JP2000349362A - 圧電デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

圧電デバイスおよびその製造方法

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JP2000349362A JP11155386A JP15538699A JP2000349362A JP 2000349362 A JP2000349362 A JP 2000349362A JP 11155386 A JP11155386 A JP 11155386A JP 15538699 A JP15538699 A JP 15538699A JP 2000349362 A JP2000349362 A JP 2000349362A
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Noriyoshi Shibata
柴田  典義
Kenji Nomura
研二 野村
Hidemitsu Sakamoto
秀光 坂元
Sumio Kamiya
純生 神谷
Takashi Yamamoto
孝史 山本
Toshiatsu Nagaya
年厚 長屋
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Japan Fine Ceramics Center
Denso Corp
Toyota Motor Corp
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Denso Corp
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板(基層)や中間層に由来する欠陥の無い圧
電体薄膜およびその製造方法を提供する。 【解決手段】基板2上に圧電体膜6を備える圧電デバイ
スにおいて、基板2と圧電体膜6との間に酸化アルミニ
ウム層4を形成する。酸化アルミニウム層4により、基
板2側からの圧電体膜6に対する影響が遮断される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜の圧電性を応
用した電子デバイスの製造に関し、特にメモリ素子、セ
ンサー、およびアクチュエータ等に用いられる圧電デバ
イスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薄膜型の圧電デバイスを製造する方法と
して、シリコンウェハを基板としてスパッタ法などの気
相蒸着法やゾルゲル法などの液相法で、チタン酸鉛やチ
タン酸ジルコン酸鉛などの鉛系ペロブスカイト構造薄膜
を形成する手法が広く用いられている。その際のシリコ
ン基板と圧電体薄膜との間を絶縁し、ケイ素との化学反
応を抑制する中間層としてシリコンウェハ表面を酸化処
理して得られるシリコン酸化膜が採用されている。従来
の積層構造の概略を図4に示す。図4において、シリコ
ンウェハ22が酸素雰囲気中で約1000℃程度の高温
に加熱されることにより、シリコン酸化膜24が形成さ
れる。ついで、このシリコン酸化膜24の表面に圧電体
膜26が形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】シリコン酸化膜24の
中間層を用いると、圧電体膜26を構成する鉛成分がシ
リコン酸化膜24中のケイ素と化学反応するため、膜形
成時および熱アニール時に圧電体膜26に亀裂が入った
り剥離したりするという問題があった。また、圧電体膜
26を形成した後に熱アニールしてペロブスカイト構造
を形成する際に、シリコン酸化膜24と接触している領
域ではペロブスカイト構造化が困難であるという問題点
があった。そこで、本発明の課題は、上述した従来法の
欠点をなくし、基板(基層)や中間層に由来する欠陥の
無い圧電体薄膜およびその製造方法を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】従って上述の課題を達成
するため、本発明は、基板上に圧電体膜を備える圧電デ
バイスであって、基板と圧電体膜との間に酸化アルミニ
ウム層を有する圧電デバイスを提供する。また本発明
は、基板に、酸化アルミニウム膜を形成し、この酸化ア
ルミニウム層上に圧電体膜を形成する圧電デバイスの製
造方法を提供する。さらに、この圧電デバイスの製造方
法において、前記圧電体膜の直下に厚さ0.005μm
以上0.05μm以下のチタン層を形成する圧電デバイ
スの製造方法を提供する。
【0005】これらの発明によると、圧電体膜と基板側
との間に酸化アルミニウム層を有するため、基板側から
の圧電体膜に対する影響が遮断される。この結果、圧電
体膜形成時およびアニール時等において、圧電体膜に欠
陥等が発生しにくく、良好な圧電体膜が得られる。圧電
体膜の直下にチタン層を有すると、良好なペロブスカイ
ト構造を備えた圧電体膜が得られる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。 (圧電デバイス)本発明の圧電デバイスは、基板と圧電
体膜との間に酸化アルミニウム層を有している。本発明
の圧電デバイスを構成する基板は、特に限定しないが、
通常、シリコン基板である。シリコン基板と圧電体膜と
の間に酸化アルミニウム層を設けると、シリコン基板の
シリコン層、あるいは酸化シリコン層に起因する圧電体
膜への悪影響を有効に抑制できるため、好ましい。本発
明における圧電体膜の組成は、特に限定しないが、ペロ
ブスカイト構造や擬ペロブスカイト構造を取りうる化合
物を主成分とすることが好ましい。ペロブスカイト構造
を採りうる化合物としては、チタン酸鉛、各種チタン酸
ジルコン酸鉛等の鉛系ペロブスカイト化合物やバリウム
系ペロブスカイト化合物である。具体的には、PbTi
3、Pb(Ti,Zr)O3、(Pb,La)(Ti,
Zr)O3、PbNb26、BaTiO3等である。好ま
しくは、Pb(Ti,Zr)O3である。また、擬ペロ
ブスカイト構造を採りうる化合物としては、ビスマス系
化合物である。具体的には、Bi4Ti312、Bi4
aTi415、(Ba,Sr)TiO3、SrBi2Ta2
9等である。好ましくは、SrBi2Ta29である。
【0007】この圧電体膜と基板との間には、酸化アル
ミニウム層が介在されている。酸化アルミニウム層は、
基板側と遮断するために形成されている。特に、シリコ
ン基板、特に、シリコン酸化膜と圧電体膜との間を遮断
するために形成される。したがって、酸化アルミニウム
層は、圧電体膜の直下でなく、シリコン基板、特にシリ
コン酸化膜と圧電体膜との間のいずれかの層に形成され
ていればよいが、圧電体膜の膜形成に悪影響を抑制する
という観点からは、基板に接して酸化アルミニウム層が
形成され、さらにこの酸化アルミニウム層の直上あるい
は、電極を介して圧電体膜を有していることが好まし
い。酸化アルミニウム層は、1層だけでなく、2層以上
であってもよい。
【0008】酸化アルミニウム層は、アモルファス相で
あっても、結晶相であっても良いが、好ましくはアモル
ファス相である。アモルファス相は容易に形成されるか
らである。また、本発明の酸化アルミニウム層は、好ま
しくは、0.05μm以上0.5μm以下の範囲の厚さ
を有していることが好ましい。この範囲の厚さである
と、基板側からの影響を遮断して圧電体膜の亀裂や剥離
の発生を効果的に抑制できる。0.05μm未満である
と遮断効果がなく、0.5μmを超えると、熱歪みによ
る内部応力が高くなるからである。より好ましくは、
0.1μm以上0.2μm以下である。なお、2層以上
の酸化アルミニウム層を有する場合であっても、1層に
つき、上記各範囲の厚さを有していることが好ましい。
酸化アルミニウム層は、圧電体膜の基板側に形成されて
いればよい。したがって、シリコン基板であっても、ま
た、シリコン酸化膜を有していても、これらの上層側に
酸化アルミニウム層を有していればよい。また、シリコ
ンの自然酸化膜が残存していても上層に酸化アルミニウ
ム層を有していればよい。
【0009】また、このように形成した酸化アルミニウ
ム層と圧電体膜との間において、圧電体膜の直下には、
チタン層を備えていることが好ましい。チタン層は、そ
の表面にペロブスカイト構造をとりうる組成の膜が形成
された状態で熱アニールすると、圧電体膜の下層に一体
化される。また、チタン層は、ペロブスカイト構造の結
晶核の発生を容易にする。好ましいチタン膜の厚さは、
0.005μm以上0.05μm以下である。より好ま
しくは、0.01μm以上0.02μm以下である。
【0010】このように、酸化アルミニウム層を基板側
との間に中間層として有していると、圧電体膜に欠陥の
発生等を抑制等できるため、例えば、チタン酸ジルコン
酸鉛の場合には、比誘電率1300以上および/または
残留分極20μC/cm2以上の圧電特性が得られる圧
電デバイスとなっている。特に、中間層として酸化アル
ミニウム層とチタン層とを有する場合には、良好なペロ
ブスカイト構造と欠陥発生の抑制された中間層とを備
え、良好な圧電特性、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛の
場合には、比誘電率1500以上および/または残留分
極20μC/cm2以上を有する。
【0011】なお、本発明の圧電デバイスは、上記した
構造を備えるとともに、メモリ素子、センサー、アクチ
ュエーター等の各種デバイスとして、通常必要な構造も
備えている。電極を備える場合には、特に、下層側電極
は、中間層として酸化アルミニウムをのみの場合には、
酸化アルミニウム層の直上に形成することができ、さら
に、チタン層を備える場合には、酸化アルミニウム層の
直上に形成することができる。
【0012】(圧電デバイスの製造方法)次に、このよ
うな圧電デバイスを製造する方法について説明する。本
発明の圧電デバイスの製造方法は、通常の圧電デバイス
の製造工程において、基板上に酸化アルミニウム層を形
成し、その後、この酸化アルミニウム層の上方に圧電体
膜を形成することを特徴とする。
【0013】基板の種類は問わない。シリコン基板ある
いはシリコン層の表面に形成されている自然酸化膜は除
去してもよいが、特に除去しないでもよい。酸化アルミ
ニウム層がシリコン酸化膜の影響を遮断できるからであ
る。酸化アルミニウム層を形成する方法は、特に限定し
ないで、従来公知の方法を使用できる。各種スパッタリ
ング法等の気相蒸着法、化学蒸着法、物理的蒸着法、エ
ピタキシャル法、ゾルゲル法等の液相法等である。な
お、本発明のデバイスの酸化アルミニウム層は、アモル
ファス相が好ましい。したがって、アモルファス相が得
られやすい方法が好ましい。また、アモルファス相でな
い場合には、アモルファス化するのが好ましい。酸化ア
ルミニウム層を形成するのに好ましい方法は、スパッタ
リング法、反応性スパッタリング等である。
【0014】酸化アルミニウム層は、0.05μm以上
0.5μm以下に形成する。圧電体膜の亀裂や剥離の発
生を効果的に抑制できる。より好ましくは、0.1μm
以上0.2μm以下である。酸化アルミニウム層は、複
数層形成してもよい。基板上において、シリコン層や酸
化シリコン層が存在する場合には、その上層に酸化アル
ミニウム層を形成することができる。このような酸化ア
ルミニウム層により、より上層側に形成する圧電体膜へ
のシリコン層や酸化シリコン層の影響が排除されうる。
なお、2層以上の酸化アルミニウム層を有する場合であ
っても、1層につき、上記各範囲の厚さを有することが
好ましい。
【0015】この酸化アルミニウム層の上層側にさら
に、チタン層を設けることにより、良好なペロブスカイ
ト構造を備える圧電体膜が得られる。チタン層は、ペロ
ブスカイト構造の結晶核形成を容易にする。また、後に
ペロブスカイト構造の膜(圧電体膜)に一体化される。
チタン層を設けるには、従来公知の各種方法を使用する
ことができる。好ましくは、スパッタリング法によって
形成することが好ましい。チタン層の好ましい厚さは、
0.005μm以上0.05μm以下である。なお、チ
タン層は、圧電体膜の直下に形成するのが好ましい。
【0016】酸化アルミニウム層、あるいは酸化アルミ
ニウム層とチタン層とを備える中間層を形成したら、圧
電体膜を形成する。圧電体膜の組成は、圧電デバイスに
おいて説明したように、特に限定しないが、ペロブスカ
イト構造や擬ペロブスカイト構造を取りうる化合物を主
成分とすることが好ましい。ペロブスカイト構造を採り
うる化合物としては、チタン酸鉛、各種チタン酸ジルコ
ン酸鉛等の鉛系ペロブスカイト化合物やバリウム系ペロ
ブスカイト化合物である。具体的には、PbTiO3、
b(Ti,Zr)O3、(Pb,La)(Ti,Zr)
3、PbNb26、BaTiO3等である。好ましく
は、Pb(Ti,Zr)O3である。また、擬ペロブス
カイト構造を採りうる化合物としては、ビスマス系化合
物である。具体的には、Bi4Ti312、Bi4BaT
415、(Ba,Sr)TiO3、SrBi2Ta29
等である。好ましくは、SrBi2Ta29である。
【0017】圧電体膜の形成方法は、各種スパッタリン
グ法等の気相蒸着法、化学蒸着法、物理的蒸着法、エピ
タキシャル法、ゾルゲル法等の液相法など、従来公知の
各種方法を使用できるが、好ましくは、スパッタリング
である。圧電体膜の厚さは、好ましくは、0.1μm以
上5μm以下である。得られた圧電体膜がアモルファス
相の場合には、さらに熱アニールする。アニールの方法
は特に問わないが、熱アニールの温度は、圧電体膜の構
成材料に適した温度とする。例えば、チタン酸ジルコン
酸鉛では、通常600℃以上であり、好ましくは、65
0℃以上700℃以下の範囲である。特に、中間層とし
て酸化アルミニウム層とチタン層とを有する場合には、
比較的低いアニール温度、例えば、チタン酸ジルコン酸
鉛では、600℃以下のアニール温度、具体的には、5
50℃であっても良好なペロブスカイト構造が得られ
る。また、かかるアニール条件では、中間層である酸化
アルミニウム層においては、微細な空洞などの欠陥発生
が抑制される。したがって、得られた圧電デバイスは、
良好なペロブスカイト構造と欠陥発生の抑制された中間
層とを備え、良好な圧電特性、具体的には、チタン酸ジ
ルコン酸鉛の場合には、比誘電率1500以上、残留分
極20μC/cm2以上を有する。なお、アニール時の
雰囲気は、酸素雰囲気を利用できる。
【0018】この方法によれば、欠陥や剥離の抑制され
た圧電体膜が形成できる。また、良好なペロブスカイト
構造も得られる。さらに、中間層として、チタン層も備
えている場合には、より一層良好なペロブスカイト構造
が得られ、また、中間層である酸化アルミニウム層自体
の欠陥も抑制できる。
【0019】この方法を用いて各種圧電デバイスを形成
するには、デバイスに応じた構成部分を付与するのに必
要な工程が、常法に従って付加される。電極層は、この
方法において、適切な段階で付加することができる。
【0020】以上説明した実施形態に基づいて、本発明
は、特に、以下の形態を採用することができる。 (1)シリコン基板上に形成された圧電デバイスであっ
て、厚みが0.05μm以上0.5μm以下である酸化
アルミニウム層、電極層、圧電体膜の順の積層構造を備
える圧電デバイス。 (2)前記圧電体膜は、鉛系ペロブスカイト化合物を主
成分とする前記(1)に記載の圧電デバイス。 (3)圧電デバイスの製造方法であって、シリコン基板
上に、酸化アルミニウム層を形成し、その後、圧電体膜
を形成する、圧電デバイスの製造方法。 (4)圧電デバイスの製造方法であって、シリコン基板
上に、酸化アルミニウム層を形成し、その後、チタン層
を形成し、このチタン層に接して圧電体膜を形成する、
圧電デバイスの製造方法。 (5)前記チタン層の厚みが、0.005μm以上0.
05μm以下である前記(4)記載の方法。 (6)前記酸化アルミニウム層の厚さが、0.05μm
以上0.5μm以下である前記(3)から(5)のいず
れかに記載の方法。 (7)前記圧電体膜は、鉛系ペロブスカイト化合物を主
成分とする前記(3)〜(6)のいずれかに記載の方
法。
【0021】
【発明の効果】上述した本発明によれば、酸化アルミニ
ウム層に接して圧電体膜を有するため、酸化アルミニウ
ム層より下層側にある基板側層の圧電体膜への影響が排
除されており、構造欠陥の抑制された圧電デバイスを提
供できる。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の実施例を、図面を参照しな
がら説明する。 (実施例1)本実施例は、図1に示す積層構造体8の製
造例及び圧電デバイスへの適用例である。本実施例で
は、シリコン基板2上に、中間層として酸化アルミニウ
ム層4を、圧電体膜としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZ
T)膜6をスパッタリング法で形成して、シリコン基板
2上に酸化アルミニウム層4とPZT膜6とが積層され
た積層構造体8を形成した。また、この積層構造体8に
おける構造欠陥や結晶構造を評価し、さらに、この積層
構造を圧電デバイスに適用した場合の圧電特性を評価し
た。
【0023】まず、表面を洗浄処理したシリコン(10
0)基板2をスパッタリング用真空槽に設置し、A1タ
ーゲットを用いて、反応性スパッタリングにより酸化ア
ルミニウム薄膜4を形成した。励起ガスは酸素:アルゴ
ン=1:1とし、DC電力200Wで30分間スパッタ
することで厚さ約100nmのアモルファス酸化アルミ
ニウム薄膜4が得られた。
【0024】続いてこのシリコン基板2をPZTターゲ
ット上に移動し、励起ガスを純アルゴンとしRF電力1
00wで90分間スパッタすることによりアモルファス
薄膜を形成した。次にこのシリコン基板2をスパッタリ
ング装置から取り出し、酸素雰囲気中700℃で2時間
アニールし、PZTを結晶化して、圧電体膜6を形成し
て、図1に示す積層構造体8を得た。
【0025】このようにして製造した構造体8の圧電体
膜6および酸化アルミニウム層4をX線回折により測定
したところ、完全なペロブスカイト構造であることがわ
かった。また、酸化アルミニウム層4は、アモルファス
構造を保っていることがわかった。また、走査電子顕微
鏡により観察したところ、酸化アルミニウム層4には、
微細な空洞が観察されたが、圧電体膜6には、剥離や亀
裂等は観察されなかった。
【0026】次に圧電特性を評価するため、前記アルミ
ニウム中間層4を形成した直後にPt電極層をスパッタ
リングにより形成する工程を付加した以外は、前記構造
体8の製造工程と同様にして、評価用試料を調製した。
この試料の比誘電率をLCRメーターにより測定したと
ころ1300であった。また、ソーヤータワー回路によ
り残留分極を測定したところ、15μC/cm2であ
り、良好な特性が得られた。
【0027】(実施例2)実施例2を、図2及び図3に
基づいて説明する。本実施例では、シリコン基板12上
に、中間層として酸化アルミニウム層14とチタン層1
5を形成し、さらに圧電体膜としてチタン酸ジルコン酸
鉛(PZT)膜16をスパッタリング法で形成して、そ
の後、熱アニールして、積層構造体18を形成し、た。
また、この積層構造における構造欠陥や結晶構造を評価
し、さらに、この積層構造を圧電デバイスに適用した場
合の圧電特性を評価した。
【0028】表面を洗浄処理したシリコン(100)基
板12をスパッタリング用真空槽に設置し、A1ターゲ
ットを用いて反応性スパッタリングにより酸化アルミニ
ウム層14を形成した。励起ガスは酸素:アルゴン=
1:1とし、DC電力200Wで30分間スパッタする
ことで厚さ約100nmのアモルファス酸化アルミニウ
ム薄膜14を得た。続いてこの基板12をTiターゲッ
ト上に移動し、励起ガスを純アルゴンとして厚さ約10
nmのTi膜15を形成した。続いて基板12をPZT
ターゲット上に移動し、励起ガスを純アルゴンとしRF
電力100Wで90分間スパッタすることによりPZT
アモルファス膜を形成し、図2に示す積層構造を得た。
次にこの基板12をスパッタリング装置から取り出し、
酸素雰囲気中600℃2時間アニールし、PZT膜を結
晶化して、圧電体膜16を形成して、図3に示す積層構
造体18を得た。
【0029】このようにして製造した構造体18の圧電
体膜16及び酸化アルミニウム層14とをX線回折によ
り測定したところ、圧電体膜16は、完全なペロブスカ
イト構造であり、(111)方向に配向していることが
わかった。なお、チタン層14は、圧電体膜16の下層
に一体化されていた。酸化アルミニウム層14は、アモ
ルファス構造を維持していた。さらに、酸化アルミニウ
ム層14の断面を走査電子顕微鏡で観察したところ、酸
化アルミニウム層14は欠陥のない平坦な形状を維持し
ていた。また、圧電体膜16の全体にわたって亀裂や剥
離は検出されなかった。
【0030】次に圧電特性を評価するため、前記アルミ
ニウム中間層14を形成した直後にPt電極層をスパッ
タリングにより形成する工程を付加した以外は、前記構
造体18の製造工程と同様にして、評価用試料を調製し
た。この試料の比誘電率をLCRメーターにより測定し
たところ1500であった。また、ソーヤータワー回路
により残留分極を測定したところ、20μC/cm2
あり、良好な特性が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造した圧電体膜の積層構造を示す
図である。
【図2】実施例2で製造した圧電体膜の積層構造(アニ
ール前)を示す図である。
【図3】実施例2で製造した圧電体膜の積層構造(アニ
ール後)を示す図である。
【図4】従来の圧電体膜の積層構造を示す図である。
【符号の説明】
2、12、22 シリコン基板 4、14 酸化アルミニウム層 6、16 圧電体膜 8、18 積層構造体 15 チタン層
フロントページの続き (72)発明者 柴田 典義 愛知県名古屋市熱田区六野二丁目4番1号 財団法人ファインセラミックスセンター (72)発明者 野村 研二 愛知県名古屋市熱田区六野二丁目4番1号 財団法人ファインセラミックスセンター (72)発明者 坂元 秀光 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 神谷 純生 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 山本 孝史 愛知県大府市若草町1−10 株式会社デン ソー内 (72)発明者 長屋 年厚 愛知県大府市若草町1−10 株式会社デン ソー内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に圧電体膜を備える圧電デバイスで
    あって、基板と圧電体膜との間に酸化アルミニウム層を
    有する圧電デバイス。
  2. 【請求項2】基板に、酸化アルミニウム膜を形成し、こ
    の酸化アルミニウム層上に圧電体膜を形成する圧電デバ
    イスの製造方法。
  3. 【請求項3】前記圧電体膜の直下には、0.005μm
    以上0.05μm以下の厚みのチタン層を形成する請求
    項2記載の圧電デバイスの製造方法。
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