JP2617442B2 - 浴室用洗浄剤組成物 - Google Patents

浴室用洗浄剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は浴室用洗浄剤組成物に関する。
〔従来の技術〕
浴室や浴槽には脂肪酸金属塩(特にアルカリ土類金属
塩)、リン酸カルシウム、油脂、腐敗蛋白質等々の有機
物汚れ、無機物汚れが付着しているが、これらの汚れを
洗浄するには周囲の如く浴室用洗剤が使われており、洗
浄方法は洗剤をスポンジ等に含浸させこすり洗いをして
いる。従来、浴室用洗剤として有機酸、界面活性剤(非
イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤)、水溶性
溶剤を主体とした酸性洗剤や、界面活性剤(非イオン性
界面活性剤、アニオン性界面活性剤)を主体とした中性
洗剤、界面活性剤、アルカノールアミンあるいはポリリ
ン酸の様な金属イオン封鎖剤を主体にしたアルカリ性洗
剤などがある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし浴室内の汚れは他の住居汚れとは異なり、金属
石ケン、特に脂肪酸のカルシウム塩が主体であり、先の
中性洗剤やアルカリ性洗剤では金属石鹸の解離を生ずる
ことができないため迅速に且つ満足に汚れを除去するこ
とができない。この汚れを除去するには酸性洗剤が有効
であるが、洗浄後汚れが再付着してすすぎに苦労するば
かりか大理石製浴槽や金属等耐酸性の良くない材質を損
傷する欠点を持っている。さらにこのような酸性洗剤は
実際に洗浄を行う主婦の手が荒れる等の問題がある。従
って、材質の損傷、並びに手荒れを起こすことなく、満
足のいく洗浄効果が得られる浴室用洗浄剤が要望されて
いた。
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明者らは浴室、特に浴槽内に付着する汚れ物質を
さらに詳しく分析したところ、脂肪酸金属塩(金属はC
a,Mg等)が約70%,遊離脂肪酸(トリグリセリド,ワッ
クス,スクアレン等)が約30%であり、遊離脂肪酸が結
合剤として働き、浴槽表面と脂肪酸金属塩を付着させて
いることがわかった。
本発明者らは上述の汚れを効果的に洗浄すべく鋭意検
討した結果、カチオン性界面活性剤と非イオン性界面活
性剤および特定の水溶性高分子の併用系が極めて有効で
あることを見い出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は(A)カチオン性界面活性剤0.1
〜20重量%、(B)非イオン性界面活性剤0.1〜30重量
%、(C)マレイン酸もしくは無水マレイン酸のホモポ
リマーまたはこれらと共重合可能な単量体とから得られ
るコポリマーあるいはこれらポリマーの水溶性塩0.01〜
10重量%を含むことを特徴とする浴室用洗浄剤組成物を
提供するものである。
本発明で使用するカチオン界面活性剤の中で好ましい
ものは炭素数10〜22の直鎖或いは分岐鎖のアルキル基又
はアルケニル基を1〜3有する第4級アンモニウム塩型
カチオン界面活性剤であり、特には以下の一般式(I)
〜(IV)で示されるものである。
(式中R1は炭素数10〜20の直鎖或いは分岐鎖型のアルキ
ル基又はアルケニル基であり、Xは塩素,臭素などのハ
ロゲン,メチルサルフェート,エチルサルフェートを表
す。) (式中R2およびR3は炭素数10〜20の直鎖或いは分岐鎖型
のアルキル基又はアルケニル基であり、Xは塩素,臭素
などのハロゲン,メチルサルフェート,エチルサルフェ
ートを表す。) (式中R4,R5およびR6は炭素数10〜20の直鎖或いは分岐
鎖型のアルキル基又はアルケニル基であり、Xは塩素,
臭素などのハロゲン,メチルサルフェート,エチルサル
フェートを表す。) (式中R7は炭素数10〜20の直鎖或いは分岐鎖型のアルキ
ル基又はアルケニル基であり、Xは塩素,臭素などのハ
ロゲン,メチルサルフェート,エチルサルフェートを表
す。) 中でも(I),(II)が特に好ましい。
配合量は0.1〜20重量%、特に0.5〜15重量%が好まし
い。
(B)非イオン性界面活性剤としては (1) 平均炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル
基を有し1〜20モルのエチレンオキサイドを付加したポ
リオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル。
(2) 平均炭素数6〜12のアルキル基を有し、1〜20
モルのエーテルオキサイドを付加したポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル。
(3) 平均炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル
基を有し、1〜20モルのプロピレンオキサイドを付加し
たポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテ
ル。
(4) 平均炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル
基を有し、1〜20モルのブチレンオキサイドを付加した
ポリオキシブチレンアルキル又はアルケニルエーテル。
(5) 平均炭素数10〜20のアルケニル基又はアルケニ
ル基を有し、総和で1〜30モルのエチレンオキサイドと
プロピレンオキサイドあるいはエチレンオキサイドとブ
チレンオキサイドを付加した非イオン性界面活性剤(エ
チレンオキサイドとプロピレンオキサイド又はブチレン
オキサイドとの比は0.1/9.9〜9.9/0.1。) (6) 下記一般式(V)で表される高級脂肪酸アルカ
ノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物。
(式中R8は炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基
であり、R9はH 又はCH3であり、mは1〜3の整数、
1は0〜3の整数である。) (7) 平均炭素数10〜20の脂肪酸とショ糖から成るシ
ョ糖脂肪酸エステル。
(8) 平均炭素数10〜20の脂肪酸とグリセリンから成
る脂肪酸グリセリンモノエステル。
(9) 下記一般式(VI),(VII)で表されるポリオ
キシエチレン,ポリオキシプロピレンブロック重合型界
面活性剤。
HO(C2H4O)−(C3H6O)−(C2H4O)cH (VI) (式中、a,b,cは2〜20の整数である。) 中でも下記一般式(VIII)で表される非イオン界面活
性剤が良い。
R10O(C2H4O)nH (VIII) (式中R10は炭素数10〜20のアルキル基またはアルケニ
ル基、nは3〜20の整数を表す。) 配合量は0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%で
ある。
(C)成分であるマレイン酸ポリマーの中でも好ましい
のは、一般式(IX)で表されるホモポリマーもしくはコ
ポリマーまたはその塩である。
(式中、R11,R12,R13およびR14は水素、炭素数1〜3の
置換もしくは無置換のアルキル基、(R11とR13は両者が
結合していても、すなわち両者でシクロアルキル基を形
成していてもよい)、カルボキシル基または炭素数1〜
3のアルコキシル基を表し、Mは水素、アルカリ金属ま
たはアルカノールアミンを表し、n/mモル比が1/0〜1/30
で分子量約3,000〜100,000である。) なお、上記一般式(IX)はランダムコポリマーをも含
めて単にコポリマー(mは零のときはホモポリマー)を
示し、ブロック共重合体を指図するものではない。
一般式のコポリマーの具体例としては が例示され、中でもシクロペンテン、シクロヘキセンと
のコポリマーが特に好ましい。
配合量は0.01〜10重量%が好ましく、特に0.05〜5重
量%がよい。
このほか更に任意成分として増粘剤、顔料、着色剤、
香料、殺菌剤、防腐剤等を配合することができる。
残余は水または水と水溶性溶剤の混合物である。
水溶性溶剤としては、メタノール、エタノール、プロ
パノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級ア
ルコール類、ブチルモノ、ジまたはトリグリコールなど
のカルビトール類、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブなどのセロソルブ類およびアセトン、メチルエチルケ
トンなどが挙げられる。
本発明組成物のpHは5〜10、特に好ましくは6〜8の
範囲である。これ以外の範囲では手荒れ等の問題が生
じ、好ましくない。
本発明組成物を使用する洗浄方法は、従来一般に行わ
れているように、スポンジ等に該組成物を含浸させ、浴
室、浴槽内の被洗浄表面をこすり洗いしたのち、また
は、被洗浄面にスプレーし、しばらく放置したのち、水
ですすげばよい。また、浴槽内の洗浄にあたっては、入
浴後の残水に本発明組成物を一定量添加し、一定時間、
好ましくは1時間以上放置後排水し、その後必要であれ
ば水で浴槽表面をすすいでもよい。この場合、本発明組
成物をカチオン性界面活性剤濃度で0.5〜100ppm、好ま
しくは10〜60ppmとするのがよい。
〔作 用〕
本発明組成物による洗浄機作は次のように考えられ
る。カチオン性界面活性剤が脂肪酸金属塩の金属イオン
と置換反応を生じ脂肪酸金属塩を分解するか、またはコ
ンプレックスを生成し汚れの分散性を高める。しかしな
がら、カチオン性界面活性剤のみでは、遊離脂肪酸が残
存しているため脂肪酸金属塩の金属イオンとの置換反応
が阻害される。ところが、比イオン性界面活性剤と特定
の水溶性高分子が共存すると、分散効果をより高め、置
換反応を継続して促進することができるため満足のいく
洗浄効果が得られるものと推測される。
〔発明の効果〕
本発明の浴室用洗浄剤組成物を使用することにより材
質を損傷することなく、浴室や床や壁、浴槽などに付着
した石ケンカスを満足に除去することができる。また手
荒れの心配もない。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
実施例1 表1に示す組成の酸性洗浄、中性洗剤、アルカリ性洗
剤および本発明品(A)(B)を用い洗浄力を調べた。
結果を表1に併せて示す。表中の各成分の数字は重量%
である。
尚洗浄力の評価は、こすった程度では落ちない風呂汚
れが付着している鋳鉄ホーロー浴槽(ジルコン系)を洗
剤をふくませたスポンジで軽くこすり洗いをして、その
時の落ち易かったものを○印、汚れ落ちがほとんど認め
られなかったものを×印として肉眼判定した。
実施例2 実施例1で用いた酸性洗剤、中性洗剤、アルカリ性洗
剤および本発明品(A),(B)の中に、鉄、銅、大理
石のテストピース(3×3cm)を入れ、40℃で5日間放
置して損傷性を調べた。表2にその結果を示す。尚、表
中の数字は溶出されて重量が減少した割合(%)を示
す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)カチオン性界面活性剤 0.1〜20重量% (B)非イオン性界面活性剤 0.1〜30重量% (C)マレイン酸もしくは無水マレイン酸のホモポリマ
    ーまたはこれらと共重合可能な単量体とから得られるコ
    ポリマー、あるいはこれらポリマーの水溶性塩0.01〜10
    重量% を含有することを特徴とする浴室用洗浄剤組成物。
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