JP2000356114A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

バルブタイミング調整装置

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JP2000356114A
JP2000356114A JP2000042767A JP2000042767A JP2000356114A JP 2000356114 A JP2000356114 A JP 2000356114A JP 2000042767 A JP2000042767 A JP 2000042767A JP 2000042767 A JP2000042767 A JP 2000042767A JP 2000356114 A JP2000356114 A JP 2000356114A
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driven
bush
vane rotor
valve timing
shaft
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JP2000042767A
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English (en)
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Taishi Morii
泰詞 森井
Tomomasa Onishi
朋正 大西
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従動軸に対する組み付けを容易にし、従動軸
に組み付けるときに従動側回転体が変形することを防止
するバルブタイミング調整装置を提供する。 【解決手段】 ブッシュ20は、フロントプレート13
の内周壁14に所定の摺動クリアランスを形成して貫挿
され、ベーンロータ15に設けた凹部16の内周側壁に
径方向外側の力を加えないように凹部16に嵌合してい
る。ピン42の軸部43の先端はブッシュ20に形成し
た圧入穴22に圧入されており、ピン42の他の部分は
嵌合穴17および嵌合穴3に嵌合している。カムシャフ
ト2にバルブタイミング調整装置1を組み付ける前の状
態において、ベーンロータ15からブッシュ20が脱落
しようとしても頭部44が嵌合穴17の段部17aに係
止されるので、ベーンロータ15からブッシュ20が脱
落することを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関(以下、
「内燃機関」をエンジンという)の吸気弁および排気弁
の少なくともいずれか一方の開閉タイミング(以下、
「開閉タイミング」をバルブタイミングという)を運転
条件に応じて変更するバルブタイミング調整装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンのクランクシャフトと同
期回転するタイミングプーリやチェーンスプロケットを
介してカムシャフトを駆動し、タイミングプーリやチェ
ーンスプロケットとカムシャフトとの相対回動による位
相差により吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一
方のバルブタイミングを調整するベーン式のバルブタイ
ミング調整装置として図6に示すものが知られている。
【0003】バルブタイミング調整装置120におい
て、タイミングギア121およびシューハウジング12
2は図示しないクランクシャフトと同期して回転し、シ
ューハウジング122内にベーンロータ123を回動自
在、かつ摺動自在に収容している。ベーンロータ123
およびブッシュ125は、ボルト124によりカムシャ
フト110と一体に回転するように結合されている。ベ
ーンロータ123の各ベーンの周方向両側にそれぞれ油
圧室が形成されており、この油圧室の油圧を制御するこ
とによりシューハウジング122に対するベーンロータ
123の回転位相を調整し、クランクシャフトに対する
カムシャフト110の位相を調整している。
【0004】シューハウジング122のフロントプレー
ト122aとベーンロータ123との摺動部に、図7に
示すように摺動クリアランス130が設けられている。
摺動クリアランス130は、シューハウジング122に
対するベーンロータ123の相対回動を妨げず、かつ油
圧室の間で作動油が漏れないように設定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成のベ
ーン式のバルブタイミング調整装置120において、カ
ムシャフト110にバルブタイミング調整装置120を
ボルト124で結合する際、ベーンロータ123からブ
ッシュ125が脱落しないよう、ベーンロータ123に
ブッシュ125を圧入しておくことが一般的である。
【0006】しかし、ベーンロータ123にブッシュ1
25を圧入すると、特にベーンロータをアルミ等の比較
的柔らかい金属で形成している場合、図7に示すように
ベーンロータ123の圧入口が変形する恐れがある。ブ
ッシュ125を圧入することによりベーンロータ123
が変形すると、図7に示すようにベーンロータ123の
変形部分がシューハウジング122に接触し、シューハ
ウジング122に対するベーンロータ123の相対回動
を妨げる場合がある。ベーンロータ123に変形が生じ
てもシューハウジング122に対するベーンロータ12
3の相対回動を妨げないように摺動クリアランス130
を大きく設定すると、油圧室の間で作動油が漏れ、シュ
ーハウジング122に対しベーンロータ123が相対回
動する際の応答が遅くなる。さらに、シューハウジング
122に対するベーンロータ123の位相を高精度に油
圧制御できなくなる。
【0007】また、カムシャフト110に対しシューハ
ウジング122が相対回動可能な角度範囲、言い換える
とシューハウジング122、つまりクランクシャフトに
対しカムシャフト110が相対回動可能な角度範囲の回
転方向の位置は、カムシャフト110に組み付けるベー
ンロータ123の回転方向の位置により設定される。し
かし、図6に示す従来の構成のバルブタイミング調整装
置では、カムシャフト110に対するベーンロータ12
3の回転方向の位置決めが困難である。
【0008】また、ベーンロータ123をアルミ等の柔
らかい金属で形成している場合、ボルト124によりカ
ムシャフト110にベーンロータ123を強い軸力で結
合すると、カムシャフト110と接触するベーンロータ
123の軸方向端部が軸力により変形することがある。
すると、シューハウジング122に対しベーンロータ1
23が傾くことによりベーンロータ123がシューハウ
ジング122に接触し、シューハウジング122に対す
るベーンロータ123の回動を妨げる恐れがある。
【0009】本発明の目的は、従動軸に対する組み付け
を容易にし、従動軸に組み付けるときに従動側回転体が
変形することを防止するバルブタイミング調整装置を提
供することにある。本発明の他の目的は、従動軸の回転
角度を検出する部品を低減するバルブタイミング調整装
置を提供することにある。本発明のまた他の目的は、従
動軸にバルブタイミング調整装置を組み付けるとき、従
動軸に対する従動側回転体の回転方向の位置決めを容易
に行うことができるバルブタイミング調整装置を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
バルブタイミング調整装置によると、従動軸にバルブタ
イミング調整装置を組み付ける前に、結合部材と従動側
回転体との間に挟持するブッシュと従動側回転体とを仮
組み付けしておく組み付け部材を備えることにより、従
動軸に組み付ける前のバルブタイミング調整装置におい
て、従動側回転体からブッシュが脱落することを防止す
るために従動側回転体にブッシュを圧入しておく必要が
ない。従動側回転体にブッシュを圧入することにより生
じる従動側回転体の変形を防止できるので、駆動側回転
体と従動側回転体との摺動部において従動側回転体の変
形部が駆動側回転体に接触することを防止し、駆動側回
転体と従動側回転体との滑らかな相対回動を確保する。
【0011】本発明の請求項2記載のバルブタイミング
調整装置によると、従動軸にバルブタイミング調整装置
を組み付けるとき、従動軸に形成されている位置決め凹
部に組み付け部材が嵌合することにより、組み付け部材
と別に位置決め部材を設けることなく従動軸に対する従
動側回転体の回転方向の位置決めを高精度にかつ容易に
行うことができる。したがって、駆動側回転体、つまり
駆動軸に対する従動軸の相対位相範囲の回転方向の位置
決めを高精度かつ容易に行うことができる。
【0012】本発明の請求項3記載のバルブタイミング
調整装置によると、従動側回転体からブッシュが脱落し
ようとしても、例えば段付きピンの段部が従動側回転体
に係止されることにより、従動側回転体とブッシュとの
離反を防ぐので、従動軸にバルブタイミング調整装置を
容易に組み付けることができる。
【0013】本発明の請求項4記載のバルブタイミング
調整装置によると、ブッシュは従動軸の回転角度検出用
の歯を外周に有するので、ブッシュと別に従動軸の回転
角を検出する回転部材が不要になる。したがって、部品
点数が減少し、製造コストが低下する。
【0014】本発明の請求項5記載のバルブタイミング
調整装置によると、従動側回転体と従動軸との間に挟持
されるスリーブは、断面コ字状に形成されており、従動
側回転体と結合する従動軸の端部外周を覆う。したがっ
て、従動側回転体と受動軸との間に平板を挟持するか、
あるいは従動軸に従動側回転体が直接接触する場合に比
べ、従動軸側から受動側回転体が軸力を受ける面積が増
加する。大きな軸力で従動軸に従動側回転体を結合して
も、従動側回転体が軸力から受ける圧力が低下するの
で、従動側回転体の変形を防止することができる。した
がって、従動側回転体を例えばアルミ等の柔らかい金属
で形成することができる。
【0015】また、従動軸に比べスリーブを高精度に加
工することは容易であるから、従動側回転体と結合する
従動軸の端部外周をスリーブが覆うことにより、従動軸
の加工誤差をスリーブが吸収することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示す
複数の実施例を図に基づいて説明する。 (第1実施例)本発明の第1実施例によるバルブタイミ
ング調整装置を油圧制御するシステムを図2に示す。
【0017】バルブタイミング調整装置1は、図示しな
い吸気弁のバルブタイミングを制御するものである。チ
ェーンスプロケット10は、図示しないチェーンにより
駆動軸としてのクランクシャフトと結合され、シューハ
ウジング11とともにクランクシャフトと同期して回転
する。ベーンロータ15は、シューハウジング11内に
シューハウジング11に対し相対回動自在に収容され、
従動軸としてのカムシャフト2とともに回転する。カム
シャフト2は、チェーンスプロケット10、シューハウ
ジング11、ベーンロータ15を介しクランクシャフト
から駆動力を伝達され、図示しないカムにより吸気弁を
開閉駆動する。カムシャフト2は、チェーンスプロケッ
ト10、つまりクランクシャフトに対し所定の位相差を
おいて相対回動可能である。クランクシャフトに対する
カムシャフト2の位相、つまりシューハウジング11に
対するベーンロータ15の位相は、後述するベーンロー
タ15の各ベーンの周方向両側にそれぞれ形成されてい
る遅角油圧室および進角油圧室の油圧により制御され
る。
【0018】エンジン制御装置(ECU)70は、クラ
ンク角センサ、回転数センサ、水温センサ等の各センサ
から検出信号を入力し、エンジン運転状態に応じたデュ
ーティ信号を電磁弁80のアクチュエータ81に送出す
る。アクチュエータ81はスプール弁部材82を吸引す
る磁力を発生するコイル部を有しており、コイル部に供
給する制御電流のデューティ比が制御されることにより
スプール弁部材82が軸方向に移動する。油圧ポンプ8
5はドレイン86内の作動油をフィルタ87を通して吸
い上げ、油供給路101を通し電磁弁80に供給する。
ドレイン通路102は、バルブタイミング調整装置1の
各遅角油圧室および各進角油圧室からドレイン86に作
動油を排出する油通路である。油通路103、104
は、それぞれ各遅角油圧室、各進角油圧室と連通してい
る。スプール弁部材82が軸方向に移動することによ
り、油通路103、104はそれぞれ油供給路101ま
たはドレイン通路102の一方と連通しバルブタイミン
グ調整装置1の各遅角油圧室および各進角油圧室の油圧
が制御される。これにより、シューハウジング11に対
するベーンロータ15の位相が制御されクランクシャフ
トに対するカムシャフト2の位相が制御されるので、吸
気弁のバルブタイミングが調整される。
【0019】図1に示すように、シューハウジング11
は、周壁12およびフロントプレート13を有してお
り、チェーンスプロケット10とボルト41により同軸
上に固定されている。チェーンスプロケット10および
シューハウジング11は駆動側回転体を構成している。
ベーンロータ15の軸方向両端面はシューハウジング1
1のフロントプレート13とチェーンスプロケット10
とにより覆われている。バルブタイミング調整装置1は
図1に示す矢印IV方向からみて時計方向に回転する。以
下この回転方向を進角方向とする。
【0020】図3に示すように、シューハウジング11
は周方向にほぼ等間隔に台形状に形成されたシュー11
a、11b、11cを有している。シュー11a、11
b、11cの周方向の三箇所の間隙にそれぞれベーンロ
ータ15のベーン15a、15b、15cを収容する収
容室としての扇状空間部50が形成されている。シュー
11a、11b、11cの内周面は断面円弧状に形成さ
れている。
【0021】従動側回転体としてのベーンロータ15は
周方向にほぼ等間隔にベーン15a、15b、15cを
有し、このベーン15a、15b、15cがシュー11
a、11b、11cの周方向の間隙に形成されている扇
状空間部50に回動可能に収容されている。図3に示す
遅角方向、進角方向を表す矢印は、シューハウジング1
1に対するベーンロータ15の遅角方向、進角方向を表
している。
【0022】ベーンロータ15と、フロントプレート1
3およびチェーンスプロケット10との間に軸方向に形
成されたクリアランスは、フロントプレート13および
チェーンスプロケット10に対するベーンロータ15の
相対回動を妨げず、かつ油圧室の間で作動油が漏れない
ように設定されている。
【0023】図1に示すように、ブッシュ20はベーン
ロータ15とともに結合部材としてのボルト40により
カムシャフト2に一体に結合されている。ブッシュ20
はフロントプレート13の内周壁14に所定の摺動クリ
アランスを形成して貫挿されている。フロントプレート
13の内周壁14とブッシュ20の外周壁とが形成する
摺動クリアランスは、フロントプレート13に対しブッ
シュ20が相対回動可能、かつこの摺動クリアランスか
らバルブタイミング調整装置1の外への作動油の漏れが
微量となるように設定されている。さらにブッシュ20
は、ベーンロータ15に設けた凹部16の内周側壁に径
方向外側の力を加えないように凹部16に嵌合してい
る。
【0024】図4に示すように、ブッシュ20の外周に
径方向外側に突出する三つの歯21が等角度間隔に形成
されている。図2に示す回転角度センサ71が歯21を
検出することにより、カムシャフト2の回転角度が検出
される。
【0025】組み付け部材としてのピン42は軸部43
および軸部43より大径の頭部44を有している段付ピ
ンである。軸部43の先端はブッシュ20に形成した圧
入穴22に圧入されており、ピン42の他の部分は嵌合
穴17および位置決め凹部としての嵌合溝3に嵌合して
いる。カムシャフト2にバルブタイミング調整装置1を
組み付ける前の状態において、ピン42によりベーンロ
ータ15とブッシュ20とを仮組み付けしておくと、ベ
ーンロータ15からブッシュ20が脱落しようとしても
頭部44が嵌合穴17の段部17aに係止されるので、
ベーンロータ15からブッシュ20が脱落することを防
止できる。
【0026】図3に示すように、シール部材25はベー
ンロータ15の外周壁に嵌合している。ベーンロータ1
5の外周壁とシューハウジング11の内周壁との間には
微小クリアランスが設けられている。シール部材25
は、この微小クリアランスを通り油圧室の間で作動油が
漏れることを防止している。シール部材25はそれぞれ
板ばね26の付勢力によりシューハウジング11の内周
壁に向けて押されている。
【0027】図1に示すように、ガイドリング30は収
容孔33を形成するベーン15aの内壁に圧入保持さ
れ、このガイドリング30に当接部としてのストッパピ
ストン31が挿入されている。ストッパピストン31は
有底円筒状に形成されており、ガイドリング30に往復
移動可能に支持されている。ストッパピストン31は付
勢手段としてのスプリング36によりフロントプレート
13側に付勢されている。フロントプレート13にスト
ッパ部材32が取り付けられており、ストッパピストン
31はストッパ部材32に嵌合可能である。ストッパピ
ストン31がストッパ部材32に嵌合し、ストッパピス
トン31とストッパ部材32とが当接した状態ではシュ
ーハウジング11に対するベーンロータ15の相対回動
は拘束される。したがって、シューハウジング11とベ
ーンロータ15とがばたつくことによる打音の発生を防
止できる。ストッパピストン31、ストッパ部材32お
よびスプリング36は拘束手段を構成している。
【0028】ストッパピストン31のフロントプレート
13側に形成された油圧室34は、油通路67(図3)
を介し後述する進角油圧室54と連通している。また、
ガイドリング30の内周壁とストッパピストン31の外
周壁とにより油圧室35が形成されている。油圧室35
は、油通路68(図3)を介し遅角油圧室51と連通し
ている。ストッパピストン31は油圧室34、35の作
動油から受ける力をストッパ部材32から抜け出る力と
して受ける。進角油圧室54および油圧室34、あるい
は遅角油圧室51および油圧室35に所定圧以上の作動
油が供給されると、スプリング36の付勢力に抗しスト
ッパピストン31はストッパ部材32から抜け出す。ス
プリング36の付勢力は、ストッパ部材32にストッパ
ピストン31を嵌合可能な程度に極力弱く設定してあ
る。
【0029】ストッパピストン31の位置とストッパ部
材32の位置とは、シューハウジング11に対しベーン
ロータ15が最遅角位置にあるとき、つまりクランクシ
ャフトに対しカムシャフト2が最遅角位置にあるときに
スプリング36の付勢力によりストッパピストン31が
ストッパ部材32に嵌合可能なように設定されている。
【0030】図3に示すように、シュー11aとベーン
15aとの間に遅角油圧室51が形成され、シュー11
bとベーン15bとの間に遅角油圧室52が形成され、
シュー11cとベーン15cとの間に遅角油圧室53が
形成されている。また、シュー11cとベーン15aと
の間に進角油圧室54が形成され、シュー11aとベー
ン15bとの間に進角油圧室55が形成され、シュー1
1bとベーン15cとの間に進角油圧室56が形成され
ている。
【0031】油通路61、62、63は油供給路101
と連通し、それぞれ遅角油圧室51、52、53と連通
している。油通路64、65、66はドレイン通路10
2と連通し、それぞれ進角油圧室54、55、56と連
通している。
【0032】バルブタイミング調整装置1の組み付け手
順を次に示す。 (1) シューハウジング11にベーンロータ15を嵌
め込み、ストッパ部材32にストッパピストン31を嵌
合する。 (2) シューハウジング11およびベーンロータ15
にブッシュ20を嵌合する。 (3) ベーンロータ15の嵌合穴17とブッシュ20
の圧入穴22とを位置合わせし、嵌合穴17の反ブッシ
ュ20側からピン42を挿入し、圧入穴22に軸部43
を圧入する。 (4) シューハウジング11の開口部をチェーンスプ
ロケット10で塞ぎ、ボルト41でチェーンスプロケッ
ト10とシューハウジング11とを結合する。上記の手
順のバルブタイミング調整装置1を組み付けることによ
り、チェーンスプロケット10の歯とピン42とがなす
角度を決定することが可能となる。
【0033】以上(1)〜(4)間での工程で組み付け
たバルブタイミング調整装置1をカムシャフト2の嵌合
穴3にピン42の頭部44を嵌め込みながら位置合わせ
し、ボルト40でカムシャフト2にバルブタイミング調
整装置1を結合する。
【0034】次に、バルブタイミング調整装置1の作動
を説明する。エンジン始動時、油圧ポンプ85から作動
油が油圧室34、35にまだ導入されていないとき、ク
ランクシャフトの回転に伴いベーンロータ15はシュー
ハウジング11に対し最遅角位置にある。ストッパピス
トン31はスプリング36の付勢力によりストッパ部材
32に嵌合しており、この嵌合によりベーンロータ15
とシューハウジング11とは強固に拘束されている。し
たがって、吸気弁を駆動する際にカムシャフト2が正・
負のトルク変動を受けても、ベーンロータ15はシュー
ハウジング11に対し遅角側および進角側への動きを規
制されることにより相対的な回転振動を発生することは
なく、シューハウジング11とベーンロータ15とが衝
突して打音を発生することを防止する。
【0035】エンジン始動後、まず各遅角油圧室に作動
油が供給される。油圧ポンプ85から各遅角油圧室に作
動油が供給されると油圧室35にも作動油が供給され、
油圧室35からストッパピストン31の受圧面が受ける
力により、スプリング36の付勢力に抗してストッパピ
ストン31はストッパ部材32から抜け出し、ベーンロ
ータ15はシューハウジング11との拘束を解除され
る。
【0036】ストッパピストン31がストッパ部材32
から抜け出しても、ベーンロータ15は遅角油圧室から
遅角方向に油圧を受けるとともに、カムシャフト2が受
ける正・負のトルク変動の平均はシューハウジング11
に対しベーンロータ15を遅角側に付勢するので、ベー
ンロータ15はシューハウジング11に対し依然として
最遅角位置に保持される。このため、ベーンロータ15
とシューハウジング11との打音の発生は抑制される。
【0037】次に、電磁弁80に供給する制御電流のデ
ューティ比を変更しスプール弁部材82を移動させるこ
とにより、各遅角油圧室の作動油をドレイン86に排出
し各進角油圧室に作動油を供給すると、油圧室34に作
動油が供給されストッパピストン31がストッパ部材3
2から抜け出た非拘束状態でシューハウジング11に対
しベーンロータ15が進角方向に移動する。このように
各油圧室の油圧を調整することにより、シューハウジン
グ11に対するベーンロータ15の相対位相差、つまり
クランクシャフトに対するカムシャフト2の相対位相差
を制御することができる。ベーンロータ15がシューハ
ウジング11に対し最遅角位置から進角側に回転する
と、ストッパピストン31はストッパ部材32に嵌合し
なくなる。
【0038】第1実施例では、カムシャフト2にバルブ
タイミング調整装置1を組み付ける前の状態において、
ベーンロータ15からブッシュ20が脱落しようとする
と、ピン42の頭部44がベーンロータ15の嵌合穴1
7に形成された段部17aに係止されるので、ブッシュ
20がベーンロータ15から脱落することを防止する。
【0039】カムシャフト2に対するシューハウジング
11の位相ずれ範囲の回転方向位置は、カムシャフト2
に対するベーンロータ15の回転方向の位置決めにより
設定される。ピン42の頭部44がカムシャフト2に形
成した嵌合穴3に嵌合することにより、カムシャフト2
に対するベーンロータ15の回転方向の位置決め、つま
りクランクシャフトに対するカムシャフト2の相対位相
差の範囲を回転方向に高精度にかつ容易に位置決めする
ことができる。
【0040】さらに、ピン42によりブッシュ20の歯
21とカムシャフト2とを回転方向に高精度に位置決め
できるので、回転角度センサ71によりカムシャフト2
の回転角度を高精度に検出できる。
【0041】(第2実施例)本発明の第2実施例を図5
に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分に同一符号
を付し、説明を省略する。第2実施例では、第1実施例
の構成に加え、カムシャフト2とベーンロータ15との
間にスリーブ91を挟持している。スリーブ91は、底
壁92と周壁93とにより断面コ字状に形成されてお
り、カムシャフト2のベーンロータ15側端部を覆って
いる。組み付け部材としてのピン95は、軸部96と軸
部96よりも大径の頭部97とを有する段付ピンであ
る。軸部96の先端は、圧入穴22に圧入され、かつベ
ーンロータ15の嵌合穴18およびスリーブ91の底壁
92に形成された嵌合穴94に嵌合している。ピン95
の頭部97は嵌合穴94に嵌合している。ピン98は、
カムシャフト2の外周壁およびスリーブ91の周壁93
に嵌合しており、スリーブ91とカムシャフト2との回
転方向の位置決めをしている。
【0042】ピン95でベーンロータ15とブッシュ2
0とスリーブ91とを組み付けた状態で、ボルト40で
カムシャフト2にバルブタイミング調整装置4を結合す
る。カムシャフト2にバルブタイミング調整装置4を組
み付ける前の状態において、ピン95によりベーンロー
タ15とブッシュ20とを仮組み付けしておくと、ベー
ンロータ15からブッシュ20が脱落しようとしても頭
部97が嵌合穴18の段部18aに係止されるので、ベ
ーンロータ15からブッシュ20が脱落することを防止
できる。
【0043】さらに、ブッシュを介在させずカムシャフ
ト2に直接ベーンロータ15を接触させる場合にくら
べ、ベーンロータ15がカムシャフト2側から軸力を受
ける面積を大きくすることにより、ベーンロータ15と
カムシャフト2とを大きな軸力で結合しても、カムシャ
フト2側のベーンロータ15の変形を防止できる。
【0044】さらに、カムシャフト2に比べスリーブ9
1を高精度に加工することは容易である。したがって、
カムシャフト2に加工誤差があっても、カムシャフト2
のベーンロータ15側端部外周をスリーブ91が覆うこ
とにより、カムシャフト2の加工誤差を吸収することが
できる。これにより、カムシャフト2に対しベーンロー
タ15、つまりバルブタイミング調整装置4が傾いて組
み付けられることを防止する。されに、スリーブ91と
チェーンスプロケット10とが滑らかに相対回動するた
めの摺動クリアランスを均一に形成できる。
【0045】以上説明した本発明の実施の形態を示す上
記複数の実施例では、カムシャフトにバルブタイミング
調整装置を組み付ける前に、組み付け部材としての段付
ピンを用いてベーンロータ15からブッシュ20が脱落
することを防止している。ベーンロータ15にブッシュ
20を圧入してベーンロータ15からブッシュ20が脱
落することを防止する構成に比べ、ブッシュ20を組み
付けることによるベーンロータ15の変形を防止し、シ
ューハウジング11に対しベーンロータ15が滑らかに
回動する。さらに、例えばアルミ等の柔らかく軽い金属
でベーンロータ15を形成することができるので、ベー
ンロータ15の加工が容易であり、かつバルブタイミン
グ調整装置を軽量化できる。
【0046】上記複数の実施例では、ベーンロータ15
からブッシュ20が脱落することを防止するピンは段付
ピンであるが、ベーンロータ15からブッシュ20が脱
落することを防止するのであれば、どのような組み付け
部材を用いてもよい。
【0047】また、ブッシュ20の外周に歯21を設
け、この歯21によりカムシャフト2の回転角を検出し
たが、ブッシュに歯を設けず、他にカムシャフト2の回
転角を検出する回転体を用意してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるバルブタイミング調
整装置を示す断面図である。
【図2】第1実施例によるバルブタイミング調整装置を
用いた油圧制御システムを示す概略構成図である。
【図3】図1のIII− III線断面図である。
【図4】図1のIV方向矢視図である。
【図5】本発明の第2実施例によるバルブタイミング調
整装置を示す断面図である。
【図6】従来のバルブタイミング調整装置を示す断面図
である。
【図7】図6のVII線部分拡大図である。
【符号の説明】
1 バルブタイミング調整装置 2 カムシャフト(従動軸) 3 嵌合穴 4 バルブタイミング調整装置 10 チェーンスプロケット(駆動側回転体) 11 シューハウジング(駆動側回転体) 15 ベーンロータ(従動側回転体) 17、18 嵌合穴 20 ブッシュ 21 歯 22 圧入穴 40 ボルト(結合部材) 42、95 ピン(組み付け部材、段付ピン) 43、96 軸部 44、97 頭部 91 スリーブ 94 嵌合穴

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気弁および排気弁の少なく
    ともいずれか一方を開閉する従動軸に駆動軸の駆動力を
    伝達する駆動力伝達系に設けられるバルブタイミング調
    整装置であって、 前記駆動軸とともに回転する駆動側回転体と、 前記従動軸とともに回転し、前記駆動側回転体に対し相
    対回動駆動される従動側回転体と、 前記従動側回転体と前記従動軸とを結合する結合部材
    と、 前記結合部材と前記従動側回転体との間に挟持され、前
    記結合部材により前記従動側回転体に押圧されるブッシ
    ュと、 前記結合部材で前記従動側回転体と前記従動軸とを結合
    する前に前記従動側回転体から前記ブッシュが脱落する
    ことを防止する組み付け部材と、 を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 【請求項2】 前記組み付け部材は、前記従動軸に形成
    されている位置決め凹部に嵌合することを特徴とする請
    求項1記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 【請求項3】 前記組み付け部材は前記ブッシュおよび
    前記従動側回転体に嵌合している段付きピンであること
    を特徴とする請求項1または2記載のバルブタイミング
    調整装置。
  4. 【請求項4】 前記ブッシュは前記従動軸の回転角度検
    出用の歯を外周に有することを特徴とする請求項1、2
    または3記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 【請求項5】 内燃機関の吸気弁および排気弁の少なく
    ともいずれか一方を開閉する従動軸に駆動軸の駆動力を
    伝達する駆動力伝達系に設けられているバルブタイミン
    グ調整装置であって、 前記駆動軸とともに回転する駆動側回転体と、 前記従動軸とともに回転し、前記駆動側回転体に対し相
    対回動駆動される従動側回転体と、 前記従動側回転体と前記従動軸とを結合する結合部材
    と、 前記従動側回転体と前記従動軸との間に挟持されるスリ
    ーブであって、断面コ字状に形成されており、前記従動
    側回転体と結合する前記従動軸の端部外周を覆うスリー
    ブと、 を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
JP2000042767A 1999-04-13 2000-02-21 バルブタイミング調整装置 Pending JP2000356114A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009174411A (ja) * 2008-01-24 2009-08-06 Hitachi Ltd 内燃機関のバルブタイミング制御装置およびその装置に用いられる回転角度検出手段の製造方法
JP5669999B2 (ja) * 2012-11-12 2015-02-18 三菱電機株式会社 バルブタイミング調整装置及びその組立て方法

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