JP2000355622A - エポキシ樹脂組成物並びにこのエポキシ樹脂組成物を用いた積層フィルム及び半導体装置 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物並びにこのエポキシ樹脂組成物を用いた積層フィルム及び半導体装置Info
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Abstract
エポキシ樹脂を直鎖状に重合させる硬化剤、(C)
(A)成分と(B)成分からなる直鎖状の重合体を三次
元的に架橋させる硬化剤を必須成分とすることを特徴と
するエポキシ樹脂組成物。 【効果】 本発明のエポキシ樹脂組成物においては、エ
ポキシ樹脂の直鎖成長反応と架橋形成反応に異なる2種
類の硬化剤を対応させることにより、Bステージ化の反
応条件を最適化し、ばらつきの少ない半硬化物(特にフ
ィルム状の半硬化物)を得ることが容易になる。また、
このエポキシ樹脂組成物の半硬化物を用いた、柔軟で取
り扱いが容易な薄膜フィルムを少なくとも1層とした、
2層以上の積層フィルムが得られ、更にこのフィルム状
エポキシ樹脂組成物で半導体素子の表面、或いは半導体
素子と基盤との隙間等を被覆、封止することにより、耐
熱性、耐湿性、低応力性の良好な半導体装置が得られ
る。
Description
応条件を最適化し、ばらつきの少ない半硬化物を得るこ
とを容易にしたエポキシ樹脂組成物並びにこの半硬化物
を用いた半導体封止に有効な積層フィルム、及びこのフ
ィルムにより封止された半導体装置に関する。
電子機器は著しい速度で小型化、軽量化の傾向にある。
この流れの中で、電子機器の頭脳である半導体装置も小
型化、軽量化の傾向にあり、究極的にはその実装面積を
チップ寸法にまで縮小するCSP(Chip Size
Package)実装が提唱されている。
性、耐湿性のために、半導体パッケージ組み立て用の材
料として広く用いられている。近年では上記の様なパッ
ケージ方式の多様化に伴い、従来の様な封止用の材料と
してのみならずコーティング材やダイボンド材、或いは
アンダーフィル材等として使用されている。これら材料
は溶剤で希釈されたもの或いはペースト状のものが殆ど
である。
の健康管理や安全上の問題から、使用時に揮散する溶剤
の除去に相当の配慮をしなければならず、コストアップ
要因となっている。
半導体素子の表面をエポキシ樹脂組成物の薄膜のみで覆
い、封止する方法、或いはペースト状のエポキシ樹脂組
成物でスクリーン印刷する方法などが提案されている。
これらの材料には従来から知られている酸無水物硬化型
エポキシ樹脂組成物やアミン硬化型エポキシ樹脂組成物
などのペースト状のもの、或いはこれらのペースト状の
エポキシ樹脂組成物をフィルム上でBステージ化し、フ
ィルム化したものなどが使用されている。
材も従来はペースト状のものが殆どであったが、最近で
はペースト状のダイボンド材をフィルム化したものが広
く使用されるようになってきた。使用方法としてはフィ
ルムをリードフレーム、或いは基盤上に圧着し、その上
に半導体素子を接着させ硬化させるものである。これら
の材料としては、従来からよく知られている酸無水物硬
化型エポキシ樹脂組成物やアミン硬化型エポキシ樹脂組
成物が殆どである。
ト状の材料よりも取り扱いが容易であり、半導体装置の
組み立て工程の簡略化に貢献する方式として大変有望な
ものであるが、酸無水物硬化型エポキシ樹脂組成物やア
ミン硬化型エポキシ樹脂組成物は、未硬化物の保存性、
硬化物の耐湿特性や高温特性が不十分なため、直接半導
体素子表面に薄膜で被覆する材料としては不十分なもの
である。また、これらの酸無水物硬化型エポキシ樹脂組
成物やアミン硬化型エポキシ樹脂組成物をBステージ化
させる反応においては、エポキシ樹脂の直鎖成長反応と
架橋形成反応が同一の反応であるため、Bステージ化の
反応条件を最適化し、ばらつきの少ない半硬化物を得る
ことが難しい。
れたものであり、(1)エポキシ樹脂の直鎖成長反応と
架橋形成反応に異なる2種類の硬化剤を対応させること
により、Bステージ化の反応条件を最適化し、ばらつき
の少ない半硬化物を得ることを容易にしたエポキシ樹脂
組成物、(2)(1)のエポキシ樹脂組成物の半硬化物
を用いた柔軟で取り扱いが容易な薄膜フイルムを少なく
とも1層とした、2層以上の積層フィルム、(3)
(2)のフィルム状エポキシ樹脂組成物で半導体素子の
表面、或いは半導体素子と基盤との隙間等を被覆、封止
した半導体装置を提供することを目的とする。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、エポキシ樹脂の直鎖成長反応と架橋形成反応(即
ち、三次元構造を形成する反応)に異なる2種類の硬化
剤を対応させること、この場合、特にエポキシ樹脂とし
て2官能のエポキシ樹脂を使用すると共に、上記直鎖成
長反応に対して用いる硬化剤として2官能のフェノール
樹脂を使用することにより、エポキシ樹脂組成物のBス
テージ化の反応条件を最適化し、ばらつきの少ない半硬
化物を得ることが容易であると共に、更に上記架橋形成
反応に対する硬化剤としてイミダゾール化合物を用い、
また(A)成分と(B)成分との鎖長延長による上記B
ステージ化反応の硬化促進剤として有機リン化合物を配
合することにより、従来の酸無水物硬化型エポキシ樹脂
組成物やアミン硬化型エポキシ樹脂組成物と比較する
と、半硬化物の保存性や、硬化物の耐湿性等に優れると
共に、このエポキシ樹脂組成物の半硬化物(Bステージ
化物)を用いることにより、柔軟で取り扱いが容易なフ
ィルムが得られ、このフィルムにより半導体素子の表
面、或いは半導体素子と基盤との隙間等を被覆、封止す
ることにより、信頼性に優れる半導体装置が得られるこ
とを知見し、本発明をなすに至った。
(B)(A)成分のエポキシ樹脂を直鎖状に重合させる
硬化剤、(C)(A)成分と(B)成分からなる直鎖状
の重合体を三次元的に架橋させる硬化剤を必須成分とす
ることを特徴とするエポキシ樹脂組成物、及び、上記
(C)成分による三次元架橋構造の形成開始以前に上記
(A),(B)成分のみを予め反応させて直鎖状の重合
体とすることにより得られるエポキシ樹脂組成物の半硬
化物(Bステージ化物)として、(A)成分と(B)成
分とを予め反応させて得られる直鎖状の重合体と、
(C)成分とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂
組成物を提供する。この場合、(A)成分は2官能のエ
ポキシ樹脂、(B)成分は2官能のフェノール樹脂、
(C)成分はイミダゾール化合物とすることが好まし
く、これには(A),(B)成分の硬化促進剤として有
機リン化合物を配合することが好ましい。
エポキシ樹脂組成物の半硬化物からなる20〜150μ
m厚みのフィルムである、2層以上の積層フィルム、及
びこの積層フィルムにより半導体素子の表面又は半導体
素子と基盤の隙間が封止された半導体装置を提供する。
本発明のエポキシ樹脂組成物において使用可能なエポキ
シ樹脂は、その構造や分子量等が特に限定されるもので
はないが、後述のようにBステージ化反応を容易にし、
柔軟な半硬化物を得るという観点からは、2官能のエポ
キシ樹脂(即ち、一分子中に2個のエポキシ基を有する
エポキシ樹脂)を用いることが望ましい。この2官能の
エポキシ樹脂の具体例としては、下記一般式(2)で示
されるビスフェノール型エポキシ樹脂、或いは下記一般
式(3)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂などが挙
げられる。
は炭素数1〜10の1価炭化水素基、特にメチル基、エ
チル基等のアルキル基、Xは−CH2−、−C(CH3)
2−、−C(CF3)2−、−O−、−CO−、−S−又
は−SO2−を示す。)
は炭素数1〜10の一価炭化水素基、特にメチル基、エ
チル基等のアルキル基を示す。)
は2種類以上を混合して用いてもよい。またこれらのエ
ポキシ樹脂の他にもフェノールノボラック型エポキシ樹
脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール
とクレゾールの共縮合ノボラック型エポキシ樹脂等のノ
ボラック型エポキシ樹脂、或いはトリスヒドロキシフェ
ニルメタン型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニル
プロパン型エポキシ樹脂等のトリスヒドロキシフェニル
アルカン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、
シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールアラル
キル型エポキシ樹脂等公知のエポキシ樹脂を併用しても
差し支えなく、この場合これらのエポキシ樹脂の配合量
はエポキシ樹脂組成物の半硬化物のフィルムの柔軟性や
取り扱いに支障を来たさない程度である。
1500ppm以下であることが望ましく、より好まし
くは1000ppmであることが望ましい。また120
℃/50時間での50%エポキシ樹脂濃度における抽出
水塩素が5ppm以下であることが望ましい。全塩素含
有量が1500ppm以上、或いは抽出水塩素が5pp
m以下では半導体装置の耐湿性が低下するおそれがあ
る。
硬化剤が用いられる。即ち、(B)エポキシ樹脂を直鎖
状に重合させる硬化剤(以下、硬化剤(B)とする)
と、(C)エポキシ樹脂と硬化剤(B)からなる直鎖状
の重合体を三次元的に架橋させる硬化剤(以下、硬化剤
(C)とする)の2種類である。
構造や分子量等が特に限定されるものではないが、後述
のようにBステージ化反応を容易にし、柔軟な半硬化物
を得る、或いは半硬化物の保存性や、硬化物の耐湿性に
優れるという観点からは、2官能のフェノール樹脂(即
ち、一分子中に2個のフェノール性水酸基を有するフェ
ノール樹脂)を用いることが望ましい。この2官能のフ
ェノール樹脂の具体例としては、下記一般式(4)で示
されるビスフェノール樹脂、或いは下記一般式(5)で
示されるビフェニル型フェノール樹脂などが挙げられ
る。
いは2種類以上を混合して用いてもよい。またこれらの
フェノール樹脂の他にもフェノールノボラック樹脂、ク
レゾールノボラック樹脂、フェノールとクレゾールの共
縮合ノボラック樹脂等のノボラック樹脂、或いはトリス
ヒドロキシフェニルメタン型フェノール樹脂、トリスヒ
ドロキシフェニルプロパン型フェノール樹脂等のトリス
ヒドロキシフェニルアルカン型フェノール樹脂、ナフタ
レン型フェノール樹脂、シクロペンタジエン型フェノー
ル樹脂、フェノールアラルキル樹脂等公知のフェノール
樹脂を併用しても差し支えなく、この場合これらのフェ
ノール樹脂の配合量はエポキシ樹脂組成物の半硬化物の
フィルムの柔軟性や取り扱いに支障を来たさない程度で
ある。
比は、特に、2官能のエポキシ樹脂と2官能のフェノー
ル樹脂の組み合わせである場合、当量比(以下a=エポ
キシ基/フェノール性ヒドロキシル基とする)で1/1
<a≦10/1であることが望ましく、より好ましくは
2/1<a≦5/1であることが望ましい。aが1/1
以下である場合は、Bステージ化の反応条件の如何によ
ってはエポキシ基の多くが直鎖状の重合体の成長に消費
され、硬化剤(C)との反応により十分な架橋密度が得
られず、硬化物の耐熱性が低下するおそれがあり、10
/1より大きい場合は、Bステージ化反応が十分に進行
せず、半硬化物の取り扱いに支障を来たすおそれがあ
る。
構造や分子量等が特に限定されるものではないが、後述
のようにBステージ化反応を容易にし、柔軟な半硬化物
を得る、或いは半硬化物の保存性や硬化物の耐湿性に優
れるという観点からは、イミダゾール化合物を用いるこ
とが望ましい。このイミダゾール化合物の具体例として
は、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾー
ル、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニ
ルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾー
ル、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチル
イミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメ
チルイミダゾール等が挙げられ、これらの中から1種
類、或いは2種類以上を任意に選択して用いることがで
きる。
は、b=[イミダゾール化合物の配合量(重量)]/
[(エポキシ樹脂の配合量(重量))×(a−1)/
a]とすると、0.001≦b≦0.2であることが望
ましく、より好ましくは0.01≦b≦0.1であるこ
とが望ましい。bが0.001未満である場合は、十分
な架橋密度が得られず、硬化物の耐熱性が低下するおそ
れがあり、0.2より大きい場合は、半硬化物の保存性
や硬化物の耐湿性に支障を来たすおそれがある。
官能のエポキシ樹脂と硬化剤(B)の2官能のフェノー
ル樹脂との硬化促進剤として、有機リン化合物を用いる
ことができる。この有機リン化合物の具体例としては、
トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ
(p−トルイル)ホスフィン、トリ(p−メトキシフェ
ニル)ホスフィン、トリ(p−エトキシフェニル)ホス
フィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボレー
ト、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレ
ート等のトリオルガノホスフィン類や四級ホスホニウム
塩などが挙げられ、これらの中から1種類、或いは2種
類以上を任意に選択して用いることができる。
=[有機リン化合物の配合量(重量)]/[(エポキシ
樹脂の配合量(重量))×(1/a)+(フェノール樹
脂の配合量(重量))]とすると、0.0001≦c≦
0.1であることが望ましく、より好ましくは0.00
1≦c≦0.05であることが望ましい。cが0.00
01未満である場合は、Bステージ化反応が十分に進行
せず、半硬化物の取り扱いに支障を来たすおそれがあ
り、0.1より大きい場合は、硬化物の耐湿性に支障を
来たすおそれがある。
樹脂と硬化剤(B)のみを反応させて直鎖状の重合体と
して、硬化剤(C)による架橋構造の形成開始以前に反
応を一旦停止させることにより得られる半硬化物(Bス
テージ化物)として用いることが望ましい。このエポキ
シ樹脂の直鎖成長反応と架橋形成反応は通常熱誘起反応
である。従って、Bステージ化の反応条件を最適化し、
ばらつきの少ない半硬化物を得ることを容易にするため
には、(直鎖成長反応の終了温度)<(架橋形成反応の
開始温度)、かつBステージ化温度において(直鎖成長
反応の終了時間)<(架橋形成反応の開始時間)となる
必要がある。この条件を満たすためには、上述のように
エポキシ樹脂は2官能のエポキシ樹脂、硬化剤(B)は
2官能のフェノール樹脂、硬化剤(C)はイミダゾール
化合物であり、これらと2官能のエポキシ樹脂と2官能
のフェノール樹脂の硬化促進剤である有機リン化合物を
用いることが望ましい。
成長反応の終了温度)<(Bステージ化温度)<(架橋
形成反応の開始温度)、かつBステージ化温度において
(直鎖成長反応の終了時間)<(Bステージ化時間)<
(架橋形成反応の開始時間)である。この条件を満たす
場合、Bステージ化反応によって直鎖構造のみが成長し
架橋構造が形成されないため、これによって得られる半
硬化物のフィルムは柔軟で取り扱いが容易であり、かつ
保存性に優れる。
用途に応じて無機質充填剤を用いることができる。この
無機質充填剤の具体例としては結晶性シリカ、非結晶性
シリカ等の天然シリカ、溶融シリカ、合成高純度シリ
カ、合成球状シリカ、タルク、マイカ、窒化ケイ素、ボ
ロンナイトライド、アルミナなど、或いはAg粉のよう
な電導性粒子などから1種類又は2種類以上を用いるこ
とができる。無機質充填剤の形状としては、球状、破砕
状、無定形など特に限定されないが、球状のものが好ま
しい。無機質充填剤の配合量は、樹脂分の総量、即ちエ
ポキシ樹脂と、硬化剤(B)のフェノール樹脂、或いは
後述する芳香族重合体とオルガノポリシロキサンの共重
合体を配合する場合はこれらの合計量の100重量部に
対し、望ましくは100〜1000重量部、より好まし
くは150〜400重量部である。また、無機質充填剤
の粒径は積層フィルムの厚みにより制限され、望ましく
は最大粒径はフィルムの厚み未満、平均粒径は1/2未
満である。
しくは75μm未満であり、平均粒径が0.1〜70μ
m、好ましくは1〜30μm程度のものが使用される。
なお、この平均粒子径は、例えばレーザー光回折法によ
る重量平均値(又はメジアン径)等として求めることが
できる。
応力性を向上させるために芳香族重合体と特定のオルガ
ノポリシロキサンとを反応させることにより得られる共
重合体を必要に応じて配合することが望ましい。
物を使用し得、例えば下記式(6),(7)の構造のエ
ポキシ樹脂やフェノール樹脂などが挙げられる。
〜(10)の構造のアルケニル基含有化合物(エポキシ
樹脂又はフェノール樹脂)を用いることもできる。
はメチル基、R5は水素原子又は臭素原子、R6は水素原
子又は下記式で示されるグリシジル基であり、nは0又
は自然数、好ましくは0〜50の整数、特に好ましくは
1〜20の整数であり、mは0又は自然数、好ましくは
0〜50の整数、特に好ましくは0又は1である。p,
qは自然数、好ましくはp+qが2〜50、より好まし
くは2〜20の整数である。
式(1)で示されるものである。 RaR’bSiO(4-a-b)/2 (1) (但し、式中Rは水素原子、アミノ基,エポキシ基,ヒ
ドロキシ基もしくはカルボキシ基を含有する1価炭化水
素基又はアルコキシ基を示し、R’は置換もしくは非置
換の1価炭化水素を示し、a、bは0.001≦a≦
1、1≦b≦2、1≦a+b≦3を満足する正数であ
る。ここでRは、前記した芳香族重合体中のエポキシ
基、フェノール性水酸基又はアルケニル基と反応して、
共重合体を形成し得る官能性基であり、また、1分子中
のケイ素原子の数は2〜1000であり、1分子中のケ
イ素原子に直結した官能基Rの数は1以上、通常1〜
5、好ましくは1〜3、特に2個であることが好まし
い。)この場合、Rのアミノ基含有1価炭化水素基とし
ては、下記のものが挙げられる。
しては、下記のものが挙げられる。
としては、下記のものが挙げられる。
は、−CxH2xCOOH(x=0〜10の整数)が挙げ
られ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ
基、n−プロポキシ基等の炭素数1〜4のものが挙げら
れる。
素基としては、炭素数1〜10のものが好ましく、例え
ばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル
基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロ
ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、ビ
ニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等のアル
ケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベン
ジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などや、こ
れらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部をハロゲン
原子などで置換したハロゲン置換1価炭化水素基を挙げ
ることができる。これらの中でも、脂肪族不飽和結合を
有さない基、例えばアルキル基、アリール基、アラルキ
ル基、ハロゲン置換アルキル基が好ましく、特にメチル
基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基
が好ましい。
しくは0.01≦a≦0.1、1.8≦b≦2、1.8
5≦a+b≦2.1、ケイ素原子数は好ましくは10〜
400、より好ましくは20〜210である。
は、例えば下記構造式(11),(12)の化合物を挙
げることができる。
は式(1)と同じ非置換又は置換1価炭化水素基、好ま
しくはメチル基又はフェニル基を示し、Xは、アミノ
基,エポキシ基,ヒドロキシ基もしくはカルボキシ基含
有1価炭化水素基を示し、pは0〜1000、好ましく
は8〜400の整数、qは0〜20、好ましくは0〜5
の整数を示す。
ンを挙げることができる。
は、特に限定されるものではないが、100〜7000
0が望ましい。これはオルガノポリシロキサンの分子量
が100〜70000である場合、得られた共重合体を
エポキシ樹脂組成物に配合すると、マトリクス中に共重
合体が相溶せず、かつ微細な海島構造を形成するためで
ある。分子量が100未満であると、マトリクス中に共
重合体が相溶し、海島構造が消滅し、分子量が7000
0より大きければ、海島構造が大きくなってしまい、い
ずれの場合も硬化物の低応力性が低下するおそれがあ
る。
ンとを反応させて共重合体を得る方法としては公知の方
法が採用される。
樹脂及び硬化剤(B)との合計100重量部に対して0
〜100重量部程度が好ましく、より好ましくは1〜5
0重量部程度である。特にフェノール硬化型エポキシ樹
脂組成物の場合は、前記したエポキシ樹脂、フェノール
樹脂及び該共重合体の全体において、エポキシ基の総量
に対してフェノール性ヒドロキシル基の総量が0.5以
上、2.0以下であることが望ましく、より好ましくは
0.8以上、1.2以下であることが望ましい。エポキ
シ基の総量に対してフェノール性ヒドロキシル基の総量
が上記範囲外の場合、樹脂組成物が十分に硬化せず、耐
熱性が低下するといった問題が発生する場合がある。
途に応じてカーボンブラック等の顔料、染料、難燃化
剤、カップリング剤、熱可塑性樹脂、その他の添加剤を
配合することが可能である。
て、各成分の配合順序は特に制限されない。また混合方
法についても特に制限されず、例えば予め配合した各成
分を2軸ロール、3軸ロール、ニーダー、各種のミキサ
ー等により混合し、また必要に応じて溶剤を用いて、B
ステージ化の過程においてこれを除去してもよい。
物は半導体封止用として有効に用いられるが、この際フ
ィルム状に加工して使用することが好ましく、特に2層
以上の積層フィルムの少なくとも1層として用いること
が好ましい。この場合、本発明のエポキシ樹脂組成物か
らなるフィルムの厚さは20〜150μmであることが
好ましい。なお、他の層の材質や厚み等は積層フィルム
の用途に応じて選択される。
で形成される層の保護を目的とした、シリコーンシー
ト、テフロンシート、或いは離型用のシリコーン又はテ
フロン(登録商標)等を表面に塗布したPET(ポリエ
チレンテレフタレート)シート等を片面又は両面に貼り
付けた積層フィルム、基材や半導体素子との室温での仮
接着を目的とした粘着剤の層をエポキシ樹脂組成物の層
と上記保護層の間の片方又は両方に挟み込んだ積層フィ
ルム等である。
限されず、圧延ロールを用いて引き伸ばす、或いは保護
フィルム上にコーティングする等の方法でフィルム状に
加工し、その後熱風ヒーター、或いは赤外線ヒーター等
により所定の温度、時間(例えば、50〜100℃で1
分〜30分程度の条件下)で加熱し、Bステージ化する
等の方法により製造する。ここで溶剤を用いる場合は、
溶剤の沸点未満の温度より段階的に昇温させ、Bステー
ジ化反応と溶剤の除去とを同時に進行させることが望ま
しい。更に積層フィルムの用途に応じて、板状に切断、
或いはテープ状に切断、巻き取る。これは用途に応じて
更に切断され、上述した保護層を除去した後、用いられ
る。
装置は特に限定されるものではないが、CSPのような
小型、薄型の半導体装置に好適であり、とりわけチップ
〜基盤間の狭ギャップの接着剤用用途に有効であり、従
来の酸無水物硬化型、或いはアミン硬化型の材料よりも
信頼性に優れた接着が得られる。また、本発明の積層フ
ィルムの使用方法も特に限定されるものではないが、フ
ィルムを適当なサイズに切断し、基盤上に仮圧着し、フ
ィルム上にチップを搭載した後、全体を例えば150〜
200℃、1〜30kgf/cm2、1〜20秒程度の
条件で熱圧着する等の方法により前記Bステージ化され
たフィルム状の半硬化物を架橋させて硬化物とすること
により半導体装置を得ることができる。ここでチップの
搭載前にフィルムにプレヒートを施しても差し支えな
い。
は、エポキシ樹脂の直鎖成長反応と架橋形成反応に異な
る2種類の硬化剤を対応させることにより、Bステージ
化の反応条件を最適化し、ばらつきの少ない半硬化物
(特にフィルム状の半硬化物)を得ることが容易にな
る。また、このエポキシ樹脂組成物の半硬化物を用い
た、柔軟で取り扱いが容易な薄膜フィルムを少なくとも
1層とした、2層以上の積層フィルムが得られ、更にこ
のフィルム状エポキシ樹脂組成物で半導体素子の表面、
或いは半導体素子と基盤との隙間等を被覆、封止するこ
とにより、耐熱性、耐湿性、低応力性の良好な半導体装
置が得られる。
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定される
ものではない。
エポキシ樹脂A〜E及び3官能のエポキシ樹脂F、表2
及び下記構造式(18)〜(22)に示す2官能のフェ
ノール樹脂A〜E及び3官能のフェノール樹脂F、イミ
ダゾール化合物(2−フェニル−4,5−ジヒドロキシ
メチルイミダゾール,2PHZ)、有機リン化合物(ト
リフェニルホスフィン,TPP)、酸無水物硬化剤(4
−メチルテトラヒドロ無水フタル酸,4−MTHPA,
当量83)、アミン硬化剤(4,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン,DDM,当量50)、無機質充填剤(最大
粒径24μm未満、平均粒径4μmの球状シリカ)、シ
ランカップリング剤(γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン,KBM403)、及び下記構造式(2
3)で示される共重合体(芳香族重合体とオルガノポリ
シロキサンの共重合体、エポキシ当量291、ポリシロ
キサン含有量31.2重量%)を表3に示すように配合
し、アセトン中に均一分散させる。
溶液を塗布し、50℃で5分、更に80℃で5分乾燥し
てアセトンを除去すると同時にBステージ化反応を行
い、厚さ0.1mmのフィルムとする。成形物の製造方法 所定の金型中に混合溶液を流し込み、50℃で5分、更
に80℃で5分乾燥してアセトンを除去し、150℃/
1時間でポストキュアを行う。
下の(a)〜(h)の諸試験を行った。結果を表3に示
す。 (a)フィルムのハンドリング性 短冊状の半硬化物のフィルム(10mm×50mm×
0.1mm)を、短冊の短辺(10mm)が重なり合う
よう2つ折りにし、破損するフィルム数/全フィルム数
を測定する。この試験については、フィルムの製造直後
(0時間)と、30℃/168時間放置後(168時
間)について、10回の製造ロット毎に5回の試験を行
い、平均値と標準偏差を求めた。標準偏差からは半硬化
物のばらつき、製造直後と放置後の相違からは保存性に
関する知見が得られる。 (b)硬化物のガラス転移温度(Tg) 5mm×5mm×15mmの試験片を成形し、TMAで
毎分5℃で昇温した時の値を測定した。 (c)耐湿性 図1の半導体装置を121℃/100%/2atmRH
雰囲気中に200時間、1000時間放置し、断線によ
り異常値を示すパッケージ数/総パッケージ数を測定す
る。 (d)吸水率 50mmφ×3mmの試験片を成形し、121℃/10
0%/2atmRH雰囲気中に24時間放置し、重量変
化を測定した。
はAu端子、3はCu配線、4はエポキシ樹脂組成物フ
ィルム、5は半田バンプ、6はSiチップであり、BT
基盤上に、エポキシ樹脂組成物のフィルム(10mm×
10mm×0.1mm)をのせ、80℃,0.1kgf
/cm2,5秒の条件で仮圧着し、これを120℃,1
0秒の条件でプレヒートした後、Al配線と半田バンプ
を施したSiチップ(10mm×10mm×0.3m
m)をのせ、180℃,10kgf/cm2,10秒の
条件で加熱成形し、これを150℃,1時間の条件でポ
ストキュアすることにより、半導体装置を作成した。
ある。
Claims (10)
- 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂、(B)(A)成分
のエポキシ樹脂を直鎖状に重合させる硬化剤、(C)
(A)成分と(B)成分からなる直鎖状の重合体を三次
元的に架橋させる硬化剤を必須成分とすることを特徴と
するエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の(A)成分と(B)成分
とを反応させて得られる直鎖状の重合体と、(C)成分
とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】 (A)成分が2官能のエポキシ樹脂であ
り、(B)成分が2官能のフェノール樹脂である請求項
1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】 (A)成分と(B)成分との硬化促進剤
として有機リン化合物を配合した請求項3記載のエポキ
シ樹脂組成物。 - 【請求項5】 2官能のエポキシ樹脂と2官能のフェノ
ール樹脂との配合比が、当量比で1/1<エポキシ基/
フェノール性ヒドロキシル基≦10/1である請求項3
又は4記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項6】 (C)成分がイミダゾール化合物である
請求項1乃至5のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成
物。 - 【請求項7】 無機質充填剤を配合した請求項1乃至6
のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項8】 芳香族重合体と下記組成式(1)で示さ
れるオルガノポリシロキサンとを反応させることにより
得られる共重合体を含有する請求項1乃至7のいずれか
1項記載のエポキシ樹脂組成物。 RaR’bSiO(4-a-b)/2 (1) (但し、式中Rは水素原子、アミノ基,エポキシ基,ヒ
ドロキシ基もしくはカルボキシ基を含有する1価炭化水
素基又はアルコキシ基を示し、R’は置換もしくは非置
換の1価炭化水素基を示し、a、bは0.001≦a≦
1、1≦b≦2、1≦a+b≦3を満足する正数であ
る。また、1分子中のケイ素原子の数は2〜1000で
あり、1分子中のケイ素原子に直結した官能基Rの数は
1以上である。) - 【請求項9】 少なくとも1層が請求項1乃至8のいず
れか1項記載のエポキシ樹脂組成物の半硬化物から形成
された厚みが20〜150μmである、2層以上の層か
らなる積層フィルム。 - 【請求項10】 請求項9記載の積層フィルムの硬化物
により半導体素子の表面又は半導体素子と基盤の隙間が
封止された半導体装置。
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