JP2000508110A - イオン注入を用いた仕事関数の変更方法 - Google Patents

イオン注入を用いた仕事関数の変更方法

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Abstract

(57)【要約】 制御された雰囲気において低いエネルギーのイオン注入を用い、表面に変更層を形成する。これにより、選択された元素が電子エミッタの表面の下に位置し、電子エミッタの仕事関数を変更することができる。4つの異なる線量で、Si(100)内にCsを注入した例が説明されている。注入された種が、その後の低い温度での処理中に大気と反応しないために十分な深さとなる場合がある。そして、放出表面に注入された種が、真空および/または反応性ガス中でエミッタの昇温された温度での処理を用いて偏析される。注入されたイオンは、エミッタ表面の最外層に注入された種の薄い層、もしくはエミッタの表面の化合物もしくは合金層をへて、表面における仕事関数を変更する。注入される種、最初のエミッタ材料、および雰囲気により、これらの層はエミッタの仕事関数の増加もしくは減少を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】 イオン注入を用いた仕事関数の変更方法 ローレンスリバーモアー国立研究所の取り扱いに関する米国エネルギー省とカ リフォルニア大学との間の契約(No.W−7405−ENG−48)にしたが い、この発明の権利は米国政府が有する。 発明の分野 本発明は、電子エミッタ(electron emitters)に関するものであり、詳しくは 電子エミッタの仕事関数(work function)の変更に関するものであり、特に詳し くは電子放出表面の仕事関数を減少もしくは増加させるためのイオン注入(ion i mplantation)を用いる方法に関するものである。 産業上利用されるある種の分野において、電子放出表面(例えば、半導体、金 属、合金もしくは化合物)の仕事関数を変更することが有利であるとされている 。例えば、電界放出(field emission)ビデオディスプレーにおいては、エミッ タの仕事関数を減少させることにより、グリッド操作電圧を減少させ、これによ りより低い電圧で、より高い解像度、増加された輝度を有するディスプレイを構 築することができる。さらに、電子銃チューブといったような電界放出ビデオデ ィスプレイおよび他のデバイスにおいて、ある種の表面の仕事関数を増加させる ことは、電子の不適当な放出を押さえる機能を有する。よって、フィールドエミ ッタ(field emitters)の電界放出の仕事関数を減少させるため、および他の表 面の仕事関数を増加させるための方法が提案されることが望まれていた。 材料による電子の放出は、電子エミッタの材料に添加するドーパント材料によ り変更できることは良く知られている。イオン注入は、材料をドープするための 一般的な方法として用いられるという側面を有する。さらに、イオン注入は、異 なるエネルギーと各エネルギーにおける適切な流束量(ions/cm2)を用いた複数 の注入による深さ方向に機能を有する構造を制御するために用いられる。 G.S.トンパ、W.E.カー、およびM.セイドル(G.S.Tompa,W.E.Carr,an d M.Seidl)らの「セシウムイオンボンバードによりモリブデン上に被覆されたセ シウム(“Cesium Coverage on Molybdenum due to Cesium Ion Bombard ment”,Applied Physics Letter 48(16),1048-50(1986))」には、Mo内に4× 1012〜2×1016Cs+/cm2の線量を照射するために、10〜500eV Cs+のイオンを注入することが記載されている。Moにおいて、約1.6eV の最小仕事関数が100eVCs+により生じ、500eVCs+により水平域( プラトー)まで達した。最小仕事関数は、約1×1015Cs+/cm2の線量によ り与えられた。ただし、この研究は、Cs−O−金属化合物層の形成および表面 上へのCsの拡散および/または偏析(segregation)を含む工程を示すものでは ない。 J.P.ギラデアウ−モンタウ、C.ギラデアウ−モンタウ、M.アフィフ、 A.ペレズ、およびS.D.モウスタイジズ(J.P.Girardeau-Montaut,C.Gir ardeau-Montaut,M.Afif,A.Perez,and S.D.Moustaizis)らの「カリウムイオン注 入によるタングステンの光電子放出感度の増加(Enhancement of Photoelectric Emission Sensitivity of Tungsten by Potassium Ion Implantation” ,Applied Physics Letter 66(15),1886-8(1995))」は、3×1016+/cm2 の線量でW内に30keVK+の注入が記載されている。この研究は、K−O− 金属化合物層の形成や表面上へのCsの拡散および/または偏析を含む工程を示 すものではない。 A.E.ソウジル、H.ヒュアング、W.E.カー、およびM.セイドル(A.E .Souzis,H.Huang,W.E.Carr,and M.Seidl)らの「セシウムイオンボンバードによ るシリコンの接触酸化(“Catalytic Oxidation of Silicon by Cesium Ion Bomb ardment”,J.Appl.Phys.69(1),452-8(1991))」は、10-9から10-16Torr のO2の圧力において、20〜2000eVCs+で表面をボンバードすることに より、Si表面に酸化層を成長させる点が記載されている。600℃に加熱後、 Csは除去され、清浄なSiO2フィルムが得られる。5×10-9Torrの酸 素存在下、20eVCs+、1μA/cm2で1時間(すなわち、2. 25×1016Cs+/cm2)を用い、≦1.3eVの仕事関数で表面に与えた。 研究では、仕事関数の変更層の製造については示していない。Csイオンは、酸 化層の成長速度を大きくするために用いられ、その後取り除かれている。研究で は、表面へのCsの拡散もしくは偏析を含む工程や、酸化層に注入することによ り、もしくは注入後反応ガスで処理することによる化合物層の形成については開 示していない。 発明の概要 本発明の目的は、電子エミッタの仕事関数を変更することである。本発明のさ らなる目的は、電子エミッタの仕事関数を変更するための方法を提供することで ある。 本発明の他の目的は、イオン注入によるエミッタの仕事関数を変更するための 方法を提供することである。 本発明のさらなる目的は、電子エミッタの仕事関数を増加もしくは減少のいず れかを行わせるために、選択された種のイオン注入を含む方法を提供するもので ある。 本発明の他の目的は、エミッタ表面の下に選択された元素を低いエネルギーの 注入(implantation)を行い、さらに制御された環境において熱処理を用いて、放 出表面(emitting surface)へ注入された種を偏析(segregation)させることによ り、電子エミッタの仕事関数を変更させるための方法を提供することである。 本発明のさらなる目的は、エミッタ表面の最外層に注入された種の薄い層を形 成するか、もしくはエミッタ表面に化合物もしくは合金を形成することにより電 子エミッタの仕事関数を変更するための方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、注入物(implant)、基材及びガスの元素からなる層を形 成するために、反応性ガス雰囲気においてイオン注入を行うことにより、低い仕 事関数の層を形成する方法を提供するものである。 本発明の他の目的および利点は、以下の説明により明らかとなるであろう。基 本的に、本発明は、イオン注入により電子エミッタの仕事関数を変更することを 示すものである。イオンを注入することにより、もしくは表面にイオンを結合さ せることにより、表面において注入されたイオンの仕事関数変更層を形成し、表 面の仕事関数は、増加もしくは減少のいずれかに変更される。イオンは、イオン エネルギーにより主として決定される深さで、表面の下に注入される。表面に非 常に近い層に析出するより低いエネルギーのイオンに対しては、例えば酸化雰囲 気もしくは他の反応性雰囲気に曝すことにより、もしくは基材、注入物および/ またはガスの元素から仕事関数変更層を形成するために、元素を化合させるか合 金化させることにより、このイオンを表面に結合させる。仕事関数変更層を直ち に形成するためには深すぎる位置に析出する高いエネルギーのイオンに対しては 、注入されたイオンと共に電子エミッタが、必要であればイオンを偏析させるた めに熱処理がなされる。すなわち仕事関数変更層を形成するために、表面におい て化合物化もしくは合金化されるように、イオンが同様に結合するであろう表面 に向けてイオンを拡散させるのである。 上述した要求は、イオン注入を利用する本発明により満足させられ、それによ り、電子エミッタの仕事関数は、注入される種、最初のエミッタの材料、および イオン注入および注入後の加熱処理が行われる制御された雰囲気(減圧下、反応 ガス下、大気下等)により減少もしくは増加のいずれかに変更することができる 。 本発明の方法は、エミッタ表面上に注入された種の薄い層、もしくはエミッタ の表面において形成される化合物もしくは合金層のいずれかが得られる。これは 、真空マイクロエレクトロニクスにおけるように、表面からの電子放出を増加さ せたり押さえたりすることができる。例えば、酸素含有ガス(oxygen-bearing ga ses)に曝したシリコンもしくはモリブデンの表面内にアルカリ元素(アルカリ金 属)を注入し、シリコンおよびモリブデン表面の仕事関数を減少させることにな る化合物表面層を形成する。 本発明の最初の実施形態は、1)電子エミッタの表面の下に選択された元素を 低いエネルギーでイオン注入すること、2)制御された雰囲気(例えば、減圧下 、もしくは大気を含む反応性ガス下)で熱処理を用いることによる、放出表面へ 注入された種を偏析させること、および3)a)エミッタ表面の上に注入された 種 の薄い層、もしくはb)エミッタの表面の化合物もしくは合金層、のいずれかに より仕事関数変更層を形成すること、を含むものである。注入される種、最初の 放出材料(emitter material)、および制御された雰囲気により、これらの層はエ ミッタの仕事関数を増加もしくは減少させる。 本発明の第2の実施態様は、2)表面に注入された種の偏析、のステップを実 質的に省いている点を除き、第1の実施態様と同様である。この実施態様は、イ オン注入が仕事関数変更層を形成することができるように十分に表面に近い場合 に用いることができる。仕事関数変更層は、1)材料上の表面酸化層、もしくは 他の化合物もしくは合金内に直接イオンを注入する、2)反応性ガス(例えば酸 化性ガス)の分圧の存在下でイオンを注入する、および3)注入の後の酸化を含 む表面の修飾を行う、といった工程を含むいくつかの工程により形成される。例 えば、化合物もしくは合金層を形成することによるシリコンおよびモリブデン表 面における仕事関数の減少は、アルカリ元素(アルカリ金属)、すなわちLi、 Na、K、Rb、およびCsを注入に用い、酸素含有ガスに曝すことによりなさ れる。 本発明の方法は、真空マイクロエレクトロニクスにおいて表面からの電子の放 出を拡大するかもしくは押さえることができ、そして上述したように、例えば、 大幅に減少したグリッド操作電圧で、電界放出ビデオディスプレイを扱うことが できるのである。 図面の簡単な説明 添付の図面において、 図1のA〜Cは、注入されたイオンの偏析にしたがい、イオン注入により仕事 関数を変化させるための工程を説明するものである。 図2のA、Bは、注入されたイオンの偏析なしに低いエネルギーのイオン注入 による仕事関数を変化させるための他の工程を説明するためのものである。 図3は、注入された35keVのセシウムイオン流束量の作用としてのシリコ ンの仕事関数を示す。 図4は、表面におけるセシウム濃度と、図3に示す内の一種の流束量について アニーリング温度の作用としての仕事関数とを示す。 発明の詳細な説明 本発明は、電子エミッタの仕事関数を変更するための方法を示すものであり、 表面からの電子放出を拡大もしくは抑制することを可能とするものである。した がって、本発明によれば、仕事関数変更層は、イオン注入と、表面に注入された 原子の固定化により電子放出表面に形成される。固定化された原子は、原子によ り仕事関数を減少させるかもしくは増加させる。原子は、表面に化合物類もしく は合金類を形成することにより、もしくは表面へ原子を結合させることにより固 定される。原子の固定層は、安定しており、さらに表面の仕事関数を変化させる 。 本発明は、低い(もしくは高い)仕事関数の電子発生表面を調製するための種々 の関連する実施態様を含む。すべての実施態様、注入、および仕事関数変更層の 形成において、二つの基本的な段階がある。ある例においては、二つの段階は、 実質的に同時に行うことができる。種々の特定の処理段階は、仕事関数変更層を 形成するために用いることができる。これには、注入前に材料の表面を調製(例 えば酸化)すること、反応性(例えば酸化性)雰囲気下で注入を行うこと、もし くは注入の後、表面を処理(例えば酸化)することを含む。注入段階は種々の制 御された条件(例えば、ガス雰囲気)下で行うこともできる。ある実施態様では 、表面へ注入された元素を拡散もしくは分離させることも必要である。 第1の段階において、図1Aに示すように、選択された元素のイオンによる低 いエネルギーの注入は、注入された種が基材の中で移動しない温度で、注入され た原子の実質的に全てが材料の表面の内側となるような深さで電子エミッタ表面 の少なくとも一原子層の下に侵入する平均深さでなされる。示されるように、注 入された元素の濃度分布は、深さRpでピークを有する。 注入された種は、制御された雰囲気において熱処理を用いて放射表面に偏析さ れ(拡散され)、そして仕事関数が変更された層が形成される。図1Bに示すよ うに、図1Aに示す注入された材料が、表面に化合物もしくは合金層を形成する ことにより、表面近くの注入された元素を拡散および偏析するため、酸化性、も しくは大気を含む他の活性化ガス(例えば塩素)の制御された雰囲気において加 熱される。示されるように、注入された種、基材(host material)、および雰囲 気ガスの化合物もしくは合金から形成される仕事関数変更層は、厚みX1を有す る。 一方、図1Cに示すように、図1Aに示す注入された材料は、表面において注 入された元素を拡散および偏析するために、真空もしくは重要な反応性ガスの無 い他の環境において加熱される。注入された元素は、基材の最外層に薄い層を形 成する、および/または、例えば、表面酸化物において最初に存在する酸素を含 む、基材において存在する元素と共に化合物もしくは合金層を形成することもで きる。示されるように、注入された種の層により形成される、もしくは注入され た種および基材の化合物もしくは合金の層により形成される仕事関数変更層は、 深さX2を有する。 注入は、注入された元素の全てが基材の表面内に実質的に存在する深さで、基 材中で注入された元素および/またはガス雰囲気の望ましい元素が移動しない温 度でも行われ、注入プロセス自体が継続中に拡散および偏析ができる。したがっ て、図1Aの中間産物は形成されない。注入が、図1Bと共に上述されたような 反応雰囲気下で行われた場合は、図1Bに示されるものと同様な化合物もしくは 合金の仕事関数変更層が形成される。図1Cと共に上述されているように、真空 下もしくは非活性雰囲気下で注入が行われた場合、図1Cに示されるような注入 された元素、合金もしくは化合物の同様な薄い層が形成される。 したがって、偏析され注入されたイオン層は、a)放射表面上に注入された種 の薄い層、もしくはb)エミッタ表面の化合物もしくは合金層の形成、のいずれ かを導くことになる。注入される種、最初のエミッタ材料、および制御された雰 囲気により、これらの層はエミッタの仕事関数を増加もしくは減少させる。 さらなる実施態様において、仕事関数変更層は偏析ステップを行なう必要なし に形成される。選択された元素のイオンを低いエネルギーで注入した場合は、低 いエネルギーのイオンを用いた上述した実施態様の場合より、電子エミッタの表 面により近くなる。図2Aに示すように、化合物(例えば、酸化物)層の厚みX3 は、注入前の基材(host material)上に存在する。注入された元素は、本質的に 初期に存在する表面化合物内に全てあり、基材における他の元素および化合物と 共に、厚みがX3の化合物もしくは合金層を形成する。注入後の加熱もしくはア ニールは、この合金もしくは化合物層を均質化することを助け、図2Aに示すよ うに、深さ分布10から深さ分布12に変化する。 基材が初期化合物(酸化物)層を有しておらず、そして注入が所望の(例えば 酸化性の)ガス分圧存在下で行われる場合もある。スパッタリングもしくは他の 好ましい方法により基材の表面最外層を取り除くことにより、高いエネルギーの 注入か低いエネルギーの注入かのいずれかで、注入された元素が表面に濃縮され る。注入工程自体は、表面最外層を常にスパッタリングする、および/または、 所望のガス元素の拡散を拡大する。したがって、深さの分布14を有する合金も しくは化合物層が形成され、さらに深さ方向の分布16を形成するためにさらに 加熱もしくはアニールすることができる。 図2A、Bと共に記載された工程のさらなる他の工程において、イオンは表面 化合物(例えば、酸化物)の無い材料内で、反応性雰囲気の無い状態で同様に注 入されることができる。注入後の反応(例えば酸化)は、適当な温度および圧力 で、反応(酸化)に影響するガスに表面を曝すことによりなされる。可能なさら なる加熱もしくはアニーリングを行なった結果を図2Bに示す。 このように、注入されたイオン層は、エミッタ表面に化合物もしくは合金層の 形成を導く。注入された種、最初のエミッタ材料、および注入ステップ中の制御 された雰囲気により、これらの層は、エミッタの仕事関数を増加もしくは減少す る。 偏析プロセスにより作られた表面の仕事関数は、空気中では安定しておらず、 そして熱処理の間もしくは熱処理の後、大気に曝してはならない。ビデオディス プレイユニットの場合は、これは、ディスプレイの準備、組み立て、およびシー リングを真空下で行なうべきであることを意味する。このようなプロセスの例と しては、シリコンもしくは金属の表面に対し、セシウムの2から3層の原子単層 と一層の原子単層の画分との間での偏析を導くため、真空下の熱処理を行ない、 次にシリコンもしくは金属内へのセシウムの注入を行なう場合である。 仕事関数は、注入されたアルカリ金属および酸素を含む、化合物もしくは合金 表面層を形成することにより、減少させることができることが見出された。表面 の仕事関数(例えば、シリコンおよびモリブデンの)は、化合物表面層の形成を 導くステップとして表面内にアルカリ金属類(すなわち、Li、Na、K、Rb 、およびCs)をイオン注入することにより劇的に減少する。化合物表面層は、 仕事関数変更層を形成する。イオン注入技術は、技術的に良く知られており、よ ってそれらについての記載は必要無いと思われる。注入されたアルカリ(金属) 元素、イオンが注入された材料の表面の元素、および酸素もしくは他の所望の元 素からなる化合物表面層は、1)材料上の表面酸化物(例えば、酸化シリコン) 内へのアルカリ元素の直接注入、2)酸化もしくは他の所望のガス分圧(例えば 、10-5torrの酸素)存在下におけるアルカリ元素の注入、3)注入後の表 面の酸化、を含むいくつかの工程により得られる。注入された表面の酸化は、常 圧の酸素を有するガス類(例えば、大気中のO2およびH2O)および温度(例え ば、室温)で表面を曝すことにより得ることができる。 本発明の方法の実証中に、約1×10-6torr(大部分水蒸気)の減圧にお いて、単結晶シリコン内に35−keVCs+の注入(約1017Cs/cm2の線 量)し、その後室温で数日から数週間の期間大気に曝した場合、シリコンの仕事 関数が約4.5eVから約2.0eVへ減少した。図3は、4つの異なる線量で Si(100)に注入されたCsの仕事関数を示す。表面の化合物もしくは合金 は、セシウム、シリコンおよび酸素からなることが示された。この化合物表面層 の仕事関数は、大気への長期間の露出(例えば、数週間)の間、もしくは450 ℃までの温度で減圧下、加熱する間、安定であったことが示された。図4は、各 温度で30分間アニーリングした線量9×1016cs/cm2でSi(100) 中に注入したCsの温度に対する機能として、表面Cs原子の比率と仕事関数の 両者を示す。この場合、注入中のスパッタリングは、表面層におけるCs濃度の 増加という結果となった。 これらの安定性の特徴は、電子の電界放出によるマイクロエレクトロニックデ バイスにおけるシリコン(および金属)のフィールドエミッタ(field emitters )の変更するための用途において重要である。電界放出平面パネルディスプレイ は、このようなデバイスの重要なものである。 実験のために、シリコンの仕事関数は、炭素等の元素のイオン注入により増加 させられた。 本発明は、マイクロエレクトロニックデバイスの表面から放出される電子を増 加させたり抑制させたりすることを可能とする。これは、熱処理を用い、制御さ れた環境において、必要であれば偏析によりなされたイオン注入により達成され る。仕事関数変更層は、注入中もしくは注入後の、合金もしくは化合物の形成を 含む、注入された原子の結合により形成される。シリコンの他に、モリブデン、 プラチナ、ニッケルといった電子を放出する金属表面におけるイオン注入により この方法は行われる。アルカリ金属のほかにも、バリウムおよびカルシウムとい った他の元素も注入することができる。 注入は、約20eV〜35keV、より好ましくは1〜35keVのイオンエ ネルギーで行われる。エネルギーが低ければ、イオンが注入される位置は表面に 近くなる。より高いエネルギーは注入をより深くし、偏析ステップを行う必要性 がより高くなる。イオン注入線量は、通常約5×1014から約1×1017イオン /cm2の範囲内である。イオン注入の温度は、−196℃(液体N2)と同じく らいの低さから500℃の範囲である。O2およびH2Oといつた、注入中のガス 雰囲気は、約10-11〜10-1Torrの範囲である。注入後の処理(アニール もしくは酸化)は、約20℃から500℃の範囲内の温度で行われる。アニール もしくは酸化中の注入後の雰囲気は、10-9〜10-1Torrの減圧、大気、常 圧下での希ガス、およびN2もしくは他の不活性ガス中のO2もしくはH2Oを含 む雰囲気とすることができる。材料および方法に用いられるパラメーターによる 特定の実施態様を、本発明の原理の例示もしくは説明のために記載したが、本発 明はこれに限定されるものではない。修正および変更は、当業者にとって明らか である限り、記載されたクレームの範囲によって限定される本発明の範囲内とな る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 バルース,メディ アメリカ合衆国,94707 カリフォルニア 州,バークレイ,コルサ アヴェニュー 551 (72)発明者 シークハウス,ウィグバート,ジェイ. アメリカ合衆国,94708 カリフォルニア 州,バークレイ,クラグモント アヴェニ ュー 1110

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.電子エミッタ材料表面の少なくとも一つの原子層の下に元素をイオン注入し 、電子エミッタ材料の表面に注入された元素の仕事関数変更層を形成する、電子 エミッタの仕事関数を変更する方法。 2.制御された雰囲気において、熱処理を用いて材料の表面に注入された元素を 偏析させることをさらに含む請求項1記載の方法。 3.表面において注入された元素を濃縮するために、注入の次にエミッタ材料の 上部を取り除くことをさらに含む請求項1記載の方法。 4.エミッタ材料の表面最外層を取り除くために、注入中にスパッタリングを行 い、表面に注入された元素を露出させることをさらに含む請求項1記載の方法。 5.制御された雰囲気が、真空、反応性ガス類、および大気から選択される請求 項2記載の方法。 6.注入される元素が、アルカリ金属、バリウム、、カルシウム、および炭素か ら選択される請求項1記載の方法。 7.注入される元素が、Li、Na、K、Rb、およびCsからなるグループか ら選択される請求項1記載の方法。 8.エミッタ材料が、半導体、金属、合金および化合物からなるグループから選 択される請求項1記載の方法。 9.電子エミッタ材料が、シリコン、モリブデン、プラチナ、およびニッケルか らなるグループから選択される請求項1記載の方法。 10.イオン注入が、約0.02〜35keVのイオンエネルギーで行われる請 求項1記載の方法。 11.仕事関数変更層形成工程が、化合物もしくは合金の層を形成することを含 む請求項1記載の方法。 12.イオン注入が、材料の表面化合物内に元素を直接注入することで行われる 請求項1記載の方法。 13.元素がアルカリ金属であり、材料がシリコンであり、そして表面化合物が 二酸化珪素である請求項12記載の方法。 14.イオン注入が、反応性ガスの分圧の存在下での元素の注入によりなされる 請求項1記載の方法。 15.元素がアルカリ金属であり、材料がシリコンであり、そして反応性ガスが 酸素もしくは水蒸気である請求項14記載の方法。 16.仕事関数変更層を形成する工程が、イオン注入の後に、材料の表面を反応 性ガスに曝すことを含む請求項1記載の方法。 17.表面が、大気中かつ室温でO2およびH2Oの少なくとも一つに曝されるこ とにより酸化される請求項16記載の方法。 18.仕事関数変更層を形成する工程が、材料表面の最外層に注入された元素の 薄い層を形成することを含む請求項1記載の方法。 19.仕事関数変更層を形成する工程が、材料表面の最外層に注入された元素を 結合させることを含む請求項1記載の方法。 20.その後の取り扱いや処理の間、注入された元素が大気と反応しないように 、電子放出材料の表面の下に選択された元素を低いエネルギーでイオン注入を行 い、 必要であれば、制御された雰囲気において放出材料の熱処理を用いて、放 出材料表面に注入元素を偏析させ、 放出材料表面の最外層に注入された元素の薄い層を形成するか、もしくは 放出材料の表面に化合物もしくは合金の層を形成する ことを含むマイクロエレクトロニックデバイスの表面からの電子の放出を 増加もしくは抑制する方法。 21.制御された雰囲気が、真空および反応性ガスから選択される請求項20記 載の方法。 22.アルカリ金属、バリウム、カルシウム、および炭素からなるグループから 注入される元素が選択され、そして、シリコン、モリブデン、プラチナおよびニ ッケルからなるグループから電子エミッタ材料が選択されることをさらに含む請 求項20記載の方法。 23.イオン注入が、約0.02〜35keVのイオンエネルギーで行われる請 求項20記載の方法。
JP9535630A 1996-04-01 1997-03-28 イオン注入を用いた仕事関数の変更方法 Pending JP2000508110A (ja)

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US08/625,259 1996-04-01
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