JP2000347007A - 拡散粘着層、光学部材及び液晶表示装置 - Google Patents

拡散粘着層、光学部材及び液晶表示装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性に優れる接着処理性を満足させつつ光
の透過率と拡散性のバランスに優れて、明るさ等の視認
性に優れる液晶表示装置を形成できる拡散型の粘着層の
開発。 【解決手段】 光透過性の無着色粒子を分散含有して光
拡散性を示す光透過性の粘着層(1)からなり、全光線
透過率が85%以上で、かつ入射光の直進透過率が20
%以下である拡散粘着層(1)及びその拡散粘着層を偏
光板又は位相差板を少なくとも有する光学素材(2)に
設けてなる光学部材並びに前記の拡散粘着層を液晶セル
と偏光板の間に有する反射型液晶表示装置。 【効果】 光の直進性と拡散性のバランスに優れて明る
さ等の視認性に優れる液晶表示装置、特に正面方向の明
るさに優れる反射型の液晶表示装置を形成でき、別個の
光拡散板の配置を省略して液晶表示装置を薄型軽量化で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、光の透過率と拡散性のバ
ランスに優れて明るさ等の視認性に優れる液晶表示装置
の形成などに好適な拡散粘着層及びその光学部材に関す
る。
【0002】
【背景技術】従来、屈折率が相違する粒子を含有させて
光拡散性を付与し、液晶表示の視野角を拡大しうるよう
にした光拡散型の粘着層が知られていた。しかしなが
ら、信頼性に優れる接着処理性を満足させつつ、拡散性
を高めて視野角の拡大をはかると後方散乱等の増大で透
過率が減少し、透過率を高めると拡散性が低下して光の
透過率と拡散性をバランスさせにくい問題点があった。
【0003】
【発明の技術的課題】本発明は、信頼性に優れる接着処
理性を満足させつつ光の透過率と拡散性のバランスに優
れて、明るさ等の視認性に優れる液晶表示装置を形成で
きる拡散型の粘着層の開発を課題とする。
【0004】
【課題の解決手段】本発明は、光透過性の無着色粒子を
分散含有して光拡散性を示す光透過性の粘着層からな
り、全光線透過率が85%以上で、かつ入射光の直進透
過率が20%以下であることを特徴とする拡散粘着層、
及びその拡散粘着層を偏光板又は位相差板を少なくとも
有する光学素材に設けてなることを特徴とする光学部
材、並びに前記の拡散粘着層を液晶セルと偏光板の間に
有することを特徴とする反射型液晶表示装置を提供する
ものである。
【0005】
【発明の効果】本発明によれば、前記の光透過率に基づ
いて光の直進性と拡散性のバランスに優れて明るさ等の
視認性に優れる液晶表示装置、特に正面方向の明るさに
優れる反射型の液晶表示装置を形成できると共に、信頼
性よく接着処理できる光拡散型の粘着層を得ることがで
きる。また粘着層が光拡散層を兼ねることで別個の光拡
散板を配置する必要を回避でき、液晶表示装置の部材を
省略して薄型軽量化を達成することもできる。
【0006】
【発明の実施形態】本発明による拡散粘着層は、光透過
性の無着色粒子を分散含有して光拡散性を示す光透過性
の粘着層からなり、全光線透過率が85%以上で、かつ
入射光の直進透過率が20%以下であるものからなる。
【0007】拡散粘着層の形成には、光透過性を示す適
宜な粘着性物質を用いることができ、その種類について
特に限定はない。ちなみに前記粘着性物質の例として
は、ゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤、シリコーン系粘
着剤やビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルア
ルコール系粘着剤やポリビニルピロリドン系粘着剤、ポ
リアクリルアミド系粘着剤やセルロース系粘着剤などが
あげられる。
【0008】粘着層を形成する粘着性物質は、光透過性
に優れるものが好ましく耐候性等も加味した場合、特に
アクリル系粘着剤が好ましく用いうる。なお拡散粘着層
は必要に応じて、接着力の調節などを目的に無着色粒子
を含有しない透明粘着層と重畳形態に形成されていても
よい。
【0009】拡散粘着層に分散含有させる光透過性の無
着色粒子としては、無色透明性の適宜なものを用いう
る。ちなみにその例としては、シリカやアルミナ、チタ
ニアやジルコニア、酸化錫や酸化インジウム、酸化カド
ミウムや酸化アンチモン等の導電性のこともある無機系
粒子、架橋又は未架橋の各種ポリマー等からなる有機系
粒子などがあげられる。
【0010】拡散粘着層の形成は、例えば粘着性物質と
光透過性の無着色粒子の混合物をカレンダーロール法等
による圧延方式、ドクターブレード法やグラビアロール
コータ法等による塗工方式などの適宜な方式で光学素子
等からなる支持基材に付設する方式、あるいはその支持
基材にセパレータを用いてそのセパレータ上に前記に準
じ拡散粘着層を形成してそれを光学素子等からなる他の
支持基材に移着する方式などの適宜な方式で行うことが
できる。
【0011】前記において本発明においては、無着色粒
子の含有により全光線透過率が85%以上で、かつ入射
光の直進透過率が20%以下の拡散粘着層として形成す
ることが必要である。その全光線透過率が85%未満で
は後方散乱によるロスが多くて明るい表示が困難とな
り、入射光の直進透過率が20%を超えると反射型液晶
表示装置に散乱光が入射した場合の正面(垂直)方向の
明るさに乏しくなる。
【0012】明るい表示を達成する点などより好ましい
全光線透過率は87%以上、就中90%以上である。ま
た光の拡散性による良視認の視野角の拡大と前記した正
面方向の明るさとのバランスなどの点より好ましい入射
光の直進透過率は、5〜19%、就中6〜17%、特に
8〜15%である。
【0013】前記した光透過率の達成性と接着力の制御
性などの点より好ましく用いうる無着色粒子は、その平
均粒径が1〜10μm、就中9μm以下、特に2〜8μm
のものである。また後方散乱を抑制して透過方向に良好
な拡散性をもたせる点などよりは無着色粒子の屈折率を
、粘着層の屈折率をnとしたとき、式:0.01
<┃n−n┃<0.1、就中┃n−n┃<0.
09、特に−0.08<n−n<−0.01を満足
する組合せとしたものが好ましい。
【0014】なお拡散粘着層に分散含有させる光透過性
の無着色粒子の量は、上記した光透過率などに基づいて
適宜に決定されるが一般には、接着力を確保する点など
より粘着層(固形分)100重量部あたり、5〜200
重量部、就中10〜150重量部、特に15〜100重
量部の無着色粒子が用いられる。また拡散粘着層の厚さ
は、目的とする光透過率や接着力などに応じて決定しう
るが一般には、300μm以下、就中1〜200μm、特
に5〜100μmの厚さとされる。
【0015】光学部材は、図1に例示の如く本発明によ
る拡散粘着層1を光学素材2に設けたものとして得るこ
とができる。その場合、拡散粘着層は、光学素材の片面
又は両面、さらに複数の光学層の積層体からなる光学素
材の中間の適宜な位置に1層又は2層以上を設けること
ができる。
【0016】光学部材の形成に用いる光学素材について
は特に限定はなく、例えば液晶表示装置等の最終目的物
を形成する各光学素材などの適宜なものを用いうる。ち
なみに光学素材の例としては、偏光板や位相差板、偏光
板と位相差板との積層体からなる楕円偏光板や導光板等
のバックライト、反射板や偏光分離板、液晶セルやアン
チグレア板、プリズムシートやレンズシートの如き光路
制御板などがあげられる。また上記した積層体を形成す
る光学層やその組合せについても特に限定はなく、例え
ば前記した光学素材の積層体などがあげられる。
【0017】なお光学素材が偏光板と位相差板との積層
体からなる楕円偏光板である場合には、透過光の光学特
性のバラツキを防止する点などより拡散粘着層は、位相
差板側の外表面に設けることが好ましく、偏光板と位相
差板の積層には拡散性を示さない接着層を用いることが
好ましい。その接着層の形成には、上記した粘着性物質
の如き適宜な接着剤を用いうる。
【0018】前記において、偏光板としては適宜なもの
を用いうる。ちなみにその例としては、ポリビニルアル
コール系や部分ホルマール化ポリビニルアルコール系、
エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化物の如き親
水性高分子のフィルムに、ヨウ素及び/又は二色性染料
を吸着させて延伸処理したもの、ポリビニルアルコール
の脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物の如きポ
リエン配向フィルム等からなる偏光フィルムなどがあげ
られる。
【0019】また前記の偏光フィルムの片面又は両面を
透明保護層等で被覆してなる偏光板などもあげられる。
かかる透明保護層等は、偏光フィルムの補強や耐熱性の
向上、偏光フィルムを湿度等より保護することなどの種
々の目的を有するものであってよい。透明保護層は、樹
脂の塗布層や樹脂フィルムのラミネート層などとして形
成することができる。
【0020】一方、位相差板ないし位相差層としても適
宜なものを用いることができ、1/4波長板や1/2波
長板、あるいはその他の位相差特性を示す補償用位相差
板などの適宜な位相差を示すものであってよい。なお前
記の補償用位相差板は、複屈折の波長依存性などを補償
して液晶表示装置の視認性の向上化などを目的とするも
のである。また位相差板は、単層物や2層以上の位相差
層を重畳してなる複層物などの適宜な層形態を有するも
のであってよい。
【0021】位相差板等は、例えばカーボネート系やエ
ステル系、イミド系やエーテルスルホン系、スルホン系
やスチレン系、ビニルアルコール系やアリレート系、塩
化ビニル系や塩化ビニリデン系、アクリル系やアミド
系、エポキシ系やセルロース系、ポリエチレンやポリプ
ロピレンの如きポリオレフィン系等のプラスチックの延
伸フィルム、液晶ポリマーの配向フィルムなどの適宜な
材質のものからなるものであってよい。
【0022】位相差板等の厚さは、目的とする位相差な
どに応じて適宜に決定しうるが、一般には柔軟性や薄型
化などの点より1〜500μm、就中5〜400μm、特
に10〜300μmとされる。また位相差板は、例えば
熱収縮性フィルムとの接着下に高分子フィルムを延伸又
は/及び収縮処理したフィルムの如く、厚さ方向の屈折
率を制御したものなどであってもよい。
【0023】導光板等のバックライトとしても、例えば
液晶表示装置等で公知のサイドライト型バックライトな
どの適宜なものを用いうる。前記の導光板は通例、上
面、それに対向する下面、及び上下面間の少なくとも一
側端面からなる光入射側面を有する板状物からなり、側
面からの入射光を板内で伝送しつつ拡散や反射、回折や
干渉等により板上下面の一方より出射するようにしたも
のである。
【0024】導光板の形成は、例えば上記の位相差板で
例示した適宜なプラスチックからなる透明又は半透明の
プラスチック板の上面又は下面に、ドット状やストライ
プ状に拡散体を設ける方式や、凹凸構造、就中、プリズ
ムアレイからなる凹凸構造を設ける方式などにより行う
ことができる。
【0025】反射板ないし反射層としても、適宜なもの
を用いうる。ちなみにその例としては、金属箔、金属粉
末をバインダで保持した塗工層、その塗工層を支持基材
上に設けてなる反射板、金属の蒸着層やその蒸着層を支
持基材上に設けてなる反射板などがあげられる。かかる
反射板ないし反射層は、上記した偏光板と一体化されて
反射型偏光板などとして形成されていてもよい。
【0026】偏光分離板ないし偏光分離層としても、適
宜なものを用いうる。ちなみにその例としては、誘電体
の薄膜を重畳した多層膜を介してブリュースター角によ
り自然光を直線偏光からなる反射光と透過光に分離する
ようにしたものや、複屈折性誘電体の薄膜を重畳した多
層膜を介して自然光を直線偏光からなる反射光と透過光
に分離するようにしたもの、あるいはコレステリック液
晶層やそれを反射特性の異なる組合せで重畳して自然光
を左右の円偏光からなる反射光と透過光に分離するよう
にしたものなどがあげられる。
【0027】液晶セルとしても、適宜なものを用いう
る。ちなみにその例としては、ツイストネマチック液晶
やスーパーツイストネマチック液晶を用いた液晶セル、
非ツイスト系の液晶や二色性染料を液晶中に分散させた
ゲストホスト系の液晶、あるいは強誘電性液晶を用いた
液晶セルなどがあげられ、その駆動方式も適宜なもので
あってよい。
【0028】なお上記した光路制御板は、出射光の方向
制御を目的とするものであり、正面方向に集光性を示す
レンズシートや、斜め光の光路を正面方向に変換するプ
リズムシートなどの適宜なものを用いうる。
【0029】上記した本発明による拡散粘着層や光学部
材は、反射型や透過型、あるいは反射・透過両用型の液
晶表示装置などの各種装置の形成に好ましく用いうる。
その適用に際しては、本発明による拡散粘着層を1層又
は2層以上配置することができる。装置等の形成に際し
ては本発明による拡散粘着層以外の拡散層を配置するこ
ともできる。
【0030】前記した反射型液晶表示装置を形成する場
合、本発明による拡散粘着層や光学部材は、液晶セルの
視認側に配置することが好ましく、特に本発明による拡
散粘着層が液晶セルと偏光板の間に位置して隣接する光
学層を接着した構造として配置されていることが好まし
い。
【0031】なお図例の如く、拡散粘着層1が表面に露
出する場合には、それを被着体に接着するまでの間、図
例の如くセパレータ3などで仮着被覆することが好まし
い。セパレータは、例えば紙やプラスチックフィルム等
からなる薄葉体を必要に応じてシリコーン系や長鎖アク
リル系等の適宜な剥離剤で表面処理する方式などにより
得ることができる。
【0032】
【実施例】実施例1 屈折率(n)が1.43、平均粒径が4μmの光透過
性無着色粒子をアクリル系粘着剤に混合してセパレータ
上に塗工することにより、屈折率(n)1.47、厚
さ25μmの透明なアクリル系粘着層内に前記の無着色
粒子を33重量%の割合で分散含有する拡散粘着層を得
た。
【0033】比較例 実施例1に準じて、屈折率(n)が1.63、平均粒
径が6μmの光透過性無着色粒子を、屈折率(n
1.47、厚さ25μmの透明なアクリル系粘着層内に
15重量%の割合で分散含有する拡散粘着層を得た。
【0034】評価試験 実施例1、比較例で得た拡散粘着層の全光線透過率と垂
直入射光の直進透過率を調べると共に、その拡散粘着層
を鏡面反射板上に接着して拡散光を入射させ、その正面
(法線)方向の明るさを標準白色板の反射強度と比較し
た。なお拡散粘着層は、鏡面反射板に強力に接着した。
【0035】前記の結果を次表に示した。 全光線透過率(%) 直進透過率(%) 対標準白色板比 実施例1 90 12 2.2倍 比 較 例 83 15 1.5倍
【図面の簡単な説明】
【図1】光学部材例の断面図
【符号の説明】 1:拡散粘着層 2:光学素材 3:セパレータ
フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 BA02 BA15 BA20 2H049 BA02 BA06 BB51 BB54 BB63 BC22 2H091 FA08Z FA11Z FA14Z FA31Z FA41Z FB02 FC02 FD15 GA01 GA17 HA07 HA10 LA11 LA16 LA19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過性の無着色粒子を分散含有して光
    拡散性を示す光透過性の粘着層からなり、全光線透過率
    が85%以上で、かつ入射光の直進透過率が20%以下
    であることを特徴とする拡散粘着層。
  2. 【請求項2】 請求項1において、直進透過率が8%以
    上で、無着色粒子の平均粒径が1〜10μmある拡散粘
    着層。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の拡散粘着層を偏
    光板又は位相差板を少なくとも有する光学素材に設けて
    なることを特徴とする光学部材。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の拡散粘着層を液
    晶セルと偏光板の間に有することを特徴とする反射型液
    晶表示装置。
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