JPH10288222A - 回転機械の動圧発生溝付軸受構造とその加工方法 - Google Patents

回転機械の動圧発生溝付軸受構造とその加工方法

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JPH10288222A
JPH10288222A JP9423497A JP9423497A JPH10288222A JP H10288222 A JPH10288222 A JP H10288222A JP 9423497 A JP9423497 A JP 9423497A JP 9423497 A JP9423497 A JP 9423497A JP H10288222 A JPH10288222 A JP H10288222A
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昌樹 弘川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転機械の軸受への負荷荷重を、動圧で支持
する動圧軸受部の動圧発生溝が耐磨耗性に優れ、加工容
易で生産効率が高い構造とその加工方法の提供。 【解決手段】 滑り軸受で回転軸2と直角方向に負荷さ
れる荷重Wを、回転軸2の回転で生ずる動圧Pで支持す
るラジアル軸受1で、動圧Pの発生のため軸受部3内の
回転軸2の周面に軸2と平行なステップ状溝5の動圧発
生溝4を形成し、そのステップ状溝5の凹部溝5Aは回
転軸2の金属材料Mに埋め込んだセラミック材Sでなる
凸部5Bの狭間に配して、停止と起動時に固体接触する
凸部5Bをセラミック材Sで形成した。これは回転軸2
の周面の凸部5Bとする位置に溝を設け、この溝にセラ
ミック材Sを溶射等で埋めた後エッチング処理で金属部
分を溶解し、セラミック材Sを凸部5Bとしてその狭間
に凹部溝5Aを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械、ターボ
圧縮機、膨張タービン等で軸受部に負荷される荷重を、
高速回転する回転軸を回転によって発生せしめる動圧で
支持して、軸受部で噛じること無く滑らかに回転するよ
うにした滑り軸受の動圧発生溝付軸受構造とその動圧発
生溝付軸受構造の加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高速回転するターボ圧縮機や、膨張ター
ビン等の回転機械の軸受機構特に滑り軸受において、回
転軸の径方向に負荷される荷重を支持するための軸受
(ラジアル軸受)や回転軸の軸に沿って負荷される荷重
を支持するための軸受(スラスト軸受)では、これらの
荷重で回転軸と軸受とが相互に噛み合うことなく、滑ら
かに回転するように荷重が負荷される軸受部での受け面
に、回転軸の回転によって動圧を発生させてこれによっ
て回転軸の負荷荷重を支持する構造が採用されている。
【0003】即ち、図4はラジアル軸受51の例を説明
するもので、(a)はラジアル軸受51の概略説明図で
あり、回転軸52はラジアル軸受51で軸受されて回転
する。このとき軸受部53では、これに支持される回転
軸52の軸と直角方向(重力方向)に荷重Wが負荷され
て、回転軸52が軸受部53の下面53Aで接触し滑ら
かなる回転を損なうこととなる。そこでこの回転軸52
の荷重Wの負荷を支持するため、軸受部53に潤滑剤と
して供給した油又は気体を回転軸の回転により圧縮し
て、動圧Pを発生させてこの動圧Pで荷重Wを支持し回
転軸52を軸受部53の面より浮かせて滑らかに回転す
るようにしている。
【0004】そして前記動圧Pを効率よく発生させるた
めに、回転軸52の周面あるいは軸受部53の周面に沿
って動圧発生溝54を設けている。図4の(b)、
(c)はラジアル軸受51の動圧発生溝54の典型的な
模様形状を示すものである。(b)は回転軸52の周面
に沿って軸方向に平行な凹部溝55A、凸部55Bより
なるステップ状溝55を複数設けたものであり、(c)
は同様に回転軸の周面に沿って回転軸52の軸に対して
所定の角度を有するへリングボーン状模様56に凹部溝
56A、凸部56Bを複数設けたものである。
【0005】図5は回転軸の軸に沿った方向に負荷され
る荷重Wを支持するスラスト軸受61を説明するもの
で、(a)はその軸受の構造の概略を示すものである。
回転軸62はその軸を軸受部63に支持されて回転す
る。そしてこの場合回転軸62に沿った方向で重力方向
に荷重Wが負荷され、軸受部63がこれを支持する必要
がある。このため回転軸62に該回転軸62と軸心を一
致して回転する円盤65の面を軸心に沿う方向に向けて
配置して固定して設けて、この円盤65を軸受部63内
に回転軸62とともに回転するように受け面63Aで受
けて支持している。そして軸方向に負荷される荷重Wを
支持して回転軸62の回転を噛むことなく滑らかに駆動
するように、前記回転軸62に固定した円盤65の下面
に、回転軸62の回転によって潤滑剤として供給される
油や気体を圧縮して動圧Pを発生させ、この発生した動
圧Pによって円盤65を下方より支持し、更に荷重Wを
克服して受け面より浮上せしめて円盤65と受け面63
Aとの接触を回避し滑らかな回転を可能にしている。
【0006】そして前記動圧Pを効率よく発生させるた
めに、回転軸に設けた円盤65の下面、あるい円盤65
の下面と相対する軸受部63の受け面63Aの表面に動
圧発生溝64を設けている。図5の(b)、(c)はス
ラスト軸受61の動圧発生溝64の典型的な模様形状を
示すものである。(b)は回転軸62を中心にした螺旋
状溝66を形成する凹部溝66A、凸部66Bを複数設
けたものであり、(c)は同様に回転軸62を中心にし
て放射状溝67を形成する凹部溝67A、凸部67Bを
動圧発生溝64としたものである。
【0007】しかるに、上記動圧発生溝54及び64は
回転中に作動し効果を発揮するもので、停止時及び起動
時には、ラジアル軸受51では回転軸51と軸受部53
とが固体接触し、またスラスト軸受61では回転軸62
に設けた円盤65とこれを受けて支持する軸受部63と
で固体接触する。それ故これらの接触による摩耗を防ぐ
ために回転軸や軸受部の表面に超硬質複合材料をコーテ
イングするか、又はセラミックなどの硬質材料を使用し
ている。
【0008】図6は上記ラジアル軸受51やスラスト軸
受61に配設した動圧発生溝54、64の従来の構造の
模型断面図を示すもので、図6(a)で示す如く凹部溝
71を形成する凸部72の上表面72Aに超硬質複合材
料Uの皮膜をコーテイングしている。即ち凹部溝71を
設ける回転軸や軸受部等の部品70をアルミ合金や銅合
金、ステンレス鋼、軸受鋼等の金属材料Mを使用して形
に合わせて製造し、この表面に上記した所定の模様形状
の凹部溝71を、エッチング加工や放電加工により数ミ
クロン〜数十ミクロンの深さに削溝し、そしてこれによ
って形成された凸部72の上表面72Aにチタンカーバ
イド(TiC)やチタンナイトライド(TiN)、更には
タングステンカーバイド(WC)等の超硬質複合材料U
をイオンプレーテイングやスパッターリングによってコ
ーテイングして表面の耐摩耗性を高めている。
【0009】また他の構造として図6(b)に示す如く
凹部溝71を設ける回転軸や軸受部等の部品70を耐摩
耗性の極めて優れたセラミック材Sを用いて製造し、そ
の表面に上記した如き所定の模様形状の凹部溝71をレ
ーザー加工等によって深さ数ミクロン〜数十ミクロンに
刻設している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
6(a)の如き凸部72の上表面72Aに超硬質複合材
料Uをコーテイングするものにおいては、コーテイングさ
れるチタンカーバイド、チタンナイトライド、そしてタ
ングステンカーバイド等の超硬質複合材料Uの皮膜は、
厚さを厚く形成するには作業が煩雑で手間がかかり、価
格が高価となるため、せいぜいその厚さは3μm程度が
限界であり、極めて薄く使用可能寿命が短かった。また
この超硬質複合材料Uの皮膜を上記凸部上表面72Aに
コーテイングにより形成するには、密着強度を高くして
コーテイングする必要があり、このためには皮膜を形成
する表面を超精密仕上げ加工することが要求されるばか
りでなく、脱脂洗浄等の処理の繊細な配慮を必要とし
た。
【0011】このような超硬質複合材料Uのコーテイン
グによる皮膜の形成の不都合を避けるため、前記図6
(b)の如き回転軸又は軸受部等の部品70の材料をセ
ラミック材Sとしてその表面に凹部溝71を加工したも
のが提案された。しかるに、これはセラミック材が超硬
質であるという利点を利用したものであるので、その反
面このセラミック材に複数の溝を加工することは極めて
困難であり、レーザー加工でも溝の深さはせいぜい10
〜20μm程度であって、それ以上の深さの加工は価格
的に高価となる。また形成する複数の溝の深さをすべて
均一にすることも極めて困難であるばかりでなく、加工
に時間を要し、形状が大きいターボ圧縮機や膨張タービ
ン用のものにおいては、その加工に長時間を要する等々
の不都合があった。本発明は、上記従来の不都合に鑑み
なされたもので、動圧発生溝を形成しかつ停止時、起動
時に固体接触する凸部を超硬質なセラミック材で形成し
て使用寿命を高めるとともに、凹部溝の加工工程を簡略
化して加工を容易にして加工生産効率を高め、しかも溝
の深さを深くかつ複数の溝の深さを均一に形成すること
を可能にし、その上該溝の深さを適宜調整可能にした製
作費が安価な動圧発生溝付軸受構造とその加工方法を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記従来の不都合を解決
するため、請求項1に係わる発明は回転機械の滑り軸受
の回転軸または軸受部の表面に、複数の動圧発生溝を有
する軸受構造であって、前記動圧発生溝を形成する凹凸
部のうち凹部の底部を金属で形成してなるとともに、凸
部をセラミック材料で形成してなることを特徴とする回
転機械の動圧発生溝付軸受構造とし、請求項2に係わる
発明は前記滑り軸受がラジアル軸受で動圧発生溝が回転
軸の軸方向に所定の角度を有するへリングボーン状また
は回転軸の軸に平行なステップ状の模様形状の溝である
ことを特徴とする請求項1に記載の回転機械の動圧発生
溝付軸受構造とし、そして請求項3に係わる発明は前記
滑り軸受がスラスト軸受で、回転軸は該軸と同軸での回
転によって回転軸に沿った方向に生じるの動圧で支持さ
れる円盤が固設されてなり、軸受部は前記回転軸の円盤
の下面と相対した円盤受け面が配されてなるとともに、
動圧発生溝が螺旋状または放射状の模様形状の溝よりな
り、該溝を前記回転軸に設けた円盤下面に相対する軸受
部の円盤受け面に設けてなることを特徴とする請求項1
に記載の回転機械の動圧発生溝付軸受構造とし、更に請
求項4に係わる発明は前記滑り軸受がスラスト軸受で、
回転軸は該軸と同軸での回転によって回転軸に沿った方
向に生じるの動圧で支持される円盤が固設されてなり、
軸受部は前記回転軸の円盤の下面と相対した円盤受け面
が配されてなるとともに、動圧発生溝が螺旋状または放
射状の模様形状の溝よりなり、該溝を回転軸に設けた円
盤下面に設けてなることを特徴とする請求項1に記載の
回転機械の動圧発生溝付軸受構造としたものである。
【0013】そして、請求項5に係わる発明は上記各種
の模様形状の動圧発生溝の加工方法に関するもので、回
転機械の滑り軸受の回転軸または軸受の表面に、複数の
動圧発生溝を加工するにあたって、動圧発生溝を形成す
べき部位を所望する模様形状に従った溝を形成した後、
該溝内にセラミック材料を溶射手段等のセラミック成膜
手段により埋め込み、ついで表面を平滑に研磨した後に
エッチング処理して金属部分を腐食溶解して凹部とな
し、セラミック材料部を凸部となして所望する模様形状
の動圧発生溝を形成加工することを特徴とする回転機械
の動圧発生溝付軸受構造の加工方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の動圧発生溝を配設した軸
受の構造の実施の形態について図1、図2により説明す
る。図1はラジアル軸受の実施の形態を示すもので、回
転軸2に直角方向に負荷される荷重Wを、回転軸2の回
転で軸受部3に動圧Pを発生させて、この動圧Pで支持
する。そして本発明のラジアル軸受1は、動圧発生溝4
として図1(a)に示す如く回転軸2の周部に沿って軸
方向に平行に凹部溝5Aと凸部5Bを交互に複数形成し
たステップ状溝5からなる構造、及び図1(b)に示す
如く回転軸2に対して所定の角度αを有して複数削溝さ
れる凹部溝6Aとこれを形成する凸部6Bからなるへリ
ングボーン状溝6の構造よりなっている。
【0015】そしてこれらの動圧発生溝4の凹部溝5A
(ステップ状溝5の)、6A(へリングボーン状溝6
の)とこれを形成している凸部5B(ステップ状溝5
の)、6B(へリングボーン状溝6の)は図1(c)に
図示した如き構造となっている。即ち図1(c)は上記
ラジアル軸受1の回転軸2の径方向に沿って切断した断
面図であり、回転軸2の周に沿って軸方向に走る動圧発
生溝4の凹部溝5Aや6Aは凸部5Bの狭間や凸部6B
の狭間によって形成されている。そしてこの凸部5B、
6Bは超硬質であるセラミック材Sでなり、これを上記
図1(a)のステップ状溝5及び図1(b)のへリング
ボーン状溝6等の所望の模様形状になるように回転軸2
に埋め込んで固設したものである。この結果動圧発生溝
4の凹部溝5A及び6Aの底部は回転軸2を構成してい
る金属材料Mよりなっている。そしてこの金属材料Mと
しては、アルミ合金や銅合金、ステンレス鋼、軸受鋼等
の一般に使用されている材料が用いられる。また凸部5
B、及び6Bを構成するセラミック材Sとしては、アル
ミナ(Al23)、酸化クロム(Cr23)、炭化珪素
(SiC)及び窒化珪素(Si34)等が好適に使用され
る。なお上記の実施の形態では動圧発生溝4を回転軸2
の周面に設けた例を説明したが、これに限定されるもの
ではなく、回転軸2を受ける軸受部3の周壁に沿って設
けても良いことは勿論である。
【0016】つぎに別の実施に形態として回転軸2に沿
った方向に負荷される荷重Wを支持するスラスト軸受1
1の場合について図2により説明する。図2(a)は本
発明のスラスト軸受11の概略を説明するもので、回転
軸12には該回転軸12と軸心を一致して回転軸12と
ともに回転する円盤15を盤面が軸心に沿う方向に向け
て固定されている。そしてこの円盤15を含む回転軸1
2は、軸受部13で回転可能でかつ前記円盤15の盤面
を受け面13Aで受けて支持されている。そこで回転軸
12に沿って負荷される荷重Wを、軸受部13で回転軸
12とともに回転する円盤15と軸受部13の受け面1
3Aとの間に動圧Pを発生させて、この動圧Pで前記荷
重Wを支持している。そしてこの動圧Pを効果的に発生
させるために、軸受部13の円盤15の受け面13A
や、あるいはこの受け面13Aに対面する円盤15の下
面に凹部溝と凸部を交互に配した動圧発生溝4を設けて
いる。
【0017】そしてその動圧発生溝4は動圧Pの効果的
な発生を意図して図2(b)に図示する回転軸を中心に
した螺旋状の凹部溝16Aと凸部16Bとからなる螺旋
状溝16および図2(c)に図示する如く回転軸を中心
に放射状に凹部溝17Aと凸部17B交互に配した放射
状溝17からなるものである。このような模様形状の本
発明の動圧発生溝4の凹部溝16A、又は17Aは、図
2(d)の断面図に図示する如く、交互に配された凸部
16B、又は17Bの狭間で形成され、そしてこれらの
凸部16B、又は17Bは前記ラジアル軸受1と同様に
セラミック材Sで構成されている。即ち、該セラミック
材Sの凸部16B、又は17Bが軸受部13の受け面1
3A、あるいは円盤15の下面の金属材料Mに所定の模
様形状に従って埋め込まれて固定している。なお、これ
ら軸受部13や円盤15に使用される金属材料Mはアル
ミ合金や銅合金、ステンレス鋼、軸受鋼等であり、セラ
ミック材料Sとしてはアルミナ、酸化クロム、炭化珪
素、及び窒化珪素等が使用される。
【0018】このように本発明の回転機の動圧発生溝付
軸受構造では、種々模様形状の動圧発生溝である凹部溝
を形成せしめる両側の凸部を超硬質のセラミック材で形
成したので、回転の停止時や起動時の固体接触による摩
耗が低減され、しかも凸部全体をこの材料で構成してい
るので長期にわたって使用可能となり、作業効果か向上
する。また該セラミック材よりなる凸部は従来より使用
されている軸受部の金属材に埋め込んで配設したので、
安価でかつその溝深さを適宜調整することができる等の
効果を奏する。
【0019】つぎに本発明の動圧発生溝付軸受構造の加
工方法の実施の形態について図3により説明する。な
お、図3で前記図1及び図2と共通する部分は同一符号
を付し詳細な説明は省略する。 先ず動圧発生溝4を加工すべき回転軸2や12及び軸
受部3や13等の部品20、即ちラジアル軸受1では回
転軸2又は軸受部3(図1参照)、またスラスト軸受1
1では回転軸12に固設される円盤15又はこの円盤1
5を受ける軸受部13の受け面13A(図2参照)をそ
れぞれの機能に適合した形状に軸受鋼、アルミ合金や銅
合金、ステンレス鋼等の金属材料Mで形成する[図3
(a)]。 ついで前記回転軸2や12及び軸受部3や13等の部
品20のそれぞれ何れかに、動圧発生溝4としてラジア
ル軸受1ではステップ状溝5あるいはへリングボーン状
溝6の模様形状の溝、またスラスト軸受11では螺旋状
溝16あるいは放射状溝17の模様形状の溝等を適宜所
望する模様形状に合わせて前記金属材料Mをエッチング
加工又は放電加工により溝21を削溝する。なお、この
溝21の深さは最終的に溝となる所望する深さより深く
形成する[図3(b)]。
【0020】次に前記溝21にアルミナ、酸化クロ
ム、炭化珪素、及び窒化珪素等のセラミック材Sを溶射
加工等によって埋め込む。この際埋め込んだセラミック
材Sは回転軸2や12及び軸受部3や13等の部品20
を形成する金属材料Mの上表面を被覆する程度にまで溶
射加工すると、後工程での加工作業で均一な面加工がで
きる[図3(c)]。 ついで回転軸2や12及び軸受部3や13等の部品2
0を形成する金属材料Mの上表面を研削加工して前工程
で上表面に被覆されたセラミック材Sを剥離するとと
もに、複数の溝21に埋め込んだセラミック材Sの上表
面を均一な平滑面に仕上げる[図3(d)]。 次に前記溝21に埋め込んだセラミック材Sの平滑加
工した上表面を、該上表面に残る気孔を塞ぐため、エポ
キシ系、フェノール系、あるいはアクリル系等の樹脂で
エッチング液に腐食されないシーリング樹脂Rで被覆す
る。なおこの工程は必要に応じてなされるものであっ
て、適宜これを省略することもできる。 そして最後にエッチング液Eによりエッチング処理し
てセラミック材Sに挟まれた金属材料M部を腐食して除
去する[図3(e)]。そして前記被覆に使用したシー
リング樹脂Rをサンドペーパー等の剥離手段により取り
除き、図3(f)に図示する如く、セラミック材Sで形
成された凸部Bの狭間に、底部が金属材料Mである所望
模様形状の凹部溝Aよりなる動圧発生溝4を有する所望
の軸受構造の回転軸2や12及び軸受部3や13等の部
品20を得る。なお、上記溶射手段に代えて、スパッタ
リング、CVD、及びレーザ蒸着等の成膜手段を用いて
セラミック層を形成しても良い。
【0021】
【実施例】次に本発明の動圧発生溝付軸受構造の実施例
を説明する。 [実施例1]:この実施例1では図1(b)に図示した
ラジアル軸受1のヘリングボーン状溝6の動圧発生溝4
を回転軸2に設けた軸受を加工した。回転軸の外径:4
0mm、軸受部の軸の長さ:40mm、回転軸の金属材
料:ステンレス鋼、このような回転軸2の周面に沿って
回転軸2の軸受部の両端にそれぞれ軸線と45度と13
5度の左右対称角度を有するヘリングボーン状溝を24
本を軸受部の両端からそれぞれ中心に向けて12mmに
わたって、深さ28μmの凹部溝6Aをセラミック材S
よりなる凸部6Bの狭間にして形成した。その加工工程
は前記図3に従って行い、図3(b)でのセラミック材
Sを埋め込む溝21の幅は2.6mmとし、深さは40
μmとして放電加工により行った。また図3(c)の工
程での溝21に埋め込むセラミック材Sは酸化クロムを
用いた。また図3(e)のエッチング液Eは硝酸水溶液
(約15容量%)を使用し、浸漬方法で行い約14分浸
し、深さ28μm、幅2.6mmの酸化クロムのセラミ
ック材Sよりなる凸部Bで挟まれた凹部溝Aを有する、
前記所望するヘリングボーン状溝6でなる動圧発生溝付
ラジアル軸受1を精密に加工し得た。
【0022】[実施例2]:この実施例2では図2
(b)に図示したスラスト軸受11の螺旋状溝16を動
圧発生溝4として回転軸12の軸受部に固設した円盤1
5の下面の面に設けた軸受構造を、前記図3に図示した
製法により以下の通り加工した。 回転軸12の諸元:外径40mm、金属材料Mとして軸
受鋼を使用。 円盤15の諸元:直径100mm、厚さ14mm、金属
材料Mとして銅合金を使用。 螺旋状溝16の諸元:溝の深さ60μm、溝の幅外周側
を6.5mm、内周側を4.3mmの凹部溝16Aを2
4本外周より内側に17.5mmの位置まで、24本の
アルミナよりなるセラミック材Sの凸部16Bの狭間に
形成。なお、図3における製法での工程(b)のセラミ
ック材の埋め込み溝21はエッチングで形成し、その深
さを75μmとした。またこの工程(b)及び(e)で
使用したエッチング液Eは硝酸水溶液(約18容量%)
で、エッチング時間として約17分費やした。以上のよ
うにして螺旋状溝16の動圧発生溝4を設けたスラスト
軸受11用円盤15が得られこれを回転軸12に固設し
て使用した結果、極めて効果的に活用し得、特に凹部溝
16Aを形成する凸部16全体がセラミック材で形成さ
れているので、固体接触での耐摩耗性において従来のセ
ラミック材の成膜によるものよるものより数倍の寿命が
得られた。しかもその製造加工も極めて容易で、従来よ
り深い60μmの深さの溝が短時間で形成し得た。
【0023】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の回転機械の
動圧発生溝付軸受構造は動圧発生溝を形成する凸部全体
を耐摩耗性に優れたセラミック材料としたので、固体接
触による摩耗が低減し、かつ摩耗による使用寿命が従来
の該種軸受に較べて長期にわたって延命し、軸受構造と
して極めて優れた性能を発揮する。また摩耗して溝の深
さが浅くなって動圧発生が減じても、凸部全体がセラミ
ック材料であるので溝部の底部の金属材料をエッチング
処理して深くしたり、また深さが深くなり過ぎた場合に
は凸部のセラミック材表面を研削加工する等、深さの調
整が極めて容易である。
【0024】しかもその製造にあたっても凸部を形成す
るセラミック材を軸受部を構成する金属材料に溶射等に
より埋め込む方法であり、従来の皮膜形成の如く皮膜厚
さの均一性保持のための配慮と精巧な加工処理や、皮膜
形成する金属材料との密着強度を高めるための超精密仕
上げ等の煩雑な作業を必要とせず、形成した凸部表面を
研削加工仕上げすることで充分所望の溝を極めて容易に
加工し得る。その上本発明では凹部溝を軸受金属材料に
溶射により埋め込んだセラミック材の凸部の狭間に形成
したので、その深さは凹部溝の底部の軸受金属材料をエ
ッチング処理や放電加工により削除すれば良く極めて容
易に調整し得る。それ故従来セラミック皮膜の形成によ
る方法での皮膜厚さの限界やセラミック材そのものに溝
加工する深さの限界があったが、本発明では極めて容易
に数十〜数百μmの深さの深い溝を短時間で加工するこ
とができる。従って、耐摩耗性のセラミック材料の凸部
の狭間に適宜所望する深さに調整し得るの凹部溝よりな
る動圧発生溝を有する軸受構造を生産効率よく極めて安
価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の動圧発生溝付軸受構造の一例のラジ
アル軸受の説明図である。
【図2】 本発明の動圧発生溝付軸受構造の別の例のス
ラスト軸受の説明図である。
【図3】 本発明の動圧発生溝付軸受構造の加工方法の
工程図である。
【図4】 動圧発生溝付ラジアル軸受を説明する図面で
ある。
【図5】 動圧発生溝付スラスト軸受を説明する図面で
ある。
【図6】 従来の動圧発生溝の構造の模型断面図であ
る。
【符号の説明】
2、12、52、62 回転軸、 3、13、53、6
3 軸受部、4、54、64 動圧発生溝、 5、55
ステップ状溝、6、56 ヘリングボーン状溝、 1
3A、63A 軸受の円盤受け面 15、65 回転円盤、 16、66 螺旋状溝、 1
7、67 放射状溝 20、70 回転軸や軸受部等の部品、 21 溝、
A、71 凹部溝、B、72 凸部、 W 荷重、 P
動圧、 M 金属材料、S セラミック材、 U 超
硬質複合材料、 E エッチング液

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転機械の滑り軸受の回転軸または軸受
    部の表面に、複数の動圧発生溝を有する軸受構造であっ
    て、前記動圧発生溝を形成する凹凸部のうち凹部の底部
    を金属で形成してなるとともに、凸部をセラミック材料
    で形成してなることを特徴とする回転機械の動圧発生溝
    付軸受構造。
  2. 【請求項2】 前記滑り軸受がラジアル軸受で動圧発生
    溝が回転軸の軸方向に所定の角度を有するへリングボー
    ン状または回転軸の軸に平行なステップ状の模様形状の
    溝であることを特徴とする請求項1に記載の回転機械の
    動圧発生溝付軸受構造。
  3. 【請求項3】 前記滑り軸受がスラスト軸受で、回転軸
    は該軸と同軸での回転によって回転軸に沿った方向に生
    じるの動圧で支持される円盤が固設されてなり、軸受部
    は前記回転軸の円盤の下面と相対した円盤受け面が配さ
    れてなるとともに、動圧発生溝が螺旋状または放射状の
    模様形状の溝よりなり、該溝を前記回転軸に設けた円盤
    下面に相対する軸受部の円盤受け面に設けてなることを
    特徴とする請求項1に記載の回転機械の動圧発生溝付軸
    受構造。
  4. 【請求項4】 前記滑り軸受がスラスト軸受で、回転軸
    は該軸と同軸での回転によって回転軸に沿った方向に生
    じるの動圧で支持される円盤が固設されてなり、軸受部
    は前記回転軸の円盤の下面と相対した円盤受け面が配さ
    れてなるとともに、動圧発生溝が螺旋状または放射状の
    模様形状の溝よりなり、該溝を回転軸に設けた円盤下面
    に設けてなることを特徴とする請求項1に記載の回転機
    械の動圧発生溝付軸受構造。
  5. 【請求項5】 回転機械の滑り軸受の回転軸または軸受
    の表面に、複数の動圧発生溝を加工するにあたって、動
    圧発生溝を形成すべき部位を所望する模様形状に従った
    溝を形成した後、該溝内にセラミック材料を溶射手段等
    のセラミック成膜手段により埋め込み、ついで表面を平
    滑に研磨した後にエッチング処理して金属部分を腐食溶
    解して凹部となし、セラミック材料部を凸部となして所
    望する模様形状の動圧発生溝を形成加工することを特徴
    とする回転機械の動圧発生溝付軸受構造の加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016094969A (ja) * 2014-11-12 2016-05-26 本田技研工業株式会社 内燃機関のバランサ装置
JP2019190427A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 日立グローバルライフソリューションズ株式会社 圧縮機およびこれを用いた機器

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