JP2000512720A - ギアボックス内の連結噛合 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ギアボックス内における互いに連結することができる回転対称な２つの連結部材（５，６）間の連結噛合であり、その強度を高めるために、ａ）両連結部材（５，６）は互いに対向する面に爪を備え、これが基礎面（１０）から突出しており、ｂ）両方の連結部材のうちの第一のもの（６）において、爪（１４，１５，１６）は基礎面（１０）を仕切る外側結合部分（１８）の内側周囲面（１７）上に配設され、ｃ）両方の連結部材のうちの第二のもの（５）において、爪（７，８）は基礎面（１０）を仕切る内側結合部分（１３）の外側周囲面（９）上に配設され、ｄ）両方の爪の連結面はともに切り下げを有するよう形成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 ギアボックス内の連結噛合 この発明は、ギアボックス内における連結可能な二つの回転対称型連結部材間 の連結噛合、またはこの種の連結部材を備えるギアボックスに関する。 モーターバイクのギアボックス用の既知の連結噛合（欧州特許第００７３９８ ５Ｂ１号）において、両方の連結部材の一方が基礎面に対して突出する爪を備え 、他方はポケットを備え、駆動連結の形成に際してこのポケットに爪が噛合する 。ここで、爪およびポケットは切り下げられた連結面によって形成され、すなわ ち、連結作用をなす爪またはポケットの側面部はその深さ方向に向かって数度の 角度で内側傾斜している。互いに作用する二つの連結面が等しく傾斜しているこ とによって、負荷によって脱落することを防止し得る連結作用が達成される。 したがって本発明の目的は、既知の連結歯車を高い回転モーメントにも適合し 、それにもかかわらず容易に連結し得るよう改善することである。 この課題を解決するため、本発明にしたがって、請求項１のａないしｄに記載 の特徴を備えるものとする。したがって、両方の連結部材が基礎面に対して軸方 向に突出する爪を備え、これにより容易な進入を確立し、特に配分または爪間隔 が自由に選択可能であり、すなわち、実用において最適な噛合条件を達成するこ とができる。 外側結合部ならびに内側結合部を備え、これを介して各爪をその接続部に加え てさらに基礎面と接続することによって特に高い強度が達成される。 連結部材がいずれもポケット状の窪みによって形成された連結面を備えず、こ れに代えて二側面で結合された爪のみを設けることにより、本発明に係る連結ギ アは全体としてより低コストに製造することができる。この関連において、特徴 ｄ）にしたがって切り下げられた爪の製造に際し、欧州特許第００７３９８５Ｂ １号に記載された予備鍛錬ならびに冷切削工程のみからなる効率的な変形を使用 し得る点は重要である。 両方の連結部材はその爪によって相互に噛合しているため、ギアボックスの軸 方向の長さを削減するよう、基礎面からみて外側結合部分を爪より高くし、基礎 面から見て内側結合部分を爪より低くすることが好適である。内側結合部分に接 合された爪は所定の高さにおいて段をなすよう形成し、ここで内側放射方向の段 部がほぼ内側結合部分の高 さを有することが好適である。 連結動作をさらに向上させるため、別の実施形態において、両連結部材の一方 の爪の一部をその他の爪に比してわずかに低くなるよう相違させることができ； ここで偶数の爪数を有する連結部材において、両連結部材の一方の爪を交互に変 遷する２種類の異なった高さのものとすることが好適である。この方式により、 連結行程における屋根形の爪の最大接触面を縮小することができ、したがって爪 をより容易に相互に進入させることができる。 本発明提案による別の実施形態によれば、少なくとも一つの連結部材の爪が側 方に傾斜し、特に周囲方向に湾曲した屋根形状とし、進入局面に際して軸方向に 相互に衝突する屋根形状が線形の接触を有するよう構成することにより進入を改 善することができる。 第一の連結部材が外側結合部分に加えて爪から離間して配設された内側結合部 分を備え、第二の連結部材が内側結合部分に加えて爪から離間して配置された外 側結合部分を備えることにより連結部材の強度をより高めることができる。 特に大きな回転モーメントの伝達に対してより改善された安定性をもたらすた め、両連結部材が連結された状態においてその爪の荷重のかかった側面部分で平 面的に相互に接触するよう爪を構成することが好適である。 本発明の提案のギアボックスへの適用において、軸方向の長さを削減する目的 のため、一方で歯車が請求項１の特徴ｂにしたがって基礎面を仕切る外側結合部 分を備え、この上に内側放射方向に向かって爪を接合し、他方では基礎面を仕切 る内側結合部分の一つの外側周囲面に爪が接合するよう請求項１の特徴ｃにした がった推動スリーブを形成することが好適である。推動スリーブは、歯車より小 さな直径を有し、その外側リングの一部をこれに対応して低没した隣接する歯車 の前面に進入させることによりさらに大きな連結道程を達成することができる。 次に、本発明の実施例につき、添付図面を参照しながら説明する。ここで： 図１は、推動スリーブの切断部分を示す透視図、 図２は、歯車の切断部分を示す透視図、 図３は、側方に傾斜した屋根形状を有する図２に対する変更例、 図４は、湾曲した屋根形状を有する図２に対する変更例、 図５は、二つの歯車ならびにその間に支持された連結スリーブからなるギアボ ックス の駆動軸の軸方向断面図、 図６は、図５の装置において第一のギアが連結された際の説明図、 図７は、図５の装置において第二のギアが連結された際の説明図である。 図５ないし７には、ギアボックスの例が示されており、これは１速ギア用の歯 車１と、２速ギア用の歯車２と、その間に配置された連結スリーブ３とに限定し て構成されている。ここで、連結スリーブ３は、連結スリーブ３の溝４内に嵌合 する図示されていないシフトレバーによって連結スリーブ３を左または右の嵌合 位置に推動することによって、歯車／１速ギア１または歯車／２速ギア２のいず れかと共に連結噛合を形成する。左側の嵌合位置、すなわち歯車／１速ギア１と の連結は図６に示され、右側の嵌合位置、すなわち歯車／２速ギア２との連結は 図７に示されている。両方のケースにおいて、連結スリーブは、その際連結され ている連結噛合の枠内において、図１に例示されているように連結部材５を形成 し、歯車は図２ないし４の三つの異なった変更例に示されているように別の連結 部材６を形成している。 図１の連結部材５は、内側周囲面９上ならびに通常基礎面１０上に接合された 爪７，８を備えている。図１に透視的に示された連結部材５の切断部分は、推動 スリーブ３上に存在する二つの爪噛合の一方に相当する。隣接する爪７，８は、 異なった高さに形成されており、ここで爪７は周囲面９またはこれを形成する内 側結合部分１３の高さに相当し、一方爪８は外側放射方向の段部１１が内側放射 方向の段部１２よりも高くなるよう段階的に形成され；内側放射方向の段部１２ は内側結合部分１３と同一平面上に延在する。 図１に示された“第二の”連結部材において、爪は偶数爪数において交互に２ 種類の異なった高さを有するよう形成するか、または全て等しく形成することが できる。異なった高さを有する爪により、両連結部材の爪の最初の接触に際して 進入行程中における瞬間支持面が縮小され、したがって進入が容易になる。 図２ないし４には、それぞれ“第一の”連結部材６の実施例が示されており、 これは図１の“第二の”連結部材５との噛合を形成している。第一の連結部材６ において、爪１４，１５，１６は、基礎面１０を仕切る外側接続部分１８の内側 周囲面１７上に配設されている。外側結合部分１８は、基礎面１０から見て、爪 １４，１５，１６よりも高く形成されている。第一の連結部材は、外側結合部分 １８に加えて爪１４，１５，１６か ら離間して配設された内側結合部分１９をさらに備える。図に示したものは、外 形の描写のみに限られており、すなわち連結噛合の一部を形成する爪噛合の切断 部分の表面を示している。この種の爪噛合は、図５ないし７に示されたギアボッ クスに関して、両歯車１，２の連結スリーブに向かった面上にそれぞれ配設され ている。したがって、連結スリーブ３がこれを支持する中間部材２０上において 隣接する両歯車１，２のうちの一方の軸方向に推動される場合、連結スリーブ３ の選択した噛合相手に対向する爪７，８が各歯車の爪歯の爪１４，１５，１６の 中間に噛合し、この歯車が連結スリーブ３の所定の爪歯と連結した後連結噛合を 形成する。 図２ないし４に示された実施例は、それぞれ異なった爪形状によって相違して いる。 図２によれば、連結部材６は、平面状に形成された屋根面からなる爪１４を備 えている。 図３によれば、連結部材６は、側方への傾斜部分２１を備える屋根形状を有す る爪１５を備えている。 図４によれば、連結部材６は、周囲方向に湾曲した屋根形状からなる爪１６を 備えている。平面状の屋根形状（図２）に比較して、側方への傾斜部分２１（図 ３）を備える変更例ならびに湾曲した屋根形状（図４）によれば軸方向に互いに 衝突する爪歯の進入が容易になる。 図１ないし４について、図を単純化するため、爪７，８，１４，１５，１６の 側面部分をこの種の連結噛合において一般的な切り下げを設けて図示することを 省略した。これは、爪の屋根面が周囲方向に計測してその基礎面より幅広である ことを示しており、すなわち、側面部は屋根面から基礎面に向かって縮小してお り、つまり５°ぐらいまで基礎面に向かって内側に傾斜しており、したがってこ れらは進入後に互いに食い込み；荷重によって噛合が解除されることを有効に防 止する。荷重に際して該当する爪の側面が互いに圧接されるため、磨耗を削減す るために、この側面部を嵌合時に平面で接触するよう形成することが好適である 。同様の要件は連結部材の軸方向の外面が瞬間的に衝突する進入局面には該当せ ず；ここで、爪の屋根形状の構成に際して、軸方向に連動する爪の間において摩 擦を限定的にする直線接触が形成されるよう最大限に配慮する必要がある。この 条件のため、図３に示された側方への傾斜部分２１を有する爪１５が有用であり 、また湾曲した屋根形状からなる図４に示された爪１６はさらに有効である。 図５ないし７に部分的に示されたギアボックスにおいて、第１速用の歯車１お よび第２速用の歯車２のみが示されている。これらが支持されている末端動力軸 ２２は両側で切断されており；その右側の部分上には、図示されていない第三速 ならびに第四速用の歯車の間の別の推動スリーブのための歯切り部分２３を備え ている。 図示された第１速および第２速用の両方の歯車１および２は、図２ないし図４ にそれぞれ概略的に示されているように、それぞれ外側周囲上に外側結合部分１ ８、ならびに爪から離間して配置された内側結合部分１９を備えている。両歯車 の図においては、平面状の屋根形状を有する爪１４が同様に断面的に示されてい る。連結スリーブ３側の爪噛合のため、図１の右側に示されたように、段階的に 形成された爪８が選択されている。推動スリーブ３は、中間部材２０上に設置さ れ、これは歯切り部分２４を介して末端動力軸２２に接続されている。常に連動 する歯車１，２は、ニードルベアリング２５上に設置されている。歯車の連結は 、図５に示すように、連結スリーブ３の推動台座２６を中間部材２０によってそ のニュートラル中間位置から軸方向に推動することにより達成され、歯車／１速 ギア１（図６）との連結噛合を形成するためには左に推動し、歯車／２速ギア２ （図７）との連結噛合を形成するためには右に推動する。 図６および７の連結部材の連結表示において、推動スリーブ３の該当する歯車 に対向する基礎面１０は、これに対応する歯車の切り込み内に進入し、ここで互 いに対向する爪は相互に噛合し、推動スリーブの内側結合部分１３は爪１４の自 由な前面２７と該当する歯車の内側結合部分１９との間の内空間に進入する。こ の方式により、軸方向に推動して形成する噛合が達成される。

【手続補正書】 【提出日】平成１０年１２月２２日（１９９８．１２．２２） 【補正内容】 １．請求の範囲を次の通り補正します。 「 請求の範囲 １． ギアボックス内における互いに連結することができる回転対称な２つの連 結部材（５，６）間の連結噛合であり： ａ）両連結部材（５，６）は互いに対向する面に爪を備え、これが基礎面（１ ０）から突出しており； ｂ）両方の連結部材のうちの第一のもの（６）において、爪（１４，１５，１ ６）は基礎面（１０）を仕切る外側結合部分（１８）の内側周囲面（１７）上に 配設され； ｃ）両方の連結部材のうちの第二のもの（５）において、爪（７，８）は基礎 面（１０）を仕切る内側結合部分（１３）の外側周囲面（９）上に配設され； ｄ）両方の爪の連結面はともに切り下げを有するよう形成されることを特徴と する連結噛合。 ２． 基礎面（１０）からみて外側結合部分（１８）が爪（１４，１５，１６） より高くなることを特徴とする請求項１記載の連結噛合。 ３． 基礎面（１０）から見て内側結合部分（１３）が爪（７，８）より低くな ることを特徴とする請求項１記載の連結噛合。 ４． 爪（７，８）は、内側放射方向の段部（１２）がほぼ内側結合部分（１３ ）の高さを有するような高さにおいて段をなすよう形成することを特徴とする請 求項３記載の連結噛合。 ５． 両連結部材の一方の爪の一部をその他の爪に比してわずかに低くなるよう 相違させることを特徴とする請求項１記載の連結噛合。 ６． 偶数の爪数を有する連結部材において、両連結部材の一方の爪（７，８） を交互に変遷する２種類の異なった高さのものとすることを特徴とする請求項５ 記載の連結噛合。 ７． 少なくとも一つの連結部材（６）の爪（１５，１６）が側方に傾斜し、特 に周囲方向に湾曲した屋根形状とし、進入局面に際して軸方向に相互に衝突する 屋根形状が線形の接触を有するよう構成することを特徴とする請求項１記載の連 結噛合。 ８． 両連結部材（５，６）が連結された状態においてその爪の荷重のかかった 側面部分で平面的に相互に接触することを特徴とする請求項１記載の連結噛合。 ９． 第一の連結部材（６）は外側結合部分（１８）に加えて爪から離間して配 設された内側結合部分（１９）を備えることを特徴とする請求項１記載の連結噛 合。 １０． 第二の連結部材（５）は内側結合部分（１３）に加えて爪から離間して 配置された外側結合部分を備えることを特徴とする請求項１記載の連結噛合。 １１． 第一の連結部材（６）が歯車（１，２）を形成し、第二の連結部材（５ ）が推動スリーブ（３）を形成することを特徴とする請求項１記載の連結噛合を 備えたギアボックス 。」 ２．明細書第１頁第１２行と第１３行の間に次の通り加入します。 「さらに、ＤＫ−第５２１５０号文書による連結噛合またはギアボックス が知られており、これにおいては、両方の連結部材が互いに対向する面に基礎面 から軸状に突出した爪を備えており；歯車の爪は基礎面を仕切る外側結合部分の 内側周囲面上に追加的に接合されている。」 ３．明細書第１頁第１５〜１８行を次の通り補正します。 「この課題を解決するため、本発明にしたがって、請求項１のａないしｄに記載 の特徴を備えるものとする。したがって、両方の連結部材が基礎面に対して軸方 向に突出するとともにそれぞれ二端で接続された爪を備え、これにより容易な進 入を確立し、特に配分または爪間隔が自由に選択可能であり、すなわち、実用に おいて最適な噛合条件を達成することができる。」

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． ギアボックス内における互いに連結することができる回転対称な２つの連 結部材（５，６）間の連結噛合であり： ａ）両連結部材（５，６）は互いに対向する面に爪を備え、これが基礎面（１ ０）から突出しており； ｂ）両方の連結部材のうちの第一のもの（６）において、爪（１４，１５，１ ６）は基礎面（１０）を仕切る外側結合部分（１８）の内側周囲面（１７）上に 配設され； ｃ）両方の連結部材のうちの第二のもの（５）において、爪（７，８）は基礎 面（１０）を仕切る内側結合部分（１３）の外側周囲面（９）上に配設され； ｄ）両方の爪の連結面はともに切り下げを有するよう形成されることを特徴と する連結噛合。 ２． 基礎面（１０）からみて外側結合部分（１８）が爪（１４，１５，１６） より高くなることを特徴とする請求項１記載の連結噛合。 ３． 基礎面（１０）から見て内側結合部分（１３）が爪（７，８）より低くな ることを特徴とする請求項１記載の連結噛合。 ４． 爪（７，８）は、内側放射方向の段部（１２）がほぼ内側結合部分（１３ ）の高さを有するような高さにおいて段をなすよう形成することを特徴とする請 求項３記載の連結噛合。 ５． 両連結部材の一方の爪の一部をその他の爪に比してわずかに低くなるよう 相違させることを特徴とする請求項１記載の連結噛合。 ６． 偶数の爪数を有する連結部材において、両連結部材の一方の爪（７，８） を交互に変遷する２種類の異なった高さのものとすることを特徴とする請求項５ 記載の連結噛合。 ７． 少なくとも一つの連結部材（６）の爪（１５，１６）が側方に傾斜し、特 に周囲方向に湾曲した屋根形状とし、進入局面に際して軸方向に相互に衝突する 屋根形状が線形の接触を有するよう構成することを特徴とする請求項１記載の連 結噛合。 ８． 両連結部材（５，６）が連結された状態においてその爪の荷重のかかった 側面部分で平面的に相互に接触することを特徴とする請求項１記載の連結噛合。 ９． 第一の連結部材（６）は外側結合部分（１８）に加えて爪から離間して配 設された内側結合部分（１９）を備えることを特徴とする請求項１記載の連結噛 合。 １０． 第二の連結部材（５）は内側結合部分（１３）に加えて爪から離間して 配置された外側結合部分を備えることを特徴とする請求項１記載の連結噛合。 １１． 第一の連結部材（６）が歯車（１，２）を形成し、第二の連結部材（５ ）が推動スリーブ（３）を形成することを特徴とする請求項１記載のギアボック ス。