JP2000346325A - 廃棄物処理装置 - Google Patents

廃棄物処理装置

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JP2000346325A
JP2000346325A JP11161380A JP16138099A JP2000346325A JP 2000346325 A JP2000346325 A JP 2000346325A JP 11161380 A JP11161380 A JP 11161380A JP 16138099 A JP16138099 A JP 16138099A JP 2000346325 A JP2000346325 A JP 2000346325A
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JP
Japan
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chamber
gas
heating
steaming
tank
Prior art date
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Application number
JP11161380A
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English (en)
Inventor
Munemasa Nozawa
宗巨 野沢
Kazuhiko Endo
一彦 遠藤
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Toshiba TEC Corp
Original Assignee
Toshiba TEC Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸焼室内で発生したガスの完全燃焼を原因と
する煙や悪臭の発生を防止する。 【解決手段】 加熱タンク8に蒸焼タンク10を収納保
持し、加熱タンク8と蒸焼タンク10との間の加熱室1
4を加熱して蒸焼タンク10内の蒸焼室12に収納され
た廃棄物を燃焼又は蒸し焼きにし、蒸焼室12で発生し
たガスをガス燃焼室30で燃焼させる。この際、加熱当
初の蒸焼室12において生ずる廃棄物中の水分の蒸発に
よって蒸焼室から発生するガスには水分が含まれてい
る。そこで、ガス燃焼室30内における流路40の上流
側から加熱室14を経て流路40の下流側に至るバイパ
ス路46を設け、蒸焼室からガス燃焼室に導かれたガス
中、軽い燃焼ガスについてはそのまま流路40を流通さ
せて燃焼させる一方で、水分を含んだ重いガスについて
はバイパス路46によって加熱室14に導いて蒸発させ
る。これにより、蒸焼室内で発生したガスを完全燃焼さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物を燃焼又は
蒸し焼きにして減量処理し、その際に廃棄物から発生し
たガスを燃焼させる廃棄物処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、廃棄物の処理方法としては、焼却
装置で焼却することが広く行われている。しかし、焼却
処理をした場合、粉塵や煤塵などの排出により環境汚染
の問題が発生する。このようなことから、廃棄物を蒸し
焼きにして炭化させ、廃棄物を蒸し焼きにしたときに発
生するガスを燃焼させるようにした廃棄物処理装置が提
案されている。このような廃棄物処理装置は、例えば、
特開平7−280236号公報や、特開平9−1846
11号公報に記載されている。
【0003】ここで、廃棄物を蒸し焼きにして炭化さ
せ、廃棄物を蒸し焼きにしたときに発生するガスを燃焼
させるようにした廃棄物処理装置では、廃棄物を蒸し焼
きにして炭化させる構造として、加熱タンクの内部一側
壁に蒸焼タンクを収納固定し、これらの加熱タンクと蒸
焼タンクとの間に形成された加熱室内を加熱するように
したものがある。このような構造のものでは、加熱タン
クの外部に連通する廃棄物投入部から蒸焼室タンク内の
蒸焼室に廃棄物を投入して収納し、加熱室内を加熱する
ことによって蒸焼室に収納された廃棄物を燃焼又は蒸し
焼きにして廃棄物を減量処理する。そして、蒸焼室に収
納された廃棄物を燃焼又は蒸し焼きにすることによって
生じたガスを図示しないガス燃焼室に導き入れ、このガ
ス燃焼室内でガスを燃焼処理するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、生ゴミなど
の含水量が多い廃棄物では、まず、廃棄物中の水分が蒸
発し、その後に炭化が生ずる。この際、蒸焼室内で廃棄
物中の水分が蒸発するので、この時に生ずる水分の気化
熱が影響してガス燃焼室内の温度が上昇しにくくなると
いう問題がある。このため、廃棄物中の水分が蒸発して
いる間はガスが完全燃焼しにくくなり、煙や悪臭が生じ
てしまうという不都合がある。
【0005】本発明の目的は、蒸焼室内で発生したガス
を完全燃焼して煙や悪臭の発生を防止することである。
【0006】本発明の別の目的は、燃料消費効率を向上
させることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の廃棄物処
理装置の発明は、加熱タンクと、前記加熱タンクに収納
され、廃棄物を収納する蒸焼室を内部に有する蒸焼タン
クと、前記加熱タンクと前記蒸焼タンクとの間に形成さ
れる加熱室内を加熱して前記蒸焼室に収納された前記廃
棄物を燃焼又は蒸し焼きにする加熱手段と、前記蒸焼室
及び前記加熱室の上方に配置されてこれらの蒸焼室及び
加熱室と連通し、前記蒸焼室で発生したガスを導入して
流通させる所定長の流路を備えたガス燃焼室と、前記ガ
ス燃焼室内を加熱してこのガス燃焼室内に導入されたガ
スを燃焼させる燃焼手段と、前記ガス燃焼室内における
前記流路の上流側から前記加熱室を経て前記流路の下流
側に至るバイパス路と、を備える。
【0008】したがって、加熱手段が加熱室内を加熱す
ることで蒸焼室内に収納された廃棄物が燃焼又は蒸し焼
きにされて減量処理される。この際、蒸焼室からはガス
が発生する。このガスはガス燃焼室に導かれ、ガス燃焼
室に導かれたガスは燃焼手段によって燃焼される。蒸焼
室においては、加熱手段による加熱当初、廃棄物の水分
が蒸発する。このため、加熱手段による加熱当初、蒸焼
室から発生するガスには水分が含まれている。そこで、
蒸焼室からガス燃焼室に導かれたガス中、軽い燃焼ガス
はそのまま流路を通って燃焼手段により燃焼される一方
で、水分を含んだ重いガスはバイパス路によって加熱室
に導かれた後、再度、ガス燃焼室の流路下流側に戻され
る。このようなバイパス路内では、ガスに含まれている
水分は加熱されている加熱室内で蒸発し、暖められてガ
ス燃焼室の流路下流側に戻される。これにより、ガス燃
焼室ではガスが完全燃焼される。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の廃
棄物処理装置において、前記バイパス路は、前記ガス燃
焼室において前記蒸焼室と前記加熱室とが連絡する位置
から形成され、前記加熱室と前記ガス燃焼室とを連絡す
る経路を含む。
【0010】したがって、ガス燃焼室において蒸焼室と
加熱室とが連絡する位置からバイパス路が始まり、蒸焼
室からガス燃焼室に導かれたガス中の水分を含む重いガ
スは加熱室とガス燃焼室とを連絡する経路を通って加熱
室に導かれる。加熱室とガス燃焼室とを連絡する経路は
元々存在するものなので、その部分においてバイパス路
を新設する必要がない。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項2記載の廃
棄物処理装置において、前記バイパス路は、前記加熱室
と前記ガス燃焼室とを連絡する経路よりも前記加熱室か
ら前記流路の下流側に至る経路の方が小さな流路断面積
を持つ。
【0012】したがって、蒸焼室内で廃棄物を攪拌した
り、廃棄物からの多くの水分が蒸発したり、あるいは、
蒸焼室において可燃ガスが発生しやすい温度になった場
合には蒸焼室において多くのガスが発生し、これによっ
て、ガスが導かれるガス燃焼室内の圧力が上がる。する
と、加熱室とガス燃焼室とを連絡する経路よりも加熱室
から流路の下流側に至る経路の方が小さな流路断面積を
持つバイパス路に水分を含んだ重いガスが導かれやすく
なる。このため、水分を含む重いガスはバイパス路を流
れる間に加熱室で蒸発し、暖められてガス燃焼室の流路
下流側に戻されることから、ガス燃焼室でのガスの完全
燃焼が促される。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1記載の廃
棄物処理装置において、前記バイパス路は、前記バイパ
ス路が連結する前記流路の上流位置と下流位置とを結ぶ
前記流路の長さよりも長い。
【0014】したがって、蒸焼室からガス燃焼室に導か
れた水分を含む重いガスは、長いバイパス路で充分に加
熱され、この際にガス中の水分はより確実に蒸発する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図1ない
し図6に基づいて説明する。
【0016】図1は廃棄物処理装置の全体構造の外観を
示す斜視図である。この廃棄物処理装置は直方体形状の
外ケース1を有し、その内部に廃棄物を蒸し焼きにする
とともにそのときに発生するガスを燃焼させる燃焼機構
部2(図2及び図3参照)が収納されている。外ケース
1の正面中央には、両開きの投入口扉3が開閉自在に設
けられており、その右隣には操作ボックス4が設けられ
ている。この操作ボックス4は、開閉自在な扉5と、こ
の扉5の内側に位置して各種のスイッチが設けられた操
作パネル(図示せず)とを備えている。外ケース1の正
面側であって操作ボックス4の上部には、制御基板など
を収納した制御ボックス6が設けられている。外ケース
1の右側面下部には、蒸し焼きにされて炭化された廃棄
物を取り出す処理物排出扉7が設けられている。
【0017】燃焼機構部2について詳しく説明する。こ
の燃焼機構部2は、図2及び図3に示すように、加熱タ
ンク8とガス燃焼タンク9とを有し、加熱タンク8内に
は蒸焼タンク10が収納されている。蒸焼タンク10は
加熱タンク8の片面に片持ち状態で支持されている。こ
の蒸焼タンク10には、投入口扉3に対向して位置する
廃棄物投入口11aを備えた廃棄物投入部11が形成さ
れ、蒸焼タンク10の内部は廃棄物を収納してこの廃棄
物を蒸し焼きにする蒸焼室12とされている。廃棄物投
入部11と蒸焼室12とは連通している。また、廃棄物
投入口11aには開閉扉13が設けられている。
【0018】加熱タンク8の内周面と蒸焼タンク10の
外周面との間には空間が形成されており、この空間が、
蒸焼室12を蒸焼タンク10の外側から加熱する加熱室
14とされている。加熱タンク8には、加熱手段として
の蒸焼用バーナー15と、冷却用の空気を送る冷却ブロ
ワ16とが設けられている。加熱タンク8の上部には、
冷却ブロワ16で送り込んだ空気を排気させるための排
気弁17が設けられている。
【0019】蒸焼室12内には、この蒸焼室12内に収
納した廃棄物を撹拌するための撹拌体18が回転自在に
設けられている。この撹拌体18は、図4に示すよう
に、三角形状に形成された一対の支持板19と、これら
の支持板19を連結する3本の撹拌棒20とから構成さ
れている。一方の支持板19の中心部には支軸21が固
定され、この支軸21が蒸焼タンク10の一端を閉止す
る端板22に軸受23を介して保持されている。端板2
2から突出した支軸21の先端部にはスプロケット24
が固定され、このスプロケット24と撹拌モータ25の
モータ軸に固定されたスプロケット26との間にチェー
ン27が懸け渡されている。端板22の下部には、開閉
蓋28を備えた取出口29が設けられ、この取出口29
は処理物排出扉7に対向して位置している。
【0020】ガス燃焼タンク9内にはガス燃焼室30が
形成され、このガス燃焼室30の内周面には断熱材31
が設けられている。加熱タンク8とガス燃焼タンク9と
は外管32により連結され、この外管32により加熱室
14とガス燃焼室30とが連通されている。外管32内
には蒸焼タンク10から立ち上げられた連通管である内
管33が配置されており、この内管33により蒸焼室1
2とガス燃焼室30とが連通され、蒸焼室12内で廃棄
物を蒸し焼きにすることに伴って発生したガスがこの内
管33内を通ってガス燃焼室30内に流入する。内管3
3のガス燃焼室30への開口部には、多数の小孔34が
形成された通気部材35が取り付けられている(図4参
照)。
【0021】ガス燃焼室30内には、燃焼空間30aと
緩衝空間30bとが形成されている。燃焼空間30a
は、外管32と内管33とが連通された領域であり、ガ
ス燃焼室30内の底面部から天井付近まで延出したスリ
ーブ36により囲まれている。この燃焼空間30aの容
積は緩衝空間30bの容積に比べて小さく形成されてい
る。また、このスリーブ36の外周部には燃焼手段であ
る燃焼用バーナー37が対向して配置され、この燃焼用
バーナー37からの熱と外管32内を通って流入する蒸
焼用バーナー15からの熱とにより、燃焼空間30a内
の温度が約900℃に上昇する。
【0022】ガス燃焼タンク9の上部には、緩衝空間3
0bと大気中とを連通する排気口である排気塔38が形
成されている。緩衝空間30b内には、ガス燃焼タンク
9の内周面から互い違いに相反する方向へ突出した隔壁
39が設けられている。そして、緩衝空間30b内に
は、これらの隔壁39により仕切られ、燃焼空間30a
を通過したガスが排気塔38に至るまでの時間が少なく
とも2秒間かかるようにした流路40が形成されてい
る。また、ガス燃焼室30の内周面に断熱材31を設け
ることにより、この流路40を流れるガスの温度が約9
00℃に維持される。
【0023】外ケース1の上面部には、排気塔38の上
方を覆う排気塔屋根41が設けられている。この排気塔
屋根41は、屋根部42と側壁部43とから形成され、
側壁部43には、排気塔38から排気された排気ガスが
吹き出す吹出口44が形成されている。また、外ケース
1の上面部には、燃焼機構部2の周囲全体を冷却するた
めの冷却ファン45が設けられている。
【0024】さらに、本実施の形態の廃棄物処理装置に
は、ガス燃焼室30内における流路40の上流側から加
熱室14を経て流路40の下流側に至るバイパス路46
が設けられている。つまり、加熱室14とガス燃焼室3
0とは外管32によって連絡しており、この外管32の
内部に蒸焼タンク10から立ち上げられた内管33が配
置されていることから、ガス燃焼室30における流路4
0の開始位置において、内管33に連通する蒸焼室12
は外管32を介して加熱室14に連通されていることに
なる。したがって、内管33と外管32との間の空間に
よってバイパス路46の一部が形成されていることにな
る。ここで、この部分におけるバイパス路46の流路断
面積はS1 である(図5参照)。また、図2、図5及び
図6に示すように、蒸焼タンク10には、内管33が配
置されている側方と反対側の側方に位置させてバイパス
管47が設けられている。このバイパス管47は、屈曲
形成されてガス燃焼室30内における流路40の中間位
置よりやや下流側にバイパス連通孔48によって連通し
ている。そこで、外管32と内管33との間の空間であ
って加熱室14に至る部分からバイパス管47の入口に
至る部分と、バイパス管47とによってバイパス路46
の他の一部が形成されている。ここで、バイパス路46
の流路断面積はS2 である(図5参照)。また、バイパ
ス路46は、バイパス連通孔48によってガス燃焼室3
0内における流路40に連絡していることから、流路4
0の開始位置からバイパス連通孔48に至る経路とし
て、流路40を通る通常の経路(この経路の長さをL1
とする)と、バイパス路46をとおる経路(この経路の
長さをL2 とする)とが形成されることになる。
【0025】そして、本実施の形態の廃棄物処理装置
は、制御ボックス6に内蔵された各種制御用の図示しな
いマイクロコンピュータを備えている。このマイクロコ
ンピュータは、図示しないCPUやROM、RAM等か
ら構成されており、ROMには各種の動作プログラムが
格納され、CPUはその動作プログラムに従って各部を
駆動制御する。RAMは、各種の情報を一時的に記憶
し、その一部領域はワークエリア等として使用される。
廃棄物処理の一連の各工程は、操作者が操作ボックス4
における操作パネル上で廃棄物処理のスタートスイッチ
をオンにすることにり、マイクロコンピュータがROM
に格納された動作プログラムに従い所定の処理を実行す
ることによって自動的に進められる。
【0026】このような構成において、まず、この廃棄
物処理装置による廃棄物処理の概略を説明する。本実施
の形態の廃棄物処理装置では、概略的に、蒸焼室12内
において廃棄物を蒸し焼き又は燃焼させ、この際に生ず
る燃焼ガスをガス燃焼室30で完全燃焼させて有害物質
を燃焼させ、燃焼後のガスを排気塔38から排気する。
以下、このような廃棄物処理を詳細に説明する。
【0027】まず、外ケース1の投入口扉3と蒸焼タン
ク10の開閉扉13とを開き、処理する廃棄物を廃棄物
投入口11aから蒸焼室12内へ投入する。そして、開
閉扉13と投入口扉3とを閉じた後、操作者が操作ボッ
クス4における操作パネル上で廃棄物処理のスタートス
イッチをオンにすることにり、蒸焼用バーナー15と燃
焼用バーナー37とが点火される。この際、必要に応じ
て撹拌モータ25が駆動され、これによって撹拌体18
が支軸21の周りに回転することにより蒸焼室12内の
廃棄物が撹拌される。
【0028】こうして、蒸焼用バーナー15が点火され
ることにより加熱室14内の温度が上昇し、加熱室14
内の温度上昇に伴い蒸焼室12内の温度も上昇し、蒸焼
室12内に収納されている廃棄物が蒸し焼きにされる
(図6参照)。これに伴い、廃棄物からガスが発生す
る。このようなガスは、蒸焼室12内で廃棄物を攪拌し
たり、廃棄物からの多くの水分が蒸発したり、あるい
は、蒸焼室12において可燃ガスが発生しやすい温度に
なった場合に、蒸焼室12において多く発生する。そし
て、こうして発生したガスは内管33内を通ってガス燃
焼室30内に流入し、燃焼用バーナー37からの熱と外
管32内を通ってガス燃焼室30内へ流入する蒸焼用バ
ーナー15からの熱とによって加熱され、燃焼する。ま
た、蒸焼用バーナー15の点火による加熱室14の加熱
開始から1〜2時間ほどの加熱当初においては、廃棄物
から発生したガスに水分が多く含まれている。そこで、
蒸焼室12からガス燃焼室30に導かれたガス中、軽い
燃焼ガスはそのまま流路40を通って燃焼される一方
で、水分を含んだ重いガスはバイパス路46によって加
熱室14に導かれた後、バイパス管47からバイパス連
通孔48に至り、再度、ガス燃焼室30の流路40に戻
される。このようなバイパス路46内では、ガスに含ま
れている水分は加熱されている加熱室14内で蒸発し、
暖められてガス燃焼室30の流路40に戻される。ここ
で、流路40はその折り返し位置で圧損を生じさせる。
このため、流路40内の圧力Pは、図5中のP14
での各位置で、P1 >P2 >P3 >P4 という関係とな
る。したがって、バイパス路46の出口での圧力P4
バイパス路46の入口での圧力P1 よりも小さくなり、
これによって上述したようなバイパス路46中のガスの
流動が発生する。また、バイパス路46については、加
熱室14とガス燃焼室30とを連絡する経路の流路断面
積S1 よりも加熱室14から流路40の下流側に至る経
路の流路断面積S2 の方が小さな流路断面積を持つこと
からも、バイパス路46に水分を含んだ重いガスが導か
れやすくなる。
【0029】ここで、蒸焼室12内で発生したガスは、
ガス燃焼室30の燃焼空間30aに導かれるとここで燃
焼される。この燃焼空間30aは、容積が小さく形成さ
れ、かつ、燃焼用バーナー37からの熱により十分に加
熱されるとともに加熱室14内からの熱気が流入するこ
とにより、内部の温度が約900℃に上昇している。こ
のため、この燃焼空間30a内に流入したガスは最も温
度が高くなっているスリーブ36の内周面に接する個所
から自然発火し、スムーズに燃焼が開始される。
【0030】燃焼空間30aの容積については、燃焼用
バーナー37の容量に合わせた大きさにし、廃棄物処理
時の燃焼空間30a内の温度を約900℃に維持できる
ようにする。燃焼用バーナー37の容量が小さい場合に
はそれに応じて燃焼空間30aの容積を小さくする。そ
して、燃焼空間30aの容積を小さくすることにより、
容量の小さい燃焼用バーナー37を用いても燃焼空間3
0a内の温度を少なくとも約900℃に維持することが
でき、容量の小さい燃焼用バーナー37を用いることに
より燃料消費量を少なくすることができる。
【0031】また、蒸焼室12から燃焼空間30aに入
るガスは、多数の小孔34を通るため、ガスの表面積が
大きくなり、この燃焼空間30aのガスが完全燃焼され
やすくなる(図4及び図7参照)。
【0032】燃焼空間30a内で燃焼が開始されたガス
は、燃焼しつつ燃焼空間30a内を通過して緩衝空間3
0b内に流入し、隔壁39により仕切られて形成された
流路40内を流れて排気塔38から排気される。この緩
衝空間30bのガスは、燃焼空間30aで燃焼が開始さ
れているため、温度が上昇している。そして、このよう
な正規の流路40を流通するガスは、水分を含まない軽
い燃焼ガスであることからより確実に完全燃焼し、この
ようなガスの燃焼に際して煙や悪臭の発生が防止され
る。また、バイパス路46を介してバイパス連通孔48
からガス燃焼室30の流路40に戻されるガスは、バイ
パス路46を通過する過程で加熱室14で水分の蒸発処
理がなされるため、流路40によって運ばれた軽い燃焼
ガスと同様に完全燃焼される。この際、バイパス路46
の長さL2 は、バイパス路46が連結する流路40の上
流位置と下流位置とを結ぶ流路40の長さL1 よりも長
い。したがって、蒸焼室12からガス燃焼室30に導か
れた水分を含む重いガスは、長いバイパス路46で充分
に加熱され、この際にガス中の水分はより確実に蒸発す
る。したがって、バイパス路46を介してバイパス連通
孔48からガス燃焼室30の流路40に戻されるガスの
完全燃焼が促される。
【0033】ここで、緩衝空間30bを含むガス燃焼室
30の内周面には断熱材31が設けられているために緩
衝空間30b内の熱がガス燃焼タンク9の外周側へ伝わ
りにくく、さらに、緩衝空間30b内が隔壁39で仕切
られているために緩衝空間30b内の熱が排気塔38か
ら逃げにくい。このため、緩衝空間30b内に流入した
燃焼中のガスの温度が約900℃に維持される。しか
も、緩衝空間30b内に流入した燃焼中のガスは隔壁3
9により仕切られた流路40に沿って流れるため、この
燃焼中のガスが流れる距離が長くなるとともに排気塔3
8に到達するまでの時間が少なくとも2秒間かかるよう
になる。従って、燃焼空間30aを通過して緩衝空間3
0b内に流入した燃焼中のガスが約900℃の温度で少
なくとも2秒間維持されることにより完全燃焼し、未燃
焼ガスが大気中に排出されることがなくなり、異臭の発
生が防止される。もっとも、ガスを完全燃焼させるため
には、理論値としては750℃の燃焼温度を2秒間維持
できればよい。
【0034】廃棄物の処理を開始した後、1〜2時間程
度経過すると、蒸焼室12においては廃棄物の乾燥が進
む。このため、廃棄物から発生するガスに水分が余り含
まれなくなる。すると、バイパス路46による重いガス
の移動が生じなくなり、バイパス管47によってガス燃
焼室30と連通する加熱室14では、図6に示すような
ガスの移動が生ずる。
【0035】廃棄物の処理を開始した後に所定時間が経
過し、蒸焼室12内に投入した廃棄物からガスが発生し
なくなった時点で蒸焼用バーナー15と燃焼用バーナー
37とが停止される。続いて、冷却ブロワ16が駆動さ
れて動作を開始し、これにより冷却風が送風されて蒸焼
タンク10が冷却される。この時、制御ボックス6に内
蔵されたマイクロコンピュータは、図示しない温度セン
サからの出力に基づいて蒸焼室12内の温度を監視して
いる。そこで、温度センサによって検出された蒸焼室1
2内の温度が所定温度を下回ったタイミングで冷却ブロ
ワ16による冷却処理を終了する。つまり、冷却ブロワ
16を停止処理し、全ての処理を終了する。これによ
り、操作者は、処理物排出扉7と開閉蓋28とを開くこ
とが可能となるため、これらの処理物排出扉7と開閉蓋
28とを開いて蒸焼室12内に残留している炭化した廃
棄物を取り出し、これによって廃棄物処理が終了する。
【0036】さらに、本実施の形態においては、内管3
3と外管32との間の空間によってバイパス路46の一
部が形成されている。この部分は元々存在するものなの
で、その部分においてバイパス路46を新設する必要が
ない。したがって、製造の容易化を図ることができ、ま
た、部品コスト及び製造コストを共に安くすることがで
きる。
【0037】
【発明の効果】請求項1記載の廃棄物処理装置の発明
は、加熱タンクと、前記加熱タンクに収納され、廃棄物
を収納する蒸焼室を内部に有する蒸焼タンクと、前記加
熱タンクと前記蒸焼タンクとの間に形成される加熱室内
を加熱して前記蒸焼室に収納された前記廃棄物を燃焼又
は蒸し焼きにする加熱手段と、前記蒸焼室及び前記加熱
室の上方に配置されてこれらの蒸焼室及び加熱室と連通
し、前記蒸焼室で発生したガスを導入して流通させる所
定長の流路を備えたガス燃焼室と、前記ガス燃焼室内を
加熱してこのガス燃焼室内に導入されたガスを燃焼させ
る燃焼手段と、前記ガス燃焼室内における前記流路の上
流側から前記加熱室を経て前記流路の下流側に至るバイ
パス路と、を備えるので、加熱手段による加熱によって
蒸焼室内の廃棄物から発生するガスには水分が含まれて
いるが、蒸焼室からガス燃焼室に導かれたガス中、軽い
燃焼ガスについてはそのまま流路を流通させて燃焼手段
により燃焼させる一方で、水分を含んだ重いガスについ
てはバイパス路によって加熱室に導いてガスに含まれて
いる水分を蒸発させることができ、これにより、ガス燃
焼室の温度が水の気化熱によって低下してしまうことを
防止することができる。したがって、ガス燃焼室内でガ
スを完全燃焼させることができ、ガス燃焼室からの煙や
悪臭の発生を防止することができる。
【0038】請求項2記載の発明は、請求項1記載の廃
棄物処理装置において、前記バイパス路は、前記ガス燃
焼室において前記蒸焼室と前記加熱室とが連絡する位置
から形成され、前記加熱室と前記ガス燃焼室とを連絡す
る経路を含むので、加熱室とガス燃焼室とを連絡する経
路として元々存在する構造物をそのまま利用することが
でき、したがって、その部分においてバイパス路を新設
する必要性をなくし、製造の容易化を図ることができ
る。また、部品コスト及び製造コストを共に安くするこ
とができる。
【0039】請求項3記載の発明は、請求項2記載の廃
棄物処理装置において、前記バイパス路は、前記加熱室
と前記ガス燃焼室とを連絡する経路よりも前記加熱室か
ら前記流路の下流側に至る経路の方が小さな流路断面積
を持つので、燃焼室において多くのガスが発生した場合
にガスが導かれるガス燃焼室内の圧力が上がり、これに
応じてバイパス路に水分を含んだ重いガスを容易に導く
ことができ、したがって、ガス燃焼室内でガスを完全燃
焼させることができ、ガス燃焼室からの煙や悪臭の発生
を防止することができる。
【0040】請求項4記載の発明は、請求項1記載の廃
棄物処理装置において、前記バイパス路は、前記バイパ
ス路が連結する前記流路の上流位置と下流位置とを結ぶ
前記流路の長さよりも長いので、蒸焼室からガス燃焼室
に導かれた水分を含む重いガスを長いバイパス路で充分
に加熱することができ、したがって、ガス中の水分をよ
り確実に蒸発させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態として、廃棄物処理装置
の外観を示す斜視図である。
【図2】燃焼機構部の構造を示す縦断正面図である。
【図3】燃焼機構部の構造を示す縦断側面図である。
【図4】加熱タンクの内部構造を示す分解斜視図であ
る。
【図5】動作中の燃焼機構部の状態を示す縦断正面図で
ある。
【図6】動作中の加熱タンク及び蒸焼タンクの状態を例
示する斜視図である。
【符号の説明】
8 加熱タンク 10 蒸焼タンク 11 廃棄物投入部 12 蒸焼室 14 加熱室 15 加熱手段(蒸焼用バーナー) 30 ガス燃焼室 37 燃焼手段(燃焼用バーナー) 40 流路 46 バイパス路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱タンクと、 前記加熱タンクに収納され、廃棄物を収納する蒸焼室を
    内部に有する蒸焼タンクと、 前記加熱タンクと前記蒸焼タンクとの間に形成される加
    熱室内を加熱して前記蒸焼室に収納された前記廃棄物を
    燃焼又は蒸し焼きにする加熱手段と、 前記蒸焼室及び前記加熱室の上方に配置されてこれらの
    蒸焼室及び加熱室と連通し、前記蒸焼室で発生したガス
    を導入して流通させる所定長の流路を備えたガス燃焼室
    と、 前記ガス燃焼室内を加熱してこのガス燃焼室内に導入さ
    れたガスを燃焼させる燃焼手段と、 前記ガス燃焼室内における前記流路の上流側から前記加
    熱室を経て前記流路の下流側に至るバイパス路と、を備
    える廃棄物処理装置。
  2. 【請求項2】 前記バイパス路は、前記ガス燃焼室にお
    いて前記蒸焼室と前記加熱室とが連絡する位置から形成
    され、前記加熱室と前記ガス燃焼室とを連絡する経路を
    含む請求項1記載の廃棄物処理装置。
  3. 【請求項3】 前記バイパス路は、前記加熱室と前記ガ
    ス燃焼室とを連絡する経路よりも前記加熱室から前記流
    路の下流側に至る経路の方が小さな流路断面積を持つ請
    求項2記載の廃棄物処理装置。
  4. 【請求項4】 前記バイパス路は、前記バイパス路が連
    結する前記流路の上流位置と下流位置とを結ぶ前記流路
    の長さよりも長い請求項1記載の廃棄物処理装置。
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