JP2000500722A - 容器の密封構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 容器の開口部（Ｏ）の端縁部の周りに溶着されたシート（Ｆ）を有する、開口部を有する容器（Ｃ）の密封構造物（Ｓ）。シート（Ｆ）は、ビード（４）の形で開口部の端縁部に押圧溶着された溶着層（１）と、遮断層を形成する外層（２）と、中間接着層（３）との少なくとも３層で構成され、溶着層のビード（４）と開口部の端縁部との間の溶着部の引裂き強度は溶着層（１）と接着層（３）との間の接着強度より大きくなっていて、開口部（Ｏ）を最初に開けた時に溶着層の溶着ビード（４）が開口部の端縁部の周りに維持され、溶着層（１）の残りの部分から離れ、接着層（３）から離され、溶着ビード（４）に対応する領域（７）で接着層（３）が露出するようになっており、接着層の露出領域（７）を定位置に維持された溶着層の溶着ビード（４）に押圧することによって容器（Ｃ）を再シールすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 容器の密封構造 本発明は開口部を有する容器の密封（シール）構造、特に容器の口の周りに溶 着されたシートからなる密封構造に関するものである。 経済的理由およびリサイクルの観点点から、製品を同じ容器、特に同じ包装材 料中に入れる量が多くなっている。しかし、このことは包装された製品を一度に 使用したくない消費者にとって問題である。 消費者は内容物の一部を取り出すために容器を開けた後に容器を容易かつ効果 的に再シールでき、しかも容器を開ける前に容器が有していたのと同じ最初の完 全なシール状態を回復できることを望んでいる。例えば、食物の場合、消費者は 不快な臭いの問題、製品が乾燥する問題、スペースの問題等を防ぐために冷蔵庫 に戻す前に製品を再シールできることを望んでいる。 このことは食物以外の製品、例えば多量に包装された工業製品、例えばネジ、 釘、ワッシャーや医薬品、例えば錠剤やタブレットの場合にもいえる。 内容物の１部を取り出した後に、容易に開けることができ、しかも効果的且つ 簡単に再シールできる容器の密封構造は極めて多くの分野で広く望まれている。 本発明の目的はこの要求を満足する密封構造を提供することにある。 本発明のさらに他の目的は安価に製造できて、簡単に容器に取付けることがで きる密封構造を提供することにある。 本発明では、容器の開口部の端縁部の周りに溶着されたシートを有する、開口 部を備えた容器用の密封構造物は、下記を特徴とする： このシートは少なくとも３層、すなわち、開口部の端縁部に押圧されビードと して溶着される溶着層、遮断層を形成する外層および中間接着層で構成され、溶 着層のビードと開口部の端縁部との間の溶着部が溶着層と接着層との間の接着の 強度より大きい引き裂き強さを有し、従って、開口部の１回目の露出では、溶着 層の溶着されたビードは、開口部の端縁部の周りに維持され、次いで溶着層の残 りの部分から離され、次いで接着層から離されるようになり、こうして接着層は ビードに対応する領域で露出し、この際、容器は接着層の露出領域を定位置に維 持された溶着層のビードに押圧して容器を再度シールすることができる 外層は柔軟なフィルムで構成することができ、厚さは約５０マイクロメートル にすることができる。外層は二軸延伸ポリエステルで作られるのが有利である。 変形例では、外層は剛性フィルムで構成することができる。 溶着層は、薄いフィルム、特に約２０マイクロメートルの裂け易いフィルムま たは押出パラメータを調節するか、鉱物充填材を添加して得られる裂け易さ特性 を有する厚いフィルムで構成される。 一例として、溶着層は高密度ポリエチレンのフィルムで構成することができる 。 接着層は少なくとも１０マイクロメートルの厚さに材料を堆積させることによ って形成されるのが好ましい。この接着層は、特に、室温で固体状の永久粘着ア クリルポリマー、または熱可塑性エラストマーをベースとするホットメルト接着 剤で形成される。 層を作る材料は食品包装における接着剤の使用を規定する法制に従うのが有利 である。構造物のシート自体を透明にするために層は透明にすることができる。 本発明はさらに、この密封構造物によってシールされた容器に関するものであ る。この容器は剛性フィルムまたは柔軟フィルムによって形成することができる 。一例では、容器は２枚のフィルムの間に挟まれたポリウレタン接着剤の層を有 する直鎖ポリエチレンのフィルムで内側が被覆された剛性ＰＶＣ（塩化ポリビニ ル）のフィルムで作られる。 本発明はさらに、開口部の端縁部の周りに溶着されたシートによって開口部を 備えた容器をシールする方法に関するものである。この密封方法では、使用する シートは少なくとも３層、すなわち、溶着層、遮断層を形成する外層および中間 接着層で構成され、さらにシートは特に溶着工具を用いて溶着層のビードの周り に溶着することで、容器の端縁部に接合され、溶着部は溶着層と接着層との間の 結合を弱めて溶着層のビードと開口部の端縁部との間の結合を確立するように製 造され、溶着部は溶着層と接着層との間の接着の強度より大きい引き裂き強さを 有し、従って、開口ビードの１回目の露出では、溶着層の溶着されたビードは、 開口部の端縁部の周りに維持され、次いで溶着層の残りの部分から離され、次い で接着層から離されるようになる。 少なくとも３層からなるシートは、外層と溶着層との間に接着樹脂を高温で押 し出して、これらの層の間に接着層を堆積させて製造することができる。 別の任意の例では、溶着層を外層にカレンダリングする前に、接着樹脂を外層 上に高温で堆積させる。 こうして製造されたシートは、溶着層が接着層を保護してシートのリールが巻 きの間で張り付くのを防ぐので、巻き取られた形で貯蔵することができる。 本発明は上記構成の他の多数の構成を含むことができる。以下、添付図面を参 照にして、実施例を挙げながらそうした構成をより詳細に説明するが、本発明が 下記実施例に限定されるものではない。 図１は本発明の密封構造物用の３層からなるシートを大きく拡大した概念的断 面図。 図２は容器の端縁部にシートを溶着する操作を示す図１に類似した概念的断面 図。 図３は容器の開口操作およびを容器の端縁部の周りに残る溶着層をビードから 離す操作を示す図１に類似した概念的断面図。 図４は本発明の密封構造物によってシールされた、部品を取り除いた状態の容 器を大きく拡大した概念的断面図。 図５は開口後の容器および密封構造物を示す図４と類似な図。 図６は接着樹脂として使用されるアクリルポリマーの粘度（ｙ軸）の、温度（ ｘ軸）を関数とする変化を示す図。 図７はアクリル−ポリマー−ベースの接着樹脂の中間層を有する、所定圧力下 で互いに押圧された２枚のフィルムの間の接着の強度の、接触時間（ｘ軸、分表 記）を関数とする変化を示す図。 図８は図７に関して記載の２枚のポリエステルフィルムの間に挟まれた、アク リル−ポリマー−ベースの接着樹脂の剥離力（ニュートン／センチメートル（Ｎ ／ｃｍ）表記）の、時間（ｘ軸、週表記）を関数とする変化を示す図。 先ず、熱可塑性エラストマーをベースにしたホットメルト接着剤は下記特性を 有することを思い出してもらいたい： 室温で固体 融点：８５〜９５℃ 密度：０．９６ｇ／ｃｍ³ 動粘度：１５０℃で１５，１００ｍＰａ．ｓ １６０℃で１１，１００ｍＰａ．ｓ １７０℃で８，０００ｍＰａ．ｓ （コントレーブレオマ（Ｃontraves ＲＨＥＯＭＡＴ）１１５で測定） 水に不溶。 図面、特に図１〜図４を参照すると、開口部Ｏを有する容器Ｃ用の本発明の密 封構造Ｓは少なくとも３層すなわち溶着層１、外層２および中間層３からなるシ ートＦを有することが理解できよう。 外層２は本発明構造に下記ａ）〜ｇ）の特性を与える“支持体(support)”を 構成するフィルムである： ａ）遮断性（気体非透過性、水−蒸気非浸透性、香気非透性等） ｂ）機械的特性（剛性、破壊強度、破裂強度等） ｃ）耐熱性（耐熱性、耐寒性および耐押出貼合せ性等） ｄ）周囲媒体に不活性 ｅ）寸法安定性（これは文字および／または画像の印刷にとって重要） ｆ）光学的性質、例えば光沢 ｇ）機械処理での挙動特性。 外層２は容器Ｃの形式、特に包装形式に応じて柔軟または硬いフィルムで形成 することができる。 溶着層１は容器Ｃをシールするためのものである。この溶着層１の種類は下記 １）〜４）に応じて選択される： １）層自体または別の材料に対する溶着性 ２）広い溶着範囲（機械に容易に通すことがきる） ３）汚染領域、例えば油で汚染された領域での溶着性 ４）容器Ｃに包装された製品に対する耐薬品性。 溶着層１は容器Ｃを簡単に開口できるようにするため裂け易さすなわち易破断 性（dechirure）を有している。この易破断性は溶着層１として例えば厚さが約 ２０マイクロメートルの薄いフィルムを用いるか、厚いフィルムに例えば押出パ ラメータを調節したり、無機充填材を添加して易裂性を付与することによって得 られる。既に述べたように、溶着層１を構成するフィルムの材料は以下で説明す るように容器Ｃの端縁部にそれを溶着するのに用いられる層に応じて規定される 。 接着層３は外層２と溶着層１とを結合させるものである。以下で説明するよう に、接着層３はその接着層の略永久的な粘着特性によって開口後に本発明構造物 を再シールできるようなものが選択される。 接着層３は外層２と溶着層１との間に例えば下記１）、２）の方法で形成する ことができる： １）外層２および溶着層１を構成するフィルムの間に接着層樹脂を高温で押し出 す押出法（例えば押出貼合せ法）。 ２）外層２を構成するフィルム上に接着層樹脂を高温で塗布した後、溶着層１を フィルム上にカレンダリングする貼合せ法。 溶着層３は最低でも１０マイクロメートルの厚さにする必要がある。このよう な厚さに塗布できれば上記２つの方法以外の任意の方法を用いることができる。 接着層の樹脂は１回目の開口後に容器が効果的に再シール可能となるように選 択するのが重要である。 室温で固体の粘着性アクリルポリマーおよび／または熱可塑性エラストマーを ベースとするホットメルト接着剤で構成される樹脂が有利である。図６はアクリ ルポリマーの粘度（ｙ軸、センチポアズの1000倍で表記）の温度（ｘ軸、℃表記 ）を関数とする変化を示す図である。ガラス遷移温度は６５℃で、融点は７０〜 ８０℃である。 アクリルポリマーの場合の接着層樹脂の特性は、ポリエステルフィルム（“マ イラー(mylar)”の名称で知られている）上に１８０℃の温度で５０マイクロメ ートルの層を堆積させて検査することができる。測定方法はこの接着剤層で被覆 したポリエステルフィルム上に第２のポリエステルフィルム（“マイラー”で作 られる）を乗せ、８×８ｍｍ以上の正方形面積上に所定圧力１０ｂａｒ(１０× １０⁵Ｐａ)を所定時間で加える方法である。“接触時間”（ｘ軸）を関数とする “接着力”（ｙ軸）の曲線が得られる。十分な接着樹脂であるとみなされるため には図７に示す曲線と同様な曲線、すなわちｙ軸の接着力：重量グラム／ｃｍ² が０．０１ニュートン／ｃｍ²にする必要がある。 この接着強度があれば開口後に容器を再シールすることができ、従って、完全 性が保証される。 図８は品質検査法で用いた２枚のポリエステルフィルムの間に挟まれたアクリ ルポリマーの時間（ｘ軸、週表記）を関数とする剥離力の変化を示す。ｙ軸のこ の剥離力はＮ／ｃｍで表す。一週間後でもほぼ水平な平坦域が存在することは、 この樹脂が永久粘着性を有することを証明している。接着強度はその間損なわれ ることはない。 少なくとも３層を有するシートＦによって規定され構造物Ｓは、容器Ｃをシー ルするために幅Ｌのビード４（図２）によってフィルム５の端縁部に溶着される 。フィルム５は容器Ｃの形式に応じて柔軟または硬いフィルムにする。例えば容 器Ｃが柔軟なポケットで構成される場合には、フィルム５は柔軟なものにするこ とができ、一方、容器Ｃが図４および図５に関して以下で述べるようなトレーで ある場合には硬いフィルムにすることができる。 溶着パラメータ（圧力、温度および時間）は溶着層１と、それと一緒にフィル ム５上に形成される層の種類に応じて調節する。溶着はビード４の部分でシート Ｆをフィルム５に接着するのに適した加熱ジグ６を用いて行う。シートＦは溶着 中に変形し、加熱ジグ６を取り外した後には永久変形が維持される。外層２はそ の性質上溶融せず、殆ど永久的に変形しないが、溶着層１は溶融し、加熱ジグ６ によって加えられる圧力のために最大限の変形をする。同じことが接着層３に対 してもいえる。結果的に、溶着層１と接着層３との間の結合はビード４の部分で 弱められる。 溶着パラメータおよび接着層３と溶着層１との間の結合、さらに外層２との結 合に関するパラメータは、溶着層のビード４と容器のフィルム５の端縁部との間 の溶着部が溶着層１と接着層３との間の接着強度より大きい引裂き強度を有する ように選択される。さらに、接着層３は外層２に強く接着している。 以上の条件下では、容器を最初に開口するためにシートＦを容器のフィルム５ から引き離した時に、溶着層の溶着ビード４は図３に示すようにフィルム５の端 縁部の周りに維持され、溶着層１の残りの部分から分離され、接着層３から分離 される。その結果、溶着ビード４に対応する領域７で接着層３が露出する。 溶着ビード４はフィルム５の端縁部の外側境界と内側境界との間にあり、層３ の露出領域７は接着層を保護するための溶着層の連続した外側バンド８と内側ス トリップ９との間にくる。 容器Ｃを最初に開口した後は、接着層の露出領域７を容器のフィルム５の端縁 部の周りに維持された溶着層の溶着ビード４に押圧することで容器を再シールす ることができる。すなわち、溶着層の溶着ビード４部分に接着層３を接着させる ことによって包装材料を再度一体化させることができる。この操作は劣化無しに 複数回繰り返すことができる。 溶着部分でのフィルムの再位置決めはシートＦの外層２として剛性の強い“支 持”フィルムを選択することによって容易に行うことができる。接着層の露出部 分７と容器の端縁部の周りに維持された溶着層のビード４との間の接着力は再シ ール時に加えられる圧力が高ければ高い程、大きくなる。 シートＦを構成する層は透明にすることができ、容器内に包装された製品を見 たい場合はシートＦ全体を透明にすることができる。 図４および図５は加圧ガスにベーコン（食物）を包装するための包装材料で構 成される容器Ｃの一例を示している。この包装材料は下記ａ）およびｂ）で構成 される： ａ）本発明の密封構造物Ｓ（カバーともよばれる）、 ｂ）包装材料をシールする前にベーコンを収容するシェルの形をした熱成形フィ ルムで構成される下側容器Ｃ。 密封構造物Ｓは下記ａ）〜ｃ）で構成される： ａ）二軸延伸ポリエステルからなる厚さ５０マイクロメートルの外層２ ｂ）アクリルポリマーまたは熱可塑性エラストマーをベースとする接着剤からな る厚さ１０マイクロメートルの接着層３、および ｃ）高密度ポリエチレンからなる厚さ２０マイクロメートルの溶着層１ この構造物は“ホットメルト”の名称で知られた機械で製造した。 アクリルポリマーまたは熱可塑性エラストマーをベースとするホットメルト接 着剤を外層２を構成する５０マイクロメートルの二軸延伸ポリエステルフィルム 上に１８０℃の温度で塗布した。流速はアクリルポリマーを１０マイクロメート ルの厚さに堆積できるように調節した。次いで、溶着層１を構成する２０マイク ロメートルの高密度ポリエチレンフィルムを約１０ｂａｒ（１０×１０⁵ｐａ） の圧力で接着層３にカレンダリングした。こうして得られた３層シートＦを巻き 取ってリールにし、使用前に１週間貯蔵した（安定化時間）。 容器Ｃを製造するのに用いられたフィルムは厚さ５０マイクロメートルの直鎖 ポリエチレンフィルム１１に貼合せた厚さ４５０マイクロメートルの硬質ＰＶＣ （ポリ塩化ビニル）フィルム１０からなる。このフィルム１１は容器Ｃの内側に ある。貼合せは厚さ約２マイクロメートルに相当する溶媒型の二液性ポリウレタ ン接着剤の層１２を用いて行うことができる 包装操作は外周部分１３に５ｍｍの幅Ｌを有するビード型の溶着部を形成する ことによって熱成形機で実施した。この際、ガスを注入することができる。 集合体１０−１１−１２によって形成される下側剛性フィルムの熱成形パラメ ータは下記の通り： 予備加熱温度＝１５０℃、１．７秒継続 フィルム貼合せ圧力＝１．８ｂａｒ（１．８×１０⁵ｐａ）、 成形時間＝１．７秒 成形圧力＝２．８ｂａｒ（２．８×１０⁵ｐａ） 成形深さ＝２０ｍｍ。 容器の熱成形シェルの端縁部５にシートＦを溶着するためのパラメータは下記 の通り： 温度＝１５０℃ 圧力＝４．５ｂａｒ（４．５×１０⁵ｐａ）、 時間＝２秒。 これらのパラメータは使用する熱成形機に応じて変えることができるというこ とは注意すべきである。すなわち、使用する機械の形式によってパラメータの測 定許容範囲に差が存在する。 図４および図５に示す容器Ｃに対応するトレーで測定した。 溶着前の二軸延伸ポリエチレンテレフタレート外層２と高密度ポリエチレン溶 着層１との間の接着強度は１０Ｎ（ニュートン）／１５ｍｍであった。 熱成形シェルのフィルム５の端縁部にビード４を溶着した後に、容器を開ける ために加えた引裂き力は約１５Ｎ／１５ｍｍであった。 密封構造物を溶着部の部分に再位置決めした後に、端縁部５に固定維持された ビード４で６Ｎ／１５ｍｍの接着強度が得られ、これは１０回の開口−密封試験 の間一定に維持された。包装材料を４℃の温度で一週間冷蔵庫に入れたが、容器 のフィルム５の端縁部に対する密封構造物のシートＦの剥離は全く見られなかっ た。 本発明の構造物の他の例を下記に示す： Ｉ．二軸延伸ポリアミドで作られた厚さ１５マイクロメートルの外層２、 アクリルポリマーまたは熱可塑性エラストマーをベースとするホットメルト 接着剤からなる厚さ１０マイクロメートルの接着層３、 高密度ポリエチレンで作られた厚さ２０マイクロメートルの溶着層１。 II．硬質ＰＶＣ（厚さ４００マイクロメートル）／ポリウレタン接着剤（２マイ クロメートル）／二軸延伸ポリエチレンテレフタレート（厚さ１２マイクロメー トル）からなる外層２、 接着層３：厚さ１０マイクロメートルのアクリルポリマー 溶着層１：厚さ２０マイクロメートルの高密度ポリエチレン。 III．外層２：非晶質ポリエチレンテレフタレート（厚さ４００マイクロメート ル）／ポリウレタン接着剤（厚さ２マイクロメートル）／二軸延伸ポリエチレン テレフタレート（厚さ１２マイクロメートル）からなる層、 接着層３：アクリルポリマーまたは熱可塑性エラストマーをベースとするホ ットメルト接着剤の厚さ１０マイクロメートルの層、 溶着層１：高密度ポリエチレンの厚さ２０マイクロメートルの層。 以上の通り、本発明容器は包装材料を容易に開口でき、密封でき、完全な状態 に維持できる。 本発明は少なくとも１つの溶着部部分を有する任意の形式の包装材料に適用す ることができる。密封構造物および容器を作る層は食品接触適合性を有するので 食物の包装用に使用することができる。 多層密封構造物Ｓは少なくとも１つの溶着部を有する任意の包装機械で使用す ることができる。従来の解決策、例えばフックを用いた機械的係合による閉鎖と は違って、本発明の多層密封構造物は単純なフィルムの形をしているので、包装 設備の変更を全く必要とせず、フック等の付属品や溝／突起ストリップまたは接 着ストリップ等の追加も不要である。また、開口前の包装材料は包装された製品 を適切に保存するのに必要な全ての機械的特性および遮断性を維持している。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９７年１２月５日（１９９７．１２．５） 【補正内容】 本発明のさらに他の目的は安価に製造できて、簡単に容器に取付けることがで きる密封構造を提供することにある。 欧州特許出願第0160975号には熱または冷気に対して密閉性のあるフィルムが 記載されている。このフィルムでは支持体上に塗布された接着剤層を破断伸びが 小さく、引裂き伝搬抵抗が弱い材料の層で被っている。この多層フィルムは容器 に対して蓋の役目をするか、それ自体が容器の役目をする。 本発明は、容器の開口部の端縁部の周りに溶着されたシートを有する、開口部 を有する容器の密封構造物において、シートは、ビードの形で開口部の端縁部に 押圧溶着された溶着層と、遮断層を形成する外層と、中間接着層との少なくとも ３層で構成され、溶着層のビードと開口部の端縁部との間の溶着部の引裂き強度 は溶着層と接着層との間の接着強度より大きくなっていて、開口部を最初に開け た時に溶着層の溶着ビードが開口部の端縁部の周りに維持され、溶着層の残りの 部分から離れ、接着層から離され、溶着ビードに対応する領域で接着層が露出す るようになっており、接着層の露出領域を定位置に維持された溶着層の溶着ビー ドに押圧することによって容器を再シールすることができることを特徴とする密 封構造物を提供する。 外層は柔軟なフィルムで構成することができ、厚さは約５０マイクロメートル にすることができる。外層は二軸延伸ポリエステルで作られるのが有利である。 変形例では、外層を硬質フィルムで構成することができる。 溶着層は薄いフィルム、特に約２０マイクロメートルの裂け易いフィルムにす るか、押出パラメータの調節または無機充填材の添加で得られる易裂特性を有す る厚いフィルムで構成される。請求の範囲 １．容器の開口部（Ｏ）の端縁部の周りに溶着されたシート（Ｆ）を有する、開 口部を有する容器（Ｃ）の密封構造物（Ｓ）において、 シート（Ｆ）は、ビード（４）の形で開口部の端縁部に押圧溶着された高密度 ポリエチレンからなる溶着層（１）と、遮断層を形成する外層（２）と、少なく とも１０マイクロメートルの厚さに樹脂を塗布して形成される中間接着層（３） との少なくとも３層で構成され、加熱ジグ（６）を用いてビード（４）を溶接す ることによって溶接層はビード（４）の部分で弱くされ且つ溶接層（１）および 接着層（３）が変形され、溶着層のビード（４）と開口部の端縁部との間の溶着 部の引裂き強度は溶着層（１）と接着層（３）との間の接着強度より大きくなっ ていて、開口部（Ｏ）を最初に開けた時に溶着層の溶着ビード（４）が開口部の 端縁部の周りに維持され、溶着層（１）の残りの部分から引き裂かれて分離し、 接着層（３）から分離し、溶着ビード（４）に対応する領域（７）で接着層（３ ）が露出するようになっており、接着層の露出領域（７）を定位置に維持された 溶着層の溶着ビード（４）に押圧することによって容器（Ｃ）を再シールするこ とができることを特徴とする密封構造物。 ２．最初に開口した後は接着層の露出領域（７）が２つの溶接層のバンドまたは ストリップ（８，９）の間にある請求項１に記載の密封構造物。 ３．外層（２）が厚さが約５０マイクロメートルである柔軟なフィルムからなる 請求項１または２に記載の密封構造物。 ４．外層（２）が二軸延伸ポリエステルからなる請求項３に記載の密封構造物。 ５．外層（２）が硬質フィルムである請求項１または２に記載の密封構造物。 ６．溶着層（１）が、約２０マイクロメートルの裂け易い薄いフィルムまたは押 出パラメータを調節するか、無機充填材を添加して得られる易裂特性を有する厚 いフィルムで構成される請求項１〜５のいずれか一項に記載の密封構造物。 ７．接着層（３）が室温で固体の永久粘着性アクリルポリマーまたは熱可塑性エ ラストマーをベースとするホットメルト接着剤からなる請求項１〜６のいずれか 一項に記載の密封構造物。 ８．各層を構成する材料が食物−接触規制に従う請求項１〜７のいずれか一項に 記載の密封構造物。 ９．接着層が融点８５〜９５℃の熱可塑性エラストマーをベースとするホットメ ルト接着剤からなる請求項１〜８のいずれか一項に記載の密封構造物。 10．接着層が１５０℃で１５，１００ｍＰａ．ｓ、１６０℃で１１，１００ｍＰ ａ．ｓ、１７０℃で８，０００ｍＰａ．ｓの動粘度を有する熱可塑性エラストマ ーをベースとするホットメルト接着剤からなる請求項１〜９のいずれか一項に記 載の密封構造物。 11．２枚のポリエステル層の間に挟まれた５０マイクロメートルの厚さの接着剤 層の８×８ｍｍの正方形面積上に圧力１０×１０⁵ｐａを加えて測定した接着強 度で、接着層の接着剤が接触の１分後に約９００重量グラム／ｃｍ²、接触の７ 分後に約１１００重量グラム／ｃｍ²の接着強度を有する請求項１〜１０のいず れか一項に記載の密封構造物。 12．溶着層が高密度ポリエチレンのフィルムで構成される請求項１〜１１のいず れか一項に記載の密封構造物。 13．開口部を有する容器を開口部の端縁部の周りに溶着されたシートによって密 封する方法において、 開口部の端縁部に押圧されるポリエチレンからなる溶着層（１）と、遮断層を 形成する外層（２）と、少なくとも１０ミクロンの厚さに樹脂を塗布して形成さ れた中間接着層（３）とで構成される少なくとも３層を有するシート（Ｆ）を用 い、開口部の端縁部に溶着層（１）をビード（４）として溶着し、加熱ジグ（６ ）を用いてビード（４）を溶接することによって溶着層（１）および接着層（３ ）はビード（４）の部分で弱くされ、基本的に引き裂いて開口部（Ｏ）を最初に 露出した時に溶着層の溶着ビード（４）が開口部の端縁部の周りに維持され、溶 着層の残りの部分から分離され、接着層（３）から分離されるように、ビード（ ４）は溶着層（１）と接着層（３）との間の接着の強度より大きい引裂き強度を 有していることを特徴とする方法。 14．多層シート（Ｆ）を製造するために外層（２）と溶着層（１）との間に接着 樹脂を高温で押出して接着層（３）を形成する請求項１３に記載の方法。 15．外層（２）上に接着層（３）を高温で堆積させ、次いで溶着層（１）をカレ ンダリングして多層シート（Ｆ）を製造する請求項１３に記載の方法。 16．接着層が融点８５〜９５℃の熱可塑性エラストマーをベースとするホットメ ルト接着剤で作られている請求項１３〜１５のいずれか一項に記載の方法。 17．接着層が１５０℃で１５，１００ｍＰａ．ｓ、１６０℃で１１，１００ｍＰ ａ．ｓ、１７０℃で８，０００ｍＰａ．ｓの動粘度を有する熱可塑性エラストマ ーをベースとするホットメルト接着剤で作られている請求項１３〜１６のいずれ か一項に記載の方法。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．容器の開口部（Ｏ）の端縁部の周りに溶着されたシート（Ｆ）を有する、開 口部を有する容器（Ｃ）の密封構造物（Ｓ）において、 シート（Ｆ）は、ビード（４）の形で開口部の端縁部に押圧溶着された溶着層 （１）と、遮断層を形成する外層（２）と、中間接着層（３）との少なくとも３ 層で構成され、溶着層のビード（４）と開口部の端縁部との間の溶着部の引裂き 強度は溶着層（１）と接着層（３）との間の接着強度より大きくなっていて、開 口部（Ｏ）を最初に開けた時に溶着層の溶着ビード（４）が開口部の端縁部の周 りに維持され、溶着層（１）の残りの部分から離れ、接着層（３）から離され、 溶着ビード（４）に対応する領域（７）で接着層（３）が露出するようになって おり、接着層の露出領域（７）を定位置に維持された溶着層の溶着ビード（４） に押圧することによって容器（Ｃ）を再シールすることができることを特徴とす る密封構造物。 ２．接着層の露出領域（７）が最初の開口後に溶着層の２枚のバンドまたはスト リップ（８，９）の間にできる請求項１に記載の密封構造物。 ３．外層（２）が厚さが約５０マイクロメートルである柔軟なフィルムからなる 請求項１または２に記載の密封構造物。 ４．外層（２）が二軸延伸ポリエステルからなる請求項３に記載の密封構造物。 ５．外層（２）が剛性フィルムである請求項１または２に記載の密封構造物。 ６．溶着層（１）が、約２０マイクロメートルの裂け易い薄いフィルムまたは押 出パラメータを調節するか、無機充填材を添加して得られる易裂特性を有する厚 いフィルムで構成される請求項１〜５のいずれか一項に記載の密封構造物。 ７．溶着層が高密度ポリエチレンのフィルムで構成される請求項６に記載の密封 構造物。 ８．接着層が最小１０マイクロメートルの厚さに樹脂を塗布して形成される請求 項１〜７のいずれか一項に記載の密封構造物。 ９．接着層（３）が室温で固体の永久粘着性アクリルポリマーまたは熱可塑性エ ラストマーをベースとするホットメルト接着剤からなる請求項８に記載の密封構 造物。 １０．各層を構成する材料が食物−接触規制に従う請求項１〜９のいずれか一項 に記載の密封構造物。 １１．シートが請求項１〜１０のいずれか一項に記載の密封構造物で構成される ことを特徴とする、開口部の端縁部の周りに溶着されたシートによって密閉され た開口部を有する容器。 １２．開口部を有する容器を開口部の端縁部の周りに溶着されたシートによって 密封する方法において、 開口部の端縁部に押圧される溶着層（１）と、遮断層を形成する外層（２）と 、中間接着層（３）とで構成され少なくとも３層を有するシート（Ｆ）を用い、 開口部の端縁部に溶着層（１）をビード（４）として溶着し、開口部（Ｏ）を最 初にの露出した時に溶着層の溶着ビード（４）が開口部の端縁部の周りに維持さ れ、溶着層の残りの部分から分離され、接着層（３）から分離されるように、ビ ード（４）は溶着層（１）と接着層（３）との間の接着の強度より大きい引裂き 強度を有していることを特徴とする方法。 １３．多層シート（Ｆ）を製造するために外層（２）と溶着層（１）との間に接 着樹脂を高温で押出して接着層（３）を形成する請求項１２に記載の方法。 １４．外層（２）上に接着層（３）を高温で堆積させ、次いで溶着層（１）をカ レンダリングして多層シート（Ｆ）を製造する請求項１２に記載の方法。