JP2000504403A - 特に煙突用の相互嵌合型モジュール式金属ダクト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、内部導管を形成するエレメント（１ａ，１ｂ）で作られたモジュール式の入れ子型金属導管に関し、両エレメントはクリップ（９）によって結合され、両エレメントの間の緊密性は、リップシールと、一方のエレメント（１ａ）の雌型端部に装着されて対応する雄型部分（１ｂ）の外面に押圧された折り曲げチャンバとによって提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 特に煙突用の相互嵌合型モジュール式金属ダクト 本発明は、それ専用ではないが、ボイラーから煙道ガスを放出するために特に 設計されたモジュール式金属ダクト（modular metal duct）に関する。 一般に、このようなダクトは公知であり、それぞれが一端に縮小した径の雄型 エンドピース（reduced-diameter male endpiece）を有し、他端に拡大した径の 雌型エンドピース（enlarged-diameter female endpiece）を有する相互接続す るのに適したエレメントによって構成されている。 炊事用具から燃焼ガスを排出するための家庭用設備においては、二つの隣接す るダクトエレメントの連結は、連接するエレメント同士を単に相互嵌合して摩擦 によって組み立てるのが普通である。このようにして相互に組み立てられたパイ プ同士の長さ方向に沿ってカラーを設け、パイプを隣接する壁に固定することも 公知であり、このようなカラーは二つの順次のエレメント同士の接続部を強化す るのにも役立つ。 産業設備用の大径の煙突は、一般にコンクリートかスチールで作られ、スチー ルエレメント同士は工場内で溶接されたフランジを介して連結され、現場に直接 搬送される。 中間サイズの設備に対しては、端と端とを連結したチューブで作られたモジュ ール式ダクトを使用するのが現在のやり方である。２本のチューブの間にはシー ル手段が設けられることがあるが、特にダクトが逆傾斜で使用される場合には、 濃い煙道ガスに対してこのシールは充分ではない。更に、対面する石の間の接合 部にカラーが対応するように、長さに合わせてこれらを切断するには適していな い。 本発明の第１の目的は、二つのチューブ状エレメントの間の接合部におけるシ ールを改善し、これらのエレメントの分解（disassemble）及び再組立（re-asse mble）を容易に行えるようにすることにある。 本発明の第２の目的は、少なくとも一つのエレメントが所望の長さに切断可能 であり、しかもそうした場合でも組立体のシール特性を良好に維持することので きるモジュール式ダクトを提供することにある。 本発明によれば、特に煙突用の相互嵌合型のモジュール式金属ダクトは、それ ぞれが順次に相互嵌合される雄型端部と雌型端部とを有する相互に接続されたエ レメントで構成された少なくとも一つの内側ダクトと、二つの継続的なチューブ 状エレメント（two successive tubular elements）を結合する手段とを具え、 前記雌型端部が折り曲げチャンバを有するリップガスケットを具えていることを 特徴とする。 このようにして、雄型エンドピースの外面に支持されている雌型エンドピース に装着された前記ガスケットのリップによって、両エレメント間のシールが保証 される。組立後に、このリップは前記折り曲げチャンバに生じる圧力によって前 記外面に対して押し付けられる。 本発明の一実施例においては、このダクトは、前記内側ダクトを取り囲み且つ 前記内側ダクトエレメントに反対方向に装着された外側ダクト即ち外被筒を具え 、これら両ダクトエレメント（内側エレメントと外側エレメント）はヘッド端に 固定されたガスケットによって組み立てられ、両ダクトの間には断熱材（insu-l ation）が挿入されている。 こうして、本発明は二層の接続部を提供し、組立体の剛性を増加させている。 本発明の別の実施例においては、ダクトが更に、二つの同心エレメント即ち内 側エレメントと外側エレメントとを取り囲むことによって、これらを組み立てる ための荷重担持用のモジュール式外被筒を具え、組み立てられた後には、前記外 被筒の組立領域は、他の二つのエレメントの中間部に位置している。 これによって、自動的に安定化する自己支持性のダクト、即ち地面に係止され ることによってその安定性が一点で確保され、ステーや安定性確保手段を要しな いダクトが提供される。 本発明の他の特徴と利点は、添付の図面を参照して次に述べる非限定的な実施 例によって明らかになるであろう。 図１は、本発明のダクトを示す図である。 図２は、エレメントの一つが所定の長さに切断されたダクトの同じ図である。 図３は、雌型エレメントの輪郭を示す拡大図である。 図４は、外側ダクトを示す図である。 図５は，所定の長さに切断された後の同様な図である。 図６は、外側ダクトに組み付けられた内側ダクトの図である。 図６ａは、内側ダクトと外側ダクトとを組み立てる別のやり方を示す図である 。 図７は、所定の長さに切断された後の、図６と同じ組立体を示す。 図８は、外側コーティングを具えた二つのダクトからなる煙突の断面図である 。 図９は、カラー接続領域の平面図である。 図１０は、図９の平面に垂直な平面での断面で示された組立前のカラーの両端 の破断図である。 図１１は、組立後のカラーの端部を示す図１０の場合と同じ状態の図である。 図１２は、組立領域の斜視図である。 図１は、雌型ダクト端（female duct end）１ａと雄型ダクト端（male ducten d）１ｂを介して一緒に組み立てられた二つのダクトエレメント（duct ele-ment s）を示す。雄型ダクトは、その底部近傍に、前記エレメント１ａの膨張部分の 裾拡がり縁部４ａ（図３に拡大して示されている）を支えるリム１４を有する。 実際には、このリム１４が機械的機能又はシール機能を果たさない場合には、リ ム１４は省略してもよい。これは、チューブを所定の長さに切断する場合に、偶 然に起こることである。 縁部４ａの上方には、ハウジング５とリップガスケット（rip gasket）６があ り、それのリップは、それがエレメント１ａの雌型部分の内側に組み付けられた 後に、エレメント１ｂの外側壁に押し付けられる。ガスケット６は外周リング５ の内側に固定され、リップ６の下方には、組立後にリップ６をエレメント１ｂに 対して押し付ける余分な圧力を発生させるのに役立つ折り曲げチャンバ６ａが設 けられている。例えば、ダクトが２００℃より低い温度で使用される場合には、 リップガスケット６はシリコーンで作られる。もっと高い温度で使用される場合 には、セラミック繊維製の０リングに置き替えられる。 本発明によれば、図２に示すように、ダクトの長さを利用可能な空間に適合さ せるために、上部エレメント１ｂの雄型部分を切り取ることができる。図２に明 らかに示されているように、リップガスケットが同じシール作用を行うので、密 閉は保たれる。リム１４は取り除かれている。エレメント１ｂの底部は、当然、 エレメント１ｂの雌型上端部に設けられた段差部（setback）８に載る。このよ うにして、機械的接触と自動中心合わせ（automatic centering）が確実に行わ れる。エレメント１ａと１ｂの間の接続領域は、図１及び２に模式的に示された カラー７によって取り囲まれている。 このダクトは、それ自体で使用可能である。しかし、それを断熱することが、 しばしば必要なことも多く、図４と５に示されているように、通常のやり方で内 側ダクト１の外側に外側ダクト又は外被筒（envelope）２を設けることが可能で ある。この外被筒は当然ダクト１よりも大きい直径を有し、ボイラー室に空気を 供給するために使用できる。これは、利用可能な空間に適合できるように、その 底部を切り離し、内側ダクトの組立体装置と同じ組立体装置を用いて組み立てら れる。この状況下では、シールは重要ではないので、ガスケットは設けられない 。このダクトは、上方から換気を行う目的では、それ自体で使用可能である。図 ４に示すように、エレメント２ａは雌型エレメントであり、エレメント２ｂは雄 型エレメントである。このエレメント２ｂの上部には溝４が設けられ、それにカ ラー７の一方の側部が嵌入している。同様に、エレメント２ｂの底部にも溝４が 設けられ、そこにカラー７の他方の側部が嵌入している。エレメント２ｂの溝４ の上方には段部８が設けられ、エレメント２ａの中に嵌入している。 図５から判るように、エレメント２ａがその底部を所望の高さに切断されてい る場合、その溝４は消失し、カラー７は同じように接続され続けている。このタ イプのダクトでは、シート金属の厚さはダクトの断面に対応して約０．５mmかそ れよりも大きい。即ち、図面の寸法はこの構造の真の表現とはなっていない。 図６と７には二つの外被筒を有するダクトが示されている。このダクトは、図 ４に示された外側ダクトの内側に装着された図１に示された内側ダクトを具えて いる。二つの同心エレメント１と２は、ヘッド端に固定された、スペーサーとし ても役立っているガスケット１１を介して組み立てられ、内側ダクトを断熱する 必要がある場合には、前記ダクト１と２の間に鉱物ウール又はセラミック繊維等 の断熱材１２を挿入することができる。図７は、所定の長さに切断された後のダ クトエレメントを示し、エレメント１ｂのリム１４とエレメント２ａの溝４とは 切除されている。 図６ａは内側ダクトと外側ダクトをその上部において組み立てる別のやり方を 示す。この図には、ダクトの片側だけが示されている。上述の各部、即ち内側ダ クト１ａと外側ダクト２ｂ、リップガスケット６とその折り曲げチャンバが再び 示されており、リップガスケット６はこの組立体の上部エレメント１ｂ（図示し ない）に対するシールを提供している。この実施例では、ヘッド端におけるガス ケット１１は除かれ、代わりに内側ダクトエレメント１ａを外側ダクトエレメン ト２ｂに接続する漏れ止め溶接部１１ａが設けられている。この実施例は低コス トで良好なシールを提供するので、或る作業条件においては好ましい。当然、こ の構成は以下に述べるように、外被筒が自動的に安定する組立体に使用すること ができる。 図８は、三つの外被筒を有する自動安定性煙突を構成するように設計された本 発明の別の実施例を示す。この図は内側ダクトを構成するエレメント１ａ，１ｂ ，１ｃを有し、これらのエレメントは前述のようにリップガスケット６を介して 相互嵌合している。又、この図は、少なくとも部分的に三つの外被筒エレメント ２ａ，２ｂ，２ｃも示し、これら両ダクトはガスケット１１を介して相互接続さ れ、両ダクトの間に鉱物ウール等が挿入されている場合もいない場合もある。し かし、外部空気をバーナーに供給する目的のために空間１２が空いたまま残され 、空気は煙道ガスと反対方向に流れ、煙道ガスはダクト１の内側を上昇し、従っ てダクト１は入って来る空気を加熱すると共に同時に出て行く煙道ガスを冷却す る熱交換器として作用する。 この実施例は、内側ダクト１と外側ダクト２とで作られた標準長さのエレメン トを組み立てるだけで構成することができる。外側ダクト２の表面は、隣接する 縁部１３同士を重なり合わせてカラー７ａによって組み立てられたエレメント１ ０ａ，１０ｂ等で構成された荷重担持外被筒即ちシェル１０に対して押し付けら れている。一般に、このシェル１０は連続する一対のエレメント１、２を組み立 てるための中空円筒即ち鞘体の形状をなしている。 図８に示されているように、外被筒即ちシェル１０はエレメント２の溝４に実 質的に対面して、これに相互嵌合する溝４を有する。エレメント１０の二組の溝 ４の間の空間は、エレメント２の外被筒１０の二組の溝４の間の空間と同じであ る。各エレメント１０の中間には、外被筒の組立カラー７ａを保持するためにシ ェル１０上に二つのリム１４が形成されている。この相互接続は、エレメント１ 、２の間の相互接続部の中間の剛体部分で行われると言ってもよい。これらの三 つの外被筒１、２及び１０は互いにずれた状態で位置して良好な剛性を提供し、 柱の高さが高くなってもダクトの底部で荷重を受け止めることが可能になり、そ の頂部を安定化するのに役立つ。この組立技術により、その取付け位置によって は、最後の取付け点の上方に煙突を突出させることによって、マストやステーが 無くても安定性が保証される。 カラー７は、登録商標SERFLEX 又はJULILEE クリップの名称で知られているタイ プのものでもよい。それでも、これらのカラーにおいては一つ又は二つだけの溶 接部が存在して いるので、横方向に作用する張力が生じる。 本発明においては、カラーの構造に起因して引っ張り強度が得られる図９〜１ ２に示す種類のカラーを使用することが望ましい。図９において、カラー７の端 部１９は互いに間隔をあけた二つの分岐部２２を有し、その中に縁部２５を介し て第２端部１８が挿入されることが判る。前記端部１９の中心部２３は、図１０ に示されているような凹部即ちくぼみ２１を有する。 図１１に示すように、端部１８と１９が接触した後、前記中心部に形成された フック２０が凹部２１内に弾性的に挿入されて両端部を固定し、外縁部同士が重 なって凹部２１内でのフック２０の滑りが防がれる。 このような状況下で、カラー自体が止め金として作用する。しかし、この止め 金は、張力を生じることなくカラーを所定位置に保持する機械的部材によってロ ックされる。 これらの図から判るように、スリーブ１７が端部１９に固定され、その内部孔 には、一端で端部１８に溶接されたねじ山付きロッド２７が受け入れられ、ナッ ト２９によってスリーブ１７に保持されている。この組立体１７、２６、２７は カラーの種々の部分を所定の位置に保持する役目を担っている。従来技術とは異 なり、張力を提供するのはこの組立体ではなく、カラー自体である。 前述の説明は、一例として煙道ガス用の煙突を使用して行われたが、本発明は 如何なるタイプのダクト、例えばエアコン用ダクトに対しても適用可能である。 当然のことながら、本発明の範囲を超えることなく、均等な技術手段の置換に よって種々の変形を提供することが可能である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ダクトが、夫々、雄型端部と、隣接するエレメントの雄型端部に係合する雌 型端部とを有する相互接続されたエレメント（１ａ，１ｂ，１ｃ）で構成された 少なくとも一つの内側ダクト（１）を具えており、二つの隣接するエレメントが 、カラー（７）によって結合されている、特に煙突用の、相互嵌合型モジュール 式金属ダクトにおいて、エレメント（１）の前記雌型端部は、ガスケット（６） と折り曲げチャンバ（６ａ）とを具えていることを特徴とする相互嵌合型モジュ ール式金属ダクト。 ２．前記ダクトが、前記内側ダクト（１）を取り囲む外側ダクト（２）を備え、 それの雌型部分（２ａ）は、該内側ダクトの前記雌型部分（１ａ）と反対方向に 取付けられ、二つの内側及び外側ダクトエレメント（１、２）は、ヘッド端に固 定されたガスケット（１１）を介して、一緒に組み立てられていることを特徴と する請求項１に記載のダクト。 ３．前記ダクトが、前記内側ダクト（１）を取り囲む外側ダクト（２）を備え、 該外側ダクトの雌型部分（２ａ）は、該内側ダクトの前記雌型部分（１ａ）と反 対方向に取付けられており、内側ダクトエレメント（１）と外側ダクトエレメン ト（２）は、溶接部（１１ａ）によって一緒に組み立てられていることを特徴と する請求項１に記載のダクト。 ４．前記ダクトが、二つの連続するエレメント（１０ａ，１０ｂ）を、それらを 取り囲むカラー（７）によって一緒に組み立てるためのモジュール式外被筒（１ ０）を具え、該外被筒は、外被筒エレメントの二つの縁部（１３）を重ねること によって一緒に組み立てられ、この重なりは、前記内側及び外側ダクトエレメン ト（１，２）の標準長さの中間部で、カラー（７）によって行われることを特徴 とする請求項２又は３に記載のダクト。 ５．前記外側ダクト（２）が、その雄型部分と雌型部分に溝（４）を有し、該溝 内にカラー（７）の分岐部が挿入されることを特徴とする先の請求項のいずれか 一項に記載のダクト。 ６．実質的にその半分の高さ位置に、外被筒（１０）は、前記外側ダクト（２） の溝（４）に対応する二つの溝（４）を有することを特徴とする先の請求項のい ずれか一項に記載のダクト。 ７．外被筒（１０）が、その端部近傍に、カラー（７ａ）を担持するリム（１４ ）を有することを特徴とする先の請求項のいずれか一つに記載されたダクト。 ８．折り曲げられたストリップ（７）と緊張手段（１７）を具えたカラーであっ て、フック（２０）を有する第１端部（１８）と、該フック（２０）を受け入れ る溝又は凹部（２１）を有する第２端部（１９）とを有することを特徴とする先 の請求項のいずれか一項に記載されたカラー。 ９．前記端部（１９）は、前記端部（１８）が入り込む裾拡がり部（２２）を有 していることを特徴とする請求項８に記載されたカラー。 １０．前記端部（１９）の中心部（２３）が、前記端部（１８）の空間（set-ba ck）（２４）に挿入されていることを特徴とする請求項８又は９に記載されたカ ラー。