JP2000511407A - 不活性化耐性第▲viii▼因子 - Google Patents

不活性化耐性第▲viii▼因子

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、凝血促進活性FVIIIタンパク質をコードする新規精製および単離核酸配列を提供する。本発明の核酸配列は、残基Phe309が変異した、既知のヒトFVIII配列に対応するアミノ酸配列をコードする。本発明の核酸配列はまたAPC開裂部位、Arg336およびArg562が変異した、既知のヒトFVIII配列に対応するアミノ酸配列をコードする。本発明の核酸は更に、Bドメインが欠失し、フォンウィルブラント因子結合部位が欠失し、トロンビン開裂部位が変異し、A2−とA3−ドメインの間にアミノ酸配列スペーサーが付加された、既知のヒトFVIII配列に対応するアミノ酸配列をコードする。本発明のFVIIIタンパク質の製造法、このようなタンパク質をコードする核酸、本ヌクレオチド配列またはタンパク質を含む医薬組成物、ならびに血友病に罹患した患者を処置する方法もまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 不活性化耐性第VIII因子 関連出願 本出願は1996年4月24日に出願の米国出願番号第60/016,117 号および1996年5月15日に出願の米国出願番号第60/017,785号 の一部継続出願であり、本明細書に引用して明確に包含させる。 スポンサー 本発明の研究は、米国政府により、国立衛生研究所により認められた認可HL53 777およびHL52173のもとに支持されている。政府は本発明に一定の権限を有し得 る。 発明の分野 本発明は一般に凝血促進性−活性タンパク質およびより具体的に、野生型第VI II因子で典型的に得られるよりも高いレベルで分泌できる第VIII因子タンパク質 、APC耐性第VIII因子タンパク質および不活性耐性第VIII因子タンパク質をコ ードするヌクレオチドに関する。 発明の背景 ヒト第VIII因子:C(FVIII)はX染色体関連遺伝疾患血友病Aで欠損する凝血 因子であり、発症男性の病的出血および死亡の主要な原因である。伝統的に、血 友病は全血の輸血により処置していた。より最近は、処置がヒト血漿由来のFVII I濃縮物の製剤により行われている。しかしながら、血漿由来生産物は肝炎およ びAIDSのようなウイルス伝播疾病の危険性の可能性に血友病患者をさらす。 この危険性を減少させる高価な精製スキームは処置の費用を上げる。費用の増加 および血漿由来FVIIIの限定的能力により、患者は予防的よりむしろ要求を基本 にして一時的に処置される、組換え的に製造したFVIIIは精製および安全性の観 点から、ならびに増加した能力により血漿由来FVIIIよりも実質的に有利であり 、従って、組換え的製造FVIIIの開発に研究努力が向けられている。特にその活 性化後のFVIIIの不安定な性質のために、治療効果を得るために、血漿由来であ れ、組換え由来であれ、大量に繰り返してタンパク質を投与しなければならない 。しかしながら、患者がさらされるFVIIIタンパク質の量は、その活性を阻害す る抗体の発生と相関し ている。この既知の免疫原性を考慮して、治療剤として使用するFVIIIの新規組 換え形の開発の一つのゴールは、このような免疫応答を減少するか排除する生産 物の開発である。 FVIIIは、カルシウムイオン存在下で陰性に荷電したリン脂質表面で起こる反 応である、第IXa因子により第X因子の活性を加速させるコファクターとして血 液凝固の固有経路で機能する。FVIIIはドメイン構造A1−A2−B−A3−C 1−C2を有する2351アミノ酸一本鎖ポリペプチドとして合成される。Weha r,G.A.et al.,Nature 312:337-342(1984)およびToole,J.J.et al.,Natu re 312:342-347(1984)。FVIIIのドメイン構造は、相同凝血因子である第V因子( FV)と同一である。Kane,W.H.et al.,PNAS(USA)83:6800-6804(1986)およ びJenny,R.J.et al.,PNAS(USA)84:4846-4850(1987)。FVIII A−ドメイ ンは330アミノ酸であり、互いに、ならびにFVのA−ドメインおよび血漿銅 結合タンパク質セルロプラスミンと40%アミノ酸相同性を有する。Takahashi ,N.,et al.,PNAS(USA)81:390-394(1984)。各C−ドメインは150アミノ 酸であり、FVのC−ドメインと、並びに糖結合体(glycoconjugate)および陰性 荷電リン脂質と40%相同性である。Stubbs,J.D.et al.,PNAS(USA)87:84 17-8421(1990)。FVIII B−ドメインは単一エクソンによりコードされ、FV B−ドメインを含む既知のタンパク質とほとんど相同性はを示さない。Gitschie r,J.et al.,Nature 312:326-330(1984)およびCripe,L.D.et al.,Biochem istry 31:3777-3785(1992)。 FVIIIは、A1-およびA3−ドメインの間の非共有2価金属イオン結合を介し て関連している重鎖(ドメインA1−A2−B)および軽鎖(ドメインA3−C1 −C2)のヘテロダイマーとして血漿に分泌される。血漿で、FVIIIはフォン ウィルブラント因子に結合することにより安定化する。より具体的に、FVIII軽 鎖は、非共有結合性相互作用によりフォン ウィルブラント因子のアミノ末端の 一級結合部位に結合している。トロンビンによるタンパク質分解活性化により、 FVIIIは活性化されて2重鎖フラグメント(A1、50kDaフラグメント、および A2、43kDaフラグメント)および軽鎖(A3−C1−C2、73kDa鎖)のヘテ ロトリマーとなる。FVIII(FVIIIa)は、このようにトロンビン−開裂A3−C1 −C2軽鎖へ の2価金属イオン結合を介して結合したA1−サブユニットおよびイオン結合を 介してA1ドメインと結合している遊離A2サブユニットから構成される(図1 A参照)。Eaton,D.et al.,Biochemistry 25:505(1986);Lollar,P.et al., J.Biol.Chem.266:12481(1991);およびFay,P.J.et al.,J.Biol.Chem.2 66:8957(1991)。このFVIIIaヘテロトリマーは不安定であり、生理学的条件下で A2サブユニットの分解を介して急速に不活性化される。 先のトランスフェクション実験で、FVIIIはFVより10倍少ない分泌効率で あることが証明されている。FVIIIの分泌非効率は、ERの管腔(Dorner,A.,J .et al.,EMBO J.4:1563-1571(1992))中の78kDaのグルコース調節タンパク 質(GRP78)(Munro,S.et al.,Cell 46:291-300(1986))としてもまた既知の免疫 グロブリン結合タンパク質(BiP)として同定されているタンパク質シャペロニ ンとの結合に関連する。BiPは、ペプチド依存的ATPase活性を示すヒートショ ックタンパク質ファミリーのメンバーである。FLynn,G.C.et al.,Science 2 45:385-390(1989)。BiP発現は、ER中の折りたたまれていないタンパク質ま たは非集合タンパク質サブユニットの存在により誘発される。Lee,A.S.,Curr .Opin.Cell Biol.4:267-273(1992)およびKozutsumi,Y.et al.,Nature 332 :462-464(1988)。高レベルFVIII発現がBiP転写を誘発することが示されてい る。Dorner,A.J.et al.,J.Biol.Chem.264:20602-20607(1989)。加えて、 BiPからのFVIII放出およびER外への輸送は高レベルのATPを必要とする 。Dorner,A.J.et al.,PNAS(USA)87:7429-7432(1990)。対照的に、FVは BiPと関連しておらず、分泌に高レベルのATPを必要としないことが発見さ れている。Pittman,D.D.et al.,J.Biol.Chem.269:17329-17337(1994)。F VIII−B−ドメインの欠失は少ない程度でBiPに結合するタンパク質を製造し 、より効率的に分泌される。Dorner,A.J.et al.,J.CelL Biol.105:2665-2 674(1987)。FVIII B−ドメインがBiP相互作用を担うかどうかを評価するた めに、B−ドメイン配列を変えたFVとFVIIIキメラcDNA分子を構築した。P ittman,D.D.et al;.,Blood 84:4214-4225(1994)。FVのB−ドメインに固 定されたFVIIIハイブリッドが発現され、機能性分子として分泌されたが、野生 型FVIIIと同様に、ハイブリッドの分泌効率は乏しかった。Pittman,D.D.et a l.,Blood 84: 4214-4525(1994)。これは、FVとFVIIIの間の分泌効率の差が、これらの同族凝 血因子の間の最も互いに異なる領域であるFVIII B−ドメイン中の特異的配列 に帰するものではないことを示す。 FVIII A−ドメイン中の特異的アミノ酸配列が分泌を阻害するかどうかを決 定するために、FVIIIまたはFVのA1−およびA2−ドメインを含むキメラタ ンパク質を実験した。FVのA1−およびA2−ドメインを含むキメラタンパク 質は、野生型FVと同じ効率で分泌された。FVIIIのA1−およびA2−ドメイ ンを有する相補的キメラは野生型FVIIIと同様の低い効率で分泌された。これら の結果は、A1−およびA2−ドメイン中の配列がFVIIIの低い分泌効率を担う ことを示す。A1−ドメイン欠失FVIII分子が構築され、分泌は野生型FVIII A 2−ドメイン欠失FVIIIより約10倍増加した。FVIIIA1−ドメイン単独の発現 は分泌タンパク質を製造せず、FVIII A2−ドメイン単独またはFV A1− ドメインまたはA2−ドメインは、分泌タンパク質合成を指向する。A1−ドメ インのカルボキシル末端110アミノ酸がFV A1−ドメインの相同性配列と 置き換わったハイブリット(226−336ハイブリッドFVIII)の分泌はまた野 生型FVIIIより10倍増加したが、分泌タンパク質は機能的ではなく、即ち凝血 促進性活性を示さず、重鎖および軽鎖が結合しなかった。Marguette,K.A.et al.,J.Biol.Chem.270:10297-10303(1995)。従って、野生型FVIIIと比較して 増加した分泌を有する機能的FVIIIタンパク質を提供することが、望まれている 。増加した分泌かつ増加した特異的活性を有する機能的FVIIIタンパク質の提供 もまた望まれている。 FVaおよびFVIIIaは、リン脂質およびCaCl2存在下で活性化プロテイン C(APC)により不活性化され、APC−耐性が遺伝的血栓症傾向の大きな原因 の PC−耐性の分子基本は、APC開裂および不活性化への耐性に帰する。Dahlb の実験は、45kDaフラグメント(Fulcher,C.A.et al.,Blood 63:486(1984)) の発生が重鎖アミノ末端に由来し、Arg336での開裂の結果であると提案された。 Eaton,D.et al.,Biochemistry 25:505(1986)。FVIIIの軽鎖はAPCにより開 裂されないが、重鎖由来の中間体および末端消化フラグメントを示す多重ポ リペプチドが見られる。Walker,F.J.et al.,Arch.Bioch.Biophys.252:32 2(1987)。これらのフラグメントはArg336、A1とA2ドメインの連結部位、Arg 562、A2ドメインの交差部位およびA2−B連結部位、同様にArg740に位置す る開裂部位に由来する。Fay,P.J.et al.,J.Biol.Chem.266:20139(1991) 。336残基でのFVIIIのAPC開裂はA1−ドメインのアミノ末端からの45k Daフラグメントを発生し、残基562および740での開裂はA2−ドメインの カルボキシ末端の25kDaフラグメントを発生する(図1A参照)。 先の実験は、FVIIIのB−ドメインがFVIIIコファクター活性に重要ではないこ とを証明する。種々の程度のB−ドメイン欠失(BDD)を有する遺伝子操作した FVIII分子は、一次翻訳生産物の細胞内タンパク質分解が観察されない、分泌一 本鎖FVIII切片を製造する。これらのBDD FVIII変異体は、それらが哺乳類細 胞でより効率的に製造されるため、有利である。これらのBDD FVIII分子の 機能的特徴付けは、FVIIIコファクター活性が、Arg327、Arg740およびArg1689の 後のトロンビン開裂が起こる場合保持されていることを証明する。従って、この ようにして遺伝学的に設計されたFVIIIの機能的構築物も、トロンビン活性化に 続いてFVIIIaヘテロトリマーをかなり発生させる。先のBDD FVIII構築物の 機能的利点は、従って、FVIIIa由来のA2サブユニットの非共有結合の急速分解 により限定される。 従って、改善された組換えFVIIIタンパク質の提供が望まれる。活性化に耐性 のFVIIIaタンパク質もまた望まれる。更に、APC−耐性であるFVIIIaタンパク 質を提供することもまた望まれる。野生型FVIIIと比較して増加した分泌を有す るFVIIIの提供も望まれる。更に、増加した分泌およびAPC−耐性を有するFVI IIタンパク質の提供も望まれる。増加した分泌および不活性化耐性を有するFVII Iタンパク質の提供もまた望まれる。改善された組換えFVIIIで血友病患者を処置 する方法の提供も望まれる。更に、処置に必要なFVIIIタンパク質の量を減少し た、置換治療により血友病患者を処置する方法の提供も望まれる。 発明の要約 本発明は、凝血促進活性FVIIIタンパク質をコードする新規精製および単離核 酸配列を提供する。一つの態様において、本発明の核酸配列は、A1−ドメイン 、特にアミノ酸残基309のフェニルアラニンが変異した既知のヒトFVIII配列 に対 応するアミノ酸配列をコードする。好ましい態様において、Phe309は欠失してい るか、他のアミノ酸残基、好ましくはセリンに置換されている。得られるFVIII タンパク質は野生型FVIIIで典型的に得られるより高いレベルで分泌され、凝血 促進活性を保持する。 他の態様において、本発明の核酸配列はAPC開裂部位が変異した既知のヒト FVIII配列に対応するアミノ酸配列をコードする。好ましい態様において、アミ ノ酸残基336および562は好ましくはそれぞれアルギニンからイソロイシン に、およびアルギニンからリジンに変異する。得られるFVIIIタンパク質はAP C耐性であり、従って便宜上、本明細書では一般に“APC耐性FVIII”と呼ぶ 。 更に別の態様において、本発明の核酸は、B−ドメインが欠失し、フォン ウ ィルブラント結合部位が欠失し、トロンビン開裂部位が変異し、アミノ酸配列ス ペーサーがA2−およびA3−ドメインの間に挿入された、既知のヒトFVIIIに 対応するアミノ酸配列をコードする。好ましい態様において、トロンビン開裂部 位Arg740が、好ましくはアラニンでの置換により変異している。他の好ましい態 様において、アミノ酸配列スペーサーがB−ドメインのアミノ部分、好ましくは B−ドメインのアミノ部分の54残基である。更に別の好ましい態様において、 一つまたは両方のAPC開裂部位が、下記のように変異している。トロンビンで の活性化により、このタンパク質はA2−ドメインが軽鎖と共有結合しているヘ テロダイマーであることが驚くべきことに発見された(図1B参照)。このヘテロ ダイマー配置は野生型ヘテロトリマー配置よりも安定であり、精製野生型FVIII と比較して約5倍増加した特異的活性を有する。従って、好ましい態様において 、本発明のFVIIIは一本鎖ポリペプチドとして分泌され、トロンビンによる活性 化により不活性化耐性FVIIIヘテロダイマーとなる。便宜上、この本発明の新規F VIIIを本明細書で一般に“不活性化耐性FVIII”と呼ぶ。 更なる態様において、本発明の不活性化耐性FVIIIは、フォン ウィルブラン ト因子(vWF)と結合するように誘導し得る。抗軽鎖抗体であるESH8存在下で 、vWF結合部位を欠失する本発明の不活性化耐性FVIIIは、vWFに増加した 結合親和性を有することが判明した。vWFへの結合を誘発するこのような抗体 または他の架橋剤は、本発明の不活性化耐性FVIIIを更に安定化するのに使用し 得る。 更なる態様において、本発明の核酸配列は、残基309のフェニルアラニンで の変異を有するAPC耐性FVIIIアミノ酸配列をコードする。好ましくは、Phe30 9は欠失しているか、他のアミノ酸、例えばセリンで置換されている。本発明の 核酸配列は、Phe309で変異を有する不活性化耐性FVIIIアミノ酸配列もまたコー ドし得る。再び、Phe309は好ましくは欠失しているか、他のアミノ酸、例えばセ リンで置換されている。従って、本発明の核酸配列は不活性化耐性および/また は増加した分泌を示すFVIIIタンパク質をコードする。 当業者は、本発明のタンパク質の不活性化耐性および獲得した増加した比活性 のために、FVIII置換療法中、少ない量のタンパク質を血友病患者に投与し得る ことを認識する。従って、本発明のタンパク質の利用により、患者のタンパク質 の全暴露量は減少し、それにより阻害剤形成の可能性も低下する。本発明の新規 FVIIIはまた遺伝子治療適用にも有用であることは更に認められる。 本発明の更なる目的、利点および特性は、添付の図面を考慮に入れて、以下の 記載および添付の請求の範囲から明らかになる。 図面の簡単な説明 本発明の種々の利点が以下の明細書および追加の請求の範囲を読み、続く図面 を参考にして当業者に明白になる: 図1Aは野生型FVIIIおよびFVドメイン構造の図である; 図1Bは本発明の不活性化耐性FVIIIの図である; 図2は、野生型FVIIIと比較した本発明のA1−変異FVIIIタンパク質の分泌活 性を示す表である; 図3は本発明のAPC耐性FVIIIおよび野生型FVIIIのトロンビン活性化を示す グラフである; 図4Aおよび4Bは本発明のAPC耐性FVIIIの発現およびトロンビン開裂を 示すゲルの写真である; 図5Aおよび5Bは本発明のAPC耐性FVIIIのAPC開裂を示すゲルの写真 である; 図6は精製野生型および本発明のAPC耐性FVIIIを示すゲルの写真である; 図7Aおよび7Bは野生型および本発明のAPC耐性FVIIIのAPC−介在機 能 的不活性化を示すグラフである; 図8は本発明の一本鎖不活性化耐性FVIIIのドメイン構造の図である; 図9は本発明の不活性化耐性ヘテロダイマーFVIIIタンパク質のドメイン構造 の図である; 図10は本発明の不活性化耐性FVIIIの相対的合成および分泌レベルを示すゲ ルの写真である; 図11は本発明の不活性化耐性FVIIIの開裂パターンを示すゲルの写真である ; 図12は野生型FVIIIと比較した本発明の不活性化耐性FVIIIの機能的活性化お よび不活性化を示すグラフである; 図13は野生型FVIIIと比較した免疫親和性精製した本発明の不活性化耐性FVI IIの活性化および減少した不活性化速度を示すグラフである; 図14は本発明の不活性化耐性FVIIIの抗体誘導可能vWF結合を証明するE LISAアッセイの結果を説明するグラフである; 図15はトロンビン活性化に続く本発明の不活性化耐性FVIIIの抗体誘導可能 vWF結合を証明するELISAアッセイの結果を説明するグラフである;そし て 図16は、トロンビン活性化に続く本発明の不活性化耐性FVIIIの抗体誘導可 能vWF結合を証明するELISAアッセイの結果および保持FVIII活性を説明 するグラフである。 好ましい態様の詳細な説明 凝血促進活性FVIIIをコードする新規精製および単離核酸配列を提供する。A 1−ドメイン変異を含む、既知のヒトFVIIIに対応するアミノ酸配列をコードす る核酸配列が提供される。より具体的に、核酸配列は、アミノ酸残基309のフ ェニルアラニンが変異した既知のヒトFVIII配列に対応するアミノ酸配列をコー ドするように提供される。好ましい態様において、Phe309は欠失しているか、他 のアミノ酸残基、好ましくはセリンで置換されている。得られるFVIIIタンパク 質は野生型FVIIIで得られるよりも高いレベルで分泌され、凝血促進活性を保持 する。 変異APC開裂部位を含む既知のヒトFVIII配列に対応するアミノ酸配列をコ ードする核酸配列もまた提供される。好ましい態様において、APC開裂部位Ar g336およびArg562が、好ましくはそれぞれイソロイシンおよびリジンに変異して い る(R336IおよびR562K)。得られるFVIIIタンパク質はAPC耐性である。 核酸配列はまた、B−ドメインが欠失し、フォン ウィルブラント因子結合部 位(即ち、軽鎖のアミノ末端の酸性領域)が欠失し、トロンビン開裂部位が変異し 、アミノ酸配列スペーサーがA2-およびA3−ドメインの間に挿入された、既 知のヒトFVIII配列に対応するアミノ酸配列をコードするように提供される。こ の態様において、更にAPC開裂部位変異、例えば、下記の一つまたは両方のA PC開裂部位変異を含み得る。好ましい態様において、トロンビン開裂部位Arg7 40が、好ましくはアラニン(R740A)またはリジン(R740K)での置換により変異して いる。本アミノ酸配列スペーサーは、トロンビンにより活性化され、A2−ドメ インが軽鎖と共有結合しているヘテロダイマーとなるために十分な長さである。 好ましい態様において、スペーサーは約54残基長である。他の好ましい態様に おいて、残基794がスレオニンまたはロイシンである、野生型FVIII B−ド メインのアミノ部分の54残基、即ち残基741から794残基からなる。一本 鎖ポリペプチド(新規FVIII、本明細書ではIR8とも呼ぶ)はトロンビンでの活 性化により、精製野生型FVIIIと比較して約5倍増加した特異的活性を有するヘ テロダイマー(新規FVIIIa、本明細書ではIR8aとも呼ぶ)となる。 更なる態様において、本発明の不活性化耐性FVIIIは、vWFへの結合を誘発 する抗体または他の架橋剤と組み合わせて使用し得る。例えば、本発明のvWF 結合部位欠失不活性化耐性FVIIIは、C2−ドメイン中のアミノ酸2248から 2285のエピトープを認識する商品として入手可能なマウスモノクローナル抗 体(American Diagnostics,Inc.Greenwich,CT)ESH8の存在により、不活性 化耐性FVIIIがvWFに結合する。実施例4に詳述するように、本発明の不活性 化耐性FVIIIは野生型FVIIIと比較してvWFに対して少なくとも10倍減少した 親和性を有するが、ESH8存在下で、vWFに2倍しか減少していない親和性 を有する。ESH8は、vWFに対するトロンビン開裂FVIII(FVIIIa)の親和性 を増加させることにより野生型FVIIIの阻害剤として機能できるこが最近報告さ れている。SSaenko E.L.et al.,Blood 86,Avstruct No.749(1995)。vWF からのFVIII放出を減少することにより、A2解離および更にタンパク質分解開 裂が、同様にvWFから十分放出され、そのコファクター機能を発揮できる前に FVIIIaを不活性化する。 C2−ドメイン中のアミノ酸2218から2307のエピトープを認識するヒト 阻害剤抗体がまた報告され、それは同様な機構で野生型FVIII活性化を阻害し、 vWF結合の誘導に同様に使用し得る。Shima,M.et al.,Blood,86,Abstruc t No.74881995)およびShima,M.et al.,British J.Hematol.91:714-721(19 95)。 更に別の態様において、本発明の核酸配列は、Phe309に更に付加的変異を有す る、本明細書に記載のAPC耐性FVIIIをコードする。Phe309は好ましくは欠失 しているか、他のアミノ酸、例えばセリンで置換されている。本発明の核酸配列 はまたPhe309に付加的変異も有する、本明細書に記載の不活性化耐性FVIIIもコ ードし得る。またPhe309は好ましくは欠失しているか、他のアミノ酸、例えばセ リンで置換されている。従って、本発明の核酸配列は不活性化耐性および/また は増加した分泌を示すFVIIIタンパク質をコードする。 本発明の増加した特異的活性のために、治療的に有効なFVIII活性レベルを維 持しながら、少ない量のタンパク質を血友病患者に投与し得ることは認識される 。費用削減に加えて、FVIII置換治療において本発明のタンパク質を使用するこ とにより、患者のタンパク質の全暴露量が減少し、それにより阻害剤形成の可能 性を低減する。更に、本発明のタンパク質は遺伝子治療関連処置にも有用である ことも認められる。 ヒトFVIIIのDNA配列は、発現法のように、既知である(例えば、Toole et a l.,Nature 312:312-317(1984);Wood et al.,Nature 312:330-337,Vehar et a l.,Nature 312:337-342,米国特許第4,757,006、WO87/04187 、WO88/08035およびWO88/03558参照)。本発明のFVIIIタン パク質をコードする新規精製および単離核酸配列、即ち、実質的にヒトFVIIIと 同様のまたは当分野で既知のおよび本明細書に記載のように修飾したその変異体 ポリペプチド配列をコードする核酸配列は、既知の方法で製造し得る。例えば、 Phe309およびAPCならびにトロンビン開裂部位での変異は、従って、cDNA の部位特異的変異誘発により作り得る。当業者は、“変異”が置換、挿入および 欠失を含むがこれらに限定されない変化を意味することを認識する。FVIII核酸 配列の残りは、米国特許第5,004,803、WO86/06101およびW O87/0 7144に記載のような、付加的修飾を包含することにより野生型FVIIIから変 え得ることも更に認識される。FVIIIアナログがFVIII活性化可能性、不活性化可 能性およびインビボ効果の特異的構造必須のよりよい理解のために開発され、ま た本発明の範囲内であることも理解される。最適化される性質は、とりわけ、単 純な製造、容易な投与、安定性、改善されたクリアランス/分散特性、減少した 免疫原性および延長した半減期である。更に、本発明に従った変異FVIII核酸配 列もまた対立変異、即ち、個体と個体の性質変化による配列の変化、またはFVII I−タイプ凝血促進活性をまだ保持している他のコドン置換または欠失を含む。 ゲノムDNA、cDNAおよびヌクレオチドから部分的または全化学構合成に より製造したDNAならびに変異を有するDNAのような別の核酸形もまた本発 明の考慮の範囲内である。 本発明により提供される核酸配列と、プロモーター、オペレーター、レギュレ ーターなどの同種または異種発現コントロール配列との結合は、インビボおよび インビトロ転写を可能にして、mRNAを形成し、続いて新規FVIIIタンパク質 および関連ポリおよびオリゴペプチドを大量に提供するために翻訳に付される。 本発明は、従って、本発明の核酸配列の発現生産物ならびにこれらの発現生産物 の活性化形を含む。現在好ましい本発明の発現システムにおいて、FVIIIコード 配列は、哺乳類細胞内の転写および翻訳を可能にする調節プロモーター配列と操 作可能に結合しており、例えば、凝血活性を有するFVIIIを提供する。 本明細書での使用において、“凝血促進活性”および“活性”FVIIIは、置き 換え可能に使用され、凝血アッセイで凝血促進活性を明らかにされた1個または それ以上のポリペプチドまたはタンパク質を意味する。FVIIIなる用語は、本明 細書でFVIIIaを含むように使用し得、当業者はこの用語がどちらの意味(前トロ ンビン活性化FVIIIまたはトロンビン活性化FVIII(FVIIIa))を意図して使用され ているか認識する。本明細書での使用において、“ポリペプチド”なる用語は完 全な長さのタンパク質分子だけでなく、それ自体または他のフラグメントと共に 凝血アッセイでFVIII凝結促進活性を産生するフラグメントも含む。本発明の新 規タンパク質生産物の合成ポリペプチドもまた本発明の範囲内であり、標準合成 法に従って製造できることも認識される。本明細書で使用のアミノ酸番号付けシ ステムにおいて、 アミノ酸残基1は天然、成熟FVIIIタンパク質の最初の残基であることもまた認 識される。“ドメイン”なる用語は、当業者に既知のFVIIIの近い領域を意味す ることも更に認識される。 本明細書での使用において、“配列に実質的に対応する配列”なる句は、スト リンジェントな条件下である配列とハイブリダイズする配列およびハイブリダイ ズするが、過剰な遺伝子コードであり、特異的活性の発現生産物をもたらす配列 を含む。ストリンジェントな条件は一般に65℃で、0.2×SSCである。 “実質的に二本鎖の”なる句は、ある配列と同一でなくてよいが、まだ標準凝 血アッセイでFVIII活性を有する発現生産物、タンパク質および/または合成ポ リペプチドをもたらす配列を含むことを意味する。 恐らく適当なウイルスおよび環状DNAプラスミドベクターが関与した標準形 質転換、トランスフェクション法による本発明の配列の原核および真核宿主細胞 への取り込みは、また本発明の考えの範囲内である。本発明の核酸配列を含み、 発現できる真核および原核細胞発現ベクターは、当業者に既知の方法で合成し得 る。細菌レプリコン、選択遺伝子、エンハンサー、プロモーターなどのようなベ クターの成分は天然源から得られ得、または既知の方法で合成し得る(例えば、K aufman et al.,J.Mol.Biol.159:601-621(1982)およびKaufman,PNAS 82:689 -693(1995)参照)。本発明のタンパク質を製造するのに有用な発現ベクターはま た当分野で既知のように誘導可能プロモーターを含むか、または誘導可能発現シ ステムを含み得る。 形質転換細胞系を含む樹立細胞系は宿主として適当である。正常2倍体細胞、 一次組織のインビトロ培養由来の細胞株、および一次外植片(造血系細胞のよう な相対的に未分化細胞を含む)もまた適している。候補細胞は選択遺伝子が優勢 に作用する限り、選択遺伝子が遺伝子型欠失している必要はない。 哺乳類宿主細胞の使用は、本発明の発現生産物に最適生物学的活性を付与する ためになし得る、翻訳後修飾、例えば、タンパク質分解処理、糖付加、チロシン 、セリンまたはスレオニンリン酸化を備える。樹立哺乳類細胞系、例えばCHO (チャイニーズハムスター卵巣)細胞が従って好ましい。あるいは、ベクターがウ シ乳頭腫ウイルスゲノムの全てまたは一部を含み(Lusky et al.,Cell 36:391-4 01(1984))、C127マウス細胞のような細胞系中に安定なエピソーム成分とし て包含され得る。他の有用な哺乳類細胞系はHeLa、COS−1サル細胞、ボ ーズ細胞のようなメラノーマ細胞、マウスL-929細胞、Swiss、Balb-cまたはNI Hマウス由来の3T3系、BHKまたはHaKハムスター細胞系などを含む。 どのタイプの発現ベクターを使用しても、本発明のFVIII核酸とフォン ウィ ルブラント因子(vWF)または例えば、WO87/06101、WO88/08 035および米国特許第5,250,421に記載のようなそのアナログを共発 現するのに好適であり得る。アプロチニン、例えば約0.01から約5%、好ま しくは約0.5から約1.0%(vol/vol)(Aprot.、15−3トリプシン阻害単位(T IU)/ml,Sigma)または他のプロテアーゼ阻害剤の対応する量の活性単位のような プロテアーゼ阻害剤を含む培地中でタンパク質を発現させることもまた好適であ り得る。 安定な形質転換体は、標準免疫学的または活性アッセイにより凝血促進生産物 の発現に関してスクリーニングする。凝血促進タンパク質をコードするDNAの 存在は、サザンブロットのような標準法で検出し得る。COS−1サル細胞のよ うな適当な宿主細胞への発現ベクターの挿入後数日の凝血促進遺伝子の一過性発 現を培養培地中のタンパク質の活性または免疫学的アッセイによる選択なしで測 定する。慣用法によるDNAの発現後、このように生産されたタンパク質の、全 ての既知の方法による回収、精製および/または物理学的、生化学的および/ま たは臨床的パラメーターに関する特徴付けをし得る。 更なる態様において、本発明の核酸配列は、例えば、FVIIIの欠失による血友 病の処置のために、遺伝子治療適用に使用し得る。本発明のFVIIIタンパク質の 特異的活性の増加のために、治療に有効なFVIII活性は、野生型FVIIIを含むFVII Iの他の形と比較して、低タンパク質発現レベルで達成し得る。本発明の方法は 、従って、本発明のヌクレオチド配列を標的細胞に挿入する段階を含む。移入を 実施するために、移入するヌクレオチド配列を標的細胞を形質導入できる媒体と 結合させ得る。当業者は、このような媒体が、アデノウイルス、レトロウイルス およびアデノ随伴ウイルスベクター、ならびにリポソームおよびDNA−タンパ ク質複合体を含むが、これらに限定されない、遺伝子治療送達システムを含むこ とを認識す る。 本発明は更に以下の説明的実施例および方法を参考にして理解されよう。これ らは純粋に説明のためにであり、本発明の真の範囲を限定するものではない。実 施例1は本発明のA1−ドメイン変異FVIIIの製造および分析を記載する。実施 例2は本発明のAPC耐性FVIIIの製造および分析を記載する。実施例3は本発 明の不活性化耐性FVIIIの製造および分析を記載する。実施例4は、本発明の不 活性化耐性FVIIIの誘導可能vWF−結合を記載する。実施例5は本発明のFVIII タンパク質およびヌクレオチド配列を使用した医薬組成物および方法を記載する 。 実施例1 A1−ドメイン変異第VIII因子の製造および分析 FVIIIの226−336領域(残基1は天然、成熟FVIIIタンパク質の最初のア ミノ酸残基)への7量体ペプチドのBiP結合能を予測するために、統計学的ア ルゴリズム(Blond-Elguindi,S.et al.,Cell 75:717-72881993))を適用した。 残基Leu303からPhe309は+14のBiP結合スコアを有することが(+10を超 えるスコアはBiP結合の非常に高い可能性を有する)判明した。Fay,P.J.et al.,J.Biol.Chem.266:8957-8962(1991)。この領域は11アミノ酸中7個が LeuまたはPheである、疎水性集団を含む。 最初に可能性のあるBiP結合ポケット中の全ての7個のLeuおよびPhe残基を Alaに変異した。オリゴヌクレオチド重複伸長ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)変 異誘発による部位特異的変異を使用した。FVIIIの残基226−336がFV由 来の同種残基(残基198−313)で置きかえられたFVIII/FVキメラを製造 した。Marquette,K.A.et al.,J.Biol.Chem.270:10297-10303(1995)。変 異を含む部分的に相補的なプライマーを、FVIII/FVキメラcDNAの226 および336のMIul部位を指向する二つのプライマーと共に使用し、指示した変 異を含む二つの重複生産物を増幅した。これらの二つのフラグメントを単離し、 二つのMIul部位含有プライマーを使用したPCRにより互いに融合させた。得ら れるMIulフラグメントを、次いで、発現ベクターpMT2中のMIul消化FVIII/ FV226−336キメラ中にサブクローン化した。全ての変異体はPCR増幅 領域のDNA配列決定により確認した。これらの変異をコードする発現ベクター をCOS− 1細胞にトランスフェクトし、条件培地をコーテスト活性アッセイによるFVIII 活性の分析に60時間目に取った。可能性のあるBiP結合ポケット中の全7つ のLeuおよびPhe残基に変異したとき、分子は分泌されなかった。続いて、Phe 残基を個々にFVの対応するアミノ酸に変異させた。F309S変異(単独また は他の変異との組み合わせで)の分泌はいつくかのトランスフェクション実験で 再現可能に2倍増加した。図2に示すように、他の隣接残基(F293S、F3 06W)での変異は分泌を改善しなかった。F309S変異の増加した分泌はFVI II抗原の2倍の増加と相関し、野生型FVIIIと同様の特異的活性を示す。20分 の[35S]−メチオニンでの代謝標識で過剰な非標識メチオニンを含む培地での4 時間の追跡は、野生型FVIIIと比較したF309の分泌および増加した分泌と相 関したQ,F306/309K,S変異体の増加を示す。 安定トランスフェクトCHO細胞を、F309S変異体を発現するように操作した 。ジヒドロ葉酸レダクターゼ発現で選択した35個の本来のトランスフェクトC HO細胞の中で、かなりの量のFVIII(約1U/ml/106細胞/日)のレベルを発 現する5個のクローンが得られた。これらのクローンのうち二つは、1000個 の本来のトランスフェクト細胞クローンのスクリーニングで得られた本来の10 A1細胞系と同レベルのFVIIIを発現した。Kaufman,R.J.et al.,J.Biool. Chem.263:6352-6362(1988)。従って、低濃度のメトトレキサート中で、変異体 は、より容易に得られる高レベルのFVIII発現を可能にする。 メトトレキサート中での更なる選択を、FVIII/細胞の最大生産性が改善させ るか否かを測定するために行う。実験は、安定にトランスフェクトされたCHO 細胞中でF309W/S機能的FVIII変異体の分泌に関するBiP相互作用およ びATP依存性を測定することにより行う。 実施例2 APC耐性第VIII因子の製造および分析 実験方法 材料。FVIII欠失血漿および正常貯蔵ヒト血清をGeorge King Biomedical,Inc .,(Ocerland Park,KS)から得た。CL4B-セファロースに結合するFVIII(F8)の 重鎖に対するモノクローナル抗体を使用し、既知の方法で製造した。活性化部分 的ト ロンボプラスチン(Automated APTT試薬)をGenerl 1Diagnostics Organon Teknik a Corporation(Durham,NC)から購入した。大豆トリプシン阻害剤であるフェニ ルメチルスルホニルフロリド(PMSF)およびアプロチニンをBoehringer,Mann heim GmbH(Mannheim,Germany)から購入した。ヒトα−トロンビンをSigma Chem ical Co.(St.Louis,MO)から得た。ヒトAPCをEnzyme Research Laboratori es,Inc.,(South Bend,IN)から購入した。ダルベッコ修飾イーグル培地(DM EM)、イーグル培地のα−修飾(α−MEM)および無メチオニンDMEMをGib co BRL(Gaithersburg,MD)から得た。ウシ胎児血清をPAA Laboratories Inc.,( Newport Beach,CA)から得た。 プラスミド構築。部位特異的オリゴヌクレオチド介在変異誘発を、ギャップ− ヘテロ二本鎖法により行い、先に記載のように発現ベクターpED6にクローン 化したFVIII cDNA中にArg336Ile(R336I)および/またはArg562Lys(R562)変 異を挿入した。Pittman,D.D.et al.,Method in Enzymology Vol.222(San D iego,CA;Academic Press,Inc),p.236(1993)およびToole,J.J.et al.,PNA S(USA)83:5939(1986)。変異を広範囲制限エンドヌクレアーゼ消化およびDN A配列分析により確認した。得られる分子をR336IまたはR562Kおよび、本明細書 でAPC耐性FVIIIと呼ぶ二重変異体をR336I/R562Kと命名した。加えて、R336I/ K338I二重変異体もまた構築した。 合成および分泌の分析。プラスミドDNAをCOS−1細胞に、ジエチルアミ ノエチル(DAEA)−デキストラン法で、記載のようにトランスフェクトした。 Pittman,d.D.et al.,Method in Enzymology Vol.222(San Diego,CA;Acad emic Press,Inc.)p.236(1993)。条件培地を、FVIIIアッセイのために、10 %熱不活性化ウシ胎児血清(FBS)存在下でトランスフェクションした後60時 間に回収した。続いて、細胞を前記のように[35S]−メチオニンで代謝的に標識 した。Pittman,D.D.et al.,Method in Enzymology Vol.222(San Diego,CA; Academic Press,Inc.)p.236(1993)。標識条件培地を回収し、CL−4Bセフ ァロースと結合するF8抗体で免疫沈降した。条件培地由来の免疫沈降タンパク 質をトリトンX−100含有PBSで洗浄し、50mM トリス−HCl、pH 7.5、150mM NaCl、2.5mM CaCl2および5%グリセロー ル(緩衝液A)で洗浄し、トロンビン8.5U/mlありまたはなしで37℃、1時 間処理した。サンプルをドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳 動(SDS−PAGE)で還元条件下分析し、En3hance(Dupont;Boston,MA)で処 置することにより、蛍光間接撮影法後にオートラジオグラフィーにより可視化し た。 FVIIIのAPC開裂の分析。放射標識および免疫沈降FVIIIを緩衝液Aに再懸濁 し、ウシAPC 30μg/mlでイノシチン 100μg/mlおよび10mM CaCl2存在下で37℃で1.5時間処理した。得られるポリペプチドをSDS −PAGEで分析し、上記のようにオートラジオグラフィーで可視化した。 CHO細胞系の製造およびFVIIIの精製。大量のFVIIIを得るために、安定にト ランスフェクトしたCHO細胞系を野生型およびAPC耐性FVIIIをコードする DNAを含むように操作した。発現プラスミドをClalで消化し、CHO細胞にリ ポフェクション法を使用してトランスフェクトした。Pittman,D.D.et al.,M ethod in Enzymology Vol.222(San Diego,CA;Academic Press,Inc.),p.236( 1993)。条件培地をCL−4Bセファロースに結合したF8抗体のカラムに適用 した。結合FVIIIが60%エチレングリコール含有緩衝液で溶出し、10%ポリ エチレングリコール(MW 15K−20K)含有緩衝液に対して透析することに より濃縮した。Fay,P.J.et al.,J.Biol.Chem.(投稿中)(1996)。濃縮サ ンプルを5mM CaCl2含有修飾緩衝液A(緩衝液B)に対して透析した。精製 製剤のFVIII凝血活性は約20U/mlであった。精製タンパク質の構造をSDS −PAGEおよび銀染色により行った(Bio-Rad Laboratories;Hercules,CA)。 FVIIIアッセイ。FVIII活性を、基質としてFVIII欠失血漿を使用して一段階凝 血アッセイで測定した。FVIII活性の一単位は、正常ヒト貯蔵血清1ml中の量で ある。トロンビン活性化に関して、条件培地を緩衝液Aで希釈し、室温で1U/ mlのトロンビンとインキュベートした。長い時間のインキュベーションの後、ア リコートを希釈し、FVIII活性をアッセイした。 FVIIIのAPC活性化。緩衝液Bで3U/mlに希釈した精製FVIIIサンプルを1 00μg/mlイノシチンおよびヒトAPC 100ng/mlと混合するか、コント ロールとして緩衝液単独であった。37℃で長時間の後、アリコートを希釈し、 残っ たFVIIIを測定した。 ACP耐性アッセイにおけるAPC耐性FVIIIの効果。精製FVIII 20U/ml をFVIII欠失血漿で1U/mlに希釈した。これらのサンプルを説明書に従って商 品APCアッセイキット(Coatest APC Resistance;Chromogenix,Molndal,Swed en)で試験した。 結果 R336I、R562KおよびR336I/R562K変異FVIII分子は野生型FVIIIと同様にFVIII 活性を有して効率的に分泌される。FVIIIの活性および分泌を、COS−1サル 細胞の一過性DNAトランスフェクションにより測定した。条件培地中のFVIII 凝血活性は、全変異体が野生型FVIIIと同様の、約300mU/mlのFVIIIを有する ことを証明する(表1参照)。条件培地サンプルのトロンビン活性化は、トロンビ ン活性化と凝血促進活性衰退の速度に差異のないことを示した。図3に示される ように、サンプルはトロンビン添加10秒後にすぐに活性化(3−5倍)され、す ぐに不活性化された。図3において、記号は野生型FVIII(×)、R3361I(●)、R56 2K(◇)およびR3361/R562K(▲)を示す。FVIII分泌を測定するために、トランスフ ェクション細胞を[35S]−メチオニンで2時間標識し、次いで4時間、過剰な非 標識メチオニン含有培地で追跡した。分泌タンパク質を標識条件培地の免疫沈降 により分析した。図4Aに示すように、野生型FVIIIおよび全変異体は300kDa 一本鎖および200kDa重鎖および80kDa軽鎖として同様のレベルを分泌した。 図4Bに示すように、全分子のトロンビン開裂は、予期した通り、73kDaで移 動する軽鎖および50kDa A1−ドメインおよび43kDa A2−ドメインに対 応する重鎖由来フラグメントを発生させた(図4B)。加えて、野生型FVIIIおよ びR562Kに関して(図4B、レーン7および9)、残基336で開裂があり、45 kDa種を発生する。比較して、R336IおよびR336I/R562K(図4B、レーン8および 10)変異体は45kDa種を発生させず、残基336でのイソロイシン変異が発現 トロンビンによる開裂に抵抗性であることを示す。図4Aおよび4Bで、分子サ イズマーカーを左に示し、“Mock”はDNAを受けていない細胞を示し、sc、 hcおよび1cはそれぞれ一本鎖、重鎖および軽鎖を示す。 表1 トランスフェクトCOS−1培地由来の条件培地におけるFVIII凝血活性 データは平均±SDで示す。 変異部位でのAPC開裂に対して、R562Kは完全に耐性であり、R336 Iはほとんど耐性である。FVIIIaのAPC開裂は、[35S]−メチオニン標識免疫 沈降物FVIIIをAPCで処理することにより評価した。5−15%勾配ゲルのS DS−PAGEで分析した野生型FVIIIのAPC開裂生産物は、A1−ドメイン を示す50kDaおよび45kDaおよびA2−ドメインを示す43kDaの重鎖フラグ メントを検出し、これはDNAを受けていない細胞の条件培地では示されなかっ た。図5A、レーン2に示されるように、25kDaの低分子量生産物が検出され 、A2−ドメインのカルボキシ末端を示した。図5A、レーン3に示されるよう に、野生型と比較して50kDaの増加および45kDa開裂生産物の減少により示さ れるように、R336I FVIIIは残基336で開裂に部分的に耐性であった。R336I は25kDa種の量の変化をせず、残基562での有効な開裂を示す。図5A、レ ーン4に示されるように、野生型と比較して43kDaフラグメントの増加および 25kDaフラグメントの消失により示されるように、R562K変異FVIIIは残基56 2で開裂に耐性であった。しかしながら、R562K変異は、強い45kDaフラグメン トにより示されるように、336で有効に開裂された。R336I/R562K二重変異体 のAPC処理は、野生型FVIIIと比較して、50kDaおよび43kDa種を増加させ 、45kDaを減少させ、25kDaを欠失させる(図5A)レーン5参照、R336I変異 体のAPC開裂由来の45kDaフラグメントの移動は、8%ポリアクリルアミド ゲルのSDS−PAGEにより分析して、わずかに減少した(図5B参照、レー ン7と8の比較)。この変異体が残基338の隣接リジンで開裂され得るかを決 定するために、R336IおよびK338I二重変体を部位特異的変異誘発により製造した 。R336I/K338I変異体は45kDaフラグメントをΛPC消化で製造しなかった(図 5B、レーン9参 照)。図5Aおよび5Bにおいて、分子サイズマーカーを左に示し、“Mock”は DNAを受けていない細胞を示す。 FVIIIのArg336およびArg562両方での変異誘発はAPC不活性化に対する耐性 に必要である。フォン ウィルブラント因子(vWF)はFVIIIのAPC不活性化 を阻害する。Koedam,J.A.et al.,J.Clin.Invest.82:1236(1988)およびFa y,P.J.et al.,J.Biol.Chem.266:2172(1991)。従って、APC不活性化を 試験するために、野生型およびAPC開裂部位変異FVIII分子を発現する安定に トランスフェクトされたCHO細胞を操作した。条件培地をFVIII精製のために 回収した。図6に示されるように、還元条件下でのSDS−PAGEおよび銀染 色による精製タンパク質の分析は、全ての分子が最小変性の重鎖(hc)および軽 鎖(lc)の同様のポリペプチドおよびvWF欠失を有することを証明した。これ らの精製タンパク質は、次いで、APCによる機能的不活性化を分析する。図7 Aに示されるように、全サンプルの活性は、R336I/R562K(▲)二重変異体以外、 APC非存在下で、37℃で10分のインキュベーション後に80%減少し、そ の後60分安定であった。APC存在下で、野生型FVIII(×)は38%の残存活 性を10分で、8%を60分で有した。APC存在下で、R336I(●)およびR562K (◇)他2つ変異体の不活性化は同じであり、両方とも野生型FVIIより遅かった。R 336IおよびR562K変異体は、それぞれ、60分後に最初の活性の41%および3 0%を残存していた。比較して、R336I/R562K(▲)二重変異体は不活性化に耐性 であり、60分後、76%の活性を保持していた。結果は、従って、R336I/562K 二重変異体が最も耐性であり、両方の単一変異体はAPC不活性化に部分的にの み耐性であることを証明した。 APC性FVIIIを検出するためのAPC耐性アッセイキットの能力。現在、商 品として入手可能なAPC耐性アッセイキット(Coatest APC Resintance;Chromo genix,Molndal,Sweden)を、FV R506Q変異に関連する血栓症疾病の患者の血清 をスクリーンするのに使用した。このキットがAPC耐性FVIIIを検出する能力 を、精製野生型または精製変異FVIIIのいずれかでFVIII欠失血漿を再構築するこ とにより試験した。APC耐性比を、APC非存在下での凝固時間で割ったAP Cの存在下での凝血時間の測定により計算した(表2)。R336I/R562K二重変異体 のみが2 より低いAPC耐性比を示し、この価はAPC耐性表現型を示す。Svensson,P .J.et al.,N.Engl.J.Med.336:517(1994)。 表2 商品として入手可能なアッセイキットにおける野生型FVIII および変異体のAPC−耐性比 データは平均±SDで示す。 考察 全ての変異体は野生型FVIIIと同じFVIII活性で、効率的にCOS−1から分泌 された。APC開裂の分析は、タンパク質の[35S]−メチオニン標識および免疫 沈降に続く条件培地中のFVIIIの分析で行った。R336I変異体は残基336で、開 裂に部分的に耐性であったが、Arg562での開裂には感受性であった。一方、R562 K変異体は残基562での開裂には完全に耐性であったが、Arg336での開裂には 感受性であった。これらの結果は、Arg336およびArg562の単一変異は変異部位で の開裂に影響し、FVIIIのこれら二つの部位におけるAPC開裂に必要な命令で はないことを示す。二重変異体R336I/R562Kは残基336での開裂に部分的に耐 性であり、残基562で完全に耐性であった。R336Iの開裂は、二重変異体R336I /K338Iがこの部位での開裂に完全に耐性であるため、隣接残基であるLys338で同 様に起こる。これらの結果は、FVIIIのAPC開裂を不完全にできる、即ち、開 裂に厳格な間隔要求がないことを示す。 FVIIIのAPC開裂の動態分析は、Arg562がArg336よりも優先的に開裂され、 この最初の開裂がコファクター活性の損失と密接に関連していることを示した。 Fay,P.J.et al.,J.Biol.Chem.266:20139(1991)。残基562での開裂耐性の 結果としてのR562K単一変異体の遅い不活性化は、仮説と矛盾せず、得られる不 活性化はArg336の開裂によるものであった。しかしながら、R336I単一変異体は 、Arg562での開裂により部分的に不活性化されただけであった。両方の単一開裂 部 位変異体が本明細書に記載の条件下で同様の程度で不活性化されることから示さ れる。Arg336およびArg562の開裂が同時に起こることを仮定して、FVIIIの不活 性化におけるArg336またはArg562のいずれかでの開裂の効果は同様であるように 見える。野生型FVIIIの急速不活性化は、FVIIIの不活性化のためのArg336とArg5 62の開裂の相乗効果によるものであり得る。 現在、FVIIIのAPC開裂部位の変異を有する患者に関する報告はない。これ らの変異がAPC耐性表現型を有するか否かを評価するために、APC耐性FVII I分子を商品として入手可能なAPC耐性アッセイキット(Coatest APC Resistan ce;Chromogenix,Molndal,Sweden)で試験した。R336I/R562K二重変異体のみが 低いAPC−耐性率を示した。このアッセイキットは、従って、FVIIIの単−A PC開裂部位変異体のいずれも検出できない。FVIIIとは対照的に、FV AP C開裂部位変異体の両方、即ちArg360GlnおよびArg560Glnがこの圧制で減少した APC−耐性比率を示した。この結果は、従って、商品として入手可能なAPC 耐性キットが、両方のAPC開裂が阻害されていない限りFVIII APC耐性変 異体を検出できないことを示す。 実施例3 不活性化耐性第VIII因子の製造および分析 実験法 材料。抗重鎖第VIII因子モノクローナル抗体(F-8)、CL-4Bセファロースに結合 したF-8および精製組換え第VIII因子タンパク質をGenetics Institute Inc.(Ca mbridge,MA)から得た。抗ヒトvWFホースラディッシュペルオキシダーゼ(H RP)−結合ウサギ抗体をDako Corp.(Carpinteria)から得た。抗軽鎖第VIII因 子モノクローナル抗体、ESH-4およびESH-8をAmerican Diagnositca,Inc.(Gree nwich,CT)から得た。第VIII因子欠失および正常貯蔵ヒト血清をGeorge King Bi omedical,Inc(Overland Park,KA)から得た。活性化部分トロンボプラスチン(A utomated APTT試薬)およびCaCl2をGeneral Diagnostics Organon Teknika C orporation(Durham,NC)から得た。ヒトトロンビン、大豆トリプシン阻害剤、フ ェニルメチルスルホニルフロリドおよびアプロチニンはBoerhinger,Mannheim G mbH(Mannheim,Germany)から得た。O−フェニレンジアミンジヒドロクロライド (OP D)はSigma Chemical Co.(St.Louis,MO)から得た。[35S]−メチオニン(>1 000Ci/mol)をAmersham Corp.(Arlington Heights,IL)から得た。En3Han ceをDupont(Boston,MA)から得た。ウシ胎児血清をPAA Laboratories Inc.(New port Beach,CA)から得た。ダルベッコ修飾イーグル培地(DMEM)、無メチオニン DMEM、OptiMEM、ビオチンN−ヒドロキシサクシンイミドエステルおよびス トレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼ結合体をGibco BRL(Ga ithersburg,MD)から得た。 プラスミド変異誘発。変異誘発を、FVIII cDNAを含む哺乳類発現ベクタ ーpMT2(37)(pMT2VIII)で行った。変異プラスミドをポリメラーゼ連鎖反応(PC R)を使用したオリゴヌクレオチド部位特異的変異誘発を介して製造した。オリ ゴヌクレオチド特異的変異誘発の詳細に関しては、Smith,M.,Annu.Rev.Gene t.19:423(1985)参照。 構築物1−90/73 R740K。ベクターpMT290/73をDNA鋳型として使用した。9 0/73構築物はNesheim,M.et al.,J.Biol.Chem.266:17815-17820(1991)およ びPittmanm,D.et al.,Blood 70,Abstruct No.392(1987)に記載されている 。一般に、90/73構築物は、B−ドメインおよびvWF結合部位(軽鎖の酸性部位 )が欠失した(del 741-1689)野生型FVIII cDNA配列である。オリゴヌクレ オチド−特異的変異誘発を使用して、PCRフラグメント、KpnI/R740K/Apalを 製造し、KpnI/Apal消化pMT290/73にライゲートした。 構築物2−70/b/73 R740K。ベクターpMT2VIIIをDNA鋳型として使用した。 オリゴヌクレオチド特異的変異誘発を使用して、PCRフラグメントKpnI/b/168 9 MIul(bは、残基794および795/1698のMIul部位予測アミノ酸スレオニンお よびアルギニンに続く野生型配列のアミノ酸残基741から793をコードする DNA配列を意味する)を製造し、それをKpnI/Apal消化pMT2VIII/1689/MIulにラ イゲートした。続くアミノ酸配列(およびそれをコードするヌクレオチド配列)が 、残基794がスレオニンまたはロイシンであり得、好ましくはスレオニンであ る好ましいアミノ酸スペーサーである。 構築物3−90/b/73 R740A。ベクター90/b/73をDNA鋳型として使用した( bは上記の意味および残基794のスレオニンをコードする)。オリゴヌクレオ チド特異的変異誘発を使用し、PCRフラグメントKpnl/R740A/b/Apalを製造し 、それをKpnI/Apal消化pMT290/73にライゲートした。 構築物4−90/b/73 R740A/R1689A(DM1)。ベクター90/b/73をDNA鋳型とし て使用した(bは上記の意味および残基794のロイシンをコードする)。オリゴ ヌクレオチド特異的変異誘発を使用し、PCRフラグメントKpnl/R740A/b/R1689 A/Apalを製造し、それをKpnI/Apal消化pMT290/73にライゲートした。 構築物5−90/b/73 R336I/R740A。ベクターPMT2VIII/R336IをSpeIおよびKpnI で消化した。フラグメントをSpeI/KpnI消化90/b/74R740A(bは上記の意味および 残基794のスレオニンをコードする)にライゲートした。 構築物6−90/b/73 R336I/R562K/R740A(IR8)。ベクターPMT2VIII/R562Kを BgIIIおよびKpnIで消化した。BgIII/R562L/KpnIフラグメントをBgIII/KpnI消化9 0/b/74R336I/R740A(bは上記の意味および残基794のスレオニンをコードする )にライゲートした。 野生型FVIII cDNA配列を含むプラスミドをFVIII WTで消化した。全て のプラスミドを塩化セシウムを通して遠心し、制限エンドヌクレアーゼ消化およ びDNA配列分析により特徴付けした。 DNAトランスフェクションおよび分析。プラスミドDNAをCOS−1細胞 にDEAE−デキストラン法でトランスフェクトした。条件培地を64時間後ト ランスフェクションで、10%ウシ胎児血清の存在下で回収した。FVIII活性を 、MLA Electra750の一段階APTT凝血アッセイで測定した。タンパク質合 成および分析を、[35S]−メチオニン(無メチオニン培地中に300mCi/ml)で 30分トランスフェクションした後、64時間目に細胞を代謝的に標識し、続い て100倍過剰の非標識メチオニンおよび0.02%アプロチニンを含む培地で 4時間追跡して、分析した。WTおよび変異FVIIIタンパク質を等量の比率の細 胞抽出物および条件培地から、CL−4Bセファロースに結合したF−8で免疫 沈降させた。免疫沈降物を洗浄し、Laemmliサンプル緩衝液に再懸濁させた。サ ンプルを還元SDS−低ビス−8%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動すること により分析した。ゲルをEn3Hanceで処理し、タンパク質をオートラジオグラフィ ーで可視化した。 タンパク質精製。部分的に精製したIR8タンパク質を、一過性にトランスフ ェクトしたCOS−1細胞由来の200mlの条件培地から、免疫親和性クロマト グラフィーにより得た。部分的に精製したFVIII WTタンパク質を、安定にト ランスフェクトしたCHO細胞由来の200mlの条件培地から、免疫親和性クロ マトグラフィーにより得た。エチレングリコール含有緩衝液に溶出するタンパク 質を、ポリエチレングリコール(MW〜15−20,000)含有緩衝液に対して 透析および濃縮し、−70℃で貯蔵した。 FVIII活性アッセイ。FVIII活性を一段階APTT凝血アッセイで、ヒトFVIII −欠失血漿の再構築により測定した。トロンビン活性化に関しては、タンパク質 サンプルを50mM トリス−HCl、pH7.5、150mM NaCl、2.5 mM CaCl2および5%グリセロールに希釈し、室温で1U/mlトロンビン と共にインキュベートした。長期間のインキュベーションの後、アリコートを希 釈し、FVIII活性に関してアッセイした。FVIII活性の一単位は正常非と貯蔵血清 の1mlで測定される量である。 FVIII抗原測定。FVIII抗原を、抗軽鎖抗体ESH-4およびESH-8を使用してサンド イッチELISA法で定量した。精製組換えFVIIIタンパク質を標準として使用 した。 結果 FVIII不活性化耐性の発生。上記の構築物は全て、B−ドメイン(残基795か ら1647)およびvWF結合部位(残基1648から1688、また軽鎖のアミ ノ末端の酸性領域とも呼ぶ)が欠失している90/73を基本にしている。Neshe im,M.et al.,J.Biol.Chem.266:17815-17820(1991)およびPittman,D.et al.,Blood 70,Abstruct No.392(1987)。図8は野生型FVIIIおよび上記構築物 ならびにAPCおよびトロンビン開裂部位での変異体を示す。本明細書および図 8での記載において、“b”は、A2−ドメインが軽鎖と共有結合したままであ る、タンパク質が、ヘテロダイマーとなるために、トロンビンにより活性化され るために十分な長さを可能にするものである。好ましい態様において、アミノ酸 配列スペーサーは好ましくは野生型B−ドメインのアミノ部分、即ちアミノ酸残 基741から793であり、MIul部位(クローニング目的の)に続き、残基794 予測されるアミノ酸スレオニンまたはロイシン、好ましくはスレオニン、および 795/1689にアルギニンを有する。 図8は本発明の構築物の活性化のモデルを示す。野生型FVIIIおよび変異体90/ 73の両方はトロンビン活性化でヘテロトリマーとなる。アミノ酸配列スペーサー が、トロンビン開裂部位に変異を有する(del1795-1688/Arg336Iso/Arg562Lys/Ar g740Ala)90/73のA2−とA3−ドメインの間に挿入された場合、トロンビンで の活性化により、開裂はArg372の後にのみ起こり、FVIIIaヘテロダイマーを発生 する。子の新規FVIIIタンパク質はIR8と命名し、トロンビン活性化の後、安 定な活性を維持する。 IR8の合成および分泌。FVIII WTおよび種々の不活性化耐性変異体を、 COS−1サル細胞へのcDNA発現ベクターの一過性DNAトランスフェクシ ョンにより比較した。トランスフェクション後60時間で合成速度を[35S]−メ チオニンパルス標識細胞からの細胞抽出物の免疫沈降により分析した。細胞内FV II WTは、一本鎖形で検出され、約250kDaで移動した(図10、レーン1) 。変異体90/80は、先に特徴付けされたBDD FVIII変異体(del741-1648)であ り、これは〜170kDaで移動し、合成の増加した効率と一致したパルス標識細 胞抽出物からの増加した強度を証明する(図10、レーン3)。90/73は、酸性領 域の 残基の付加的欠失のためにわずかに遠くに移動する(図10、レーン5)。IR8 を含む全ての90/b/73基本構築物は90/80および90/73構築物と同じバンド強度を 示し、多重ミスセンス変異が効率的なタンパク質構成により妨害されないことを 示した。細胞抽出物内の付加的バンドは、抗FVIII特異的抗体で免疫沈降した擬 似細胞抽出物では観察されず、両方のFVIII特異的タンパク質および共免疫沈降 細胞内タンパク質を示す。4時間の追跡時間に続いて、FVIII WTの大多数は 細胞抽出物からなくなり(図10、レーン2)、その280kDa一本鎖、200kDa 重鎖および80kDa軽鎖形で追跡条件培地から回収できる(図10、レーン3)。 全てのBDDおよび不活性化耐性変異体が、4時間の追跡後に細胞抽出物内に残 るかなりの量のその一次翻訳生産物を示すが(図10、レーン4、6、8、10 、12)、それらは全て一本鎖種として追跡条件培地から回収される(図11、レ ーン5、7、9、11、13)。従って、FVIII構築物の種々の置換は、分泌に明 白な影響を与えなかった。 トロンビン開裂後のIR8の構造安定性。追跡条件培地から免疫沈降させた標 識FVIIIタンパク質をトロンビン(1U/ml)と、30分、SDS−PAGE分析 前にインキュベートした。FVIII WTは50kDa A1サブユニット、43kDa A2サブユニットおよび73kDa トロンビン開裂軽鎖、A3−C1−C2か ら成るヘテロトリマーのフラグメントに開裂された(図11、レーン4)。70/73 WTまたはFVIII WTと同様のサブユニットのヘテロトリマーに開裂され(図 11、レーン6)、先の観察および図1Aの記載と一致した。90/73 Arg740Lys は50kDa A1サブユニットおよびA2−A3−C1−C2融合軽鎖と一致す るトロンビン開裂サブユニットのヘテロダイマーを発生させた(図11、レーン 8)。90/b/73 Arg740Lysは、二つのヘテロマー種、50kDa A1/120Kda A2−b−A3−C1−C2ヘテロダイマーと一致するトロンビン開裂フラグ メントならびに43kDa A2サブユニットおよびb−A3−C1−C2融合軽 鎖と一致する〜85kDaを立証した(図11、レーン10)。A2サブユニットの トロンビンでのインキュベーション後の出現は、Lys740がbスペーサー存在下で トロンビン開裂で完全に排除されないことを示した。Ala740の付加的ラジカルミ スセンス変異では、安定なヘテロダイマー種が立証された(図11、レーン12 )。トロンビ ン開裂後のこの安定なヘテロダイマー構造は、ミスセンス変異Arg336IsoおよびA rg562Lysの追加によりIR8で維持された(図11、レーン14)。 トロンビン活性化に続くIR8の機能的安定性。トロンビン開裂によるIR8 ヘテロダイマーの構造の完全さの証明として、この修飾の活性化および不活性化 による機能的結果を、インビトロ機能的アッセイで試験した。免疫親和性精製FV III WTおよびIR8をトロンビンとインキュベートし、一段階APTT凝血 アッセイによりFVIII活性をアッセイした。機能的活性化および不活性化の一つ の例を図12に示し、典型的に多重反復実験である。これらの条件下で、FVIII WTはトロンビンとのインキュベーションの最初の10秒以内に最大活性化し 、次の5分で急速に不活性化された。IR8はトロンビンとのインキュベーショ ンで30秒でピーク活性に到達せず、FVIII WTと比較したトロンビン活性化 の適度な感受性の減少を示した。加えて、トロンビン活性化IR8のピーク活性 は低く(トロンビン活性化FVIII WT活性のピークの74.7±6.7%、n=3 )、コファクターとしてのある減少した効果を示す。しかしながら、IR8はト ロンビンとのインキュベーションの最初の10分にわたりピーク活性を明白に保 持し(IR8のピーク活性の66.9±5.3%、n=3)、FVIII WTはほとん ど完全に不活性な時間であった。トロンビンとの長時間のインキュベーションで ピークIR8のピーク活性は徐々に損失するが、IR8はトロンビンと4時間イ ンキュベーション後にまだ〜38%のピーク活性を保持した。 IR8はインビトロで増加したFVIII特異的活性を示す。免疫親和性精製FVIII WTおよびIR8を、最初の時間が10秒である、一段階APTT凝血アッセ イを使用してFVIII活性をアッセイした。抗原決定は、FVIII軽鎖ベースELIS Aを使用して行った。図13は、特異的活性として発現される活性化および不活 性化の減少速度を示す。IR8の特異的活性の価は、その分子量に対しての補正 を基本にして計算した。IR8はFVIII WTと比較して、5倍増加した特異的 活性を有することが観察された(102±43対18.6±7.4U/mgタンパ ク質)。 実施例4 不活性化耐性第VIII因子の誘導可能vWF結合 実験法 イムロン2マイクロタイターウェル(Dynatech Laboratoreis,Inc.Chantilly ,VA)を、2μg/mlの濃度のFVIII抗体で、一晩4℃で、0.05M炭酸ナトリ ウム/炭酸水素ナトリウム、pH9.6の緩衝液中でコートした。ウェルをTB ST(50mMトリスHCl/pH7.6、150mM NaCl、0.05%ト ゥイン20)で洗浄し、次いでTBST中の3%ウシ血清アルブミン(BSA)で ブロックした。タンパク質サンプルをTBST、3%BSA、1%第VIII因子欠 失ヒト血清±ESH8(ESH:FVIIIタンパク質のモル比=2:1)で希釈した 。サンプルを2時間、37℃で1.7mlマイクロチューブ中でインキュベートし た。次いで、サンプルを更に2時間ブロックおよび洗浄マイクロタイターウェル でインキュベートした。次いで、ウェルを10mM CaCl2含有TBSTで 洗浄した。抗vWF−HRP抗体をTBST、3%BSA、10mM CaCl2 で希釈し、ウェル中で2時間、37℃でインキュベートした。10mM CaC l2含有TBSTでの更なる洗浄後、OPD基質をウェルに添加し、3分インキ ュベートした。発色反応を2M H2SO4で停止させ、光学濃度(O.D.)をEL 340自動マイクロプレートリーダー(Biotek Instruments Inc.,Winooski, VT)を使用して、790mnで読み取った。 結果 図14はFVIII−vWF結合ELISAの結果を示す。抗−A2−ドメインと ラップを使用した。FVIII−欠失血漿(1:100希釈)との4時間のインキュベ ーション後、結合をペルオキシダーゼ結合抗−vWFabで検出した。図14に示 されるように、野生型FVIIIと比較して、IR8のvWFに対する10倍低い結 合親和性がESH8非存在下で、およびESH8の存在下で2倍低い結合親和性 が観察された。 図15はトロンビン(IIa)および/またはESH8とのFVIII−vWF結合EL ISAの結果を示す。同じELISA法を使用したが、FVIII欠失血漿存在下で 2倍モル過剰のESH8およびIIa(IU/ml)との4時間インキュベーションを 使用した。図15に示されるように、IR8はトロンビン活性化後にvWFを保 持し、ヘテロダイマーがトロンビン開裂後もそのままであり、ESH8がvWF にある親和性を保持するように、軽鎖配置を安定化することを示す。 上記の結合アッセイがFVIIIのA−ドメインのみを認識する“トラップ”抗体 を使用したため、タンパク質の残りと結合するA−ドメインを認識するFVIII− vWF複合体のみを検出する。従って、過剰のトロンビン存在下でのタンパク質 の4時間のインキュベーションに続き、FVIII野生型は十分に活性化されていな いが、A2解離および/または更なるタンパク質分解開裂を介して完全に不活性 化もされており、このアッセイにより認識される錯体中のvWFともはや結合し ない。本発明の不活性化耐性FVIIIは、従って、トロンビンによる完全な活性化 後でさえ、融合可能な結合を保持する。 本発明の不活性化耐性FVIIIの誘導可能vWF結合形は、活性を保持すること もまた示された。このアッセイにおいて、抗−vWF抗体をELISAの“トラ ップ”として使用した。同じインキュベーションを、トロンビンおよびESH8 存在下および非存在下で行った。プレート上でのFVIII−vWF錯体の固定化に 続き、FVIII活性を色素原性FVIIIアッセイキット(Coamatic,Pharmacia Heper, Franlin,OH)を使用して、ELISAウェル中で測定した。図16に示されるよ うに、トロンビンでの活性化に続いて、FVIII野生型ではFVIII−vWF複合体の 明白な活性は観察されなかった。しかしながら、不活性化耐性FVIIIはまだ同じ 条件下で検出可能な活性を有した。これは、トロンビン活性化に続いて、不活性 化耐性FVIIIは、vWFへのESH8−誘導可能結合を有し、FVIII活性を保持す るA2−b−A3−C1−C2の修飾軽鎖に関連して、A1ヘテロダイマーに開 裂することを示す。 このEDH8−誘導IR8−vWF複合体の機能的衝撃は、またAPTTを介 したFVIII活性のアッセイにより評価した(表3)。ESH8非存在下で、免疫親 和性精製FVIII WTおよびIR8はFVIII−欠失血清と37℃で4時間のインキ ュベーションで、最小の活性の損失を示した。ESH8存在下で、FVIII WT 活性は約70%阻害されたが、IR8はその最初の活性の100%を保持した。 これらの結果は、ESH8存在下でのWT FVIIIの不活性化はA2サブユニッ ト解離によるものであり、IR8は、A2サブユニット解離に感受性でないため 、ESH8により不活性化に耐性であることを示す。 表3 ESH8はvWF存在下でIR8活性を阻害しなかった 実施例5 医薬組成物および使用 医薬組成物 本発明のFVIIIタンパク質は、当業者に既知の方法に従って、非経口に許容し 得る媒体および賦形剤と製薬学的に許容される組成物に調剤できる。本発明の医 薬組成物は、非経口投与に適しており、簡便には、好ましくは受容者の血液と等 張の溶液を製造するために、滅菌溶液の添加により再構成し得る、タンパク質の 滅菌凍結乾燥製剤を含む。製剤は例えば、単位または多投与量容器、密封アンプ ルまたはバイアル中に存在し得る。 このような医薬組成物は、当分野で既知の製薬学的に許容される担体、希釈剤 、充填剤、塩、緩衝液、安定化剤および/または他の物質も含み得る。“製薬学 的に許容される”なる用語は、活性成分の生物学的活性の効果を妨害しない、非 毒性物質を意味する。担体または他の物質の特性は、投与の経路に依存する。 本発明の医薬組成物中のFVIIIタンパク質の量は、処置する病気の性質および 重症度、および患者が受けている先の治療の性質に依存する。最終的に、担当医 師が個々の患者を処置するタンパク質の量を決定する。静脈内投与処置の期間も 同様に、処置する疾病の重症度および個々の患者の特異的な反応の可能性に依存 して変化する。 加えて、本発明のFVIIIタンパク質をコードする核酸配列は、当分野で既知の 方法に従った遺伝子治療送達システムと組み合わせ得る。このような送達システ ムは、アデノウイルス、レトロウイルスおよびアデノ随伴ウイルスベクターなら びにリポソームおよびDNAタンパク質複合体を含むがこれらに限定されない。 本発明の配列は、例えば、十分な調節ヨウ素の使用を介して転写を可能にする方 法でこのような送達システムをその中に含むかそれと操作可能に連結している。 こ のような遺伝子治療送達システムの製造のための種々の概念および方法が当業者 に既知であることは認識される。 使用法 本発明のタンパク質を含む医薬組成物は、FVIII欠失によりもたらされる血友 病に罹患している患者の処置に使用し得る。 本発明の処置を実施する方法において、治療的有効量のFVIIIタンパク質を、F VIII欠失による血友病に罹患している哺乳類に投与する。“治療的有効量”なる 用語は、方法または組成物中の各活性成分の合計用量が、有意な患者への利益を 示す、即ち出血の停止に十分な量を意味する。 本発明のタンパク質の投与は、種々の慣用経路で行うことができる。患者への 静脈投与が好ましい。静脈注射により投与した場合、本発明のタンパク質は無発 熱原の、非経口投与に許容される水溶液の形である。静脈注射のための好ましい 医薬組成物は、タンパク質に加えて、塩化ナトリウム注射、リンゲル注射、デキ ストロース注射、デキストロースおよび塩化ナトリウム注射、乳酸化リンゲル注 射、または当分野で既知の他の媒体のような等張媒体を含まなければならない。 本発明の医薬組成物は、また安定化剤、防腐剤、緩衝液、抗酸化剤または当業者 に既知の他の添加剤も含み得る。 皮膚または皮下注射のために、本発明のタンパク質は無発熱原の、非経口投与 に許容される水溶液の形である。pH、等張性、安定性などの観点から、このよ うな非経口に許容されるタンパク質溶液の製造は、当業者の範囲内である。 本発明のタンパク質を含む医薬組成物に関して、遺伝子治療送達システムまた は本発明のヌクレオチドを含む媒体もまたFVIII欠失による血友病に罹患した患 者の処置にも使用し得る。このような遺伝子治療送達媒体の治療的有効量を、FV III欠失による血友病に罹患した哺乳類に投与する。本発明の媒体の投与は、単 独または、組み合わせて、例えば、標的組織または部位への直接送達、経鼻、静 脈内、筋肉内、皮下、眼内または経口投与よる、製薬分野で確立された方法によ る。遺伝子治療送達媒体の投与に適した製剤は当分野で既知であり、水性および 非水性等張滅菌注射溶液ならびに水性および非水性滅菌懸濁液を含むことも認識 される。 前の記載および記述は、単に本発明の態様の説明である。当業者は、このよう な記載から、および添付の図面および請求の範囲から、以下の請求の範囲に定義 の本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変化、修飾、変法をな すことができることを認識する。 本明細書に引用の全ての特許および他の刊行物は、引用により明白に包含させ る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12P 21/08 C12P 21/08 A61K 37/465 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, US,UZ,VN,YU (72)発明者 パイプ,スティーブン・ダブリュー アメリカ合衆国48197―6754ミシガン州イ プシランティ、レイク・クレスト・ドライ ブ8261番 (72)発明者 天野 景裕 東京都品川区旗の台5―16―16―303

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.Phe309での変異を含む修飾をされているヒトFVIIIポリペプチドを含む、 凝/血促進活性FVIIIタンパク質。 2.変異が置換である、請求項1記載のタンパク質。 3.変異が欠失である、請求項1記載のタンパク質。 4.変異がPheのSerへの置換を含む、請求項2記載のタンパク質。 5.請求項1記載のタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分 子。 6.請求項5記載の核酸分子を含む、発現ベクター。 7.請求項5記載の核酸分子で形質転換またはトランスフェクトされた宿主細 胞。 8.非経口に許容される媒体または賦形剤との混合物である有効量の請求項1 記載のタンパク質を含む、医薬組成物。 9.a)請求項5記載の核酸分子で形質転換またはトランスフェクトした宿主 細胞を培養して生育させる;そして b)上記宿主細胞から、核酸分子の発現のポリペプチド生産物を単離する: 段階を含む、凝血促進活性タンパク質の製造法。 10.336位のArg残基のIleへの置換および562位のArg残基のLysへの置 換を含む修飾をされているヒトFVIIIポリペプチドを含む、凝血促進活性FVIIIタ ンパク質。 11.修飾が更にPhe309での変異を含む、請求項10記載のタンパク質。 12.請求項10記載のタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸 分子。 13.非経口に許容される媒体または賦形剤との混合物である有効量の請求項 10記載のタンパク質を含む、医薬組成物。 14.請求項12記載の核酸分子を含む発現ベクター。 15.請求項12記載の核酸分子で形質転換またはトランスフェクトされた宿 主細胞。 16.a)請求項12記載の核酸分子で形質転換またはトランスフェクトした 宿主細胞を培養して生育させる;そして b)上記宿主細胞から、核酸分子の発現のポリペプチド生産物を単離する: 段階を含む、凝血促進活性タンパク質の製造法。 17.Bドメインの欠失、フォン ウィルブラント因子結合部位の欠失、Arg7 40での変異およびA2−とA3−ドメインの間のアミノ酸配列スペーサーの付加 を含む修飾をされているヒトFVIIIポリペプチドを含む、凝血促進活性FVIIIタン パク質。 18.修飾が更に336位のArg残基のIleへの置換および562位のArg残基 のLysへの置換を含む、請求項17記載のタンパク質。 19.修飾が更にPhe309での変異を含む、請求項10記載のタンパク質。 20.変異が740位のArgのAlaへの置換を含む、請求項17記載のタンパク 質。 21.アミノ酸配列スペーサーが54残基の長さである、請求項17記載のタ ンパク質。 22.アミノ酸配列スペーサーが、794くらいの残基がスレオニンおよびロ イシンからなる群から選択されたものである、野生型FVIIIの残基741から7 94を含む、請求項21記載のタンパク質。 23.794位の残基がスレオニンである、請求項22記載のタンパク質。 24.請求項17記載のタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸 分子。 25.請求項24記載の核酸分子を含む発現ベクター。 26.請求項24記載の核酸分子で形質転換またはトランスフェクトされた宿 主細胞。 27.非経口に許容される媒体または賦形剤との混合物である有効量の請求項 17記載のタンパク質を含む、医薬組成物。 28.a)請求項24記載の核酸分子で形質転換またはトランスフェクトした 宿主細胞を培養して生育させる;そして b)上記宿主細胞から、核酸分子の発現のポリペプチド生産物を単離する: 段階を含む、凝血促進活性タンパク質の製造法。 29.タンパク質およびフォン ウィルブラント因子を含む血漿に、フォンウ ィルブラント因子へのタンパク質の結合親和性を増加させる抗体または架橋剤を 挿入する段階を含む、血漿中のフォン ウィルブラント因子への請求項17記載 のタンパク質の結合を増加させる方法。 30.抗体がタンパク質のアミノ酸2248から2285のエピトープを認識 する、請求項29記載の方法。 31.抗体がESH8である、請求項30記載の方法。 32.トロンビン活性化により、タンパク質がA1−ドメインフラグメントと A2−A3−C1−C2鎖を含むヘテロダイマーになることを特徴とする、ヒト 第VIII因子のA1−、A2−、A3−、C1−およびC2−を含む凝血促進活性 FVIIIタンパク質。 33.請求項32記載のタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む核酸 分子。 34.請求項33記載の核酸分子を含む発現ベクター。 35.請求項33記載の核酸分子で形質転換またはトランスフェクトされた宿 主細胞。 36.非経口に許容される媒体または賦形剤との混合物である有効量の請求項 32記載のタンパク質を含む、医薬組成物。 37.a)請求項33記載の核酸分子で形質転換またはトランスフェクトした 宿主細胞を培養して生育させる;そして b)上記宿主細胞から、核酸分子の発現のポリペプチド生産物を単離する: 段階を含む、凝血促進活性タンパク質の製造法。 38.タンパク質およびフォン ウィルブラント因子を含む血漿に、フォンウ ィルブラント因子へのタンパク質の結合親和性を増加させる抗体または架橋剤を 挿入する段階を含む、血漿中のフォン ウィルブラント因子への請求項32記載 のタンパク質の結合を増加させる方法。 39.抗体がタンパク質のアミノ酸2248から2285のエピトープを認識 する、請求項38記載の方法。 40.抗体がESH8である、請求項39記載の方法。
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