JP4085221B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(以下、「内燃機関」をエンジンという)の吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミング(以下、「開閉タイミング」をバルブタイミングという)を変更するためのバルブタイミング調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンのクランクシャフトと同期回転するタイミングプーリやチェーンスプロケット等を介してカムシャフトを駆動し、タイミングプーリやチェーンスプロケットとカムシャフトとの相対回動による位相差により吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方のバルブタイミングを油圧制御するバルブタイミング調整装置としてたとえばベーン式のものが知られている。このような作動流体を用いたベーン式のバルブタイミング装置では、吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を駆動することにより正・負に変動する負荷トルクをカムシャフトが受けるので、例えばエンジン始動開始時のクランキング時のように作動流体が充分に供給されていない状態において、ベーン部材を収容するハウジング部材に対しベーン部材が揺動しハウジング部材とベーン部材との衝突により打音が発生するという問題がある。ここで、正の負荷トルクはクランクシャフトに対しカムシャフトの遅角方向に働き、負の負荷トルクはクランクシャフトに対しカムシャフトの進角方向に働く。
【0003】
そこで、バルブタイミング調整装置に作動流体が充分に供給されていない状態において、例えばベーン部材に収容したストッパピストンをハウジング部材に形成した嵌合穴に嵌合させることによりハウジング部材に対するベーン部材の揺動を防止し、打音の発生を防止するものが知られている。作動流体が充分に供給されると流体圧力によりストッパピストンがハウジング部材から抜けるので、ハウジング部材に対しベーン部材を相対回動制御できる。ハウジング部材にストッパピストンを嵌合させる位置は、ハウジング部材に対しベーン部材が最遅角か最進角にあるときである。つまり、クランクシャフトに対しカムシャフトが最遅角か最進角にあるときである。
【0004】
しかし、例えば吸気弁のバルブタイミングを調整する場合、クランクシャフトに対しカムシャフトが最進角にある位置でストッパピストンがハウジング部材に嵌合する構成では、クランクシャフトに対しカムシャフトが最進角にある状態でエンジンを始動することになる。この場合、排気弁と吸気弁との開弁期間が重複し排気ガスが吸気側に還流するので、燃焼不良等を起こし始動が困難になる。
【0005】
また、吸気弁のバルブタイミングを調整する場合、クランクシャフトに対しカムシャフトが最遅角にある位置でストッパピストンがハウジング部材に嵌合する構成では、クランクシャフトに対しカムシャフトが最遅角にある状態でエンジンを始動することになる。この場合、吸気弁が開弁しているときに圧縮行程が開始するので、圧縮比が低下し出力不足になることにより始動が困難になる。
【0006】
そこで、本出願人が出願している特願平11−152464号明細書に開示されるバルブタイミング調整装置では、クランクシャフトに対し最遅角と最進角との中間にカムシャフトが位置するときにハウジング部材にストッパピストンが嵌合することにより、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回動を規制している。最遅角と最進角の中間位置でエンジンを始動することにより、クランクシャフトに対しカムシャフトが好適な位相位置にある状態でエンジンを始動できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特願平11−152464号明細書に開示されるバルブタイミング調整装置の構成では、嵌合穴に嵌合するためにストッパピストンに働く力はスプリングの付勢力だけであるから、短い嵌合時間で嵌合穴にストッパピストンを嵌合させることが困難である。また、当接部が嵌合穴から抜けた拘束解除状態を保持する油圧が低い場合、ハウジング部材に対しベーン部材を相対回動させる位相制御中にスプリングの付勢力によりストッパピストンが嵌合穴側に飛び出し嵌合穴に引っかかる恐れがある。
【0008】
本発明の目的は、中間位置においてエンジンの始動を開始しエンジンを速やかに始動させるとともに、打音の発生を防止するバルブタイミング調整装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、位相制御中に拘束手段が拘束状態になることを防止するバルブタイミング調整装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1または3記載のバルブタイミング調整装置によると、駆動側回転体に対し従動側回転体が最遅角と最進角との中間位置にあるとき、駆動側回転体に対する従動側回転体の相対回動を拘束可能な拘束手段を備えている。中間位置において駆動側回転体に対する従動側回転体の相対回動を拘束することにより、始動不良を防止し、排ガス中に発生する有害物質を低減できる。
【0010】
さらに、第1作動流体圧力により被当接部と当接部との拘束状態を解除することに加え、第2作動流体圧力により被当接部と当接する方向に当接部を変位させる。したがって、例えばエンジンを停止するときに当接部に働く第1作動流体圧力を低下させ第2作動流体圧力を上昇させることにより、中間位置において当接部を被当接部に確実に当接させることができる。これにより、エンジンの始動を中間位置で開始できるので、エンジンを短時間で確実に始動できる。
【0011】
また、エンジン始動開始時において当接部に働く第1作動流体圧力を低下させ第2作動流体圧力を上昇させることにより、中間位置において当接部が被当接部と当接している状態を保持できる。エンジン始動開始時のクランキング時において中間位相を保持できるので、エンジンを短時間で確実に始動できる。
また、本発明の請求項1記載のバルブタイミング調整装置によると、当接部が被当接部と拘束解除状態のとき第2作動流体通路は閉塞されている。エンジンの始動完了後、エンジン通常運転中の拘束解除状態において被当接部に当接部を当接させる第2作動流体圧力が当接部に加わらないので、当接部と被当接部との拘束解除状態を保持し、位相制御を滑らかに行うことができる。
エンジンの停止が指示されたときは第1作動流体圧力を低下させることにより当接部が被当接部との拘束解除状態から拘束状態に移行するとき、第2作動流体通路が開放され当接部に第2作動流体圧力が加わる。これにより、当接部を被当接部と確実に当接させることができる。
【0012】
本発明の請求項2記載のバルブタイミング調整装置によると、第1作動流体圧力は遅角側に従動側回転体を回転させ、第2作動流体圧力は進角側に従動側回転体を回転させる。当接部に働く第1作動流体圧力を上昇させ第2作動流体圧力を低下させることにより、エンジン始動完了後、当接部と被当接部との拘束状態を解除し、駆動側回転体に対し従動側回転体を中間位置より遅角側に回転させる。エンジン始動完了後のアイドル運転において、駆動側回転体に対し従動側回転体を中間位置より遅角側に保持するので、アイドル運転中に作動流体圧力が低下しても当接部が被当接部に当接せず、中間位置よりも遅角側で位相制御を行うことができる。
【0013】
本発明の請求項4記載のバルブタイミング調整装置によると、当接部と被当接部との拘束状態を解除する第1作動流体圧力を受ける受圧部を当接部に二箇所設けているので、第1作動流体圧力を受ける受圧面積を大きくすることができる。したがって、第1作動流体圧力が低下しても当接部と被当接部との拘束解除状態を保持できる。また、拘束状態を解除する方向に働く第1作動流体圧力から受ける力が大きくなるので、当接付勢手段の付勢力を増加できる。異物等が当接部に噛み込んでも当接付勢手段の付勢力により被当接部と当接する方向に当接部を変位させることができるので、当接部の固着を防止できる。
【0016】
本発明の請求項記載のバルブタイミング調整装置によると、第2作動流体通路の開閉を当接部の変位により行う。当接部自身の変位により当接部に第2作動流体を供給する第2作動流体通路の開閉を行うので、当接部の変位に応じ確実に第2作動流体通路を開閉できる。さらに、他の開閉弁や切換弁を用いないので、部品点数が減少し、組み付けが容易になり、製造コストが低減する。
【0017】
本発明の請求項記載のバルブタイミング調整装置によると、当接部または嵌合穴の少なくともいずれか一方の当接部分は、テーパ状かつ断面円形状に形成されている。当接部または嵌合穴に製造誤差があっても、当接部分のテーパ形状がその誤差を吸収し、嵌合状態におけるがたつきを防止する。したがって、エンジン始動時の中間位置における打音の発生を防止できる。
【0018】
本発明の請求項記載のバルブタイミング調整装置によると、当接部分のテーパ角度を15°未満にしている。テーパ角度を鋭角にしたことにより、当接付勢手段および第2作動流体圧力から受ける力により従動軸が受ける負荷トルクに打ち勝つ摩擦力を発生し、当接部が嵌合穴に嵌合した状態を保持できる。また、嵌合穴に嵌合する当接部の深さのばらつきを低減できる。
【0019】
本発明の請求項記載のバルブタイミング調整装置によると、嵌合穴は回動方向と直交する方向に長穴状に形成されている。回動方向と直交する方向において嵌合穴または当接部に製造公差があっても、当接部は嵌合穴に確実に嵌合する。また、製造公差の限度をゆるめることができるので、製造が容易になり製造コストが低減する。
【0020】
本発明の請求項記載のバルブタイミング調整装置によると、嵌合穴の周囲に嵌合穴よりも浅く形成され、中間位置よりも遅角側に従動側回転体が回転することを禁止し、中間位置よりも進角側に従動側回転体が回転することを許容する拡大穴を有している。負荷トルクは従動側回転体を遅角側に回転させるので、中間位置から進角側に従動側回転体が位置していれば、拡大穴に嵌合した状態から中間位置において拘束手段により駆動側回転に対する従動側回転体の相対回動を確実に拘束できる。
【0021】
本発明の請求項10記載のバルブタイミング調整装置によると、拘束解除状態において、被当接部と当接する方向へ変位する当接部の速度を低減するダンパ室が当接部の外周に形成されている。通常運転中、エンジンの運転状態により第1作動流体圧力が低下しても、ダンパ室のダンパ作用により被当接部と当接する方向に当接部が変位することを防止し、位相制御中に駆動側回転体に対し従動側回転体の相対回動が拘束されることを防止する。
【0022】
本発明の請求項11記載のバルブタイミング調整装置によると、当接部が被当接部との拘束解除状態から拘束状態に移行するときダンパ室のダンパ作用を解消している。エンジン停止時において作動流体圧力が低下し当接部が被当接部との当接方向に変位するとき、ダンパ作用を解消することにより被当接部に当接部を確実に当接させることができる。
【0023】
本発明の請求項12記載のバルブタイミング調整装置によると、ダンパ室のダンパ作用の解消は当接部の変位により行われる。当接部の変位に応じて確実にダンパ室のダンパ作用を解消することができる。また、他の開閉弁や切換弁を用いないので、部品点数が減少し、組み付けが容易になり、製造コストが低減する。
【0024】
本発明の請求項13記載のバルブタイミング調整装置によると、従動側回転体を進角側に付勢する進角付勢手段を備える。エンジンを停止する指示が出されたとき、最遅角位置よりも進角側の中間位置に従動側回転体を回転させるトルクを補助するとともに、エンジン通常運転中において作動流体圧力が低下しても従動側回転体を進角側に回転させるトルクを補助する。
【0025】
本発明の請求項14記載のバルブタイミング調整装置によると、駆動側回転体に対する従動側回転体の相対回動角度範囲において、当接部を収容する空間の反被当接部側は大気開放されている。当接部の反被当接部側の空間に作動流体が漏れ出しても、この作動流体が被当接部に向け当接部を変位させる力とならないので、エンジン運転中において当接部と被当接部との拘束解除状態を保持できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例によるエンジン用バルブタイミング調整装置を図4に示す。第1実施例のバルブタイミング調整装置1は油圧制御式であり、吸気弁のバルブタイミングを制御するものである。
【0027】
図4に示す従動側回転体の一方の側壁であるチェーンスプロケット10は、図示しないチェーンにより図示しないエンジンの駆動軸としてのクランクシャフトと結合して駆動力を伝達され、クランクシャフトと同期して回転する。従動軸としてのカムシャフト2は、チェーンスプロケット10から駆動力を伝達され、図示しない吸気弁を開閉駆動する。カムシャフト2は、チェーンスプロケット10に対し所定の位相差をおいて回動可能である。チェーンスプロケット10およびカムシャフト2は図4に示す矢印X方向からみて時計方向に回転する。以下この回転方向を進角方向とする。
【0028】
チェーンスプロケット10とシューハウジング12およびベーンロータ15との間には、薄板状に形成された中間プレート17が介在している。中間プレート17はチェーンスプロケット10とシューハウジング12およびベーンロータ15との間からの油漏れを防止している。チェーンスプロケット10、シューハウジング12および中間プレート17は駆動側回転体としてハウジング部材を構成し、ボルト20により同軸上に固定されている。
【0029】
シューハウジング12は周壁13とハウジング部材の他方の側壁であるフロントプレート14とからなり一体に形成されている。図2に示すように、シューハウジング12は周方向にほぼ等間隔に台形状に形成されたシュー12a、12b、12cを有している。シュー12a、12b、12cの周方向の三箇所の間隙にはそれぞれベーン部材としてのベーン15a、15b、15cを収容する扇状の収容室50が形成されており、シュー12a、12b、12cの内周面は断面円弧状に形成されている。
【0030】
従動側回転体としてのベーンロータ15は周方向にほぼ等間隔にベーン15a、15b、15cを有し、ベーン15a、15b、15cは各収容室50内に回動可能に収容されている。各ベーンは、各収容室50を遅角油圧室と進角油圧室とに二分している。図2に示す遅角方向、進角方向を表す矢印は、シューハウジング12に対するベーンロータ15の遅角方向、進角方向を表している。図4に示すように、ベーンロータ15およびブッシュ22は、ボルト21によりカムシャフト2に一体に固定されており、従動側回転体を構成している。カムシャフト2に対するベーンロータ15の回転方向の位置決めは、ピン23により行われている。
【0031】
カムシャフト2およびブッシュ22はそれぞれチェーンスプロケット10の内周壁10aおよびフロントプレート14の内周壁14aに相対回動可能に嵌合している。したがって、カムシャフト2およびベーンロータ15はチェーンスプロケット10およびシューハウジング12に対し同軸に相対回動可能である。チェーンスプロケット10の内周壁10aおよびフロントプレート14の内周壁14aは従動側回転体の軸受け部を構成している。
【0032】
進角付勢手段としてのスプリング24はチェーンスプロケット10に形成された円筒状の凹部11内に収容されている。スプリング24の一端は凹部11の係止穴11aに係止され、他端は中間プレート17に形成されている図2に示す長穴17a内を通りベーンロータ15に係止されている。
【0033】
カムシャフト2が吸気弁を駆動するときに受ける負荷トルクは正・負に変動している。ここで、負荷トルクの正方向はシューハウジング12に対しベーンロータ15の遅角方向を表し、負荷トルクの負方向はシューハウジング12に対しベーンロータ15の進角方向を表している。負荷トルクの平均は正方向、つまり遅角方向に働く。スプリング24の付勢力はシューハウジング12に対しベーンロータ15を進角側に回転させるトルクとして働く。スプリング24がベーンロータ15に加える進角方向のトルクはカムシャフト2が受ける負荷トルクの平均とほぼ同じ大きさである。
【0034】
シール部材26は、図2に示すようにベーンロータ15の外周壁に嵌合している。ベーンロータ15の外周壁と周壁13の内周壁との間には微小クリアランスが設けられており、このクリアランスを介して油圧室間に作動油が漏れることをシール部材26により防止している。シール部材26はそれぞれ図4に示す板ばね27の付勢力により周壁13に向けて押されている。
【0035】
ガイドリング30、31は収容孔38を形成するベーン15aの内壁に圧入保持され、円筒状に形成された当接部としてのストッパピストン32がガイドリング30、31にカムシャフト2の回転軸方向に摺動可能に収容されている。図1に示す被当接部としての嵌合部材40は横断面円形状に形成されており、フロントプレート14に形成された凹部14bに圧入保持されている。嵌合部材40には、ストッパピストン32が当接し嵌合可能な嵌合穴41と、嵌合穴41よりも浅く嵌合穴41の遅角側端面と同一平面上に遅角側端面を有し、進角側に延びる拡大穴43が形成されている。
【0036】
ストッパピストン32の先端部33は嵌合方向に向かうにしたがい縮径するテーパ状に形成されており、嵌合穴41も先端部33の傾斜に合わせほぼ同じテーパ角で形成されているので、ストッパピストン32は嵌合穴41に滑らかに嵌合する。さらに、嵌合穴41とストッパピストン32ががたなく嵌合するので、負荷トルクの変動による打音の発生を防止できる。さらに、嵌合穴41と接触している先端部33の面積が大きいので、先端部33に加わる応力が低下し、ストッパピストン32の寿命が延びる。
【0037】
図1に示す当接付勢手段としてのスプリング37は嵌合部材40側にストッパピストン32を付勢している。ストッパピストン32、嵌合部材40およびスプリング37は拘束手段を構成している。また、ストッパピストン32および嵌合部材40は規制手段を構成している。
【0038】
ストッパピストン32は、有底の円筒状に形成されており、フロントプレート14側から、先端部33、大径摺動部34、小径摺動部35を有する。先端部33の外周に環状のテーパ面33aが形成されている。テーパ面33aの角度は嵌合穴41のテーパ角度とほぼ等しい。先端部33に形成された第1受圧部としての先端面33bは油圧室42から第1作動流体圧力としての遅角油圧を受け、大径摺動部34の嵌合穴側に形成された第3受圧部としての環状面34aは油圧室45から遅角油圧を受ける。先端面33bおよび環状面34aが受ける遅角油圧は嵌合穴41からストッパピストン32が抜け出す方向に働く。第2受圧部として大径摺動部34の反嵌合穴側に形成されている環状面34bは、ストッパピストン32が嵌合穴41または拡大穴43と嵌合状態、つまり拘束状態にある図1の(A)および(B)において、油路48、貫通孔30bを介し進角油圧室54と連通する油圧室46から第2作動流体圧力としての進角油圧を受ける。図1の(A)および(B)において、油圧室46の油圧は嵌合穴41にストッパピストン32を嵌合させる方向に働く。図1の(C)に示すように、ストッパピストン32が拡大穴43から抜け出す、つまりストッパピストン32と嵌合部材40との拘束解除状態と拘束状態との境界位置に達すると、大径摺動部34により第2作動流体通路としての貫通孔30bが閉塞され、油圧室46は進角油圧室54との連通を遮断される。このとき、油圧室46の油圧は大気圧となるので、嵌合部材40に向けてストッパピストン32を押し込む力とならない。
【0039】
また、ストッパピストン32の反嵌合部材側の収容孔38は、中間プレート17に形成した長穴17a、チェーンスプロケット10に形成した油路10bにより、ベーンロータ15の相対回動角度範囲内、つまり、ベーンロータ15がシューハウジング12に対し図3に示す最進角位置にあっても、図示しない最遅角位置にあっても大気開放されている。したがって、小径摺動部35とガイドリング31との摺動クリアランスからストッパピストン32の反嵌合部材側の収容孔38に漏れ出た作動油の油圧は大気圧とほぼ等しい。したがって、ストッパピストン32の反嵌合部材側の収容孔38に漏れ出た作動油は、嵌合部材32に向けストッパピストン32を押し込む力として作用しない。
【0040】
ストッパピストン32の各摺動部はガイドリング30またはガイドリング31の内周壁と摺動する。ストッパピストン32の先端部33は、図2に示すようにシューハウジング12に対し最遅角位置と最進角位置のほぼ中間位置にベーンロータ15が位置するとき嵌合穴41に嵌合可能である。ストッパピストン32が嵌合穴41嵌合した状態においてシューハウジング12に対するベーンロータ15の相対回動は拘束される。図1の(A)に示すように、ストッパピストン32が嵌合穴41に嵌合することによりシューハウジング12とベーンロータ15との相対回動が拘束される中間位置は、エンジンを確実に始動可能にするように吸気弁のバルブタイミング、つまりクランクシャフトに対するカムシャフト2の位相差を最適に設定する位置である。
【0041】
図1の(C)に示す状態からシューハウジング12に対しベーンロータ15が遅角側に回転するとストッパピストン32と嵌合穴41との周方向位置がずれることにより、ストッパピストン32は嵌合穴41に嵌合不能になる。シューハウジング12に対しベーンロータ15が中間位置から最進角まで回転しても、図1の(B)に示すようにストッパピストン32は拡大穴43上に位置している。
【0042】
フロントプレート14に形成した油路44は遅角油圧室51と油圧室42とを連通している。ガイドリング30にはガイドリング30を貫通する貫通孔30aが形成されており、油路47、貫通孔30aは遅角油圧室51と油圧室45とを連通している。ガイドリング30に形成された貫通孔30bは油圧室46と油路48とを連通可能である。
【0043】
図2に示すように、シュー12aとベーン15aとの間に遅角油圧室51が形成され、シュー12bとベーン15bとの間に遅角油圧室52が形成され、シュー12cとベーン15cとの間に遅角油圧室53が形成されている。また、シュー12cとベーン15aとの間に進角油圧室54が形成され、シュー12aとベーン15bとの間に進角油圧室55が形成され、シュー12bとベーン15cの間に進角油圧室56が形成されている。
【0044】
遅角油圧室51は油路61と連通し、遅角油圧室52、53は、油路62、63を介しボス部15dのカムシャフト2側端面にC字状に形成された図2に示す油路60と連通している。さらに遅角油圧室51、52、53は油路60、61を介し図4に示すカムシャフト2に形成された油路200と連通している。図2に示すように、進角油圧室55は油路72と連通している。進角油圧室54、56は、油路71、73を介しボス部15dのブッシュ22側端面にC字状に形成された油路70と連通している。さらに進角油圧室54、55、56は油路70、72からボス部15dの軸方向に形成された図示しない油路を介し図4に示すカムシャフト2に形成された油路201と連通している。
【0045】
油路200はカムシャフト2の外周壁に形成された溝通路202と連通しており、油路201はカムシャフト2の外周壁に形成された溝通路203と連通している。溝通路202は油路204を介し、溝通路203は油路205を介し切換弁212と接続している。作動流体供給路としての油供給路206は油ポンプ210と接続しており、作動流体排出路としての油排出路207はドレイン211に向け開放されている。油ポンプ210はドレイン211から汲み上げた作動油を切換弁212を介し各油圧室に供給する。切換弁212は周知の4ポート案内弁である。
【0046】
切換弁212の弁部材213は、スプリング214により一方向に付勢されており、ソレノイド215への通電を制御することにより往復移動する。ソレノイド215への通電は、エンジン制御装置(ECU)300により制御される。ECU300は、各種センサからの検出信号を入力し、エンジンの各装置に信号を送出している。弁部材213が往復移動することにより、油路204、205と油供給路206、油排出路207との連通の組み合わせ、および遮断が切り換わる。
以上の油路構成により、油ポンプ210から遅角油圧室51、52、53あるいは進角油圧室54、55、56、ならびに油圧室42、45、46に作動油を供給可能になるとともに、各油圧室からドレイン211へ作動油を排出可能になる。
【0047】
次に、バルブタイミング調整装置1の作動を説明する。
イグニションをオフしエンジン停止が指示されると、ECU300はソレノイド215への通電をオフするので、弁部213aが選択される。すると各進角油圧室に作動油が供給され、各遅角油圧室および油圧室42、45はドレインに開放されるので、ベーンロータ15はシューハウジング12に対し進角側に回転する。このとき、図1の(C)に示す位置よりもストッパピストン32がさらに嵌合部材40から離れている、つまりストッパピストン32が嵌合穴41および拡大穴43と拘束解除状態にあるとき、油圧室46は進角油圧室54との連通を大径摺動部34により遮断されているので、油圧室46の油圧は嵌合部材40に向けストッパピストン32を押し込む力にならない。しかし、油圧室42、45の油圧が低下するので、スプリング37の付勢力によりストッパピストン32は嵌合部材40側に移動する。
【0048】
ストッパピストン32が嵌合穴41に嵌合する中間位置(拘束位置)よりもシューハウジング12に対しベーンロータ15が遅角側に位置している状態(解除状態)でエンジン停止が指示されると、各進角油圧室に作動油が供給されるのでベーンロータ15が進角側に回転する。ストッパピストン32がスプリング37の付勢力により嵌合部材40に向けて移動し、図1の(C)に示すように,拘束解除状態から拘束状態に移行するとき、大径摺動部34は貫通孔30bの閉塞を解除し開放し始める。すると、油圧室46は油路48、貫通孔30bを介し進角油圧室54と連通し、進角油圧室54から油圧室46に作動油が供給される。したがって、油圧室46の油圧は嵌合部材40に向けストッパピストン32を押し込む力として働く。シューハウジング12に対しベーンロータ15が図1の(A)に示す中間位置(拘束位置)に達すると、スプリング37の付勢力および油圧室46から受ける力によりストッパピストン32は嵌合穴41と嵌合する。ストッパピストン32が嵌合穴41に嵌合できなかった場合、ベーンロータ15は中間位置よりも進角側に回転し拡大穴43と嵌合する。
【0049】
ストッパピストン32が嵌合穴41に嵌合する中間位置よりもシューハウジング12に対しベーンロータ15が進角側に位置している状態でエンジン停止が指示されると、ベーンロータ15が進角側に回転することによりストッパピストン32は拡大穴43と嵌合する。
エンジン始動前、ストッパピストン32が嵌合穴41に嵌合していると、シューハウジング12に対するベーンロータ15の位相差、つまりクランクシャフトに対するカムシャフト2の位相差がエンジンを始動するために最も好適な位相に保持されているので、エンジンは確実に短時間で始動する。
【0050】
エンジン始動前にストッパピストン32が嵌合穴41に嵌合しておらず、クランクシャフトに対しカムシャフト2が中間位置よりも進角側にある状態でエンジンの始動を開始する場合を考える。このとき、ストッパピストン32は拡大穴43に嵌合している。スプリング24がベーンロータ15およびカムシャフト2に加える進角トルクは負荷トルクの平均とほぼ等しいので、正側の遅角方向に働く負荷トルクの最大値はスプリング24の付勢力よりも大きい。したがって、負荷トルクの変動に伴い進角方向に働くスプリング24の付勢力に抗しシューハウジング12に対しベーンロータ15は遅角側に揺動し、中間位置において拡大穴43の遅角側の面に係止される。エンジン始動開始時のクランキング時において油圧室42、45に作動油は導入されていないので、ストッパピストン32が中間位置に達すると、ストッパピストン32はスプリング37の付勢力および油圧室46から受ける力により嵌合穴41に嵌合する。
【0051】
このように、エンジン始動前に嵌合穴41に嵌合していなくても拡大穴43にストッパピストン32が嵌合しているので、エンジンの始動を開始すると速やかにストッパピストン32が嵌合穴41に嵌合し、クランクシャフトに対しカムシャフト2が中間位置に保持されるので、エンジンが確実に短時間で始動する。
【0052】
エンジンの始動を開始するクランキング時には、切換弁212の弁部213aが選択されるので、各進角油圧室および油圧室46に作動油が供給され、各遅角油圧室および油圧室42はドレインに開放される。したがって、ストッパピストン32は嵌合穴41または拡大穴43から抜け出さない。
【0053】
エンジンの始動開始後、各遅角油圧室に作動油が充填され油圧室42、45の油圧が所定圧に上昇してからストッパピストン32は嵌合穴41から抜け出し、シューハウジング12に対するベーンロータ15の相対回動、つまり位相制御が可能になる。ストッパピストン32が嵌合穴41から図1の(C)に示す拘束解除方向に移動すると大径摺動部34により貫通孔30bが閉塞されるので、油圧室46は進角油圧室54との連通を遮断され、油圧室46は略密封される。
【0054】
エンジン始動後作動油の油圧が充分に上昇すると、ECU300からの指示により、弁部材213の弁部213a、213b、213cのいずれかが選択される。これにより、各油圧室への作動油の供給および各油圧室からの作動油の排出を制御し、シューハウジング12に対するベーンロータ15の相対回動を制御できる。
【0055】
エンジン通常運転中、ストッパピストン32は図1の(C)に示す位置よりもさらに嵌合穴41から抜け出した位置にある。したがって、前述したように油圧室46は略密封されているので、油圧室42、45の油圧の低下によりストッパピストン32が嵌合部材40に向け移動しようとしても、油圧室46がダンパ室とし働き移動速度が低下する。したがって、シューハウジング12に対しベーンロータ15が相対回動しストッパピストン32が嵌合部材40上を通過するときに油圧が低下しストッパピストン32が嵌合部材40に向け移動しようとしても、油圧室46がダンパ室として働くことにより嵌合部材40に嵌合する前にストッパピストン32は嵌合部材40上を通過し、ストッパピストン32が嵌合部材40に嵌合することを防止する。
【0056】
また、第1作動流体圧力を遅角側、第2作動流体圧力を進角側とすることで、エンジン停止時に進角圧を高めることにより停止時におけるストッパピストン32の嵌合を助けることができる。
第1実施例では吸気弁を駆動するバルブタイミング調整装置について説明したが、第1実施例のバルブタイミング調整装置により排気弁だけ、あるいは吸気弁および排気弁の両方を駆動することも可能である。
【0057】
(第2実施例)
本発明の第2実施例を図6に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分に同一符号を付し、説明を省略する。
第2実施例では、ストッパピストン81は遅角油圧を受ける受圧部を第1受圧部として先端部82の先端面82aに一箇所しか設けていない。進角油圧を受ける第2受圧部は先端部82の反嵌合部材85側に環状面82bとして形成している。ストッパピストン81が嵌合穴86および拡大穴43から完全に抜け出し拘束解除状態になると、貫通孔80aが先端部82により閉塞されるので、油圧室46は進角油圧室54との連通を遮断され、ダンパ室として働く。
【0058】
また、先端部82のテーパ角度θは15°未満になるように形成されている。先端部82のテーパ角度θが鋭角であるから、スプリング37および油圧室46の進角油圧から受ける力によりカムシャフト2が受ける負荷トルクに打ち勝つ摩擦力を嵌合部材85に形成した嵌合穴86との間に発生し、ストッパピストン81が嵌合穴86に嵌合した状態を保持できる。また、嵌合穴86に嵌合するストッパピストン81の深さのばらつきを低減できる。
【0059】
嵌合部材85に形成した嵌合穴86は、図6の(B)に示すようにストッパピストン81の回動方向、つまりベーンロータ15の回動方向に直交する方向に延びる長穴状に形成されている。つまり、回動方向に直交する方向の嵌合穴86の径bは回動方向の嵌合穴86の径aよりも大きい。回動方向に直交する方向の嵌合穴86またはストッパピストン81に製造公差が生じても、嵌合穴86にストッパピストン81が嵌合することができる。また、製造公差の限度をゆるめることができるので、製造が容易になり製造コストが低減する。
【0060】
以上説明した本発明の実施の形態を示す上記複数の実施例では、嵌合穴および拡大穴から抜け出す方向にストッパピストンに遅角油圧を加えるとともに、嵌合部材に向け押し込む方向にストッパピストンに進角油圧を加えている。したがって、エンジンの停止が指示されたときに、遅角油圧室をドレイン開放し進角油圧室に作動油を供給することにより、中間位置において嵌合穴にストッパピストンを確実に嵌合させることができる。シューハウジングに対しベーンロータを中間位置に保持した状態でエンジンの始動を開始できるので、エンジンを短時間で確実に始動できる。
【0061】
また、ストッパピストンが嵌合穴に嵌合することによりシューハウジングに対しベーンロータを中間位置に拘束する拘束手段以外に、中間位置からベーンロータが遅角側に回転することを禁止する一方、進角側への回転を許容する規制手段としての拡大穴を形成している。したがって、ストッパピストンが拡大穴に嵌合し、拡大穴の遅角側に係止されることにより、ストッパピストンが確実に嵌合穴に嵌合する。これにより、シューハウジングに対しベーンロータをエンジン始動に最適な中間位置に保持した状態でエンジンを停止できる。したがって、エンジンを短時間で確実に始動できる。
【0062】
また、ストッパピストンの変位により油圧室46と進角油圧室54とを連通する貫通孔30b、80aを開閉するので、ストッパピストンの変位により貫通孔30b、80aを確実に開閉できる。さらに、油圧室46と進角油圧室54とを連通する第2作動流体通路を開閉するために他の開閉弁や切換弁が不要であるから、部品点数が減少し、組み付けが容易になり、製造コストが低減する。
【0063】
上記複数の実施例では、ストッパピストンが軸方向に移動して嵌合穴に嵌合したが、ストッパピストンが径方向に移動し嵌合穴に嵌合する構成にすることも可能である。また、ハウジング部材側にストッパピストンを収容し、ベーンロータ側に嵌合穴および拡大穴を形成してもよい。
【0064】
また上記複数の実施例では、チェーンスプロケットによりクランクシャフトの回転駆動力をカムシャフトに伝達する構成を採用したが、タイミンプーリまたはタイミングギア等を用いる構成にすることも可能である。また、駆動軸としてのクランクシャフトの駆動力をベーン部材で受け、従動軸としてのカムシャフトとハウジング部材とを一体に回転させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるバルブタイミング調整装置の横断面を示す図2のI−I線断面図であり、(A)は嵌合穴との嵌合状態を示し、(B)は拡大穴との嵌合状態を示し、(C)は拘束解除状態を示している。
【図2】第1実施例によるバルブタイミング調整装置を示す横断面図である。
【図3】ベーンロータが最進角位置にある状態を示すバルブタイミング調整装置の横断面図である。
【図4】図2のIV−O−IV線断面図である。
【図5】図2のIV−O−V線断面図である。
【図6】(A)は本発明の第2実施例によるバルブタイミング調整装置の嵌合穴周囲を示す断面図であり、(B)は(A)のB−B線断面図である。
【符号の説明】
1 バルブタイミング調整装置
2 カムシャフト(従動軸)
10 チェーンスプロケット(ハウジング部材、駆動側回転体)
12 シューハウジング(ハウジング部材、駆動側回転体)
12a、12、12c シュー
13 周壁(ハウジング部材、駆動側回転体)
14 フロントプレート(ハウジング部材、駆動側回転体)
15 ベーンロータ(ベーン部材、従動側回転体)
15a、15b、15c ベーン(ベーン部材、従動側回転体)
17 中間プレート(ハウジング部材、駆動側回転体)
24 スプリング(進角付勢手段)
30、31 ガイドリング
30b 貫通孔(第2作動流体通路)
32 ストッパピストン(当接部、拘束手段)
33 先端部
33b 先端面(第1受圧部)
34 大径摺動部
34a 第3受圧部
34b 第2受圧部
37 スプリング(当接付勢手段、拘束手段)
40 嵌合部材(被当接部、拘束手段)
41 嵌合穴(被当接部、拘束手段)
43 拡大穴
50 収容室
51、52、53 遅角油圧室
54、55、56 遅角油圧室
81 ストッパピストン(当接部、拘束手段)
82 先端部
82a 先端面(第1受圧部)
82b 環状面(第2受圧部)
85 嵌合部材(被当接部、拘束手段)
86 嵌合穴(被当接部、拘束手段)

Claims (14)

  1. 内燃機関の駆動軸から吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉駆動する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記吸気弁および前記排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置において、
    前記駆動軸とともに回転する駆動側回転体と、
    前記従動軸とともに回転する従動側回転体であって、前記駆動側回転体および前記従動側回転体の一方に形成した収容室に他方の回転体のベーンが収容され、所定角度範囲に限り前記駆動側回転体に対し作動流体圧力により相対回動駆動される従動側回転体と、
    前記駆動側回転体と前記従動側回転体とにそれぞれ設けられ、所定角度範囲の周方向両端の間において前記駆動側回転体に対し前記従動側回転体が中間位置にあるとき互いに当接することにより前記駆動側回転体に対する前記従動側回転体の相対回動を拘束する当接部および被当接部、ならびに前記被当接部に当接する方向に前記当接部を付勢する当接付勢手段を有する拘束手段とを備え、
    前記当接部は、前記駆動側回転体に対し前記従動側回転体を進角側または遅角側の一方に駆動する第1作動流体圧力により前記当接付勢手段の付勢力に抗し前記被当接部との拘束状態を解除する方向に力を受け、前記駆動側回転体に対し前記従動側回転体を進角側または遅角側の他方に駆動する第2作動流体圧力により前記被当接部と当接する方向に力を受け
    前記当接部が前記被当接部と拘束解除状態のとき前記当接部に第2作動流体を供給する第2作動流体通路は閉塞され、前記当接部が前記被当接部との拘束解除状態から拘束状態に移行するとき前記第2作動流体通路は開放されることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記第1作動流体圧力は遅角側に前記従動側回転体を回転させ、第2作動流体圧力は進角側に前記従動側回転体を回転させることを特徴とする請求項1記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記当接部は、第1作動流体圧力を受ける第1受圧部と、前記第1受圧部が第1作動流体圧力を受ける方向と反対方向に第2作動流体圧力を受ける第2受圧部とを有することを特徴とする請求項1または2記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記当接部は、同一方向に第1作動流体圧力を受ける第1受圧部および第3受圧部と、前記第1受圧部が第1作動流体圧力を受ける方向と反対方向に第2作動流体圧力を受ける第2受圧部とを有することを特徴とする請求項1または2記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記第2作動流体通路の開閉は前記当接部の変位により行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記被当接部は前記当接部が嵌合可能な嵌合穴を有し、前記当接部または前記嵌合穴の少なくともいずれか一方の当接部分は、テーパ状かつ断面円形状に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載のバルブタイミグ調整装置。
  7. 前記当接部分のテーパ角度は、15°未満であることを特徴とする請求項6記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 前記被当接部は前記当接部が嵌合可能な嵌合穴を有し、前記嵌合穴の周囲に前記嵌合穴よりも浅く形成され、最遅角と最進角の中間位置よりも遅角側に前記従動側回転体が回転することを禁止し、中間位置よりも進角側に前記従動側回転体が回転することを許容する拡大穴を有していることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載のバルブタイミング調整装置。
  9. 前記被当接部は前記当接部が嵌合可能な嵌合穴を有し、前記嵌合穴は回動方向と直交する方向に長穴状に形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項記載のバルブタイミング調整装置。
  10. 拘束解除状態において、前記被当接部と当接する方向へ変位する前 記当接部の速度を低減するダンパ室が前記当接部の外周に形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項記載のバルブタイミング調整装置。
  11. 前記ダンパ室のダンパ作用は前記当接部が前記被当接部との拘束解除状態から拘束状態に移行するとき解消されることを特徴とする請求項10記載のバルブタイミング調整装置。
  12. 前記ダンパ室のダンパ作用の解消は前記当接部の変位により行われることを特徴とする請求項11記載のバルブタイミング調整装置。
  13. 前記従動側回転体を進角側に付勢する進角付勢手段を備えることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項記載のバルブタイミング調整装置。
  14. 前記駆動側回転体に対する前記従動側回転体の相対回動角度範囲において、前記当接部を収容する空間の反被当接部側は大気開放されていることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項記載のバルブタイミング調整装置。
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