JPH1149093A - ジェット推進艇 - Google Patents

ジェット推進艇

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JPH1149093A
JPH1149093A JP21527697A JP21527697A JPH1149093A JP H1149093 A JPH1149093 A JP H1149093A JP 21527697 A JP21527697 A JP 21527697A JP 21527697 A JP21527697 A JP 21527697A JP H1149093 A JPH1149093 A JP H1149093A
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JP
Japan
Prior art keywords
axis
engine
nozzle
impeller
jet propulsion
Prior art date
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Pending
Application number
JP21527697A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayoshi Nanami
正善 名波
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンは比較的高い位置に設置するととも
にジェット推進機は低い位置に設置し、しかも推進効率
の優れたようにする。 【解決手段】 船内に設置したエンジン3により駆動さ
れるインペラー41によって船底の水導入口50から水
を流路内に導入し、流路後端部のノズル6を通して船尾
後方に水を噴射するジェット推進機2において、上記イ
ンペラー41が配置された部分の流路部材53の軸心4
0が前上がりに傾斜して形成され、上記ノズル6の軸心
60は上記流路の軸心40の延長線より前上がり傾斜角
が小さくなるように形成され、上記エンジン3にはその
下部にオイルパン7が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ジェット推進艇
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】船尾船底にジェット推進機を設置したジ
ェット推進艇においては、このジェット推進機を駆動す
るエンジンをジェット推進機の前方に配置し、エンジン
のクランク軸とジェット推進機のインペラー軸とを同軸
的に連結している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記エンジ
ンとしてオイルパンを有する4サイクルエンジンを採用
しようとすると、エンジン底面からクランク軸までの高
さが高くなり、このため、クランク軸とこれに同軸的に
連結されたインペラー軸とは前上がり(後ろ下がり)に
大きく傾斜することになる。そしてジェット推進機から
の船尾方向に噴射される水の噴射方向(流路方向)は、
上記クランク軸およびインペラー軸と同一方向であっ
て、後ろ下がりになる。
【0004】上記ジェット推進機からの水の噴射方向が
前上がり(後ろ下がり)に傾斜すると、その噴射力の垂
直分力により船体船尾部を押し上げる力(船首部を押し
下げる力)が作用することになり、これが船体の滑走時
に推進抵抗を増大させることになる。
【0005】ここで、上記噴射力の垂直分力により生じ
る船体船尾部を押し上げる力を低減するために、クラン
ク軸とインペラー軸との前上がり傾斜角を小さくしよう
とすると、クランク軸と船底との間隔が狭くなって上記
オイルパンの容量が小さくなってしまう。
【0006】このため噴射力の垂直分力により生じる船
体船尾部を押し上げる力を低減し、かつクランク軸と船
底との間隔を広く確保してオイルパンの容量を大きく確
保するために、ジェット推進機の設置位置を高くするこ
とも考えられるが、このようにするとそれだけ船底の水
導入口から流路を通してインペラーの位置まで水を吸入
する高さが高くなり、その分だけ余分にエネルギーが必
要となって推進効率が減少することになる。
【0007】この発明は、このような従来の課題を解決
するためになされたものであり、滑走時の推進抵抗が少
ないとともに推進効率に優れ、またオイルパンの容量を
十分に確保することのできるジェット推進艇を提供する
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、船底
に、ジェット推進機と、オイルパンを有する4サイクル
エンジンとを設置し、上記エンジンのクランク軸とジェ
ット推進機のインペラー軸とを同軸的に連結し、上記ジ
ェット推進機を、上記インペラー軸上に配置したインペ
ラーによって船外の水を流路内に導入するとともに流路
後端部のノズルを通して船尾後方に水を噴射するように
構成したジェット推進艇であって、上記インペラー軸の
軸心を、上記ノズルの軸心の延長線よりも前上がり傾斜
角が大きくなるようにして前上がりに傾斜させるととも
に、上記インペラー軸の軸心の延長線と船底とに挟まれ
た空間に上記オイルパンを配置したものである。
【0009】請求項1の発明では、インペラー軸の軸心
を、ノズルの軸心の延長線よりも前上がり傾斜角が大き
くなるようにして前上がりに傾斜させたので、インペラ
ー軸の軸心の延長線、すなわちクランク軸の軸心と船底
との間隔を広く確保することができ、その空間にオイル
パンを配置したので、オイルパンの容量を十分に確保す
ることができる。
【0010】またオイルパンの容量を十分に確保するこ
とを、インペラー軸の軸心を、ノズルの軸心の延長線よ
りも前上がり傾斜角が大きくなるように前上がりに傾斜
させることによって達成しているために、ノズルからの
水の噴射方向を前上がりに大きく傾斜させたり、ジェッ
ト推進機の設置位置を高くしたりする必要がなく、滑走
時の推進抵抗を少ないものにすることができるととも
に、推進効率を優れたものにすることができる。
【0011】請求項2の発明は、上記構成においてノズ
ルの軸心は水平線より前上がりに傾斜して形成されてい
るものである。
【0012】請求項2の発明では、インペラーが配置さ
れた部分の流路の軸心とノズルの軸心との方向の角度変
化(折れ曲がり度)はさほど大きくならないために、こ
の部分での水噴射力の損失が小さく、このため上記作用
効果をよりよく達成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1〜図4において、船体1の船
尾部には一対のジェット推進機2が船体中心線を挟んで
対称の位置に配置され、各ジェット推進機2を駆動する
エンジン3がそれぞれその前側に配置され、各エンジン
3は船底のロンジ部材16,17によりエンジンマウン
ト18を介して支持されている。各エンジン3は、シリ
ンダブロック36の上側にシリンダヘッド37が設置さ
れてなり、その上側にはシリンダヘッドカバー38が設
置され、またシリンダブロック36の下側にはオイルパ
ン7が設置されている。上記ジェット推進機2は後端部
が船尾端に開口する筒形のケーシング21に囲まれた流
路部材を有し、この流路部材は船底に開口する水導入口
50から後方斜め上方に延びた後に船尾方向に向く水導
入部52を備えている。この流路部材は上昇する流路を
形成する水導入部52と、回転するインペラー41が配
置されたインペラー収容部53とその後流側で内部に整
流用の固定翼が配置された固定翼収容部54と、さらに
その後流側に接続されて流路が先細りに形成されたノズ
ル6とを備え、このノズル6の先端部にはリバースバケ
ット61が取付けられている。
【0014】上記水導入部52は、上半分がハル12に
より形成され、下半分が補助部材55によって形成され
ている。また上記インペラー収容部53と固定翼収容部
54との下側には船底板後端部を構成する底板57が設
けられている。
【0015】上記エンジン3とジェット推進機2との間
には隔壁11が形成されてエンジンルーム39とポンプ
室29とに区画され、各エンジン3に供給する空気の取
入れ管32は上記隔壁11を貫通してその先端の吸入口
33がポンプ室29内に開口している。なお、ポンプ室
29内には、図示しない船体外部の空気をポンプ室29
内に導くための空気ダクトが開口している。また各エン
ジン3からの排気管34は、それぞれ隔壁11を貫通
し、その先端部はポンプ室29内に配置されたウォータ
ロック31に接続され、さらにウォータロック31から
導出された排気管35はケーシング21の後端の一側部
に接続されてケーシング21内に開口している。このウ
ォータロック31はそれぞれ船幅方向に配置され(横置
きに配置され)、このためウォータロック31は船体長
さ方向の寸法が短く、エンジン3はジェット推進機2に
近接して配置されている。また、ジェット推進機2の水
導入口50に藻などが詰まった際に、これを船内の人が
船上から取り除くための点検筒14が設けられている。
この点検筒14はその上端部に開閉可能なカバーを備
え、下端部は水導入部内に開口している。
【0016】また上記エンジン3は4気筒4サイクルエ
ンジンであって、その下部にはオイルパン7が設置さ
れ、エンジン3のクランク軸の後端には上記インペラー
41のインペラー軸4が同軸的に接続されている。すな
わち、エンジン3のクランク軸の軸心300とインペラ
ー軸4の軸心40とは同軸的に連結されている。なお、
これらの軸は直接的に接続されていてもよいし、両軸間
に別の軸を介在させて間接的に接続されていてもよい。
図4に示すように、上記インペラー収容部53と固定翼
収容部54との軸心はインペラー軸4の軸心40と同一
であって船尾側ほど低くなるように傾斜し(前上がりに
傾斜し)、これに対しノズル6の軸心60も前上がりに
傾斜しているが、その傾斜角βは軸心40の傾斜角αよ
り小さく設定されている。このノズル6は、軸心60に
対して点対称形状の筒形円錐形であって、入口側フラン
ジ66と固定翼収容部54の出口側フランジ56とが後
部スペーサ57を介して結合されている。
【0017】上記後部スペーサ57は上側ほど薄くなる
ように側面形状で楔形に形成され、また上記フランジ6
6のフランジ面はノズル6の軸心60に直交し、フラン
ジ56のフランジ面はインペラー軸の軸心40に直交し
て形成されている。したがって、後部スペーサ57の楔
角θがインペラー軸の軸心40とノズル6の軸心60と
のなす角θと一致することになる。
【0018】また水導入部52とインペラー収容部53
とは前部スペーサ58を介して接続されており、この前
部スペーサ58は下側ほど薄くなるように側面形状で楔
形に形成され、インペラー収容部53のフランジ59の
フランジ面に当接する前部スペーサ58の後面はインペ
ラー軸の軸心40と直交している。したがって、前部ス
ペーサ58の楔角αはインペラー軸の軸心40の水平線
10に対する傾斜角αと同じになる。
【0019】また上記ジェット推進機の後半体の部材
(前部スペーサ58より後方の部材)は互いに結合され
ており、この前部スペーサ58は筒形のケーシング21
の前壁(鉛直な壁)210に対してボルト211によっ
て締め付けられることによって固定されている。
【0020】上記軸心40の傾斜角αは、例えば水平線
10に対して10°程度、軸心60の傾斜角βは水平線
10に対して5°程度に設定すればよい。
【0021】上記構成において、エンジン3の駆動によ
りインペラー41を回転させると、水導入口50からの
水は流路中に吸入され、インペラー収容部53中と固定
翼収容部54中とを高速でその軸心40方向に送られ、
ついでノズル6中を通って流路が絞られることにより加
速されて船尾方向に噴出される。そしてこのノズル6中
での流路の方向(水の噴射方向)はノズル6の軸心60
の方向であり、固定翼収容部54からの流路方向に対し
て水平方向に近づく方向に向きを変えている。
【0022】上記ノズル6からの噴射水により船の推進
力が発生することになり、この噴射の方向は水平方向か
らの傾斜角が小さいほど有効に船の推進力となる。一
方、軸心40を前上がりに大きく傾斜させると、クラン
ク軸の軸心300と船底19との間隔を広く確保するこ
とができてエンジン3の下部に大容量のオイルパン7を
設置するなどのスペースの余裕ができる。また軸心40
を前上がりに大きく傾斜させると、クランク軸の軸心3
00の設置位置に対してジェット推進機2を低い位置に
設置することが可能になってジェット推進機の効率の向
上にもなる。すなわち、ジェット推進機2の設置位置が
高いとそれだけ船底の水導入口50から流路を通してイ
ンペラーの位置まで水を吸入する高さが高くなり、その
分だけ余分にエネルギーが必要となって推進効率が減少
することになる。したがって、軸心40は前上がりの傾
斜角は大きい方が好ましいが、軸心60の前上がりの傾
斜角度はできるだけ小さくすることが好ましい。但し、
軸心40と軸心60とのなす角が大きくなると(固定翼
収容部中54中の流路とノズル6中の流路との折れ曲が
り角度が大きくなると)、この折れ曲がり部分で流速が
低下することにより推進力の損失が生じ、推進効率が低
下することになるためにこの角度はできるだけ小さくす
ることが望ましい。
【0023】また上記ウォータロック31はそれぞれ横
置きに配置され、このためエンジン3はジェット推進機
2に近接して配置されており、これによってエンジン3
より前側の船内スペースを広くとることができる。また
インペラー軸の軸心40の傾斜角αをノズル6の軸心6
0の傾斜角βよりも大きくすることにより、エンジン3
をジェット推進機2に近接して配置したとしても、クラ
ンク軸の軸心300と船底19との間隔を広く確保して
オイルパン7の容量を十分に確保することができる。
【0024】さらに上記構成では、エンジン3への空気
の取入れ口(空気の取入れ管32の吸入口33)をエン
ジンルーム39から隔壁11を隔てて隣接するポンプ室
29に配置しているために、エンジンルーム39より低
温のポンプ室29内の清浄な空気をエンジン3に供給す
ることができる。
【0025】
【発明の効果】請求項1の発明では、インペラー軸の軸
心を、ノズルの軸心の延長線よりも前上がり傾斜角が大
きくなるようにして前上がりに傾斜させたので、インペ
ラー軸の軸心の延長線、すなわちクランク軸の軸心と船
底との間隔を広く確保することができ、その空間にオイ
ルパンを配置したので、オイルパンの容量を十分に確保
することができる。
【0026】請求項2の発明では、インペラーが配置さ
れた部分の流路の軸心とノズルの軸心との方向の角度変
化(折れ曲がり度)はさほど大きくならないために、こ
の部分での水噴射力の損失が小さく、このため上記作用
効果をよりよく達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を示す船尾部の概略側面形
状図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の概略背面図である。
【図4】流路部材の拡大側面図である。
【符号の説明】
1 船体 2 ジェット推進機 3 エンジン 4 インペラー軸 5 流路部材 6 ノズル 7 オイルパン 40 インペラー軸の軸心 41 インペラー 50 水導入口 53 インペラー収容部 54 固定翼収容部 60 ノズルの軸心 300 クランク軸の軸心

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船底に、ジェット推進機と、オイルパン
    を有する4サイクルエンジンとを設置し、上記エンジン
    のクランク軸とジェット推進機のインペラー軸とを同軸
    的に連結し、上記ジェット推進機を、上記インペラー軸
    上に配置したインペラーによって船外の水を流路内に導
    入するとともに流路後端部のノズルを通して船尾後方に
    水を噴射するように構成したジェット推進艇であって、
    上記インペラー軸の軸心を、上記ノズルの軸心の延長線
    よりも前上がり傾斜角が大きくなるようにして前上がり
    に傾斜させるとともに、上記インペラー軸の軸心の延長
    線と船底とに挟まれた空間に上記オイルパンを配置した
    ことを特徴とするジェット推進艇。
  2. 【請求項2】 上記ノズルの軸心は水平線より前上がり
    に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1記
    載のジェット推進艇。
JP21527697A 1997-08-08 1997-08-08 ジェット推進艇 Pending JPH1149093A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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