JP2000514482A - 酸性の硬質表面洗浄剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 硬質表面洗浄剤およびそれを製造する方法及び使用する方法がここに開示される。洗浄剤は、水溶液中にモノカルボン酸とカルボキシル基をもたない両性界面活性剤とを含む。一つの態様においては、乳酸、水、カプリロアムホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウムを存在させる。

Description

【発明の詳細な説明】 酸性の硬質表面洗浄剤 本発明は、新規非研磨性液体洗浄組成物に関する。浴槽および浴室タイル洗浄 剤として使うのに特に適している。 背景技術 研磨粉末、または研磨粒子を含む溶液である種々の硬質表面洗浄組成物が開発 されてきた。しかし、それらの洗浄剤は、セラミックタイルのような装飾表面を 一層傷つけ易いと考えている消費者がいる。そのような溶液の場合には、時々沈 降または浮上により研磨粒子の分離のような安定性の問題もある。 従って、非研磨性の硬質表面洗浄剤の開発が試みれれてきた。たとえば、米国 特許No.5,008,030の一つの具体例は、非イオン界面活性剤、モノカルボン酸、水 及び他の添加剤を含む洗浄組成物である。この特許およびここで記載する他の全 ての特許の開示を、ここで十分に説明したものとして、引用により導入する。別 の例は、双性イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、クエン酸及び種々の他の 成分の混合物である硬質表面洗浄剤を教示している米国特許No.5,061,393である 。 この型の洗浄剤は研磨剤の使用を避けるが、決して好ましいとは言えない石鹸 かすおよび／または石灰スケール除去性をもつ。研磨剤に頼ることなく、この分 野でその性能を改良する試みは、膜、斑点または筋の残ることを避けること、環 境問題を起こさないこと、普通の消費者による使用または他の望む洗浄剤成分と 不適合な成分 を使わないことのような競合する配慮により制約されてきた。たとえば、ある種 のシラン耐水添加剤は、ある種の界面活性剤とは適合しない。 したがって、特に石鹸かすおよび石灰スケール除去能力に関し、改良された非 研磨性硬質表面洗浄剤の必要性が存在する。 発明の開示 一つの面においては、本発明は、モノカルボン酸およびカルボキシル基をもたない両性（ａ／ｋ／ａ両性）界面活性剤の水溶液形の硬質表面洗浄剤を提 供する。界面活性剤は、好ましくはスルホネート界面活性剤であり、酸は好まし くは乳酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、グリコール 酸、グルコン酸および７以下の炭素をもち炭素、水素、酸素のみを含む他のモノ カルボン酸（たとえば過酢酸のような上記酸のペルオキシ変形）からなる群より 選ばれる。 両性界面活性剤は、媒体（medium）の条件に依存して、水溶液中でイオン化で き、アニオン界面活性剤またはカチオン界面活性剤の特性を化合物に与える２個 以上の官能基をもつものである。本発明の対象であるものは、カルボキシル基を もたず、スルホンネートまたは他のイオン性基（普通は塩、たとえばナトリウム 塩の形）をもち、界面活性剤のどこかにカチオン性基（たとえば、普通は窒素で あるが、ある種の態様では硫黄またはリン）をもち、そして全体で３０未満の炭 素を持つ。最も好ましい界面活性剤は、カプリロアム ホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウムである。 驚くことに、カルボキシル基をもたない両性スルホネート界面活性剤は、モノ カルボン酸と組合わさって、他の好ましい特性を犠牲にすることなく、著しく改 良されたかすおよび石灰スケール除去を与えることが、見い出された。これが特 に驚くべきことであるという理由の一つは、複数のカルボキシル基の存在が、上 記洗浄剤による良好な金属イオン封鎖作用の達成には重要であると従来考えられ ていたことである。ここでは、性能は、減少したカルボキシル基により犠牲にさ れないだけでなく、著しく増加される。これは、一部には、これら界面活性剤が 、酸の高濃度を許容しかつ他の洗浄剤成分が酸性ｐＨで溶液に留まることを可能 にる能力を有するためと考えられる。 本発明の組成物は、水ベースの（”水性”）溶液であるが、好ましい形では、 水溶性有機溶剤（たとえばグコールエーテル溶剤）も添加できる。洗浄剤の少な くとも２０重量％（好ましくは少なくとも５０重量％）は水である。脱イオン水 を使い、カルシウム析出物または塩素の添加（添加したフラグランスまたは石灰 除去を妨害する可能性がある）を避ける。非イオン界面活性剤、殺菌剤、フラグ ランス、濯ぎ助剤、耐水剤のような成分も添加できる。 酸および界面活性剤は、好ましくは洗浄剤の１０重量％未満であり、界面活性 剤は特に好ましくは洗浄剤の１乃至８重量％である。 別の一面において、本発明は、上記洗浄剤を硬質表面に擦り付け、ついで表面 を追加の水で濯ぐことからなる硬質表面の洗浄法を提供する。擦り付けを望まな いときは、洗浄剤を塗り、洗浄が起こるような十分な時間硬質表面と接触させた ままにし、ついで濯ぐ。 さらに別の一面において、本発明は、界面活性剤、水、酸を混合し、次いで混 合物を撹拌また噴霧することによる、上記組成物の生成法を含む。 従って、本発明の目的は、 （ａ）石鹸かすおよび石灰スケール除去の望まし い特性を持ち、 （ｂ）斑点、筋、膜残渣を最小にする点に関し許容しうる特性 をもち、 （ｃ）環境的に許容しうる材料のみを使う、上記種類の非研磨性洗浄 組成物の提供を含む。 本発明のこれらのおよび他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなる 。次の記載は、単に好ましい態様の説明である。従って、本発明の全範囲を理解 するためには請求項に注目すべきである。 発明を実施するための最良の態様 好ましい浴室タイルおよび浴槽洗浄剤は、次の処方をもつ。 成分 重量％ 脱イオン水 ７８．６１９％ ８８％乳酸（水１２％） ６．８％ ジプロピレングリコールモノブチルエーテル ４．５％ エトキシラートＬ１２−８（C10-C12線状エトキシル化 アルコール、８モルＥＯ） ３．６％ カプリロアムホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム （Miranol JS）、４９％活性 ３．０６１％ ジプロピレングリコールｎ−プロピルエーテル ２．５％ Ｎ−アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド 、５０％ ０．４３％ フラグランス ０．２５％ 有機シラン２−Ｃ１０ ０．２４％ １００％ ２種のグリコールエーテルは脱脂剤である。エトキシラート（Huntsman Corp. から得られた）は、或る種の汚れの除去を改良する非イオン界面活性剤である。 広くは、米国特許No.5,008,030参照。 Ｎ−アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリドは、シラン耐水剤を使う とき望ましい安定剤であり、また殺菌剤として働く。有機シラン（Sanitized In c．から得た）は、濯ぎ助剤であり、またより長い耐水保護を与える。広くは、 米国特許No.5,411,585参照。 最も好ましい両性界面活性剤は、カプリロアムホヒドロキシプロピルスルホン 酸ナトリウムである。それは次の構造をもつ。 式中、ＲはＣＨ₃（ＣＨ₂）₆である。 好ましい両性界面活性剤は、Miranol（商標）JS．conc．として、４９％活性 形でRhone Pouleneから得られた。 上記洗浄剤は、室温で次のようにして製造された。脱イオン水を、きれいなプ ロセス容器に入れ、撹拌を始めた。バッチの残部がある間は撹拌を維持した。次 いで乳酸を加え、次いでエトキシル化Ｃ１０−１２アルコールを加えた。次の添 加前、バッチを１０分かき混ぜた。次いで、モノブチルエーテル、界面活性剤、 ｎ−ポロピルエーテルを加えた。次に、Ｎ−アルキルジメチルベンジルアンモニ ウムクロリドを加え、次いでオルガノシランquat di２−Ｃ１０を加えた。フラ グランスをバッチに加え、３０分以上かきまぜた。次 に、生成物を１０ミクロンバッグを通し濾過した。 上記処方物の相対有効性を試験するため、次の試験を使った。一つの試験では 、石鹸／アルコール混合物を表面上で乾燥した。各洗浄剤の数滴をその表面上に 置いた。除去％（擦りなし）を、一定時間にわたり比較した。別の試験では、擦 り圧による除去からなるＡＳＴＭ標準法の変形に従った。両試験で、技術水準的 な洗浄剤と比較したとき、本発明を使用して、著しくより良好な洗浄が認められ た。 第３の試験では、上記処方物の石灰溶解能力を、洗浄剤に一定時間浸漬した標 準大理石片の目視および定量的試験により評価した。この試験法により、大理石 片を秤量し、製品と共に容器に入れ、１５時間後大理石片を回収し、良く濯ぎ、 ティッシューで乾燥した。次に、それらの片を十字流炉で６０℃で１時間乾燥し 、再秤量した。再び、本発明は、技術水準的な洗浄剤と比較したとき、著しくよ り良好な性能を示した。 本発明は、カプリロアムホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウムと組み合 わせた乳酸の使用に限定されない。むしろ、本発明は、７以下の炭素をもつ（炭 素、水素、酸素のみのをもつ）種々の他のモノカルボン酸も含む。更に、カルボ キシル基をもたない他の両性界面活性剤が含まれることが意図される。更なる例 は、ココアムホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム（その代わりこの場合 には、前のMiranol JS処方物におけるＲＣＯは、やし油からの脂肪酸から誘導さ れる−Mirano（商標）CS）である。 本発明のためのスルホネートの別の種類は、スルタイン（たとえばココアミド プロピルヒドロキシスルタイン−Miretaine（商標） CBS）である。式中、ＲＣＯはまた、やし油からの種々の脂肪酸から誘導され、またはココヒド ロキシスルタイン （SeppiからのAmonyl 673 SB、式中Ｒはやし油脂肪酸のアルキル基である）であ る。 本発明のためのスルホネートの別の種類は、次のようなタウレート、 式中、一具体例では、ＲはＣＨ₃（ＣＨ₂）₁₀（メチルラウリルタウリンナトリウ ム−NikkolからのNikkol LMT）、または ＲＮＨＣＨ₂ＣＨ₂ＳＯ₃Ｎａ である。また、ここに記載のいずれのスルホネートについても、Ｒは他のアルキ ル（たとえば、飽和、不飽和、線状、枝分かれ、環状の２０未満の炭素の）であ ることができる。 両性スルホネートが非常に好ましいが、スルフィトベタイン、スルファトベタ イン、スルフィトスルホニオベタイン、ホスホニオベタイン、アミドヒドロキシ ホスタイン（たとえばナトリウムラウラ ミドホスタイン）のような、カルボキシル基をもたない他の両性界面活性剤も本 発明に有用と考えられる。産業上の利用可能性 本発明は、硬質表面、特に浴槽および浴室タイルの洗浄に有用である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．水、７以下の炭素を有しかつ炭素、水素及び酸素のみをもつモノカルボン 酸、及びカルボキシル基をもたない両性界面活性剤を含む硬質表面洗浄剤。 ２．前記界面活性剤がスルホネート界面活性剤である請求項１の洗浄剤。 ３．前記モノカルボン酸が、乳酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸 、ヘキサン酸、グリコール酸からなる群より選ばれる請求項２の洗浄剤。 ４．前記酸が乳酸である請求項３の洗浄剤。 ５．前記両性界面活性剤がカプリロアムホヒドロキシスルホン酸ナトリウムで ある請求項４の洗浄剤。 ６．前記洗浄剤の少なくとも５０重量％が水である請求項５の洗浄剤。 ７．乳酸が洗浄剤の少なくとも１重量％であり、界面活性剤が洗浄剤の少なく とも１重量％である請求項６の洗浄剤。 ８．非イオン界面活性剤およびグリコールエーテル溶剤を更に含む請求項７の 洗浄剤。 ９．両性スルホネート界面活性剤が、ヒドロキシプロピルスルホネート、スル ホナトスルホニオベタイン、スルタイン、タウリン塩からなる群より選ばれる請 求項２の洗浄剤。 １０．請求項１の洗浄剤を硬質表面に擦りつけ、次いでその表面を水で濯ぐこと からなる硬質表面の洗浄法。 １１．請求項１のモノカルボン酸と、請求項１の両性スルホネート界面活性剤お よび水とを混合し、混合物をかきまぜることからなる、 請求項１の洗浄剤の製法。