JP2000346059A - 動圧気体軸受 - Google Patents

動圧気体軸受

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JP2000346059A
JP2000346059A JP11157497A JP15749799A JP2000346059A JP 2000346059 A JP2000346059 A JP 2000346059A JP 11157497 A JP11157497 A JP 11157497A JP 15749799 A JP15749799 A JP 15749799A JP 2000346059 A JP2000346059 A JP 2000346059A
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hard film
film
pressure generating
dlc
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Tamotsu Shimizu
保 清水
Seiichi Osada
誠一 長田
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Daido Steel Co Ltd
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Daido Steel Co Ltd
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    • F16C33/14Special methods of manufacture; Running-in

Abstract

(57)【要約】 【課題】 摺動摩擦抵抗が低く耐摩耗性および耐久性が
すぐれ、高速回転用に好適に使用できるとともに、動圧
発生溝の加工が容易である動圧気体軸受を提供する。 【解決手段】 滑り軸受の相対向する各摺動面部に、反
応性イオンエッチングによりガス化処理できる硬質膜を
被着し、一方の摺動面部に被着した硬質膜7に、反応性
イオンエッチングにより動圧発生溝5を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はレーザプリンタや
ハードディスクドライブなどの高速回転駆動機構を有す
る装置に用いられる動圧気体軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、これらの装置の軸受としては球軸
受やころ軸受のような接触式の軸受が使われているが、
最近では印字速度の高速化、記録・再生のアクセス時間
の短縮化のため高速回転が要求され、例えばレーザプリ
ンタに用いられるポリゴンミラーの駆動では毎分2万回
転以上での安定動作が要求されており、このような高速
用途の場合、従来使用されている球軸受では摩擦摩耗に
よるかじりや焼付きを生じ、高速化に対応できない。こ
のため摺動部材として耐摩耗性に優れたセラミックスを
用いた動圧気体軸受が注目されており、このセラミック
スとしては、炭化珪素、アルミナ、窒化珪素等が用いら
れている。
【0003】ところがこの動圧気体軸受の場合、これら
の硬質部材に動圧発生用の溝を形成する必要があり、こ
の溝加工は一般に機械加工によっているが材料が硬質な
ため加工が困難で、また加工時に発生する溝開口縁部の
バリを除去する必要もあるなど、加工工数がかかり高価
なものになっている。さらに、特開平5ー296248
号公報に記載されているように、滑り軸受の摺動面にダ
イヤモンドライクカーボンを被膜して低摩擦・低摩耗化
を図ろうとする考え方がある。しかし、図8に示すよう
に、基材40に予め加工した動圧発生溝41の全面に、
ダイヤモンドライクカーボンを被着して被膜42を形成
すると、ダイヤモンドライクカーボンは被着により生じ
る内部応力が高いため被膜42にクラック43を生じ、
短期間で剥離して回転不良事故が発生するという問題点
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記従来の
問題点を解決しようとするもので、摺動摩擦抵抗が低く
耐摩耗性および耐久性がすぐれ、高速回転用に好適に使
用できるとともに、動圧発生溝の加工が容易である動圧
気体軸受を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の動圧気体
軸受は、滑り軸受の相対向する摺動面部のうちの一方の
摺動面部に、反応性イオンエッチングによりガス化処理
できる硬質膜を被着し、この硬質膜に反応性イオンエッ
チングにより動圧発生溝を形成したことを特徴とする。
この反応性イオンエッチングによりガス化処理できる硬
質膜としては、たとえばダイヤモンドライクカーボン、
あるいは炭化珪素、窒化珪素、窒化炭素などから成る硬
質膜を用いることができる。
【0006】この請求項1の手段によれば、硬質膜は動
圧発生溝形成前の凹凸のない平滑な摺動面部に被着すれ
ばよいので、硬質膜はクラックのない状態で摺動面部に
被着され、耐久性に富むとともに、ダイヤモンドライク
カーボン等より成る硬質膜により、頻繁な起動・停止に
対しても低摩擦・低摩耗性が得られる。そして動圧発生
用溝の形成は、反応性イオンエッチングによる加工によ
り硬質膜成分をガス化することで除去するため機械加工
のようなバリも発生せず、機械加工よりも加工が容易で
ある。
【0007】請求項2記載の動圧気体軸受は、滑り軸受
の相対向する各摺動面部に、反応性イオンエッチングに
よりガス化処理できる硬質膜を被着し、一方の摺動面部
に被着した前記硬質膜に、反応性イオンエッチングによ
り動圧発生溝を形成したことを特徴とする。この硬質膜
としては、前記請求項1記載の発明における硬質膜と同
じものを用いることができる。
【0008】この請求項2の手段によれば、前記請求項
1の手段による作用に加えて、動圧発生溝形成側摺動面
に対向する他方の摺動面部も硬質膜で被覆されるので、
該他方の摺動面部が硬質膜で被覆されていない場合に比
べて低摩擦状態が確実に維持されるので、好ましい。
【0009】この発明においては、硬質膜は一層で構成
してもよいが、請求項3記載の発明のように、前記動圧
発生溝が形成される前記硬質膜が、基材に被着される下
層側硬質膜と、この上に被着される上層側硬質膜の二層
から成り、前記動圧発生溝の底面が前記下層側硬質膜内
にある構成とすれば、高硬度の上層側硬質膜を薄い膜厚
で下層側硬質層の上に被着することにより、上層側硬質
膜の内部応力による剥離を防止して、高硬度の硬質膜を
形成することができ、さらに上層側硬質膜の摩耗後も、
下層側硬質膜により低摩擦・低摩耗状態は維持されるう
え、基材は安価な金属材料で構成できるので経済的であ
る。
【0010】またこの発明においては、動圧発生溝は硬
質膜の厚さの範囲内に設けてもよいが、請求項4記載の
発明のように、前記動圧発生溝が前記硬質膜を貫通して
基材に達している構成とすれば、硬質膜を高硬度のもの
とするために膜厚を薄いものとしても、動圧発生に必要
な深さの動圧発生溝を形成できるとともに、基材に対し
ても反応性イオンエッチングにより動圧発生溝を形成す
るので、該溝加工に伴う機械加工の場合のようなマイク
ロクラックの発生がなく、該マイクロクラックに起因す
る異物発生を防止できるので、好ましい。
【0011】また上記の動圧発生溝が硬質膜を貫通して
基材に達した構成とする場合、基材はたとえばアルミニ
ウムなどの金属材料で構成してもよいが、請求項5記載
の発明のように、前記基材が炭化珪素またはアルミナま
たはシリカから成る構成とすれば、硬質膜摩耗後も基材
が高硬度のセラミック材から成るので急激な摩耗の進行
が防止できるので、好ましい。さらに、これらの材料は
高剛性でありしかも比重が小さいので、高速回転部材の
小型軽量化に寄与するという点で、それぞれ基材構成材
として好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図1〜図3に示す第1例によ
り、この発明の実施の形態を説明する。図1において1
はこの発明に係る動圧ラジアル気体軸受で、円筒状のス
リーブ2と、このスリーブ2の軸受穴3に少量のすきま
をもって嵌合する軸4とから成り、軸4の表面部には、
ヘリングボーン形の動圧発生溝5が設けられている。そ
して軸回転式の場合は図示しないフレーム等に固定され
たスリーブ2に対して軸4を矢印X方向に回転させ、軸
固定式の場合は図示しないフレーム等に固定した軸4の
まわりにスリーブ2を矢印Xと反対方向に回転させるこ
とにより、動圧発生溝5により動圧を発生させて、軸4
あるいはスリーブ2にかかる横荷重を支持する。
【0013】軸4の表面部の構造は図2に示す通りで、
ステンレス鋼やアルミ合金などの金属から成る丸棒状の
基材6の表面に、ダイヤモンドライクカーボン(以下D
LCという)から成る硬質膜であるDLC膜7を被着
し、このDLC膜7には、反応性イオンエッチングによ
り前記動圧発生溝5が形成してある。またスリーブ2も
ステンレス鋼やアルミ合金などの金属製で、この例では
軸受穴3の表面(内径面)部にもDLCから成る硬質膜
であるDLC膜8(図1参照)を被着してある。
【0014】上記動圧発生溝5の形成法を具体的に例示
すると、先ず図3(a)に示すように先ず基材6の表面
にDLCを約7μm成膜してDLC膜7を形成する。こ
の成膜にはスパッタ、イオンプレーティング、プラズマ
CVDなどが用いられる。DLCは成膜条件によりその
硬度(マイクロビッカース硬度。以下同じ)を700〜
5000kgf/mmと広範囲に変えることが出来、例えば
プラズマCVDで炭素の供給体としてベンゼン等の芳香
族炭化水素を用い、高周波電力400ワット、処理ガス
圧力数十ミリトールで成膜を行うと硬度1000kgf/mm
のDLC膜を得ることが出来る。耐摩耗性を上げるた
めには硬度は高いほうが好ましいが、硬度が高くなると
一般に膜の内部応力も高くなり下地の基材6との付着力
が低下し、膜の剥離や膜自身が粉状の破壊を生じるの
で、硬度は1000kgf/mm程度が好ましい。付着力を
高めるためにDLC膜7と下地の基材6との間に珪素や
チタンなどの中間膜を形成してもよい。
【0015】上記の成膜したDLC膜7に動圧発生溝5
を、半導体集積回路のパターニングと同様の手法を用い
て形成する。すなわち図3(b)に示すように、DLC
膜7上に、酸素プラズマに侵されずDLCとの付着性の
良いチタン膜11を形成し、この上にレジスト12を塗
布してフォトリソグラフィーにより溝パターン12a
[図3(c)参照]を形成する。そしてこのレジスト1
2の溝パターン12aをマスクとして、アルゴンイオン
13の照射によるイオンミリングなどの手法により、レ
ジスト12の溝パターン12aをチタン膜11に転写さ
せる。有機溶剤などによりレジスト12を除去した後、
図3(d)に示すように、チタン膜11の溝パターン1
1aをマスクとして、反応性ガスとして酸素を用い、た
とえば高周波電力200ワット、酸素ガス圧力数百ミリ
トールの条件下で、酸素プラズマ(酸素イオン14)中
での反応性イオンマッチングにより、DLC膜7に深さ
約5μmの動圧発生溝5を形成する。
【0016】このようにDLC膜7の成膜後に、反応性
イオンエッチングによりDLC(炭素)を酸化・ガス化
して除去することにより動圧発生溝5を形成するので、
溝の開口縁部には機械加工の場合のようにバリが発生せ
ず、仕上加工のための加工工数は不要となり加工コスト
の低減をはかれるとともに、DLC膜7は溝形成前の凹
凸のない平滑な基材表面上に広面積にわたって被着され
るので、クラックのない均質な膜が基材6に強固に被着
され、上記クラックによる剥離がなく頻繁な起動・停止
に対しても長期にわたって低摩擦・低摩耗状態が維持さ
れるのである。またこの例ではスリーブ2側にもDLC
膜8を被着してあるので、このDLC膜8がない場合に
比べて低摩擦状態が確実に維持される。
【0017】上記の例では硬質膜をDLCで形成した
が、このDLCは摩擦係数が0.1〜0.2と低くかつ
硬度が3000kgf/mmと高いので、特にすぐれた低摩
擦・低摩耗性が得られるものである。しかしDLCは3
00℃程度の高温になると変質し摩擦強度が低下するの
で、高温での使用には、DLCの代りに炭化珪素を用い
るのがよい。炭化珪素はDLCよりも摩擦係数が高いが
(摩擦係数=0.25程度)、高温時(300℃以上)
にDLCよりも安定であり、他の硬質膜よりは摩擦係数
が低く、硬度も高いことから、高温環境下での使用には
適しているものである。硬質膜形成用に炭化珪素を用い
る場合には、動圧発生溝形成のための反応性イオンエッ
チングの際には、前記の酸素ガスプラズマの代りに四フ
ッ化炭素プラズマなどを用い、第1例と同様な工程でエ
ッチングをおこなえばよく、この場合も炭化珪素を分解
・ガス化して除去するので溝の開口縁部にはバリは発生
しない。また窒化珪素も上記炭化珪素と同等の性質を有
し、同様にDLCの好適な代替硬質膜となるものであ
る。
【0018】次に図4によりこの発明の実施の形態の第
2例を説明する。図4は軸4の動圧発生溝5付設部を示
すものであり、軸受全体としては前記図1と同構成を有
するものであって、軸4は第1例と同様にスリーブ2と
組合わせて使用されるものである(以下他の例も同様で
ある)。
【0019】図4に示すようにこの例における硬質膜2
1は、基材に被着される下側硬質膜21aと、この上に
被着される上側硬質膜21bから成る二層構造となって
おり、この硬質膜21に反応性イオンエッチングにより
形成した動圧発生溝5の底面5aは、下側硬質膜21a
内に有る。
【0020】この例の軸受は、第1例よりもさらに低摩
耗を要求される場合に適しており、第1例よりも高硬度
の上側硬質膜21bの被着によりこの低摩耗性を得るも
のである。すなわち、第1例では7μmという比較的厚
いDLC膜8を用いているが、DLCは高硬度とすると
膜の内部応力も高くなり剥離しやすくなるので、この剥
離を防止するためには膜厚を薄くする必要がある。たと
えば硬度2500kgf/mmのDLCの場合、剥離をおこ
さない最大膜厚は3〜4μmである。そこで高硬度で薄
い膜厚の上側硬質膜21bと、これより低硬度で厚い膜
厚の下側硬質膜21aを、アルミ合金やステンレス鋼な
どの金属製の基材6上に被着し、この硬質膜21内に動
圧発生溝5を形成している。
【0021】上記の二層構造の硬質膜21の形成材料と
してDLCを用いる場合の成膜法を具体的に例示する
と、基材6の表面にDLCの付着力を高めるために、ス
パッタリング法などにより珪素膜を0.2μm形成した
のち、この上に硬度1000kgf/mmのDLC膜(下側
硬質膜21a)を5μm形成する。この成膜は、たとえ
ば炭化水素としてベンゼンを用い、高周波電力340
W、処理圧力80mTorr、ガス流量110sccmの成膜条
件で、成膜速度0.654μm/分でおこなう。
【0022】次にこの上に、硬度2500kgf/mmのD
LC膜(上側硬質膜21b)を2μm形成する。この成
膜は、たとえば上記と同じベンゼンを用い、高周波電力
600W、処理圧力22mTorr、ガス流量20sccmの成
膜条件で、成膜速度0.19μm/分でおこなう。この
ようにして形成したDLCの二層構造の硬質膜21に、
第1例と同様な方法により、深さ約5μmの動圧発生溝
5を形成し、図4の構造の軸4を得る。
【0023】このように、上側硬質膜21bは薄い膜厚
のものにできるので、上側硬質膜21bを高硬度のもの
としても内部応力により下側硬質膜21aから剥離する
のが防止され、また下側硬質膜21aは基材6に対して
広い面積で強固に被着されるので、下側硬質膜21aも
剥離しにくく、硬質膜21は基材6に強固に固着され、
高硬度・低摩耗で耐久性に富む軸受が得られる。
【0024】さらに基材6は安価な金属材料で構成でき
るので経済的であり、また上側硬質膜21bが摩耗した
ときも、下側硬質膜21aによりある程度の低摩擦・低
摩耗状態は維持されるので、急激な摩耗の進行が生じる
ことはない。また基材6が反応性イオンエッチングが困
難なステンレス鋼である場合でも、硬質膜21部に反応
性イオンエッチングにより容易に動圧発生溝5を加工で
きる。
【0025】上記の第2例は、上側硬質膜21bおよび
下側硬質膜21aをいずれもDLCで形成する場合を示
したが、高温使用の場合における硬度の異なる炭化珪素
膜同士、あるいは炭化珪素膜(下側硬質膜21a)とこ
れより高硬度のDLC膜(上側硬質膜21b)の組合わ
せなど、成膜条件の選定により上記以外の組合わせによ
って二層構造の硬質膜21を形成してもよい。
【0026】次に図5に示すこの発明の実施の形態の第
3例では、第2例と同様に低摩耗性の実現のために高硬
度で薄い膜厚の硬質膜25を、炭化珪素から成る丸棒状
の基材26の表面に被着し、動圧発生溝5を、硬質膜2
5を貫通し基材26の表面部を堀下げる形で、反応性イ
オンエッチングにより形成したものである。
【0027】炭化珪素で構成した基材26の表面に、た
とえば厚さ2μmの高硬度のDLCから成る硬質膜25
を被着した場合は、第1例と同様にして酸素中で反応性
イオンエッチングにより硬質膜25部のエッチングをお
こない、次にガスを酸素から四フッ化炭素に切替えて炭
化珪素部(基材26)のエッチングをおこなって約7μ
mの深さの動圧発生溝5を形成する。
【0028】このように高硬度の硬質膜25を基材26
の表面に被着して基材26に達する動圧発生溝5を形成
したので、動圧発生に必要な深さの溝をそなえ高硬度で
耐摩耗性に富む軸受が得られ、また硬質膜25の摩耗後
も基材26は耐摩耗性を有するセラミック材から成るた
め、急激な摩耗の進行は防止される。また動圧発生溝5
は反応性イオンエッチングにより形成されるので、基材
26部においても機械加工による場合のようなマイクロ
クラックの発生がなく、該マイクロクラックに起因する
異物発生を防止できる。
【0029】また上記第3例における基材26として
は、炭化珪素の代りにアルミナあるいはシリカを用いて
も、上記と同様な作用効果が得られる。さらに軸受荷重
が低く硬質膜の摩耗が少ない場合などは、上記のセラミ
ック材から成る基材26の代りに、アルミ合金などの反
応性イオンエッチングが可能な金属から成る基材6に対
して、第3例と同じ硬質膜25の被着および該硬質膜を
貫通して基材に至る動圧発生溝5の形成をおこなっても
よく、この場合は基材が安価でさらに低コスト化をはか
ることができる。
【0030】この発明は上記各例に限定されるものでは
なく、たとえば硬質膜の厚さや動圧発生溝の深さなどは
上記以外のものとしてもよく、また動圧発生溝の形状も
たとえばステップ状など、上記以外の形状のものとして
もよい。さらにスリーブ2側に設けたDLC膜8も他の
材質のものとしてもよく、また軸受荷重が低い場合やス
リーブ2がたとえば軸受穴3の表面が平滑に仕上げられ
たセラミック材などから成る場合は、スリーブ2側の硬
質膜(DLC膜8)の被着は省略してもよい。また動圧
発生溝は軸4側に設ける代りにスリーブ2側に設けても
よく、この場合は上記と同様な一層あるいは二層構造の
DLC膜8,硬質膜21,25等を、スリーブ2の摺動
面部である軸受穴3の表面部に設ければよい。
【0031】またこの発明は上記の動圧ラジアル気体軸
受1のほかに、図6および図7に示す動圧スラスト気体
軸受31にも適用できるものであり、軸32に固定した
円盤33の盤面34(摺動面)と、これに対向する軸受
体35の受圧面36(摺動面)のうちの一方の面に、各
種形状の動圧発生溝37(図はスパイラル状のものを示
す。)を設けるにあたって、上記各例と同様な硬質膜の
被着および反応性イオンエッチングによる動圧発生溝の
形成をおこなえばよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
滑り軸受の摺動面部に被着した硬質膜に、反応性イオン
エッチングにより動圧発生溝を形成したので、硬質膜被
着時のクラック発生が防止されるとともに動圧発生溝開
口縁部のバリ取りも不要であり、摺動摩擦抵抗が低く耐
摩耗性および耐久性がすぐれ、高速回転用に好適に使用
できるとともに、動圧発生溝の加工が容易である動圧気
体軸受が得られ、この動圧気体軸受を、たとえばレーザ
プリンタに適用すれば高速印字が可能となり、ハードデ
ィスクドライブに適用すれば高速読出し・書込みが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の第1例を示す動圧気体
軸受の断面図である。
【図2】図1における軸の動圧発生溝付設部の拡大断面
図である。
【図3】図2の動圧発生溝の形成工程説明図である。
【図4】この発明の実施の形態の第2例を示す図2相当
図である。
【図5】この発明の実施の形態の第3例を示す図2相当
図である。
【図6】この発明の他の実施の形態を示す動圧スラスト
気体軸受の縦断面図である。
【図7】図6のA−A線断面図である。
【図8】従来の動圧気体軸受の一例を示す動圧発生溝部
の拡大断面図である。
【符号の説明】
1…動圧ラジアル気体軸受、2…スリーブ、3…軸受
穴、4…軸、5…動圧発生溝、5a…底面、6…基材、
7…DLC膜、8…DLC膜、21…硬質膜、21a…
下側硬質膜、21b…上側硬質膜、25…硬質膜、26
…基材、31…動圧スラスト気体軸受、32…軸、33
…円盤、34…盤面、35…軸受体、36…受圧面、3
7…動圧発生溝。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 滑り軸受の相対向する摺動面部のうちの
    一方の摺動面部に、反応性イオンエッチングによりガス
    化処理できる硬質膜を被着し、この硬質膜に反応性イオ
    ンエッチングにより動圧発生溝を形成したことを特徴と
    する動圧気体軸受。
  2. 【請求項2】 滑り軸受の相対向する各摺動面部に、反
    応性イオンエッチングによりガス化処理できる硬質膜を
    被着し、一方の摺動面部に被着した前記硬質膜に、反応
    性イオンエッチングにより動圧発生溝を形成したことを
    特徴とする動圧気体軸受。
  3. 【請求項3】 前記動圧発生溝が形成される前記硬質膜
    が、基材に被着される下層側硬質膜と、この上に被着さ
    れる上層側硬質膜の二層から成り、前記動圧発生溝の底
    面が前記下層側硬質膜内にある請求項1または2記載の
    動圧気体軸受。
  4. 【請求項4】 前記動圧発生溝が前記硬質膜を貫通して
    基材に達している請求項1または2記載の動圧気体軸
    受。
  5. 【請求項5】 前記基材が炭化珪素またはアルミナまた
    はシリカから成る請求項4記載の動圧気体軸受。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005052507A (ja) * 2003-08-07 2005-03-03 Brother Ind Ltd 摺動部品の製造方法及び摺動部品
JP2013148216A (ja) * 2011-12-19 2013-08-01 Minebea Co Ltd 摺動部材及び流体動圧軸受装置
JP2016178818A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 ミネベア株式会社 モータ
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