JP2000512479A - ホールセンサを介した回転数ピックアップ機能を備えたモータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、マグネットロータ（２）を有するシャフトを備え、該シャフトの回転数が、プリント回路板（４）に配設されたホールセンサ（３）によってピックアップ可能である、、電気駆動式モータに関するものである。本発明では、プリント回路板（４）にろう付けピン（５）か又はコンタクト脚部（６）が設けられてモータ構成部材（７）内に集積化されており、コンタクト（８）と、プリント回路板（４）のための供給及び信号線路（９）がモータ構成部材へ射出成形されるか及び/又は差し込まれている。

Description

【発明の詳細な説明】 ホールセンサを介した回転数ピックアップ機能を備えたモータ 従来の技術 本発明は請求項１の上位概念による、ホールセンサを介した回転数ピックアッ プ機能を備えたモータに関する。 この種のモータは、ドイツ連邦共和国特許出願DE 43 26 391 A1から公知であ る。このモータは、整流子を備えた直流モータであり、モータケーシングと、２ つの回転方向で駆動可能なロータシャフトを備えたロータとを有している。この ロータシャフトは、２つの軸受けシールドに支持されており、これらのシールド はモータケーシングを２つの側で外方に向けて密閉している。ロータシャフトに は２極マグネットロータが固定的に取り付けられている。ホールセンサは、組み 付けモジュールとして構成されたプリント回路板に配設されており、このプリン ト回路板は外方から軸受けシールドの溝に差し込まれる。この溝は、基底面を有 しており、該基底面は閉成された深いチャンバを有している。このチャンバは軸 受けシールドの内側に張り出しており、チャンバ壁を有している。このチャンバ 壁はマグネットロータに対向的に位置している。ホー ルセンサはチャンバ壁の後方でマグネットロータの高さに配設されており、この マグネットロータの信号を走査検出する。マグネットロータに向いたプリント回 路板の表側には電気的な構成素子、例えばホールセンサ、抵抗などが設けられて いる。これらの電気的構成素子の供給及び信号線路は、その終端領域においてプ リント回路板の表側から裏側へプリント回路板の溝内を案内されており、その非 絶縁終端部は裏側の導体線路とのコンタクトのためにプリント回路板の貫通孔部 を通って表側から裏側へ差し込まれる。供給及び信号線路は、絶縁チューブを通 って案内されており、差込スリーブケーシングと接続されている。このケーシン グはプリント回路板と共に組み付けユニットを形成する。 軸受けシールド内縁に張り出している付加的なチャンバによっては、比較的大 きな構造空間が必要になる。この種のチャンバを備え、その結果としての寸法を 伴う軸受けシールドは、ホールセンサを備えたモータのもとでしか有利に用いる ことができない。マグネットロータはチャンバ壁後方に配設されるためホールセ ンサから大きく離れた間隔を有する。このことは大きな構造空間の原因となる。 その他にもマグネットはより強力に設計使用されなければならない。なぜならチ ャンバ壁を通して大きな間隔のもとで信号をピックアップしなければならないか らである。より強力なマグ ネットによっては構造空間が大きくなり重量も増す。このことはシャフトの回転 に対しても増加作用を生じさせ、駆動に要するエネルギの増加も必然的に生じる 。供給及び信号線路を絶縁チューブを通して溝内で引っ張り負担を軽減させて案 内するためには、一方では組み付けの手間が増し、他方では構造空間の多数の個 別要素による重量及びコストの上昇が必然的に生じる。 このようなモータは、特に自動車においてパワーウインドウや電動サンルーフ 、電動調整シートなどの駆動用モータとして用いられる。特にこのような特殊な 適用領域では小型でかつ軽量な構造が常に問われている。 発明の利点 請求項１の特徴部分に記載の本発明によるモータは次のような利点を有する。 すなわち射出成形及び/又は差し込み式のろう付けピン又はコンタクト脚部によ ってプリント回路板が非常に小さく経済的に構成できる利点を有する。そのため 既存のモータ構成部材（これはホールセンサなしでも必要とされる）内への集積 化が可能でしかも付加的な構造空間は何も必要とされない。ここでの集積化とは 構成部材内へのプリント回路板の挿入、例えば差し込みのことである。そのため この構成部材が外側へ拡張されることはない。つまり既存の空き空間が使用され る。またプリント回路板のた めのコンタクトや供給/信号線路がこの構成部材内で射出成形されるか及び/又は 差し込まれる場合には、さらに構造空間の節約となり、これによっても付加的な 構造空間の必要性がなくなる。これらのコンタクトや線路は、全て射出成形や鋳 込み成形で処理されてもよいしあるいは組み合わせて構成部材内に設けられても よい。これらの部材が差し込み式ならば、製造コストの軽減が可能である。ホー ルセンサなしのモータではこれらの部材は省くことが可能である。それに対して 射出成形では僅かながらコストが高くつくが、組み込みの手間は軽減されて簡単 となり、種々の部材がモータ構成部材内に理想的に固定される。どのような形態 が用いられるかは、それぞれの適用ケースに依存する。モジュール形式の手段、 すなわちホールセンサ付きのモータにもホールセンサなしのモータにも適用可能 な手段では両方の利点が得られる。 本発明の別の有利な構成例は従属請求項に記載されている。 構成部材にプラグ（このプラグにプリント回路板の供給/信号線路が導かれる ）が形成される場合には、例えば差し込みスリーブケーシングや引っ張り負荷軽 減部材などの付加的構成部材の省略が達成され、組み付けコストが軽減され、経 費が節約される。特に有利には、このプラグが市販されている慣用の接続プラグ に適合化される。 構成部材がモータのブラシホルダ（この中にはホールセンサを備えたプリント 回路板が集積化されコンタクト、供給/信号線路が差し込まれているか射出成形 されている）ならば、これは基本的にモータ、特にモータのブラシに対する出力 コンタクトを備えたプラグを有しており（これは同時にプリント回路板にも使用 され得る）、そのため所要のプラグがさらなる目的に使用され付加的な製造/組 み付けコストは省かれる。 軸受けカバーとブラシホルダが１つの部材から形成されるならば、射出成形部 分とそれに伴う構造空間、製造/組み付けコスト、経費などが節約できる。なぜ なら特に射出成形部材に対して１つの型のみが必要となるだけだからである。ブ ラシホルダ（これは同時に軸受けカバーも形成する）がモータシャフトまでシフ トされるならば、差込の際にブラシを相互にシフトさせるために必要とされる補 助円錐部がもはやシャフトからひっぱれない問題が生じる。なぜなら集積化され た軸受けカバーがこれを妨げるからである。この問題は、特別な保持装置を用い て解決されるか又は有利にはモータケーシング内への組み付け後には何も機能が 残らない部材を用いて解決される。マグネットロータが軸受けと整流子との間で ブラシの前に配設され、始動円錐状部として用いられるテーパー形状部を有して いるならば、このような付加的部材は省くことが可能となる。マグネットロータ は次のことに用いられる。す なわちブラシを相互にシフトさせることと同時にホールセンサの信号発生器とし て用いられる。部品数は増えない。マグネットロータがブラシ前方に存在し、軸 受けカバー内で軸受け直後にある場合には、マグネットロータ３番目の機能を得 る。この場合はモータにギアが接続されない限りマグネットロータはその端面側 でシャフトを軸方向で支える。 マグネットロータが、ホールセンサなしの始動円錐部と同じ大きさを有してい るならば、構造空間も同じ大きさに維持され、重量の増加も無視できる程度であ る。 ホールセンサがマグネットロータの直ぐ近傍に、すなわち可及的に僅かな間隔 で介在壁なしで設けられている場合には、信号が良好に受信可能である。これは 基本的に比較的少ないスペースしか必要とせずマグネットも弱めのもので十分で ある。それにより小型で軽くしかも低コストなものが得られる。 ホールセンサをシャフト軸線に並列に配向するならば、シャフトの軸方向の移 動が補償可能である。なぜなら信号が軸方向でマグネットの幅のために比較的広 い範囲に亘ってほぼ同じ強度で受信可能だからである。 本発明によればホールセンサ（ホールＩＣ）は、ＳＭＤ手法によってプリント 回路板に被着される。このＳＭＤ手法は表面溶融技法であり、それに従ってホー ルセンサはフラットにプリント回路板上に載置される。これはセンサがコンタク ト脚部にある従来手法とは異なっている。これによってフラットに構成すること ができ、ホールセンサと特にホールセンサのコンタクト（これらを用いてプリン ト回路板に被着されている）が障害ないし位置ずれに対して不感となる。なぜな ら例えば折れるような危険性がなくなるからである。フラットな構造形態によっ て、プリント回路板の配設に平らな介在空間が使用され得る。 マグネットロータは、プラスチック成分を含んだ２極性磁石（例えばネオジム −鉄−ほう素に基づいた）を有する。ネオジム材料によっては、非常に小さな寸 法でも従来のフェライト磁石の場合と同じ作用が達成される。マグネットロータ は、より小さくそしてより軽くなり、それと共に慣性モーメントも小さくなる。 マグネットロータはプラスチックの支持体からなっており、その上にマグネッ トが射出成形されている。マグネットロータは、圧入座部と共にシャフトに固定 される。これによって、組み付けも容易になる。その他にもこのマグネットロー タを固定するための接着剤は必要なくなる。この接着工程は、特にオートメーシ ョン化された流れ作業においては通常は手間のかかるやっかいな作業過程である 。それに対して前記圧入座部は次のように選択される。すなわち該圧入座部が接 線方向と軸方向の所要応力を受け入れるように選択さ れる。しかしながらこのマグネットロータは例えば摩耗の際には再び簡単に引き 抜くことができる。プラスチックは、堅い磁石を圧入座部でもって固定できるよ うに作用する。なぜなら柔らかいプラスチックは圧入によって生じる緊張を受け 入れるからである。それにより磁石が機械的緊張によって摩擦されることが回避 される。このことは有利には円筒状区分に従って拡張されたプラスチック支持体 の孔部によって達成される。 このプラスチックは高められた緊張と共に圧入される。そのためシャフトへの 所要の粘着力とマグネットロータの固定のためのプラスチック内の張りは全ての 作動温度で十分である。 図面 図面には本発明の実施例が示されており、それに関連して以下の明細書及び請 求の範囲ではその特徴が詳述される。 図１は、モータの断面図である。 図２は、ホールセンサを備えたブラシホルダの断面図である。 図３は、ホールセンサを備えろう付けピンと接触する、ブラシホルダの断面図 である。 図４は、ホールセンサを備えコンタクト脚部と接触する、ブラシホルダの断面 図である。 図５は、マグネットロータを示した図である。 実施例の説明 次に本発明を図面に基づき詳細に説明する。 図１にはコミュテータ２４を備えた直流モータの例が示されている。しかしな がら本発明は、交流モータや三相交流モータにも適用可能である。特に直流モー タは、パワーウインドウ、電動サンルーフ、電動調整シート、電動ミラーなどへ の適用に適している。 モータは、シャフト１を有しており、このシャフト１はモータケーシング２２ 内で軸受け２３，３２に支承されている。シャフト１は歯車２５を有しており、 この歯車を介してここでは図示されていない機構を駆動する。モータケーシング ２２は一方の側では遮蔽されており、もう一方の側ではモータの内部構成部材の 組み付けのために開放されている。この開放側は、軸受けカバー１２によって密 閉される。この軸受けカバー１２は同時にブラシホルダ７も形成している。軸受 けカバー１２内には軸受け２３（例えば球帽形軸受け）が設けられている。 シャフト１には、マグネットロータ２がコミュテータ２４と軸受け２３との間 で圧入座部１８でもって支承されている。このマグネットロータ２の端面側２１ を介してシャフト１は、歯車２５に別の機構が接続されない限り軸方向で軸受け ２３に支持される。マグネットロータ２には２極形又は多極形磁石１６が配設さ れている。これは回転の際に周辺のある時点で２つの マグネットパルスを生成する。これらのパルスはホールセンサ３によってピック アップされる。このホールセンサ３は、僅かな遊びを残して前記磁石１６に設け られている。 図２及び図３にはブラシホルダ７が示されている。このブラシホルダ７内には プリント回路板４が集積されており、このプリント回路板４に前記ホールセンサ ３が配設されている。ブラシホルダ７ないしは軸受けカバー１２には、差込プラ グ１１が形成されている。この差込プラグ１１は、出力コンタクト２０を有して おり、この出力コンタクトを介してモータないしはそのブラシ１３に電流が供給 される。さらに差込プラグ１１はさらなるコンタクト８を有しており、このコン タクト８と、プリント回路板４は供給及び信号線路９、ろう付けピン５又はコン タクト脚部６を介して接続されている。前記供給及び信号線路９は、ブラシホル ダ７内に例えば鋳込み成形されるか又は差し込まれている。 図４では、ホールセンサ３が３つの導体線路２９，３０，３１と接続された端 子を有している様子が示されている。導体線路２９は、コンタクト脚部６からホ ールセンサ３に案内され、さらに２つの並列に接続された抵抗２６を介して導体 線路３１に接続されている。導体線路３０は、ホールセンサ３から前記抵抗２６ 下で２つのコンタクト脚部６に案内されている。シャ フト１が回転すると、ホール効果によって生じる信号がホールセンサ３によって 検出される。これらの信号は、差込プラグ１１に接続されたここでは図示されて いない制御ユニットによって評価される。この制御ユニットは、関与する信号を 時間毎に記録する。これによりシャフト１の回転数が検出される。さらにこの制 御ユニットはモータがどのように接続されているかを検出し、そこからモータの 回転方向も確定する。それによって回転数と回転方向が検出される。この場合特 にパワーウインドウのケースでは回転方向が重要であり、それによってウインド ウの開閉が確定可能となる。さらに回転数の変動においては例えば障害物の識別 がなされ、巻き込みないし挟み込みに対する保護が達成される。 図５には、マグネットロータ２の断面図が示されている。マグネットロータ２ は支持体１７からなっている。この支持体１７はプラスチックで形成され、その 一方の側にテーパー形状部１４を有している。このテーパー形状部１４は一方の 端面側２１で終端しており、他方の側には円錐状の溝を有している。支持体１７ の円錐状の溝の側には２極形磁石１６が射出成形される。この円錐状の溝は磁石 １６と支持体１７の間の良好な接続に作用する。この支持体１７は内部孔１９を 有しており、この内部孔１９は円筒状部分のあとにテーパー状に拡張されている 。そのためこの内部孔１９ は２つの直径２７，２８を有している。磁石１６側の直径２７は、他方の側の直 径２８よりも大きい。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． マグネットロータ（２）を有するシャフト（１）を備え、該シャフト（ １）の回転数が、プリント回路板（４）に配設されたホールセンサ（３）によっ てピックアップ可能である、電気駆動式モータにおいて、 前記プリント回路板（４）にろう付けピン（５）又はコンタクト脚部（６）が 設けられてモータ構成部材（７）内に集積されており、 コンタクト（８）と、プリント回路板（４）のための供給及び信号線路（９） がモータ構成部材（７）内に射出成形されるか及び/又は差し込まれていること を特徴とする、電気駆動式モータ。 ２． 前記プリント回路板（４）の供給及び信号線路（９）は差込プラグ（１ １）内で終端しており、該差込プラグは、モータ構成部材に成形加工されている 、請求項１記載の電気駆動式モータ。 ３． 前記モータ構成部材（７）は、ブラシホルダである、請求項１又は２記 載の電気駆動式モータ。 ４． 前記ブラシホルダ（７）と軸受けカバー（１２）は一体形である、請求 項３記載の電気駆動式モータ。 ５． マグネットロータ（２）は組み付け挿入方向でブラシホルダ（７）のブ ラシ（１３）の前に配置され 、始動円錐部として使用可能なテーパー形状部（１４）を有している、請求項１ 〜４いずれか１項記載の電気駆動式モータ。 ６． 前記ホールセンサ（３）は、マグネットロータ（２）に対して僅かな遊 びを残して配設されている、請求項１〜５いずれか１項記載の電気駆動式モータ 。 ７． 前記ホールセンサ（３）は、シャフト軸線（１５）に対して並列に配向 されている、請求項１〜６いずれか１項記載の電気駆動式モータ。 ８． 前記ホールセンサ（３）は、ＳＭＤ技法を用いてプリント回路板（４） に被着されている、請求項１〜７いずれか１項記載の電気駆動式モータ。 ９． 前記マグネットロータ（２）は、ネオジムを含んだ磁石（１６）を有し ている、請求項１〜８いずれか１項記載の電気駆動式モータ。 10．前記マグネットロータ（２）は、射出成形された環状磁石（１６）を備え たプラスチック支持体（１７）を有している、請求項１〜１０いずれか１項記載 の電気駆動式モータ。 11．前記マグネットロータ（２）は、圧入座部（１８）によってシャフト（１ ）に固定されている、請求項１〜１０いずれか１項記載の電気駆動式モータ。 12．プラスチック支持体（１７）が専ら圧入部を有している、請求項１１記載 の電気駆動式モータ。 13．前記支持体（１７）は、除去処理された内孔部 （１９）を有している、請求項１２記載の電気駆動式モータ。 14．前記支持体（１７）中に高められた電圧が形成され、これによってこの電 圧が作動温度の変動によって消滅されなくなる、請求項１３記載の電気駆動式モ ータ。