JP2000350390A - スイッチトリラクタンスモータ - Google Patents

スイッチトリラクタンスモータ

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JP2000350390A
JP2000350390A JP15860599A JP15860599A JP2000350390A JP 2000350390 A JP2000350390 A JP 2000350390A JP 15860599 A JP15860599 A JP 15860599A JP 15860599 A JP15860599 A JP 15860599A JP 2000350390 A JP2000350390 A JP 2000350390A
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JP
Japan
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back yoke
width
stator
increase
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JP15860599A
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English (en)
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Takeaki Nishimoto
武明 西本
Hiroyuki Yamai
広之 山井
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 騒音の低減と高効率化とを両立させる。 【解決手段】 バックヨーク幅Wyと歯幅Wtとの比α
(=Wy/Wt)を、0.8以上、かつ1.4以下に設
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はスイッチトリラク
タンスモータ(以下、SRモータと称する)に関し、さ
らに詳細にいえば、低騒音と高効率とを両立することが
できる新規なSRモータに関する。
【0002】
【従来の技術】SRモータは、固定子のスロットに集中
巻きされた各固定子巻線を離散的に励磁し、図23に示
すように形成された磁気回路を通る磁束が変化すること
によりトルクを発生するモータである。
【0003】ここで、歯部(図23中A参照)で発生し
た磁束φ0は、バックヨーク部で左右に2分されるた
め、図24に示すバックヨーク部の厚み(幅)Wyを歯
部の幅Wtの1/2以上に設定すれば、歯部で発生した
磁束φ0を円滑に(すなわち、バックヨーク部で磁気飽
和することなく)流すことができる。
【0004】この構成を採用すれば、歯部よりも先にバ
ックヨーク部が飽和し、トルクが減少するという不都合
がなく、スロット面積が最大になり、巻線量の増加によ
る巻線抵抗値の低減を達成でき、銅損を最小にでき、ひ
いてはSRモータの高効率化を達成することができる。
【0005】しかし、上記のようにしてSRモータを試
作したところ、同一出力の従来モータ(誘導モータ、ブ
ラシレスDCモータ)に比べ、約10dB以上、モータ
単体騒音が大きくなることが分かった。これは、SRモ
ータが他のモータと駆動方式が異なることに起因する。
SRモータの駆動波形と電磁吸引力との関係を図26に
示す。固定子と回転子の突極部の重なりが大きくなるこ
とに伴って電磁吸引力が増大し、固定子と回転子の突極
部どうしが重なったところで電磁吸引力が最大となる。
この電磁吸引力により、固定子に径方向の変形(楕円変
形)が引き起こされる。この楕円変形の場所は、励磁相
が切り換わる毎に変化するので、固定子は凹凸運動を繰
り返しながら運転され、騒音を発生する。これが、SR
モータ固有の問題点として従来から指摘されていた不都
合である。
【0006】そして、この不都合を解消させるべく提案
されている方法として、(1)緩衝や補強を行う方法
(特開平9−294359号公報、特開平9−1030
55号公報、特開平9−103056号公報、特開平2
−119561号公報参照)、(2)電磁吸引力を低減
する方法(特開平9−331663号公報参照)、
(3)スキューを入れる方法(米国特許第526685
9号明細書参照)、(4)剛性を高める方法(特開平3
−159531号公報参照)が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記(1)の方法を採
用する場合には、緩衝材、補強材が必要になるので、こ
れらを採用することに伴うコストアップを招くだけでな
く、これらを組み込むための工数の増加を招いてしま
う。
【0008】前記(2)の方法を採用する場合には、電
磁吸引力の低下に伴って発生トルクが低下してしまうと
いう不都合がある。
【0009】前記(3)では、SRモータの騒音を増加
させる楕円変形を引き起こす固定子と回転子との間に働
く電磁吸引力をスキューにより分散させるものである
が、電磁吸引力の分散によるトルク低下、および式
(1)から明らかなように、モータの剛性を上げること
には何ら寄与しないことから、モータの固有振動数での
騒音は低減できないと考えられる。
【0010】前記(4)の方法を採用する場合には、バ
ックヨーク幅の増加に伴って効率が低下するという不都
合がある。
【0011】前記(4)の方法についてさらに説明す
る。
【0012】一般的に、モータの剛性を上げれば騒音を
低減できる。このことは、例えば、文献”Vibrat
ion Modes and Acoustic No
ise in a Fore−Phase Switc
hed Reluctance Motor”(IEE
E TRANSACTIONS ON INDUSTR
Y,VOL.32,NOVEMBER/DECEMBE
R 1996)で示されている。具体的には、共振角振
動数ωを示す次式が示されている。ω2=(2×1.0
4452/1.625π)×(E/ρ)×(t2/R4
ただし、Eはヤング率、ρは材料密度、tはバックヨー
ク幅、Rはリング半径である。
【0013】上式から分かるように、モータ外径を変化
させることなく剛性を高めるためには、バックヨーク幅
を増加させることが必要になる。しかし、図27に示す
ように単にバックヨーク幅を増加させるとスロット面積
が減少し、巻線装着量が減少し、巻線抵抗値が増加し
(銅損の増加を招き)、ひいてはモータ効率を低下させ
てしまう。
【0014】なお、特開平3−159531号公報は、
スロット間に三角突起を設けることによる効果の1つと
して、突起部の領域における半径方向の厚さが増加する
ため、剛性を上げることができ、騒音が低下できるが、
図28に示すようにスロット面積が減少し、銅損が増加
するため、効率の低下をさけることができない。
【0015】騒音低減のため、前記文献”Vibrat
ion Modes and Acoustic No
ise in a Fore−Phase Switc
hed Reluctance Motor”(IEE
E TRANSACTIONS ON INDUSTR
Y,VOL.32,NOVEMBER/DECEMBE
R 1996)の考えに基づき、図25に示すように、
ヨーク部の厚みWyを歯部の幅Wtの2倍になるように
設定してSRモータを試作したところ、騒音は約10d
BA低減できたが、バックヨーク幅を広げたことにより
スロット面積が小さくなり、銅損が増加し、効率が低下
してしまった。
【0016】以上の各従来方法のように、騒音の低減と
高効率化との両立は不可能と思われていた。
【0017】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、騒音の低減と高効率化とを両立させるこ
とができるSRモータを提供することを目的としてい
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1のSRモータ
は、固定子の内面に所定間隔ごとに内向きに突出する歯
部を設け、歯部により規定されるスロットに固定子巻線
を巻回しているとともに、固定子の内部には、回転子の
外面に所定間隔毎に外向きに突出する歯部を持つ回転子
を設けてなるものであって、固定子の歯部の幅Wtとバ
ックヨーク幅Wyとの比Wy/Wtを高効率化と低騒音
化とを達成できる所定値に設定したものである。
【0019】請求項2のSRモータは、固定子の歯部の
幅Wtとバックヨーク幅Wyとの比Wy/Wtを0.8
以上、かつ1.4以下に設定したものである。
【0020】請求項3のSRモータは、前記比Wy/W
tを0.8以上、かつ1.0以下に設定したものであ
る。
【0021】請求項4のSRモータは、前記比Wy/W
tを1.0以上、かつ1.4以下に設定したものであ
る。
【0022】請求項5のSRモータは、固定子の歯部に
対応するバックヨークの外面に平面状のコアカットを形
成してあるとともに、歯部の基部に対応させて、バック
ヨークの幅Wyの減少を補償すべく、平面部を形成した
ものである。
【0023】
【作用】請求項1のSRモータであれば、固定子の内面
に所定間隔ごとに内向きに突出する歯部を設け、歯部に
より規定されるスロットに固定子巻線を巻回していると
ともに、固定子の内部には、回転子の外面に所定間隔毎
に外向きに突出する歯部を持つ回転子を設けてなるもの
であって、固定子の歯部の幅Wtとバックヨーク幅Wy
との比Wy/Wtを高効率化と低騒音化とを達成できる
所定値に設定したのであるから、騒音の低減と高効率化
とを両立させることができる。
【0024】請求項2のSRモータは、固定子の歯部の
幅Wtとバックヨーク幅Wyとの比Wy/Wtを0.8
以上、かつ1.4以下に設定したのであるから、騒音の
低減と高効率化とを両立させることができる。
【0025】さらに説明する。
【0026】固定子の歯部の幅Wtとバックヨーク幅W
yとの比α=Wy/WtとSRモータの電気的損失(=
鉄損+銅損)との関係は、図20に示すように与えられ
る。そして、この関係から分かるように、比αの増加に
伴ってスロット面積が減少するため、銅損は比αの増加
に伴って増加する。一方、鉄損は、比αが1.4になる
までは比αの増加に伴って単調に減少するが、比αが
1.4を越えても鉄損はそれ以上は減少しない。これ
は、比αの変化に伴う磁束密度の変化を示す図21から
分かるように、比αが1.4以上になるとバックヨーク
部の磁束密度の変化が緩やかになり、鉄損が一般に磁束
密度の二乗に比例することによるものと思われる。
【0027】また、図20から分かるように、比αが
0.4以上、かつ1.4の範囲でSRモータの電気的損
失が小さく、さらに、比αが1前後である場合にSRモ
ータの電気的損失が極小値となる。
【0028】さらに、比αの変化に伴うSRモータの騒
音の変化を示す図22から分かるように、比αを0.8
以上とすることにより、7dBA以上の騒音低減効果を
得ることができるが、比αを1.4以上としても騒音低
減効果が少ない(2〜3dBA程度)にもかかわらず、
図20から分かるようにモータの電気的損失において、
スロット面積が減少し、銅損が増加するため、損失が増
加してしまう。
【0029】したがって、比αを上述のように、0.8
以上、かつ1.4以下に設定することにより、低騒音と
高効率化とを両立させることができる。
【0030】請求項3のSRモータであれば、前記比W
y/Wtを0.8以上、かつ1.0以下に設定したので
あるから、低銅損化を達成することができ、この場合に
は、固定子巻線による発熱を低減することができ、ひい
ては、SRモータの絶縁材料として高温度まで耐えるも
のを使う必要がないため、安価な絶縁材料を使用するこ
とができる。
【0031】請求項4のSRモータであれば、前記比W
y/Wtを1.0以上、かつ1.4以下に設定したので
あるから、低鉄損化を達成することができ、この場合に
は、安価な鋼板材料からなる電磁鋼板を採用することが
できる。
【0032】請求項5のSRモータであれば、固定子の
歯部に対応するバックヨークの外面に平面状のコアカッ
トを形成してあるとともに、歯部の基部に対応させて、
バックヨークの幅Wyの減少を補償すべく、平面部を形
成したのであるから、材料コストの低減およびハンドリ
ング性の向上を達成できるほか、請求項1から請求項4
の何れかと同様の作用を達成することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明のSRモータの実施の態様を詳細に説明する。
【0034】図1はこの発明のSRモータの一実施態様
の構成を概略的に示す断面図である。
【0035】このSRモータは、6極タイプのものであ
り、円筒状のバックヨーク部1aに対して等間隔に6つ
の内向きの歯部1bを一体形成してなるとともに、バッ
クヨーク部1aと隣り合う2つの歯部1bとで形成され
るスロット部1cに固定子巻線(図示せず)を巻回して
なる固定子1と、円柱状の本体部2aに対して等間隔に
例えば4つの外向きの歯部2bを一体形成してなる回転
子2とを有している。
【0036】ただし、図2に示すように12極タイプの
構成を採用すること、図3に示すように8極タイプの構
成を採用することなどが可能である。
【0037】そして、バックヨーク部1aの厚み(バッ
クヨーク幅)をWy、歯部の幅(歯幅)をWtとした場
合に、バックヨーク幅Wyと歯幅Wtとの比α(=Wy
/Wt)を、0.8以上、かつ1.4以下に設定してい
る。
【0038】この構成を採用すれば、スロット面積の減
少を最小限にすることができ、銅損の増加を必要最小限
にすることができる。同時に、磁束集中が緩和され、磁
束密度の上昇を防止して鉄損を低減することができ、モ
ータの電気的損失を増加させることがない。さらに、図
22から分かるように、騒音を7dBA以上低減するこ
とができる。したがって、コストアップ要因となる緩衝
材や補強材を用いることなく、かつトルクを低下させる
ことなく、低騒音化と高効率化とを両立させることがで
きる。
【0039】特に、前記比αを0.8以上、かつ1.0
以下に設定すれば、低銅損化を達成できるので、固定子
巻線による発熱を小さくすることができ、ひいては、絶
縁材料として高温度まで耐えるものを使う必要がないた
め、安価な絶縁材料を使用することができる。逆に、前
記比αを1.0以上、かつ1.4以下に設定すれば、低
鉄損化を達成できるので、安価な鋼板材料からなる電磁
鋼板を採用することができる。
【0040】なお、以下の各実施態様においても、前記
比αを0.8以上、かつ1.4以下に設定する。なお、
上記の知見は、異なる歯の数や外形状に関わりなく適用
することができる。以下に種々の実施態様を示すが、何
れの場合にも前記比αを0.8以上、かつ1.4以下に
設定している。
【0041】図4はこの発明のSRモータの他の実施態
様の構成を概略的に示す断面図である。なお、回転子は
図示を省略してある。
【0042】このSRモータが図1のSRモータと異な
る点は、バックヨーク部1aの外形を方形とした点のみ
である。
【0043】この実施態様においては、バックヨーク部
1aの厚みが場所によって変化するのであるが、最も小
さい厚みをバックヨーク幅Wyとして採用している。ま
た、バックヨーク部1aの4隅角部に貫通孔1dが形成
されている。
【0044】なお、この実施態様の場合にも、図5に示
すように12極タイプの構成を採用すること、図6に示
すように8極タイプの構成を採用することなどが可能で
ある。
【0045】図7はこの発明のSRモータのさらに他の
実施態様の要部を拡大して示す断面図である。
【0046】このSRモータは、歯部1bに対応するバ
ックヨーク部1aの外面に平面状のコアカット1eを施
してあるとともに、歯部1bの基部に対応させて、図7
中に斜線で示すように、コアカットによるバックヨーク
幅の減少を補償すべく、凹所(R部)を形成する代わり
に平面部(平面状の筋交形状)1fを形成して、この平
面部1fとコアカット部1eとの距離Wy’を非コアカ
ット部におけるバックヨーク幅Wyと等しくしてある。
【0047】この構成を採用すれば、コアカットを形成
することにより、材料コストの低減、ハンドリング性の
向上を達成することができるほか、低騒音化および高効
率化を両立することができる。
【0048】さらに説明する。
【0049】図8に示すように、従来のSRモータにお
いて平面状のコアカットを施した場合には、歯部の基部
における凹所(R部)とコアカット部との間の距離Wy
1が、非コアカット部におけるバックヨーク幅Wyより
も小さい。
【0050】そして、バックヨーク幅は、Wyではな
く、Wy1となるので、凹所とコアカット部との間にお
いて磁束が規制され、磁束の集中が生じる。この結果、
鉄損が増加し、モータ効率が低下する。また、凹所とコ
アカット部との間においてバックヨーク部の厚みが薄く
なっているので、剛性が弱くなり、騒音、振動が増加す
る。
【0051】また、上記の不都合を解消するために、図
9に示すように、コアカット部との間の距離がWyとな
るようにバックヨーク部1aの厚みを内側に増加させる
ことが考えられるが、この場合には、スロット面積が減
少するので(スロット面積の減少率が約22%)、銅損
が増加し、モータ効率が低下してしまう。
【0052】これに対して、図7の構成を採用すれば、
スロット面積の減少率が約7%であるから、スロット面
積の減少を最小限にすることができ、銅損の増加を抑制
することができる。また、磁束集中が緩和され、磁束密
度の上昇を防止するので、鉄損をも低減できる。この結
果、銅損の増加と鉄損の減少とを総合して評価すると、
コアカットがない場合と比較して、モータ効率の低下は
認められない。
【0053】また、図7に示す筋交形状は、歯部と直角
の関係にあり、スロットボトム部が直線であるから、固
定子巻線の整列巻きがし易く、占積率が向上し、巻線装
着量を大きくできるので、抵抗値の減少、銅損の減少に
寄与することができる。
【0054】図10はこの発明のSRモータのさらに他
の実施態様の要部を拡大して示す断面図である。
【0055】このSRモータは、平面状のコアカット部
1eの中央部に半円柱状の窪み1gを形成してあるとと
もに、筋交形状1fを、単なる平面形状ではなく、歯部
1bに連続する所定範囲を内向きに傾斜した平面とする
ことにより、全体として折れ面形状としてある。なお、
この傾斜した平面は、半円柱状の窪み1gとの距離W
y’’が、平面状のコアカット部と筋交形状のうち非傾
斜平面との距離Wy’と等しくなるように傾きが設定さ
れている。
【0056】したがって、この実施態様を採用した場合
にも、スロット面積の減少を最小限にして、銅損の増加
を抑制することができるとともに、磁束集中を緩和し
て、磁束密度の上昇を防止することにより、鉄損をも低
減できる。この結果、コアカットを形成することによ
り、材料コストの低減、ハンドリング性の向上を達成す
ることができるほか、低騒音化および高効率化を両立す
ることができる。
【0057】図11はこの発明のSRモータのさらに他
の実施態様の要部を拡大して示す断面図である。
【0058】このSRモータは、平面状のコアカット部
1eの中央部に三角柱状の窪み1hを形成してあるとと
もに、筋交形状1fを、単なる平面形状ではなく、歯部
1bに連続する所定範囲を内向きに傾斜した平面とする
ことにより、全体として折れ面形状としてある。なお、
この傾斜した平面は、三角柱状の窪み1hとの距離W
y’’が、平面状のコアカット部1eと筋交形状1fの
うち非傾斜平面との距離Wy’と等しくなるように傾き
が設定されている。
【0059】したがって、この実施態様を採用した場合
にも、スロット面積の減少を最小限にして、銅損の増加
を抑制することができるとともに、磁束集中を緩和し
て、磁束密度の上昇を防止することにより、鉄損をも低
減できる。この結果、コアカットを形成することによ
り、材料コストの低減、ハンドリング性の向上を達成す
ることができるほか、低騒音化および高効率化を両立す
ることができる。
【0060】図12はこの発明のSRモータのさらに他
の実施態様の要部を拡大して示す断面図である。
【0061】このSRモータは、平面状のコアカット部
1eの中央部に対応させて貫通孔1iを形成してあると
ともに、筋交形状1fを、単なる平面形状ではなく、歯
部1bに連続する所定範囲を内向きに傾斜した平面とす
ることにより、全体として折れ面形状としてある。な
お、この傾斜した平面は、貫通孔1iとの距離Wy’’
が、平面状のコアカット部1eと筋交形状1fのうち非
傾斜平面との距離Wy’と等しくなるように傾きが設定
されている。
【0062】したがって、この実施態様を採用した場合
にも、スロット面積の減少を最小限にして、銅損の増加
を抑制することができるとともに、磁束集中を緩和し
て、磁束密度の上昇を防止することにより、鉄損をも低
減できる。この結果、コアカットを形成することによ
り、材料コストの低減、ハンドリング性の向上を達成す
ることができるほか、低騒音化および高効率化を両立す
ることができる。
【0063】図13はこの発明のSRモータのさらに他
の実施態様の要部を拡大して示す断面図である。
【0064】このSRモータは、平面状のコアカット部
1eを形成してあるとともに、筋交形状に代えて、歯部
1bの突出先端部に近接する所定位置を起点とする、大
きい曲率半径のR形状1jとしてある。なお、このR形
状は、コアカット部1eとの距離Wy’が、非コアカッ
ト部におけるバックヨーク幅Wyと等しくなるように曲
率半径、および前記起点が設定されている。
【0065】したがって、この実施態様を採用した場合
にも、スロット面積の減少を最小限にして、銅損の増加
を抑制することができるとともに、磁束集中を緩和し
て、磁束密度の上昇を防止することにより、鉄損をも低
減できる。ただし、図7に示す筋交形状を採用した場合
よりもスロット面積が小さくなるため、図7の実施態様
を採用した場合よりも銅損は増加する。しかし、等価的
にバックヨークが広がるため、騒音低減効果は向上す
る。つまり、剛性重視のモータで効率低下を最小限にす
る場合に採用できる。
【0066】図14はこの発明のSRモータのさらに他
の実施態様の要部を拡大して示す断面図である。
【0067】このSRモータは、歯部1bに正対する部
分に連続する所定範囲に平面状のコアカット部1eを形
成してあるとともに、筋交形状1fを、単なる平面形状
としてある。なお、この筋交形状1fは、コアカット部
1eとの距離Wy’が、非コアカット部におけるバック
ヨーク幅Wyと等しくなるように設定されている。
【0068】したがって、この実施態様を採用した場合
にも、スロット面積の減少を最小限にして、銅損の増加
を抑制することができるとともに、磁束集中を緩和し
て、磁束密度の上昇を防止することにより、鉄損をも低
減できる。この結果、コアカットを形成することによ
り、油戻し通路の確保、ハンドリング性の向上を達成す
ることができるほか、低騒音化および高効率化を両立す
ることができる。
【0069】図15はこの発明のSRモータのさらに他
の実施態様の要部を拡大して示す断面図である。
【0070】このSRモータが図7のSRモータと異な
る点は、コアカットを省略した点のみである。
【0071】したがって、この実施態様を採用した場合
には、筋交形状部1fに対応する部分において、バック
ヨーク部1aの厚みが、非筋交形状部に対応するバック
ヨーク幅よりも大きくなるので、剛性を高めることがで
きる。ただし、筋交形状部1fを形成することに伴って
スロット面積が減少するので、モータ効率は多少低下す
る。換言すれば、剛性重視のSRモータにおいて効率低
下を最小限にする場合に適用できる。
【0072】図16はこの発明のSRモータのさらに他
の実施態様の要部を拡大して示す断面図である。
【0073】このSRモータが図10のSRモータと異
なる点は、コアカットを省略して半円柱形状の窪み1g
のみを形成した点、および筋交形状1fとして、内向き
に傾斜した平面のみからなる形状を採用した点のみであ
る。
【0074】したがって、この実施態様を採用した場合
にも、スロット面積の減少を最小限にして、銅損の増加
を抑制することができるとともに、磁束集中を緩和し
て、磁束密度の上昇を防止することにより、鉄損をも低
減できる。ただし、図7に示す筋交形状を採用した場合
よりもスロット面積が小さくなるため、図7の実施態様
を採用した場合よりも銅損は増加する。しかし、等価的
にバックヨークが広がるため、騒音低減効果は向上す
る。つまり、剛性重視のモータで効率低下を最小限にす
る場合に採用できる。
【0075】図17はこの発明のSRモータのさらに他
の実施態様の要部を拡大して示す断面図である。
【0076】このSRモータが図11のSRモータと異
なる点は、コアカットを省略して三角形状の窪み1hの
みを形成した点、および筋交形状1fとして、内向きに
傾斜した平面のみからなる形状を採用した点のみであ
る。
【0077】したがって、この実施態様を採用した場合
にも、スロット面積の減少を最小限にして、銅損の増加
を抑制することができるとともに、磁束集中を緩和し
て、磁束密度の上昇を防止することにより、鉄損をも低
減できる。ただし、図7に示す筋交形状を採用した場合
よりもスロット面積が小さくなるため、図7の実施態様
を採用した場合よりも銅損は増加する。しかし、等価的
にバックヨークが広がるため、騒音低減効果は向上す
る。つまり、剛性重視のモータで効率低下を最小限にす
る場合に採用できる。
【0078】図18はこの発明のSRモータのさらに他
の実施態様の要部を拡大して示す断面図である。
【0079】このSRモータが図12のSRモータと異
なる点は、コアカットを省略して貫通孔1iのみを形成
した点、および筋交形状1fとして、内向きに傾斜した
平面のみからなる形状を採用した点のみである。
【0080】したがって、この実施態様を採用した場合
にも、スロット面積の減少を最小限にして、銅損の増加
を抑制することができるとともに、磁束集中を緩和し
て、磁束密度の上昇を防止することにより、鉄損をも低
減できる。この結果、貫通孔を形成することにより、ボ
ルトやピンによる固定子の直接固定を達成できるほか、
低騒音化および高効率化を両立することができる。
【0081】図19はこの発明のSRモータのさらに他
の実施態様の要部を拡大して示す断面図である。
【0082】このSRモータが図4のSRモータと異な
る点は、バックヨーク部1aの外面に多数の方形の窪み
1kを形成した点のみである。
【0083】したがって、この実施態様を採用した場合
には、放熱性およびハンドリング性の向上を達成するこ
とができるほか、低騒音化および高効率化を両立するこ
とができる。
【0084】
【発明の効果】請求項1の発明は、騒音の低減と高効率
化とを両立させることができるという特有の効果を奏す
る。
【0085】請求項2の発明は、騒音の低減と高効率化
とを両立させることができるという特有の効果を奏す
る。
【0086】請求項3の発明は、請求項2の効果に加
え、低銅損化を達成して、固定子巻線による発熱を低減
することができ、ひいては、SRモータの絶縁材料とし
て高温度まで耐えるものを使う必要がないため、安価な
絶縁材料を使用することができるという特有の効果を奏
する。
【0087】請求項4の発明は、請求項2の効果に加
え、低鉄損化を達成して、安価な鋼板材料からなる電磁
鋼板を採用することができるという特有の効果を奏す
る。
【0088】請求項5の発明は、材料コストの低減およ
びハンドリング性の向上を達成できるほか、請求項1か
ら請求項4の何れかと同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のSRモータの一実施態様の構成を概
略的に示す断面図である。
【図2】変形例を概略的に示す断面図である。
【図3】他の変形例を概略的に示す断面図である。
【図4】この発明のSRモータの他の実施態様の構成を
概略的に示す断面図である。
【図5】変形例を概略的に示す断面図である。
【図6】他の変形例を概略的に示す断面図である。
【図7】この発明のSRモータのさらに他の実施態様の
要部を概略的に示す断面図である。
【図8】従来のSRモータの対応する構成を概略的に示
す断面図である。
【図9】図8のSRモータの発展形を概略的に示す断面
図である。
【図10】この発明のSRモータのさらに他の実施態様
の要部を概略的に示す断面図である。
【図11】この発明のSRモータのさらに他の実施態様
の要部を概略的に示す断面図である。
【図12】この発明のSRモータのさらに他の実施態様
の要部を概略的に示す断面図である。
【図13】この発明のSRモータのさらに他の実施態様
の要部を概略的に示す断面図である。
【図14】この発明のSRモータのさらに他の実施態様
の要部を概略的に示す断面図である。
【図15】この発明のSRモータのさらに他の実施態様
の要部を概略的に示す断面図である。
【図16】この発明のSRモータのさらに他の実施態様
の要部を概略的に示す断面図である。
【図17】この発明のSRモータのさらに他の実施態様
の要部を概略的に示す断面図である。
【図18】この発明のSRモータのさらに他の実施態様
の要部を概略的に示す断面図である。
【図19】この発明のSRモータのさらに他の実施態様
の要部を概略的に示す断面図である。
【図20】比αの変化に伴うSRモータの電気的損失の
変化を説明する図である。
【図21】比αの変化に伴うバックヨーク部の磁束密度
の変化を説明する図である。
【図22】比αの変化に伴う騒音の変化を説明する図で
ある。
【図23】SRモータの動作原理を説明する概略図であ
る。
【図24】従来のSRモータの構成の一例を概略的に示
す断面図である。
【図25】従来のSRモータの構成の他の例を概略的に
示す断面図である。
【図26】SRモータの駆動波形と電磁吸引力との関
係、および固定子の楕円変形を示す図である。
【図27】バックヨークの幅を増加させることに伴うス
ロット面積の減少を説明する図である。
【図28】スロット間に三角突起を設けることに伴うス
ロット面積の減少を説明する図である。
【符号の説明】
1 固定子 1b 歯部 1c スロット 1e コアカット 1f 平面部 2 回転子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H002 AA03 AA06 AD03 AD08 AE07 AE08 5H619 AA05 AA11 BB01 BB24 PP01 PP05 PP06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子(1)の内面に所定間隔ごとに内
    向きに突出する歯部(1b)を設け、歯部(1b)によ
    り規定されるスロット(1c)に固定子巻線を巻回して
    いるとともに、固定子(1)の内部に回転子(2)を設
    けてなるスイッチトリラクタンスモータであって、 固定子(1)の歯部(1b)の幅Wtとバックヨーク
    (1a)の幅Wyとの比Wy/Wtを高効率化と低騒音
    化とを達成できる所定値に設定したことを特徴とするス
    イッチトリラクタンスモータ。
  2. 【請求項2】 固定子(1)の歯部(1b)の幅Wtと
    バックヨーク(1a)の幅Wyとの比Wy/Wtを0.
    8以上、かつ1.4以下に設定した請求項1に記載のス
    イッチトリラクタンスモータ。
  3. 【請求項3】 前記比Wy/Wtを0.8以上、かつ
    1.0以下に設定してある請求項2に記載のスイッチト
    リラクタンスモータ。
  4. 【請求項4】 前記比Wy/Wtを1.0以上、かつ
    1.4以下に設定してある請求項2に記載のスイッチト
    リラクタンスモータ。
  5. 【請求項5】 固定子(1)の歯部(1b)に対応する
    バックヨーク(1a)の外面に平面状のコアカット(1
    e)を形成してあるとともに、歯部(1b)の基部に対
    応させて、バックヨーク(1a)の幅Wyの減少を補償
    すべく、平面部(1f)を形成してある請求項1から請
    求項4の何れかに記載のスイッチトリラクタンスモー
    タ。
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