JP4922600B2 - スイッチドリラクタンスモータ - Google Patents

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Description

本発明は、スイッチドリラクタンスモータ(以下、適宜「SRモータ」という)の改良に関し、特に、SRモータの振動や音の低減と高トルク化に関する。
従来より、電気自動車やハイブリッドカーの駆動源として、高価な永久磁石を使用せず、構造が簡単かつ堅牢なSRモータを用いることが知られている。図7は、従来のSRモータ(従来例1)の構成を示す説明図である。図7のSRモータ50は、ケイ素鋼板等の磁性体薄板を積層したステータ51とロータ52から構成されている。ステータ51の内周面には6つのステータ突極53(53a〜53f)が内向きに一体形成され、ロータ52には4つのロータ突極54(54a〜54d)が外向きに一体形成されている。ステータ突極53とロータ突極54は相互に倍数関係ではない偶数個に設定されており、ある突極同士(例えば、53aと54a)が対向したとき、他の突極同士(例えば、53bと54b)の位置がずれるようになっている。
互いに対向するステータ突極53には、励磁コイル55(55a〜55c)が巻装されている。すなわち、ステータ突極53a,53dには励磁コイル55a、ステータ突極53b,53eには励磁コイル55b、ステータ突極53c,53fには励磁コイル55cがそれぞれ巻装されている。SRモータ50を駆動するには、各励磁コイル55a〜55cに通電するタイミングをロータ52の回転位置に応じて切り換える必要がある。このため、ロータ52の回転位置を正確に検出すべく、SRモータにはロータ52の回転位置を検出する回転センサ(図示せず)が設けられている。
図8は、従来のSRモータの回転動作を示す説明図である。図8に示すように、SRモータ50の励磁コイル55に通電し励磁すると、ステータ突極53とロータ突極54間に磁気吸引力(リラクタンス力)が生じる。SRモータ50は、この磁気吸引力を利用して回転トルクを発生させる。なお、時計回り及び反時計回りの場合も同様の駆動方法であるので、以下では時計回りにロータ52が回転する場合について説明する。
まず、ロータ52の回転に伴い、図8(イ)に示すように、ステータ突極53a(53d)の内周先端面56a(56d)とロータ突極54a(54c)の外周先端面57a(57c)が対向し始める。この位置を回転センサが検知すると、励磁コイル55aへの通電が開始され、この通電に伴いステータ突極53a(53d)とロータ突極54a(54c)の間に磁気吸引力(リアスタンス力)が発生する。このとき発生する磁気吸引力の円周方向成分より、ロータ突極54a(54c)がステータ突極53a(53d)に引き寄せられて回転力が生じ、ロータ52が時計方向に回転する。
ロータ52は、図8(ロ)に示すように、励磁コイル55aへの通電による磁気吸引力により回転力を受けながら回転し、内周先端面56a(56d)と外周先端面57a(57c)が対向する。その後、内周先端面56a(56d)と外周先端面57a(57c)とが図8(ハ)に示すように互いに完全に向かい会う。図8(ハ)のように完全に対向しさらに回転した後も励磁コイル55aへの通電を続けると、外周先端面57a(57c)が内周先端面56a(56d)よりも回転方向に張り出し、磁気吸引力の円周方向成分がロータ突極54a(54c)に対し逆回転方向に作用する。
そこで、回転を順次継続させるため、回転センサにより図8(ハ)の状態を検知し、励磁コイル55aへの通電を終了させ、その後遅滞なく励磁コイル55cへの通電を開始する。これにより、ステータ突極53c(53f)とロータ突極54b(54d)に磁気吸引力が発生し、この円周方向成分よりロータ突極54b(54d)が時計方向に引き寄せられてロータ52の回転が継続する。このように、ロータ52の回転位置を検知し、励磁コイルへの通電を53a,53c,53b・・・へと順次切り換えて行くことにより、ロータ52は継続的に回転する。なお、励磁コイル55への通電を順次切り換える際に、ロータ突極54a,54cの組と、54b,54dの組が順次切れ間なく回転方向の吸引力を受けるためには、内周先端面56の回転中心Oとの角度(βs)と、ロータ52の外周先端面57の角度(βr)は、それぞれ30°とするのが好適である。
図9は、SRモータ50の励磁コイル55aに矩形波電圧を印加した場合のロータ回転角とトルクとの関係を示す説明図である。励磁コイル55aに矩形波電圧を印加すると、ロータ突極54a(54c)に磁気吸引力が作用し、ロータ52に回転トルクが発生する。図9は、この際のロータ回転角に対するトルク特性値のFEM解析結果を示しており、縦軸はロータ52に作用するトルク、横軸はロータ52の回転角度を示す。なお、ここでは、内周先端面56a(56d)と外周先端面57a(57c)が対向し始める角度を基準(0°)とする。
励磁コイル55aに対し通電を開始すると、ステータ突極53a(53d)とロータ突極54a(54c)の間には磁気吸引力が生じる。このため、回転工程(イ)では、ある程度の初期トルクが生じる。その後、図9に示すように、ロータ52の回転に伴いトルクが急速に大きくなり、通電開始直後の回転工程(イ’)において最大トルクTmaxとなる。回転工程(イ’)後、回転工程(ロ)を経て、内周先端面56a(56d)と外周先端面57a(57c)とが互いに完全に向かい会う回転工程(ハ)において最小トルクTminとなる。この時点で励磁コイル55aへの電圧印加が終了し、次の励磁コイル55cに矩形波電圧が印加される。ここで、最小トルクTminがゼロ値となるのは、内周先端面56a(56d)と外周先端面57a(57c)の円周方向長が同一(βsとβrが共に30°)であるため、回転工程(ハ)では両先端面が互いに完全に重なり合い、半径方向のみに磁気吸引力が作用し、回転方向には磁気吸引力が作用しないからである。
SRモータ50では、この最大トルクTmaxと最小トルクTminの差がトルクリップルΔTとなる。このトルクリップルΔTが大きいほど、振動や音が発生し易くなる。このため、低振動・低騒音が求められる電気自動車等に用いられることが予定されているSRモータでは、トルクリップルΔTを低減させることが必要不可欠となる。また、SRモータを電気自動車の駆動源として使用する場合には、出力維持のため平均トルク(各ロータ回転角度におけるトルクの平均値)の減少は好ましくない。
従って、電気自動車等においては、平均トルクの減少を極力控えてトルクリップルΔTを減少させることが望まれる。また、好ましくは、トルクリップルΔTの減少とトルク向上を共に実現することが望まれる。そこで、このトルクリップルを減少させるものとして、例えば、電気学会技術報告第719号「リラクタンストルク応用電動機と制御システム」P28(従来例2)のようなSRモータが知られている。図10は従来例2のSRモータ60の全体断面図、図11は図10のステータ突極63aとロータ突極64aの要部の拡大図である。
図11に示すように、このSRモータ60では、ロータ突極64(64a〜64d)の側面部69af,69arがそれぞれY軸に対称となるように広げられている。すなわち、ロータ突極64では、回転軸Oを中心とした外周先端面67(67a〜67d)の角度(βr)が従来例1(図7参照)よりも広げられている。一方、ステータ突極63(63a〜63f)の内周先端面66(66a〜66f)の回転中心Oを中心とした角度(βs)は、巻線スペースを確保するためもあり、従来例1と同様である。図11では、このようなSRモータ60の一例として、βs=30°,βr=34°とした場合を示す。なお、βs=30°とβr=34°の差は小さいものであるが、図においては説明のためその差を誇張して示している。
そこで、従来例1のSRモータ50と比較しつつ、従来例2のステータ突極63aとロータ突極64aの作用について説明する。図12は、従来例1(βs=βr=30°)と従来例2(βs=30°、βr=34°)の回転工程を比較して示した説明図であり、(a)は従来例1にて励磁コイル55aに矩形波電圧を印加したときの動作、(b)は従来例2にて励磁コイル65aに矩形波電圧を印加したときの動作をそれぞれ示している。なお、βsとβrの大きさの差は微少であるが、図12においてもその差を誇張して表現している。また、以下における回転工程(a)-(イ)等の記載は、例えば、(a)-(イ)の場合は、図12(a)の(イ)の状態の回転工程の意である。
従来例1の内周先端面56aと外周先端面57aが重なり始め、同様に、従来例2の内周先端面66aと外周先端面67aが重なり始める回転工程(イ)にて、励磁コイル55a,65aが通電される。これにより、ロータ突極54a,64aには円周方向の磁気吸引力が作用し、回転力が生じる。この際、従来例1(図12(a))においては、ステータ突極53aの回転方向後側に位置する側面部58arと、ロータ突極54aの回転方向前側に位置する側面部59afのなす角度は30°である。一方、従来例2(図12(b))においては、ステータ突極63aの回転方向後側に位置する側面部68arと、ロータ突極64aの回転方向前側に位置する側面部69afのなす角度は32°である。
その後、回転工程(ロ)を経て、従来例1では、回転工程(ハ)にて、ステータ突極53aの回転方向前側に位置する側面部58afと、ロータ突極54aの側面部59afとが一致する。同様に、従来例2では、回転工程(ハ)にて、ステータ突極63aの回転方向前側に位置する側面部68afが、ロータ突極64aの側面部69afと略一致する(βrがY軸に対し対称に34°となっているため、側面部68af,69afは完全に同一平面上には位置しない)。この回転工程(ハ)の時点で、励磁コイル55a,65aの通電を終了する。この際、図12(b)(ハ)に示すように、従来例2では、ステータ61の内周先端面66aに比べてロータ62の外周先端面67aが周方向に長いため、ステータ突極63aの側面部68arに対し、ロータ突極64aの外周先端面67aが周方向にはみ出した状態となる。
図13は、従来例1と従来例2のSRモータ50,60におけるロータ回転角とトルクとの関係を示す説明図であり、励磁コイル55a,65aに通電したときロータに作用する各回転角でのトルク特性値のFEM解析結果を示している。図13では、縦軸はロータに作用するトルク、横軸はロータの回転角度を示し、点線は従来例1を、実線は従来例2を示している。なお、ここでは、内周先端面56a,66aと外周先端面57a,67aが対向し始める角度を基準(0°)とする。
図9の場合と同様に、通電直後の回転工程(イ)では、若干の初期トルクを生じたあと急激にトルクが上昇し、それぞれ数度回転した回転工程(イ’)において最大トルクを得る。一方、図13に示すように、従来例2においては、通電開始直後の回転工程(b)−(イ’)における最大トルクTmaxは、従来例1の回転工程(a)-(イ’)における最大トルクTmaxに比べて小さくなる。
ここで、ステータ突極とロータ突極間の磁気回路は、磁気飽和が生じないことを条件として、磁気抵抗の大きい方が磁気吸引力も大きい。図12に示すように、通電直後においては、従来例2のロータ突極側面部69af(32°)は、従来例1のロータ突極側面部59af(30°)に比べて反時計方向に傾いている。従って、ステータ突極63aとロータ突極64a間の磁気抵抗の方が、ステータ突極53aとロータ突極54a間の磁気抵抗のよりも小さくなる。このため、従来例2の方が従来例1の磁気吸引力より小さくなり、その分、TmaxがTmaxに比べて小さくなる。
一方、従来例2の通電終了直前の回転工程(b)-(ハ)における最小トルクTminは、従来例1の回転工程(a)-(ハ)における最小トルクTminよりも大きな値となる。これは、前述のように、通電終了直前の時点では、ステータ突極側面部68arからロータ突極64aの外周先端面67aが回転方向後側にはみ出しており、ロータ62に対し回転方向の磁気吸引力が作用するからである。
このように、従来例2の最大トルクTmaxは従来例1の最大トルクTmaxに比べて小さく、従来例2の最小トルクTminは従来例1の最小トルクTminより小さくなる。従って、最大トルクと最小トルクとの差であるトルクリップルは、従来例1(ΔT)よりも従来例2(ΔT)の方が小さくなる。このため、従来例2の構成を採用すれば確かにトルクリップルが減少し、振動や音の低減には有効であると言える。
電気学会技術報告第719号「リラクタンストルク応用電動機と制御システム」P28
しかしながら、従来例2の場合、最小トルクTminが大きくなっているものの、最大トルクTmaxが小さくなってしまっているため、従来例1と従来例2とでは、平均トルクは結局のところほとんど変化しない。すなわち、従来例2の構成は、振動や音の低減には効果があるが、平均トルクの向上による出力向上は望めない。前述のように、SRモータを電気自動車等の駆動源として使用する場合には、トルクリップルの低減が大きな課題であるが、装置の小型化にも寄与し得る出力向上もまた大きな課題であり、両者を共に実現し得るSRモータが望まれていた。
本発明の目的は、トルクリップルを減少させモータ駆動時の振動や音を低減させると共に、平均トルクを向上させSRモータの高出力化を図ることにある。
本発明のSRモータは、径方向に延びるステータ突極を有するリング状のステータと、前記ステータの内側又は外側に同軸かつ回転自在に配置され、径方向に延びるロータ突極を有するロータと、前記各ステータ突極に巻装された励磁コイルとを備えてなるスイッチドリラクタンスモータであって、前記ロータ突極は、前記ロータの回転中心を通る前記ステータ突極の中心線に対して非対称であり、かつ、前記ステータ突極よりも円周方向の幅が大きく形成され、その回転方向前側に、前記ステータ突極の回転方向前側の側面部と同一平面位置に配置可能な側面部を有し、前記ロータ突極の径方向端面は、前記ロータ突極の回転方向前側の側面部を前記ステータ突極の回転方向前側の側面部と同一平面位置に配置したとき、前記ステータ突極の回転方向後側の側面部よりも回転方向後側に、該径方向端面の他の部位と同外径のまま前記ステータ突極と対向することなく周方向にはみ出す延出部を有することを特徴とする。
本発明のSRモータにあっては、ロータ突極を、ロータの回転中心を通るステータ突極の中心線に対して非対称、かつ、前記ステータ突極よりも円周方向の幅を大きく形成すると共に、ロータ突極の回転方向前側の側面部とステータ突極の回転方向前側の側面部とを同一平面位置に配置可能に構成し、両側面を同一平面位置に配置したとき、ステータ突極の回転方向後側の側面部よりも回転方向後側に、該径方向端面の他の部位と同外径のままステータ突極と対向することなく周方向にはみ出す延出部を設けた。これにより、ロータ突極がステータ突極に入り込む際の励磁コイル通電直後に生じる最大トルクは低下せず、ロータ突極のステータ突極への入り込みが完了し励磁コイルへの通電が終了する直前においては、ロータ突極の径方向端面が回転方向後側にはみ出ているので、ロータを回転側に引き寄せる磁気吸引力が発生し、最小トルクが増加する。従って、最大トルクと最小トルクの差であるトルクリップルが減少し、最大トルクをそのままに最小トルクを増加させたため、全体として平均トルクが増大する。
前記SRモータは、前記ロータが前記ステータの内側に配設されたインナロータ形のモータであっても、また、前記ロータが前記ステータの外側に配設されたアウタロータ形のモータであっても良い。
本発明のSRモータによれば、径方向に延びるステータ突極を有するリング状のステータと、ステータの内側又は外側に同軸かつ回転自在に配置され径方向に延びるロータ突極を有するロータと、各ステータ突極に巻装された励磁コイルとを備えてなるSRモータにて、ロータ突極の回転方向前側の側面部とステータ突極の回転方向前側の側面部とを同一平面位置に配置可能に構成し、両側面を同一平面位置に配置した状態で、ロータ突極の回転方向後側に位置する側面部をロータの回転方向後側に張り出させ、ロータ突極の径方向端面の円周方向長を該端面に対向するステータ突極の径方向端面の円周方向長よりも大きくしたので、ロータ突極がステータ突極に入り込む際の励磁コイル通電直後に生じる最大トルクを低下させることなく、ロータ突極のステータ突極への入り込みが完了し励磁コイルへの通電が終了する直前に生じる最小トルクを増加させることが可能となる。従って、最大トルクと最小トルクの差が減少し、トルクリップルの低減を図ることが可能となると共に、最大トルクをそのままに最小トルクを増加させることができ、全体として平均トルクを増大させることができ、SRモータの高出力化を図ることが可能となる。
また、本発明のSRモータによれば、径方向に延びるステータ突極を有するリング状のステータと、ステータの内側又は外側に同軸かつ回転自在に配置され径方向に延びるロータ突極を有するロータと、各ステータ突極に巻装された励磁コイルとを備えてなるSRモータにて、ロータ突極の回転方向前側にステータ突極の回転方向前側の側面部と同一平面位置に配置可能な側面部を設け、ロータ突極の回転方向前側の側面部をステータ突極の回転方向前側の側面部と同一平面位置に配置したとき、ステータ突極の回転方向後側の側面部よりも回転方向後側にはみ出す延出部をロータ突極の径方向端面に設けたので、ロータ突極がステータ突極に入り込む際の励磁コイル通電直後に生じる最大トルクを低下させることなく、ロータ突極のステータ突極への入り込みが完了し励磁コイルへの通電が終了する直前に生じる最小トルクを増加させることが可能となる。従って、最大トルクと最小トルクの差が減少し、トルクリップルの低減を図ることが可能となると共に、最大トルクをそのままに最小トルクを増加させることができ、全体として平均トルクを増大させることができ、SRモータの高出力化を図ることが可能となる。
さらに、本発明のSRモータによれば、径方向に延びるステータ突極を有するリング状のステータと、ステータの内側又は外側に同軸かつ回転自在に配置され径方向に延びるロータ突極を有するロータと、各ステータ突極に巻装された励磁コイルとを備えてなるSRモータにて、ロータ突極の回転方向前側の側面部をステータ突極の回転方向前側の側面部と同一平面位置に配置した状態で、ロータ突極がステータ突極の中心線に対して非対称で、かつ、ステータ突極よりも円周方向の幅を大きく構成したので、ロータ突極がステータ突極に入り込む際の励磁コイル通電直後に生じる最大トルクを低下させることなく、ロータ突極のステータ突極への入り込みが完了し励磁コイルへの通電が終了する直前に生じる最小トルクを増加させることが可能となる。従って、最大トルクと最小トルクの差が減少し、トルクリップルの低減を図ることが可能となると共に、最大トルクをそのままに最小トルクを増加させることができ、全体として平均トルクを増大させることができ、SRモータの高出力化を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1であるSRモータの構成を示す断面図である。なお、本実施例におけるSRモータは、図1において時計方向にのみ回転駆動する。
図1のSRモータ10は、図7の従来のSRモータ50と基本的な構成は共通しており、リング状のステータ1の内側にロータ2が回転可能に配置されたインナロータ形の構成となっている。ステータ1とロータ2は共に、ケイ素鋼板等の磁性体薄板を積層して形成されている。ステータ1は、リング状のヨーク部3と、ヨーク部3の内周側に径方向内向きに突設された6個のステータ突極4(4a〜4f)とから構成されている。ステータ突極4は、ヨーク部3と一体に形成されており、ヨーク部3から中心方向に向かって延びている。
ロータ2は、回転軸5に固定された円筒形状のボス部6と、ボス部6の外周に径方向外向きに突設された4個のロータ突極7(7a〜7d)とから構成されている。ロータ突極7は、ボス部6と一体に形成されており、ボス部6から放射状に外方へ延びている。ステータ突極4とロータ突極7は相互に倍数関係ではない偶数個に設定されており、ある突極同士(例えば、4aと7a)が対向したとき、他の突極同士(例えば、4bと7b)の位置がずれるようになっている。ステータ突極4の内周先端面8(径方向端面;8a〜8f)とロータ突極7の外周先端面9(径方向端面;9a〜9d)と共に円弧状に形成されており、両面8,9は、所定のエアギャップにて対向するようになっている。
各ステータ突極4には励磁コイル11が巻装されている。この場合、互いに対向するステータ突極4a,4dには励磁コイル11a、ステータ突極4b,4eには励磁コイル11b、ステータ突極4c,4fには励磁コイル11cがそれぞれ巻装されている。SRモータ10を駆動するには、各励磁コイル11a〜11cに通電するタイミングをロータ2の回転位置に応じて切り換える必要があり、そのため、SRモータ10には、ロータ2の回転位置を検出する回転センサ(図示せず)が設けられている。そして、各励磁コイル11a〜11cに順次通電することにより生じるステータ突極4とロータ突極7との間の磁気吸引力により、ロータ2が回転駆動する。
図2は、図1のSRモータ10の要部断面図であり、ステータ突極4aとロータ突極7aの部分を示している。なお、他のステータ突極4b〜4fやロータ突極7b〜7dもステータ突極4aとロータ突極7aと同一形状である。ステータ突極4aは、回転中心Oを通るY軸に対し対称であり、Y軸に並行な側面部12af,12arを備えている。両側面部12af,12arの内周側端縁間には、回転中心Oと同心円状の内周先端面8aが形成されている。内周先端面8aは、回転中心Oを中心とする角度30°分の周方向長を有しており、この点に関しては、図7のSRモータ50と同様である(βs=30°)
一方、ロータ突極7aはY軸に対し非対称形状となっており、Y軸に対して回転方向後側の部分が拡大された形となっている。すなわち、ロータ突極7aは、図7のSRモータ50にて側面部58arを図中左側に向かってY軸に平行にオフセットし、ロータ突極54aの幅Wrをステータ突極4aの幅Wsよりも大きくし、ロータ突極54aの断面積を拡大した形態となっている。従って、ロータ突極7aの外周先端面9aは、ステータ突極4aの内周先端面8aよりも周方向長さが長くなっており、かつ、外周先端面9aは、Y軸と側面部13arとの間の距離Lの方が、Y軸と側面部13afとの距離Lよりも長い(L>L)。
このため、図2に示すように、ロータ突極側面部13afとステータ突極側面部12afを同一平面位置に配置した場合、ロータ突極側面部13arがステータ突極側面部12arよりも外側(回転方向後側)にはみ出して延在する形となる。すなわち、ロータ突極7aの外周先端面9aには、ロータ突極側面部13afとステータ突極側面部12afを同一平面位置に配置したとき、ステータ突極側面部12arよりも回転方向後側にはみ出す延出部14が形成される。本実施例では、外周先端面9aの周方向長は、回転中心Oを中心として角度34°分であり、角度30°の内周先端面8aより4°円周方向に長い。従って、4°分だけロータ突極7aの外周先端面9aが回転方向後側へ延出し、そこに延出部14が形成される。なお、以下の図面では、従来例1との相違点を明確にするため角度の大きさを誇張して示している。
次に、本実施例のSRモータ10の動作について説明する。図3は、SRモータ10の回転工程を示す説明図である。SRモータ10は、ステータ突極4に巻回された励磁コイル11a〜11cに通電し励磁することにより、ステータ突極4a〜4fとロータ突極7a〜7dの間に磁気吸引力(リラクタンス力)が作用し、この磁気吸引力によって回転トルクが生じロータ2が駆動する。なお、SRモータ10は、図3において時計方向に回転駆動する。
図3(イ)に示すように、SRモータ10では、ステータ突極4a(4d)の内周先端面8a(8d)と、ロータ突極7a(7c)の外周先端面9a(9c)が対向し始める位置を回転センサが検知し、励磁コイル11aへの通電を開始する。励磁コイル11aが通電されると、ステータ突極4a(4d)とロータ突極7a(7c)の間に磁気吸引力が発生する。このとき発生する磁気吸引力の円周方向成分より、ロータ突極7a(7c)は回転力を受け、ロータ2が時計方向に回転する。
ロータ2は、その後も励磁コイル11aへの通電による磁気吸引力により回転力を受けながら回転し(図3(ロ))、図3(ハ)に示すように、ステータ突極側面部12af(12df)とロータ突極側面部13af(13cf)が同一直線上に位置する状態となる。このとき、ステータ突極4a(4d)の内周先端面8a(8d)と、ロータ突極7a(7c)の外周先端面9a(9c)とが完全に互いに向かい会う。
両面8a(8c),9a(9d)が完全に対向した位置を回転センサにより検知し、すみやかに励磁コイル11aへの通電を終了し、励磁コイル11cへの通電を開始する。するとステータ突極4c(4f)とロータ突極7b(7d)の間に磁気吸引力が発生し、この円周方向成分よりロータ突極7b(7d)は時計方向に引き寄せられる。この動作を繰り返すことにより、ロータ2は時計方向に連続的に回転する。すなわち、ロータ2の回転位置を検知し、適宜励磁コイル11への通電を11a,11c,11b,11a・・・と順次切り換えて行くことにより、SRモータ10は連続的に回転駆動する。
図4は、SRモータの一部を拡大した回転工程図であり、(a)は従来例1のSRモータ50、(b)は本実施例のSRモータ10の回転工程図である。以下、図4を参照しつつ、回転動作時におけるステータ突極53a,4aとロータ突極54a,7aの位置及び各位置での両者の角度並びに各位置での磁気吸引力の作用形態について説明する。なお、以下の回転工程(a)-(イ)等の記載は、例えば、(a)-(イ)の場合は、図4(a)の(イ)の状態の回転工程の意である。
前述のように、SRモータ50では、ステータ突極53aの内周先端面56aとロータ突極54aの外周先端面57aが重なり始める回転工程(a)-(イ)において、励磁コイル55aに矩形波電圧が印加される。同様に、SRモータ10においても、ステータ突極4aの内周先端面8aとロータ突極7aの外周先端面9aが重なり始める回転工程(b)-(イ)において、励磁コイル11aに矩形波電圧が印加される。これにより、ロータ突極54a,7aには回転方向の磁気吸引力が作用する。
回転工程(a)-(イ)においては、SRモータ50のステータ突極側面部58arとロータ突極側面部59afのなす角度は30°である。同様に、回転工程(b)-(イ)における、SRモータ10のステータ突極側面部12arとロータ突極側面部13afのなす角度もまた30度である。すなわち、SRモータ10は、従来例1のSRモータ50と同様に、ステータ突極側面部12afとロータ突極側面部13afを同一平面位置に配置可能な構成となっているため、回転工程(a)-(イ)において、側面部12ar,13af間のなす角度が30°となる(この点でSRモータ60とは異なる。図12参照)。従って、両者の磁気抵抗は同じであり、同一の磁気吸引力が円周方向に作用する。その後、回転工程(ロ)を経て、ステータ突極側面部58afとロータ突極側面部59af、ステータ突極側面部12afとロータ突極側面部13afとが一致する回転工程(ハ)にて励磁コイル55a,11aの通電を終了する。
SRモータ50では、回転工程(a)-(ハ)にて、内周先端面56aと外周先端面57aが完全に重なりあっているため、半径方向にのみ磁気吸引力が作用する。これに対し、SRモータ10では、内周先端面8aに比べて外周先端面9aが回転方向後側に長いため、回転工程(b)-(ハ)にて、ロータ突極側面部13arが回転方向後側に張り出す。すなわち、ステータ突極側面部12arより、ロータ突極7aの外周先端面9aが延出部14の分だけはみ出した状態となる。延出部14の長さは、回転中心Oを中心として4°分であり、SRモータ10では、延出部14が存在するため、磁気吸引力は半径方向のみならず、円周方向にも作用する。
図5は、図4に示した回転工程においてロータ52,2に作用するトルクのFEM解析結果を示した説明図である。ここで、実線は本発明によるSRモータ10を、点線は従来例1のSRモータ50を示している。なお、縦軸はロータ52,2に作用するトルクを、横軸はロータ52,2の回転角度を示し、内周先端面56a,8aと、外周先端面57a,9aが対向し始めた位置を基準(0°)とする。
回転工程(a)-(イ)及び(b)-(イ)では、励磁コイル55a,11aに矩形波電圧が印加され、印加時の磁気吸引力により、ロータ52,2には、それぞれある程度の初期トルクが生じる。そして、その直後の回転工程(イ’)において、SRモータ50,10は最大トルクTmax、Tmaxを得る。前述のように、回転工程(a)-(イ)及び(b)-(イ)においては、SRモータ50のロータ突極54aもSRモータ10のロータ突極7aも共に、角度30°にてステータ突極53a,4aに入り込む。そのため、両者の磁気抵抗は共に等しく、回転工程(イ)から数度回転し、入り込み角度の等しい回転工程(a)-(イ’),(b)-(イ’)では、両者の最大トルクTmax,Tmaxは等しい値となる。
その後、回転工程(ロ)を経て、回転工程(a)-(ハ),(b)-(ハ)において、励磁コイル55a,11aへの通電が終了する直前に、各モータ50,10はそれぞれ最小トルクTmin,Tminを得る。このとき、SRモータ50は、内周先端面56aと外周先端面57aとが完全に対向しているため、半径方向にのみ磁気吸引力が作用し、円周方向には磁気吸引力が作用しない。このため、最小トルクTminはゼロ値となる。これに対し、SRモータ10は、ステータ突極側面部12arよりもロータ突極7aの外周先端面9aが回転方向後側にはみ出しているため、延出部14とステータ1との間の磁気吸引力が働く。このため、ロータ突極7aを回転方向に引き寄せる力が作用し、SRモータ50と異なり、SRモータ10では、最小トルクTminがゼロ値とはならず、いくらかの値を持つ。
このように、本発明によるSRモータ10にあっては、その最大トルクTmaxが従来のSRモータ50と同等(Tmax=Tmax)でありながら、最小トルクTminは、従来よりも大きくなる(Tmin>Tmax)。このため、SRモータ10では、トルクリップルΔTが従来のSRモータ50に比して減少すると共に(ΔT<ΔT)、平均トルクも向上する。すなわち、SRモータ10を使用することにより、トルクリップルの低減と平均トルクの向上が実現できる。従って、モータ駆動時の振動や音を低減させ、出力の向上を図ることが可能となり、電気自動車の駆動モータとしても好適な性能を実現することができる。
図6は、本発明の実施例2であるSRモータ20の構成を示す断面図である。SRモータ20は、図1のSRモータ10とは逆にアウタロータ形の構成となっており、ステータ21の外側にリング状のロータ22が回転可能に配置されている。本実施例のSRモータ20もまた、図6において時計方向にのみ回転駆動する。なお、当該実施例2では、実施例1と同様の部材、部分、数値等については同一の符号を付し、その説明は省略する。
SRモータ20においても、ステータ21とロータ22は共に、ケイ素鋼板等の磁性体薄板を積層して形成されている。ステータ21は、円筒形状のボス部23と、ボス部23の外周に径方向外向きに突設された6個のステータ突極4(4a〜4f)とから構成されている。ステータ突極4はボス部23と一体に形成されており、ボス部23から放射状に外方へ延びている。ロータ22は、リング状のヨーク部24と、ヨーク部24の内周側に径方向内向きに突設された4個のロータ突極7(7a〜7d)とから構成されている。なお、前述のSRモータ10と同様、SRモータ20もステータ突極4aとロータ突極7aと他のステータ突極やロータ突極は同一形状であるため、ここでは、ステータ突極4aとロータ突極7aを例に挙げて説明する。
ステータ突極4の外周先端面25とロータ突極7の内周先端面26と共に円弧状に形成されており、両面25,26は、所定のエアギャップにて対向する。各ステータ突極4には、SRモータ10と同様に、励磁コイル11(11a〜11c)が巻装されている。ステータ突極4aは、回転中心Oを通るY軸に対し対称であり、Y軸に並行な側面部12af,12arを備えている。両側面部12af,12arの外周側端縁間には、回転中心Oと同心円状の外周先端面25aが形成されている。外周先端面25aは、回転中心Oを中心とする角度30°分の周方向長を有しいる(βs=30°)。
ロータ突極7aはY軸に対し非対称形状となっており、Y軸に対して回転方向後側の部分が拡大された形となっている。ロータ突極7aの内周先端面26aは、ステータ突極4aの外周先端面25aよりも周方向長さが長くなっており、かつ、内周先端面26aは、Y軸と側面部13arとの間の距離Lの方が、Y軸と側面部13afとの距離Lよりも長い(L>L)。このため、SRモータ20においても、ロータ突極側面部13afとステータ突極側面部12afを同一平面位置に配置した場合、ロータ突極側面部13arがステータ突極側面部12arよりも外側(回転方向後側)にはみ出して延在する形となる。
すなわち、ロータ突極7aの内周先端面26aには、ロータ突極側面部13afとステータ突極側面部12afを同一平面位置に配置したとき、ステータ突極側面部12arよりも回転方向後側にはみ出す延出部14が形成される。内周先端面26aの周方向長は、回転中心Oを中心として角度34°分であり、角度30°の外周先端面25aより4°円周方向に長い。従って、4°分だけロータ突極7aの内周先端面26aが回転方向後側へ延出し、そこに延出部14が形成される。なお、図6においても、角度の大きさは誇張して示されている。
このようなSRモータ20にて、励磁コイル11a〜11cに通電し励磁すると、ステータ突極4a〜4fとロータ突極7a〜7dの間に磁気吸引力が作用し、この磁気吸引力によって回転トルクが生じロータ22が駆動する。前述同様、SRモータ20では、ステータ突極4aの外周先端面25aと、ロータ突極7aの内周先端面26aが対向し始める位置にて励磁コイル11aへの通電が開始され、ステータ突極4aとロータ突極7aの間に磁気吸引力が発生してロータ22が時計方向に回転する。ロータ22が回転し、ステータ突極側面部12afとロータ突極側面部13afが同一直線上に位置すると、ステータ突極4aの外周先端面25aと、ロータ突極7aの内周先端面26aとが完全に互いに対向する。
両面25a,26aが完全に対向したとき励磁コイル11aへの通電を終了し、励磁コイル11cへの通電を開始する。これにより、ステータ突極4cとロータ突極7bの間に磁気吸引力が発生し、ロータ突極7bは時計方向に引き寄せられ、ロータ22は時計方向に回転する。この動作を繰り返し、励磁コイル11への通電を適宜11a,11c,11b,11a・・・と切り換えて行くことにより、SRモータ20は連続的に回転駆動する。
ここで、SRモータ20では、ステータ突極4aの外周先端面25aとロータ突極7aの内周先端面26aが重なり始める回転工程では、ステータ突極側面部12arとロータ突極側面部13afのなす角度は30度である。すなわち、SRモータ20もまたステータ突極側面部12arとロータ突極側面部13arを同一平面位置に配置可能な構成となっているため、側面部12af,13ar間のなす角度が30°となる。従って、この回転工程では、SRモータ20とSRモータ50は同一の磁気吸引力が円周方向に作用し、最大トルクTmax,Tmaxは等しい値となる。
その後、両面25a,26aが対向し、ステータ突極側面部12afとロータ突極側面部13afとが一致する回転工程にて励磁コイル11aの通電を終了する。このとき、SRモータ20では、外周先端面25aに比べて内周先端面26aが回転方向後側に長いため、延出部14の分だけロータ突極側面部13arが回転方向後側に張り出す(図6の状態)。従って、SRモータ20では、磁気吸引力は半径方向のみならず円周方向にも作用し、ロータ突極7aを回転方向に引き寄せる力が作用する。このため、SRモータ20では、最小トルクTminがゼロ値とはならず、いくらかの値を持つことになる。
このように、SRモータ20においても、その最大トルクTmaxが従来のSRモータ50と同等(Tmax=Tmax)でありながら、最小トルクTminは、従来よりも大きくなる(Tmin>Tmax)。このため、トルクリップルΔTが従来のSRモータ50に比して減少すると共に(ΔT<ΔT)、平均トルクも向上し、モータ駆動時の振動や音を低減させ、出力の向上を図ることが可能となる。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施例では、ロータ突極7aの外周先端面9aの角度を34°としたが、その角度は34°には限定されない。また、前述の実施例では、ロータ突極側面部13afと13arを平行に形成した例を示したが、ロータ突極形状はこれには限定されず、例えば、台形形状等としても良い。さらに、ステータ1やロータ2として、ケイ素鋼板等の磁性体薄板を積層したものを用いた例を示したが、これらに圧紛等により一体成形したものを用いても良い。
なお、前述の実施例では、図1において時計回りにロータ2が回転するものについて説明したが、反時計方向に回転駆動するSRモータに本発明の構成を適用することも可能である。この場合には、図2において、ロータ突極7aがY軸に対し対称な形状となるが、何れの回転方向であっても、回転方向後側(回転方向進行側と逆側)に外周先端面9aを延設する。
本発明の実施例1であるSRモータの構成を示す断面図である。 図1のSRモータの要部拡大図である。 図1のSRモータの回転工程を示す説明図である。 SRモータの一部を拡大した回転工程図であり、(a)は従来例1のSRモータ、(b)は図1のSRモータの回転工程図である。 ロータに作用するトルクのFEM解析結果を示した説明図である。 本発明の実施例2であるSRモータの構成を示す断面図である。 従来のSRモータ(従来例1)の構成を示す断面図である。 従来のSRモータの回転動作を示す説明図である。 SRモータの励磁コイルに矩形波電圧を印加した場合のロータ回転角とトルクとの関係を示す説明図である。 従来のSRモータ(従来例2)の構成を示す断面図である。 図10のSRモータの要部拡大図である。 従来例1と従来例2の回転工程を比較して示した説明図である。 従来例1と従来例2のSRモータにおけるロータ回転角とトルクとの関係を示す説明図である。
符号の説明
1 ステータ
2 ロータ
3 ヨーク部
4 ステータ突極
4a〜4f ステータ突極
5 回転軸
6 ボス部
7 ロータ突極
7a〜7d ロータ突極
8 内周先端面
8a 内周先端面
9 外周先端面
9a 外周先端面
10 SRモータ
11 磁励コイル
11a〜11c 励磁コイル
12af ステータ突極側面部(回転方向前側)
12ar ステータ突極側面部(回転方向後側)
13af ロータ突極側面部(回転方向前側)
13ar ロータ突極側面部(回転方向後側)
14 延出部
20 SRモータ
21 ステータ
22 ロータ
23 ボス部
24 ヨーク部
25 外周先端面
25a 外周先端面
26 内周先端面
26a 内周先端面
50 SRモータ
51 ステータ
52 ロータ
53 ステータ突極
53a〜53f ステータ突極
54 ロータ突極
54a〜54d ロータ突極
55 励磁コイル
55a〜55c 励磁コイル
56 内周先端面
56a 内周先端面
57 外周先端面
57a 外周先端面
58af ステータ突極側面部(回転方向前側)
58ar ステータ突極側面部(回転方向後側)
59af ロータ突極側面部(回転方向前側)
59ar ロータ突極側面部(回転方向後側)
60 SRモータ
61 ステータ
62 ロータ
63 ステータ突極
63a〜63f ステータ突極
64 ロータ突極
64a〜64d ロータ突極
65a〜65c 励磁コイル
66 内周先端面
66a 内周先端面
67 外周先端面
67a 外周先端面
68af ステータ突極側面部(回転方向前側)
68ar ステータ突極側面部(回転方向後側)
69af ロータ突極側面部(回転方向前側)
69ar ロータ突極側面部(回転方向後側)
O 回転中心
max 最大トルク(実施例)
min 最小トルク(実施例)
max 最大トルク(従来例1)
min 最小トルク(従来例1)
max 最大トルク(従来例2)
min 最小トルク(従来例2)
ΔT トルクリップル(実施例)
ΔT トルクリップル(従来例1)
ΔT トルクリップル(従来例2)
Y軸とロータ突極の回転方向後側の側面部との間の距離
Y軸とロータ突極の回転方向前側の側面部との間の距離
Wr ロータ突極幅
Ws ステータ突極幅

Claims (1)

  1. 径方向に延びるステータ突極を有するリング状のステータと、前記ステータの内側又は外側に同軸かつ回転自在に配置され、径方向に延びるロータ突極を有するロータと、前記各ステータ突極に巻装された励磁コイルとを備えてなるスイッチドリラクタンスモータであって、
    前記ロータ突極は、前記ロータの回転中心を通る前記ステータ突極の中心線に対して非対称であり、かつ、前記ステータ突極よりも円周方向の幅が大きく形成され、その回転方向前側に、前記ステータ突極の回転方向前側の側面部と同一平面位置に配置可能な側面部を有し、
    前記ロータ突極の径方向端面は、前記ロータ突極の回転方向前側の側面部を前記ステータ突極の回転方向前側の側面部と同一平面位置に配置したとき、前記ステータ突極の回転方向後側の側面部よりも回転方向後側に、該径方向端面の他の部位と同外径のまま前記ステータ突極と対向することなく周方向にはみ出す延出部を有することを特徴とするスイッチドリラクタンスモータ。
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