JP2000355297A - ウォータジェット推進装置を備えた水上船 - Google Patents

ウォータジェット推進装置を備えた水上船

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 水ジェット推進システムを水面より完全に下
方に設置した水上船を提供する。 【解決手段】 水ジェット推進ポンプ14は、船尾梁1
1の前方に位置する完全に水面下にある中間梁12の開
口に、船底に懸架された構造のポッド15の船尾端部に
取り付けられている。ポンプ放出ノズル30は中間梁の
船尾側にある。舵取りノズルは、鉛直面内の軸の周りに
回動できるように、放出ノズル30に取り付けられてい
る。少なくとも一つの逆転デフレクタ300又は400
が、上記鉛直面に垂直な軸の周りに回動できるように取
り付けられている。船体内に配置された舵取りアクチュ
エータ340によって操作される回転可能な舵取りシャ
フトは、舵取りノズル250と結合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】水ジェット推進システムを有する水上船
のほとんどのものにおいて、ポンプは、船体内の船尾梁
の近くに、ポンプとポンプ放出ノズルの少なくとも一部
が水面より上方になるように取り付けられる。水ジェッ
トは、ポンプから、梁を通して導かれた放出管路を通し
て放出され、船尾梁の外側に取り付けられた舵取りノズ
ルに衝突する。ポンプ放出管路からの出口位置を水面位
置とすることによって、推進システムの舵取りノズル及
び逆転デフレクタのためのアクチュエータを水の上方に
設置することが可能となり、それによって、アクチュエ
ータ及びアクチュエータに導く液圧ラインの設置及び保
守が簡素化される。さらに、船の乾式ドックを用いずに
ポンプを保守できるように、喫水線の上方にポンプのア
クセスポートを設けるのが一般的である。
【0002】一般に、水ジェットポンプのための水供給
管路への吸込み開口は、ポンプより少し前方の船底部
で、船のほとんどの運転条件において水が取り入れられ
ることを保証するために十分なだけ喫水線よりも下方に
位置する。吸込み開口の位置をポンプの下方最小限の高
さにすることによって、より深い位置にする場合に比べ
て、吸込み開口からポンプロータまでポンプが汲み上げ
なければならない鉛直距離が最小限に抑えられ、効率が
高くなる。
【0003】水ジェットポンプを比較的水面近くに置く
ことによる欠点は、ポンプ入口での水頭が低下すること
である。吸込み水頭が低下すると、キャビテーションの
発生によって、ポンプが、低速で大出力を吸収する能力
が低下する。低速でキャビテーション無しに大出力を得
るためには、ポンプは、吸込み水頭がより大きい場合に
必要であったであろうポンプの大きさに比べて、より大
きくなければならない。
【0004】従来最もよく知られた水ジェット推進シス
テムのもう一つの欠点は、舵取りノズルと逆転デフレク
タのためのアクチュエータと、そのアクチュエータの船
外の配置が比較的複雑なことである。アクチュエータは
通常、液圧ピストン・シリンダであって、数本のホース
が横梁の開口を通ることが必要であり、それによって、
横梁の構造が複雑になり、各開口でのシールが必要にな
る。アクチュエータ又はホースに欠陥があると、液圧流
体が環境に失われる。舵取りノズルと逆転デフレクタの
ための船外アクチュエータシステムも、船が海にあると
きは簡単に修理することはできない。
【0005】海洋水ジェット推進システムの舵取りノズ
ル・逆転デフレクタを駆動するための公知の構造の一つ
が、米国特許第3,807,346号に開示されている。これに
は、舵取りノズル・逆転デフレクタの上方に位置する船
体の一部から鉛直下方に延びる同軸の複数のシャフトが
含まれる。これらの舵取りノズル・逆転デフレクタは、
その同軸の複数のシャフトの軸と共通の鉛直軸の周りに
回動できるようにブラケットに取り付けられている。内
側シャフトの下端は、舵取りノズルに結合され、外側シ
ャフトの下端は逆転デフレクタに結合されている。内側
シャフトは、船体内に配置されて舵取りレバーによって
内側シャフトの上端に結合されたピストン・シリンダ舵
取りアクチュエータによって、駆動される。ピストン・
シリンダ逆転アクチュエータは、舵取りレバーと外側シ
ャフトの上端の間に結合された、舵取りノズルに対して
逆転デフレクタを回動できるようになっている。
【0006】米国特許第3,807,346号の舵取り・逆転機
構は、船体の貫通部は1個所だけでよく、舵取り・逆転
アクチュエータを船体内に配置することができる点が特
長である。このとき、アクチュエータは、有害な水環境
から保護され、簡単に保守することもできる。しかし、
前方推進のための引込み位置で、逆転デフレクタが舵取
りノズルの横にあって大きな抗力を生じることから、鉛
直軸周りに逆転デフレクタを回転させることは極めて不
利である。さらに、逆転デフレクタの不動作位置は、舵
取りノズルの横にあることから、船の横方向の余分な空
間が必要となり、これによって、多くの水ジェット推進
の適用が制限される。
【0007】水ジェット推進システムが船の喫水線の位
置に設置されるとき、設置物の多くの部品は、水面の上
方に位置し、抗力には影響しない。上述の利点を得るた
めに水ジェット推進システムを完全に水面下の位置に置
くとすると、抗力を最小限にし、シールを必要とする船
体貫通部の数を最少にし、保守と修繕が容易なシステム
を構築し、しかも船体の外側に液圧装置や電気装置を設
置するのを避ける、という観点から重大な問題がある。
【0008】
【発明の概要】本発明の一つの目的は、水ジェット推進
システムを水面より完全に下方に設置した水上船を提供
することにある。そのポンプは、どんな大きさの水ジェ
ットポンプに対しても、水ジェットで推進する公知の船
に比べて、低速においてキャビテーションを起こさず
に、より大きなパワーを吸収することができる。又、こ
の推進システムによって生じる騒音及び水面の乱れは、
著しく低減する。もう一つの目的は、ポンプの取付けや
補修が船体の外側からでき、舵取りノズルと逆転デフレ
クタのためのアクチュエータが船体内部に配置されるよ
うに、ポンプが、特別な構造の船体に機械的・構造的に
効率よく設置される、水ジェット推進システムを提供す
ることにある。更にもう一つの目的は、機械的・構造的
に効率よく、組立てが比較的簡単で、極めて頑丈で、小
形で、軽量な水ジェット推進システムを提供することに
ある。
【0009】追加的目的は、逆転デフレクタを水平軸の
周りに回動するように取り付け、それによって、前進位
置にあるときにはそれが舵取りノズルの上方にあって、
舵取りノズルの横にある場合に比べて横方向スペースが
小さくてすみ、しかも抗力が小さくなるようにすること
である。更にもう一つの目的は、小形で、軽量で、極め
て頑丈な複数の機構による舵取り・逆転の駆動を提供す
ることにある。これらの機構は、ただ一つの船体貫通部
を必要とし、それぞれ回転運動と並進運動を作り出し、
すべてあるいはほとんどすべての船外配置要素は、機械
的なものであり、それによって、液圧流体が水中に漏れ
出す可能性が最小限のものとなる。
【0010】上記目的及びその他の目的は、本発明によ
って達成される。即ち本発明は、水上船において、主船
尾梁、その主船尾梁の下方且つ前方に配置された中間
梁、及び主船尾梁の下端から前方に中間梁の上方で且つ
中間梁の近傍位置まで延びる船尾底部とを含む船尾部分
を有する船体を有する。水吸込み管路は、中間梁の前方
の船体に入口開口を有し、中間梁の前方の船体内に出口
開口を有する。水ジェット推進ポンプは、中間梁の開口
に取り付けられ、中間梁の前方で吸込み管路の出口に接
続された前方部と、中間梁から船尾方向に延びている船
尾部とを有する。ポンプロータは前方部に受容され、静
翼は船尾部に受容されている。舵取りノズルは、ポンプ
から放出された水ジェットを遮るように、回動可能にポ
ンプハウジングの船尾部に取り付けられ、舵取りシャフ
トの下端部に連結されている。舵取りシャフトは、舵取
り軸の周りに回転可能で、舵取りノズルから船尾底部の
開口を通して上向きに延び、その上端は船体内部に位置
する。船体内に配置された舵取りアクチュエータは、舵
取り軸の周りに舵取りシャフトを回転させるべく、舵取
りシャフトに連結されている。本発明の一つの態様にお
いては、吸込み管路の少なくとも船尾部分とポンプハウ
ジングの前方部が、船体構造の一部を形成し中間梁に連
結する船尾端を有して下向きに延びる突出部内に受容さ
れている。突出部は、水力学的に形成され、突起の前方
及び横方向の船体の底部と流線形で接続されている。
【0011】水ジェット及びこれに関連する舵取りシス
テムの取付け部である突出部即ちポッドは、船体の水面
下の部分の船尾に面する面積が小さく、このために抗力
が小さくなる。ポッドの側面及び底面が丸い形状であ
り、ポッドが船体及び中間梁と一体構造になっているこ
とから、ポンプ取付け部は、荷重支持及び、ポンプから
船体への反動荷重の伝達に対して強いものとなってい
る。このポッドによって、更に、舵取りノズルを船尾底
部の下方に配置することができ、それによって、舵取り
シャフトが、船体の船尾底部の単一の開口を貫通して上
方に延び、舵取りアクチュエータを船体内に配置するこ
とができる。本発明のポンプ取付け構造によれば更に、
ポンプハウジングの前方部と吸込み管が水密であること
から、ポンプの船尾側の部分を分解することによって、
船体の外側からポンプを保守することができる。これに
よって、ポンプの保守のために乾ドック作業を必要とし
ないで、ポンプを喫水線よりもはるかに下方に取り付け
ることが可能である。
【0012】ポンプを第2の横梁に取り付けることによ
り、混合流ポンプ又は軸流ポンプの使用も可能となる。
どちらの場合でも、ポンプと放出ノズルと舵取りノズル
は共通の軸の上に配置されることが好ましく、それによ
って製造・組立てが可能となり、水がポンプを通り抜け
るときの水流の曲がりに起因する損失を避けることがで
きる。上記共通の軸は船体の基線(ベースライン)に対
して鋭角をなして後ろ向きに下向きに傾斜しているのが
好ましいことが多い。それにより、水ジェットは、船の
すべての前進推進条件において、小さな下向き速度成分
を伴って放出される。水ジェットが僅かに下向きに傾い
ていることによって、ポンプ設置位置の船尾側船底部分
にジェットが衝突することによるジェットの乱れが最小
限に抑えられ、更に、騒音の低減と、水ジェットによる
後流の大きさと強さの低減に寄与する(水ジェットは、
船の後流の中に僅かに下向きに駆動され、水面のはるか
下方で散逸する傾向にある)。
【0013】前述の水ジェットポンプの設置において、
逆転デフレクタは不動作位置と動作位置の間で逆転回動
軸の周りを回動できるようになっており、不動作位置で
は、上部逆転デフレクタは舵取りノズルから放出された
水ジェットよりも上方であってその水ジェットに緩衝せ
ず、動作位置では、水ジェットの方向を前向きベクトル
を持つ方向に逆転させる構造の逆転デフレクタの表面に
水ジェットが衝突するようになっている。本発明の更な
る態様によれば、水ジェットポンプの構造は、逆転回動
軸が、鉛直面に対して垂直であってシャフトから間隔を
置いており、中空の逆転シャフトが舵取りシャフトの一
部の上方で入れ子式に受容され、これは舵取りシャフト
に対して軸方向に動くことができ、逆転シャフトと逆転
デフレクタの間に機械的リンク機構が結合され、それに
よって逆転デフレクタは、逆転シャフトの軸方向の動き
に応じて不動作位置と動作位置の間を回動できるように
なっている。
【0014】舵取りノズルと逆転デフレクタを動かして
位置決めするための同軸シャフトの単純性及び耐久性
と、アクチュエータを船体内に配置することによって、
設計、製造、据付けのコストが下がり、検査と保守が可
能になり、液圧流体の環境への損失の可能性が最小限に
抑えられ(液圧アクチュエータの場合)、衝撃による損
傷の可能性が最小限に抑えられる。船体の外側のすべて
又はほとんどすべての要素は機械的なものであり、舵取
りと逆転の制御のための船体貫通開口の数は最小限とな
っている。シャフトの設計と、アクチュエータの船体内
配置によって、舵取りの逆転のアクチュエータの形式や
構造の設計の柔軟性が増す。適当なアクチュエータに
は、液圧ピストン・シリンダ(ラム)、電動機・減速伝
動装置、ボールねじ駆動装置等が含まれる。舵取りアク
チュエータの場合は、翼形ロータリ液圧アクチュエータ
が、小形、軽量及び適当な値段の故に好ましい。逆転ア
クチュエータとしては、船体内に取り付けられ、逆転シ
ャフトに連結された環状ピストン・シリンダラムが、小
形、軽量及びコスト上の利点から好ましい。
【0015】本発明の特に重要な効果は、逆転デフレク
タを舵取り軸の船尾側の水平軸の周りに回動させるよう
に取り付けていることから導かれる。そのために、前進
のために逆転デフレクタが不動作位置にあるときは、舵
取りノズルの上方にあり、そのとき逆転デフレクタが、
水ジェットポンプの放出ノズルが取り付けられた中間梁
の上部の「影」の中にあり、それによって抗力が最小化
される。
【0016】逆転シャフトの間の機械的リンク機構は、
逆転シャフトに結合されて回動出力を有するスコット・
ラッセル機構と、逆転デフレクタに結合されて、スコッ
ト・ラッセル機構の回動出力に回動入力が結合された逆
クランク・滑り機構とを含む。そのような機構は、好ま
しくは、ポンプ放出ノズルの軸を含む鉛直面に対して対
称に配置され且つ対称な構造を有する対として提供され
る。
【0017】逆転デフレクタは、回動可能に、舵取りノ
ズルに取り付けられていてもよく、それによって、逆転
デフレクタが、舵取りノズルとともに、舵取り軸の周り
を回るようになっている。このような構造において、逆
転シャフトと舵取りシャフトは、一緒に回転し、それに
よって、横方向の力成分を有する横方向推進力が与えら
れる。
【0018】本発明の他の実施の形態では、上部及び下
部の逆転デフレクタが、鉛直面に垂直な平行な横方向軸
の周りを回転するように、舵取りノズルに取り付けられ
ている。上部逆転デフレクタは、これが不動作位置にあ
るときには、舵取りノズルの上方にあり、舵取りシャフ
トの上で望遠鏡のように受容される逆転シャフトと、逆
転シャフトと上部デフレクタの間を連結するリンク機構
とによって駆動される。下部デフレクタは、舵取りノズ
ルに取り付けられていて、不動作位置では、舵取りノズ
ルからの出口の下方にあり、上部舵取りデフレクタにリ
ンク結合されていて、上部逆転デフレクタと下部逆転デ
フレクタとが、不動作位置と動作位置の間を関連して動
けるようになっている。動作位置では、上部逆転デフレ
クタと下部逆転デフレクタは、互いに突き当たり、水ジ
ェットを遮って、水ジェットが前向きベクトルを持つ方
向に向きを変える表面を形成する。上部と下部のデフレ
クタを有することの利点としては、水ジェットの方向を
変える同じ効果を持つ単一のデフレクタに比べて、上部
と下部それぞれのデフレクタは小さくてよく、従って荷
重が軽減され、それぞれのデフレクタの上の鉛直方向に
かかる力成分が互いに打ち消しあい、従って、特に逆転
デフレクタが不動作位置から動作位置に動いている過渡
状態において、船に伝わる鉛直方向の荷重が最小限に抑
えられる。
【0019】本発明によれば、中間梁の船尾側に配置さ
れたポンプの部品の外側及び舵取り・逆転ユニットの外
側に、流線形化部材を提供することができる。好ましく
は、動かない第1の流線形ユニットは、第2の横梁か
ら、舵取り軸を含む横方向面のすぐ前方の位置にまで船
尾方向に延び、船尾底部及びポンプハウジングの船尾部
分の下方から下方に向かって延びる。第2の流線形化ユ
ニットは、舵取りノズルと共に回転するように舵取りノ
ズルに取り付けられ、第1の流線形化ユニットの船尾側
端部から船尾方向に、舵取りシャフトに平行な横方向の
面の近傍まで延び、逆転デフレクタの船尾側端部を含
み、船尾底部から下方に延び、その下側に開口を有し、
それによって、逆転デフレクタによって向きを変えられ
た水ジェットが第2の流線形化ユニットを、そしてポン
プハウジングの船尾部分の下方を通り抜けることができ
る。上部及び下部の逆転デフレクタが与えられたとき、
第3の流線形化ユニットが下部逆転デフレクタに取り付
けられ、それによって第2の流線形化ユニットの底部の
開口が塞がれる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明及びその効果のいっそう完
全な理解のために、以下に、図面を参照しながら本発明
の実施の形態の例を示す。
【0021】図1〜図8に示す船体の部分は、ほぼ喫水
線付近と2台の水ジェット推進システムの主駆動部Eの
すぐ前の位置から切り取って示すものである。これらの
推進システムは、船の表面に配置され、水ジェットポン
プの放出ノズルと、船の舵取りと後退のために放出ノズ
ルから放出される水ジェットの方向を変えるための舵取
り・逆転ユニットとが、ともに喫水線よりも十分に下方
にあるように配置されている。主駆動部Eは、例えば、
ガソリンエンジンもしくはディーゼルエンジン、ガスタ
ービン、又は電動機のいずれでもよい。船体は、船底1
0と、船尾梁11と、2台の水ジェットポンプ14(後
述)を取り付ける中間梁12と、船尾梁の下端から前方
に向けて中間梁まで延びる船尾底部10aとを有する。
各水ジェットポンプの前方部分及び関連する吸込み管1
7の船尾部分は、垂れ下がった突出部即ち「ポッド(po
d)」15内に収容されている。このポッド15は、船底
の構造の一部を形成し、船底に対して流線形に整形さ
れ、球根状をなし、水力学的に効率の良い形状となって
いる。中間梁12は、船体に沿って船体全幅を横切って
船底10とポッド15に結合されており、水ジェットポ
ンプ14を受け入れる複数の開口部を有する。各ポッド
15の船尾端部は、中間梁に位置してその中間梁にしっ
かりと固定されている。二つのポッド15の間の船底の
船体を横切る部分と、ポッドの外側は、船底の線に対し
て流線形になるように整形されている。箱状の上部蓋1
6は、各ポッド15と、二つのポッドの間及びポッドの
横方向の船底部分と、船尾の船底部10aの一部との上
に重ねられ、船底10の構造の一部をなす。また、上部
蓋16は、舵取り・逆転シャフトの支持・シールと舵取
りアクチュエータ及び逆転アクチュエータ(後述)の取
付け部となるデッキ16dを有する。
【0022】図1〜図8に示す水上船の二つの推進シス
テムは同じものである。以下の説明は、両方のシステム
にあてはまるものとして、一方のシステムのみを説明す
る。
【0023】吸込み管17は、船底10の入口開口18
から、中間梁12の前のフランジ付き出口開口17oに
導く。水ジェットポンプ14のハウジングの前方部19
の船尾フランジ19afは、中間梁12の船尾面にボル
ト付けされている。前方ハウジング部分19のフランジ
付き前端19ffは、吸込み管の出口開口17oにボル
ト付けされている。主駆動部Eによって駆動される駆動
シャフト20は、パッキンと貫通部を通じて管17内を
通り、ポンプ14のロータ21に接続されている。シャ
フト20の末端を支持する軸受22は、ポンプステータ
23のハブ内に配置されている。ステータの周辺ハウジ
ング部23hは前部フランジ23ffを有し、この前部
フランジ23ffは、前方ハウジング部19の船尾フラ
ンジ19afとともに同じボルトで中間梁12にボルト
付けされている。船尾ハウジング部23hは、中間梁か
ら船尾を延長し、その船尾端部で、ポンプ放出ノズル3
0を受容している。放出ノズル30はフランジ32を有
し、そのフランジ32によって放出ノズル30は、ポン
プの船尾ハウジング部23hの船尾端にボルト付けされ
ている。(以下、ポンプステータとポンプ放出ノズルの
周辺外殻を「ポンプハウジングの船尾部」とも称す
る。)次に、ポンプ放出ノズル30と連携する舵取り・
逆転ユニットの二つの実施の形態について、図を用いて
説明する。
【0024】ポンプ14とポンプ放出ノズル30は同一
軸上に配置され、船首から船尾に向かって僅かに下方に
傾斜しており、それによって、水ジェットが下向きの速
度成分をもって放出されて、上記効果を発揮するように
なっている。
【0025】ポッド15の船尾側端部と、ポッドの船尾
側に配置された舵取り・逆転ユニットの部分の上方で且
つ船底10の下方の船底下側とに流線形につながる第1
の固定流線形ユニット25が、ポッドと船底に着脱可能
に取り付けられている。それは船底構造の部分をなして
いないので、ポンプ及び舵取り・逆転ユニットの保守修
繕のために簡単に取り外すことができる。第2の流線形
ユニット26は、舵取りノズルとともに回転するよう
に、舵取りノズルに取り付けられている。第3の流線形
ユニット27は、下部逆転デフレクタ(後述)に取り付
けられている。第1と第2の流線形ユニットは、それぞ
れ、一体のものでも、また複数の部品からなっていても
よい。第3の流線形ユニットは単一のパネルが特に適し
ている。第1と第2の流線形ユニットが合わさる領域
は、舵取りノズルと第2の流線形ユニットが、舵取り軸
の周りに、第1の流線形ユニットに対して回動できるよ
うになっている必要がある。
【0026】図8からわかるように、推進ユニットは、
船体の外側から、以下の手順で船に取り付けられる。
【0027】(1)中間梁12の穴に前部ポンプハウジ
ング19を挿入して、それを吸込み管17にボルト付け
する。
【0028】(2)放出管17のパッキンとスラスト軸
受20aとを通してシャフト20を挿入し、そのシャフ
ト20を主駆動部Eに結合する。
【0029】(3)ポンプロータ21をシャフト20に
取り付ける。
【0030】(4)ポンプステータ23を中間梁12に
合わせてボルト付けする。この工程で、中間梁12は軸
受22をシャフト20に適合させる(fits the bearing
22 to the shaft 20)。放出ノズル30と舵取り・逆転
ユニットの外側部分は、中間梁12に取り付けられる前
に、ポンプステータ23と事前組立てをしてもよい。
【0031】(5)残りの舵取り・逆転ユニットの部品
をすべて取り付ける。
【0032】(6)流線形ユニットを取り付ける。
【0033】ポンプ及び舵取り・逆転ユニットの保守の
ほとんどは、船を乾ドックに入れることなく、船体の外
側から、装置を部分的に分解することによって行なうこ
とができる。通常、前方ポンプハウジング部19は、そ
の位置に残しておき、それによって、吸込み管17と、
船体の内側から隔離された前方ポンプハウジング部19
とからなる水密な包囲が確保される。(前方ハウジング
部19を中間梁に締め付けるボルトの一部又はすべて
は、前方ハウジング部専用として、ポンプステータを中
間梁に結合するボルトとは分けてもよい。)必要なら
ば、シャフト20は、主駆動部から切り離すことがで
き、シャフト20をパッキン内に残したままで、シャフ
トとロータを部分的に船尾側に動かすことができる。
【0034】図9〜図30に示す舵取り・逆転ユニット
の第1の実施の形態は、図1〜図8に示す船の舵取り・
逆転ユニットの、すべてではないがほとんどの特徴を有
し、この発明の水ジェット推進システムの多くの応用に
適している。図1〜図8及び図31〜図36に示す第2
の実施の形態は後述する。
【0035】図9〜図12において、放出ノズル30
は、船尾端部で出口開口36に向かって滑らかに収束す
るボディ34を有する。舵取りノズル50は、放出ノズ
ル30の上部ベース38及び下部ベース40に取り付け
られていて、放出ノズル30の軸を含む鉛直面内にある
軸の周りを回動できるようになっている。前述のよう
に、ノズル放出軸は、船尾に向かって僅かに下方に傾斜
していると良い。舵取りノズル50の前方部分は球形の
内表面56を有し、その球の中心は、舵取りノズルの回
動軸と放出ノズルの軸との交点にある。表面56は、放
出ノズル30の船尾端の互いに適合する形状の外相補表
面と狭い間隙を介して係合する。これら二つの球面が係
合することによって、舵取りノズルは、放出ノズルと舵
取りノズルの間の境目で著しい漏れを生じることなし
に、舵取りノズルの回動軸の周りを一方の側から他方の
側へ回動することができる。舵取りノズル50のボディ
は円柱形であって、放出ノズル軸に垂直な面内にある上
部船尾端部50urと、放出ノズル軸に斜めの面内にあ
って下部後端部50lrと同一平面内のフランジ部50
fを境とする下部後端部50lrと、を有する。
【0036】二つの部分からなる舵取りシャフト70
は、舵取りノズル50の回動軸と同軸に上方に向かって
延びている。下部舵取りシャフト部72の下端部72l
は、放出ノズルに舵取りノズルを上部回動取付けするた
めの回動ピンとして機能し、舵取りノズル上のボス58
にフランジ74をボルト締めすることによって、舵取り
ノズルに取り付けられている。下部シャフト部72の上
端の一部は、望遠鏡のように、円筒状の逆転シャフト9
0(後述)の下端部内に受容されている。上部舵取りシ
ャフト部76の下部は、望遠鏡のように、逆転シャフト
90の上部内に受容されている。両方の舵取りシャフト
部72、76の外表面は、舵取りシャフトの軸の周りを
逆転シャフトに対して舵取りシャフトの両部分が回転す
るのを防ぎながら、逆転シャフトに対して舵取りシャフ
トが軸方向に移動するのは許す構造になっている。図1
2に示すように、図9〜図30の実施の形態では、舵取
りシャフト部分72、76は、断面が六角形であって、
逆転シャフト90の断面六角形の適合する穴の内面とス
ライドしながら係合する。舵取りシャフト部分72、7
6が逆転シャフト90と共に回転しながら、逆転シャフ
トが舵取りシャフト部分に対して軸方向に動けるよう
に、これらを結合する他の構成としては、滑りキー、滑
りスプライン、滑りスクエア等がある。
【0037】二つの部分からなる舵取りシャフトと、こ
れら二つの舵取りシャフト部分72、76の間の逆転シ
ャフト90内の横壁90a(図11)の組合せによっ
て、下部舵取りシャフト部72と逆転シャフトの下部の
間のシールが不要となる。即ち、壁90aによって、舵
取りシャフトと逆転シャフトの間の境界を通して水が漏
れるのが防がれる。この特徴によって構造が簡素にな
り、損傷が起こりやすくて比較的頻繁に補修が必要な要
素(シール)をなくすことができる。
【0038】逆転デフレクタ100は、概略椀形状のボ
ディ102を有し、舵取りノズル50の船尾部分に取り
付けられている。これは、舵取りノズルに固定された二
股取付けボス60内に1対のアーム部104を受け入れ
ることによって、又、アーム部104及びボス60の穴
に受容される回動106ピンによって、水平方向の軸の
周りに回動できるようになっている。逆転デフレクタ1
00の回動軸は、舵取りノズル50の船尾端部の近く
で、舵取りノズルの中心軸の上方に配置されている。
【0039】逆転デフレクタ100は、舵取りシャフト
の軸に対して対称に配置・構成された1対の機械的リン
ク機構110P、110Sによって逆転シャフト90と
機械的に連結されている。各リンク機構110P、11
0Sは、逆転シャフト90に連結され回動出力を有する
スコット・ラッセル機構と、逆転デフレクタ100に連
結され、スコット・ラッセル機構の回動出力に連結され
た回動入力に連結された逆クランク滑り機構と、からな
る。左舷のスコット・ラッセル機構は次の要素からな
る。
【0040】(1)リンク112p。その上端部は、回
動ピン114pによって、逆転シャフト90の上に固定
された回動取付けアーム92pに回動可能に連結されて
いる。又その下部出力端部は、入力回動ピン116pに
よって、逆転クランク滑り機構のリンク118p−sに
回動可能に連結されている。(リンク118p−sは、
左舷のリンクと右舷のリンクで共用される一つのY字形
部材である。) (2)1対のリンク120p。リンク112pの両側に
1個ずつ付く。それぞれが、回動ピン122pによっ
て、舵取りノズル50の上に固定された取付けアーム1
24pに、回動可能に結合されており、その上端は、回
動ピン126pによってリンク112pに結合されてい
る。
【0041】左舷の逆クランク滑り機構は、次のものか
らできている。
【0042】(1)リンク118p−s、(2)左舷取
付けボス60(アーム104と逆転デフレクタボディ1
02による)と、舵取りデフレクタ100に固定され回
動ピン130pによってリンク118p−sに結合され
たアーム128pとの間のリジッドな機械的結合。
【0043】舵取りシャフト70と逆転シャフト90
は、適当な回転駆動装置140(上述のように、種々の
形式のものが使用できる)によって、舵取り回動軸の周
りを共に回転駆動される。この実施の形態では、回転駆
動装置140として、翼タイプの液圧回転アクチュエー
タを有する。回転しているとき、回転駆動装置140の
出力は、上部シャフト部76を回転させ、これが、滑り
六角結合(図4参照)を通じて逆転シャフト90に回転
トルクを伝達する。逆転シャフトは、六角結合を通じて
下部舵取りシャフト部72にトルクを伝達する。これに
より、下部舵取りシャフト部72のフランジ部74が舵
取りノズル50に取り付けられていることと、回動結合
60、106によって逆転デフレクタが舵取りノズルに
取り付けられていることによって、舵取りノズルと逆転
デフレクタの両方が、舵取り軸(より正確には、舵取り
シャフト70と逆転シャフト90の共通軸)の周りに回
転する。舵取りノズルの回転によって、ジェットが舵取
り・逆転装置から出るときに横方向推力成分を持つよう
に、ジェットの向きが変えられる。図18〜図22は、
船を左舷に向けるべく、装置が左舷に向かって回転され
た状態を示す。
【0044】適当な軸方向駆動装置150(その例は上
述した)は、上部舵取りシャフト部76と逆転シャフト
90の間に連結され、これが動作するときには、舵取り
シャフトに対して逆転シャフトを上下に動かす。この実
施の形態では、軸方向駆動装置は、二重動作ピストン・
シリンダであって、逆転シャフト90の上端部にある環
状ピストン部92と、シリンダ152とからなり、シリ
ンダ152の上端部は、上部舵取りシャフト部76の上
のフランジ76fにボルト締めされ、その下端は、逆転
シャフトに対して滑りながらシールされている。シリン
ダポート154、156を通じて、ピストン・シリンダ
軸方向駆動装置150の各動作チャンバに液圧流体が供
給され、又、そこから放出される。
【0045】逆転シャフト90が上方の位置にあるとき
(図9〜図11及び図13〜図17参照)、逆転デフレ
クタは、舵取りノズルから出た水ジェットよりも上方の
不動作位置に保持され、それによって、船が前進でき
る。図9〜図11及び図13〜図17に示す位置から逆
転シャフト90を軸方向下方に動かすと、逆転デフレク
タ100が下方に回動し、それによって、舵取りノズル
を出る水ジェットは、遮られて前向き成分を持つように
曲げられ、それによって、船を逆向きに推進させること
ができる。図23〜図30は、逆向き推進モードにおけ
る舵取り・逆転装置を示す。逆向き推進モードでは、舵
取りデフレクタが、下方の動作位置にあり、舵取りノズ
ルは、回転駆動装置140によって回転でき、それによ
って、逆転舵取りができる。
【0046】前述のように、本発明の実施の形態である
舵取り・逆転装置は、放出ノズルの出口に重なる船尾底
部10aの上方の船体の内部に取り付けられている。こ
れにより、舵取りシャフト70のための回転駆動装置1
40と逆転シャフト90のための軸方向駆動装置150
を、船尾底部10aの上方の船体の内部に取り付けるこ
とができる。本発明による完全に水面下への設置では、
シリンダ154の下方で且つ回動取付けアーム92pの
上方の逆転シャフトの部分は、船体(例えばデッキ16
d)の開口部に取り付けた適当なシールを通る。
【0047】図31〜図37に示す舵取り・逆転ユニッ
トの第2の実施の形態は、ほとんどの部分で第1の実施
の形態と同様である。従って、図31〜図37では、図
23〜図30で用いた符号の各数字に200を加えた数
字を用い、上記説明は第2の実施の形態にもそのままあ
てはまるものとする。
【0048】第2の実施の形態は上部逆転デフレクタ3
00を有し、この上部逆転デフレクタ300はその前方
端近くで回動取付け装置306によって回動可能に舵取
りノズル250に取り付けられ、舵取りノズルの上部壁
の開口307内に収容されている。下部逆転デフレクタ
400は、回動取付け具402によって回動可能に舵取
りノズル250に取り付けられている。不動作位置で
は、図31〜図37に示すように、前進推進するよう
に、逆転デフレクタ300、400は、放出ノズルから
出て来た水ジェットが舵取りノズル250を通って船尾
に流れるようにする。
【0049】上部デフレクタ300は、リンク406に
よって、下部デフレクタ400に連結されている。これ
により、逆転シャフト290に連結された動作中のリン
ク機構310P−S、318p−sが上部逆転デフレク
タ300を動作位置に向けて船尾方向且つ下方に回動さ
せるときに、下部逆転デフレクタ400は、リンク40
6によって、上部逆転デフレクタの回動と連動して、船
尾方向且つ上方にその回動取付け具402の周りに回動
せられる。動作位置で、上部逆転デフレクタ300及び
下部逆転デフレクタ400は、それぞれの船尾側(図示
する不動作位置において)端部で互いに対向し、それに
よって、実質的に単一のデフレクタ(逸らせ)表面を形
成し、これによって水ジェットの方向が変えられる。逆
転デフレクタは両方とも舵取りノズルに取り付けられて
いるので、水ジェットによる逆推進は、横方向推進を伴
うこともできる。
【0050】ツイン推進システムにおいて前進及び後退
の推進力と横方向成分の種々の組み合せによって海洋船
の広範囲の作戦行動を可能にするということは、よく知
られている。その意味で、本発明による推進システム
は、付加的前進推力を得て、舵取り能力を高め、作戦可
能性(例えばz軸周りの極めて急な回転)を高めるため
に、船首近くに設置してもよい。
【0051】図31〜図37は又、第2の流線形化ユニ
ット26を取り付けるための舵取りノズル250上の横
方向支持リブ410と、第3の流線形化ユニット27を
取り付けるための下部逆転デフレクタ400上の底部支
持リブ412をも示す。第3の流線形化ユニット27は
第2の流線形化ユニットの底部開口を塞ぐものである。
後方推進モードで、第3の流線形化ユニット27は、下
方に且つ船尾に向かって回動し、その結果、第2の流線
形化ユニット26の底部の開口を通って、逸らせられた
水ジェットが前方に流れる。
【0052】図9ないし図30の舵取り逆転ユニット
は、激しい作戦(例えば、船が高速で進んでいるときに
前進から後退に切り替える作戦)に従事しない船には有
用である。かかる作戦では、逆転デフレクタに大きな過
渡的鉛直方向力がかかり、その力は船に伝達され、逆転
デフレクタ取付け具及び動作しているリンク機構にも大
きな荷重がかかる。
【0053】他方、第2の実施の形態の二枚逆転デフレ
クタは、動作位置に動くときに、互いにずれた鉛直力成
分を生成し、その結果、船への鉛直力のかかり方を最小
限に抑える。更に、図31〜図37の実施の形態におけ
る各逆転デフレクタの面積は、他の部分がすべて等しい
として、同じ効果を出す単一の逆転デフレクタの面積よ
りも小さくでき、それによって、各デフレクタ及びその
取付け具及び動作するリンク機構にかかる荷重を半分に
まで軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態である水ジェット推進
システム2台によって推進される船の船尾底部を切り出
して右舷下方から見た模式的斜視図である。
【図2】 図1の船体切出し部を右舷上前方から見た模
式的斜視図である。
【図3】 図1及び2の船体切出し部の模式的側面図で
ある。
【図4】 図1〜図3の船体切出し部の模式的底面図で
ある。
【図5】 図1〜図4の船体切出し部の模式的背面図で
ある。
【図6】 図1〜図5の船体切出し部の右舷推進システ
ムの中心線に沿う模式的側断面図である。
【図7】 図6の左側部分の拡大図である。
【図8】 図1〜図7の船体切出し部の分解斜視図であ
る。
【図9】 この発明による水ジェット推進システムで使
用されるのに適した舵取り・逆転ユニットの第1の実施
の形態の模式的斜視図であって、ユニットが前方に直進
推進するときの状態を、船尾左舷上方から見た図であ
る。
【図10】 第1の実施の形態の背面図であって、前方
に直進推進するときの状態を示す図である。
【図11】 第1の実施の形態の右舷の図10の11−
11線に沿う模式的側断面図である。
【図12】 図10の12−12線に沿う模式的水平断
面図である。
【図13】 前方直進モードにおける第1の実施の形態
の左舷側面図である。
【図14】 前方直進モードにおける第1の実施の形態
の上面図である。
【図15】 前方直進モードにおける第1の実施の形態
の背面図である。
【図16】 前方直進モードにおける第1の実施の形態
の底面図である。
【図17】 前方直進モードにおける第1の実施の形態
の前面図である。
【図18】 全左舷前進モードにおける第1の実施の形
態の左舷側面図である。
【図19】 全左舷前進モードにおける第1の実施の形
態の上面図である。
【図20】 全左舷前進モードにおける第1の実施の形
態の背面図である。
【図21】 全左舷前進モードにおける第1の実施の形
態の底面図である。
【図22】 全左舷前進モードにおける第1の実施の形
態の前面図である。
【図23】 図9とほぼ同様の図であって、逆転装置が
動作中の状態を示す図である。
【図24】 図10とほぼ同様の図であって、逆転装置
が動作中の状態を示す図である。
【図25】 図11とほぼ同様の図であって、逆転装置
が動作中の状態を示す図である。
【図26】 直進後退モードで逆転装置が動作中の第1
の実施の形態の左舷側断面図である。
【図27】 直進後退モードで逆転装置が動作中の第1
の実施の形態の上面図である。
【図28】 直進後退モードで逆転装置が動作中の第1
の実施の形態の背面図である。
【図29】 直進後退モードで逆転装置が動作中の第1
の実施の形態の底面図である。
【図30】 直進後退モードで逆転装置が動作中の第1
の実施の形態の前面図である。
【図31】 第2の実施の形態の左舷側面の船尾上方か
ら見た図3/4斜視図である。
【図32】 第2の実施の形態の鉛直中心線に沿う右舷
の側断面図である。
【図33】 前方直進舵取りモードにあって、逆転装置
が不動作状態にある第2の実施の形態の右舷側面図であ
る。
【図34】 前方直進舵取りモードにあって、逆転装置
が不動作状態にある第2の実施の形態の上面図である。
【図35】 前方直進舵取りモードにあって、逆転装置
が不動作状態にある第2の実施の形態の前面図である。
【図36】 前方直進舵取りモードにあって、逆転装置
が不動作状態にある第2の実施の形態の底面図である。
【図37】 前方直進舵取りモードにあって、逆転装置
が不動作状態にある第2の実施の形態の背面図である。
フロントページの続き (72)発明者 フランチェスコ ラニー アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02081ウォルポール ウッダード ロード 11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水上船において、 船尾梁、その船尾梁の下方且つ前方で船体の喫水線の下
    方に配置された中間梁、及び上記主船尾梁の下端から前
    方に上記中間梁の上方で且つ中間梁の近傍位置まで延び
    る船尾底部とを含む船尾部分を有する船体と、 上記中間梁の前方の船体に入口開口を有し、上記中間梁
    の前方の船体内に出口開口を有する水吸込み管路と、 上記中間梁の開口に取り付けられたハウジングを有し、
    上記中間梁の前方で上記吸込み管路の出口に接続された
    前方部を有し、上記中間梁から船尾方向に延びている船
    尾部、上記前方部に受容されたロータ、上記船尾部に受
    容された静翼、及びその静翼の船尾側の放出ノズル、を
    含む水ジェット推進ポンプと、 上記ポンプから放出された水ジェットを遮るように、回
    動可能に放出ノズルに取り付けられ、舵取り軸の周りに
    回転可能で、舵取りノズルから船尾底部の開口を通して
    上向きに延び、船体内部に配置された上端部を含む、舵
    取りノズルと、 船体内に配置され、上記舵取りシャフトを上記舵取り軸
    の周りに回転させるために上記舵取りシャフトに結合さ
    れた、舵取りアクチュエータと、 を有する水上船であって、 上記吸込み管路の少なくとも船尾部分と、上記ポンプハ
    ウジングの上記前方部は、上記船体構造の一部を形成し
    上記中間梁に連結する船尾端を有して下向きに延びる突
    出部内に受容され、上記突出部は、水力学的に形成さ
    れ、上記突起の前方及び横方向の上記船体の上記底部と
    流線形で接続されている、 水上船。
  2. 【請求項2】 上記ポンプは混合流ポンプ又は軸流ポン
    プであって、そのポンプと上記放出ノズルと舵取りノズ
    ルは共通の軸を持っていて、その軸は船体の基線に対し
    て鋭角をなして下向きに後ろ向きに傾斜しており、上記
    舵取り回動軸は上記共通の軸に垂直である、請求項1の
    船。
  3. 【請求項3】 上記舵取りノズルには上部逆転デフレク
    タが取り付けられ、この上部逆転デフレクタは不動作位
    置と動作位置の間で逆転回動軸の周りを回動できるよう
    になっており、上記不動作位置では、上部逆転デフレク
    タは上記舵取りノズルから放出された水ジェットよりも
    上方であってその水ジェットに緩衝せず、上記動作位置
    では、上記水ジェットの方向を前向きベクトルを持つ方
    向に逆転させる構造の逆転デフレクタの表面に水ジェッ
    トが衝突するようになっており、上記逆転回動軸は、鉛
    直面に対して垂直であって上記舵取りシャフトから間隔
    を置いており、中空の逆転シャフトが上記舵取りシャフ
    トの一部の上方で入れ子式に受容され、これは上記舵取
    りシャフトに対して軸方向に動くことができ、上記逆転
    シャフトと逆転デフレクタの間に機械的リンク機構が結
    合され、それによって上記逆転デフレクタは、上記逆転
    シャフトの軸方向の動きに応じて上記不動作位置と動作
    位置の間を回動できるようになっている、請求項1の
    船。
  4. 【請求項4】 上記舵取りシャフトは、上記逆転シャフ
    トの上部内に入れ子式に受容された下端部を有する上部
    舵取りシャフト部と、上記逆転シャフトの下部内に望遠
    鏡構造で受容された上部を有する下部舵取りシャフト部
    とを具備する、請求項3の船。
  5. 【請求項5】 上記リンク機構には、上記逆転シャフト
    に結合されて回動出力を有するスコット・ラッセル機構
    と、上記逆転デフレクタに結合されて、上記スコット・
    ラッセル機構の回動出力と結合された回動入力を有する
    クランク・滑り機構と、を具備する、請求項3の船。
  6. 【請求項6】 上記逆転アクチュエータは、上記船体内
    に取り付けられ、上記舵取りシャフトに結合された環状
    ピストンを有する環状ピストン・シリンダである、請求
    項3の船。
  7. 【請求項7】 上記機械的リンク機構は、上記逆転シャ
    フトに結合されてそれぞれに回動出力を有する1対のス
    コット・ラッセル機構と、上記逆転デフレクタに結合さ
    れた1対の逆クランク・滑り機構であって、それぞれの
    回動入力が上記1対のスコット・ラッセル機構のうちの
    一つの回動出力に結合されたその逆クランク・滑り機構
    とを有し、各対の機構は上記鉛直面に対して対称に配置
    され且つ対称構造である、請求項3の船。
  8. 【請求項8】 上記舵取りノズルには下部逆転デフレク
    タが、鉛直面に垂直な軸の周りに不動作位置と動作位置
    との間で回動できるように、そして上記舵取りシャフト
    から離れた位置に取り付けられ、上記不動作位置では、
    上記舵取りノズルから放出された水ジェットよりも下方
    であってその水ジェットに緩衝せず、上記動作位置で
    は、水ジェットの方向を前向きベクトルを持つ方向に逆
    転させる構造の逆転デフレクタの表面に水ジェットの一
    部が衝突するようになっており、上記上部逆転デフレク
    タと下部舵取りデフレクタの間にリンク機構が結合さ
    れ、上記上部と下部の逆転デフレクタが上記不動作位置
    と動作位置の間で連動するように調整されている、請求
    項3の船。
  9. 【請求項9】 第1の流線形化ユニットが、上記第2の
    横梁から上記舵取り軸を含む横方向の面の僅か前方の位
    置まで、上記船尾底部から下方で且つ上記ポンプハウジ
    ングの船尾部の下方に船尾方向に延び、上記第1の流線
    形化ユニットは、上記突起の線と流線形をなしている、
    請求項1の船。
  10. 【請求項10】 上記第1の流線形化ユニットと流線形
    をなす第2の流線形化ユニットが、上記舵取りノズルと
    共に回転するようにその舵取りノズルに取り付けられ、
    上記第1の流線形化ユニットの船尾側端部から上記舵取
    りシャフトに平行な横方向の面の近くにまで船尾方向に
    延び、上記逆転デフレクタの船尾側端部を含み、上記船
    尾底部から下方に延び、その下側に開口を有し、それに
    よって、上記逆転デフレクタによって逸らされた上記水
    ジェットが上記第2の流線形化ユニットを通過し、且つ
    上記ポンプハウジングの船尾部の下を通過するようにな
    っている、請求項9の船。
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