【発明の詳細な説明】
アテローム性動脈硬化症の治療のための単環β−ラクタム誘導体
本発明は、ある新規な単環β−ラクタム化合物、それらの製造方法、それらの
製造方法において有用な中間体、それらを含有する医薬組成物、および、治療、
特にアテローム性動脈硬化症の治療におけるそれらの使用に関する。
WO95/00649(スミスクライン・ビーチャム・パブリック・リミテッ
ド・カンパニー)には、ホスホリパーゼA2酵素、リポプロテイン関連ホスホリ
パーゼA2(Lp−PLA2)、配列、それらの単離および精製、酵素をコードす
る単離された核酸、および、酵素をコードするDNAでトランスフォームされた
組換え宿主細胞が記載されている。酵素の阻害剤としての示唆された治療的使用
には、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、リウマチ性関節炎、発作、心筋梗塞、
再還流障害、および、急性ならびに慢性炎症が含まれる。同じグループからの続
く発表では、この酵素についてさらに記載されており(Tew Detal, Arterioscler
Thromb Vas Biol,1996:16;591-599)、そこでは、LDL−PLA2と呼ばれてい
て、Natureにおける関連する発表(Tjoelker et al, vol 374,6 April 199
5,549)では、Lp−PLA2と本質的に同じ配列を有する酵素PAF−AHが記
載され、病理学的な炎症事象の調節のための治療的タンパク質として有用である
ことが示唆されている。
Lp−PLA2は、低密度リポプロテイン(LDL)をその酸化型に変換する
際の、ホスファチジルコリンのリゾホスファチジルコリンへの変換に関与するこ
とが示されている。該酵素は酸化型ホスファチジルコリンのsn−2エステルを
加水分解し、リゾホスファチジルコリンおよび酸化的に修飾された脂肪酸を生成
することがわかっている。Lp−PLA2作用の両方の生成物は、循環単球に対
する有効な走化性因子であることが知られる、リゾホスファチジルコリン、酸化
LDLの成分とともに、生物学的に活性である。このように、リゾホスファチジ
ルコリンは、動脈においてコレステロールエステルが付加された細胞の蓄積に関
与することから、アテローム性動脈硬化症において重要な役割を担うものと考え
られている。それゆえ、Lp−PLA2酵素の阻害剤は、これらのマクロファー
ジに富んだ病巣の発生を阻止し、そのため、アテローム性動脈硬化症の治療にお
いて有用であることが期待される。
酸化的に修飾されたLDLの増加したリゾホスファチジルコリン含有量もまた
、アテローム性動脈硬化症の患者において観察される内皮障害に関連するものと
考えられる。それゆえ、Lp−PLA2阻害剤は、また、糖尿病、高血圧、狭心
症および虚血後ならびに再還流を含む内皮障害を示す他の疾患状態における利用
性も見出された。
加えて、Lp−PLA2阻害剤は、また、活性化単球、マクロファージまたは
リンホサイト、Lp−PLA2を発現するこれら細胞種のすべてが関与する疾患
に一般に適用できるであろう。
さらに、Lp−PLA2阻害剤は、Lp−PLA2活性と関連し、2つの有害な
生成物、リゾホスファチジルコリンおよび酸化的に修飾された脂肪酸を生成する
、液体過酸化に関与する、疾患に一般に適用できるであろう。そのような状態に
は、上記した、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、リウマチ性関節炎、発作、心
筋梗塞、再還流障害、および、急性ならびに慢性炎症が含まれる。さらに、該状
態には、精神分裂病などのさまざまな神経精神病学的疾患が含まれる(Psychopha
rmacology Bulletin,31,159-165,1995参照)。
国際特許出願WO96/13484、WO96/19451およびPCT/E
P96/02765(スミスクライン・ビーチャム・パブリック・リミテッド・
カンパニー)には、Lp−PLA2の阻害剤であるアゼチジノン誘導体が記載さ
れている。そこに開示されるC4に末端カルボキシル置換基を有する化合物は、
Lp−PLA2活性のインビトロアッセイにおいて、優れた活性を示すことが見
出された。しかしながら、インビボ動物モデルにおいては、経口的に投与された
場合、これらのカルボキシル化合物の活性は、劣った薬物動態学的プロファイル
により、危うくされた。この問題は、そこに開示された簡単なアルキルまたはア
ルケニルエステル誘導体を用いることでは、解決されなかった。この問題は、「
プ
ロドラッグ]として、より複雑なエステルを用いることで解決できることが見出
された。
したがって、本発明は、式(I):
[式中:
R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、水素、ハロゲン、
または、C(1-8)アルキルから選択されるものであり;
R3は、医薬上許容されるインビボで加水分解可能なエステルであり;
R4およびR5は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、水素、C(1-6)ア
ルキル、C(2-6)アルケニル、アリール、アリール(C1-4)アルキルおよびへテ
ロアリール(C1-4)アルキル(その各々は、置換されていてもよい)から選択
されるか、または、R4およびR5は、一緒になって(C3-7)シクロアルキル環
残基を形成してもよく;
Xは、リンカー基であり;
Yは、所望により置換されるアリール基であり;および
Z1は0であり、Z2はC(1-8)アルキル、アリールC(1-4)アルキルまたはアリ
ール(その各々は、置換されていてもよい)であるか、または、
Z1はS(O)n(ここで、nは、0、1または2である)であり、Z2はC(1- 8)
アルキル、C(3-8)シクロアルキル、C(3-8)シクロアルキルC(1-6)アルキル
、アリール、アリールC(1-4)アルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリール
C(1-4)アルキル(その各々は、置換されていてもよい)である;
ただし、
(a)R4およびR5がそれぞれ水素であり、Z1がS(O)n(ここでnが0、
1または2である)であり、Z2がC(1-8)アルキル、C(3-8)シクロアルキル、
または、C(3-8)シクロアルキルC(1-6)アルキルである場合;または
(b)R3がC(1-6)アルキルまたはC(2-6)アルケニルである場合を除く]
で示される化合物を提供する。
式(I)の化合物は、Lp−PLA2の阻害剤であり、アテローム性動脈硬化
症および他に記載される疾患状態の治療における使用が期待される。該化合物は
、インビトロアッセイにおいてLp−PLA2の阻害剤として作用し、インビボ
アッセイにおいて改善された薬物動態学的プロファイルを有することが見出され
た。
R1およびR2の代表的な例には、水素、臭素、メチルおよびエチルが含まれる
。適当には、R1およびR2は、それぞれ水素であるか、または、R1およびR2の
一方が水素であり、他方がメチルである(トランス−メチルを形成する)。好ま
しくは、R1およびR2は、それぞれ水素である。
適当なR3における医薬上許容されるエステルには、ヒト体内において容易に
分解し、親酸またはその塩を遊離するものが含まれる。
適当なR3の例には:
−CH(Ra)O.CO.Rb;
−CH(Ra)O.CO.ORc;
−CH(Ra)CO.NReRf;
−RdNReRf;
−CH2ORg;
CH(Ra)O.CO.C6H4Y1COCH(Ri)NH2;および
(式中、Raは、水素、(C1-6)アルキル、特にメチル、(C3-7)シクロアル
キル、またはフェニルであり、それぞれ所望により置換されていてもよい;
Rbは(C1-6)アルキル、(C1-6)アルコキシ(C1-6)アルキル、フェニル
、
ベンジル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル(C3-7)シクロアル
キル、1−アミノ(C1-6)アルキル、または、1−(C1-6アルキル)アミノ(
C1-6)アルキルであり、それぞれ所望により置換されていてもよい;または、
RaおよびRbは、一緒になって、所望により1または2個のメトキシ基により置
換されていてもよい1,2−フェニレン基を形成し;
Rcは、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル(
C3-7)シクロアルキルであり;
Rdは、所望によりメチルまたはエチル基により置換されていてもよい(C1-6
)アルキレンであり;
ReおよびRfは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ(C1-6)アルキル
であるかまたは所望によりたとえばヒドロキシにより置換されていてもよいアリ
ール(C1-4)アルキルであり;
Rgは、(C1-6)アルキルであり;
Rhは、水素、(C1-6)アルキルまたはフェニルであり;
R1は、水素、または、3個までのハロゲン、(C1-6)アルキルまたは(C1- 6
)アルコキシから選択される基で所望により置換されていてもよいフェニルで
あり;
Y1は、酸素またはNHである;
たとえば;
(a)アセトキシメチル、イソブチリルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル
、ベンゾイルオキシメチル、α−アセトキシエチル、α−ピバロイルオキシエチ
ル、1−(シクロヘキシルカルボニルオキシ)エチル、(1−アミノエチル)カ
ルボニルオキシメチル、2−メトキシプロプ−2−イルカルボニルオキシメチル
、フェニルカルボニルオキシメチルおよび4−メトキシフェニル−カルボニルオ
キシメチルなどのアシルオキシアルキル基;
(b)エトキシカルボニルオキシメチル、t−ブチルオキシカルボニルオキシメ
チル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、1−メチルシクロヘキシ
ルオキシカルボニルオキシメチルおよびα−エトキシカルボニルオキシエチルな
どのアルコキシ/シクロアルコキシカルボニルオキシアルキル基;
(c)ジアルキルアミノアルキル、特に、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミ
ノエチル、ジエチルアミノメチルまたはジエチルアミノエチルなどのジ−低級ア
ルキルアミノアルキル基;
(d)N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル、N,N−(2−ヒドロキシエ
チル)アミノカルボニルメチルなどのアセトアミド基;
(e)フタリジルおよびジメトキシフタリジルなどのラクトン基;
(f)(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル;
および、
(g)(2−メトキシカルボニル−E−ブト−2−エンーイル)メチル
などが含まれる。
R3の代表例には:
(2−メトキシカルボニル−E−ブト−2−エン−ル)メチル、イソブチリルオ
キシメチル、2−メトキシプロプ−2−イルカルボニルオキシメチル、フェニル
カルボニルオキシメチル、4−メトキシフェニル−カルボニルオキシメチル、t
−ブチルオキシカルボニルオキシメチル、シクロヘキシルオキシ−カルボニルオ
キシメチル、1−メチルシクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、N,N
−ジメチルアミノカルボニルメチルおよび(5−メチル−2−オキソ−1,3−
ジオキソレン−4−イル)メチルが含まれる。
R4およびR5の代表例には、アルキル基として、メチルが含まれる。(C3-7
)シクロアルキル環の代表例には、シクロプロピルが含まれる。適当には、R4
およびR5は、共に水素であるか、R4が水素であり、R5がメチルである。
適当には、Xは:
(a)直接結合;
(b)X’(CH2)m基(ここで、X’は、CO)CONR6、COO)CON
R6COまたはCONHOであり、R6は水素またはC(1-6)アルキルであり、m
は0または1ないし12の整数である);
(c)所望によりX'で中断されていてもよいC(1-12)アルキレン鎖;
(d)A−B基(ここで、Aは直接結合またはX’であり、Bは、O、S(O)n
、NR6、アルケンまたはアルキン(ここでR6は、水素またはC(1-6)アルキル
であり、およびnは0、1または2である)から選択される1またはそれ以上の
M基で中断および/またはAから離れた末端で終了している、C(1-12)アルキレ
ン鎖である)
である。
Xの代表例には、CO(CH2)m、CONH(CH2)m、COO(CH2)m、
CONHCO(CH2)m、ONHO(CH2)mおよびC(1-12)アルキレンが含ま
れる。好ましくは、X’は、COまたはCONR6であり、より好ましくは、C
ONHである。好ましくは、mは1、2、5、6、7または9であり、好ましく
は6である。好ましくは、XはCONH(CH2)6である。
さらに代表的なXの例には、XがA−B基であるとき、A’(CH2)aCH=
CH(CH2)b、A’(CH2)aC≡C(CH2),また}まA’(CH2)a(
O)c(CH2)b(O)d(ここで、A’は、直接結合またはCONR6あり、a
は1
たは1ないし12の整数であり、cは0または1であってdは1であるか、また
は、c1であってdは0である、ただし、cおよびdがともに1であるときb
適当には、Yは、所望により3個までの置換基で置換されていてもよいベンゼ
ン環である。適当な置換基には、ハロ、ヒドロキシ、C(1-8)アルキルおよびC( 1-8)
アルコキシが含まれる。好ましくは、Yは、所望により、ハロ、好ましくは
、フルオロまたはクロロ、好ましくは4位において、置換されたフェニルである
。
Z2に対するC(1-8)アルキルの代表例には、メチル、n−ブチル、t−ブチル
およびn−ヘキシル、シクロヘキシルおよびシクロヘキシルメチル、適当には、
n−ブチル、t−ブチルまたはn−ヘキシルが含まれる。Z2におけるアルキル
またはシクロアルキル基の適当な置換基には、CO2R3に加えて、ハロおよびヒ
ドロキシが含まれる。
Z2のアリ−ルC(1-4)アルキルの代表例には、アリ−ルC(1-3)アルキル、好
ましくは、アリ−ルCH2が含まれる。アリ−ル基の代表例には、フェニルおよ
びナフチル、好ましくは、フェニルが含まれる。適当な例には、ベンジル、2−
フェニルエチルおよび3−フェニルプロピル(各々のフェニル環は、所望により
、CO2R3に加えて、2個までの追加の置換基より置換されていてもよい)が含
まれる。適当には、追加の置換基には、ハロ、ヒドロキシ、C(1-6)アルキル、
C(l-6)アルコキシ、アリ−ルC(1-6)アルコキシ、C(1-6)アルキルチオ、C(1- 6)
アルキルスルフィニルおよびC(1-6)アルキルスルホニルが含まれる。
Z2のアリールの代表例には、フェニルおよびナフチルが含まれる。好ましく
は、アリ−ル基は、所望により置換されたフェニルである。フェニルまたはナフ
チル環の適当な置換基には、CO2R3に加えて、ハロ、ヒドロキシ、C(1-6)ア
ルキル、C(1-6)アルコキシ、アリールC(1-6)アルコキシ、C(1-6)アルキルチ
オ、C(1-6)アルキルスルフィニルおよびC(1-6)アルキルスルホニルが含まれる
。
Z2中に含まれるヘテロアリール基の代表例には、ピリジル、ピリジルN−オ
キシド、フラニル、チエニルおよびチアゾリルが含まれる。適当には、ヘトロア
リールアルキル基は、ヘテロアリールC(1-3)アルキルであり、より適当には、
ヘテロアリールメチルである。好ましいものには、所望により置換されたピリジ
ルメチル、フラニルメチル、チエニルメチルまたはチアゾリルメチルが含まれる
。ヘテロアリール環の適当な置換基には、CO2R3に加えて、ハロ、ヒドロキシ
、C(1-6)アルキル、C(1-6)アルコキシが含まれる。
好ましくは、Z1がS(O)nであるとき、nは1または2であり、より好ましく
は1である。
好ましくは、Z1はSO、および、Z2はアリ−ルメチルまたはヘテロアリール
メチルであり、特に、ベンジルまたはフラニルメチル、とりわけ、フラン−2−
イルメチルである。
Z1Z2CO2R3の好ましいものには:
より好ましくは:
が含まれる。
β−ラクタム環のC−4はキラル中心であり、これによりステレオアイソマー
が存在することは、当業者により容易に認識されるであろう。本発明は、すべて
の該ステレオアイソマーを包含する。Z1がSOである式(I)の化合物には、
さらにキラル中心が導入されるであろう。本発明は、すべての該ステレオアイソ
マーを包含する。R4よびR5同一でない場合、さらにキラル中心が導入されるで
あろう。これにより、さらにステレオアイソマーが存在することとなる。本発明
は、すべての該ステレオアイソマーを包含する。式(I)の好ましい化合物にお
いて、C−4およびSO部分の絶対配置は、それぞれ、RおよびSである。R4
=H、R5=Meである式(I)の好ましい化合物において、α−炭素(これにR5
が結合する)における絶対配置はSである。
式(I)の代表的な化合物には:
N−(6−(4−クロロフェニル)ヘキシ−1−イル)−4−((4−(シクロ
ヘキシルオキシカルボニルオキシ−メチルオキシカルボニル)ベンジルスルフィ
ニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド;
N−(6−(4−クロロフェニル)ヘキシ−1−イル)−4−((4−(フェニ
ルカルボニルオキシメチル−オキシカルボニル)ベンジルスルフィニル)−2−
オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド;
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチルオキシカルボニル)
ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド;
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−(tert−ブチルオキシカルボニルオキシメチルオキシカルボニル
)
ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド;
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−(1−メチルシクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチルオキシカ
ルボニル)ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセト
アミド;
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−(フェニルカルボニルオキシメチルオキシカルボニル)ベンジルスル
フィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド;
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−(4−メトキシフェニルカルボニルオキシメチルオキシカルボニル)
ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド;
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−(イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ベンジルスルフィニ
ル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド;
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−(2−メトキシプロプ−2−イルカルボニルオキシメチルオキシカル
ボニル)ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトア
ミド;
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−((5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メ
チルオキシカルボニル)ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−
イル)アセトアミド;
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−((2−メトキシカルボニル−E−ブト−2−エン−イル)メチルオ
キシカルボニル)ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)
アセトアミド;および、
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−(N,N−ジメチルアミノカルボニルメチルオキシカルボニル)ベン
ジ
ルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド;
が含まれる。
好ましくは、式(I)の化合物は、N−(6−[4−フルオロフエニル]ヘキ
シ−1−イル)−4−(4−カルボキシベンジルスルフィニル)−2−オキソア
ゼチジン−1−イル)アセトアミドのプロドラッグである。この製造は、WO9
6/19451(スミスクライン・ビーチャム・パブリック・リミテッド・カン
パニー)の実施例166に記載されている。
特に好ましい式(I)の化合物は、(4R,SS)−N−(6−[4−フルオ
ロフェニル]ヘキシ−1−イル)−4−(4−カルボキシベンジルスルフイニル
)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミドのプロドラッグであり;特
に:(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)
−4−(4−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチルオキシカルボニル
)ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド;
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−(1−メチルシクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチルオキシカ
ルボニル)ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセト
アミド;
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−(フェニルカルボニルオキシメチルオキシカルボニル)ベンジルスル
フィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド;
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−(イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ベンジルスルフィニ
ル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド;および、
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−(2−メトキシプロプ−2−イルカルボニルオキシメチルオキシカル
ボニル)ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトア
ミド;
が含まれる。
本明細書において用いる場合、「アルキル]なる用語および同様な「アルコキ
シ」なる用語は、すべての直鎖および分岐鎖異性体を包含する。これらの代表例
には、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec
−ブチル、iso−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルが含
まれる。
アルキル基の適当な置換基には、たとえば、特記しない限り、ハロゲン、シア
ノ、アジド、ニトロ、カルボキシ、(C1-6)アルコキシカルボニル、カルバモ
イル、モノ−またはジ−(C1-6)アルキルカルバモイル、スルホ、スルファモ
イル、モノ−またはジ−(C1-6)アルキルスルファモイル、アミノ、モノ−ま
たはジ−(C1-6)アルキルアミノ、アシルアミノ、ウレイド、(C1-6)アルコ
キシカルボニルアミノ、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニルアミノ、ア
リ−ル、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、(C1-6)アルコキシ、アシルオキシ、
オキソ、アシル、2−チエニル、(C1-6)アルキルチオ、(C1-6)アルキルス
ルフィニル、(C1-6)アルキルスルホニル、ヒドロキシイミノ、(C1-6)アル
コキシイミノ、ヒドラジノ、ベンゾヒドロキシモイル、グアニジノ、アミジノお
よびイミノアルキルアミノが含まれる。
本明細書において用いる場合、「アリール」なる用語は、特記しない限り、所
望により5個まで、好ましくは3個までの置換基で置換されていてもよい、フェ
ニルまたはナフチルを意味する。
アリール基の適当な置換基には、たとえば、特記しない限り、ハロゲン、シア
ノ、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルコキシ、ハ
ロ(C1-6)アルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノ−またはジ−(C1-6)アルキ
ルアミノ、アシルアミノ、ニトロ、カルボキシ、(C1-6)アルコキシカルボニ
ル、(C1-6)アルケニルオキシカルボニル、(C1-6)アルコキシカルボニル(
C1-6)アルキル、カルボキシ(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキルカルボニ
ルオキシ、カルボキシ(C1-6)アルキルオキシ、(C1-6)アルコキシカルボニ
ル(C1-6)アルコキシ、(C1-6)アルキルチオ、(C1-6)アルキルスルフィ
ニル、(C1-6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ−またはジ−(C1 -6
)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ−またはジ−(C1-6)
アルキルカルバモイルおよびヘテロサイクルが含まれる。
本明細書において用いる場合、「ヘテロサイクル]なる用語は、酸素、窒素お
よび硫黄から選択されるヘテロ原子を環中に4個まで有し、所望により3個まで
の置換基で置換されていてもよい、芳香族および非芳香族、単環または縮合環を
意味する。適当には、ヘテロ環は、4ないし7、好ましくは5ないし6個の環原
子を有する。縮合ヘテロ環系は、複数の炭素環を有し、一つのヘテロ環を含むだ
けであってもよい。
置換されている場合には、ヘトロアリ−ルまたはヘテロサイクル基は、3個ま
での置換基を有することができる。適当には、該置換基には、アリ−ル基につい
てすでに述べたものならびにオキソが含まれる。
本明細書において用いる場合、「ハロゲン」および「ハロ」なる用語は、フッ
素、塩素、臭素およびヨウ素、ならびに、フロロ、クロロ、ブロモおよびヨード
をそれぞれ含む。
本発明の化合物、特に式(I)の化合物は、医薬組成物における使用を意図す
るものであるので、これらは各々本質的に純粋な形態、たとえば、少なくとも5
0%純粋、さらに適当には少なくとも75%純粋、好ましくは、少なくとも95
%純粋(%は、wt/wtに基づく)で提供されることが理解される。式(I)
の純粋でない調製物を、医薬組成物において使用されるさらに純粋な形態を調製
するために用いることができる。本発明の中間体化合物の純度はさほど重要では
ないけれども、式(I)の化合物として実質的に純粋な形態が調製されることが
容易に理解される。好ましくは、可能な場合、本発明の化合物は、結晶形態とし
て得られる。
本発明の化合物のいくつかを有機溶媒から結晶化するかまたは再結晶した場合
、結晶化の溶媒が結晶生成物中に存在し得る。本発明は、該溶媒和物を包含する
。同様に、本発明の化合物のいくつかを、水を含む溶媒から結晶化または再結晶
することができる。この場合には、水和水が形成され得る。本発明は、化学量論
的水和物、ならびに、凍結乾燥などにの方法により製造され得る様々な量の水を
含有する化合物を、その範囲に包含する。加えて、異なる結晶化条件により、結
晶
生成物の異なる多形形態が形成される。本発明は、式(I)の化合物のすべての
多形形態をその範囲に包含する。
本発明の化合物は、酵素リポプロテイン関連ホスホリパーゼA2(Lp−PL
A2)の阻害剤であり、それにより、治療、特にアテローム性動脈硬化症の治療
における使用が期待される。それゆえ、さらなる態様において、本発明は、治療
における使用のための式(I)の化合物を提供する。
式(I)の化合物は、Lp−PLA2によるリゾホスファチジルコリン生成の
阻害剤であり、それゆえ、たとえば、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、高血圧
、狭心症および虚血後ならびに再還流などの内皮障害を含む、いかなる疾患にお
いても一般的に適用を有する。加えて、式(I)の化合物は、たとえば、アテロ
ーム性動脈硬化症および糖尿病などの状態に加え、リウマチ性関節炎、発作、ア
ルツハイマー病などの脳の炎症状態、心筋梗塞、再還流障害、敗血症、および、
急性ならびに慢性炎症などの他の状態などの酵素活性に関連する脂質過酸化が関
与するいかなる疾患においても一般的に適用を有する。さらに、該状態には、精
神分裂病などのさまざまな神経精神病学的疾患が含まれる(Psychopharmacology
Bulletin,31,159-165,1995参照)。
さらなる適用には、単球、マクロファージまたはリンパ球はすべてLp−PL
A2を発現するので、活性化されたこれらの細胞が関与する疾患が包含される。
該疾患の例には、乾癬が含まれる。
したがって、さらなる態様において、本発明は、酵素Lp−PLA2の活性と
関連する疾患症状を治療する方法であって、該治療を必要とする患者を治療学的
に有効な量の酵素の阻害剤で治療することを含む方法を提供する。疾患症状は、
単球、マクロファージまたはリンパ球の増加した関与;リゾホスファチジルコリ
ンおよび酸化遊離脂肪酸の形成;Lp−PLA2活性と関連する脂質過酸化;ま
たは内皮障害に関連する。
本発明の化合物は、また、抗高脂血症、抗アテローム性動脈硬化症、抗糖尿病
、抗アンギナ、抗炎症または抗高血圧剤と組み合わせて、上記した疾患状態の治
療に用いることもできる。上記の例には、スタチン(statins)などのコレステ
ロー
ル合成阻害剤、プロブコール(probucol)などの抗酸化剤、インシュリン感作剤
、カルシウムチャンネルアンタゴニスト、および、NSAID類などの抗炎症剤
が含まれる。
治療的使用において、本発明の化合物を、標準的な医薬組成物において、通常
投与する。それゆえ、本発明は、さらなる態様において、式(I)の化合物およ
び医薬上許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。
適当な医薬組成物には、経口または非経口投与用または座剤として適当される
ものを含む。
経口的に投与された場合に活性である式(I)の化合物を、たとえば、シロッ
プ、懸濁剤またはエマルジョンなどの液体、錠剤、カプセル、および、ロゼンジ
に処方することができる。
液体処方は、一般に、懸濁化剤、防腐剤、風味剤、着色剤を含む、たとえば、
エタノール、グリセリン、たとえばポリエチレングリコール、油またはワックス
などの非水性溶媒などの適当な液体担体(複数でも可)中の化合物または医薬上
許容される塩からなる。
錠剤の形態である組成物は、固体処方物を製造するために通常用いられる適当
な医薬担体(複数でも可)を用いて、製造することができる。該担体の例には、
ステアリン酸マグネシウム、スターチ、ラクトース、シュークロースおよびセル
ロースが包含される。
カプセルの形態である組成物は、通常の被包方法を用いて製造することができ
る。たとえば、活性成分を含むペレットを標準的な担体を用いて調製し、ついで
、ハードゼラチンカプセル中に装填することができる;別法として、たとえば、
水性ガム、セルロース、シリケートまたは油などの適当な医薬担体(複数でも可
)を用い、分散剤または懸濁剤を調製し、ついで分散剤または懸濁剤をソフトゼ
ラチンカプセル中に装填することができる。
典型的な非経口組成物は、たとえば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピ
ロリドン、レシチン、落花生油またはごま油などの、滅菌水性担体または非経口
的に許容される油中の式(I)の化合物の溶液または懸濁剤からなる。別法とし
て、溶液を凍結乾燥し、ついで、投与の直前に適当な溶媒で再構成することがで
きる。
典型的な座剤処方物は、この経路で投与された場合に活性である式(I)の化
合物と、ポリマー化グリセロール、ゼラチンまたはココアバターまたは他の低融
植物性または合成ワックスまたは油脂などの結合剤および/または滑沢剤を含む
。
好ましくは、組成物は、錠剤またはカプセルなど絵の単位用量形態である。
経口投与用の各投与単位には、好ましくは、1ないし500mgの式(I)の
化合物が含まれる(および、非経口投与用には好ましくは0.1ないし25mg
含まれる)。
成人患者に対する一日投薬量は、たとえば、式(I)の化合物の、1mgおよ
び1000mg、好ましくは1mgおよび500mgの間の経口用量、または、
0.1mgおよび100mg)好ましくは、0.1mgおよび25mgmの間の
静脈内、皮下、または筋肉内の用量であり、化合物は、一日あたり1回から4回
投与される。適当には、化合物は、たとえば、一週間またはそれ以上の、連続的
な治療の間において投与される。
式(I)の化合物は、式(II):(式中、R1、R2、R3、X、Y、Z1およびZ2は、上記と同意義である)の対
応する親酸;または対応する塩、(C1-8)アルキルエステルまたはそれらの活
性化誘導体を式(III):
R3R7 (III)
(式中、R7は、反応性エステル化脱離基;および
R3は、上記と同意義である)
の化合物と、エステル形成条件下で反応させることからなる方法により簡便に製
造できる。
適当なエステル形成条件は、当業者において周知であり、たとえば、Comprehe
nsive Organic Synthesis,Pergamon Press,1991,6,323-380 に記載されている。
適当なエステル形成条件には:
(a)式(II)の酸の塩(たとえば、ナトリウムまたはトリエチルアミンなどの
第4級アミン塩)を、式(III)の化合物と、極性非プロトン性溶媒(ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはアセトニトリルなど)中、穏やかな
温度(たとえば、0ないし100℃の範囲)で、反応させる;
(b)式(II)の酸を式(III)の化合物と、塩基(アルカリ金属炭酸塩または
第4級アミンなど)の存在下、極性非プロトン性溶媒中、(a)におけるような
温度で反応させる;
(c)式(II)の酸をR7がヒドロキシ基である式(III)の化合物と、脱水条件
(たとえば、アゾジカルボキシレートおよび三価リン試薬を用いるミツノブ反応
(Mitsunobu reaztion,Mitsunobu,Synthesis,1981,1)下で反応させる;または、
(d)式(II)の酸の活性化誘導体(たとえば、混合無水物、たとえば、イソ−
ブチルカルボン酸またはメタンスルホン酸無水物、またはカルボジイミド(DC
C)付加物)を、R7がヒドロキシ基である式(III)の化合物と、適当な塩基(
第4級アミンなど、たとえば、トリエチルアミン)の存在下、非プロトン性溶媒
(テトラヒドロフランなど)中、穏やかな温度、好ましくは、−20ないし+2
0℃の範囲で反応させるか、または、別法として、塩基の非存在下、アルコール
の形成された塩(たとえば、マグネシウム、またはリチウムアルコキシド)を用
いて反応させる。
ことが含まれる。
好ましい条件には、式(II)の酸のナトリウム塩を式(III)の化合物のハラ
イドまたはスルホナート誘導体との組み合わせで使用することが含まれる。
式(II)の化合物の製造は、国際特許出願WO96/13484、WO96/
19451およびPCTEP96/02765(スミスクライン・ビーチャム・
パブリック・リミテッド・カンパニー)に記載されている。
好ましい式(I)の化合物は、式中、R1=R2=水素;Z1Z2CO2HがSO
CH2C6H4CO2H;R4=R5=水素;XがCONH(CH2)6およびYがC6
H4Fであり、(4R,SS)配置である式(II)の化合物、すなわち、(4R
,SS)N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−4−(4−
カルボキシベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセト
アミドのプロドラッグである。これは、WO96/19451 02765(ス
ミスクライン・ビーチャム・パブリック・リミテッド・カンパニー)中にすでに
記載されている方法と類似する方法で製造できる。特に、カギとなる工程は、式
(IV):
(式中、R*は、たとえば、C(1-6)アルキルまたはC(2-6)アルケニルなどのカ
ルボキシ保護基である)
の早期段階の中間体の、キラル塩基(たとえば、(−)−シンコニジンなど)と
のジアステレオマー塩の形成を経由する、分割である。好ましいジアステレオマ
ー塩は、分別結晶および酸化によるエナンチオマー遊離酸の再形成により、得る
ことができる。ついで、これをこれまでに記載したのと類似の方法により、式(
II)の化合物に変換する。最終工程において、遊離酸をカルボキシ基がC(1-6)
アルキルまたはC(2-6)アルケニルエステルなどの保護されたものである対応す
る化合物から;特に保護基における当該分野で周知の方法(たとえば、アリル基
の場合には、パラジウム触媒化脱アリル化(ジクロロメタン中、トリフェニルホ
スフィン/ピロリジン/テトラキストリフェニル−ホスフィンパラジウム(O)
)を用いて、再形成できる。
本発明を以下の実施例により例示する。特記しない限り、すべての化合物はラ
セミである。キラル化合物は、4がアゼチジノンのC4位の中心を記載し、Sが
スルホキシド中心を記載する場合、4RまたはS、SRまたはSと記載される。
試薬の製造の一般的方法
1.ヨードメチルシクロヘキシルカルボネート
ClCH2OCOCl + C6H11OH → ClCH2OCO2C6H11
クロロメチルクロロホルメートをシクロヘキサノールと、ジクロロメタン/ピ
リジン中、一般的には、参考文献:Y.Yoshimura et al.,J.Antibiot.,1987,40(1)
,81-90 に記載されるように、反応させた。続く、塩化物のヨウ化物への変換は
、当業者に周知の簡単な「フィンケルシュタイン反応(Finkelstein reaction)
」である。
2.(ベンゾイルオキシ)ヨードメタン
PhCO2H + ClSO2OCH2Cl → PhCO2CH2Cl
この一般的経路は、参考文献に記載されている:E.Binderup et al.,Syntheti
cCommun.,1984,14(9),857-869。続く、塩化物の対応するヨウ化物への変換は、
前記のフィンケルシュタイン反応を用いる。
製造例
製造1− (4R,SS)−N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシ−1−
イル]−4−(4−カルボキシベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン
−1−イル)アセトアミド
a.(+/−)−メチル 4−(4−(アリルオキシカルボニル)ベンジルチオ
)−2−オキソアゼチジン−1−イルアセテート
4−(4−(アリルオキシカルボニル)ベンジルチオ)アゼチジン−2−オン
(2.55g,9.2mmol)、テトラブチルアンモニウムブロマイド(0.33g,1.02mmol)
およびメチルブロモアセテート(1.06ml,11.2mmol)の乾燥テトラヒドロフラン
(40ml)中撹拌溶液に、粉末化水酸化カリウム(0.63g,11.2mmol)を冷水浴によ
り反応
温度を30以下に保ちながら、添加した。2時間後混合物を水で希釈し、酢酸エ
チルで三回抽出した。合した抽出物を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させ、残渣
をクロマトグラフィーに付し(ファインシリカ、酢酸エチル−石油(petro
l))、標記化合物を澄んだ油として、2.66g(83%)得た。1
H NMR δ (CDC13)2.97(lH,dd,H3a),3.26,4.07(各々1H,CH 2CO,d),3.42(lH,dd,H3
b),3.70(3H,s,CH 3O),3.81(2H,s,SCH 2),4.83(2H,m,CH 2O),4.93(lH,dd,H4),5.35(2
H,m,CH 2CH),6.03(lH,m,CHCH2),7.39(2H,d,Ph-H),8.02(2H,d,Ph−H)
b.(+/−)−4−(4−(アリルオキシカルボニル)ベンジルチオ)−2−
オキソアゼチジン−1−イル酢酸
テトラヒドロフラン(20 ml)中のメチル 4−(4−(アリルオキシカルボ
ニル)ベンジルチオ)−2−オキソアゼチジン−1−イルアセテート(2.17g,6.
21mmol)の溶液に、冷却しながら(氷浴)、10分にわたり、1モルの水酸化
カリウムの水性溶液を滴下した。さらに30分後、溶液を水で希釈し、エーテル
で2回抽出した。ついで、水層を冷却しながら酸性化し(希塩酸)、沈殿する油
をエーテル中に抽出した。合した抽出物を乾燥させ(MgSO2)、蒸発させ、
澄んだ油を得、石油下で結晶化し、濾過し、洗浄して、乾燥させ、白色結晶とし
て標記化合物を得た。1.87g、 90%収率1
N NMRδ (CDCl3)2.98(lH,dd,H3a),3.34,4.06(各々1H,CH 2CO,d),3.42(lH,dd,H3b
),3.82(2H,s,SCH 2),4.82(2H,m,CH 2O),4.92(lH,dd,H4),5.34(2H,m,CH 2CH),6.03(l
H,m.CHCH2),7.39(2H,d,Ph-H),8.02(2H,d,Ph-H)c.(−)−(R)−4−(4−
(アリルオキシカルボニル)ベンジルチオ)−2−オキソアゼチジン−1−イル
酢酸
エタノール(40ml)中の4−(4−(アリルオキシカルボニル)ベンジルチオ)
−2−オキソアゼチジン−1−イル酢酸(3.41g,10.2mmol)およびシンクロニジン
(2.99g,10.2mmol)を加熱して沸騰させ、透明な溶液を得た。90分間放置後、沈
殿している結晶塩を濾別し、エタノール(20ml)から再結晶した。得られた固体を
、希塩酸で酸性化しながら、エーテルおよび水とともに激しく攪拌し、完全な
溶液が得られたとき、層を分離し、水層をさらにエーテルで抽出した。合した抽
出物を乾燥させ(MgSO4)、油にまで蒸発させ、これを軽油でトリチュレーシ
ョンして結晶化し、標記化合物を白色結晶として得た。融点74−76℃、6.
7g、50%収率
αD 25=-24.2(c.0.7w/v CHCl3,25℃)1
HNMRδ(CDCl3)2.97(lH,dd,H3a),3.26,4.07(各々1H,CH 2CO,d),3.42
(lH,dd,H3b),3.70(3H,s,CH 3O),3.81(2H,s,SCH 2),4.83(2H,m,CH 2O),4.93
(lH,dd,H4),5.35(2H,m,CH 2CH),6.03(IH,m,CHCH2),7.39(2H,d,Ph-H),
8.02(2H,d,Ph-H)
d.(R)−N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシ−1−イル]−4−(
4−アロキシカルボニルベンジルチオ)−2−オキソアゼチジン−1−イル)ア
セトアミド
乾燥ジメチルホルムアミド(150ml)中の(R)−4−(4−(アリルオキシカ
ルボニル)ベンジルチオ)−2−オキソアゼチジン−1−イル酢酸(12.51g,0.0
373mol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(5.04g,0.0373mol)および6
−(4−フルオロフェニル)ヘキシルアミン(0.0373mol)の冷却(氷浴)溶液
に、攪拌しながら、ジシクロヘキシルカルボジイミド(7.29g,0.0373mol)を添加
した。20分後、冷却浴を除去し、さらに16時間後、溶媒を減圧下蒸発させ、
残渣を酢酸エチルで処理し、不溶性沈殿物を濾別し、排除した。濾液をさらに酢
酸エチルで希釈し、0.2M塩酸、ついで飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、乾
燥させ、減圧下蒸発させた。残渣を酢酸エチル/軽油でトリチュレートし、標記
化合物を白色結晶として得た。融点54−57℃、17g、89%収率。1
H NMR δ (CDCl3) 1.30-1.60 (8H, m, 4xCH 2), 2.55 (2H, t, J=7.6 Hz,CH 2Ph)
,2.90,2.97(lH,dd,J=2.4,15.4 Hz,H 3),3.23(2H,m,NHCH 2),3.35,3.41(lH,dd,J=5.
1,15.4Hz,H 3),3.53,3.78(各々IH,d,J=16.6Hz,NCH 2),3.86(2H,s,SCH 2), 4.83 (3H
, m, CO2CH 2,H 4), 5.37 (2H,m,CH 2=CH), 6.0(2H,m,NH,CH2=CH),6.94 (2H,m,4-FP
h-H),7.10 (2H,m,4.FPh-H),7.39 (2H,d,J=8.3Hz,4-CO2アリルPh-H),8.02(2H,d,J
=8.3Hz,4-CO2アリルPh-H)
e.(4R,SS)−N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシ−1−イル]
−4−(4−アロキシカルボキシベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジ
ン−1−イル)アセトアミド
(R)−N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシ−1−イル]−4−(4
−アロキシカルボニルベンジルチオ)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセ
トアミド(16.36g,0.0319mol)のジクロロメタン(150ml)中溶液を-65ないし−7
0に冷却し、ジクロロメタン(120ml)中のm−クロロ過酸化安息香酸(6.61g,0.03
83mol)溶液を20分にわたり攪拌しながら滴下した。1時間後、混合物を飽和メ
タ重亜硫酸ナトリウム溶液、ついで、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、乾燥さ
せ(MgSO4)、固体にまで蒸発させ、これを酢酸エチルから再結晶し、ジアス
テレオマ−2および1の混合物を3:2の比で得た。クロマトグラフィ分離(H
PLC)により、ジアステレオマ−2(4R,SS)を白色結晶固体として得た
。融点133−5℃、3.3g)20%収率。
αD 25 ℃=+74.0(c.0.6% w/v CHCl3,25℃)
1H NMRδ (CDCl3) 1.30-1.60 (8H, m, 4xCH 2), 2.56 (2H, t, J=7.6 Hz,CH 2
Ph), 2.91,2.95(lH, dd, J=2.4,15.2Hz,H 3),3.27(3H,m,NHCH 2,H 3),3.94,4.22 (
各々 1H, d, J=17.2Hz, NCH 2),4.04,4.18 (各々1H, d, J=12.8 Hz,SOCH 2),4.6
5(lH,m,H 4),4.84(2H,m,CO2CH2),5.37(2H,m,CH 2=CH),6.0(lH,m, CH2=CH), 6.95(3
H,m,4-FPh-H, NH),7.10(2H,m,4-FPh-H),7.36(2H,m,4-CO2アリルPh-H),8.09(2H,m
,4-CO2アリルPh-H).
f.(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)
−4−(4−カルボキシベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−
イル)アセトアミド
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−アロキシカルボキシベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン
−1−イル)アセトアミド(0.185g,0.35mmol)、トリフェニルポスフィン(0.092g
,0.35mmol)、ピロリジン (0.033ml,0.4mmol)およびテトラキストリフェニルホス
フィンパラジウム(O)(0.012g,0.01mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液
を窒素下16時間撹拌した。さらに、0.012g(0.01mmol)のテトラキストリ
フェニルホスフィンパラジウム(0)を添加し、さらに4時間後反応が終了した
。溶液を水で希釈し、酸性化し(2NHCl)、層を分離し、水層をさらにジク
ロロメタンで抽出した。合した抽出物を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させて、
黄色油とし、これをエーテルでトリチュレートした。黄色固体が得られ、これを
濾別し、炭酸水素ナトリウム溶液中に溶解した。エーテルと振盪し、エマルジョ
ンを得、これを酢酸エチルで処理し、遠心して分離した。ついで、水層を酸性化
し(2NHCl)、ジクロロメタンで抽出し、抽出物を乾燥させ(MgSO4)
、蒸発させた。残渣をエーテルでトリチュレートし、白色固体を得、濾過し、洗
浄し、乾燥させ、標記化合物を白色固体として得た。融点105−107℃、0.
1g、58%収率。
αD 25 ℃=-31.7(c.0.5% w/v DMSO,25℃)1
H NMRδ (DMSO)1.26(4H,m,2xCH 2),1.38 (2H,m,CH 2),1.50 (2H,m,CH 2
),2.96,2.99 (lH,dd,J=2,15.2 Hz,H 3),3.06 (2H,m,NHCH 2),3.84,4.09(各々1H,d,
J=17.2Hz,NCH 2),4.13,4.31(各々1H,d,J=12.8 Hz,SOCH 2),4.84(lH,m,H 4),7.05(2H
,m,4-FPh-H),7.19(2H,m,4-FPh-H),7.47(2H,d,J=8 Hz,4-CO2アリルPh-H),7.93(2H
,d,J=8 Hz,4-CO2アリルPh-H),8.13(lH,m,NH),13(lH,bs,CO2 H).
製造2− 4R)SS−N−(6−(4−フルオロフェニル)ヘキシ−4−(4
−エトキシカルボニルベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イ
ルアセトアミド
a. エチル 4−(ブロモメチル)ベンゾエート
4−(ブロモメチル)安息香酸(25.75g,0.1197moles)を塩化チオニル(50ml)中
に懸濁し、ジメチルホルムアミド(0.25ml)を添加した。混合物を透明にまで25
分間還流下過熱し、蒸発させ、トルエンと共沸した(2回)。得られた油をジクロ
ロメタン(75ml)中に溶解し、10分にわたり無水アルコール(8.6ml,0.1465moles)
、ピリジン(10.5ml,0.1298moles)の乾燥ジクロロメタン(50ml)中溶液に滴下し、
1
0℃に冷却した。氷浴を除去し、反応物を45分間攪拌し、ついで、水、2NH
Cl水、炭酸水素ナトリウム溶液および塩水で洗浄した。有機溶液を乾燥させ(
MgSO4)、蒸発させて、60:40のエチル 4−(ブロモメチル)ベンゾ
エート:エチル 4−(クロロメチル)ベンゾエートの混合物を油として得た(2
5.6g,94%)。1
H nmrδ(CDCl3)1.40(3H,m,CH 3),4.40(2H,m,CH 20),4.50,4.61(2H,2xs,
CH 2Cl/Br),7.45(2H,m,Ar-H),8.01(2H,m,Ar-H)
b.エチル 4−(アセチルチオメチル)ベンゾエート
5℃に冷却した乾燥ジメチルホルムアミド(150ml)中の60:40 エチル4
−(ブロモメチル)ベンゾエート:エチル 4−(クロロメチル)ベンゾエート(
25.0g,0.111moles)をチオ酢酸カリウム(13.3g,0.117moles)と反応させ、温度を
20℃に上昇させた。反応物を室温で2時間攪拌し、水(250ml)中に注ぎ、ジエ
チルエーテルで抽出した(3x100ml)。有機抽出物を合し、水で洗浄し、乾燥させ
(MgSO4)、活性炭処理し、蒸発させ、エチル 4−(アセチルチオメチル
)ベンゾエートを茶色固体として得た(26.0g,99%)、融点36−37℃。1
Hnmr δ (CDCl3)1.38(3H,t,J=7.1Hz,CH 3),2.36(3H,s,COCH 3),4.14(2H,s,CH 2S
),4.36(2H,q,CH 2O),7.35(2H,d,J=8.2Hz,Ar-H),7.97(2H,d,J=8.2Hz,Ar-H)
c.4−(4−(エトキシカルボニル)ベンジルチオ)アゼチジン−2−オン
無水アルコール(300ml)中のナトリウム溶液(1.87g,0.0813moles)をエチル 4−
(アセチルチオメチル)ベンゾエート(19.4g,0.0814moles)の無水アルコール(75
ml)中溶液と3分にわたり反応させた。反応物を室温で30分間攪拌し、−5℃
に冷却し、4−アセトキシアゼチジン−2−オン(10.0g,0.07745moles)の溶液
と5分にわたり反応させた。冷却浴を除去し、反応物を2時間攪拌し、蒸発させ
て乾燥させ、塩水(200ml)で処理し、酢酸エチルで抽出した(200ml,100ml)。有機
抽出物を合し、塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、赤色油にまで蒸発させた
。フラッシュカラムクロマトグラフィーによりシリカ上、3:1から2:1石油
エーテル40−60℃:酢酸エチルで溶出して精製し、4−(4−(エトキシカル
ボニル)ベンジルチオ)アゼチジン−2−オンを橙色油として得た(18.64g,91%
)。l
H nmr δ( CDC13)1.38(3H,t,J=7.1Hz,CH 3),2.82,2.89(lH,2xm,H 3),3.29,3.35(
lH,2xm,H 3),3.88(2H,s,CH 2S),4.37(2H,q,CH 2O),4.70(lH,m,H 4),5.70(lH,bs,NH),
7.40(2H,d,J=8.3Hz,Ar-H),8.00(2H,m,Ar-H)
d.メチル(4−(4−エトキシカルボニル)ベンジルチオ)−2−オキソアゼ
チジン−1−イルアセテート
4−(4−(エトキシカルボニル)ベンジルチオ)アゼチジン−2−オン(217.
3g,0.819mol)、メチルブロモアセテート(128.5g,0.84mol)およびテトラブチルア
ンモニウムブロマイド(25.8g,0.08mol)の乾燥THF(900ml)中攪拌溶液を氷浴中
で20℃に冷却し、微紛化水酸化カリウム(48.3g,0.86mol)を一度で添加した。反
応物は45℃まで発熱し、30℃に冷却し、氷浴を取り外し、攪拌を1時間続け
た。さらに、水酸化カリウム(2.4g,0.043mol)を添加し、30分攪拌し、この添
加を繰り返した。さらに30分後、反応混合物をハイフロ(hyflo)を通して濾
過し、さらにTHFで洗浄した。合した有機物を赤色油にまで蒸発させた。エー
テル(11)を添加し、よく振り混ぜた。エーテルをデカントし、工程を繰り返した
。合したエーテル抽出物を蒸発させ、標記化合物を暗赤色油として得た(199.8g,
72% 収率)。l
HNMRδ (CDCl3),1.40(3H,t,J=7Hz,CH2CH 3),2.98(lH,dd,J=2,15Hz,H 3),3.26
,4.03(各々1H,d,J=18Hz,NCH 2),3.42(lH,dd,J=5,15 Hz,H 3),3.70(3H,s,OCH 3),3.8
1,(2H,m,SCH 2),4.38(2H,q,J=7 Hz,OCH 2),4.93(lH,m,H 4),7.39(2H,m,Ph-H),7.99(
2H,m,Ph-H).
e.(4−(4−エトキシカルボニル)ベンジルチオ)−2−オキソアゼチジン
−1−イル酢酸
メチル(4−(4−エトキシカルボニル)ベンジルチオ)−2−オキソアゼチ
ジン−1−イルアセテート(169.8g,0.503mol)をTHF(750ml)中に溶解し、O℃
に冷却し、水酸化カリウム(29.7g,0.529mol)の水(500ml)中溶液を15分にわた
り0−5℃で添加し、ついで、混合物を0℃で45分間攪拌した。エーテル(11)
および水(21)を添加し、層を分離し、水層をエーテル(11)で洗浄し、ついで、濃
塩酸
(55ml)で酸性化し、ジクロロメタンで抽出した(2x11)。合した抽出物を塩水で洗
浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させて、標記化合物を緑色固体として得た(
128.4g,79%収率)。
f.(−)−R−(4−(4-エトキシカルボニル)ベンジルチオ)−2−オキソ
アゼチジン−1−イル酢酸
4−(4−エトキシカルボニル)ベンジルチオ)−2−オキソアゼチジン−1
−イル酢酸(46.0g,0.1422moles)および(−)−シンクロニジン(41.88g,0.1423m
oles)を無水アルコール(450ml)中に溶解した。溶液を1.5時間冷却し、濾過し
、乾燥させ、クリーム色固体として塩を得た(33.15g)。この固体を無水アルコー
ル(300m1)から再結晶し、23.6gの塩を得、これを水(500ml)およびジエチル
エーテル(500ml)と混合し、希HCI(50ml)で酸性化した。すべての固体が溶解
したとき、層を分離し、水層をエーテル(250ml)で抽出した。有機抽出物を合し
、酢酸エチル(100ml)を添加し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、蒸
発させ、R−(4−(4−エトキシカルボニル)ベンジルチオ)−2−オキソア
ゼチジン−1−イル酢酸を無色固体として得た(10.93g,23.8%)。融点135−137
℃。
αD=-23.5(c=0.46 w/v クロロホルム中 25℃)l
H NMRδ (CDCl3)1.39(3H,t,J=7.1Hz,CH 3)2.96,3.020(lH,dd,J=2.2,15.3Hz,H 3
)3.33,4.05(各々1H,d,J=18.4Hz,NCH 2CO2H),3.40,3.46(lH,dd,J=5.1,15.3Hz,H 3
),3.82(2H,s,SCH 2),4.37(2H,q,CO2CH 2),4.68(lH,b,CO2H),4.92(lH,m,H 4),7.38(2
H,d,J=8.2Hz,Ph-H),7.99(2H,d,J=8.2Hz,Ph-H)
g.4R,SR−(4−(4−エトキシカルボニル)ベンジルスルフィニル)−
2−オキソアゼチジン−1−イル酢酸(ジアステレオマー 1)
h.4R,SS−(4−(4−エトキシカルボニル)ベンジルスルフィニル)−
2−オキソアゼチジン−1−イル酢酸(ジアステレオマー 2)
(−)−R−(4−(4−エトキシカルボニル)ベンジルチオ)−2−オキソ
アゼチジン−1−イル酢酸(10.8lg,0.03343moles)の乾燥ジクロロメタン(400ml)
中溶液を−70℃でオゾンと青色着色が表れるまで反応させた。反応物を室温に
加温し、ジクロロメタン(50ml)を添加し、攪拌を促進した。溶液を蒸発させ、乾
燥させ、得られた固体をクロロホルム(200ml)と混合した。無色固体を濾過によ
り収集し、4R,SR−(4−(4−エトキシカルボニル)ベンジルスルフィニ
ル)−2−オキソアゼチジン−1−イル酢酸を得た(4.llg,36%)。融点162−
164℃(15.8:1 ジア1:ジア2含有)1
HNMR δ (DMSO)1.33(3H,t,J=7Hz,CH 3),2.97,3.04 (lH,dd,J=4.8,
14.8Hz,H 3),3.12,3.16(lH,dd,J=1.6,14.8Hz,H 3),3.83,4.17(各々lH,d,J= 18Hz,N
CH 2CO2H),4.92,4.24 (lH,d,J = 12.8Hz,SOCH 2), 4.32(2H,q,CO2CH 2),4.99(lH,m
,H 4),7.48(2H,d,J=8.0Hz,Ph-H),7.96(2H,d,J=8.0Hz,Ph-H)
上記からの濾液を蒸発させ、ジエチルエーテルと混合し濾過して、4R,SS
−(4−(4−エトキシカルボニル)ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼ
チジン−1−イル酢酸を得た(6.42,56%)。融点152−155℃(92:8のジ
ア2:ジア1含有)1
HNMR δ (DMSO) 1.33 (3H,t,J=7 Hz,CH 3),2.97,3.01(lH,dd,J=2.0,15
.5Hz,H 3),3.35(lH,m,H 3),3.95,4.17(各々1H,d,J=18.2Hz,NCH 2CO2H),4.15(lH,d,S
OCH 2の1),4.32(3H,m,SOCH 2の1,CO2CH 2),4.82(lH,m,H 4),7.51(2H,d,J=8.2Hz,Ph-H
),7.97(2H,d,J=8.2Hz,Ph-H)
i.(+)−4R,SS−N−(6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル)−4
−(4−エトキシカルボニルベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−
1−イルアセトアミド
乾燥ジメチルホルムアミド(75ml)中の6−(4−フルオロフェニル)ヘキシル
アミン(1.82g,0.00932moles)を、4R,SS−(4−(4−エトキシカルボニ
ル)ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル酢酸(3.15g,0.0
0928moles),N,N−ジシクロヘキシルアルボジイミド(1.92g,0.00931moles)およ
び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.25g,0.00925moles)の混合物に添加した
。反応物を室温で3.5時間攪拌し、酢酸エチル(100ml)で希釈し、冷却した。混合
物を濾過し、ウレアを除去し、濾液を蒸発させ、乾燥させた。残渣を酢酸エ
チル(400ml)に溶解し、炭酸水素ナトリウム溶液、塩水で洗浄し、乾燥させ、蒸
発させ、無色固体(5.8g)を得、これを酢酸エチル(125ml)から再結晶し、生成物
を得た(3.0g)。カラムクロマトグラフィーグラフィーにより精製し、4R,SS
−(4−(4−エトキシカルボニル)ベンジルスルフィニル−2−オキソアゼチ
ジン−1−イル酢酸を無色固体として得た。155−156℃、1.8g、38
%収率。1
H NMR δ(CDCl3) 1.3-1.6 (llH,m,4xCH 2,CH 3), 2.56 (2H,t,J=7.6Hz,CH 2P
h),2.89,2.96(lH,dd,J=2.4,15.3Hz,H 3),3.25(3H,m,NHCH 2,H 3),3.94,4.22(各々 1
H,d,J=17Hz,NCH 2CO),4.03,4.18(各々 1H,d,J=12Hz,SOCH 2),4.39(2H,q,CO2CH 2),4
.65(lH,m,H 4),6.9-7.12(5H,m,NH,p-ClPh-H),7.35(2H,d,J=8.3Hz,Ph-H),8.07(2H,
d,J=8.3Hz,Ph-H)
αD=+85.2(c=0.5% w/v クロロホルム中25℃)
実測値:C,62.6;H,6.3;N,5.4%;C27H33FN2O5S 計算値:C,62.8;H,6.4;N,5.4%
実施例1− N−(6−(4−クロロフェニル)ヘキシ−1−イル)−4−((
4−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ−メチルオキシカルボニル)ベン
ジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
N−(6−(4−クロロフェニル)ヘキシ−1−イル)−((4−カルボキシ
ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イルアセトアミド(ジア
ステレオマー2)(WO96/19451の実施例130、スミスクライン・ビ
ーチャム、100mg,0.2mmol)のメタノール(10ml)中溶液を、炭酸水素ナトリウム(1
7mg,0.2mmol)の水(0.5ml)中溶液と反応させた。10分後、反応混合物を蒸発さ
せ乾燥し、残渣をトルエンと共沸し(3X10ml)、エーテルでトリチュレートし、
乾燥させ、1−メチルピロリドン−2−オン(1ml)中に溶解した。得られた溶液
をヨードメチルシクロヘキシルカーボネート(68mg,0.24mmol)と室温で2時間反
応させた。混合物を水性抽出処理し、粗生成物を溶出溶媒として9:1CH2C
l2:MeOHを用い、フラッシュクロマトグラフィにより精製した。適当なフ
ラクションを蒸発させ、標記化合物を白色固体として得た(70mg,54%)。融点8
7℃。1
HNMR δ (CDC13)1.33-1.37(7H,m),1.49-1.58(7H,m),1.75(2H,m),1.90(2H
,m),2.56(2H,t,J=7.6Hz),2.96(lH,dd,J=15.2,2.4Hz),3.20-3.35(3H,m),3.93 お
よび 4.23(各々 1H,d,J=17.2Hz), 4.03 および 4.12(各々 1H,d,J=13.2Hz),4.6
6(2H,m),6.00(2H,s),6.93(lH,bt),7.08(2H,d,J=8.4Hz),7.23(2H,d,J=8.4Hz),7.3
4(2H,d,J=8.4Hz),8.09(2H,d,J=8.4Hz)。実測値: C,59.74; H,6.15: N,4.33%.
C33H41ClN2O8S 計算値: C,59.94;H,6.25; N,4.24%.
実施例2− N−(6−(4−クロロフェニル)ヘキシ−1−イル)−4−((
4−(フェニルカルボニルオキシメチル−オキシカルボニル)ベンジルスルフィ
ニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
N−(6−(4−クロロフェニル)ヘキシ−1−イル)−((4−カルボキシ
ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド(ジ
アステレオマ−2)(200mg,0.4mmol)の1−メチルピロリジン−2−オン(1ml)中
溶液を炭酸カリウム(280mg,2mmol)およびベンゾオイルオキシヨードメタン(200m
g,0.8mmol)と反応させ、得られた混合物を16時間攪拌した。混合物を水性抽出処
理し、粗生成物をa)酢酸エチルおよびb)酢酸エチル:メタノール(95:5)を溶出
溶剤として用い、フラッシュクロマトグラフィにより精製した。適当なフラクシ
ョンを蒸発させ、油を得、これをエーテルでトリチュレーションして結晶化し、
標記化合物を白色固体として得た(240mg,93%)。融点126℃。l
HNMR δ (CDCl3)1.33(4H,m),1.51(4H,m),2.55(2H,t,J=7.7Hz),2.95(lH,dd,
J=15.4,2.2Hz),3.20-3.32(3H,m),3.97および4.21(各々1H,d,J=20.8Hz),4.15およ
び4.19(各々1H,d,J=18.2Hz),4.63aH,m),6.25(2H,s),6.90(lH,bt),7.07(2H,d,J=8
.4Hz),7.21(2H,d,J=8.4Hz),7.36(2H,d,J=8.0Hz),7.46(2H,d,J=8.0Hz),7.63(lH,m
),8.08(2H,m).
実施例3 (4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−
イル)−4−(4−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチルオキシカル
-ボニル)ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセト
アミド
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−カルボキシベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イ
ル)アセトアミド(上記参照、4g,0.00819mol)およびヨードメチルシクロヘキ
シルカーボネート(3.49g,0.0123mol)のN−メチルピロリジノン(40ml,4Aモレ
キュラーシーブ上で乾燥)中溶液を無水炭酸カリウム(1.7g,0.0123mol)と反応さ
せ、周囲温度で16時間攪拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで徹底的に
抽出し、合した抽出物を5%水性ナトリウムトリスルフェートで洗浄し、乾燥さ
せ(MgSO4)、蒸発させた。残渣をクロマトグラフィ(ファインシリカ、酢酸
エチル)により精製し、エーテル/軽油でトリチュレーション後、標記化合物を
白色結晶として得た(4.16g,79%収率)。融点105−107℃。1
HNMR δ (DMSO) 1.23-1.51 (14H,m), 1.64 (2H,m), 1.84 (2H,m), 2.5
1(2H,m),3.04(3H,m),3.35(1H,m),3.83および4.09(各々1H,d),4.15 および4.35(
各々1H,d),4.58(1H,m),4.85(1H,m),5.95(2H,s),7.05(2H,m),7.18(2H,m),7.53(2H
,d),7.98(2H,d),8.11(1H,bt).
実測値:C,61.6;H,6.4;N,4.6%; C33H41FN2O8S計算値:C,61.5;H,6.4;N,4.3%
実施例4 (4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−
イル)−4−(4−(tert−ブチルオキシカルボニルオキシメチルオキシカ
ルボニル)ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセト
アミド
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−カルボキシベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イ
ル)アセトアミド(0.2g,0.00041mol)およびヨードメチルtert−ブチルカー
ボネート(0.49g,0.001mol)のN−メチルピロリジノン(2ml,4Aモレキュラーシ
ーブ上で乾燥)中溶液を無水炭酸カリウム(0.14g,0.001mol)と反応させ、周囲温
度で16時間攪拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで徹底的に抽出し、合
した抽出物を水性ナトリウムスルファイトで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸
発させた。残渣を軽油でトリチュレーションにより結晶化し、標記化合物を白色
結晶として得た(0.23g,92% 収率)。融点102−104℃1
HNMR δ (DMSO)1.25-1.52(17H,m),2.50(2H,m),3.06(3H,m),3.35(1H,m)
,3.84および4.09(各々1H,d),4.15 および 4.35(各々1H,d),4.86(1H,m),5.90(2H,
s),7.06(2H,m),7.18(2H,m),7.53(2H,d),7.97(2H,d),7.99(1H,bt)
実測値:C,60.1;H,6.3;N,4.7%;C31H39FN2O8S計算値:C,60.2;H,6.4;N,4.5%
実施例5 (4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−
イル)−4−(4−(1−メチルシクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル
オキシカルボニル)ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル
)アセトアミド
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−カルボキシベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イ
ル)アヤトアミド(0.2g,0.00041mol)およびクロロメチル 1−メチルシクロヘ
キシルカーボネート(0.21g,0.001mol)のN−メチルピロリジノン(2m1,4Aモレ
キュラーシーブ上で乾燥)中溶液を無水炭酸カリウム(0.14g,0.001mol)およびヨ
ー化カリウム(0.166g,0.001mol)と反応させ、周囲温度で16時間攪拌した。混
合物を水で希釈し、酢酸エチルで徹底的に抽出し、合した抽出物を水性ナトリウ
ムトリスルフェートで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。残渣をフラ
ッシュクロマトグラフィー(ファインシリカ、酢酸エチル)により精製し、得ら
れた物質をエーテルでトリチュレーションにより結晶化し、標記化合物を白色結
晶として得た(0.11g,41% 収率)。融点92−93℃。1
HNMRδ (DMSO)1.25-1.48(16H,m),2.00(2H,m),2.5(5H,m),3.07(3H,m),3
.36(1H,m),3.83および4.09(各々1H,d),4.15および4.35(各々1H,d),4.86(1H,m),5
.91(2H,s),7.06(2H,m),7.18(2H,m),7.54(2H,d),7.98(2H,d),8.11
(1H,bt)
実施例6 (4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−
イル)−4−(4−(フェニルカルボニルオキシメチルオキシカルボニル)ベン
ジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−カルボキシベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イ
ル)アセトアミド(5g,0.0102mol)およびベンゾイルオキシクロロメタン(2.62g,0
.0154mol)のN−メチルピロリジノン(50ml,4Aモレキュラーシーブ上で
乾燥)中溶液を無水炭酸カリウム(2.12g,0.0154mol)およびヨー化カリウム(2.55
g,0.0154mol)と反応させ、周囲温度で16時間攪拌した。混合物を水で希釈し、
酢酸エチルで徹底的に抽出し、合した抽出物を水性ナトリウムトリスルフェート
で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラ
フィ(ファインシリカ、酢酸エチル)により精製し、得られた物質をエーテルで
トリチュレーションして結晶化し、標記化合物を白色結晶として得た(4g,52%
収率)。融点117−9℃1
NMRδ (CDCl3)1.33(4H,m),1.5-1.62(4H,m),2.56(2H,t),2.95,(1H,dd),3.22(
3H,m),3.94 および 4.20(各々1H,d),4.04 および 4.16(各々1H,d),4.65(1H,m),6
.25(2H,s),6.94(3H,m),7.11(2H,m),7.37(2H,d),7.46(2H,m),7.59(1H,m),8.1(4H,
m)
実測値:C,63.7;H,5.5;N,4.5%;C33H35FN2O7S 計算値:C,63.7;H,5.7;N,4.5%
実施例7 (4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−
イル)−4−(4−(4−メトキシフェニルカルボニルオキシメチルオキシカル
ボニル)ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトア
ミド
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−カルボキシベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イ
ル)アセトアミド(2 g,0.0041 mol)および4−メトキシベンゾイルオキシメチル
クロライド(2g,0.01mol)のN−メチルピロリジノン(20 ml,4Aモレキュラーシ
ーブ上で乾燥)中溶液を無水炭酸カリウム(1.38g,0.01mol)およびヨ一化カリウム
(1.66g,0.01mol)と反応させ、周囲温度で16時間攪拌した。混合物を水で希釈
し、酢酸エチルで徹底的に抽出し、合した抽出物を水性ナトリウムトリスルフェ
ートで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマト
グラフィ(ファインシリカ、酢酸エチル)により精製し、得られた物質をエーテ
ルでトリチュレーションして結晶化し、ついで、ジクロロメタン/軽油から再結
晶し、標記化合物を白色結晶として得た。融点115−8℃、1.31g、50%収率
。1
HNMRδ (DMSO)1.23-1.6(8H,m),2.50(2H,m),3.02-3.1(3H,m),3.34(1H,m),3.
8および4.09(各々 1H,d),3.84(3H,s),4.14および4.35(各々 1H,d),4.85(1H,m),6
.17(2H,s),7.05(4H,m),7.16(2H,m),7.52(2H,d),7.97(4H,m),8.1(1H,bt)
実施例8 (4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−
イル)−4−(4−(イソブチリルオキシメチルオキシカルボニル)ベンジルス
ルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミド
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−カルボキシベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イ
ル)アセトアミド(0.2g,0.00041 mol)およびヨー化イソブチリルオキシメチル(0
.23g,0.001mo1)のN−メチルピロリジノン(2ml,4Aモレキュラーシーブ上で乾
燥)中溶液を無水炭酸カリウム(0.14g,0.001mol)と反応させ、周囲温度で16時
間攪拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで徹底的に抽出し、合した抽出物
を水性ナトリウムトリスルフェートで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させ
た。残渣をクロマトグラフィ(ファインシリカ、酢酸エチル)により精製し、得
られた物質をエーテルでトリチュレーションして結晶化し、標記化合物を白色結
晶として得た。融点104−6℃、0.14g、58%収率。1
H NMRδ (DMS0)1.09(6H,d),1.25-1.52(8H,m),2.50(2H,m),2.61(1H,m),2.97
-3.06(3H,m),3.34(1H,m),3.83および4.09(各々1H,d),4.15および4.34(各々1H,d)
,4.84(1H,m),5.95(2H,s),7.06(2H,m),7.16(2H,m),7.53(2H,d),7.97(2H,d),7.99(
1H,bt)
実施例9 (4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−
イル)−4−(4−(2−メトキシプロプ−2−イルカルボニルオキシメチルオ
キシカルボニル)ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)
アセトアミド
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−カルボキシベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イ
ル)アセトアミド(3g,0.00614mol)および2−メトキシプロプ−
2−イルカルボニルオキシメチルクロライド(1.53g.0.00921mol)のN−メチルピ
ロリジノン(30ml,4Aモレキュラーシーブ上で乾燥)中溶液を無水炭酸カリウム(
1.27 g,0.00921mol)およびヨー化カリウム(1.53g,0.00921mol)と反応させ、周囲
温度で16時間攪拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで徹底的に抽出し、
合した抽出物を水性ナトリウムトリスルフェートで洗浄し、乾燥させ(MgSO4
)、蒸発させた。残渣をクロマトグラフィ(ファインシリカ、酢酸エチル)によ
り精製し、酢酸エチル中の溶液として得られた物質を水性ナトリウムトリスルフ
ェートで洗浄し、ついで、MgSO4および脱色化チャーコールと10分間攪拌
した。固体を濾別し、濾液を蒸発させ、残渣をエーテル/軽油でトリチュレーシ
ョンして結晶化し、標記化合物を白色結晶として得た。融点92−4℃、2.6g、
68%収率。1
HNMRδ (CDCl3)1.34(4H,m),1.45(6H,s),1.58(4H,m),2.56(2H,t),2.95(1H,
dd),3.17-3.37(1H,m+3H,s),3.96 および 4.10(各々1H,d),4.05 および4.22(各
々 1H,d),4.69(1H,m),6.06(2H,s),6.93(3H,m),7.09(2H,m),7.39(2H,d),8.09(2H,
d)
実施例10 (4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]へキシ−1
−イル)−4−(4−((5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4
−イル)メチルオキシカルボニル)ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチ
ジン−1−イル)アセトアミド
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)−
4−(4−カルボキシベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イ
ル)アセトアミド(5 g,0.0102 mol)および4−ブロモメチル-5−メチル−1,
3−ジオキソール−2−オン(2.96 g,0.0154 mol)のN−メチルピロリジノン(50
ml,4Aモレキュラーシーブ上で乾燥)中溶液を無水炭酸カリウム(2.12g,0.0154m
ol)と反応させ、周囲温度で16時間攪拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチ
ルで徹底的に抽出し、合した抽出物を水、塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)
、蒸発させた。残渣をクロマトグラフィ(ファインシリカ、酢酸エチル)により
精製し、得られた物質をエーテル/軽油でトリチュレーションして結晶化し、標
記化合物を白色結晶として得た。融点84−7℃、3.81g、62%収率。1
HNMRδ(CDCl3)1.24-1.54(8H,m),2.22(3H,s),2.5(2H,m),2.95(IH,dd),3.05(
2H,m),3.33aH,m),3.84 および 4.07(各々1H,d),4.15 および 4.32(各々1H,d),4.
85(1H,m),5.22(2H,s),7.06(2H,m),7.18(2H,m),7.51(2H,d),7.98(2H,d),8.1(1H,b
t)
実測値:C,59.7;H,5.5;N,4.7%;C30H33FN2O8S 計算値:C,60.0;H,5.5;N,4.7%
実施例11 (4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−
1−イル)−4−(4−((2−メトキシカルボニル−E−ブト−2−エン−イ
ル)メチルオキシカルボニル)ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン
−1−イル)アセトアミド
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)
−4−(4−カルボキシベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−
イル)アセトアミド(0195g,0.0004mol)およびメチル E−2−ブロモメチルブ
ト−2−エノエート(0.16g,0.0008mol)のN−メチルピロリジノン(2ml,4Aモレ
キュラーシーブ上で乾燥)中溶液を無水炭酸カリウム(0.11g,0.0008mol)と反応さ
せ、周囲温度で16時間攪拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで徹底的に
抽出し、合した抽出物を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。残渣をクロマトグ
ラフィ(ファインシリカ、酢酸エチル)により精製し、得られた物質をエーテル
でトリチュレーションして結晶化し、標記化合物を白色マイクロプリズムとして
得た。0.024g、10%収率。1
HNMRδ (CDCl3)1.25-1.63(8H,m),1.99(3H,d),2.56(2H,t),2.93(1H,dd),3.
17.3.36(3H,m),3.79(3H,s),3.93 および 4.17(各々1H,d),3.43 および 4.23(各
々1H,d),4.64(1Hm),5.12(2H,s),6.91-7.26(6H,m),7.34(2H,d),8.04(2H,d)
実施例12 (4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1
−イル)−4−(4−(N,N−ジメチルアミノカルボニルメチルオキシカルボ
ニル)ベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミ
ド
(4R,SS)−N−(6−[4−フルオロフェニル]ヘキシ−1−イル)
−4−(4−カルボキシベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−
イル)アセトアミド(0.2g,0.0004mol)およびα−クロロ−N,N−ジメチルアセ
トアミド(0.17g.0.001mol)のN−メチルピロリジノン(2ml,4Aモレキュラーシ
ーブ上で乾燥)中溶液を無水炭酸カリウム(0.14g,0.001mol)と反応させ、周囲温
度で16時間攪拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで徹底的に抽出し、合
した抽出物を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。残渣をエーテルでトリチュレ
ーションして結晶化し、標記化合物を白色結晶として得た。融点141−4℃、
0.01g。1
N MRδ (CDCl3)1.25-1.75(8H,m),2.56(2H,t),2.93(1H,dd),2.99(3H,s),3.04
(3H,s),3.17-3.36(3H,m),3.85-4.25(4H,4xd),4.65(1H,m),4.97(2H,s),6.93(2H
,m),7.10(3H,m),7.36(2H,d),8.13(2H,d).
生物学的データ
1.Lp−PLA2阻害のスクリーン
酵素活性を150mMNaClを含む50mMHEPES(N−2−ヒドロキ
シエチルピペラジ-ン−N’−2−エタンスルフォン酸)緩衝液、pH7.4中
の37℃における、人工的基質(A)の回転率を測定して決定した。
アッセイは96穴タイタープレート中で行った。
Lp−PLA2をヒト血漿の密度勾配遠心により部分的に精製した。活性フラク
ションを集め、Lp−PLA2源として用いた。酵素を全容量180μlで10
分間、ビヒクルまたは試験化合物と37℃であらかじめインキュベートした。つ
いで、20μlの10x基質(A)を添加し、最終基質濃度20μMとして反応
を開始した。反応を自動的に混合しながら、プレートリーダーを用い、20分間
405nmで追跡した。反応速度を吸光度の変化の速度として測定した。
結果:
実施例1および2の化合物、対応するカルボン酸(+/−)−N−[6−(4
−クロロフェニル)ヘキシ−1−イル]−4−(4−カルボキシベンジルスルフ
ィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)アセトアミドおよびカルボン酸(
4R,SS)−N−[6−(4−フルオロフェニル)ヘキシ−1−イル]−4−
(4−カルボキシベンジルスルフィニル)−2−オキソアゼチジン−1−イル)
アセトアミド、は4ないし20nMの範囲のIC50を有していた。
2.生物学的利用能の測定
プロドラッグエステルを、それらの親酸へ加水分解される能力について、標準
的な手法にしたがい、イヌおよびヒト肝臓ミクロソーム中で測定した。結果を以
下の表中に示す。 酸生成−1μm試験化合物を15分間インキュベーション後、酸のHPLC検
出による親酸の濃度測定により決定された、イヌまたは肝ミクロソームによる試
験化合物の親酸への変換%。数値は、5%の単位の概数にする。
3.安定性の評価
pH7.5緩衝液(50mMホスフェート)およびpH1.2緩衝液(USP
擬似胃酸液=NaCl/HCl pH1.2+ペプシン)中における試験化合物
の分解の半減期の測定により、安定性を評価した。初期濃度=50μM、化合物
はHPLCで追跡した。数値は、0.5hの単位の概数にする。
好ましい化合物は、生物学的系でエステルの酸への優れた変換を示すが、緩衝
液中では優れた安定性を示す(たとえば、実施例3、5、6、9、10)。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61P 25/18 A61K 31/00 626G
29/00 629
43/00 643D
A61K 31/397 31/395 602
C07D 405/12 205 C07D 405/12 205
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),JP,US
(72)発明者 ダナック,ダシュヤント
アメリカ合衆国19426―0989ペンシルベニ
ア州カレッジビル、ポスト・オフィス・ボ
ックス5089、サウス・カレッジビル・ロー
ド1250番、スミスクライン・ビーチャム・
ファーマシューティカルズ
(72)発明者 イフェ,ロバート・ジョン
イギリス、エイエル6・9エイアール、ハ
ートフォードシャー、ウェルウィン、ザ・
フリス、スミスクライン・ビーチャム・フ
ァーマシューティカルズ
(72)発明者 リーチ,コリン・アンドリュー
イギリス、エイエル6・9エイアール、ハ
ートフォードシャー、ウェルウィン、ザ・
フリス、スミスクライン・ビーチャム・フ
ァーマシューティカルズ
(72)発明者 テュー,デイビッド・グラハム
イギリス、エイエル6・9エイアール、ハ
ートフォードシャー、ウェルウィン、ザ・
フリス、スミスクライン・ビーチャム・フ
ァーマシューティカルズ