JP7014195B2 - 封止材、該封止材により封止されている半導体装置及び該封止材を有する半導体パッケージの製造方法 - Google Patents

封止材、該封止材により封止されている半導体装置及び該封止材を有する半導体パッケージの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、封止材、該封止材により封止されている半導体装置及び該封止材を有する半導体パッケージの製造方法に関する。
従来から、半導体素子を搭載した基板の半導体素子搭載面又は半導体素子を形成したウエハの半導体素子形成面のウエハレベルの封止は、種々の方式が提案、検討されてきており、スピンコーティングによる封止、スクリーン印刷による封止、フィルム支持体に熱溶融性エポキシ樹脂をコーティングさせた複合シートを用いた方法が例示されている(特許文献1~3)。
中でも、半導体素子搭載面のウエハレベルの封止方法として、金属、シリコンウエハ、又はガラス基板に、接着層を両面に有するフィルムを貼りつけた後、又は接着剤をスピンコート等で塗布した後、該基板上に半導体素子を配列し接着、搭載させ、半導体素子搭載面とし、その後、液状エポキシ樹脂やエポキシ成形材料等で加熱下、加圧成形により封止する方法が知られている(特許文献4)。また、半導体素子形成面のウエハレベルの封止方法としても、同様に同じようなエポキシ系材料を用いて封止めることで、該半導体素子形成面を封止する方法が知られている。
しなしながら、以上のような方法では、200mm(8インチ)以上のウエハや金属等の基板を用いた場合、封止樹脂であるエポキシ樹脂等の応力によって基板やウエハに反りが生じるだけでなく、封止樹脂の剥離が生じることが大きな問題であった。これらの問題を解決するために、封止樹脂組成物に90質量%近くのフィラー(無機充填材)を添加することで収縮応力を低下させたり、樹脂自体の弾性率を低下させたりすることが挙げられる(特許文献1~3、5)。
しかし、フィラーを高充填すると封止樹脂組成物の粘度が上昇し、成形性が大きく低下したり、高い成形圧力が必要になったり、基板や半導体素子にダメージを与え、さらに接着力も低下する傾向から剥離が発生するなど、新たな問題が発生する可能性が高い。
これらの問題を解決するため、半導体素子搭載面を一括封止するための繊維含有有機樹脂基板に未硬化の熱硬化性樹脂組成物を搭載した繊維含有樹脂基板が提案されている(特許文献6)。これは繊維含有有機樹脂基板とウエハや金属等の基板の熱膨張係数を合わせることで反りを抑え込む手法であり、硬化物のハンドリング性も向上するため有効な手段であるが、シリコンウエハを使用する場合はシリコンが約3ppm/Kと非常に低い熱膨張係数であり、一般的なエポキシ樹脂やシリコーン樹脂といった熱硬化性樹脂を使用すると熱膨張係数が下がりきらなかったり、弾性率の影響もあり、応力によって反りが満足できるレベルではなかったり、チップの専有面積が異なるたびに細かい材料の調整が必要であり、汎用性に乏しいと言った問題があった。
特開2002-179885号公報 特開2009-60146号公報 特開2007-1266号公報 特表2004-504723号公報 特開2007-146155号公報 特開2013-197327号公報
従って、本発明の目的は、低反り化を実現できる、半導体素子搭載面を一括封止するための封止材とそれを用いた半導体装置及び半導体パッケージの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、下記封止材が、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
<1>
樹脂含浸繊維基材層の片面に未硬化樹脂層を有する封止材であって、
該樹脂含浸繊維基材層が、環状イミド化合物を含む熱硬化性樹脂組成物(X)を繊維基材に含浸し、半硬化又は硬化したものであり、
該未硬化樹脂層が、環状イミド化合物を含む熱硬化性樹脂組成物(Y)から形成されたものであり、
前記熱硬化性樹脂組成物(X)及び前記熱硬化性樹脂組成物(Y)に含まれる環状イミド化合物が、分子中に、少なくとも1つのダイマー酸骨格、少なくとも1つの炭素数6以上の直鎖アルキレン基及び少なくとも2つの環状イミド基を含有する環状イミド化合物である、封止材。
<2>
前記環状イミド化合物が下記一般式(1)で表されるものであることを特徴とする<1>に記載の封止材。
Figure 0007014195000001
(一般式(1)中、Aは独立して芳香族環または脂肪族環を含む4価の有機基を示す。Bは2価のヘテロ原子を含んでもよい脂肪族環を有する炭素数6から18のアルキレン基である。Qは独立して炭素数6以上の直鎖アルキレン基を示す。Rは独立して炭素数6以上の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。nは1~10の整数を表す。mは0~10の整数を表す。)
<3>
前記式(1)のAが下記構造のいずれかで表されることを特徴とする<2>に記載の封止材。
Figure 0007014195000002
(上記構造式中の置換基が結合していない結合手は、一般式(1)において環状イミド構造を形成するカルボニル炭素と結合するものである。)
<4>
前記熱硬化性樹脂組成物(X)及び/又は前記熱硬化性樹脂組成物(Y)が、下記成分(A)~(C)を含むものである、<2>又は<3>に記載の封止材。
(A)分子中に、少なくとも1つのダイマー酸骨格、少なくとも1つの炭素数6以上の直鎖アルキレン基及び少なくとも2つの環状イミド基を含有する環状イミド化合物
(B)無機充填材
(C)硬化促進剤
<5>
<1>~<4>のいずれか1項に記載の封止材により封止されている半導体装置。
<6>
基板又はウエハの半導体素子搭載面に、半導体素子を搭載する工程、
<1>~<4>のいずれか1項に記載の封止材の未硬化樹脂層により該半導体素子搭載面を被覆する工程、及び
前記未硬化樹脂層を加熱、硬化させることで、前記半導体素子搭載面及び/又は形成面を一括封止する工程
を有する半導体パッケージの製造方法。
<7>
<6>に記載の一括封止する工程に次いで、個片化する工程を含むことを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
本発明の封止材であれば、特に大口径シリコンウエハを封止した場合であっても、ウエハの反りの抑制が可能である。また、チップの搭載面積や搭載総数に依存せず、ウエハの反りの抑制が可能である。
本発明の封止材の一例を示す断面図である。 本発明の封止材を用いて製造した半導体パッケージの一例を示す図である。 本発明の封止材を用いて製造し、個片化した半導体パッケージ(半導体装置)の一例を示す図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は本発明の封止材の一例を示す断面図である。本発明の封止材10は、繊維基材に熱硬化性樹脂組成物(X)を含浸させて、該熱硬化性樹脂組成物(X)を半硬化又は硬化した樹脂含浸繊維基材層1と、該樹脂含浸繊維基材層の片面に未硬化の熱硬化性樹脂組成物(Y)から形成される未硬化樹脂層2とを有することを特徴とする。
さらに本発明の封止材は、前記熱硬化性樹脂組成物(X)及び前記熱硬化性樹脂組成物(Y)が、分子中に、少なくとも1つのダイマー酸骨格、少なくとも1つの炭素数6以上の直鎖アルキレン基、及び少なくとも2つの環状イミド基を含有する環状イミド化合物を含有することを特徴とする。
また本発明の封止材は、図1に示すように、該樹脂含浸繊維基材層の片面に、樹脂含浸繊維基材層よりも小さい面積の未硬化樹脂層を有することが好ましく、より好ましくは、未硬化樹脂層の樹脂含浸繊維基材層と接触する面の面積が、前記樹脂含浸繊維基材層の未硬化樹脂層と接触する面の面積の85~98%である。
<樹脂含浸繊維基材層>
本発明の封止材は上記のように、樹脂含浸繊維基材層を有する。該樹脂含浸繊維基材層は、繊維基材に環状イミド化合物を含む熱硬化性樹脂組成物(X)を含浸させて、該熱硬化性樹脂組成物(X)を半硬化又は硬化したものである。本発明の封止材は、前記樹脂含浸繊維基材層を具備することにより、後述する未硬化樹脂層を硬化させた時の収縮応力を抑制できるため、大径ウエハや金属等の大径基板を封止した場合でも、基板やウエハの反り、基板からの半導体素子の剥離を抑えることができる。特にウエハの口径が300mm以上で、かつ厚さが200μm以下の大口径薄膜状のウエハを封止した場合でも破損抑制できるため、口径300mm以上かつ厚さ200μm以下の大口径薄膜状のウエハの封止に本発明は効果的である。
熱硬化性樹脂組成物(X)
本発明の封止材を構成する樹脂含浸繊維基材層には、環状イミド化合物を含む熱硬化性樹脂組成物(X)が含まれる。該熱硬化性樹脂組成物(X)は、(A)環状イミド化合物を含み、好ましくはさらに(B)無機充填材及び(C)硬化促進剤を含むものである。
(A)環状イミド化合物
(A)成分は環状イミド化合物であって、分子中に、少なくとも1つのダイマー酸骨格、少なくとも1つの炭素数6以上の直鎖アルキレン基、及び少なくとも2つの環状イミド基を有する。(A)成分の環状イミド化合物が炭素数6以上の直鎖アルキレン基を有することで、これを含む組成物の硬化物を低弾性化することができ、硬化物による半導体装置へのストレス低減に効果的である。また、(A)成分の環状イミド化合物が炭素数6以上の直鎖アルキレン基を有することで、これを含む組成物の硬化物は優れた誘電特性を有するだけでなく、相対的にフェニル基の含有比率が低下し、耐トラッキング性も向上する。
また、中でも(A)成分の環状イミド化合物としてはマレイミド化合物であることが好ましく、下記一般式(1)で表されるマレイミド化合物を使用することがより好ましい。
Figure 0007014195000003
一般式(1)中、Aは独立して芳香族環または脂肪族環を含む4価の有機基を示す。Bは2価のヘテロ原子を含んでもよい脂肪族環を有する炭素数6から18のアルキレン鎖である。Qは独立して炭素数6以上の直鎖アルキレン基を示す。Rは夫々独立に炭素数6以上の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。nは1~10の整数を表す。mは0~10の整数を表す。
式(1)中のQは直鎖のアルキレン基であり、これらの炭素数は6以上であるが、好ましくは6以上20以下であり、より好ましくは7以上15以下である。
また、式(1)中のRはアルキル基であり、直鎖のアルキル基でも分岐のアルキル基でもよく、これらの炭素数は6以上であるが、好ましくは6以上12以下である。
式(1)中のAは芳香族環または脂肪族環を含む4価の有機基を示し、特に、下記構造式で示される4価の有機基のいずれかであることが好ましい。
Figure 0007014195000004
(なお、上記構造式中の置換基が結合していない結合手は、一般式(1)において環状イミド構造を形成するカルボニル炭素と結合するものである。)
また、式(1)中のBは2価のヘテロ原子を含んでもよい脂肪族環を有する炭素数6から18のアルキレン鎖であり、該アルキレン基の炭素数は好ましくは炭素数8以上15以下である。
式(1)中のnは1~10の整数であり、好ましくは2~7の整数である。式(1)中のmは0~10の整数であり、好ましくは0~7の整数である。
(A)成分の環状イミド化合物は、室温(25℃)での性状を含めて特に制限はないが、室温(25℃)で固体であることが好ましい。さらに、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定によるポリスチレン標準で換算した重量平均分子量(Mw)が2,000~50,000であることが好ましく、より好ましくは2,500~40,000である。該分子量が2,000以上であれば、得られるマレイミド化合物は固形化しやすく、2,000より小さいと硬化前の組成物はタックを有しやすくなる。該分子量が50,000以下であれば、得られる組成物は粘度が高くなりすぎて流動性が低下するおそれがなく、ラミネート成形などの成形性が良好となる。
なお、本発明中で言及する重量平均分子量(Mw)とは、下記条件で測定したGPCによるポリスチレンを標準物質とした重量平均分子量を指すこととする。
[測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流量:0.35mL/min
検出器:RI
カラム:TSK-GEL Hタイプ(東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:5μL
(A)成分の環状イミド化合物としては、BMI-2500、BMI-2560、BMI-3000、BMI-5000(以上、Designer Molecules Inc.製)等の市販品を用いることができる。
また、環状イミド化合物は1種単独で使用しても2種以上を併用しても構わない。
熱硬化性樹脂組成物(X)中、(A)環状イミド化合物は5~50質量%含むことが好ましく、10~45質量%含むことがより好ましい。
(B)無機充填材
無機充填材としては、基板の熱膨張係数や剛性を改善するために半導体封止材に一般的に使用されるものを用いることができ、例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、アルミノシリケート、窒化ホウ素、ガラス繊維、三酸化アンチモン等が挙げられる。
(B)成分の無機充填材の平均粒径及び形状は特に限定されないが、平均粒径は通常0.1~40μmである。(B)成分としては、平均粒径が0.5~40μmの球状シリカが好適に用いられる。なお、平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50(又はメジアン径)として求めた値である。
(B)成分の無機充填材の配合量は、(A)環状イミド化合物100質量部に対して、100~700質量部とすることが好ましい。
(C)硬化促進剤
硬化促進剤としては、(A)成分の環状イミド化合物の反応性、硬化性を高めるために一般的に使用されるものを用いることができ、例えば、ジクミルパーオキサイド、t-ヘキシルハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイドなどの熱ラジカル重合開始剤が挙げられる。また、(C)成分の硬化促進剤は、種類に関わらず、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(C)成分の硬化促進剤の配合量は、(A)環状イミド化合物100質量部に対して、0.1~5.0質量部とすることが好ましい。
その他の成分
熱硬化性樹脂組成物(X)には、更に必要に応じてその他の成分を配合できる。該その他の成分として本発明の効果を損なわない範囲で、樹脂特性を改善するためにオルガノポリシロキサン、シリコーンオイル、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、光安定剤、顔料、染料等を配合してもよいし、濡れ性向上や封止樹脂層との密着性向上のためにカップリング剤、電気特性改善のためのイオントラップ剤、難燃性を付与するためのリン化合物や金属水和物を代表とする非ハロゲン系の難燃剤等を配合してもよい。
必要に応じてエポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、エポキシ-シリコーンハイブリッド樹脂など(A)成分中の環状イミド基と反応しうる官能基を有する熱硬化性樹脂成分を硬化が損なわれない範囲で併用しても構わない。
熱硬化性樹脂組成物(X)は、さらに(D)顔料を含むものが好ましい。
(D)顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック等が挙げられる。(D)成分の顔料の配合量は、(A)環状イミド化合物100質量部に対して、0.5~4.0質量部とすることが好ましい。
繊維基材
前記繊維基材としては、例えば炭素繊維、E-ガラス繊維及びT-ガラス繊維等のガラス繊維、石英ガラス繊維、金属繊維等の無機繊維;芳香族ポリアミド繊維、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維等の有機繊維;さらには炭化ケイ素繊維、炭化チタン繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維等が例示される。中でも、絶縁性、基板の剛性などの観点からガラス繊維、石英ガラス繊維、炭素繊維が好ましく、より好ましくはE-ガラス繊維、T-ガラス繊維、石英ガラス繊維である。
前記繊維基材の形態としては、例えば長繊維フィラメントを一定方向に引きそろえたロービング、繊維クロス、不織布等のシート状のもの、更にはチョップストランドマット等が例示されるが、積層体を形成できるものであれば特に制限はされない。
<樹脂含浸繊維基材の作製方法>
前記繊維基材に前記熱硬化性樹脂組成物(X)を含浸させる方法としては、溶剤法とホットメルト法のいずれでもよい。溶剤法とは前記熱硬化性樹脂組成物(X)を有機溶剤に溶解した樹脂ワニスを調製し、該樹脂ワニスを前記繊維基材に含浸させる方法であり、ホットメルト法とは固体の前記熱硬化性樹脂組成物(X)を加熱融解して前記繊維基材に含浸させる方法である。
前記繊維基材に含浸した前記熱硬化性樹脂組成物(X)を半硬化する方法としては、特に制限はされないが、前記繊維基材に含浸した前記熱硬化性樹脂組成物(X)を加熱により脱溶媒等して半硬化する方法等が例示される。前記繊維基材に含浸した前記熱硬化性樹脂組成物(X)を硬化する方法としては、特に制限はされないが、前記繊維基材に含浸した前記熱硬化性樹脂組成物(X)を加熱により硬化する方法等が例示される。
なお、樹脂含浸繊維基材は熱硬化性樹脂組成物(X)を含浸し、硬化又は半硬化した後、150~200℃の温度で2~8時間ポストキュアすることが好ましい。
繊維基材に熱硬化性樹脂組成物(X)を含浸させて該熱硬化性樹脂組成物を半硬化又は硬化した樹脂含浸繊維基材の厚さは使用する繊維クロス等の繊維基材の厚さによって決まり、厚い樹脂含浸繊維基材を作製する場合は繊維クロス等の繊維基材の使用枚数を多くし、積層して作製する。
本発明において半硬化とは、B-ステージ(熱硬化性樹脂組成物の硬化中間体、この状態での樹脂は加熱すると軟化し、ある種の溶剤に触れると膨潤するが、完全に溶融、溶解することはない)状態をいうものである。
前記樹脂含浸繊維基材の厚さは、基本的には半導体素子上の厚さによって選定されるが、取扱い等の観点から、繊維基材に含浸させた熱硬化性樹脂組成物(X)を半硬化または硬化したいずれの場合でも30μm~3,000μmであることが好ましく、より好ましくは40μm~2,500μmである。樹脂含浸繊維基材の厚さが30μm以上であれば薄すぎて変形しやすくなることを抑制できるため好ましく、また3,000μm以下であれば半導体装置そのものが厚くなることを抑制できる。
本発明の封止材を構成する樹脂含浸繊維基材層は、本発明の封止材で半導体素子搭載面を一括封止した後の反りを低減させ、2個以上の半導体素子を配列、接着した基板を補強するために重要である。そのため、硬くて剛直な樹脂含浸繊維基材であることが望ましい。
<未硬化樹脂層>
本発明の封止材は未硬化樹脂層を有する。該未硬化樹脂層は、前記樹脂含浸繊維基材層の片面に、未硬化の熱硬化性樹脂組成物(Y)から形成されたものである。未硬化樹脂層は、半導体素子を封止するための樹脂層である。そして、本発明の未硬化樹脂層は前述の(A)成分である特定の環状イミド化合物を含有することを特徴とする。
未硬化樹脂層は、前記樹脂含浸繊維基材層の片面に樹脂含浸繊維基材層よりも小さい面積で形成されることが好ましく、より好ましくは、未硬化樹脂層の樹脂含浸繊維基材層と接触する面の面積が、前記樹脂含浸繊維基材層の未硬化樹脂層と接触する面の面積の85~98%である。未硬化樹脂層の面積を前述の所望の大きさとするには、熱硬化性樹脂組成物(Y)の必要樹脂総量を重量換算し、必要量を使用すればよい。
熱硬化性樹脂組成物(Y)
本発明の封止材を構成する未硬化樹脂層は、環状イミド化合物を含む熱硬化性樹脂組成物(Y)から形成されるものである。該熱硬化性樹脂組成物(Y)は、前述の(A)成分である特定の環状イミド化合物を含み、好ましくはさらに前述の(B)無機充填材及び(C)硬化促進剤を含むものである。(A)、(B)及び(C)成分の具体例及び配合量は、前述した熱硬化性樹脂組成物(X)と同様である。
その他の成分
熱硬化性樹脂組成物(Y)には、更に必要に応じてその他の成分を配合することができる。該その他の成分として本発明の効果を損なわない範囲で、樹脂特性を改善するためにオルガノポリシロキサン、シリコーンオイル、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、光安定剤、顔料、染料、離型剤等を配合してもよいし、濡れ向上や封止樹脂層との密着性向上のためにカップリング剤、電気特性を改善するためにイオントラップ剤、難燃性を付与させるためのリン化合物や金属水和物を代表とする非ハロゲン系の難燃剤等を配合してもよい。
熱硬化性樹脂組成物(Y)としては、さらに(D)顔料及び(E)カップリング剤を含むことが好ましい。
(D)顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック等が挙げられる。(D)成分の顔料の配合量は、(A)環状イミド化合物100質量部に対して、0.5~4.0質量部とすることが好ましい。
(E)カップリング剤としては、エポキシ官能性アルコキシシラン(例えば、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等)、メルカプト官能性アルコキシシラン(例えばγ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)、アミン官能性アルコキシシラン(例えば、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等)等が挙げられる。
(E)成分のカップリング剤の配合量は、(A)環状イミド化合物100質量部に対して、0.5~5.0質量部とすることが好ましい。
<封止材の作製方法>
本発明の封止材は、樹脂含浸繊維基材層と未硬化樹脂層とに、同じ環状イミド化合物を用いることにより、封止後のウエハの反りを抑制することができ、また樹脂含浸繊維基材層と未硬化樹脂層の密着力が向上する。
本発明の封止材の作製方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
まず、熱硬化性樹脂組成物(X)及び熱硬化性樹脂組成物(Y)をそれぞれ調製する。調製方法は特に制限されるものではなく、上述した各成分を所定の組成比で配合し、ミキサー等によって十分均一に混合、撹拌、溶解、分散及び/又は溶融混練させる方法が挙げられる。各成分は、同時に又は別々に配合してもよく、必要に応じて加熱しながら混合等を行なってもよい。混合等を行なう装置は、特に限定されないが、具体的には、撹拌及び加熱装置を備えたライカイ機、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、プラネタリーミキサー及びマスコロイダー等が挙げられ、これらの装置を適宜組み合わせて使用してもよい。
次に、熱硬化性樹脂組成物(X)と繊維基材とから、上述した方法により樹脂含浸繊維基材を作製し、樹脂含浸繊維基材層とする。
次に、樹脂含浸繊維基材層の片面に、熱硬化性樹脂組成物(Y)を用いて未硬化樹脂層を形成する。ここで、未硬化樹脂層に用いる熱硬化性樹脂組成物(Y)が未硬化状態では室温(25℃)で液状である場合、樹脂含浸繊維基材層の片面に、減圧又は真空下で、印刷やディスペンス等で該熱硬化性樹脂組成物(Y)を塗布し、加熱することで、50℃以下で固体状の未硬化樹脂層を形成することができる。一方、未硬化樹脂層に用いる熱硬化性樹脂組成物(Y)が未硬化状態では室温(25℃)で固体である場合、樹脂含浸繊維基材の片面に、該熱硬化性樹脂組成物(Y)を加熱しながら加圧する方法や溶剤を適量添加して該熱硬化性樹脂組成物(Y)を液状化し印刷などで薄膜を形成し、溶剤を減圧下で加熱して除去する方法で、均一に樹脂含浸繊維基材の片面に未硬化樹脂層を形成できるが、未硬化樹脂層にボイドを発生させないために溶剤を使用しないことが好ましい。
本発明の未硬化樹脂層を形成するための熱硬化性樹脂組成物(Y)の形状としては、該組成物をシート状に成形したものを用いることが好ましい。このシートの作製方法としては、熱硬化性樹脂組成物(Y)の各成分を所定の組成比で配合し、これをミキサー等によって十分均一に混合した後、先端にTダイを設置した二軸押し出し機を用いてシート状に成形するTダイ押し出し法が挙げられる。あるいは、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して得られた組成物の粉砕品を加圧部材間で70~120℃で加熱溶融し圧縮してシート状に成形してもよい。
いずれの方法でも、樹脂含浸繊維基材層の片面上に、ボイドや揮発成分のない、厚さが30μm~3,000μmの未硬化の熱硬化性樹脂組成物(Y)からなる未硬化樹脂層を形成する。
<半導体パッケージ>
本発明は、2個以上の半導体素子が搭載された基板又はウエハの半導体素子搭載面が、上述の封止材の未硬化樹脂層によって一括封止されたものであることを特徴とする半導体パッケージを提供する。
本発明の半導体パッケージの一例の断面図を図2に示す。図2の半導体パッケージ11は、接着剤4によって2個以上の半導体素子3が搭載されたウエハ5の半導体素子搭載面が、封止材10の未硬化樹脂層2の硬化物(即ち、硬化後の樹脂層2’)によって一括封止されたものである。
このような本発明の封止材により一括封止された半導体パッケージであれば、基板又はウエハの反りが抑制される。
以上のように、本発明の封止材であれば、特にチップオンウエハ(CoW)パッケージに特化し、大径ウエハを封止した場合であっても、ウエハの反り、半導体素子の剥離を抑制しながら半導体素子を搭載したウエハの半導体素子搭載面をウエハレベルで一括封止できる。したがって、本発明の封止材は、チップオンウエハパッケージの封止用に有用である。
<半導体装置>
さらに、本発明は、上述の半導体パッケージが個片化されたものである半導体パッケージ(半導体装置)を提供する。
本発明の半導体装置の一例の断面図を図3に示す。図3の半導体装置12は図2の半導体パッケージ11をダイシングして、個片化したものである。このようにして作製された半導体装置12は耐熱性や耐湿性等の封止性能に優れる封止材により封止され、かつウエハの反り、半導体素子の剥離が抑制された高品質な半導体装置となる。半導体装置12はウエハ5上に接着剤4を介して半導体素子3が搭載され、その上から硬化後の樹脂層2’と樹脂含浸繊維基材層1により封止された半導体装置である(図3)。
<半導体パッケージ(半導体装置)の製造方法>
また、本発明は、半導体パッケージ(半導体装置)を製造する方法を提供する。半導体パッケージの製造方法は、半導体素子搭載工程、被覆工程及び封止工程を有し、必要に応じてさらに個片化工程を有する。
<半導体素子搭載工程>
半導体素子搭載工程は、基板又はウエハの半導体素子搭載面に、半導体素子を搭載する工程である。本工程で搭載する半導体素子は2個以上であることが好ましい。半導体素子を搭載する方法としては、特に限られず、公知の方法を使用でき、例えば、接着剤、好ましくは高温で接着力が低下する接着剤を介して搭載することが好ましい。
<被覆工程>
被覆工程は、封止材10の未硬化樹脂層2により、ウエハ5の半導体素子3が搭載された半導体素子搭載面を被覆する工程である。
<封止工程>
封止工程は、封止材の未硬化樹脂層2を加熱、硬化して硬化後の樹脂層2’とすることで、ウエハ5の半導体素子3が搭載された半導体素子搭載面を一括封止する工程である。
以上より、ウエハレベルの半導体パッケージを得ることができる。
<個片化工程>
個片化工程は、封止工程後得られたウエハレベルの半導体パッケージをダイシングし、個片化する工程である。これにより、個片化された半導体パッケージ(半導体装置)12を得ることができる。
以下、本発明の半導体パッケージの製造方法について、より具体的に説明する。前述の被覆工程、及び封止工程においては、ソルダーレジストフィルムや各種絶縁フィルム等のラミネーションに使用されている真空ラミネータ装置や真空プレス装置等を使用することで、ボイドも反りもない被覆、及び封止を行うことができる。ラミネーションの方式としてはロールラミネーションやダイアフラム式真空ラミネーション、エアー加圧式ラミネーション等、いずれの方式も使用することができる。
ここでは例として、ニチゴーモートン社製の真空ラミネーション装置を用いて、厚さ42μmのガラスクロス(繊維基材)に熱硬化性樹脂組成物(X)を含浸した樹脂含浸繊維基材と、その片面に熱硬化性樹脂組成物(Y)から形成された厚み150μmの未硬化樹脂層を有する封止材で、厚さ250μm、直径300mmのシリコンウエハに10×10mmのシリコンチップを搭載した基板を封止する場合について説明する。
真空ラミネーション装置は、ヒーターが内蔵されたプレートを上下に2つ有している。2つのプレートのうち、上側プレートにはダイアフラムラバーが減圧された状態でヒーターと密着している。
2つのプレートのプレート温度を150℃に設定し、下側プレート上にシリコンチップを搭載したウエハをセットし、封止材の未硬化樹脂層面を前述のウエハの半導体素子(シリコンチップ)搭載面に合わせてセットする。その後、下側プレートが上昇し、下側プレート上にセットされたウエハを囲むように設置されたOリングにより上下のプレートが密着して真空チャンバーが形成され、該真空チャンバー内が減圧される。真空チャンバー内が十分に減圧されたら、上側プレートのダイアフラムラバーとヒーターの間から真空ポンプにつながる配管の弁を閉じ、圧縮空気を送り込む。それにより、上側のダイアフラムラバーが膨張しウエハと繊維含有樹脂基板を上側のダイアフラムラバーと下側のプレートで挟み、真空ラミネーションを行うと同時に熱硬化性樹脂の硬化が進行し、封止が完了する。硬化時間としては3~20分程度あれば十分である。真空ラミネーションが完了したら真空チャンバー内を常圧に戻し、下側プレートを下降させ、封止したウエハを取り出す。上記工程によりボイドや反りのない基板の封止を行うことができる。取り出した基板は通常、150~200℃の温度で1~8時間ポストキュアすることで電気特性や機械特性を安定化させることができる。
なお、半導体素子搭載及び個片化工程は、常法に従えばよい。
このような半導体装置の製造方法であれば、被覆工程においては封止材の未硬化樹脂層により簡便に、充填不良なく半導体素子搭載面を被覆することができる。また、樹脂含浸繊維基材を使用することで、未硬化樹脂層の硬化時の収縮応力を抑制できるため、封止工程においては半導体素子搭載面を一括封止することができ、ウエハの反り、半導体素子の剥離が抑制された半導体パッケージを得ることができる。さらに、個片化工程においては耐熱性や耐湿性等の封止性能に優れる樹脂含浸繊維基材により封止され、かつ反りが抑制されたウエハレベルの半導体パッケージから半導体装置をダイシングし、個片化することができるため、高品質な半導体装置を容易に製造することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
<環状イミド化合物を含む樹脂含浸繊維基材の作製>
下記式(2)で示される環状イミド化合物(商品名:BMI-3000J、Designer Molecules Inc.製)100質量部、
粒径0.5μmのシリカ(商品名:SO-25R、(株)アドマテックス製)150質量部、
黒色顔料としてカーボンブラック(商品名:3230B、三菱化学製)3質量部、及び
過酸化物(パークミルD、日油(株)製)2.0質量部に、
トルエン300質量部を加えて攪拌混合し、環状イミド化合物を含む熱硬化性樹脂組成物のトルエン分散液を調製した。

この環状イミド化合物を含む熱硬化性樹脂組成物のトルエン分散液に、繊維基材としてTガラスクロス(日東紡績製、厚さ:42μm)を浸漬することにより、環状イミド化合物を含む熱硬化性樹脂組成物のトルエン分散液をTガラスクロスに含浸させた。該ガラスクロスを120℃で15分間放置することによりトルエンを揮発させた。該ガラスクロスを175℃で5分間加熱成型して成型品を得、更にこれを180℃で2時間加熱(2次硬化)することで、含浸させた環状イミド化合物を含む熱硬化性樹脂組成物を硬化させ、環状イミド化合物を含む熱硬化性樹脂組成物が硬化状態で繊維基材に含浸された、樹脂含浸繊維基材X1を作製した。該樹脂含浸繊維基材X1は、繊維基材の両面に環状イミド化合物を含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物層が形成されたものであり、その大きさは400mm×500mm、厚さ0.12mmであった。その後、該樹脂含浸繊維基材X1を直径300mm(12インチ)の円板状に切断した。この樹脂含浸繊維基材X1の0℃から200℃における線膨張係数は7ppm/℃であった。
Figure 0007014195000005
<熱硬化性エポキシ樹脂組成物を含む樹脂含浸繊維基材の作製、比較例用>
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:EPICLON-N695、DIC製)60質量部、
フェノールノボラック樹脂(商品名:TD2090、DIC製)30質量部、
粒径0.5μmのシリカ(商品名:SO-25R、(株)アドマテックス製)150質量部、
黒色顔料としてカーボンブラック(商品名:3230B、三菱化学製)3質量部、及び
トリフェニルホスフィン(TPP、北興化学工業(株)製)0.6質量部に、
トルエン300質量部を加えて攪拌混合し、エポキシ樹脂組成物のトルエン分散液を調製した。

このエポキシ樹脂組成物のトルエン分散液に、繊維基材としてTガラスクロス(日東紡績製、厚さ:88μm)を浸漬することにより、エポキシ樹脂組成物のトルエン分散液をTガラスクロスに含浸させた。該ガラスクロスを120℃で15分間放置することによりトルエンを揮発させた。該ガラスクロスを175℃で5分間加熱成型して成型品を得、更にこれを180℃で4時間加熱(2次硬化)することで、含浸させたエポキシ樹脂組成物を硬化させ、エポキシ樹脂組成物が硬化状態で繊維基材に含浸された、樹脂含浸繊維基材X2を作製した。該樹脂含浸繊維基材X2は、繊維基材の両面にエポキシ樹脂組成物の硬化物層が形成されたものであり、その大きさは400mm×500mm、厚さ0.12mmであった。その後、該樹脂含浸繊維基材X2を直径300mm(12インチ)の円板状に切断した。この熱硬化性エポキシ樹脂含浸繊維基材X2の0℃から200℃における線膨張係数は7ppm/℃であった。
<未硬化熱硬化性環状イミド樹脂の作製>
前記式(2)で示される環状イミド化合物(商品名:BMI-3000J、Designer Molecules Inc.製)100質量部、
粒径4μmのシリカ(商品名:MUF-4H、(株)龍森製)250質量部、
黒色顔料としてカーボンブラック(商品名:3230B、三菱化学製)3質量部、
過酸化物(パークミルD、日油(株)製)2.0質量部、及び
シランカップリング剤(KBM-403、信越化学工業(株)製)1.0質量部を高速混合装置で十分混合し、Tダイを取り付けた連続混練装置にて、加熱溶融混練してシート状の、環状イミド化合物を含む熱硬化性樹脂組成物Y1を得た。
<未硬化熱硬化性エポキシ樹脂の作製、比較例用>
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:EPICLON-N655、DIC製)60質量部、
フェノールノボラック樹脂(商品名:TD2131、DIC製)40質量部、
粒径4μmのシリカ(商品名:MUF-4H、(株)龍森製)250質量部、
黒色顔料としてカーボンブラック(商品名:3230B、三菱化学製)3質量部、
トリフェニルホスフィン(TPP、北興化学工業(株)製)0.6質量部、及び
シランカップリング剤(KBM-403、信越化学工業(株)製)1.0質量部を高速混合装置で十分混合し、Tダイを取り付けた連続混練装置にて、加熱溶融混練してシート状の、熱硬化性エポキシ樹脂組成物Y2を得た。
<封止材の作製>
あらかじめ直径300mmの円型に切り出しておいた樹脂含浸繊維基材X1又はX2を減圧下で加熱圧縮できる圧縮成形装置の下金型上にセットし、その上にシート状の熱硬化性樹脂組成物Y1又は熱硬化性エポキシ樹脂組成物Y2を必要重量分だけ乗せた。上下の金型温度を80℃にし、上金型にはフッ素樹脂コートしたPETフィルム(剥離フィルム)をセットして金型内を真空レベルまで減圧し、30秒間圧縮成形して樹脂含浸繊維基材層の片面に未硬化樹脂層を有する封止材を作製した。
なお、各例の封止材において、それぞれ、未硬化樹脂層の樹脂含浸繊維基材層と接触する面の面積は、前記樹脂含浸繊維基材層の未硬化樹脂層と接触する面積の95%であった。
<半導体素子が搭載されたウエハの被覆及び封止>
次に、ニチゴーモートン社製のプレート温度を150℃に設定した真空ラミネーション装置を用いて、上記で作製した封止材によりウエハを被覆、封止した。
まず、直径300mm(12インチ)で厚みが200μm、400μm又は725μmのシリコンウエハ上に、高温で接着力が低下する接着剤を介して、個片化した半導体素子である400個のシリコンチップ(形状:10mm×10mm 厚み250μm)を整列し搭載したシリコンウエハを作製した。該シリコンウエハを真空ラミネーション装置の下側プレートにセットし、上記で作製した封止材の未硬化樹脂層面をシリコンウエハの半導体素子搭載面に合わせて、該未硬化樹脂層により半導体素子搭載面を被覆した。その後、真空ラミネーション装置のプレートを閉じ10分間真空圧縮成形することで硬化封止した。硬化封止後、180℃で4時間ポストキュアして、半導体パッケージを得た。なお、封止材に使用した樹脂含浸繊維基材層と未硬化樹脂層の組合せは表1に記載したとおりであり、樹脂含浸繊維基材層の欄が「無」のものは、樹脂含浸繊維基材X1及びX2のいずれも使用せずに成形を行ったことを意味する。
得られた半導体パッケージの反り及び外観について確認した。反りについては、半導体パッケージを、平坦な机にウエハを下にして置き、任意の4ヶ所のウエハの反りをノギスで測定し、その平均値を算出した。外観については、各実施例又は比較例の厚みの異なる3種類のウエハを用いたそれぞれの半導体パッケージに対して、外観を観察し、異常がないか確認した。結果を表1に記す。
Figure 0007014195000006
以上のことから、樹脂含浸繊維基材層及び未硬化樹脂層に特定の環状イミド化合物を含有する本発明の封止材であれば、大径ウエハ、特にウエハの口径が300mm以上でかつ厚さが200μm以下の大口径薄膜状ウエハを一括封止した場合であっても、基板やウエハの反りを抑制できる。また、半導体パッケージの外観もよく、封止材のハンドリング性も向上することも確認できた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1 樹脂含浸繊維基材層
2 未硬化樹脂層
2’ 硬化後の樹脂層
3 半導体素子
4 接着剤
5 ウエハ
10 封止材
11 半導体パッケージ
12 個片化された半導体パッケージ(半導体装置)

Claims (7)

  1. 樹脂含浸繊維基材層の片面に未硬化樹脂層を有する封止材であって、
    該樹脂含浸繊維基材層が、環状イミド化合物を含む熱硬化性樹脂組成物(X)を繊維基材に含浸し、半硬化又は硬化したものであり、
    該未硬化樹脂層が、環状イミド化合物を含む熱硬化性樹脂組成物(Y)から形成されたものであり、
    前記熱硬化性樹脂組成物(X)及び前記熱硬化性樹脂組成物(Y)に含まれる環状イミド化合物が、分子中に、少なくとも1つのダイマー酸骨格、少なくとも1つの炭素数6以上の直鎖アルキレン基及び少なくとも2つの環状イミド基を含有する環状イミド化合物である、封止材。
  2. 前記環状イミド化合物が下記一般式(1)で表されるものであることを特徴とする請求項1に記載の封止材。
    Figure 0007014195000007
    (一般式(1)中、Aは独立して芳香族環または脂肪族環を含む4価の有機基を示す。Bは2価のヘテロ原子を含んでもよい脂肪族環を有する炭素数6から18のアルキレン基である。Qは独立して炭素数6以上の直鎖アルキレン基を示す。Rは独立して炭素数6以上の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。nは1~10の整数を表す。mは0~10の整数を表す。)
  3. 前記一般式(1)のAが下記構造のいずれかで表されることを特徴とする請求項2に記載の封止材。
    Figure 0007014195000008
    (上記構造式中の置換基が結合していない結合手は、一般式(1)において環状イミド構造を形成するカルボニル炭素と結合するものである。)
  4. 前記熱硬化性樹脂組成物(X)及び/又は前記熱硬化性樹脂組成物(Y)が、下記成分(A)~(C)を含むものである、請求項1~3のいずれか1項に記載の封止材。
    (A)分子中に、少なくとも1つのダイマー酸骨格、少なくとも1つの炭素数6以上の直鎖アルキレン基及び少なくとも2つの環状イミド基を含有する環状イミド化合物(B)無機充填材
    (C)硬化促進剤
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の封止材により封止されている半導体装置。
  6. 基板又はウエハの半導体素子搭載面に、半導体素子を搭載する工程、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の封止材の未硬化樹脂層により該半導体素子搭載面を被覆する工程、及び
    前記未硬化樹脂層を加熱、硬化させることで、前記半導体素子搭載面を一括封止する工程
    を有する半導体パッケージの製造方法。
  7. 請求項6に記載の一括封止する工程に次いで、個片化する工程を含むことを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
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