JP2001027245A - 動圧流体軸受及びその製造方法 - Google Patents
動圧流体軸受及びその製造方法Info
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Abstract
や、摩耗等による性能劣化を防止する。 【解決手段】 動圧流体軸受の軸受部3は、動圧発生用
の溝が2個所に設けられている。軸受部3の材質は、動
圧発生用溝の加工性を良くするため黄銅やアルミ合金を
用いる。この軸受部3の内周面5には、全体にアモルフ
ァス炭素であるDLC膜6が、保護膜として成膜されて
いる。これにより、軸受部の内面に動圧流体軸受の軸受
部と回転軸との間に焼付きが生じず、かつ、長期的にも
膜厚の精度を維持できる。
Description
イブ、光ディスクドライブ、ビデオテープレコーダ等の
スピンドルモーターに使用される動圧流体軸受及びその
製造方法に関するものであり、特にその軸受部におけ
る、保護膜の材質、成膜範囲および成膜法に関するする
ものである。
イブ、ビデオテープレコーダ等のスピンドルモーター等
で用いられる軸受には、スピンドルモーターの高速回転
化や、トラック密度の向上に従う回転軸の高精度化に伴
い、回転軸の回転に伴って発生する動圧で回転軸を支持
する滑り軸受の一種である動圧流体軸受が採用されつつ
ある。これらの動圧流体軸受の回転軸や軸受部の材料と
して、動圧発生用の溝の加工性を重視して、黄銅やアル
ミニウム合金が多く使用されている。ところが、黄銅や
アルミニウム合金は、加工性が良好な反面、素材の硬度
が低く、無電解Ni-Pメッキ等の硬質な保護膜を回転軸や
軸受部の内周面に成膜している。
クドライブ、光ディスクドライブ、ビデオテープレコー
ダ等のスピンドルモータの動圧流体軸受は、軸振れを押
さえて高精度に回転軸を支持するため、回転軸と軸受部
の間が1〜3μm程度と、極めて狭い所定の軸受間隔が
形成されている。このため、はめあい部の寸法および表
面を精度良く仕上げる必要がある。はめあい部の寸法の
精度が低い場合は、回転軸が高精度に支持できず軸振れ
が大きくなり、記録メディアの記録トラックを、ヘッド
が正確にトレースできなくなる。また、表面の精度が低
く不要な凸がある場合は、回転軸と軸受部が部分的に接
触して、部分的に急激な摩耗が発生したり、摩耗熱を発
生し、接触部分の溶着による、いわゆる焼付き現象を起
こす。この焼付き現象は、起動停止時の軸受負荷能力が
低い状態での接触による摩耗が引き金となるが、高速回
転時にも、外力を受けた際の振動等により発生すること
もある。
は、成膜時の膜厚精度、そして、精度を維持できる性能
を確保することが重要である。
護膜として、無電解Ni-Pメッキが多く用いられている
が、更なる高回転化や高精度化に対して対応することが
困難になってきている。その理由として、まず、メッキ
工程において反応むらを起こしやすく、保護膜表面に突
起が発生することから、回転軸の高回転中に、衝撃や姿
勢変化による回転軸と軸受部の接触により焼付きをおこ
す問題を含んでいる。また、無電解Ni-Pメッキの膜厚
は、長期間の使用による摩耗で、下地である黄銅やアル
ミ合金等が露出しないようにする必要があり、摩耗分も
考慮して3〜5μm程度の膜厚で成膜している。一方、
動圧流体軸受の回転軸と軸受部のクリアランスは数μm
以下であることから、無電解Ni-Pメッキの膜厚精度とし
ては、最低でも約0.5μm以下の管理をする必要があ
る。しかし、無電解Ni-Pメッキの成膜は、回転軸や軸受
部のはめあい部全体にわたり、この膜厚精度で管理する
とは難しく、生産時には歩留まりも低下する。さらに、
長期間使用による摩耗で、回転軸軸受部のクリアランス
が変化し、回転精度の低下し軸振れが大きくなる。従っ
て、現状の無電解Ni-Pメッキ等の工法においては、高速
回転時や起動停止時の焼付き、長期間の回転精度の維
持、歩留まり等に大きな課題があった。
素からなるDLC(Diamond Like Carbon)膜や、T
iCなど、PVD(Physical Vapor Deposition)法や
CVD(Chemical Vapor Deposition)などのドライプ
ロセスにより成膜される保護膜は、その特性の優秀さか
ら応用が注目されている。例えば、DLC膜と無電解Ni
-Pメッキに比較してみると、ビッカース硬度で約4~8
倍、摩擦係数や表面精度についてもDLCの方が優れてい
る。
は用いられていない。多くの場合、動圧流体軸受におけ
る動圧発生用溝は、回転軸に設けるより軸受部に設けた
ほうが耐摩耗特性は良く、軸受部に設けられることが多
い。しかし、通常のドライプロセスは、その特性から入
り口付近に保護膜が堆積し内部まで進入できない。その
ため、軸受部の内周面への均一な成膜は難しかった。ま
た、軸受や軸受部に用いられる材料の種類と、保護膜の
種類と組み合わせによると剥離等が発生する場合もあ
る。
に動圧流体軸受の軸受部と回転軸との間に焼付きが生じ
ず、かつ、高精度の膜厚で保護膜を成膜し、長期的にも
膜厚の精度を維持できるものを提供するものである。
用いての成膜法を、LSI(大規模集積回路)やLCD
(液晶ディスプレイ)等における、基板の表面に所定の
薄膜を形成する際の、ホール内面への膜付け特性(ステ
ップカバレッジ特性等)の改善に用いられる成膜法が、
動圧流体軸受の内周面の均一な成膜に応用されていない
ことに着目し、開発したものである。
受部の内周面に、動圧を発生させる動圧発生溝を有する
構造であって、前記軸受部の内周面に、主成分がダイア
モンド結合とグラファイト結合を含むアモルファス炭素
からなる保護膜を成膜した動圧流体軸受である。本発明
によれば、高硬度な保護膜の材料を用いることで、薄い
膜厚で成膜が可能となり、成膜時の精度を向上させるこ
とができ、また、表面の平滑性と低摩擦化により、動圧
軸受の回転精度の向上、回転速度の向上、および長期間
の性能の維持を提供できる。
おいて、前記軸受部と保護膜の間に中間層が成膜された
請求項1の動圧流体軸受である。本発明により、密着性
の高い保護膜を提供できる。
おいて、両端からの所定の範囲のみに前記保護膜が成膜
された請求項1および請求項2の動圧流体軸受である。
本発明により、ドライプロセスによる保護膜を簡易にま
た効率よく成膜できることを提供できる。
器と、前記保護膜の材料であるターゲットと、この前記
ターゲットをスパッタするために放電を生じさせる蒸発
源と、前記軸受部を複数個保持する軸受ホルダーとを有
し、前記軸受ホルダーに保持した前記軸受部と前記ター
ゲットとの距離を前記軸受ホルダーに前記軸受部が保持
されている範囲の大きさで割った値を1以上にして、真
空容器内の圧力を1mTorr以下に保持されたスパッ
タリング装置を用いて、請求項1、請求項2および請求
項3に記載の前記の保護膜を成膜することを特徴とする
動圧流体軸受の製造方法である。本発明により、軸受部
の内周面に均等な膜厚に成膜された保護膜を提供でき
る。
置の蒸発源において、内側磁極と、同内側磁極の周囲に
外側磁極を有し、同外側磁極を前記内側磁極より故意に
強くすることにより、磁力線が前記ターゲットから前記
軸受ホルダーの軸受部付近まで伸びているマグネトロン
方式を用いていることを特徴をする請求項4に記載の動
圧流体軸受の製造方法である。本発明により、高硬度で
成膜速度の高い保護膜を提供できる。
圧を印加することで、前記軸受部にバイアス電圧を与え
ることを特徴とする請求項4および請求項5の動圧流体
軸受の製造方法である。本発明により、軸受部の内周面
に均等な膜厚に成膜された保護膜を提供できる。
いて、前記軸受ホルダーの前記軸受部を前記ターゲット
のスパッタされる面に対して、任意な角度に回転させる
ことができることを特徴とする請求項4、請求項5およ
び請求項6に記載の動圧流体軸受の製造方法である。本
発明により、軸受部の両側からスパッタリングをするこ
とができ、軸受部の内周面に均等な膜厚に成膜された保
護膜を提供できる。
表面または軸受部の内周面に、動圧を発生させる動圧発
生溝を有する構造であって、前記軸受部の内周面に、主
成分がダイアモンド結合とグラファイト結合を含むアモ
ルファス炭素からなる保護膜を成膜した動圧流体軸受で
ある。保護膜はいわゆるDLC(Diamond Like Carbo
n)膜と呼ばれ、炭素がダイアモンド結合とグラファイ
ト結合を含むアモルファス結合をしているのもである。
特徴として、ダイアモンド結合を含むため非常に高硬度
であり、また、結晶粒界を持たないため、成膜後の表面
が平滑で、さらに、グラファイト結合により潤滑性があ
り低摩擦である。DLC膜を保護膜とすることで、硬度
が大幅に向上し、そのため、保護膜の膜厚を薄くでき
る。これにより、成膜時の膜厚精度の向上をはかること
ができる。さらに、低摩擦かつ表面が平滑であることか
ら、焼付きや、摩耗による回転精度の劣化等の課題に対
して、大幅な改善を図る作用を有する。
周面において、前記保護膜と前記軸受部との間に中間層
が成膜された請求項1の動圧流体軸受である。DLCと
の密着性が良好でない材質からなる軸受部の内周面に、
DLC膜と軸受部の両方に対し密着性が良好な中間層を
選択して成膜することで、密着性を改善し、剥離を押さ
える作用を有する。
おいて、両端からの所定の範囲のみに前記保護膜が成膜
された請求項1および請求項2の動圧流体軸受である。
通常、DLC膜は、PVD法やCVD法などのドライプ
ロセスにより成膜を行う。一般的なドライプロセスは、
軸受部の内径が小さい場合は、プラズマが軸受部の内部
に発生できない、あるいは、膜付けするスパッタ粒子が
軸受部の内周面に平行に入らないため、入り口付近のみ
に堆積し均一な成膜が難しい。しかし、軸受部の両端か
ら所定の範囲のみに保護膜を限定することで、簡易に、
しかも効率よく成膜することができる作用を有する。
請求項3において、排気系を備えた真空容器と、前記保
護膜の材料であるターゲットと、このターゲットをスパ
ッタするために放電を生じさせる蒸発源と、前記軸受部
を複数個保持する軸受ホルダーとを有し、前記軸受ホル
ダーに保持した軸受部と前記ターゲットとの距離を前記
軸受ホルダーに前記軸受部が保持されている範囲の大き
さで割った値(いわゆる規格化TS距離(TS距離/基
板の大きさ)に相当)を1以上にして、真空容器内の圧
力を1mTorr以下に保持されたスパッタリング装置
を用いて前記保護膜を成膜することを特徴とする成膜法
である。これにより、通常のドライプロセスに比較し
て、真空容器の内部を低圧化すことで、成膜粒子の平均
自由工程を長くし、さらに、ターゲットと前記軸受ホル
ダーに保持された軸受部までの距離を長くすることで、
軸受部の軸方向に対して平行に近い方向から成膜粒子が
軸受部の内部に入ることになる。この効果により、軸受
部の内周面の奥まで成膜粒子を到達させ、より均一な膜
厚で成膜ができる作用を有する。さらに、軸受ホルダー
の複数の軸受部においても、スパッタ粒子がほぼ同様の
方向から軸受部の内部に入ることができ、膜厚の均等化
が図られる作用もある。
定の電圧を印加することで、軸受部にバイアス電圧を与
えることを特徴とする請求項4および請求項5の成膜法
である。軸受部に電圧を印加することで、軸受部付近に
電界が生じ、成膜粒子を軸受部の内部まで引き込むた
め、均一な膜厚に成膜できる作用がある。
置において、前記軸受部の前記軸受ホルダーに前記ター
ゲットのスパッタされる面に対して、任意な角度に回転
させることができることを特徴とする請求項4、請求項
5および請求項6に記載の成膜法である。成膜中に軸受
部を軸受部の両端の入り口から成膜粒子が入るように角
度を変化させることで、均一な膜厚に成膜できる作用が
ある。
1および請求項2の実施形態について、図1、図2にて
説明する。
受部の断面を示す。回転軸2からの荷重を、軸受部3の
動圧発生用溝4により動圧を発生させて、回転軸2を支
持する。動圧発生用溝4は、軸受部3の内周面5の両端
に近い位置に2個所設けられている。また、軸受部の材
質として、動圧発生用溝の加工性を良好にするため、黄
銅やアルミ合金を用いている。回転軸2は、硬度を高く
するためにステンレスを用いている。この軸受部の内周
面5には、表面が平滑で低摩擦と高硬度の特徴を持つ、
アモルファス炭素であるDLC膜6が、保護膜として内
周面全体に成膜されている。
断面の一部を示す。軸受部3の材質として、動圧発生用
溝の加工性を優先するなどの理由により、DLC膜と密
着性が良好でないものを用いる場合は、軸受部3とDL
C膜の両方に対し密着性が良好な材料を選択して中間層
7に成膜する。中間層としては、例えば、軸受部が黄銅
の場合は、TiおよびSi等を用いることができる。また、
SUS等の場合は、Al,Si等を用いる。中間層7の膜厚
はDLCの膜厚と比較して、軸受部3の材質が露出しない
程度の非常に薄い膜厚でよい。
内周面に、動圧発生用溝4を設けた例を示したが、回転
軸2の外周面に沿って設けても良い。
実施形態について図3を用いて説明する。軸受部3の内
周面には、動圧発生用溝4が両端から所定の位置に2個
所設けられている。一般に、動圧流体軸受の軸受部3の
構造として、動圧発生用溝4は、両端に比較的近い位置
に設けられており、その位置の内径が最も小さくなって
いる。回転軸2が、起動停止時の軸受負荷能力が低い場
合や、高速回転時に外力を受けた際の振動により、接触
する部分は、動圧発生用溝4が設けられた部分である。
従って、軸受部3の内周面の中央部付近は、回転軸2と
軸受部3が接触することは基本的にない。そこで、DL
C膜を軸受部3の両端から動圧発生用溝4を含む所定の
範囲8のみに成膜する。DLC膜を成膜するための方法
として、例えば通常のCVD法により、軸受部3の両端
面に限定して成膜することができる。このような方法で
は、軸受部3の両端に近い部分の成膜レートが高く、中
央部の成膜レートは非常に遅くなるか成膜ができない。
しかし、軸受部3の両端から所定の範囲8のみに成膜す
る範囲を限定することで、通常の成膜装置等を用いて保
護膜としてのDLC膜を成膜することができる。
ら8の実施形態について、図4を用いて説明する。図4
は、DLCの成膜に用いるスパッタ装置の基本構成を示
す。真空容器9は、ゲートバルブ18を備えた機密な容
器である。保護膜6の材料であるターゲット10と、タ
ーゲットをスパッタするためのスパッタ放電を生じさせ
る電極11と、スパッタ放電させるためのガスを導入す
るための導入系17と、複数の軸受部1を保持するため
の軸受ホルダー12を備えている。
には、カーボンを取り付ける。また、ターゲット10は
円形または長方形をしており、軸受ホルダー12の軸受
部1が保持された部分より広い面積をしている。これ
は、軸受ホルダー12上のどの位置に保持された軸受部
3においても同様な成膜特性を得るためである。
は、ターゲット10との距離TSを、軸受ホルダー12
に軸受部1が保持されている範囲Hで規格化(距離TS
/H)した値が1以上となる位置に配置している。これ
により低圧遠隔スパッタの効果が得られる位置に設定さ
れている。ここで、軸受ホルダー12が軸受部1を保持
している範囲Hは、円形の場合はその直径、四角形の場
合は対角である。
接続されており、軸受部1にバイアス電圧を印加するこ
とができるようになっている。これにより、軸受部1の
内面部に、スパッタ粒子イオンを引き込むことがで、軸
受部1の内面部に均等に成膜できる。回転軸20は、回
転用モータが接続されており、軸受ホルダー12を任意
な角度に回転させるることができる。これにより、軸受
部1の両端から内周部に成膜することが可能で、内周面
の均等な成膜を可能にする。
る。ターゲット10と電極11の間には、設一対の非平
衡な外側磁極13、14と内側磁極15を設けている。
外側磁極13、14は内側磁極15より強くすること
で、外側磁極13、14の一部の磁力線が内側磁極15
と繋がり、残りの磁力線は軸受ホルダー12の軸受部1
の付近まで伸びるようになっている。これにより、軸受
部1の近傍のプラズマ密度が増大し、軸受部1と衝突す
るイオンが増大することで、密着性および反応性が向上
する。
いられる。放電用ガスの流量は、放電時の真空容器9内
の圧力が低圧遠隔スパッタの効果が得られる値になるよ
うに調整される。この圧力は、低圧遠隔スパッタ装置に
おいては、一般に1mTorr以下であり、この圧力以
下になるように制御されている。
たようなラジアル動圧流体軸受の内周面に、DLC膜を
成膜した。軸受部の概要を示す。 軸受部の内径(動圧発生用溝の部分):3.4mm、 軸受部の長さ:12mm、 軸受部の材料:黄銅 実験条件は下記の通りである。 DLC用ターゲット材料 : カーボン 蒸発源 : 非平衡磁場型 高周波電力 : 2000W TS距離 : 160mm ガス圧 : 0.5mTorr 放電用ガス : アルゴン バイアス電圧 : 500V 表1は、上記実施例の条件で、請求項4〜7の成膜法を
用いて実験をした結果である。
厚は、中央部と端面で約40nmの差である。また、硬度
は約2385Hvであり、十分な強度が得られている。
以上説明した本発明の実施形態および実施例において
は、DLC膜の成膜について説明したが、ターゲットと
ガスを選択するとこで、CN、TiN等の成膜にも用い
ることができる。また、軸受部だけでなく、回転軸も軸
受ホルダーに保持することで、応用することができる。
発明によれば、動圧流体軸受の軸受部の内周面にDLC
膜を成膜し、従来のメッキ工法に対して膜厚精度と摩耗
性を大きく改善することができる。これにより、軸受部
の内面に動圧流体軸受の軸受部と回転軸との間に焼付き
が生じず、かつ、高精度の膜厚で保護膜を成膜し、長期
的にも膜厚の精度を維持できるものを提供するものであ
る。さらに、小径の軸受部の内周部に均一に成膜できる
ことから、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライ
ブ、ビデオテープレコーダーなどの機器の小型化に伴
う、スピンドルモータの小型化にも大きな力を発揮す
る。
された動圧流体軸受の軸受部を切断して示す斜視図
を示す断面図
成膜された動圧流体軸受の軸受部を切断して示す斜視図
低圧遠隔スパッタ装置の構成図
Claims (7)
- 【請求項1】 回転軸の表面または軸受部の内周面に、
動圧を発生させる動圧発生溝を有する構造であって、前
記軸受部の内周面に、主成分がダイアモンド結合とグラ
ファイト結合を含むアモルファス炭素からなる保護膜を
成膜した動圧流体軸受。 - 【請求項2】 前記軸受部の内周面において、前記保護
膜と前記軸受部との間に中間層が成膜された請求項1に
記載の動圧流体軸受。 - 【請求項3】 前記軸受部の内周面において、両端から
の所定の範囲のみに前記保護膜が成膜された請求項1お
よび2に記載の動圧流体軸受。 - 【請求項4】 排気系を備えた真空容器と、前記保護膜
の材料であるターゲットと、この前記ターゲットをスパ
ッタするために放電を生じさせる蒸発源と、前記軸受部
を複数個保持する軸受ホルダーとを有し、前記軸受ホル
ダーに保持した前記軸受部と前記ターゲットとの距離を
前記軸受ホルダーに前記軸受部が保持されている範囲の
大きさで割った値を1以上にして、真空容器内の圧力を
1mTorr以下に保持されたスパッタリング装置を用
いて、請求項1から3に記載の前記保護膜を成膜するこ
とを特徴とする動圧流体軸受の製造方法。 - 【請求項5】 前記スパッタリング装置の蒸発源におい
て、内側磁極と、同内側磁極の周囲に外側磁極を有し、
同外側磁極を前記内側磁極より故意に強くすることによ
り、磁力線が前記ターゲットから前記軸受ホルダーの軸
受部付近まで伸びているマグネトロン方式を用いること
を特徴とする請求項4に記載の動圧流体軸受の製造方
法。 - 【請求項6】 前記軸受ホルダーに所定の電圧を印加す
ることで、前記軸受部にバイアス電圧を与えることを特
徴とする請求項4および請求項5の動圧流体軸受の製造
方法。 - 【請求項7】 前記スパッタリング装置において、前記
軸受ホルダーの前記軸受部を前記ターゲットのスパッタ
される面に対して、任意な角度に回転させることができ
ることを特徴とする請求項4から6に記載の動圧流体軸
受の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20121899A JP2001027245A (ja) | 1999-07-15 | 1999-07-15 | 動圧流体軸受及びその製造方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-07-15 JP JP20121899A patent/JP2001027245A/ja active Pending
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