JP2000348905A - 薄膜サーミスタ素子および薄膜サーミスタ素子の製造方法 - Google Patents

薄膜サーミスタ素子および薄膜サーミスタ素子の製造方法

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JP2000348905A JP11156661A JP15666199A JP2000348905A JP 2000348905 A JP2000348905 A JP 2000348905A JP 11156661 A JP11156661 A JP 11156661A JP 15666199 A JP15666199 A JP 15666199A JP 2000348905 A JP2000348905 A JP 2000348905A
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sputtering
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Akiyuki Fujii
映志 藤井
Atsushi Tomosawa
淳 友澤
Hideo Torii
秀雄 鳥井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抵抗値等のバラツキを小さく抑えて、高い精
度を得ることができるとともに、高温耐久性などを向上
させて、高い信頼性を得ることができる薄膜サーミスタ
素子を形成する。 【解決手段】 アルミナから成る下地基板12上に、下
地層16と、サーミスタ薄膜13と、Pt薄膜から成る
1対のくし形電極14,15とが形成されて成ってい
る。上記サーミスタ薄膜13は、例えばMn−Co−N
iの複合酸化物から成り、(100)面に優先配向し
た、すなわち主として(100)面に配向したスピネル
型結晶構造を有している。下地層16は、アルゴンガス
雰囲気中でスパッタリングによって形成され、サーミス
タ薄膜13は、アルゴンと酸素との混合ガス雰囲気中で
スパッタリングによって形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報処理機器や、
通信機器、住宅設備機器、自動車用電装機器などの温度
センサに用いられる薄膜サーミスタ素子およびその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】温度検知に用いられる素子として、酸化
物半導体材料を用いたサーミスタ素子は、従来、例えば
Mn,Co,Ni,Feなどの遷移金属を主成分とした
スピネル型結晶構造を有する酸化物焼結体チップの端面
に、Agなどの電極を塗布や焼き付けにより形成して構
成されている。
【0003】上記のようなサーミスタ素子は、熱電対や
白金測温抵抗体と比較すると、 (1)抵抗の温度変化が大きいため温度分解能が高い (2)簡単な回路での計測が可能である (3)材料が比較的安定でかつ外界の影響を受けにくい
ため経時変化が少なく信頼性が高い (4)大量生産が可能であり安価である などといった特徴を有するため、多く用いられている。
【0004】ところで、近年、電子機器の小型軽量化や
高性能化に伴い、サーミスタ素子にも素子サイズの超小
型化(例えば1mm×0.5mmサイズ以下)や、測定
温度での抵抗値やB定数(温度に対する抵抗の変化率)
の高精度化(例えばバラツキが3%以下)などが求めら
れている。ところが、上記のような酸化物焼結体を用い
たサーミスタは、加工上の問題から大幅に小型化するこ
とが困難である。しかも、小型化するほど、加工精度の
問題から抵抗値やB定数のバラツキが大きくなってしま
うといった欠点があった。
【0005】そこで、上記のようなサーミスタ素子に対
して、サーミスタ材料や電極の形成に薄膜技術を用いた
薄膜サーミスタ素子の開発が盛んになされている。この
種の薄膜サーミスタ素子は、例えばMn,Ni,Co、
Feなどから成る複合酸化物の焼結体をターゲットとし
たスパッタリング法によりサーミスタ薄膜を形成をした
後、このサーミスタ薄膜上に所定の電極パターンを形成
することによって製造される。ところが、上記のように
スパッタリングによって形成されたサーミスタ薄膜で
は、良好な結晶性が得られにくく、安定性が低いため、
抵抗値やB定数の経時変化が大きく、特に、高温耐久性
が低いという問題点がある。この問題点に関しては、ス
パッタリングによって形成されたサーミスタ薄膜を例え
ば200〜800℃の大気中で熱処理し、スピネル型構
造への結晶化を行う技術が知られている(特開昭63−
266801号公報、特開平3−54842号公報、お
よび増田陽一郎他:八戸工業大学紀要、第8巻、pp.2
5〜34)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにスパッタリングにより形成された酸化物半導体の
サーミスタ薄膜を熱処理によって結晶成長させた場合、
得られる多結晶体における結晶粒径のバラツキが大きく
なりがちである。そのため、例えば同一ロットで製造さ
れたサーミスタ素子であっても、抵抗値やB定数などの
電気特性のバラツキが大きいという問題点を有してい
た。
【0007】また、例えば400℃以上の温度で熱処理
したとしても、安定性を大幅に向上させることは困難
で、高温耐久性を向上させることが困難であるという問
題点をも有していた。
【0008】本発明は、上記の点に鑑み、抵抗値等のバ
ラツキを小さく抑えて、高い精度を得ることができると
ともに、高温耐久性などを向上させて、高い信頼性を得
ることができる薄膜サーミスタ素子およびその製造方法
の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1の発明は、サーミスタ薄膜と、上記サーミ
スタ薄膜に設けられた1対の電極とを有する薄膜サーミ
スタ素子であって、上記サーミスタ薄膜が、下地基板上
にアルゴンガス雰囲気中でスパッタリング法によって膜
形成された下地層上に、アルゴンと酸素との混合ガス雰
囲気中でスパッタリング法によって膜形成されたことを
特徴としている。
【0010】このようなサーミスタ薄膜は、アルゴンガ
ス雰囲気中だけで形成されたり、アルゴンと酸素との混
合ガス雰囲気中で下地層を形成することなく形成された
りしたサーミスタ薄膜に比べて、結晶粒径のバラツキが
比較的小さいため、抵抗値やB定数(温度に対する抵抗
の変化率)などのバラツキが小さく、しかも、結晶状態
が比較的安定であるため、高温耐久性が高い。したがっ
て、このような結晶構造を持たせることにより、高精度
で高信頼性のサーミスタ素子を得ることができる。
【0011】また、請求項2ないし請求項6の発明は、
上記のようなサーミスタ薄膜が、(100)面に配向し
たスピネル型結晶構造を有し、また、マンガンを主成分
とした酸化物薄膜であり、また、さらに、コバルト、ニ
ッケル、鉄、アルミニウム、銅、およびクロムのうちの
少なくとも1種の元素を含み、また、上記スパッタリン
グ法による膜形成がなされた後に、熱処理が施され、ま
た、上記サーミスタ薄膜に対して垂直な方向に柱状に結
晶成長した結晶粒を有していることを特徴としている。
【0012】これらにより、より高精度で高信頼性のサ
ーミスタ素子を容易に得ることができる。
【0013】また、請求項7ないし請求項11の発明
は、サーミスタ薄膜と、上記サーミスタ薄膜に設けられ
た1対の電極とを有する薄膜サーミスタ素子の製造方法
であって、下地基板上に、アルゴンガス雰囲気中でスパ
ッタリング法によって下地層を形成する工程と、上記下
地層上に、アルゴンと酸素との混合ガス雰囲気中でスパ
ッタリング法によって上記サーミスタ薄膜を形成する工
程とを有することを特徴とし、また、上記サーミスタ薄
膜を形成する工程で、(100)面に配向したスピネル
型結晶構造を有するサーミスタ薄膜を形成することを特
徴とし、また、さらに、上記サーミスタ薄膜を熱処理す
る工程を有することを特徴とし、また、上記スパッタリ
ング法による上記下地層および上記サーミスタ薄膜の膜
形成を、マンガンを主成分とした酸化物焼結体をターゲ
ットとして行うことを特徴とし、また、さらに、コバル
ト、ニッケル、鉄、アルミニウム、銅、およびクロムの
うちの少なくとも1種の元素を含むことを特徴としてい
る。
【0014】これらにより、前記のような高精度で高信
頼性のサーミスタ素子を容易に製造することができる。
【0015】ここで、上記スパッタリング法による膜形
成時の基板温度や熱処理温度は、形成するサーミスタ薄
膜の組成や成膜時間などに応じて種々に設定されるが、
例えば、膜形成は基板が200〜600℃に加熱された
状態で行い、熱処理は600〜1000℃の大気中で行
うことによって、上記のようなサーミスタ素子を容易に
製造することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の薄膜サーミスタ素子11
は、図1に示すように、アルミナから成る下地基板12
上に、下地層16と、サーミスタ薄膜13と、Pt薄膜
から成る1対のくし形電極14,15とが形成されて成
っている。上記サーミスタ薄膜13は、例えばMn−C
o−Niの複合酸化物から成り、(100)面に優先配
向した、すなわち主として(100)面に配向したスピ
ネル型結晶構造を有している。
【0017】上記のようなサーミスタ薄膜13は、例え
ば図2に示すようなスパッタ装置21によって形成する
ことができる。このスパッタ装置21には、下地基板1
2を保持する基板ホルダ22と、例えば直径が8インチ
のMn−Co−Niから成る複合酸化物の焼結体ターゲ
ット23とが50mmの間隔で対向して設けられてい
る。上記焼結体ターゲット23には、高周波電源25
(13.56MHz)が接続されている。上記基板ホル
ダ22および焼結体ターゲット23は、例えばアルゴン
ガス、またはアルゴンと酸素との混合ガスが充填された
図示しないチャンバ内に設けられている。
【0018】上記基板ホルダ22に下地基板12を保持
させて加熱し、焼結体ターゲット23に高周波電圧を印
加すると、焼結体ターゲット23から飛来する粒子がス
パッタリングされて、下地層16およびサーミスタ薄膜
13が形成される。なお、上記スパッタリングの際に、
例えば基板ホルダ22を回転させるようにして、サーミ
スタ薄膜13の均一性をより向上させ得るようにしても
よい。
【0019】上記のようにして形成されたサーミスタ薄
膜13を所定の温度で熱処理することにより、主として
(100)面に配向したスピネル型結晶構造を有し、結
晶粒径の揃ったサーミスタ薄膜13が得られる。
【0020】
【実施例】以下、より具体的なサーミスタ薄膜13の形
成条件(スパッタリングおよび熱処理条件)、および得
られたサーミスタ薄膜13と薄膜サーミスタ素子11の
特性について説明する。
【0021】実施例1〜5については、下記(表1)に
示す条件、すなわちアルゴンガス雰囲気中でスパッタリ
ングを行うことにより、下地基板12上に下地層16と
してのサーミスタ層が形成される。次に、引き続き、下
記(表2)に示すように、アルゴンガスに加えてさらに
酸素ガスを導入するとともにプラズマパワーを増大させ
てサーミスタ薄膜13を形成した後、同表に示す条件で
大気中で熱処理した。ここで、下地基板12としては、
50mm×50mm×0.3mmの大きさで、表面の凹
凸が0.03μm以下になるように研磨したアルミナ基
板を用いた。また、基板ホルダ22には、上記下地基板
12とともに、結晶性を評価するためのガラス基板31
を保持させた。
【0022】また、比較例1(a)〜5(a)、および
比較例1(b)〜5(b)については、上記のような下
地層16を形成することなく、(表2)に示す条件で下
地基板12上に、直接、サーミスタ薄膜13を形成し、
熱処理した。すなわち、比較例1(a)〜5(a)は、
それぞれ対応する実施例1〜5の下地層16と同じ条件
で成膜時間だけを長くして成膜したものであり、比較例
1(b)〜5(b)は、それぞれ対応する実施例1〜5
のサーミスタ薄膜13と同じ条件で成膜したものであ
る。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】 上記のようにしてガラス基板31上に形成され、熱処理
されたサーミスタ薄膜13について、 (1)X線マイクロアナライザによる組成分析 (2)X線解析(XRD)による結晶構造の観察 (3)走査型電子顕微鏡(SEM)による膜表面と破断
面の観察 を行った。その結果を下記(表3)に示す。
【0025】
【表3】 具体的には、例えば実施例1および比較例1(a)
(b)においては、X線マイクロアナライザによる組成
分析によれば、熱処理後のサーミスタ薄膜13の膜組成
は、Mn:Co:Ni=63:19:18(実施例
1)、61:20:19(比較例1(a))、または、
59:23:18(比較例1(b))であった。ここ
で、これらの実施例1および比較例1(a)(b)の場
合には、焼結体ターゲット23としてMn−Co−Ni
複合酸化物(組成Mn:Co:Ni=65:15:2
0)の焼結体を用いたが、形成されるサーミスタ薄膜1
3の組成は上記のように焼結体ターゲット23とは若干
異なったものとなった。なお、他の実施例および比較例
においても、焼結体ターゲット23の組成を適宜選択す
ることにより、同表に示すような膜組成のサーミスタ薄
膜13を形成することができる。
【0026】また、X線解析によれば、実施例1〜5、
および比較例1(a)〜5(a)においては、熱処理後
のサーミスタ薄膜13は主として(100)面に配向し
たスピネル型結晶構造を有している一方、比較例1
(b)〜5(b)においては、配向がランダムな(結晶
配向性を示さない)スピネル型結晶構造を有しているこ
とがわかった。
【0027】さらに走査型電子顕微鏡による膜表面およ
び破断面の観察によれば、熱処理後のサーミスタ薄膜1
3の結晶粒は、実施例1〜5、および比較例1(a)〜
5(a)においては、図3に模式的に示すような柱状構
造を有している一方、比較例1(b)〜5(b)におい
ては上記のような柱状構造は有していなかった。また、
結晶粒径のバラツキ(値の範囲)は、上記(表3)に示
すように、各実施例1〜5、および比較例1(a)〜5
(a)の方が各比較例1(b)〜5(b)よりも小さか
った。なお、上記SEMによる観察においては、熱処理
後のサーミスタ薄膜13では、下地層とサーミスタ層と
の境界は明確には観察されなかった。
【0028】次に、上記のようにして下地基板12上に
形成され、熱処理されたサーミスタ薄膜13上の全面
に、厚さが0.1μmのPt薄膜およびレジストパター
ンを形成し、Ar(アルゴンガス)によるドライエッチ
ングを用いたフォトリソグラフィプロセスによりパター
ニングして、くし形電極14,15を形成した。次い
で、ダイシング装置を用い、基板周辺部を除いて1×
0.5mmサイズにカットすることにより、前記図1に
示した構成の薄膜サーミスタ素子11を1000個作製
し、抵抗値およびB定数(温度に対する抵抗の変化率)
を測定して、平均値、およびバラツキ((最大値−最小
値)/平均値)を求めた。また、上記薄膜サーミスタ素
子11を200℃の大気中に1000時間放置する高温
耐久性試験を行った後に、再度、抵抗値およびB定数を
測定して、高温耐久性試験前後の変化率を算出した。上
記抵抗値およびB定数の平均値、バラツキ、高温耐久性
変化を上記(表3)に併せて示す。
【0029】上記(表3)から明らかなように、比較例
1(a)〜5(a)では、主として(100)面に配向
したスピネル型結晶構造で柱状構造を有しており、結晶
粒径のバラツキは比較的小さいが、高温耐久性がかなり
劣ったものとなる。一方、比較例1(b)〜5(b)で
は、スピネル型結晶構造ではあるが、配向性および柱状
構造を有さず、結晶粒径のバラツキが大きいため、電気
特性のバラツキが大きなものとなる。すなわち、実施例
1〜5のように、あらかじめアルゴンガス雰囲気中でス
パッタリングを行って下地層16を形成した後に、アル
ゴンと酸素との混合ガス雰囲気中でスパッタリングを行
って、主として(100)面に配向したスピネル型結晶
構造を有するサーミスタ薄膜13を形成することによ
り、アルゴンガス雰囲気中だけでサーミスタ薄膜13を
形成する場合や、初めからアルゴンと酸素との混合ガス
雰囲気中でサーミスタ薄膜13を形成する場合に比べ
て、電気特性のバラツキが小さく、しかも、高温耐久性
に優れた薄膜サーミスタ素子を得ることができる。な
お、複合酸化物の組成は、上記(表3)に示したものに
限らず、他の組成とした場合においても、同様に優れた
結果が得られた。
【0030】また、サーミスタ薄膜の全域にわたって上
記のように主として(100)面に配向したスピネル型
結晶構造を有するものに限らず、スピネル型結晶相中に
部分的にビックスバイト型結晶相やNaCl型結晶相が
含まれていてもよい。
【0031】また、上記の例では下地基板としてアルミ
ナ基板を用いたが、その他のセラミクス基板やガラス基
板などを用いた場合においても、同様に優れた結果が得
られた。
【0032】また、下地層の形成とサーミスタ薄膜の形
成とは、上記のように連続して行うものに限らず、例え
ば製造設備等に応じて、下地層形成用の装置とサーミス
タ薄膜形成用の装置とを用い、下地層の形成とサーミス
タ薄膜の形成とを分離して行などしてもよい。
【0033】また、薄膜サーミスタ素子の構造は、上記
のようにサーミスタ薄膜における同一の表面上に1対の
くし形電極が形成されたものに限らず、サーミスタ薄膜
の両面側に、サーミスタ薄膜を挟むように1対の電極を
設けるようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0035】すなわち、下地基板上に、アルゴンガス雰
囲気中でスパッタリング法によって下地層を形成した後
に、上記下地層上に、アルゴンと酸素との混合ガス雰囲
気中でスパッタリング法によって上記サーミスタ薄膜を
形成することにより、そのようなサーミスタ薄膜は結晶
粒径のバラツキが比較的小さいため、抵抗値やB定数な
どのバラツキが小さく、しかも、結晶状態が比較的安定
であるため、高温耐久性が高いので、高精度で高信頼性
のサーミスタ素子を得ることができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜サーミスタ素子の構成を示す斜視
【図2】本発明の薄膜サーミスタ素子の製造装置の構成
を示す斜視図
【図3】本発明のサーミスタ薄膜の結晶形態を示す説明
【符号の説明】
11 薄膜サーミスタ素子 12 下地基板 13 サーミスタ薄膜 14,15 くし形電極 16 下地層 21 スパッタ装置 22 基板ホルダ 23 焼結体ターゲット 25 高周波電源 31 ガラス基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳥井 秀雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E034 BA09 BB08 BC02 BC05 DA02 DC01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サーミスタ薄膜と、上記サーミスタ薄膜に
    設けられた1対の電極とを有する薄膜サーミスタ素子で
    あって、 上記サーミスタ薄膜が、下地基板上にアルゴンガス雰囲
    気中でスパッタリング法によって膜形成された下地層上
    に、アルゴンと酸素との混合ガス雰囲気中でスパッタリ
    ング法によって膜形成されたことを特徴とする薄膜サー
    ミスタ素子。
  2. 【請求項2】請求項1の薄膜サーミスタ素子であって、 上記サーミスタ薄膜は、(100)面に配向したスピネ
    ル型結晶構造を有していることを特徴とする薄膜サーミ
    スタ素子。
  3. 【請求項3】請求項1の薄膜サーミスタ素子であって、 上記サーミスタ薄膜は、マンガンを主成分とした酸化物
    薄膜であることを特徴とする薄膜サーミスタ素子。
  4. 【請求項4】請求項3の薄膜サーミスタ素子であって、 上記サーミスタ薄膜は、さらに、コバルト、ニッケル、
    鉄、アルミニウム、銅、およびクロムのうちの少なくと
    も1種の元素を含むことを特徴とする薄膜サーミスタ素
    子。
  5. 【請求項5】請求項1の薄膜サーミスタ素子であって、 上記サーミスタ薄膜は、上記スパッタリング法による膜
    形成がなされた後に、熱処理が施されていることを特徴
    とする薄膜サーミスタ素子。
  6. 【請求項6】請求項1の薄膜サーミスタ素子であって、 上記サーミスタ薄膜が、上記サーミスタ薄膜に対して垂
    直な方向に柱状に結晶成長した結晶粒を有していること
    を特徴とする薄膜サーミスタ素子。
  7. 【請求項7】サーミスタ薄膜と、上記サーミスタ薄膜に
    設けられた1対の電極とを有する薄膜サーミスタ素子の
    製造方法であって、 下地基板上に、アルゴンガス雰囲気中でスパッタリング
    法によって下地層を形成する工程と、 上記下地層上に、アルゴンと酸素との混合ガス雰囲気中
    でスパッタリング法によって上記サーミスタ薄膜を形成
    する工程とを有することを特徴とする薄膜サーミスタ素
    子の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項7の薄膜サーミスタ素子の製造方法
    であって、 上記サーミスタ薄膜を形成する工程で、(100)面に
    配向したスピネル型結晶構造を有するサーミスタ薄膜を
    形成することを特徴とする薄膜サーミスタ素子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】請求項7の薄膜サーミスタ素子の製造方法
    であって、さらに、 上記サーミスタ薄膜を熱処理する工程を有することを特
    徴とする薄膜サーミスタ素子の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項7の薄膜サーミスタ素子の製造方
    法であって、 上記スパッタリング法による上記下地層および上記サー
    ミスタ薄膜の膜形成を、マンガンを主成分とした酸化物
    焼結体をターゲットとして行うことを特徴とする薄膜サ
    ーミスタ素子の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項10の薄膜サーミスタ素子の製造
    方法であって、 上記ターゲットは、さらに、コバルト、ニッケル、鉄、
    アルミニウム、銅、およびクロムのうちの少なくとも1
    種の元素を含むことを特徴とする薄膜サーミスタ素子の
    製造方法。
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