の核酸が分解又は消失する。かかる試料で 行われる診断用検査はかかる分解のために偽陰性結果を示すことがある。偽陰性 結果は、例えば、残存しているアニオン清浄剤、カオトロピック塩、又は試料中 に残存し標的増幅操作を阻害するエタノールからの化学的妨害によっても得られ る。アニオン清浄剤やプロテアーゼを用いた場合、残存しているタンパク質分解 活性により標的増幅及び/又はハイブリッド形成検出反応に用いられる酵素が分 解されかつ偽陰性結果が生じる。従って、かかる操作は少しの量で臨床用又は法 廷用実験に取られた生物試料の通常の処理にはあまり適さない。 核酸を単離する煩雑でない方法も既知である。RNAを単離及び精製するために 一般に用いられる方法は、チオシアン酸グアニジニウムやアニオン清浄剤を含む ライゼート液から特定の種類の核酸を単離するために常磁性粒子のような磁性粒 子を用いるものである。例えば、プロメガ社の1996年カタログ,pp.158-160に れたい。別のタイプの核酸単離法は、シリカを用いてグアニジウム塩と塩基を含 む細菌ライゼート液からプラスミドDNAを単離するものである。Boomら,J.Clini cal Microbiol.28(3):495-503(1990).かかる方法に使用するために数種のシリ カ系樹脂が市販されている。例えば、WizardTMDNA精製系樹脂(プロメガ社、米国 ウィスコンシン州マディソンから市販されている)の1種のような特殊化したシ リカ系樹脂をライゼートに加え、プラスミドDNAのような問題の核酸に結合させ る。次に、樹脂をカラムに充填し、真空又は遠心力を用いて数回洗浄してから樹 脂に結合した核酸を溶離緩衝液又は水と共にカラムから溶離する。 すぐ上で示したような常磁性粒子や樹脂の方法は核酸を単離する非常に迅速か つ選択的方法であるが、いずれも操作中の時点でヌクレアーゼ又は他の有害なタ ンパク質の不活性化を保証しない。実際に、ヌクレアーゼはいくつかの方法を用 いて生じた単離した核酸の最終溶液にさえそのまま残される。ヌクレアーゼの残 留により、特に課題のDNAがend A+細菌株から単離される場合には、少なくとも 第2の樹脂による精製方法で単離した核酸の深刻な分解が引き起こされる。例え ば、上記Schoenfeldらを参照されたい。 上述したように、核酸単離操作においてタンパク質を酵素的に分解するために プロテアーゼが用いられた。しかしながら、いままでは核酸を単離するために用 いられるプロテアーゼは全てたいていのアルカリライゼートに存在するアルカリ pH範囲においては不活性であった。例えば、プロテイナーゼKはpH9以上で相対的 に不活性であり、典型的なアルカリライゼートのpH範囲であるpH10.5より高いpH で完全に不活性である。一方、プロテイナーゼKは制限消化又は増幅反応に通常 用いられるほぼ中性のpH範囲(pH7-8)の活性が最適であり、核酸標品に残存して いるプロテアーゼ活性がDNAに添加した酵素を分解する。 核酸単離での使用が既知である別のタイプのプロテアーゼである酸プロテアー ゼは、他の多くの問題を生じる。例えば、Kacianらの1995年1月31日に発行され た米国特許第5,386,024号(“'024特許”)には、“酸プロテアーゼを用いて生物 試料中に含まれる所望の核酸を使用できるようにする”方法が記載されている。 ('024特許、請求項1)'024特許の方法は、生物試料のpHを“該試料中に存在す る内在ヌクレアーゼが活性であるpHより低くする工程、低pHに曝露することによ り不可逆的に不活性化されなかったヌクレアーゼを分解する低pHで活性なプロテ アーゼを加える工程、及びpHを高くすることにより該プロテアーゼを不活性化す る工程”からなる。('024特許、3欄、5-11行)'024特許の方法に従って酸プロ テアーゼで処理した生物試料の核酸成分は、単離せずに種々の検出法に直接使用 するのに有用である。('024特許、6欄、39-41行)しかしながら、Kacianは、 酸プロテアーゼ法に用いられる低pHがDNA内の脱プリンや鎖破壊を引き起こすと 述べている('024特許、6欄、4-6行)。従って、この最後の方法はRNA単離によく 適しているが、無傷DNAを単離するための使用は制限される。 アルカリプロテアーゼ(即ち、少なくともpH10で活性であるプロテアーゼ)は 、界面活性剤工業において長い間洗濯の洗浄性能や他の市販の洗剤を宣伝するた めに用いられてきた。例えば、Von der Ostenら,J.Biotechnol.28:55-68(199 3);Aehleら,J.Biotechnol.28:31-40(1993)を参照されたい。バシラス・リヘ ニフォルミス(B.licheniformis)やバシラス・アルカロフィルス(B.alcalophilu s)から精製されたアルカリプロテアーゼは、洗剤に広く用いられ、他の微生物に 比べて毒性が低いこと、アルカリpH値での活性、及び界面活性剤との相溶性が特 に好ましい。かかるプロテアーゼは界面活性剤工業において使用するために安価 に大量に製造される。これらの2種類の微生物からアルカリプロテアーゼを調製 及び精製するために用いられた多くの特許方法の例については、Shettyらの1995 年8月8日に発行された来国特許第5,439,817号を参照されたい。 本発明は、アルカリpHの存在下の溶解中に生物体の核酸とタンパク質の成分を 遊離した後の核酸の分解の課題に関する。本発明は、また、様々な異なる核酸単 離操作におけるタンパク質残留、特にエンドトキシンとヌクレアーゼの残留の課 題に関する。本発明は、アルカリプロテアーゼを用いて生物試料中のヌクレアー ゼを便利に不活性化及び分解し、該試料中の核酸を多くの異なる既知の核酸単離 方法のいずれかを用いる単離に使用できるようにする。本発明の方法に従ってア ルカリプロテアーゼを生物試料に添加すると、ハイブリッド形成分析又は標的 増幅操作のような制限消化、DNAシークエンシング、クローニング及び検出分析 に直接十分用いられるだけ阻害又は分解酵素を含まない該試料中に核酸が残る。 本発明は、溶液から有害なタンパク質を除去しかつ核酸単離が所望される場合に 無傷で使用できる核酸が回収されることを行わせる迅速で簡便で相対的に有害で ない方法である。本発明の方法は、核酸を阻害又は損傷することがあり、単離し た核酸の有用性を制限し、完全に破壊さえするヌクレアーゼのようなタンパク質 を消化する迅速で効率のよい手段を与える。 本発明は、核酸を分解することが可能なヌクレアーゼを含む核酸の溶液を処理 する方法を求めるものである。本発明の方法のこの実施態様は、かかる溶液のヌ クレアーゼ成分を不活性化する迅速で効率のよい手段を与えて、含有する核酸を ヌクレアーゼによる分解又は損傷から保護する。 発明の要約 そこで、既知の核酸単離操作のアルカリ溶解工程で典型的に用いられるアルカ リpH範囲においてヌクレアーゼのような有害なタンパク質を消化することにより 生物体から単離した核酸の質を向上させるためにアルカリプロテアーゼが用いら れることがわかった。また、核酸の溶液を処理して該溶液中に存在するヌクレア ーゼによって分解又は損傷しないように該核酸を保護するためにアルカリプロテ アーゼが用いられることがわかった。アルカリプロテアーゼを用いて核酸物質を 単離するのに有用なキットも開発した。本発明のこれらの主要な実施態様の主な 特徴を次にまとめる。 本発明の実施態様は、核酸物質及びタンパク質を含む核酸溶液をアルカリプロ テアーゼで処理する方法であって、 (a)該核酸溶液のpHをアルカリpHに調整して、アルカリ溶液を形成する工程; (b)該アルカリ溶液を該アルカリプロテアーゼの存在下に該タンパク質が実質的 に不活性化されるまでインキュベートする工程; (c)プロテアーゼ活性を十分低下させるだけ該溶液のpHを下げる工程 を含む、前記方法である。 本発明の他の実施態様は、タンパク質及び核酸物質を含む生物試料から核酸物 質を単離する方法であって、 (a)該生物試料を溶液に懸濁する工程; (b)アルカリ溶解液を添加することにより該溶液のpHをアルカリpHに調整して、 アルカリライゼート液を形成する工程; (c)該アルカリライゼート液をアルカリプロテアーゼの存在下に該核酸物質を分 解することが可能なタンパク質が実質的に不活性化されるまでインキュベートす る工程; (d)プロテアーゼ活性を十分低下させるだけ該アルカリライゼート液のpHを下げ る工程 を含む、前記方法である。 本発明の別の実施態様は、核酸物質を単離するキットであって、別個の容器に (a)アルカリpHで該核酸物質を分解することが可能なタンパク質を不活性化する ことができるアルカリプロテアーゼのアリコート;及び (b)該核酸物質を可逆的に結合することが可能な樹脂マトリックス を含む、前記キットである。 本明細書に用いられる“インキュベート”は、問題の具体的な酵素が溶液中の 具体的な基質を活発に消化する十分な時間及び室温より低いか室温か又は室温よ り高いかいずれかの温度で溶液を維持することを意味するように広く解釈されな ければならない。更に詳しくは、本発明の方法はアルカリプロテアーゼが溶液中 でタンパク質を消化する温度で行われる。 特にことわらない限り、本明細書に用いられる“樹脂マトリックス”は、樹脂 粒子が溶液中で粒子のスラリーの形、カラムに充填された粒子の形、又はフィル ター又はメンブランに埋め込まれた粒子の形である、問題の核酸を可逆的に結合 することが可能な固体樹脂粒子を意味するように広く解釈されなければならない 。 図面の簡単な説明 図1は、残存しているヌクレアーゼ(試料A1+、A2+、B1+、B2+、C1+、C2+、D1+ 、D2+)を検出する、アルカリプロテアーゼの減少量(試料A1-、A2-、B1-、B2-、C 1-、C2-、D1-、D2-)を用いてE.coli LE392細菌(endA+)から単離し、続 いてマグネシウム塩を含有するコア緩衝液中37℃で一晩インキュベートしたプ の複写である。 図2は、上記図1と同じ濃度のアルカリプロテアーゼと試験条件を用いてE. 料を含むアガロース電気泳動の電子走査の複写である。 図3は、67℃で0、3、5、7又は9分間加熱した後に本発明の方法を用いて単 離したプラスミドDNA試料のプロテアーゼ活性分析における経時吸光度測定値の グラフである。 図4は、67℃で0、3、5、7又は9分間加熱したアルカリプロテアーゼの希釈 保存液の試料のプロテアーゼ活性分析における経時吸光度測定値のグラフである 。 発明の詳細な説明 本発明は、態様においては、上記本発明の一般的説明に記載されたようにタン パク質及び核酸物質を含む生物試料からアルカリプロテアーゼを用いて核酸物質 を単離する方法である。他の態様においては、本発明は、上記発明の一般的説明 に記載されたように核酸物質及びヌクレアーゼを含む核酸溶液をアルカリプロテ アーゼで処理する方法である。 アルカリプロテアーゼは、本発明の方法のいずれか又は双方に使用するために 選ばれ、試料の企図した使用を妨害するか又は試料から単離した核酸を分解する 試料中の高分子の消化を触媒することが好ましい。また、微生物細胞壁、ウイル ス粒子、リボソーム、及び/又は試料中に所望の核酸を含む他の構造の溶解又は 分解を促進することにより所望の核酸を使用できるようにするために援助するア ルカリプロテアーゼを選ぶことが好ましい。これらの構造の可溶化及び核酸の遊 離は、溶液中の基質タンパク質を変性するためにアルカリ溶解液又は核酸のアル カリ液に清浄剤を含めてプロテアーゼ消化に対する感受性を高めることにより行 われることが好ましい。アルカリプロテアーゼと清浄剤は、本発明の方法に用い られるアルカリ溶解液の最も好ましい態様と共に核酸物質を含む構造を可溶化す ることを行わせる。ライゼート液中のアルカリプロテアーゼは、可溶化によって 遊離した最少のタンパク質、特に問題の核酸を分解するヌクレアーゼを酵素で不 活性化することを行わせる。 本発明の方法に使用するために選ばれたアルカリプロテアーゼは、アルカリpH (即ち、少なくともpH7.0)、好ましくは少なくともpH9、更に好ましくは少なくと もpH10でタンパク質を消化するのに活性でなければならない。選ばれたアルカリ プロテアーゼは、ヌクレアーゼを消化し不活性化するのに活性でなければならな い。選ばれたアルカリプロテアーゼは、エンドトキシンのようなヌクレアーゼの ほかの他の望ましくないタンパク質を消化することが好ましく、他の望ましくな い成分を消化することが更に好ましい。 本発明の双方の方法に用いられる好ましいアルカリプロテアーゼは、pH9以上 で活性なアルカリプロテアーゼ、好ましくはB.リヘニフォルミス又はB.アルカロ フィルスから精製したアルカリプロテアーゼ、最も好ましくはB.リヘニフォルミ スから得られたアルカリプロテアーゼを産生することが既知のバシラス菌株の1 種から単離される。好ましいアルカリプロテアーゼは数社から市販されており、 バレーリサーチ社、インディアナ州サウスベンドが好ましい。このプロテアーゼ は、従来技術のアルカリ溶解法において生物試料を溶解するために典型的に用い られるpH(即ち、pH10以上)でタンパク質を消化する効率が高いことから特に好ま しい。B.リヘニフォルミスは、市販の利用可能性、及び溶解中又は溶解直後に有 害なタンパク質を不活性化するために現在用いられている他の有機溶媒(例えば 、フェノール)又は他のプロテアーゼ(例えば、プロテイナーゼK)に比べて毒性が 低いことが好ましい。例えば、Chomczynskiの1989年6月27日に発行された来国 特許第4,843,155号を参照されたい。 本発明の核酸を単離する方法の工程(a)、及び本発明の核酸溶液を処理する方 法の好ましい態様における第1工程は、生物試料を溶液に懸濁する工程を含む。 好ましくは、下で詳述される懸濁液が用いられる。用いられる生物試料は、細菌 細胞、ウイルス粒子、植物組織又は動物組織を含む生物体の多くの異なる種類又 は混合物のいずれかである。 ある生物試料を溶液に懸濁するために用いられる方法はその種類に依存する。 例えば、細菌細胞又は動物血液の沈降物は、通常は、溶液を加えピペットで又は 逆さまにして穏やかに混合することにより懸濁される。しかしながら、多くの植 物、動物又は真菌組織は、懸濁する前に凍結や粉末化、又はブレンダー又は他の 機械的混合装置による均質化のような激しい処理が必要である。 上記の懸濁液の使用が好ましい。本発明の懸濁液は、好ましくは水溶液であり 、更に好ましくは緩衝剤を含む水溶液であり、更に好ましくはトリス-HCl緩衝液 を含む水溶液であり、更に好ましくはトリス-HClpH7.5緩衝剤を含む水溶液であ る。本発明の懸濁液は、キレート化剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA) を含むことが好ましい。単離すべき核酸物質がDNA物質である場合、懸濁液は懸 濁液のpHで活性であるRNase酵素を含むことが好ましく、問題のDNA物質を分解又 は阻害しない酵素を含むことが更に好ましい。RNase酵素がRNase Aであることが 特に好ましい。 本発明の方法の好ましい態様の他の工程においては、懸濁液のpHはアルカリ溶 解液を加えることによりアルカリpHに調整される。アルカリ溶解液は塩基、好ま しくはアルカリプロテアーゼが非常に活性であるレベルまで溶液のpHを上げるだ け十分強力な塩基であるが単離すべき核酸物質を損傷させるほど強力でない塩基 を含む。好ましい塩基は、水酸化ナトリウムの水溶液である。アルカリ溶解液は 、清浄剤、好ましくはアニオン清浄剤、更に好ましくはN-ラウリル硫酸ナトリウ ム(SDS)を含むことが好ましい。溶解液の清浄剤成分は、植物細胞又は真菌細胞 の細胞壁、又は細菌膜、又は動物細胞の細胞壁のような生物体の脂質成分を破壊 して細胞壁又は膜内に含まれるタンパク質又はタンパク質-核酸複合体のような 物質をアルカリプロテアーゼで消化するのに使用できるようにする。多くの植物 細胞壁又は真菌細胞壁のような強靭な細胞壁の場合には、塩基及び/又は清浄剤 単独又は共に細胞壁を十分に破壊して核酸物質を遊離させないことが企図される 。かかる場合には、アルカリ溶解液を添加する前に細胞を、例えば、アニオン清 浄剤とプロテイナーゼKで前消化することが十分な溶解を行わせるために必要で ある。 本発明の方法の他の実施態様においては、アルカリプロテアーゼで処理する前 に上記と同じ組成のアルカリ溶解液を用いて核酸溶液のpHを調整することが好ま しい。 アルカリプロテアーゼは、本方法のインキュベーション工程で消化されるタン パク質の溶液中に存在しなければならない。しかしながら、アルカリプロテアー ゼは、pHがpH9以上になるまでほとんど活性にならないように本方法の初期工程 で溶液に添加される。アルカリプロテアーゼは、pHを上げた後に、特に本方法が DNA物質を単離するために用いられる場合やRNaseが懸濁生物体液に存在するか又 は添加される場合に溶液に添加される。ライゼート中の分解タンパク質を実質的 に不活性な必要とするアルカリプロテアーゼ量は、実施例6に記載される分析の ような簡便な保護分析を用いて求められる。 本発明の処理か又は単離法のインキュベート工程は、アルカリ核酸又はアルカ リライゼート液を0〜67℃の温度で、核酸物質を分解することが可能なタンパク 質が実質的に不活性化されるまでインキュベートすることにより行われることが 好ましい。かかるタンパク質の実質的な不活性化を行わせるのに必要とされる時 間は、選ばれるインキュベーション温度に依存して異なる。温度が低いほど酵素 活性は緩慢であり、温度が高いほど、最少の酵素が不活性化されるような高いイ ンキュベーション温度における酵素活性まで高める傾向がある。インキュベーシ ョン温度は、少なくとも45℃より低いことが好ましく、少なくとも37℃より低い ことが更に好ましく、ほぼ室温(25℃)であることが最も好ましい。 アルカリ核酸溶液又はライゼート液は、アルカリプロテアーゼの存在下に該プ ロテアーゼが試料からのタンパク質物質を消化するのに活性であるのに十分高い 温度であるが核酸物質が損傷するほどの高い温度ではない温度でインキュベート される。異なるアルカリプロテアーゼ種が異なる温度で活性であることが企図さ れる。本発明の方法に用いられる最も好ましいアルカリプロテアーゼは室温で活 性であり、インキュベーション工程はほぼその温度で少なくとも約1分間、更に 好ましくは少なくとも約5分間行われることが最も好ましい。 本発明の方法は、核酸物質を単離するために用いられる。しかしながら、DNA を単離するために用いられることが最も好ましい。RNAは、高pHで長時間維持し た溶液中で分解する傾向がある。従って、RNAが本発明の方法に従って単離され る場合にはRNAが分解しないだけの低いpHであるがアルカリプロテアーゼが活性 であるのに十分高いpHで行われなければならない。DNAは、極めて高いpH レベルで無傷のままである。しかしながら、高pHレベルで長時間放置される場合 にはDNAは変性や損傷する傾向がある。結果として、本発明の方法を実施するに あたり、溶解液はアルカリプロテアーゼが溶液中に存在するヌクレアーゼの全部 又は実質的に全部を消化させるのに必要である以上に活性であるpH(“高pH”)で 維持すべきではない。溶解液は、その高pHで好ましくは30分以内、更に好ましく は15分以内、更に好ましくは10分以内、最も好ましくは5分以内維持される。 本発明の方法の工程においては、アルカリプロテアーゼでインキュベートした 後にアルカリ核酸溶液又はライゼート液のpHがプロテアーゼを十分不活性にする だけのpHまで下げられる。一般的は、少なくとも1pH単位で溶液のpHを下げるこ とにより溶液中に存在するプロテアーゼを不活性にすることが企図される。好ま しい実施においては、好ましくはpH8より低いpHに下げることにより、更に好ま しくは混合液のpHを少なくとも中性pH程度まで下げることにより、最も好ましく は中性pH又はほぼ中性pHまで下げることによりアルカリプロテアーゼを不活性に する(単に活性を低下させることと対照される)。あるアルカリプロテアーゼにお いては、pHを好ましいpH範囲まで下げることは混合液中のタンパク質分解消化を 完全に停止するのに十分であり、酵素を不可逆的に変性及び不活性化することさ えもできる。他のアルカリプロテアーゼにおいては、プロテアーゼの完全な不活 性化を達成するためには試料を加熱することが必要である。最も好ましいアルカ リプロテアーゼ、B.リヘニフォルミスから単離したアルカリプロテアーゼはプロ テアーゼを含有する溶液を67℃で5分程度加熱することにより完全に不活性化さ れる。その時間までにライゼートのタンパク質成分がアルカリプロテアーゼで消 化され、pHが低下した核酸は低pHでの加熱操作で無傷のままである。 アルカリプロテアーゼ活性が低下するか又は不活性になると、溶液中に残存し ている核酸は様々な用途に直接用いられ、当業者に周知の単離工程を更に行うこ とにより混合液中の他の物質からも単離される。 アルカリライゼート液のpHをほぼ中性pHに下げる場合には、通常、沈殿が生じ る。溶解した生物試料が細菌細胞のような細胞物質である場合、本方法のその 工程で生じた沈殿は主にタンパク質、多糖、脂質及びゲノムDNAから構成される 。除去されない場合には、その沈殿は後続操作中核酸物質の使用を妨害する。結 果として、本発明の好適実施態様においては、アルカリプロテアーゼ活性低下/ 不活性化工程で生じた沈殿を除去して透明ライゼートを形成する。沈殿はろ過又 は遠心分離によって除去されるが、遠心分離により除去されることが最も好まし い。遠心容器に入れ遠心力に曝される場合、沈殿は容器の底や側面に沈降物を生 じるので、デカンテーションやピペットでとることにより透明ライゼートが取り 出される。次に、透明ライゼート中の核酸物質が直接用いられるか又は多くの周 知の単離法を用いて単離される。 本発明の好ましい実施においては、透明ライゼート(上記)中の核酸物質は単離 工程を用いて溶液中の他の生物体から単離される。本発明と共に使用するのに適 した3種の方法を次に述べるが、本発明がそれらの方法に限定されないことは理 解されなけれならない。 最初の適切な単離法はアルコールによる核酸の沈殿を用いる。透明ライゼート にアルコールを加えて核酸を沈殿させる。次に、遠心分離により核酸を集め、上 清を除去する。次に、DNA沈殿を適切な水性緩衝液に溶解する。Birnboim,H.C. 1983,Methods in Enzymology,Vol.100,pp.243-255;Birnboim,H.C.& Doly ,J.1979,Nucleic AcidsRes.,Vol.7,pp.1515-1523. 本発明の方法に使用するのに適した第2の単離法は、磁気粒子を用いて問題の 核酸物質を単離するものである。本方法においては、核酸物質は磁気粒子に可逆 的に結合し、磁力を用いて溶液中の他の生物体から結合した核酸を分離する。次 に、核酸物質が粒子から第2液に遊離する。磁気粒子は、好ましくは常磁性粒子 であり、更に好ましくは核酸を単離するのに使用が検査された常磁性粒子である 。プロメガ社、ウィスコンシン州マディソンから市販されているStreptavidin 離する好ましい方法は、PCT公開第WO96/09308号に記載されており、この特許の 教示は本願明細書に含まれるものとする。 第3の最も好ましい単離法は、樹脂マトリックスを用いて核酸物質を可逆的に 結合するものである。透明ライゼートを十分量のカオトロピック剤の存在下に適 切な樹脂マトリックスに加えて核酸をマトリックスの樹脂成分に結合させる。樹 脂に結合すると、核酸/樹脂複合体を遠心分離か又は真空のような外力を用いて 少なくとも1回洗浄して洗浄液を除去することが好ましい。次に、溶離緩衝液又 は水を用いて樹脂マトリックスから核酸物質を遊離させる。 上記方法に有用な好ましい樹脂はシリカ系粒子である。核酸を可逆的に結合す るのに適したシリカ樹脂材料としては、ガラス末及びケイソウ土が含まれる。例 えば、Littleの1991年12月24日に発行された米国特許第5,075,430号;又はGilles pieの1992年10月13日に発行された米国特許第5,155,018号を参照されたい。これ らの特許の教示は本願明細書に含まれるものとする。本発明の好ましい単離法に 用いられる樹脂は、マトリックス中シリカ材料の固体粒子からなる。液体/粒子 スラリーの形、充填カラムの形、又はフィルター又はメンブランの形のシリカ系 樹脂粒子を含む多くの異なる形の樹脂マトリックスのいずれかが本発明の核酸単 離法に用いるために企図される。好ましい樹脂マトリックスは、WizardTMDNA精 製系と共に使用するためのプロメガ社、ウィスコンシン州マディソンから市販さ れている樹脂スラリー又は充填カラムの1種である。更に好ましい樹脂マトリッ クスは、アンシス社、カリフォルニア州アービンから市販されている埋め込みフ ィルター材料の1種である。アンシス社から市販されているSPECTMシリカディス ク材料が特に好ましい。他の好ましい市販の樹脂マトリックスは、キアジェン社 からDNA精製系と共に販売されている。本発明の方法に使用するのに適したシリ カ系樹脂組成物は、PCT公開第WO95/06652号に記載されており、この特許の記載 は本願明細書に含まれるものとする。 核酸精製の当業者は、本発明の方法が様々な生物試料から単離したRNAを含む 核酸物質の質を向上させるために用いられることを認識する。RNA抽出の標準法 の1つは、高濃度のチオシアン酸グアニジンのようなカオトロピック剤の存在下 に組織を破壊し、続いてフェノールとクロロホルムの混合液で有機抽出すること を含む。この抽出においては、RNAは水相へ、DNA及び変性及び不活性化したタン パク質等の混合物は有機相と中間層に各々分割される。しかしながら、1回の抽 出は混入しているヌクレアーゼの全部を効果的に除去又は不活性化しないので多 回抽出が必要である。しかしながら、各抽出により試料からのRNAの回収が減 少することになる。試料からのRNAを分解するヌクレアーゼの除去は定量的でな ければならない。これらの酵素は非常に安定であることが知られ、RNAの長時間 の保存中に活性型に再生することある。これにより試料の保存中にRNAの緩慢な 分解が引き起こされる。異なる出発物質が種々の量のリボヌクレアーゼ活性を含 み出発物質全ての抽出操作を標準化することを難しくすることも認識されなけれ ばならない。 適切な条件下で、RNAは可逆的に結合し、シリカ粒子から溶離される。有機抽 出からの水相がアルカリプロテアーゼによる処理に続いてシリカ粒子を用いて精 製されることが予想される。かかる処理単離工程を行うために、水相はまずアル カリプロテアーゼが十分活性である(pH範囲7-9)がRNA試料のアルカリ加水分解を 可能にしないpHに調整される。残存しているリボヌクレアーゼの分解や不活性化 を十分可能にする時間インキュベートした後、水相はシリカへのRNAの結合を可 能にする適切な濃度のカオトロープに調整され、前述のDNAのように洗浄され、 低イオン強度の緩衝液中でRNAが溶離する。この操作は、多回抽出の必要が除か れかつRNAの収量と純度を改善する。 下記の実施例により本発明を更に具体的に説明する。これらの実施例は、本発 明を例示するものであり、その範囲を限定又は制限するために用いるべきではな い。 実施例 下記の9つの実施例は、本発明のDNAを単離する方法の好適実施態様の1つを 示すか又は下記に示される好ましい形の実施態様の1つ以上の単離した生成物を 分析するものである。特にことわらない限り、下記実施例においてプラスミドDN Aを単離するために用いられる操作は全てメンブランに埋め込まれたシリカ粒子 の樹脂マトリックス、特に2mlのミクロフュージ管の内側に十分に合う小さなス ピンカラムの底に固定される1対のSPECTMシリカフィルターディスクを用いた。 シリカフィルターディスクやスピンカラムのこの個々の構造を以下“スピンバス ケット”又は“バスケット”と呼ぶ。 下記の最初の4つの実施例は、種々の量のアルカリプロテアーゼを用いて2種 類の異なるE.coli細菌のend A+株、LE392とY1090から特定の核酸物質、プラ スミドDNAを単離するという効果を示すものである。ここでの実施例は全て上記 スピンバスケットを用いて、アルカリプロテアーゼの存在又は不在で行われるア ルカリ溶解初期工程後に問題の核酸物質を単離した。下記に示される場合を除い て、最初の4つの実施例に用いられる溶液は全てプロメガ社から入手したWizardTM +DNA精製系の成分とした。最初の実施例で単離したプラスミドDNAに一致する 保護量は、本明細書に用いられる特定の単離操作のアルカリ溶解工程においてヌ クレアーゼを消化するために用いられるアルカリプロテアーゼ量と共に増加する ことがわかった。 実施例5においては、アルカリ溶解工程において過剰量のアルカリプロテアー ゼを用いて単離したプラスミドDNAの試料中のアルカリプロテアーゼ残留物を分 析した。残存しているプロテアーゼの実測量は、添加量に比べて非常に少なく、 添加量のわずか約1/10,000だけが単離したプラスミドDNAの最終溶液に残存する ことがわかった。 実施例6は、次の実施例に用いられるアルカリプロテアーゼ活性分析を用いる ものである。次の実施例、実施例7においては、溶液中のプロテアーゼが67℃で 加熱することにより不活性されるかを発見するために、プロテアーゼの希釈した 保存溶液の溶液又は単離したプラスミドDNAのプロテアーゼ混入液の溶液いずれ かのアルカリプロテアーゼ希釈溶液を調べた。その温度でわずか5分間加熱する と、希釈保存液又は混入プラスミドDNA液の双方の溶液中のアルカリプロテアー ゼを不活性化することがわかった。 これらの2つのDNA単離と分析の実施例は、実施例1と実施例2に従ってアル カリプロテアーゼを用いて単離したプラスミドDNAの同一性と機能上の純度の分 析を記載するものである。これらの2つの実施例の最初のもの、実施例8におい ては、単離したプラスミドDNAの試料を蛍光自動シークエンシング、試料中の混 入物に対する感受性に対して既知のシークエンシング法を用いて配列を決めた。 この分析により、単離したプラスミドDNAの配列がDNAを単離した細菌細胞を形質 転換するために用いられるプラスミドDNAの配列に釣り合い、単離したDNAの同一 性が確認されることが証明された。得られた高質のシークエンシングデータによ り、単離したDNAの機能上の純度が証明された。 後の実施例、実施例9により、問題の遺伝子を含む単離したプラスミドDNAが 組織細胞にトランスフェクトされ巧く遺伝子が発現されることが証明された。こ の実施例においては、ルシフェラーゼ遺伝子を含むプラスミドが2種類の異なる 組織培養細胞系、1種はがん性ヒト組織から得られもう1種はハムスター卵巣か ら得られたものにトランスフェクトされた。ルシフェラーゼは試験した双方の細 胞系によって自然に生じるタンパク質ではないので、プラスミドでトランスフェ クトした細胞だけがルシフェラーゼを生じた。ルシフェラーゼは、ホタルの尾部 を発光させることが知られる主な酵素である。ルシフェラーゼ遺伝子は、たいて いの微生物における発現がルミノメータを用いて容易に検出及び定量されるので ふつうのリポーター遺伝子である。ルシフェラーゼ遺伝子発現は、単離したプラ スミドDNAでトランスフェクトした双方の組織培養細胞に検出され、本発明の方 法に従って単離したDNAが組織培養細胞を巧くトランスフェクトするために十分 に無傷で混入物を含まないことが示された。 実施例10は、核酸物質とタンパク質を含む核酸溶液を処理するために用いられ る本発明の方法の実施態様を示すものである。 実施例11は、生物体から抽出したRNA水溶液を生成及び処理するための本発明 の方法の使用を記載するものである。 実施例12は、実施例11で生成及び処理されたRNA水溶液からRNAを単離するため のシリカ樹脂マトリックスの使用を示すものである。 実施例1-透明ライゼートの生成 株から単離した。2株、Y1090とLE392をこのプラスミドで形質転換し、2xYT+1% グルコース+アンピシリンの一夜培養、ルリアブイヨン(LB)又は最少培養液のよ うな標準培養液に比べてエンドヌクレアーゼの生産を増大させるリッチ完全培地 で別々に増殖した。次に、細菌細胞を遠心分離で回収し、10ml培養物の等価物に 対して0.25mlの懸濁液の割合で懸濁液に懸濁し、250μlアリコートを数本の遠 心管の各々に分配した。 懸濁細胞は各管において一様に濁った液を生じた。懸濁液の組成は50mMトリ ス-HCl、pH7.5;10mM EDTA;及び100μg/ml RNaseであった。懸濁細胞のアリコー トの数は、下記の各実施例で行われる試験の回数に依存して異なった。 懸濁細胞に250μlのアルカリ細胞溶解液を加え、逆さまにして細胞と混合し 、1〜5分以内に液が透明になった(ライゼートの形成を意味する)。溶解液の組成 は、0.2M Na0H及び1% SDSであった。得られたライゼートは、pH約10であった。 10μlのアルカリプロテアーゼ液又は10μlのアルカリプロテアーゼ希釈緩衝 液を各ライゼート試料に加えた。希釈緩衝液の組成は、25% 1,2プロパンジオー ル、3.2%ホウ酸ナトリウム、pH6.3であった。この操作段階で加えたアルカリプ ロテアーゼ溶液に異なる濃度のアルカリプロテアーゼを用いた。使用した濃度は 、次の実施例に示される。B.リヘニフォルミスから単離したアルカリプロテアー ゼの保存液を上記希釈緩衝液で希釈することによりプロテアーゼ液を調製した。 これに及び次の実施例に用いられるアルカリプロテアーゼは、バレーリサーチ、 米国インディアナ州サウスベンド(製品No.APL660)から入手した。10μlのアル カリプロテアーゼ又は希釈緩衝液を加えるとすぐにライゼートを逆さまにして混 合し、得られた混合液をほぼ室温で5分間インキュベートした。 各混合管に350μlの酸性中和液を加えて逆さまにして混合することにより混 合液のpHを下げた。沈殿が生じ、混合液の外観が濁った。酸性中和液の組成は、 4M塩酸グアニジン;0.759M酢酸カリウム;1.62M氷酢酸、pH4.2であった。濁ったラ イゼート混合液をミクロ遠心分離機で14,000×g、室温で10分間遠心分離して管 の底と側面に沈降物が沈殿した透明ライゼートを形成した。 実施例2-透明ライゼートからプラスミドDNAの単離 試験すべき各試料の2mlのコレクション管にスピンバスケットを入れた。透明 ライゼートをピペットでスピンバスケットに移した。次に、バスケットをミクロ フュージで14,000×g、室温で1分間遠心分離して透明ライゼートをスピンバス ケットのシリカ含浸メンブラン成分に通過させた。次に、バスケットを取り出し 、コレクション管に集めた液を捨て、バスケットを同じコレクション管に入れた 。 バスケット内容物を、0.01M NaCl、0.01Mトリス-HCl(pH7.5)及び80%エタノー ルからなる洗浄液で2回洗浄した。第1洗浄工程で750μlの洗浄液をバスケッ トに加え、バスケット/管の組合わせをミクロ遠心分離機で14,000×g、室温で1 分間遠心分離した。前のようにコレクション管に集めた液を捨てた。第2洗浄工 程では250μlの洗浄液を用いて同じ操作を行った。 次に、バスケットと共に洗浄液を移さないように注意してバスケットをきれい な1.5mlのミクロ遠心管に移した。100μlのヌクレアーゼを含まない水を加え、 試料をミクロ遠心分離機で14,000×g、室温で1分間遠心分離することにより、 プラスミドDNAをバスケット内の樹脂から溶離した。次に、バスケットアセンブ リを管から取り出し、捨てた。単離したプラスミドDNAの管に栓をし、下記実施 例に記載される試験に使用されるまで+4℃に置いた。 実施例3-プラスミドDNAを保護するアルカリプロテアーゼレベルの分析 本実施例においては、実施例1の透明ライゼート生成操作のアルカリ溶解工程 に種々の量のアルカリプロテアーゼを用いた。次に、実施例2の単離操作を用い て透明ライゼートからプラスミドDNAを単離した。得られた単離した核酸物質液 を試験して(1)溶液中のプラスミドDNAが著しくニック又は分解されているか、及 び(2)1×コア緩衝液中37℃で一晩インキュベートした後に溶液がプラスミドDNA をニック又は分解するかを求めた。 本実施例に用いられるコア緩衝液は、エンドヌクレアーゼIのようなヌクレア ーゼ活性を含む酵素活性を促進するように設計した。1×コア緩衝液の組成は次 のようにした:25mMトリス-酢酸塩pH7.8(25℃)、100mM酢酸カリウム、10mM酢酸マ グネシウム、1mM DTTであった。この1×溶液をつくるために用いられる10×コア は、プロメガ社、米国ウィスコンシン州マディソンから入手した。 ゲル電気泳動を用いて上記2つの各試験からのプラスミドDNAが分解又はニッ クされているかを求めた。次は本実施例で行った試験の詳細な説明である。 3.7mgプロテアーゼ/ml(試料A1とA2);470μgプロテアーゼ/ml(試料B1とB2);58 .5μgプロテアーゼ/ml(試料C1とC2);及び0μgプロテアーゼ/ml(即ち、希釈緩 衝対照液(試料D1とD2)を含有する10μlプロテアーゼ液を用いる標品の 実施例1と実施例2に記載された手順に従ってDNAを単離した。 15μlのDNAを2回の実験試料として用いる2つの別個の容器の各々に分割し て2μlの10×コア緩衝液を2回実験試料の1つに加えることにより最終DNA標品 中のエンドヌクレアーゼ活性の検出を行った。次に、試料を37℃で一晩インキュ ベートし、0.5mMヨードプロピルチアゾールオレンジ(IPTO)、核酸染色蛍光染料 を含むトリス-酢酸塩-EDTA(TAE)電気泳動緩衝液中1%アガロースゲルで分画した 。分画してからFluorlmager(モレキュラーダイナミクス)を用いてゲルを走査し てDNAバンドを可視化した。図1は、このゲルの走査から生じた画像のコピーで ある。 電気泳動ゲルによる無傷プラスミドDNAの存在は、プラスミドDNA標品によく見 られる二量体、ニックモノマー又はニック二量体バンドより速く移動する超コイ ルDNAのバンドで示される。多量体やニック多量体に対応する二量体又はモノマ ーバンドより遅く移動するバンドもプラスミドDNA標品にときどき見られる。図 1のゲル写真は、最も速く移動するバンドが遅く移動するバンドよりページの下 に近いように配置されている。上記のいずれの形でもプラスミドDNAの分解は、 無傷DNA試料に比べて1以上のバンドの強度の消失又は低下、及び/又は主要バン ドより下のスメアの出現によるゲル像で示され、分解した低分子量プラスミドDN Aの存在が示される。 図1は、上記のように単離したプラスミドDNA試料について行った2回実験の 試験結果を示す写真である(試料A1、A2、B1、B2、C1、C2、D1とD2)。特に、図1 は、コア緩衝液が添加されなかった試料(試料No.のあとに記号“-”で示されて いる)と横方向のコア緩衝液とインキュベートした試料(試料No.のあとに記号“+ ”で示されている)との2回実験試料(A1、A2等)を分画するために用いられる電 気泳動ゲルを走査することから生じた画像のコピーである。 図1の試験により、無傷プラスミドDNAが処理した培養物の各アリコートから 回収されたことが証明される(即ち、図では試料は記号“-”で示されている)。 図1により、プラスミドDNAがプロテアーゼで処理されないコア緩衝液(試料D1+ とD2+)の存在下にインキュベートした2回実験試料で完全に分解されたことが証 明される。単離中に最大量のプロテアーゼで処理されたインキュベート試料(試 料A1+とA2+)は分解が証明されず、中間量のプロテアーゼで処理されたもの (試料B1+とB2+)と最少量のプロテアーゼで処理されたもの(試料C1+とC2+)は完全 に分解された。 本実施例により、DNAの単離中にアルカリライゼートに添加される場合には単 離したプラスミドDNAの分解を排除するためにアルカリプロテアーゼが用いられ ることが証明される。更に、プロテアーゼの添加量を上記のような保護分析を用 いて各プロテアーゼについて経験的に求めなければならないことが証明される。 かかる定量が行われDNAを保護するプロテアーゼレベルが求められると、プロテ アーゼの活性と精製法が変わらない限り実験を繰り返す必要がない。本実施例に より、少なくとも約10μlの少なくとも約3.7mg/mlアルカリプロテアーゼ液がア ルカリ溶解工程で添加される場合には上記単離法を用いてプロテアーゼDNAの最 適保護が得られることが証明される。 実施例4-異なるE.coli株におけるアルカリプロテアーゼ保護分析例3と同じ手順と同じアルカリプロテアーゼを用い、上記のようにエンドヌクレ アーゼの混入を試験した。 本分析の結果は、実施例3のように生成し、実験し、走査した電気泳動ゲルを 示す図2から明らかである。試料をコア緩衝液が又は含まないインキュベート又 は水とのインキュベートを各々示すために用いられる図1と同じ“+/-”記号で 標識した。図1と同様の試料番号システムを用い、試料E1とE2は3.7mgプロテア ーゼ/mlを含む10μlのアルカリプロテアーゼの添加を示し、試料F1とF2は470μ gプロテアーゼ/mlを含むプロテアーゼ液の使用を示し、試料G1とG2は58.5μg プロテアーゼ/mlを含むプロテアーゼ液の使用を示し、H1とH2はアルカリプロテ アーゼを添加しない(即ち、0μgプロテアーゼ/ml)ものを示した。 実施例3のように、無傷プラスミドDNAを各試験した試料から精製した。実施 例3のように、アルカリプロテアーゼが添加されない水の対照においてコア緩衝 液とインキュベートした試料(H1+とH2+)及び最少量のプロテアーゼを添加した 試料(G1+とG2+)ではプラスミドDNAが完全に分解された。中間量のプロテアーゼ が添加された試料(F1+とF2+)ではプラスミドDNAが幾分保護された。最大 量のプロテアーゼが添加された試料(E1+とE2+)では分解が認められなかった。 従って、本実施例から実施例1と実施例2の手順に従って単離したプラスミド DNAをヌクレアーゼによる分解から保護するために、特にDNAが細菌のendA+株か ら単離される場合、少なくとも約3.7mgプロテアーゼ/mlを含むプロテアーゼ液が 用いられることが示される。 実施例5-DNA標品におけるアルカリプロテアーゼ残余分析 本実施例においては、透明ライゼートを生成するために実施例1の手順及びプロ テアーゼDNAをライゼートから単離するために実施例2の手順でアルカリプロテ アーゼ濃縮液を用いてE.coli endA+株からプラスミドDNAを単離した。かかる条 件下で単離したプラスミド液が活性アルカリプロテアーゼを含有するかを求める ために前の2つの実施例の単離法において過剰量のアルカリプロテアーゼを用い た。 15mgプロテアーゼ/ml、10mgプロテアーゼ/ml又は7.5mgプロテアーゼ/mlを 3Zf(+)を大腸菌株LE392(endA+)から単離した。4番目にアルカリプロテアーゼを 添加しない試料の3回実験を対照として含めた。上記実施例1と実施例2に記載 される手順を用いてDNAを単離した。 単離した各DNA液の半量をアルカリプロテアーゼの比色基質を含む反応混合液 に加え、410nmの経時吸光度を測定することにより、最終DNA液中のアルカリプロ テアーゼ量を求めた。次に、410nmの吸光度の増加率を、0〜25ngプロテアーゼ/ 分析の範囲のアルカリプロテアーゼ量を含む既知の組成のアルカリプロテアーゼ 液の吸光度を測定することにより作成した検定曲線と比較した。プロテアーゼ濃 度の量増加に対する検定液の吸光度増加率は、直線的であることがわかった。従 って、これらの試料について測定した発色率から単離したDNA標品からの試料中 のプロテアーゼ量を外挿した。下記表1は、DNA単離で添加した量に対するプロ テアーゼ実測量の割合の標品中に見られるプロテアーゼレベルを示すものである 。 過剰量の添加プロテアーゼの極めて少量、即ち、約0.01%末満だけが本実施例 で生成した単離プラスミドDNA液に残存することがわかった。 実施例6-アルカリプロテアーゼ活性を分析するために用いられる方法 本実施例は、本明細書に示された実施例のアルカリプロテアーゼ活性を分析す るために用いられる方法を記載するものである。本実施例に用いられるアルカリ プロテアーゼ、B.リヘニホルミスから単離したプロテアーゼは疎水性残留物のタ ンパク質を切断し、親水性又は荷電残留物のタンパク質分子を切断するよりもか なり速く切断する。本分析は、かかるプロテアーゼに対する酵素及び市販の基質 の特異性を利用して溶液中のプロテアーゼの量を求めるものである。 本分析は、かなり希釈したプロテアーゼ液のアルカリプロテアーゼ活性を測定 するために用いるものである。マイクロタイタープレートリーダーの使用が必要 であり、作業に1〜3時間かかる。本分析は非常に感受性があり、lngのアルカリ プロテアーゼ/溶液のml程度を測定することができる。 1.材料: ・0.5Mトリス-HCl室温でpH9.0 ・ジメチルホルムアミドに溶解した20mg/mlのAla-Ala-Phe-p-ニトロアニリド、 シグマプロダクトA−9148又は等価物 ・50mMリン酸ナトリウムpH5.0 ・透明な平底マイクロタイタープレート ・380−410nm波長範囲の吸光度を読み取ることが可能なマイクロタイタープレー トリーダー 2.手順: a.分析液混合液をつくる。10μlのジメチルホルムアミド液を990μlの0.5mト リス−HCl緩衝液に加えることによりlmlの溶液をつくる。200μlの分析液をモ ニターされる各ウェルに入れる。全試料、標準及びブランクに試薬を必要とする 。 b.プロテアーゼ標準を調製する。アルカリプロテアーゼ残余量は通常極めて少 量であり、標準は約0〜約10ng/ウェルの範囲である。アルカリプロテアーゼ保存 液を50mMリン酸ナトリウム、pH5.0に希釈することにより標準をつくる。 c.DNA標品と標準の試料をウェルに入れ、マイクロタイタープレートリーダーを 用いて410nmでプレートを読み取る。 分析を全て同時に開始することは非常に重要なことである。分析を行うのに最 も効果的な方法は、全ての分析を集めて最後の添加直後にプレートを読み取るこ とである。最初の読み取り値を0時点として用い、30〜120分後にプレートを再 び読み取り、ウェルの吸光度の差を求める。 実施例7-DNA標品中のアルカリプロテアーゼ残留物の不活性化 上記実施例5の実測量のようなDNA最終標品中のアルカリプロテアーゼの少量 でさえ単離したDNAの使用を阻害する適用がある。かかる適用については、標品 中のプロテアーゼ活性を排除する簡便で迅速な方法があることは有用である。本 実施例により、残存しているアルカリプロテアーゼを不活性化する方法、即ち、 試料を加熱することにより不活性化する方法の有効性が証明される。 単離したプラスミドDNA液へ残るアルカリプロテアーゼを不活性化するために 必要とする最少時間を求めるために、上記実施例5からの単離したプラスミドDN A液を含むアルカリプロテアーゼの試料のいくつかを試験用にプールした。プー ルした物質の単一試料をよく混合し、後述されるように試験用に5つの新しい試 料に分けた。同様に、実施例5で用いた希釈保存液をプール及び分割すること により5つの第2対照試料をつくった。5つの試験試料と5つの対照試料を67℃ で異なる時間加熱し、各試料の1つを0、3、5、7又は9分間加熱した。加熱後 、上記実施例5に記載されるように各試料についてアルカリプロテアーゼ活性を 試験した。 図3は、上記実施例5からの単離したDNA試料のアリコートをプール及び加熱 することにより作成した4つの試験試料の各々に残存しているアルカリプロテア ーゼの比活性を示すグラフである。図4は、実施例5に用いられるアルカリプロ テアーゼの溶液を加熱することにより作成した対照試料に残存しているアルカリ プロテアーゼの比活性を示すグラフである。双方の図から、プロテアーゼが単離 したDNA試料又はプロテアーゼの希釈した保存液に存在するかに無関係に67℃の 加熱のわずか3分間後にアルカリプロテアーゼの活性が初期値の少なくとも50% だけ低下することが示される。双方の図から、ここで試験した試料のアルカリプ ロテアーゼ活性が67℃の加熱の5分以内に実質的に検出できないことが証明され た。2つの図(図3と図4)は相互に非常に似ており、プロテアーゼ対照には存在 しない単離したDNA液に存在する物質はいずれもその液におけるアルカリプロテ アーゼの安定性又は不安定性に対して注目すべき影響がないことを意味する。 本実施例から、溶液を67℃で5分以上加熱することにより単離した核酸の試料 のタンパク質分解活性の実質的に全てが排除されることが証明される。従って、 残存しているプロテアーゼが少量でさえ使用者に関係がある場合には、試料中の 残存しているプロテアーゼ活性はかかる加熱不活性化により取り除かれる。 実施例8-単離したプラスミドDNAの蛍光シークエンシング 本実施例は、上記実施例1と実施例2に記載される本発明の方法の実施態様に 従って単離したプラスミドDNAの蛍光シークエンシングの使用から得られた結果 を記載するものである。単離工程中に配列が修飾又は分解されないことを保証す るために単離したプラスミドDNAの配列が分析により調べられる。蛍光シークエ ンシングは、溶液中の混入物に感受性がある傾向がある。例えば、ある混入物は 蛍光シークエンシングに用いられる1種以上の色素の蛍光シグナルを消し、ヌク レアーゼのような他の混入物は核酸の鋳型又はコピー鎖を短縮又は分解すること ができ、高いバックグラウンド及び/又は不正確な結果が生じる。 本実施例においては、実施例1と実施例2に記載されるように15mg/mlを含む1 0μlのアルカリプロテアーゼ溶液を用いる標品に対して6回の実験でE.coli プラスミドDNAを水と溶離した。1μgの精製プラスミドDNAを含むアリコートを 真空乾燥し、6μlの水に懸濁した。 ルマー/アプライドバイオシステムABI PRISMTMダイプライマーサイクルシークエ ンシングレディリアクションキットを用いて製造業者のプロトコール(P/N402113 改訂B、1995年8月)のように行った。キットは、蛍光標識シークエンシングプラ イマー、ヌクレオチド、緩衝液及びシークエンシング酵素を含むレディリアクシ ョンプレミックスが含まれる。概要としては、1μlのプラスミド標品を4μl のAレディリアクションプレミックスと混合した。2番目の1μlアリコートを 4μlのCレディリアクションプレミックスと混合した。3番目の2μlアリコ ートを8μlのGレディリアクションプレミックスと混合した。4番目の2μl アリコートを8μlのTレディリアクションプレミックと混合した。 試料をパーキンエルマーモデル9600サーマルサイクラー内で製造業者のプロト コールに推奨されるようにインキュベートした。(パーキンエルマープロトコー ル、パートNo.402113、改訂B、1995年8月)サイクリングプロファイルは、96℃1 0秒、55℃5秒、次に70℃60秒から構成された。このサイクリングプロファイルを 15サイクル繰り返した。次に、試料を96℃10秒、次に、70℃60秒にかけた。この サイクリングプロファイルを15サイクル繰り返した。次に、試料を濃縮できるま で4℃でインキュベートした。 サイクルにかけた各試料からのA、C、G及びT反応液を上記製造業者のプロトコ ールに記載されるようにプールし沈降させた。試料を250μlの70%エタノールで 1回洗浄し、推奨されるように簡単に乾燥した。乾燥した沈降物を6μlの試料 ローディング緩衝液(50mg/mlブルーデキストランを含む脱イオンホルムアミド5 部/25mM EDTA,pH8.01部)に懸濁した。1.5μlアリコートの各試料を4% 尿素/ポリアクリルアミドゲルで行い、パーキンエルマー/アプライドバイオシス テムズモデル377蛍光DNAシークエンサーを用い、製造業者によって推奨される実 験条件を用いて実験中に蛍光シグナルデータを集めた。データ収集を3時間行 6試料は全て、アンビギュイティを解決することを試みずに500塩基について9 9%より多く正確である配列データを得た。得られた配列データは、バックグラウ ンドも検出されず間違ったバンドもなく、単離したプラスミドDNA試料がヌクレ オチド又は配列データの質に悪影響を及ぼす他の同様の有害な混入物による混入 がないことが示された。下記表2は、上記のように単離及び分析した6試料の各 々から得られた蛍光シークエンシング結果の精度を纏めたものである。 上記表2の中央の欄は、自動シークエンサーが2つの誤りのうちの1つを行っ た回数を示すものである。最初の誤り、上記表で“呼び違え”と呼ばれる誤りは 、蛍光シークエンシング機があるものとして具体的な位置の塩基の同一性を読み 取るときはいつでもその位置にあることが予想される実際の塩基が既知のプラス ミド配列に基づいて他のものである場合に起こる。もう一方の誤りは、蛍光シー クエンシング機が具体的な位置の塩基の同一性を求めることが不可能であるとき はいつでもその機械が塩基を不明として読み取りその点の塩基の代わりに“N” を挿入する場合に起こる。 実施例9-トランスフェクションにおける単離したプラスミドDNAの使用 本実施例により、本発明の方法がトランスフェクション性DNAを生成するため に用いられることが証明される。本実施例においては、プロメガ社から市販され ているpGL3対照プラスミドDNAをE.coli DH5α細菌細胞(endA1株)から単離し、 2種類の異なる哺乳動物細胞培養物、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞と ヒト頚管がん性(HeLa)細胞をトランスフェクトするために用いた。上記実施例1 と実施例2に用いられた単離法とわずかに異なる2種類の異なる本発明の方法を 用いてプラスミドDNAを単離した。上記実施例1と実施例2の方法のように、本 実施例はアルカリプロテアーゼ処理とプラスミドDNAを単離するスピンバスケッ トアセンブリのメンブラン成分に結合するシリカ粒子の樹脂マトリックスを用い る。本明細書に用いられる個々の単離法を次の最初の項に示す。 高度に精製したDNAのみ組織培養細胞を効率よくトランスフェクトすることが でき、細胞をトランスフェクトするために用いたDNAの遺伝子がコードされたタ ンパク質を細胞が生産する。特に2つの要因が組織培養細胞をトランスフェクト する標的DNA液の能力に影響する。最初は溶液純度である。溶液中の混入物は、 細胞死を引き起こし、細胞による標的DNAの取り込みも阻害する。第2の要因は 、ヌクレアーゼによる分解のような標的DNA分解である。DNA液が十分な純度をも ちトランスフェクションに用いるのに十分無傷であることを行わせるために、長 く有害で骨の折れる2倍塩化セシウム(2×CsCl)勾配遠心分離単離法が伝統的に 用いられている。(例えば、分子生物学の現在のプロトコール9.1.1を参照された い。)伝統的な2×CsCl勾配法は終えるのに48時間かかり、強力なヌタジェン、臭 化エチジウムを含む毒性薬品を用いる。対照的に、本実施例に用いられる方法は 2時間未満であり、相対的に有害でない薬品を用いる。 A.プラスミドDNA試料の調製 下記のトランスフェクション操作に使用するためのpGL3プラスミドDNAの4つ の試料をE.coli DHα形質転換細胞から調製した。最初の3つの試料は、下記の アルカリプロテアーゼ法を用いてつくり、続いてアルコールで沈降させることに より濃縮する(試料1)か又は更に単離及び濃縮した(試料2と3)。4番目の試料 (試料4)を上記の伝統的な2×CsCl勾配遠心分離法を用いてつくった。 試料1〜3のプラスミド溶液をつくるために用いられる一般的単離操作は次のよ うにした。 1.培養接種物をLB培地中で一晩増殖することにより、pGL3プラスミドDNAで形質 転換した(E.coli)DH5αの培養物を調製した。 2.3mlの一夜培養物の等価物を遠心分離し、細胞沈降物を200μlの懸濁液、上 記実施例1と同じ懸濁液に懸濁した。 3.200μlの溶解液を懸濁細胞の各管に加え、得られた溶解液を逆さまにして混 合することにより細胞を溶解した。 4.10μlの65mg/mlアルカリプロテアーゼ液を溶解液の管に加え、逆さまにして 混合し、室温で5分間インキュベートした。 5.200μlの中和液をプロテアーゼ/ライゼート混合液に加えることにより各液 のpHを下げた。中和液の組成は上記実施例1と同じとした。酢酸塩緩衝液を添加 するとすぐに溶液中に沈殿が生じた。 6.ミクロ遠心分離機で室温で10分間遠心分離することにより溶液から沈殿を透 明にした。 7.2mlのミクロフュージコレクション管にバスケットを入れ、そのバスケットに 400μlの7M塩酸グアニジニウムを加えることにより、スピンバスケットアセン ブリを調製した。 8.ピペットを用いて各管の沈殿を妨げないように注意して各管から工程6から の透明液を取り出した。約600μlの各液を工程7に記載されるように調製した バスケットアセンブリに移した。 9.上記のように装填したスピンバスケットアセンブリをミクロフュージで室温 で1分間回転させた。次に、バスケットをコレクション管から除去し、集めた溶 液を捨て、スピンバスケットを同じコレクション管に戻した。 10.工程9後の各スピンバスケットに750μlの洗浄液(この溶液の組成について は実施例1を参照されたい)を加え、各スピンバスケット/管アセンブリをミクロ フュージで室温で1分間回転させた。次に、上と同じ方法でスピンバスケットを コレクション管から取りだし、集めた溶液を捨てた。次に、スピンバスケットを 同じコレクション管に挿入した。 11.工程10で行った同じ洗浄操作を用いてスピンバスケットを250μlの洗浄液 で洗浄した。しかしながら、この工程後に、洗浄液をバスケットと共に移さない ように注意してスピンバスケットを新しい1.5mlのミクロフュージ管に移した。 12.100μlのヌクレアーゼを含まない水をバスケットに加え、スピンバスケッ ト/管アセンブリをミクロフュージで室温で1分間回転させることにより、スピ ンバスケットのシリカメンブラン成分に結合したDNAを溶離した。次に、スピン バスケットをコレクション管から取りだし、捨てた。 13.ここで処理した収集細胞の全ての管からの溶出液を集め、400μlの溶離DNA の3アリコートを下記の試料1、2及び3を調製するのに使用するためにとって おいた。 DNAを400μlアリコートの溶離DNAの1つに濃縮することにより試料1を調製 した。溶出液のアリコートに100μlの5M塩化ナトリウムと350μlのイソプロパ ノール(100%)を加えることにより溶液からアリコート中のDNAを沈殿させた。得 られた溶液を遠心分離機で室温で20分間遠心分離して沈殿したDNAを沈降させた 。沈降物を1mlの冷70%エタノールで洗浄し、風乾した後に45μlのTE緩衝液に溶 解した。(10mMトリス−HCl、1mM EDTA、pH8.0) 試料2と試料3を次のように調製した。 a.300μlの7M塩酸グアニジンと3M酢酸カリウムの2:1混合液を上記工程13から の100μlアリコートの溶出液に加えた。得られた溶液を新たなスピンバスケッ トに加え、そのスピンバスケットを新たな2mlのコレクション管に入れた。 b.装填したスピンバスケットを上記工程9〜13を繰り返すことにより、処理し、 洗浄し、結合したDNAを溶離し、プールし、400μl試料に分割した。 c.400μlの各溶出液中のDNAをイソプロパノールで沈殿し、上記試料1のDNAを 濃縮するために用いた同じ手順を繰り返すことにより濃縮した。 試料2と試料3を共に上記のように調製したが各々別々に調製した。いずれの 試料も本実施例で試験した2種類の組織培養細胞の各々をトランスフェクトする ために用いた。 試料4をpGL3プラスミドDNAで形質転換した(E.coli)DH5α細胞から調製した 。しかしながら、本発明の単離法の態様の代わりに上記の伝統的な2×CsCl勾配 遠心分離操作を用いた。 B.トランスフェクションーリン酸カルシウム法 本実施例で用いた哺乳動物細胞系はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)とヒト( HeLa)である。CHO細胞をF-12Ham培地と10%ウシ胎児血清-5%CO2中で培養し、HeLa 細胞をダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM)と10%ウシ胎児血清-10%CO2中で培養 した。細胞を適切な培地の24ウェル皿に入れ、下記の手順を繰り返した。 1.細胞を1ウェルあたり約50,000細胞、24ウェル皿に入れ、約24時間後にトラ ンスフェクションを開始した。 2.トランスフェクションの日に各ウェルから培地を除去し、新鮮な増殖培地(+ 血清)と取り替え、1〜3時間後にトランスフェクションを開始した。 3.DNAの4つの試料(試料1〜4)の各々の混合液を次のように調製した。各DNA試 料の十分な混合液を、6ウェルの細胞培養物をトランスフェクトするために次の ように調製した。6μl(約6μg)のDNA、23.8μlの塩化カルシウムと160μl の滅菌水を滅菌ポリスチレン管で混合した。上で調製したDNA/CaCl2混合液を190 .2μlのハンクス緩衝食塩水(HBS)にHBSを穏やかに撹拌しながら滴下した。 4.HBS/DNA/CaCl2混合液を室温で30分間インキュベートした後、54.6μlの混合 液を各ウェルの細胞に加えた。混合液を血清を含む培地に直接加えた。 5.次に、処理した細胞のプレートをインキュベータに戻した。翌日細胞に新た な血清を上記工程2と同じ血清組成物を用いて加えた。 6.48時間後、増殖培地を除去し、1ウェルあたり100μlの細胞培養溶解試薬を 加えることにより、細胞を収集した。 C.トランスフェクション効率の分析 リポーター遺伝子、この場合にはpGL3プラスミドDNAのルシフェラーゼ遺伝子 が細胞内で発現されるかを知るために、上記のようにトランスフェクト及び収集 した細胞を分析した。標準ルシフェラーゼ分析、プロメガ社から市販されている ルシフェラーゼ分析系を用いて細胞内のルシフェラーゼ発現を検出及び定量した 。 上記工程6で収集した細胞を室温で更に15分間インキュベートした後、ルシフ ェラーゼ発現を分析した。次に、細胞の各ウェルからのアリコートをマイクロ タイタープレート皿の異なるウェルに入れた。各ウェルから発するルミネセンス 量をルミノメータを用いて検出及び定量した。 下記の2つの表は、上記のように調製した4つのpGL3 DNA試料の各々でトラン スフェクトした2種類の細胞培養物の各々の4つのアリコートから得られた結果 を纏めたものである。表3はHeLaトランスフェクションの結果を纏めたものであ り、表4はCHOトランスフェクションの結果を纏めたものである。 上記の結果により、本発明の方法がトランスフェクション性DNAをつくるため に用いられることが証明される。結果から、特に、試料1〜3が2種類の哺乳動物 細胞培養物の細胞をトランスフェクトするために用いられ、得られた細胞が伝統 的な2×CsCl勾配遠心分離操作を用いる試料4DNAでトランスフェクトした細胞の ようにルシフェラーゼリポーター遺伝子を発現したことが示される。言い換 えると、伝統的2×CsCl法で単離したDNAは、上記本実施例で記載した特定のアル カリプロテアーゼ単離法を用いて単離したDNAと同様の効率で細胞にトランスフ ェクトされた。 実施例10-核酸溶液の処理 核酸物質を分解することが可能な溶液、又はトランスフェクション又は上記で 開示した他の有用な適用のための核酸物質の使用を妨害することが可能な溶液中 のタンパク質を実質的に不活性化するために核酸溶液をアルカリプロテアーゼで 処理する。本実施例で処理される核酸溶液は、得られた液がかかる有害なタンパ ク質を含むか又は含むことが疑われる既知の単離操作で単離した核酸物質の溶液 か又は上記懸濁及び溶解方法の1つを用いて生物体を懸濁及び溶解することによ りつくられた核酸溶液である。 溶液のpHをアルカリpHに調整し、続いて溶液中の有害なタンパク質が実質的に 不活性化されるまでアルカリプロテアーゼの存在下に溶液をインキュベートし、 次に、溶液のpHをアルカリプロテアーゼが活性でないpHまで下げることにより、 例えば、溶液のpHを少なくとも中性pHまで下げることにより核酸溶液を処理する 。 核酸物質を分解することが可能なタンパク質の実質的な不活性化を次のように 求める。まず、2アリコートの核酸溶液、上記のようなマグネシウムを含む1× コア緩衝液とコア緩衝液を含まないものを調製する。次に、試料を37℃で一晩イ ンキュベートする。コア緩衝液の組成は、上記実施例3と同じものである。次に 、インキュベートした試料を0.5mMヨードプロピルチアゾールオレンジを含むト リス-酢酸塩-EDTA電気泳動緩衝液中の1%アガロースゲルにより分画する。次に、 分画した試料のゲルをFluorlmager(モレキュラーダイナミクス)のような蛍光ス キャナを用いて走査してゲル中の分画した核酸物質を可視化する。コア緩衝液を 含む試料を分画することから生じたバンドバターンをコア緩衝液を含まない試料 と比べる。コア緩衝液を含む試料から生じたバンドパターンがコア緩衝液を含ま ない試料から生じたパターンと実質的に同一である場合には、溶液中の核酸物質 を分解することが可能なタンパク質を実質的に不活性化する。ゲル中のバン ドの数とおよその位置が同じである場合、各パターンの全バンドの相対強度が同 じである場合、及びバンドパターンがいずれもタンパク質のパターンに存在しな い低分子量サイズに対応するスメア又はファジネスを含まない場合には相互に実 質的に同一である。 上記のようにアルカリプロテアーゼで処理した後、溶液について機能試験を行 うことにより核酸溶液中の核酸物質の使用を妨害することが可能なタンパク質の 実質的な不活性化を求める。用いられる機能試験は、溶液中の核酸物質のタイプ 、及び問題の具体的な適用に依存する。物質がプラスミドDNAでありかつ問題の 適用が哺乳動物細胞のトランスフェクションである場合、上記実施例9で行った ように哺乳動物をトランスフェクトする溶液の試料を用いることにより処理液を 試験する。物質がmRNAでありかつ問題の適用が具体的な遺伝子をクローン化する cDNAライブラリーを調製することである場合、得られたcDNAを逆転写及びクロー ン化するために用いられる手順に処理液を供する。物質がヒトゲノムDNAであり かつ適用がヒト同一性試験である場合、処理液の試料を問題の同一性試験(例え ば、標準ポリメラーゼ連鎖反応、又は制限断片長多型分析を用いる)において基 質として用いる。 実施例11-生物体から抽出したRNA液の処理 次の手順により哺乳動物組織のような生物試料からRNAを単離する。生物試料 をチオシアン酸グアニジンのような高濃度のカオトロピック塩の存在下にホモジ ェナイズする。次に、得られたライゼートにフェノールとクロロホルムの酸緩衝 混合液を加え、有機抽出に用いる。ライゼート液を有機抽出に供する場合、溶液 中のRNAは水相に、DNA、変性及び不活性化タンパク質等の混合物は有機相と中間 層に各々分割する(Cold Spring Harbor出版)。しかしながら、単一の有機抽出工 程は、膵臓のようなRnaseを多く含む組織中のRNAを分解することができる溶液中 に混入しているヌクレアーゼの全部を効果的に除去又は不活性化しない。残存し ているヌクレアーゼや溶液中に残存している他の有害なタンパク質を除去又は不 活性化する多工程抽出を避けるために、有機抽出工程、好ましくは最初の有機抽 出工程からの水相は次のようにアルカリプロテアーゼで処理されるように 予想される。水性抽出液のpHを、アルカリプロテアーゼが活性化されるには十分 に高いがRNAを加水分解するほどは高くないpHのアルカリpH7〜9に調整する。ア ルカリプロテアーゼを含む溶液を加え、得られたアルカリ抽出液を室温で少なく とも5分間インキュベートする。インキュベーションの長さと用いられるアルカ リプロテアーゼ濃度は、溶液中に残存しているリボヌクレアーゼを実質的に不活 性化させるのに十分なだけである。Maniatis/Gambrook,Current Protocols in Molecular Biology に記載される逆転写、cDNA産生、RNA例のPCRか又はホルムア ルデヒドの存在下のアガロースゲル電気泳動により、リボヌクレアーゼの実質的 な不活性化を求める。 実施例12-フロテアーゼ処理抽出液からRNAの単離 次のようにシリカ樹脂マトリックスを用いて実施例11のアルカリプロテアーゼ で処理した水性抽出液からRNAを単離する。処理した水性抽出液は、高濃度のカ オトロピック塩を含む。この溶液をヌクレアーゼを含まない水でシリカ粒子のマ トリックスにRNAの結合を促進することが知られるカオトロピック塩濃度範囲ま で希釈する。次に、希釈した液を、RNAをマトリックスに結合させるように設計 された条件下でシリカ樹脂マトリックスと接触させた状態に置く。次に、マトリ ックスを、少なくとも50%アルコール及び0.01M NaCl、0.01Mトリス−HCl(pH7.5 )及び80%エタノールからなる洗浄液のような中位のイオン強度水溶液を含む洗 浄液で少なくとも1回洗浄する。ヌクレアーゼを含まない水又はTE緩衝液のよう な低イオン強度の水性緩衝液を用いてマトリックスからRNAを溶離する(TE緩衝液 の組成については上記実施例9を参照されたい)。次に、アルカリプロテアーゼ 液をRNAに加え、プロテアーゼがRNA液に存在するリボヌクレアーゼを消化するよ うにインキュベートする。プロテアーゼの必要量は実施例11のように求められる 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),AM,AT,AU,BB,B G,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK ,EE,ES,FI,GB,GE,HU,IS,JP, KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LT,L U,LV,MD,MG,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,TJ,TM,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 ストーツ ダグラス アール アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53711 マディソン フリッシュ ロード 2210 (72)発明者 ブリスコ ポーラ アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53575 オレゴン リン トレイル 137 (72)発明者 タウン ジュディー フレデリクセン アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53575 オレゴン カウンティー ハイウ ェイ エムエヌ 2376 (72)発明者 セルマン スザンヌ アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53705 マディソン ケンダル アベニュ ー 2022 (72)発明者 グローシュ ジョセフィン アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 53560 マゾマニー ジャコビー ドライ ヴ 6121

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.核酸物質及びタンパク質を含む核酸溶液をアルカリプロテアーゼで処理する 方法であって、 (a)該核酸溶液のpHをアルカリpHに調整して、アルカリ核酸溶液を形成する工 程; (b)該アルカリ核酸溶液を該アルカリプロテアーゼの存在下に該タンパク質が 実質的に不活性化されるまでインキュベートする工程;及び (c)プロテアーゼ活性を十分低下させるだけ該溶液のpHを下げる工程 を含むことを特徴とする方法。 2.該核酸溶液が少なくともpH約9に調整される、請求項1記載の方法。 3.該方法のインキュベート工程(b)において実質的に不活性化される該タンパ ク質が該核酸物質を分解することができる、請求項1記載の方法。 4.工程(c)において該液のpHを下げることにより沈殿の形成が引き起こされ、 該沈殿が遠心分離により除去される、請求項1記載の方法。 5.該核酸物質がDNAであり、該方法の工程(b)において不活性化されるヌクレア ーゼがDNAを分解することができる、請求項1記載の方法。 6.該方法の工程(b)において形成された該アルカリ液がアルカリライゼート液 であり、アルカリプロテアーゼがインキュベーション前に該液に添加される、 請求項1記載の方法。 7.該核酸物質及び該ヌクレアーゼを含む生物試料を溶液に懸濁する段階;及び 塩基及びアニオン清浄剤を含むアルカリ溶解液を加えることにより該懸濁試料 液のpHをアルカリpHに調整する段階 による該アルカリライゼートを形成する工程を更に含む、請求項6記載の方法 。 8.タンパク質及び核酸物質を含む生物試料から核酸物質を単離する方法であっ て、 (a)該生物試料を溶液に懸濁する工程; (b)該溶液のpHをアルカリ溶解液を加えることによりアルカリpHに調整して、 アルカリライゼート液を形成する工程; (c)該アルカリライゼート液をアルカリプロテアーゼの存在下に該核酸物質を 分解することができるタンパク質が実質的不活性化されるまでインキュベート する工程; (d)プロテアーゼ活性を十分低下させるだけ該アルカリライゼート液のpHを下 げる工程 を含むことを特徴とする方法。 9.該生物試料を懸濁するために用いられる該溶液が水、緩衝剤及びキレート化 剤を含む、請求項8記載の方法。 10.単離した核酸がDNA物質であり、該試料をリボヌクレアーゼ酵素の存在下に 該試料中のすべてのRNAが実質的に分解されるまでインキュベートする工程を 更に含む、請求項8記載の方法。 11.単離した核酸がDNA物質であり、工程(b)において該懸濁液に添加したがア ルカリ溶解液が水酸化ナトリウム及びアニオン清浄剤を含む、請求項8記載の 方法。 12.工程(d)においてpH3.5〜4.5の酢酸塩緩衝液を含む酸性液を加えることによ り該アルカリライゼート液のpHを下げる、請求項8記載の方法。 13.工程(d)においてアルカリライゼート液のpHを下げることにより濁ったライ ゼート液の形成が引き起こされ、該濁ったライゼートを透明にして透明ライゼ ート液を形成する工程を更に含む、請求項8記載の方法。 14.該濁ったライゼート液を速心分離することにより該透明ライゼート液が形成 される、請求項13記載の方法。 15.アルコール沈殿を用いて該透明ライゼート液中の他の物質から該核酸物質を 単離する工程を更に含む、請求項13記載の方法。 16.常磁性粒子を用いて該透明ライゼート液中の他の物質から該核酸物質を単離 する工程を更に含む、請求項13記載の方法。 17.シリカ粒子を含む樹脂マトリックスを用いて該透明ライゼート液中他の物質 から該核酸物質を単離する工程を更に含む、請求項13記載の方法。 18.該核酸物質がDNAであり、該樹脂がシリカを含み、カオトロピック剤を用い て該DNAを該樹脂に可逆的に結合させ、該樹脂を洗浄液で洗浄して混合液中の 他の物質を除去し、洗浄した後に溶離緩衝液又は水を用いて該樹脂から該DNA を遊離させる、請求項17記載の方法。 19.工程(d)において該混合液のpHを下げた後に該アルカリプロテアーゼを加熱 不活性化する工程を更に含む、請求項8記載の方法。 20.該DNA物質とタンパク質を含む生物試料からDNA物質を単離する方法であって 、 (a)リボヌクレアーゼ及び緩衝液を含む水溶液に該生物試料を懸濁する工程; (b)アニオン清浄剤及び塩基を含むアルカリ溶解液を加えることにより該溶液 のpHを少なくともpH9に調整して、アルカリライゼート液を形成する工程; (c)該アルカリライゼート液にアルカリプロテアーゼを加えて、プロテアーゼ/ ライゼート混合液を形成する工程; (d)該混合液を該核酸物質を分解することが可能なタンパク質が実質的に不活 性化されるまでインキュベートする工程; (e)酸性溶液を加えることにより該混合液のpHを下げて、濁ったライゼートの 形成が引き起こされる工程; (f)該濁ったライゼートを遠心分離により透明にする工程;及び (g)該透明ライゼート中の他の物質から該DNA物質を単離する工程 を含むことを特徴とする方法。 21.該生物試料を懸濁するために用いられる該溶液が緩衝液及びキレート化剤を 含む、請求項20記載の方法。 22.該混合液のpHを下げるために用いられる該酸性液がpH3.5〜4.5の酢酸緩衝 液を含む、請求項20記載の方法。 23.該DNA物質が、該核酸物質を可逆的に結合することができる、シリカ粒子を 含む樹脂マトリックスを用いて該透明ライゼートから単離される、請求項20記 載の方法。 24.(h)該樹脂マトリックスに該透明ライゼート及びカオトロピック剤を加えて 、該DNA物質を該樹脂マトリックスに結合する工程; (i)該樹脂マトリックスを洗浄液で少なくとも1回洗浄する工程; (j)溶離緩衝液又は水を用いて該樹脂マトリックスから該DNA物質を遊離させる 工程 を更に含む、請求項20記載の方法。 25.工程(e)において該混合液のpHを下げた後に該アルカリプロテアーゼを加熱 不活性化する工程を更に含む、請求項20記載の方法。 26.別個の容器に (a)アルカリpHで核酸物質を分解することが可能なタンパク質を不活性化する ことができるアルカリプロテアーゼのアリコート;及び (b)該核酸物質を可逆的に結合することが可能な樹脂マトリックス を含むことを特徴とする核酸物質を単離するキット。 27.該核酸物質がDNA物質である、請求項26記載のキット。
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