JP2000355627A - 熱硬化性樹脂溶液組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂溶液組成物

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JP2000355627A
JP2000355627A JP16883799A JP16883799A JP2000355627A JP 2000355627 A JP2000355627 A JP 2000355627A JP 16883799 A JP16883799 A JP 16883799A JP 16883799 A JP16883799 A JP 16883799A JP 2000355627 A JP2000355627 A JP 2000355627A
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thermosetting resin
amine compound
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solution
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JP16883799A
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Masaharu Taniguchi
雅治 谷口
Masahiro Yoshioka
正裕 吉岡
Akiko Nomura
章子 野村
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、耐溶剤性が良好で基板との密着性が
良好な塗膜を与える保存性の良好な熱硬化性樹脂溶液組
成物を提供せんとするものである。 【解決手段】本発明の熱硬化性樹脂溶液組成物は、ラク
トン類でブロックされたアミン化合物を含有することを
特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体用バッファ
コート、層間絶縁膜、パッシベーション膜、さらには液
晶素子におけるカラーフィルターの画素や樹脂ブラック
マトリックス、オーバーコート等を形成する電子材料を
形成するのに好適な材料である塗膜形成材料に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】芳香族テトラカルボン酸2無水物または
その誘導体と芳香族ジアミンとをN−メチル−2−ピロ
リドン等の非プロトン性極性溶剤中において、通常10
0℃以下で付加重合させポリアミック酸として、これを
イミド閉環させて得られるポリイミドは耐熱性、電気絶
縁性、強靭性、耐薬品性等に優れた特性を有することが
知られ、特に電子材料として広く使用されている。ま
た、近年、液晶素子に色分解用カラーフィルターを組み
合わせたカラー液晶表示素子が、多々提案されている
が、このカラーフィルターを構成する画素あるいはブラ
ックマトリックスの担体樹脂、さらにはオーバーコート
としても、ポリイミドあるいはこれにポリシロキサン樹
脂やエポキシ樹脂を配したポリイミドシロキサンやポリ
イミドエポキシ樹脂が有効に使用されている。
【0003】通常、直鎖型のポリイミド樹脂は、その前
駆体であるポリアミック酸を経由してポリイミドとなる
が、このイミド化を完結させるためには300℃以上の
高温が必要であり、加工に際してより低温での硬化が望
まれ、また基板との密着性向上が望まれていた。
【0004】本発明者等は、このような要求に対して、
ポリイミドの主鎖の少なくとも一部に脂肪族エーテル結
合あるいは脂環族エーテル結合を導入することを着想
し、鋭意検討した結果、ポリイミド前駆体としてのポリ
アミック酸合成における原料ジアミン成分の少なくとも
一部としてエーテル結合を含有する脂肪族ないし脂環族
ジアミン成分を使用することで容易に目的とするポリア
ミック酸およびポリイミドを得ることができ、このポリ
アミック酸が低温硬化性と優れた基板密着性を有するこ
とを見いだし、特願平9−332910号公報として提
案した。
【0005】このような低温硬化性ポリイミドは耐熱
性、耐溶剤性また基板との密着性等について実用的な特
性を有するものであったが、さらなる耐熱性、耐溶剤性
の向上や密着性向上が望まれた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、ポリイミドの有する耐熱性、電気絶
縁性、強靭性等の特徴を保ちつつ、さらなる溶剤耐性の
向上、基板との密着性に優れた熱硬化性樹脂溶液組成物
を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の熱硬化性樹脂溶液組成物は、ラ
クトン類でブロックされたアミン化合物を含有すること
を特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者等は、ポリイミドの有す
る耐熱性、電気絶縁性、強靭性等の特徴を保ちつつ、さ
らなる溶剤耐性の向上、基板との密着性向上を付与する
ための手段として、まず、多価アミン化合物やアミノア
ルコキシシラン化合物を併用して、ポリイミド硬化時
に、三次元架橋構造を導入する方法を考えたが、この方
法では、熱硬化性樹脂溶液組成物の安定性が損なわれる
ことが分かった。次いで、この問題を回避する検討を行
った結果、多価アミン化合物やアミノアルコキシシラン
化合物をラクトン類と反応させ、この反応体を使用する
ことで、熱硬化性樹脂溶液組成物の安定性を損なわず、
しかも、加熱硬化時には、この反応体が多価アミン化合
物やアミノアルコキシシラン化合物を再生し、ポリイミ
ドに三次元化架橋構造を導入することができ、特に低温
硬化性ポリイミドやポリイミドシロキサン樹脂およびポ
リイミドエポキシ樹脂等の溶剤耐性の向上、基板との密
着性向上を達成することができることを見いだし、本発
明に到達したものである。
【0009】多価アミン化合物やアミノアルコキシシラ
ン化合物をラクトン類と反応させてアミノ基をブロック
し、これが加熱により、アミノ基を再生することは従来
知られていないものであり、このブロック体は、ポリイ
ミド前駆体であるポリアミック酸のみならず、エポキシ
樹脂のブロック硬化剤として有効に機能するものである
が、特に通常のポリイミドや低温硬化性ポリイミドやポ
リイミドシロキサン樹脂およびポリイミドエポキシ樹脂
等の溶剤耐性の向上、基板との密着性向上を目的として
有効に使用することができる。
【0010】本発明において、ラクトン類でブロックさ
れたアミン化合物の調製に使用されるアミン化合物とし
ては、第1級アミノ基を分子内に1個以上有する公知の
アミン化合物を全て使用することができるが、好ましく
は多価の脂肪族第1級アミン化合物、さらに好ましくは
アミノアルキルアルコキシシラン類あるいはこれらの加
水分解縮合物を使用することができ、ラクトン類として
は、プロピオラクトン、ブチロラクトン、カプロラクト
ン等の公知のラクトン類を使用することができる。
【0011】具体的なアミン化合物としては、ヘキサメ
チレンジアミン、ビス(アミノシクロヘキシル)メタ
ン、イソフォロンジアミン、3、9−ビス(3−アミノ
プロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ−5,5
−ウンデカン、1,4−ブタンジオール−ビス(3−ア
ミノプロピル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)
テトラメチルジシロキサンのごとき脂肪族ジアミン類、
N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシランのごと
きアミノアルキルアルコキシシラン類やこれらの加水分
解縮合物等を使用することができる。これらアミン化合
物とラクトン類の反応は、好ましくは180℃以下、さ
らに好ましくは20℃から150℃で、0.1〜8時間
の溶液系で実施するのがよく、さらに過剰のラクトン類
を使用することが好ましい。かかる反応に使用される溶
媒としては、公知のアルコール、エーテル、エステル類
等広く使用することができる。
【0012】ラクトン類でブロックされたアミン化合物
は、下記一般式で表される化合物である。
【0013】
【化2】
【0014】(但し、Rは多価あるいはモノアミン残
基、nは2〜11の整数、mは1〜4の整数である) この化合物は、ポリアミック酸、ポリイミドあるいはエ
ポキシ樹脂の存在下に、200〜300℃に加熱される
ことで、アミン化合物とラクトン類に解離し、ラクトン
類は溶剤として揮発し、アミン化合物は硬化剤として機
能するものである。
【0015】本発明において使用されるポリアミック酸
は、公知のポリイミドおよびその前駆体を広く使用する
ことができるが、特に主鎖の少なくとも一部に脂肪族エ
ーテル結合あるいは脂環族エーテル結合を含有するもの
が好ましく、また、調製方法を限定するものではない
が、好ましくは公知のポリアミック酸と同様にテトラカ
ルボン酸2無水物成分とジアミン成分とをN−メチル−
2−ピロリドン等の非プロトン性極性溶剤中において、
好ましくは90℃以下で付加重合させて得られるもので
ある。
【0016】ここで使用されるテトラカルボン酸2無水
物成分としては、特に限定されるものではなく、公知の
テトラカルボン酸2無水物を広く使用することができ
る。具体的には、ピロメリット酸2無水物、3,3´,
4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物、
3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸2無
水物、3,3´,4,4´−ジフェニルスルフォンテト
ラカルボン酸2無水物、4,4´−オキシ−ジフタル酸
2無水物(3,3´,4,4´−ジフェニルエーテルテ
トラカルボン酸2無水物)、4,4´−ヘキサフルオロ
イソプロピリデンビス(フタル酸無水物)、1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸2無水物、1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸2無水物等を使用
することができる。本発明のポリアミック酸の製造にお
いては、特にテトラカルボン酸2無水物成分の少なくと
も一部が、ピロメリット酸2無水物、3,3´,4,4
´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物および
4,4´−オキシ−ジフタル酸2無水物から選ばれたテ
トラカルボン酸2無水物であることが好ましい。
【0017】また、本発明において使用されるポリアミ
ック酸の製造においては、特にジアミン成分の少なくと
も一部としてエーテル結合を含有する脂肪族ないし脂環
族ジアミンを使用することが好ましく、このようなジア
ミン成分としては、ビス[2−(3−アミノプロポキ
シ)エチル]エーテル、1,4−ブタンジオール−ビス
(3−アミノプロピル)エーテル、3、9−ビス(3−
アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ−
5,5−ウンデカン、1,2−ビス(2−アミノエトキ
シ)エタン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エ
タン、トリエチレングリコール−ビス(3−アミノプロ
ピル)エーテル、ポリエチレングリコール−ビス(3−
アミノプロピル)エーテル等、公知の脂肪族ないし脂環
族ジアミンを使用することができるが、特に得られたポ
リイミドの耐熱性の見地から、3、9−ビス(3−アミ
ノプロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ−5,
5−ウンデカン、1,4−ブタンジオール−ビス(3−
アミノプロピル)エーテルを使用することが好ましい。
【0018】これらのエーテル結合を含有する脂肪族な
いし脂環族ジアミンの他に、p−フェニレンジアミン、
m−フェニレンジアミン、3,3´−ジアミノジフェニ
ルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、
3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジ
アミノジフェニルメタン、3,3´−ジアミノジフェニ
ルスルフォン、4,4´−ジアミノジフェニルスルフォ
ン、4,4´−ジアミノジフェニルサルファイド、1,
3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス
(トリフルオロメチル)ベンジジン等を併用して使用す
ることができ、特に塗布基板との接着性を上げるため
に、4,4´−ジアミノジフェニルエーテルあるいは
3,3´−ジアミノジフェニルスルフォン等の、分子内
にエーテル結合あるいはスルフォン結合を有する芳香族
ジアミンを併用することが好ましく、また、ビス(3−
アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンも、基板と
の接着性を向上させるために好ましく使用される。
【0019】エーテル結合を含有する脂肪族ないし脂環
族ジアミンの使用量としては、全ジアミン成分の20〜
100モル%であることが好ましく、より好ましくは3
0〜90モル%である。
【0020】ポリアミック酸の製造に使用される有機溶
剤としては、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクト
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
イミダゾリジノン等の極性溶剤が使用されるが、これら
の中でも分子内に少なくとも一個の水酸基を含有する沸
点100〜300℃の液体および分子内に少なくとも一
個のエーテル結合を含有する沸点100〜300℃の液
体から選ばれた少なくとも1種が好ましく使用される。
さらにまた、塗布性の良好なコーテイング用組成物を得
る場合にも、これらの溶剤を、稀釈溶剤として好ましく
使用することができる。
【0021】このような有機溶剤成分としては、例えば
3−メチル−3−メトキシブタノール、3−メチル−3
−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコール−
モノ−メチルエーテル、プロピレングリコール−モノ−
メチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール−
モノ−メチルエーテル、トリプロピレングリコール−モ
ノ−メチルエーテル、プロピレングリコール−モノ−3
級−ブチルエーテル、イソブチルアルコール、イソアミ
ルアルコール、エチルセロソルブ、エチルセロソルブア
セテート、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテ
ート、メチルカルビトール、メチルカルビトールアセテ
ート、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテ
ート等を使用することができるが、これらに限定される
ものではない。
【0022】本発明において使用されるポリアミック酸
は、このようにして得ることができるが、本発明の熱硬
化性樹脂溶液組成物は、かかるポリアミック酸に限定さ
れるものでなく、ポリシロキサンイミド前駆体、ポリエ
ポキシイミド前駆体、脂肪族ポリイミド、さらにはエポ
キシ樹脂も使用することができ、これらは、本発明のラ
クトン類でブロックされたアミン化合物を添加した樹脂
溶液組成物として使用することができる。
【0023】ラクトン類でブロックされたアミン化合物
の使用量としては、併用する樹脂成分に対して、好まし
くは0.1〜50重量%、さらに好ましくは1〜20重
量%である。
【0024】また、本発明の熱硬化性樹脂溶液組成物の
塗布性を、さらに改良するために、公知の界面活性剤、
その他の添加剤を使用することができる。
【0025】本発明の熱硬化性樹脂溶液組成物は、塗布
性、保存安定性に優れ、基板塗布後、通常、加熱により
硬化するものである。あるいは基板塗布、セミキュアを
行なった後、レジスト塗布、乾燥、露光、現像、レジス
ト剥離して得たパターンを加熱により硬化するものであ
る。かかる硬化膜は、特に優れた基板との密着性を有
し、良好な耐熱性、耐薬品性、透明性を兼ね備え、押し
込み硬度、靭性に優れているので、液晶表示素子の画素
形成用の熱硬化性組成物として有用であるが、半導体素
子の保護膜、層間絶縁膜、さらには各種電子部品の保護
膜としても有効に用いることができる。
【0026】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 調製例1 γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン76.54
g(0.4モル)を、γ−ブチロラクトン227.1g
(2.64モル)と、3−メチル−3−メトキシブタノ
ール227.1gの混合液に溶解し、室温で攪拌下に、
蒸留水3.6g(0.2モル)を添加した後、昇温し、
120℃で2時間反応させ、γ−ブチロラクトンでブロ
ックされたγ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン
縮合体溶液を得た。
【0027】このブロック体溶液中の残存アミノ基を定
量分析して、アミノ基の反応率は99.5%であること
を確認した。 調製例2 3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン75.4
6g(0.275モル)をγ−ブチロラクトン227.
1g(2.64モル)と3−メチル−3−メトキシブタ
ノール227.1gの混合液に溶解、昇温し、80℃で
2時間攪拌加熱した後、室温で5日間放置し、γ−ブチ
ロラクトンでブロックされたアミン溶液を得た。
【0028】このブロック体溶液中の残存アミノ基を定
量分析して、アミノ基の反応率は99.1%であること
を確認した。 実施例1 3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン75.4
6g(0.275モル)、4,4´−ジアミノジフェニ
ルエーテル27.54g(0.138モル)、3,3´
−ジアミノジフェニルスルフォン27.31g(0.1
10モル)およびビス(3−アミノプロピル)テトラメ
チルジシロキサン6.83g(0.0275モル)をN
−メチル−2−ピロリドン620.64gおよびγ−ブ
チロラクトン620.64gとともに仕込み、これを攪
拌しながら、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物86.78g(0.270モル)
および4,4´−オキシ−ジフタル酸二無水物85.3
2g(0.275モル)を添加し、65℃で2時間反応
させた後、無水マレイン酸1.08g(0.011モ
ル)を加えて、さらに65℃で1時間反応させた。
【0029】得られたポリアミック酸溶液に、N−メチ
ル−2−ピロリドン258.6gおよびγ−ブチロラク
トン258.6gを添加稀釈して、濃度15重量%、粘
度1.5mPa・sのポリアミック酸溶液を得た。
【0030】このポリアミック酸溶液100gに、調製
例1で得られたところのγ−ブチロラクトンでブロック
されたγ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン縮合
体溶液5gを添加した後、これをN−メチル−2−ピロ
リドン50gとγブチロラクトン50gの混合液で稀釈
して、7.5重量%のポリイミド前駆体溶液を得た。
【0031】この溶液を、孔径0.2μのフィルターで
濾過し、コーテイング塗液を調製した。この塗液を1.
0mm厚みの無アルカリガラス基板上にスピンコータで
塗布し、70℃熱風乾燥機中で20分間プレキュアした
後、250℃で20分のキュアを行ない、1.0μmの
塗膜を形成させた。
【0032】このポリイミド膜塗布基板を、N−メチル
−2−ピロリドン中に30℃で2時間浸漬したが、特に
変化を生じることはなかった。
【0033】また、別途、このポリイミド膜塗布基板
を、120℃、2気圧、100%RHで24時間処理し
た後、塗膜のガラス基板への接着性をテープ剥離による
碁盤目試験(JIS K−5400)で評価したが、剥
離はまったく生じなかった。 比較例1 実施例1において得られたポリアミック酸溶液につい
て、調製例1で得られたところのγ−ブチロラクトンで
ブロックされたγ−アミノプロピルメチルジエトキシシ
ラン縮合体溶液を使用しないで、同様にN−メチル−2
−ピロリドンとγ−ブチロラクトンの混合液で稀釈し
て、7.5重量%のポリイミド前駆体溶液を得た。
【0034】この溶液を、孔径0.2μのフィルターで
濾過し、コーテイング塗液を調製し、これを1.0mm
厚みの無アルカリガラス基板上にスピンコータで塗布
し、70℃熱風乾燥機中で20分間プレキュアした後、
250℃で20分のキュアを行ない、1.0μmの塗膜
を形成させた。
【0035】このポリイミド膜塗布基板をN−メチル−
2−ピロリドン中に30℃で2時間浸漬したところ、塗
膜全面にクラックが発生した。また、別途、このポリイ
ミド膜塗布基板を、120℃、2気圧、100%RHで
24時間処理したところ、塗膜がガラス基板から剥離し
ていた。 実施例2 1,4−ブタンジオール−ビス(3−アミノプロピル)
エーテル61.29g(0.300モル)、4,4´−
ジアミノジフェニルエーテル30.04g(0.150
モル)、3,3´−ジアミノジフェニルスルフォン2
9.79g(0.120モル)およびビス(3−アミノ
プロピル)テトラメチルジシロキサン7.46g(0.
030モル)を、N−メチル−2−ピロリドン579.
74gおよびγ−ブチロラクトン579.74gととも
に仕込み、これを攪拌しながら、3,3´,4,4´−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物94.67g
(0.294モル)およびピロメリット酸二無水物8
5.32g(0.300モル)を添加し、65℃で2時
間反応させた後、無水マレイン酸1.18g(0.01
2モル)を加えて、さらに65℃で1時間反応させた。
【0036】得られたポリアミック酸溶液に、N−メチ
ル−2−ピロリドン241.6gおよびγ−ブチロラク
トン241.6gを添加稀釈して、濃度15重量%、粘
度1.3ポイズのポリアミック酸溶液を得た。
【0037】このポリアミック酸溶液100gに、調製
例1で得られたところのγ−ブチロラクトンでブロック
されたγ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン縮合
体溶液5gを添加した後、これをN−メチル−2−ピロ
リドン50gとγ−ブチロラクトン50gの混合液で稀
釈して、7.5重量%のポリイミド前駆体溶液を得た。
この溶液を孔径0.2μのフィルターで濾過し、コーテ
イング塗液を調製した。この塗液を1.0mm厚みの無
アルカリガラス基板上にスピンコータで塗布し、70℃
熱風乾燥機中で20分間プレキュアした後、250℃で
20分のキュアを行ない、1.0μmの塗膜を形成させ
た。
【0038】このポリイミド膜塗布基板をN−メチル−
2−ピロリドン中に30℃で2時間浸漬したが、特に変
化を生じることはなかった。
【0039】また、別途、このポリイミド膜塗布基板を
120℃、2気圧、100%RHで24時間処理した
後、塗膜のガラス基板への接着性をテープ剥離による碁
盤目試験(JIS K−5400)で評価したが、剥離
はまったく生じなかった。 比較例2 実施例2において得られたポリアミック酸溶液につい
て、調製例1で得られたところのγ−ブチロラクトンで
ブロックされたγ−アミノプロピルメチルジエトキシシ
ラン縮合体溶液を使用しないで、同様にN−メチル−2
−ピロリドンとγブチロラクトンの混合液で稀釈して、
7.5重量%のポリイミド前駆体溶液を得た。
【0040】この溶液を孔径0.2μのフィルターで濾
過し、コーテイング塗液を調製し、これを1.0mm厚
みの無アルカリガラス基板上にスピンコータで塗布し、
70℃熱風乾燥機中で20分間プレキュアした後、25
0℃で20分のキュアを行ない、1.0μmの塗膜を形
成させた。
【0041】このポリイミド膜塗布基板をN−メチル−
2−ピロリドン中に30℃で2時間浸漬したところ、塗
膜全面にクラックが発生した。また、別途、このポリイ
ミド膜塗布基板を120℃、2気圧、100%RHで2
4時間処理したところ、塗膜がガラス基板から完全に剥
離していた。 実施例3 3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物144.17g(0.49モル)をN−メチル−2
−ピロリドン773.67gとともに仕込み、これを攪
拌しながら、4,4´−ジアミノジフェニルメタン4
7.09g(0.2375モル)、3,3´−ジアミノ
ジフェニルスルフォン58.95g(0.2375モ
ル)およびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジ
シロキサン6.21g(0.025モル)を添加し、6
0℃で2時間反応させた後、無水マレイン酸1.77g
(0.018モル)を加えて、さらに60℃で2時間反
応させ、粘度100ポイズのポリアミック酸溶液を得
た。
【0042】このポリアミック酸溶液100gに、調製
例2で得られたところのγ−ブチロラクトンでブロック
された3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン溶
液10gを添加した後、これをN−メチル−2−ピロリ
ドンとγ−ブチロラクトンの混合液(50/50重量
比)で稀釈して、7.5重量%のポリイミド前駆体溶液
を得た。
【0043】この溶液を、孔径0.2μのフィルターで
濾過し、コーテイング塗液を調製した。この塗液をシリ
コンウエハ(信越化学工業(株)製、4インチダミー)
上にスピンコータで塗布し、70℃熱風乾燥機中で20
分間プレキュアした後230℃で30分のキュアを行な
い、1.0μmの塗膜を形成させた。この塗膜の基板と
の密着性を、JIS K−5400に示される碁盤目テ
ープ法で評価したところ、塗膜の剥れはまったくなく、
評価点数は10点であった。 比較例3 実施例1において、調製例2で得られたところのγーブ
チロラクトンでブロックされた3,9−ビス(3−アミ
ノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン溶液添加を行わないで、同様にシ
リコンウエハ上に1.0μmの塗膜を形成させた。この
塗膜の基板との密着性をJIS K−5400に示され
る碁盤目テープ法で評価したところ、塗膜は完全に剥離
して、評価点数は0点であった。 実施例4 γ−アミノプロピルトリメトキシシラン17.9gをγ
−ブチロラクトン27.8g、3−メチル−3−メトキ
シブチルアセテート55.7gおよびN−メチル−2−
ピロリドン27.8gの混合液に添加溶解し、これを室
温で攪拌しながら無水トリメリット酸19.2gを添
加、80℃、2時間加熱・攪拌後、冷却して25重量
%、23.8mPa・sのエポキシ硬化剤溶液を調製し
た。
【0044】一方、“エピコート827”(油化シェル
エポキシ(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
250gをジエチレングリコールジメチルエーテル75
0.0gに溶解して、25重量%のエポキシ樹脂溶液を
得た。
【0045】これらのエポキシ硬化剤溶液50gとエポ
キシ樹脂溶液25gおよび調製例1で得られたγ−ブチ
ロラクトンでブロックされたγ−アミノプロピルメチル
ジエトキシシラン縮合体溶液5gを30℃で1時間攪拌
・混合して、熱硬化性樹脂溶液とした。
【0046】この溶液を、孔径0.2μmのフィルター
で濾過し、コーテイング溶液とした。この液を無アルカ
リガラス基板中に硬化後の膜厚みが1μmとなるように
スピナー塗布して、熱風オーブン中で120℃、5分間
セミキュアして、250℃、30分間硬化させた。
【0047】このようにして得られた塗膜の透過率は、
400〜800nmの可視領域で98%以上であり、鉛
筆引っ掻き硬度は4Hを示した。また、碁盤目試験(J
ISK−5400)による剥離テストではまったく剥離
が生じなかった。ガラス基板の代わりに金属クロムブラ
ックマトリックス基板の上にポリイミド系RGB画素を
形成させたカラーフィルターを使用して、同様の塗布・
セミキュア・硬化を行い、該コーテイング基板を使用し
ての金属クロムマトリックス上、ガラス面上および画素
上の碁盤目試験(JIS K−5400)による剥離テ
ストでもまったく剥離が生じず、評価点数は10点であ
った。 比較例4 実施例4において、調製例1で得られたγ−ブチロラク
トンでブロックされたγ−アミノプロピルメチルジエト
キシシラン縮合体溶液を添加しないで、調製したコーテ
イング液を使用し、金属クロムブラックマトリックス基
板の上にポリイミド系RGB画素を形成させたカラーフ
ィルターを使用して、同様の塗布・セミキュア・硬化を
行い、コーテイングされたカラーフィルターを得た。
【0048】該コーテイング基板を使用しての金属クロ
ムマトリックス上、ガラス面上および画素上の碁盤目試
験(JIS K−5400)による剥離テストでは金属
クロムマトリックス上のみに部分剥離が生じ、この部分
での評価点数は5点であった。比較例5 実施例4において、γ−ブチロラクトンでブロックされ
たγ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン縮合体溶
液5gの代わりに、γ−アミノプロピルメチルジエトキ
シシラン縮合体の3−メチル−3−メトキシブタノール
溶液(15重量%)5gを使用したところ、エポキシ樹
脂溶液が白濁し、使用できないものとなった。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、保存安定性に優れた熱
硬化性樹脂溶液組成物を提供することができ、かつ、得
られる塗膜は耐溶剤性が良好で、各種基板との密着性が
良好であるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/20 101 G02B 5/20 101 Fターム(参考) 2H048 BB37 4J036 AA01 CD14 DA10 DC01 DC06 DC14 DD08 FB14 JA01 JA06 JA07 KA01 4J038 DB001 DJ031 JB02 4J043 QB31 RA34 SA06 SA15 SA25 SA42 SA71 TA14 TA21 TA22 TA41 TA71 TA75 UA122 UA342 UA672 WA07 YB02 ZA02 ZA12 ZA46 ZB01 ZB03 ZB50

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラクトン類でブロックされたアミン化合物
    を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂溶液組成物。
  2. 【請求項2】ラクトン類でブロックされたアミン化合物
    が、下記一般式で表される化合物である請求項1記載の
    熱硬化性樹脂溶液組成物。 【化1】 (但し、Rは多価あるいはモノアミン残基、nは2〜1
    1の整数、mは1〜4の整数である)
  3. 【請求項3】該熱硬化性樹脂溶液組成物が、ラクトン類
    でブロックされたアミン化合物と、ポリアミック酸およ
    びエポキシ樹脂から選ばれた少なくとも1種とを含有す
    るものである請求項1あるいは2記載の熱硬化性樹脂溶
    液組成物。
  4. 【請求項4】該ポリアミック酸が、主鎖の少なくとも一
    部に脂肪族エーテル結合あるいは脂環族エーテル結合を
    含有するポリアミック酸である請求項3記載の熱硬化性
    樹脂溶液組成物。
  5. 【請求項5】該アミン化合物が、脂肪族アミン化合物で
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂溶液
    組成物。
  6. 【請求項6】該アミン化合物が、アミノアルキルアルコ
    キシシラン化合物ないしその縮合体であることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂溶液
    組成物。
  7. 【請求項7】該ラクトン類が、γ−ブチロラクトンであ
    る請求項1〜6のいずれかに記載の熱硬化性樹脂溶液組
    成物。
  8. 【請求項8】該ラクトン類でブロックされたアミン化合
    物が、含有樹脂成分に対して、0.01〜50重量%で
    ある請求項1〜7のいずれかに記載の熱硬化性樹脂溶液
    組成物。
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