JP3704857B2 - リラクタンスモータ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷蔵庫、エアコンの圧縮機駆動用などに用いられるリラクタンスモータの回転子及び、固定子の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からよく知られるリラクタンスモータの構造として図12に示すものがある。以下に、本モータの構造について説明する。
【0003】
同図はリラクタンスモータの断面図を示すものであり、1は回転子軸、2は回転子、3a,3b,3c,3dは回転子の磁極突起、4は固定子、5a,5b,・・・5fは固定子の磁極突起、6は固定子巻線、7は空隙部、12は溝部、13は絶縁部である。
回転子軸1と前記回転子軸1の周りに配置され複数個の等しい間隔と等しい形状の回転子の磁極突起3a,3b,3c,3dを有する積層体からなる回転子2と前記回転子2の外周部に空隙部7を隔てて配置され複数個の等しい間隔と等しい形状の固定子の磁極突起5a,5b,・・・5fを有し、前記固定子の磁極突起に隣接する溝部12の周りに配置された絶縁部13と前記固定子4の磁極突起の周りに巻回された固定子巻線6とを備えた積層体からなる固定子4から構成されるリラクタンスモータが最も一般的である。通常、固定子の磁極突起は2つの平行なストレートサイドをもつ極形状を有している。
【0004】
次に本モータの駆動原理を図13を用いて説明する。図において固定子の磁極突起と回転子の磁極突起が離れているSTEP1の状態に位置しているとき、A相の巻線を図の向きに励磁すると、磁力線は固定子の磁極突起の歯の角から回転子の磁極突起の歯の角へ向かい図中破線の経路をたどって湾曲しながら流れる。このとき磁力線は磁気的に不安定な状態にあり、磁力線がまっすぐに流れる磁気的に安定な向きへ磁気吸引力が作用し回転子が移動する。回転子が磁気的に最も安定なSTEP2の位置まで到達すると、磁気吸引力は周方向には作用しなくなり径方向のみとなるのでトルクは発生しない。そこで、次に通電相をA相からB相へ切り替えることにより、再び磁気的に不安定な状態をつくりだし、トルクを発生させる。以上の様に、回転子位置に応じて通電相を順次切り替えることにより回転子を回転駆動させることができる。このとき巻線電流をi、巻数をN、巻線インダクタンスをL、回転子位置をθとすると、磁気飽和の生じない範囲において発生トルクTは[1]式で表すことができる。
T=(1/2)・(N・i)2・dL/dθ [1]
即ちトルクは、巻線電流の二乗と回転子位置に対する巻線インダクタンスの変化に比例する。特に、インダクタンスの変化は磁極突起の歯形状に大きく起因する項である。そのため、通電相に対して回転子の磁極突起と固定子の磁極突起の歯が一致する位置でのインダクタンス(最大インダクタンス;Lmax)と回転子の磁極突起と固定子の磁極突起の歯が最も離れている位置でのインダクタンス(最小インダクタンス;Lmin)の比Lmax/Lmin(突極比)を大きく設計するのが望ましく、従来のリラクタンスモータでは、突極比向上の観点からの磁極突起の歯形状は平行なストレートサイドを有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成された従来のリラクタンスモータにおいては、以下に述べる課題があった。すなわち、固定子4の磁極突起の歯形状が平行なストレートサイドを有する形状をしていたため、巻線6の保持が困難であり、巻線6の占積率を大きくしようとすると、巻線6が固定子4内径側にすべり落ちる等の不具合を生じ、占積率の向上の妨げとなっていた。また、無理に占積率を大きくすると巻線6が固定子4の内径側に膨らみ、固定子孔内に回転子2が組み込めなくなるなどの不具合を生じていた。上記の理由により、従来のストレートサイドを有する固定子4では巻線6の占積率を小さくせざるおえず、結果、巻線6の線径を小さくする、或いは巻き数を減らすこととなっていた。これは、巻線抵抗の増加、巻線電流の増加を招くこととなり、銅損が上昇し、効率を低下させていた。
【0006】
また、回転子2においては、誘導電動機やブラシレスDCモータと異なり、二次導体や永久磁石を用いない積層鋼板のみの磁極形状を有しているため、その磁極突起間には大きな空間部を有していた。この大きな空間部により磁性体の占める割合が減少し回転子2の低重量化を招いていた。これは回転子重量に比例する慣性が小さいことを意味し、回転子位置に対するトルクの変動の大きい従来のリラクタンスモータにおいては、それが直接大きな速度変動(回転ムラ)を引き起こし振動・騒音の増加を招いていた。
【0007】
この発明は以上の課題を解決するためになされたもので、低騒音で高効率なリラクタンスモータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に関るリラクタンスモータは、内周部に設けられた複数の磁極突起にそれぞれ巻線が巻回された固定子と、外周部に複数の磁極突起が設けられた回転子とを備えたリラクタンスモータにおいて、前記固定子の磁極突起の外周方向の歯幅を先端部の歯幅よりも小さくし、固定子の磁極突起の先端部の歯幅と固定子の磁極突起及びこの磁極突起に隣接する磁極突起間に形成される溝部の開口部の幅とをほぼ等しくし、且つ固定子の磁極突起の先端部の歯幅と回転子の磁極突起の歯幅をほぼ等しくするとともに、溝部に配置され、固定子の磁気突起先端から周方向に伸びる非磁性且つ非導電の合成樹脂を用いて構成された溝絶縁部を備えたものである。
【0009】
また、固定子の磁極突起の外周方向の歯幅を磁気飽和の生じない範囲で小さくするようにしたものである。
【0010】
また、内周部に設けられた複数の磁極突起にそれぞれコイルが巻回された固定子と、外周部に複数の磁極突起が設けられた回転子とを備えたリラクタンスモータにおいて、固定子の磁極突起の歯幅と固定子の磁極突起及びこの磁極突起に隣接する磁極突起で形成される溝部の開口部の幅とをほぼ等しくし、且つ固定子の磁極突起の歯幅と回転子の磁極突起の先端部の歯幅をほぼ等しくするとともに回転子の磁極突起の先端部の歯幅に対し、回転子の磁極突起の内周方向の幅を大きくし、回転子の磁極突起の歯の側面の一方を流面形に、他方を直線状に形成し、流面形に形成した側の歯にスリット部を備えたものである。
【0011】
また、スリット部の空間に非磁性体を設けたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図によって説明する。
実施の形態1.
図1および図2は、この発明の実施の形態1によるリラクタンスモータを示す構成図である。図1は全体構成図、図2は磁極突起付近を部分的に拡大した図である。
1は回転子軸、2は回転子、3a,3b,3c,3dは回転子2の磁極突起、4は固定子、5a,5b,・・・5fは固定子の磁極突起、6は固定子巻線、7は空隙部、12は溝部、13は溝絶縁部である。
【0013】
この発明の実施の形態1によるリラクタンスモータは、回転子軸1と前記回転子軸1の周りに配置され4個の等しい間隔と等しい形状の回転子の磁極突起3a,3b,3c,3dを有する回転子2と前記回転子2の外周部に空隙部7を隔てて配置され6個の等しい間隔と等しい形状の固定子の磁極突起5a,5b,・・・5fを有し、前記固定子の磁極突起5a,5b,・・・5fに隣接する溝部12の周りに配置され絶縁紙で構成される溝絶縁部13と前記固定子の磁極突起5a,5b,・・・5fの周りに配置された固定子巻線6とを備えた固定子4から構成される。
【0014】
そして、第2図に示す如く、前記固定子の磁極突起の先端部の歯幅Ls1と前記溝部の開口部の幅Lwをほぼ等しくし、且つ固定子の磁極突起の先端部の歯幅Ls1と回転子の磁極突起の歯幅Lr1をほぼ等しくし、且つ前記固定子の磁極突起の先端部を除いた歯幅Ls2を磁気飽和を生じない範囲で前記固定子の磁極突起の先端部の歯幅Ls1よりも小さくなるように構成される。
【0015】
上記の様に構成されたリラクタンスモータにおいては、固定子4の磁極突起の先端部に凸部14を設ける構成としたので、ストレートサイドを有する従来の固定子に対して巻線6の保持が容易になり、巻線作業時において巻線6が固定子歯からすべり落ちる心配がなく、かつ巻線作業時に巻線6が固定子内径よりも内側に膨らむのを防止することができるため、巻線作業が容易になると同時に、巻線6の仕上がりが固定子内径内に収まるようにしたため、回転子2が固定子4の孔内に挿入しにくいなどの不具合を解決することができる。さらに、固定子4の磁極突起の歯形状を、先端部の歯幅Ls1に対し、先端部以外の歯幅Ls2を磁気飽和の生じない範囲で小さくするようにしたので、従来磁性部であった面積が巻線スペースとして有効に利用できるようになり、巻線の銅量を増加することができる。
【0016】
これにより、従来と同一巻数の仕様であっても、より太い線径の巻線が使用できるようになり、巻線抵抗を減少させることができる。したがって銅損を低減した高効率なリラクタンスモータが実現できる。また、固定子巻線の最大インダクタンスと最小インダクタンスの比(突極比)については、固定子の磁極突起の先端部の歯幅Ls1と溝部の開口部の幅Lwをほぼ等しくし、且つ固定子の磁極突起の歯先端と回転子歯幅をほぼ同一となるように構成しているため、ストレートサイドを有する従来の固定子と比べても、突極比の低下は殆どなく、歯幅を細くすることによるトルクの低下はみられない。
【0017】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2によるリラクタンスモータを示す構成図である。
実施の形態1では、溝絶縁部13に絶縁紙14を用いていたが、この実施の形態では絶縁紙の代わりに、固定子4の磁極突起先端から周方向に伸びる非磁性且つ非導電の合成樹脂を用いて構成したことを特徴とする。この樹脂部は樹脂成形により容易に得ることができる。上記のように構成されたリラクタンスモータにおいても実施の形態1と同様な効果が得られる。さらに、以下に述べる他の実施の形態にも適用できる。
【0018】
実施の形態3.
図4及び図5は、この発明の実施の形態3によるリラクタンスモータを示す構成図である。
図4は、全体構成図、図5はの磁極突起付近を部分的に拡大した図である。
この実施の形態3によるリラクタンスモータは、1は回転子軸、2は回転子、3a,3b,3c,3dは回転子2の磁極突起、4は固定子、5a,5b,・・・5fは固定子4の磁極突起、6は固定子巻線、7は空隙部、12は溝部、13は溝絶縁部である。回転子軸1と前記回転子軸1の周りに配置され4個の等しい間隔と等しい形状の回転子の磁極突起3a,3b,3c,3dを有する回転子2と、前記回転子2の外周部に空隙部7を隔てて配置され6個の等しい間隔と等しい形状の固定子の磁極突起5a,5b,・・・5fを有し、前記固定子の磁極突起5a,5b,・・・5fに隣接する溝部12の周りに配置された溝絶縁部13と前記固定子の磁極突起5a,5b,・・・5fの周りに配置された固定子巻線6とを備えた固定子4から構成される。
【0019】
前記固定子4の磁極突起5a,5b,・・・5fの歯幅Ls1と前記溝部12の開口部Lwの幅をほぼ等しくし、且つ固定子4の磁極突起の歯幅と回転子の磁極突起3a,3b,3c,3dの先端部の歯幅Lr1をほぼ等しくし、且つ前記回転子2の磁極突起の先端部の歯幅Lr1に対し、前記回転子の磁極突起の歯の根本の幅Lr2を[2]式を満たすように構成される。
1.1×Lr1 ≦ Lr2 ≦ 1.7×Lr1 [2]
【0020】
上記の様に回転子2の磁極突起の歯先端部に対して歯根本の巾を大きく構成することにより、回転子2の機械強度を高めることが可能であり、数万rpmの高速回転が実現できる。また、回転子歯根本を太くすることにより、磁性体の体積が大きくなり、回転子の重量が増加する。これによりモータ駆動時に回転子に作用する慣性力が増加し、トルクリップルが原因で生ずる回転ムラ(速度変動)を緩和させることができるため、低振動・低騒音のリラクタンスモータが実現できる。
【0021】
また、発生トルクに対しては、通電相に対して固定子の磁極突起と回転子の磁極突起が離れている場合であっても、回転子の磁極突起の形状が[2]式の範囲内であれば、最小インダクタンスの増加を最小限に止めることができるため、突極比の減少による同一電流でのトルクの低下を抑制することができる。
【0022】
実施の形態4.
図6は、この発明の実施の形態4によるリラクタンスモータを示す構成図であり、実施の形態3とは以下の点で異なる。即ち、実施の形態3では回転子の磁極突起の歯形状を台形形状となるように構成していたが、この実施の形態では、回転子の磁極突起の歯の側面を凸部が回転子軸中心方向に向かう円弧状になるように構成される。上記のように構成されたリラクタンスモータにおいても実施の形態3と同様な効果が得られる。
【0023】
実施の形態5.
図7は、この発明の実施の形態5によるリラクタンスモータの回転子を示す構成図である。
固定子は図6と同様のため図示しない。回転子軸1と回転子の磁極突起3a,3b,3c,3dを有す回転子2において、回転子の磁極突起の側面の形状を、一方を外側に膨らむ流面形に、他方を従来と同様なストレート状に構成されている。
【0024】
上記の様に構成されたリラクタンスモータにおいては、実施の形態3と同様な効果が得られる他、回転子が反時計方向に回転する場合においては、歯の側面が流面形を有しているため、空気抵抗の減少により風損が低減し、高速回転時における風切り音の低減が図れる。さらに、流面形の歯側面に接触した空気は、回転子の外側へ向かって固定子巻線へ流れ込むため、固定子巻線の冷却効果を高めることができる。これにより、従来、巻線の発熱によって制限されていた巻線電流を増加させることができるようになり、従来と同体積のリラクタンスモータであっても、高出力のリラクタンスモータが得られる。異なる観点からみれば、同一出力を得るためのモータ体積が小さくできることとなり、小型化が可能となる。
【0025】
実施の形態6.
図8は、この発明の実施の形態6によるリラクタンスモータの回転子を示す構成図である。
実施の形態5と異なるのは、回転子の磁極突起3a,3b,3c,3dのストレート状で形成された方の歯の先端部に角落とし部8を設けた点である。上記の様に構成されたリラクタンスモータにおいては、実施の形態5と同様な効果が得られる他、回転子の磁極突起の片側に角落とし部8を設けた構成にしたので、最大インダクタンスと最小インダクタンスの比が大きくなるため突極比が増し高効率なリラクタンスモータを得ることができる。
【0026】
実施の形態7.
図9は、この発明の実施の形態7によるリラクタンスモータの回転子を示す構成図である。
実施の形態5と異なるのは、流面形を成す回転子の磁極突起の側面に沿ってスリット部9を設けた点である。このとき回転子鉄心は、従来の平行なストレートな磁極突起を有する回転子に対して、一方の歯先端から隣接する別のの磁極突起の歯根本へ伸びる薄肉連結部10を有する構成となる。
【0027】
上記の様に構成されたリラクタンスモータにおいては、回転子が反時計方向に回転する場合において、歯の側面が流面形を有しているため、空気抵抗の減少により風損が低減し、高速回転時における風切り音の低減が図れる。さらに、流面形の歯側面に接触した空気は、回転子の外側へ向かって固定子巻線へ流れ込むため、固定子巻線の冷却効果を高めることができる。これにより、従来、巻線の発熱によって制限されていた巻線電流を増加させることができるようになり、従来と同体積のリラクタンスモータであっても、高出力のリラクタンスモータが得られる。異なる観点からみれば、同一出力を得るためのモータ体積が小さくできることとなり、小型化が可能となる。さらに、流面形に沿ってスリット部9を設けたことにより、空隙長が等価的に大きくなるため、磁気抵抗が増加し、最小インダクタンスを減少させることができる。これにより固定子巻線の最大インダクタンスと最小インダクタンスの比が向上し、高効率なリラクタンスモータを得ることができる。
【0028】
また、スリット部9に非磁性且つ非導電性の合成樹脂を埋め込むことによって、回転子の機械強度を向上させることが可能である。
【0029】
実施の形態8.
図10は、この発明の実施の形態8によるリラクタンスモータの回転子を示す構成図である。
実施の形態7と異なるのは、流面形を成す回転子の磁極突起の側面に沿って複数の細長なスリット部9を設けた点である。このように構成されたリラクタンスモータにおいても実施の形態7と同様な効果が得られる。
【0030】
実施の形態9.
図11は、この発明の実施の形態9によるリラクタンスモータの回転子を示す構成図である。
1は回転子軸、9a,9b,9c,9dはスリット部、2は回転子、3a,3b,3c,3dは回転子の磁極突起である。回転子軸1と前記回転子軸の周りに配置された4個の等しい間隔と等しい形状の回転子の磁極突起3a,3b,3c,3dを有する回転子2において、前記回転子軸1に沿って周方向に伸びる複数個のスリット部9a,9b,9c,9dを備えたことを特徴とする。
【0031】
上記の様に構成されたリラクタンスモータにおいては、磁気吸引力の変化によってトルク脈動が生じていても、回転子軸の周りに設けたスリット部によって応力の変化を緩和させることができるため、回転子軸への振動伝達を抑制し低騒音化を図ることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、内周部に設けられた複数の磁極突起にそれぞれ巻線が巻回された固定子と、外周部に複数の磁極突起が設けられた回転子とを備えたリラクタンスモータにおいて、固定子の磁極突起の外周方向の歯幅を先端部の歯幅よりも小さくし、固定子の磁極突起の先端部の歯幅と固定子の磁極突起及びこの磁極突起に隣接する磁極突起間に形成される溝部の開口部の幅とをほぼ等しくし、且つ固定子の磁極突起の先端部の歯幅と前記回転子の磁極突起の歯幅をほぼ等しくするとともに、溝部に配置され、固定子の磁気突起先端から周方向に伸びる非磁性且つ非導電の合成樹脂を用いて構成された溝絶縁部を備えたたことにより、固定子の磁極突起の先端部に凸部を形成したので、ストレートサイドを有する従来の固定子に対して巻線の保持が容易になり、巻線作業時において巻線が固定子歯からすべり落ちる心配がなく、かつ巻線作業時に巻線が固定子内径よりも内側に膨らむのを防止することができるため、巻線作業が容易になると同時に、巻線の仕上がりが固定子内径内に収まるので回転子が固定子の孔内に挿入しにくいなどの不具合を防止することができる。また、固定子巻線の最大インダクタンスと最小インダクタンスの比は、ストレートサイドを有する従来の固定子と比べても、突極比の低下は殆どなく、歯幅を細くすることによるトルクの低下はみられない。
【0033】
また、固定子の磁極突起の歯形状を、先端部の歯幅に対し、先端部以外の歯幅を磁気飽和の生じない範囲で小さくするようにしたので、従来磁性部であった面積が巻線スペースとして有効に利用できるようになり、巻線の銅量を増加することができる。これにより、従来と同一巻数仕様であっても、より太い線径の巻線が使用できるようになり、巻線抵抗を減少させることができる。したがって銅損を低減した高効率なリラクタンスモータが実現できる。
【0034】
また、内周部に設けられた複数の磁極突起にそれぞれコイルが巻回された固定子と、外周部に複数の磁極突起が設けられた回転子とを備えたリラクタンスモータにおいて、固定子の磁極突起の歯幅と固定子の磁極突起及びこの磁極突起に隣接する磁極突起で形成される溝部の開口部の幅とをほぼ等しくし、且つ固定子の磁極突起の歯幅と回転子の磁極突起の先端部の歯幅をほぼ等しくするとともに回転子の磁極突起の先端部の歯幅に対し、回転子の磁極突起の内周方向の幅を大きくし、回転子の磁極突起の歯の側面の一方を流面形に、他方を直線状に形成し、流面形に形成した側の歯にスリット部を備えたことにより、空隙長が等価的に大きくなるため、磁気抵抗が増加し、最小インダクタンスを減少させることができる。これのより固定子巻線の最大インダクタンスと最小インダクタンスの比が向上し、高効率なリラクタンスモータを得ることができる。
【0035】
また、スリット部の空間に非磁性体を設けたことにより、回転子の機械強度を高めることができる。また、回転子の重量が増加することにより、モータ駆動時に回転子に作用する慣性力が増加し、速度変動を減少させることができる。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるリラクタンスモータの構成を示す断面図である。
【図2】 図1のリラクタンスモータの部分的な拡大断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態2によるリラクタンスモータの構成を示す断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態3によるリラクタンスモータの構成を示す断面図である。
【図5】 図4のリラクタンスモータの部分的な拡大断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態4によるリラクタンスモータの構成を示す断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態5によるリラクタンスモータの回転子の構成を示す断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態6によるリラクタンスモータの回転子の構成を示す断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態7によるリラクタンスモータの回転子の構成を示す断面図である。
【図10】 この発明の実施の形態8によるリラクタンスモータの回転子の構成を示す断面図である。
【図11】 この発明の実施の形態9によるリラクタンスモータの回転子の構成を示す断面図である。
【図12】 従来のリラクタンスモータの構成を示す断面図である。
【図13】 リラクタンスモータの駆動原理を示す説明図である。
【符号の説明】
1 回転子軸、2 回転子、3a、3b、3c、3d 回転子の磁極突起、 4 固定子、5a、5b・・・5f 固定子の磁極突起、6 固定子巻線
7 空隙部、8 角落とし部、9 スリット部、10 薄肉連結部、
11 非磁性部、12 溝部、13 溝絶縁部、14 凸部。

Claims (4)

  1. 内周部に設けられた複数の磁極突起にそれぞれ巻線が巻回された固定子と、外周部に複数の磁極突起が設けられた回転子とを備えたリラクタンスモータにおいて、前記固定子の磁極突起の外周方向の歯幅を先端部の歯幅よりも小さくし、前記固定子の磁極突起の先端部の歯幅と前記固定子の磁極突起及びこの磁極突起に隣接する磁極突起間に形成される溝部の開口部の幅とをほぼ等しくし、且つ前記固定子の磁極突起の先端部の歯幅と前記回転子の磁極突起の歯幅をほぼ等しくするとともに、前記溝部に配置され、前記固定子の磁気突起先端から周方向に伸びる非磁性且つ非導電の合成樹脂を用いて構成された溝絶縁部を備えたことを特徴とするリラクタンスモータ。
  2. 固定子の磁極突起の外周方向の歯幅を磁気飽和の生じない範囲で小さくするようにしたことを特徴とする請求項1に記載のリラクタンスモータ。
  3. 内周部に設けられた複数の磁極突起にそれぞれコイルが巻回された固定子と、外周部に複数の磁極突起が設けられた回転子とを備えたリラクタンスモータにおいて、前記固定子の磁極突起の歯幅と前記固定子の磁極突起及びこの磁極突起に隣接する磁極突起で形成される溝部の開口部の幅とをほぼ等しくし、且つ前記固定子の磁極突起の歯幅と前記回転子の磁極突起の先端部の歯幅をほぼ等しくするとともに前記回転子の磁極突起の先端部の歯幅に対し、前記回転子の磁極突起の内周方向の幅を大きくし、前記回転子の磁極突起の歯の側面の一方を流面形に、他方を直線状に形成し、流面形に形成した側の歯にスリット部を備えたことを特徴とするリラクタンスモータ。
  4. スリット部の空間に非磁性体を設けたことを特徴とする請求項3に記載のリラクタンスモータ。
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