JP2837405B2 - 浴室用洗浄剤組成物 - Google Patents

浴室用洗浄剤組成物

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は浴室用洗浄剤組成物に関する。 〔従来の技術〕 浴室や浴槽には脂肪酸金属塩(特にアルカリ土類金属
塩)、リン酸カルシウム、油脂、腐敗蛋白質等々の有機
物汚れ、無機物汚れが付着しているが、これらの汚れを
洗浄するには周知の如く浴室用洗剤が使われており、洗
浄方法は洗剤をスポンジ等に含浸させこすり洗いをして
いる。従来、浴室用洗剤として有機酸、界面活性剤(非
イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤)、水溶性
溶剤を主体とした酸性洗剤や、界面活性剤(非イオン性
界面活性剤、アニオン性界面活性剤)を主体とした中性
洗剤、界面活性剤、アルカノールアミンあるいはポリリ
ン酸の様な金属イオン封鎖剤を主体にしたアルカリ性洗
剤などがある。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし浴室内の汚れは他の住居汚れとは異なり、金属
石ケン、特に脂肪酸のカルシウム塩が主体であり、先の
中性洗剤やアルカリ性洗剤では金属石鹸の解離を生ずる
ことができないため迅速に且つ満足に汚れを除去するこ
とができない。この汚れを除去するには酸性洗剤が有効
であるが、洗浄後汚れが再付着してすすぎに苦労するば
かりか大理石浴槽や金属等耐酸性の良くない材質を損傷
する欠点を持っている。さらにこのような酸性洗剤は実
際に洗浄を行う主婦の手が荒れる等の問題がある。従っ
て、材質の損傷、並びに手荒れを起こすことなく、満足
のいく洗浄効果が得られる浴室用洗浄剤が要望されてお
り、また特に汚れのひどい浴槽内の洗浄に要する労力を
軽減できる洗浄方法が求められていた。 〔問題点を解決する為の手段〕 本発明者らは浴室、特に浴槽内に付着する汚れ物質を
さらに詳しく分析したところ、脂肪酸金属塩(金属はC
a,Mg等)が約70%,遊離脂肪酸(トリグリセリド,ワッ
クス,スクアレン等)が約30%であり、遊離脂肪酸が結
合剤として働き、浴槽表面と脂肪酸金属塩を付着させて
いることがわかった。 本発明者らは上述の汚れを効果的に洗浄すべく鋭意検
討した結果、特定のカチオン性界面活性剤と非イオン性
界面活性剤の併用系が極めて有効であることを見出し本
発明を完成した。 すなわち、本発明は特定のカチオン性界面活性剤0.1
〜30重量%および非イオン性界面活性剤0.1〜30重量%
を含有し、pHが5〜10である浴室用洗浄剤組成物を提供
するものである。 本発明で使用するカチオン界面活性剤は、以下の一般
式(I)〜(IV)で示されるものである。 (式中R1は炭素数10〜20の直鎖或いは分岐鎖型のアルキ
ル基又はアルケニル基であり、Xは塩素,臭素などのハ
ロゲン,メチルサルフェート,エチルサルフェートを表
す。) (式中R2およびR3は炭素数10〜20の直鎖或いは分岐鎖型
のアルキル基又はアルケニル基であり、Xは塩素,臭素
などのハロゲン,メチルサルフェート,エチルサルフェ
ートを表す。) (式中R4,R5およびR6は炭素数10〜20の直鎖或いは分岐
鎖型のアルキル基又はアルケニル基であり、Xは塩素,
臭素などのハロゲン,メチルサルフェート,エチルサル
フェートを表す。) (式中R7,R8は炭素数10〜20の直鎖或いは分岐鎖型のア
ルキル基又はアルケニル基であり、Xは塩素,臭素など
のハロゲン,メチルサルフェート,エチルサルフェート
を表す。) 中でも(I),(II)が特に好ましい。 配合量は0.1〜30重量%、特に0.5〜15重量%が好まし
い。 また、本発明で用いられる非イオン界面活性剤として
次のものが挙げられる。 (1)平均炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基
を有し、1〜20モルのエチレンオキサイドを付加したポ
リオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル。 (2)平均炭素数6〜12のアルキル基を有し、1〜20モ
ルのエーテルオキサイドを付加したポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル。 (3)平均炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基
を有し、1〜20モルのプロピレンオキサイドを付加した
ポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテ
ル。 (4)平均炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基
を有し、1〜20モルのブチレンオキサイドを付加したポ
リオキシブチレンアルキル又はアルケニルエーテル。 (5)平均炭素数10〜20のアルケニル基又はアルケニル
基を有し、総和で1〜30モルのエチレンオキサイドとプ
ロピレンオキサイドあるいはエチレンオキサイドとブチ
レンオキサイドを付加した非イオン性界面活性剤(エチ
レンオキサイドとプロピレンオキサイド又はブチレンオ
キサイドとの比は0.1/9.9〜9.9/0.1。) (6)下記一般式(VI)で表される高級脂肪酸アルカノ
ールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物。 (式中R10は炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル
基であり、R11はH又はCH3であり、nは1〜30の整数、
mは0〜3の整数である。) (7)平均炭素数10〜20の脂肪酸とショ糖から成るショ
糖脂肪酸エステル。 (8)平均炭素数10〜20の脂肪酸とグリセリンから成る
脂肪酸グリセリンモノエステル。 (9)下記一般式(VII),(VIII)で表されるポリオ
キシエチレン,ポリオキシプロピレンブロック重合型界
面活性剤。 HO(C2H4O)a−(C3H6O)b−(C2H4O)cH (VII) (式中、a,b,cは2〜20の整数である。) (式中、x,yは2〜20の整数である。) 中でも特に(1)が好ましい。 配合量は0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%がよ
い。 このほか更に任意成分として増粘剤、顔料、着色剤、
香料、殺菌剤、防腐剤等を配合することができる。 残余は水または水と水溶性溶剤の混合物である。 本発明組成物のpHは5〜10、好ましくは6〜8の範囲
である。これ以外の範囲では手荒れ等の問題が生じ、好
ましくない。 本発明組成物を使用する洗浄方法は、従来一般に行わ
れているように、スポンジ等に該組成物を含浸させ、浴
室、浴槽内の被洗浄表面をこすり洗いしたのち、また
は、被洗浄面にスプレーし、しばらく放置後、水ですす
げばよい。また、浴槽内の洗浄にあたっては、入浴後の
残水に特定濃度のカチオン性界面活性剤と非イオン性界
面活性剤を添加し、一定時間、好ましくは1時間以上放
置後排水し、その後必要であれば水で浴槽表面をすすげ
ばよい。カチオン性界面活性剤は0.5〜100ppm、好まし
くは10〜60ppmである。この量が0.5ppmより少ない場合
は、置換反応が充分に行われず、また100ppmより多い場
合には分解あるいは分散した汚れの再付着が起こって充
分な効果を得ることができない。非イオン性界面活性剤
は0.5〜100ppm、好ましくは10〜80ppmである。0.5ppm未
満では十分な添加効果が認められず、また100ppmを越え
ると、すすぎ性の点で実用上好ましくない。なお、浴槽
内の上述の洗浄方法においては、本発明の組成物を適量
用いるのが有利であるが、これに限定されるものではな
く、例えばカチオン性界面活性剤および非イオン性界面
活性剤を別個に適量添加してもよい。 〔作用〕 本発明組成物による洗浄機作は次のように考えられ
る。カチオン性界面活性剤が脂肪酸金属塩の金属イオン
と置換反応を生じ脂肪酸金属塩を分解するか、またはコ
ンプレックスを生成し汚れの分散性を高める。しかしな
がら、カチオン性界面活性剤のみでは、遊離脂肪酸が残
存しているため脂肪酸金属塩の金属イオンとの置換反応
が阻害される。ところが、非イオン性界面活性剤が共存
すると、分散効果をより高め、置換反応を継続して促進
することができるため満足のいく洗浄効果が得られるも
のと推測される。 〔発明の効果〕 本発明の浴室用洗浄剤組成物を使用することにより材
質を損傷することなく、浴室の床や壁、浴槽などに付着
した石ケンカスを満足に除去することができる。また手
荒れの心配もない。 また、本発明の浴室用洗浄剤組成物を使用すれば手間
のかかる槽内のスポンジ洗いをすることなく、簡便に浴
槽を洗浄することができる。 〔実施例〕 以下実施例により本発明を説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。 実施例1 界面活性剤(非イオン性界面活性剤、アニオン性界面
活性剤)と酸性物質としてリンゴ酸を用いた酸性洗剤、
界面活性剤(非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活
性剤)だけを用いた中性洗剤、界面活性剤(非イオン性
界面活性剤、アニオン性界面活性剤)と水溶性溶剤およ
び金属イオン封鎖剤としてのエチレンジアミン四酢酸ナ
トリウムを用いたアルカリ性洗剤、および本発明品
(A),(B)についての洗浄力、材質損傷性を調べた
結果を表1に示す。表中の数字は重量%を表す。 尚洗浄力の評価は、こすった程度では落ちない風呂汚
れが付着している鋳鉄ホーロー浴槽(ジルコン系)を洗
剤をふくませたスポンジで軽くこすり洗いをして、その
時の落ち易かったものを○印、汚れ落ちがほとんど認め
られなかったものを×印として肉眼判定した。 又、材質損傷性は洗浄力試験後鋳鉄ホーロー浴槽の表
面の光沢状態を同様に肉眼判定し、全く変化を認めなか
ったものに○印、光沢が失われ表面浸蝕が認められたも
のに×印とした。 表1の結果からわかるように、洗浄力では酸性物質を
用いた酸性洗剤が良いが、材質損傷性が極めて大きく、
通常の洗浄工程では浴槽表面が損傷を受けた。一方中性
洗剤、アルカリ性洗剤は材質損傷性は示さなかったが、
洗浄力は極めて悪く汚れはほとんど落ちなかった。これ
ら既存の洗剤に比較して本発明品は洗浄力にすぐれかつ
材質損傷性もなく良好であった。 実施例2 実施例1で用いた酸性洗剤、中性洗剤、アルカリ性洗
剤および本発明品(A),(B)を5倍に希釈して40℃
に保ち、20分間被検者の手を浸漬し更に25℃の水道水で
3分間洗い、そのまま乾かした後48時間後の手荒れ度を
観察した。手荒れ度は手荒れが全く認められないものを
0点、高度に認められるものを4点として5段階評価を
行い、各々10人の被検者の平均を求めた。結果を表2に
示す。実施例3 こすった程度では落ちない風呂汚れが付着している鋳
鉄ホーロー浴槽(ジルコン系)の入浴後の残水(40℃)
に表3に示した各種成分を溶かし、1時間放置後排水
し、浴槽表面を水ですすいだ。浴槽表面の汚れがほとん
ど落ちているものを○印、汚れが落ちないものを×印と
して肉眼判定した。結果を表3に併せて示す。 尚、表中の各成分の濃度の単位はppmである。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.下記一般式一般式(I)〜(IV)で表されるカチオ
    ン性界面活性剤から選ばれるカチオン性界面活性剤0.1
    〜30重量%および非イオン性界面活性剤0.1〜30重量%
    を含有し、pHが5〜10であることを特徴とする浴室用洗
    浄剤組成物。 (式中R1は炭素数10〜20の直鎖或いは分岐鎖型のアルキ
    ル基又はアルケニル基であり、Xは塩素,臭素などのハ
    ロゲン,メチルサルフェート,エチルサルフェートを表
    す。) (式中R2およびR3は炭素数10〜20の直鎖或いは分岐鎖型
    のアルキル基又はアルケニル基であり、Xは塩素,臭素
    などのハロゲン,メチルサルフェート,エチルサルフェ
    ートを表す。) (式中R4,R5およびR6は炭素数10〜20の直鎖或いは分岐
    鎖型のアルキル基又はアルケニル基であり、Xは塩素,
    臭素などのハロゲン,メチルサルフェート,エチルサル
    フェートを表す。) (式中R7,R8は炭素数10〜20の直鎖或いは分岐鎖型のア
    ルキル基又はアルケニル基であり、Xは塩素,臭素など
    のハロゲン,メチルサルフェート,エチルサルフェート
    を表す。)
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