JP2000344966A - 透明性樹脂組成物およびそのフィルム - Google Patents

透明性樹脂組成物およびそのフィルム

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JP2000344966A
JP2000344966A JP11160274A JP16027499A JP2000344966A JP 2000344966 A JP2000344966 A JP 2000344966A JP 11160274 A JP11160274 A JP 11160274A JP 16027499 A JP16027499 A JP 16027499A JP 2000344966 A JP2000344966 A JP 2000344966A
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ethylene
film
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Tetsuya Asuke
哲也 足助
Toshio Taka
敏雄 鷹
Hisashi Hatano
久 波田野
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Japan Polyolefins Co Ltd
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Japan Polyolefins Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高透明性、高弾性率を有し、かつ低温ヒート
シール性に優れたフィルム、およびこのフィルムに好適
な透明性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)密度が0.86〜0.96g/c
3 、メルトフローレートが0.01〜100g/10
分、分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜5.0、組成
分布パラメータCbが2.00以下、などの特定のパラ
メーターを満足するエチレン(共)重合体20〜70重
量%と、(B)密度が0.935g/cm 3 以上の高密
度ポリエチレン系樹脂30〜70重量%と、(C)ラジ
カル重合法によって得られたポリエチレン系樹脂1〜1
0重量%とを有する透明性樹脂組成物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高透明性、高弾性
率を有し、かつ低温ヒートシール性に優れ、高速自動包
装に好適に用いられるフィルム、およびこのフィルムに
好適な透明性樹脂組成物に関する。詳しくは、高速自動
包装が可能な高弾性率を有し、フィルムを通してのバー
コード読み取りが可能な透明性を有するフィルム、およ
びこのフィルムに好適な透明性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フィルムを通してのバーコード読
み取りが必要な自動包装用の高透明フィルムで、さらに
ヒートシール性が必要なものに関しては、二軸延伸ポリ
プロピレン(OPP)にラミネート処理を施したものが
主に使用されている。しかしながら、このようなOPP
にラミネート処理を施したフィルムは、作業工程が複雑
であり、コスト高になるという欠点を有していた。
【0003】一方、内容物の透視が可能な透明性を有す
る自動包装用フィルムは、オレフィン系樹脂組成物の空
冷インフレーション成形法によっても製造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現状で
は、高速自動包装が可能な十分な弾性率(ヤング率50
00kg/cm2 以上)を有し、かつバーコード読み取
りが可能な十分な透明性(ヘイズ10%以下)を有する
フィルムは、空冷インフレーション成形で製造すること
が困難である。例えば、空冷インフレーション成形法に
よって高弾性率を有する高透明フィルムを得るために
は、結晶性の高い材料を用い、成形機のダイスから押し
出された溶融樹脂をフロストラインで結晶化するまでに
急冷する必要がある。通常の高密度タイプのポリオレフ
ィン樹脂を用いた場合、高密度タイプのポリオレフィン
樹脂が大きな分子量、比較的狭い分子量分布、および線
型な分子構造を有するため、高温で生成した一次核は大
きく結晶成長してしまい、成形されたフィルムの透明性
は悪くなってしまう。
【0005】本発明の目的は、高透明性、高弾性率を有
し、かつ低温ヒートシール性に優れたフィルム、および
このフィルムに好適な透明性樹脂組成物を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、高分子量成分を
含み、比較的広い分子量分布を有し、かつ線型な分子構
造と分岐した分子構造とが混在する透明性樹脂組成物を
用いたフィルムが、成形時に高温で生成した一次核が結
晶成長することなく多数の小さな結晶魂として散在する
ため、高透明性、高弾性率を有し、かつ低温ヒートシー
ル性に優れることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち、本発明の透明性樹脂組成物は、
(A)エチレンまたはエチレンと炭素数3〜20のα−
オレフィンとを(共)重合させることにより得られる下
記(イ)〜(ニ)の要件を満足するエチレン単独重合体
またはエチレン・α−オレフィン共重合体20〜70重
量%と、 (イ)密度が0.86〜0.96g/cm3 (ロ)メルトフローレートが0.01〜100g/10
分 (ハ)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜5.0 (ニ)組成分布パラメータCbが2.00以下 (B)密度が0.935g/cm3 以上の高密度ポリエ
チレン系樹脂30〜70重量%と、(C)ラジカル重合
法によって得られたポリエチレン系樹脂1〜10重量%
とを有することを特徴とする。
【0008】また、前記(A)エチレン単独重合体また
はエチレン・α−オレフィン共重合体は、更に下記
(ホ)の要件を満足することが望ましい。 (ホ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが複数個存在すること また、前記(A)エチレン単独重合体またはエチレン・
α−オレフィン共重合体の(ニ)組成分布パラメータC
bは、1.08〜2.00であることが望ましい。ま
た、前記(A)エチレン単独重合体またはエチレン・α
−オレフィン共重合体は、シングルサイト系触媒の存在
下で、エチレンまたはエチレンと炭素数3〜20のα−
オレフィンとを(共)重合させることにより得られるエ
チレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重
合体であることが望ましい。
【0009】また、前記(C)ラジカル重合法によって
得られたポリエチレン系樹脂は、密度が0.935g/
cm3 以下の低密度ポリエチレンであることが望まし
い。そして、本発明のフィルムは、前記のいずれかの透
明性樹脂組成物からなることを特徴とする。また、本発
明のフィルムは、厚みが15〜100μm、ヘイズが1
0%以下、グロスが105%以上、クラリティーが70
%以上、ヤング率が5000kg/cm2 以上、ヒート
シール温度が135℃以下であることが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における(A)エチレン単独重合体またはエチレ
ン・α−オレフィン共重合体(以下、(A)エチレン
(共)重合体と記す)とは、エチレンまたはエチレンと
炭素数3〜20のα−オレフィンとを(共)重合させる
ことにより得られる下記(イ)〜(ニ)の要件を満足す
るエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン
共重合体である。 (イ)密度が0.86〜0.96g/cm3 (ロ)メルトフローレートが0.01〜100g/10
分 (ハ)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜5.0 (ニ)組成分布パラメータCbが2.00以下
【0011】本発明における(A)エチレン(共)重合
体のα−オレフィンとは、炭素数が3〜20、好ましく
は3〜12のものであり、具体的には、プロピレン、1
−ペンテン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、
1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ンなどが挙げられる。また、これらのα−オレフィンの
含有量は、合計で通常30モル%以下、好ましくは3〜
20モル%以下の範囲で選択されることが望ましい。
【0012】本発明における(A)エチレン(共)重合
体は、(イ)密度が、0.86〜0.96g/cm3
好ましくは、0.89〜0.95g/cm3 の範囲であ
る。密度が0.86g/cm3 未満のものは、剛性、耐
熱性が劣るものとなる。また、0.96g/cm3 を超
えると、耐衝撃性等が十分ではない。また、(A)エチ
レン(共)重合体の(ロ)メルトフローレート(以下、
MFRと記す)は0.01〜100g/10分、好まし
くは0.03〜30g/10分の範囲である。MFRが
0.01g/10分未満では成形加工性が劣り、50g
/10分を越えると強度が低下する。
【0013】本発明における(A)エチレン(共)重合
体の(ハ)分子量分布(Mw/Mn)は1.5〜5.0
の範囲、好ましくは1.8〜4.0、さらに好ましくは
2.0〜3.0の範囲である。Mw/Mnが1.5未満
では成形加工性が劣り、5.0を超えるものは耐衝撃性
等が劣る。ここで、(A)エチレン(共)重合体の分子
量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエイションクロマ
トグラフィー(GPC)により重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)を求め、それらの比(Mw/M
n)を算出することにより求めることができる。
【0014】本発明における(A)エチレン(共)重合
体の(ニ)組成分布パラメーターCbは2.00以下で
あり、好ましくは1.08〜2.00であり、より好ま
しくは1.10〜1.70、さらに好ましくは1.12
〜1.50の範囲である。組成分布パラメーターCbが
1.08未満では成形加工性が劣る傾向にあり、2.0
0を超えると、ブロッキングしやすく、ヒートシール性
も不良となり、また低分子量あるいは高分岐度成分の樹
脂表面へのにじみ出しが多く衛生上の問題が生じるから
である。
【0015】組成分布パラメーター(Cb)は下記の通
り測定される。酸化防止剤を加えたオルソジクロロベン
ゼン(ODCB)に試料を濃度が0.2重量%となるよ
うに135℃で加熱溶解した後、けい藻土(セライト5
45)を充填したカラムに移送した後、0.1℃/分の
冷却速度で25℃まで冷却し、共重合体試料をセライト
表面に沈着させる。次に、この試料が沈着されているカ
ラムにODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を
5℃刻みに120℃まで段階的に昇温する。すると各温
度に対応した溶出成分を含んだ溶液が採取される。この
溶液を冷却後、メタノールを加え、試料を沈澱後、濾
過、乾燥し、各温度における溶出試料を得る。この分別
された各試料の、重量分率および分岐度(炭素数100
0個当たりの分岐数)を測定する。分岐度は13C−NM
Rで測定し求める。
【0016】このような方法で30℃から90℃で採取
した各フラクションについては次のような、分岐度の補
正を行う。すなわち、溶出温度に対して測定した分岐度
をプロットし、相関関係を最小二乗法で直線に近似し、
検量線を作成する。この近似の相関係数は十分大きい。
この検量線により求めた値を各フラクションの分岐度と
する。なお、溶出温度95℃以上で採取したフラクショ
ンについては溶出温度と分岐度に必ずしも直線関係が成
立しないのでこの補正は行わない。次いで、それぞれの
フラクションの重量分率wi を、溶出温度5℃当たりの
分岐度bi の変化量(bi −bi-1 )で割って相対濃度
i を求め、分岐度に対して相対濃度をプロットし、組
成分布曲線を得る。この組成分布曲線を一定の幅で分割
し、次式より組成分布パラメーターCbを算出する。 Cb=(Σcj・bj 2/Σcj・bj)/(Σcj・bj
Σcj) ここで、cj とbj はそれぞれj番目の区分の相対濃度
と分岐度である。組成分布パラメーターCbは試料の組
成が均一である場合に1.0となり、組成分布が広がる
に従って値が大きくなる。
【0017】また、本発明における(A)エチレン
(共)重合体は、下記(ホ)の要件を満足することが好
ましい。 (ホ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが複数個存在すること この複数のピーク温度は85℃から100℃の間に存在
することが特に好ましい。このピークが存在することに
より、融点が高くなり、また結晶化度が上昇し、成形体
の耐熱性および剛性が向上する。このTREFの測定方
法は下記の通りである。まず、試料を酸化防止剤(例え
ば、ブチルヒドロキシトルエン)を加えたODCBに試
料濃度が0.05重量%となるように加え、135℃で
加熱溶解する。この試料溶液5mlを、ガラスビーズを
充填したカラムに注入し、0.1℃/分の冷却速度で2
5℃まで冷却し、試料をガラスビーズ表面に沈着する。
次に、このカラムにODCBを一定流量で流しながら、
カラム温度を50℃/hrの一定速度で昇温しながら、
試料を順次溶出させる。この際、溶剤中に溶出する試料
の濃度は、メチレンの非対称伸縮振動の波数2925c
-1に対する吸収を赤外検出機で測定することにより連
続的に検出される。この値から、溶液中のエチレン
(共)重合体の濃度を定量分析し、溶出温度と溶出速度
の関係を求める。TREF分析によれば、極少量の試料
で、温度変化に対する溶出速度の変化を連続的に分析出
来るため、分別法では検出できない比較的細かいピーク
の検出が可能である。
【0018】本発明に係る(A)エチレン(共)重合体
は、前記のパラメーターを満足すれば触媒、製造方法等
に特に限定されるものではないが、好ましくはシングル
サイト系触媒の存在下にエチレンまたはエチレンとα−
オレフィンを(共)重合させて得られるエチレン(共)
重合体であることが望ましい。このようなエチレン
(共)重合体は、分子量分布および組成分布が狭いた
め、機械的特性に優れ、ヒートシール性、ブロッキング
性等に優れた重合体である。
【0019】該シングルサイト系触媒の代表例として
は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周
期律表第IV族の遷移金属化合物と、有機アルミニウムオ
キシ化合物とからなる触媒が挙げられる。該シクロペン
タジエニル骨格とは、シクロペンタジエニル基、置換シ
クロペンタジエニル基等である。置換シクロペンタジエ
ニル基としては、炭素数1〜10の炭化水素基、シリル
基、シリル置換アルキル基、シリル置換アリール基、シ
アノ基、シアノアルキル基、シアノアリール基、ハロゲ
ン基、ハロアルキル基、ハロシリル基等から選ばれた少
なくとも1種の置換基を有する置換シクロペンタジエニ
ル基等である。該置換シクロペンタジエニル基の置換基
は2個以上有していてもよく、また係る置換基同志が互
いに結合して環を形成してもよい。
【0020】上記炭素数1〜10の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル、エチル、
n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ
ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、
デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロア
ルキル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基
等のアリール基;ベンジル基、ネオフイル基等のアラル
キル基等が例示される。これらの中でもアルキル基が好
ましい。置換シクロペンタジエニル基の好適なものとし
ては、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペ
ンタジエニル基、n−ヘキシルシクロペンタジエニル
基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3
−n−ブチルメチルシクロペンタジエニル基、1,3−
n−プロピルメチルエチルシクロペンタジエニル基など
が具体的に挙げられる。本発明における置換シクロペン
タジエニル基としては、これらの中でも炭素数3以上の
アルキル基が置換したシクロペンタジエニル基、特に
1,3−置換シクロペンタジエニル基等が好ましい。置
換基同志すなわち炭化水素同志が互いに結合して1また
は2以上の環を形成する場合の置換シクロペンタジエニ
ル基としては、インデニル基、炭素数1〜8の炭化水素
基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換イ
ンデニル基、ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基
(アルキル基等)等の置換基により置換された置換ナフ
チル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等
の置換基により置換された置換フルオレニル基等が好適
なものとして挙げられる。
【0021】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物の遷移金属とし
ては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等が挙げら
れ、特にジルコニウムが好ましい。該遷移金属化合物
は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を通常1
〜3個有し、また2個以上有する場合は架橋基により互
いに結合していてもよい。なお、係る架橋基としては炭
素数1〜4のアルキレン基、アルキルシランジイル基、
シランジイル基などが挙げられる。周期律表第IV族の遷
移金属化合物においてシクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子以外の配位子としては、代表的なものとして、
水素、炭素数1〜20の炭化水素基(アルキル基、アル
ケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキ
ル基、ポリエニル基等)、ハロゲン、メタアルキル基、
メタアリール基などが挙げられる。
【0022】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物の具体例として
は以下のものがある。モノアルキルメタロセンとして
は、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムメチルク
ロライド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフ
ェニルクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムメチルクロライド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムフェニルクロライドなどがある。ジア
ルキルメタロセンとしては、ビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ハフニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ハフニウムジフェニルなどがある。トリアルキルメ
タロセンとしては、シクロペンタジエニルチタニウムト
リメチル、シクロペンタジエニルジルコニウムトリメチ
ル、シクロペンタジエニルジルコニウムトリフェニル、
シクロペンタジエニルジルコニウムトリネオペンチル、
シクロペンタジエニルハフコニウムトリメチル、シクロ
ペンタジエニルハフニウムトリフェニルなどがある。
【0023】モノシクロペンタジエニルチタノセンとし
ては、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムト
リクロライド、ペンタエチルシクロペンタジエニルチタ
ニウムトリクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペン
タジエニル)チタニウムジフェニルなどが挙げられる。
【0024】置換ビス(シクロペンタジエニル)チタニ
ウム化合物としては、ビス(インデニル)チタニウムジ
フェニルまたはジクロライド、ビス(メチルシクロペン
タジエニル)チタニウムジフェニルまたはジハロライ
ド;ジアルキル、トリアルキル、テトラアルキルまたは
ペンタアルキルシクロペンタジエニルチタニウム化合物
としては、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジフェニルまたはジクロライド、ビス
(1,2−ジエチルシクロペンタジエニル)チタニウム
ジフェニルまたはジクロライドまたは他のジハライド錯
体;シリコン、アミンまたは炭素連結シクロペンタジエ
ン錯体としてはジメチルシリルジシクロペンタジエニル
チタニウムジフェニルまたはジクロライド、メチレンジ
シクロペンタジエニルチタニウムジフェニルまたはジク
ロライド、他のジハライド錯体が挙げられる。
【0025】ジルコノセン化合物としては、ペンタメチ
ルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、
ペンタエチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリク
ロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジフェニル;アルキル置換シクロペンタジ
エンとしては、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジメチル、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ビス(n−ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジメチル、それらのハロア
ルキルまたはジハライド錯体;ジアルキル、トリアルキ
ル、テトラアルキルまたはペンタアルキルシクロペンタ
ジエンとしてはビス(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ビス(1,2−ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、およびそ
れらのジハライド錯体;シリコン、炭素連結シクロペン
タジエン錯体としては、ジメチルシリルジシクロペンタ
ジエニルジルコニウムジメチルまたはジハライド、メチ
レンジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチルまた
はジハライド、メチレンジシクロペンタジエニルジルコ
ニウムジメチルまたはジハライドなどが挙げられる。
【0026】また、他の周期律表第IV族の遷移金属化合
物の例として、(t−ブチルアミド)(テトラメチル−
η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル
ジルコニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)(テ
トラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジ
イルチタンジクロライド、(メチルアミド)(テトラメ
チルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジ
ルコニウムジクロライド、(メチルアミド)(テトラメ
チルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチ
タンジクロライド、(エチルアミド)(テトラメチルシ
クロペンタジエニル)−メチレンタンジクロライド、
(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)シランチタンジクロライド、(t−ブチ
ルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)シランジルコニウムジクロライド、(t−ブチルア
ミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)
シランジルコニウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジ
メチル−(テトラメチルシクロペンタジエニル)シラン
チタンジクロライド、(フェニルホスフイド)ジメチル
−(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタン
ジクロライドなどが挙げられる。
【0027】本発明における助触媒とは、前記周期律表
第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効になしう
る、または触媒的に活性化された状態のイオン性電荷を
均衝させうるものをいい、具体的な助触媒としては、有
機アルミニウムオキシ化合物のベンゼン可溶のアルミノ
キサンやベンゼン不溶の有機アルミニウムオキシ化合
物、ホウ素化合物、酸化ランタンなどのランタノイド
塩、酸化スズ等が挙げられる。これらの中でもアルミノ
キサンが最も好ましい。
【0028】上記触媒は無機化合物または有機化合物の
担体に担持して使用されてもよい。該担体としては無機
化合物または有機化合物の多孔質酸化物が好ましく、具
体的にはSiO2、Al23、MgO、ZrO2、TiO
2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2等または
これらの混合物が挙げられ、SiO2−Al23、Si
2−V25、SiO2−TiO2、SiO2−V25、S
iO2−MgO、SiO2−Cr23等が挙げられる。こ
れらの中でもSiO2およびAl23からなる群から選
択された少なくとも1種の成分を主成分とするものが好
ましい。また、有機化合物としては、熱可塑性樹脂、熱
硬化性樹脂のいずれも使用でき、具体的には、粒子状の
ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化
ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレ
ン、ポリノルボルネン、各種天然高分子およびこれらの
混合物等が挙げられる。
【0029】本発明の有機アルミニウム化合物として
は、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミ
ニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジアルキルアル
ミニウムハライド;アルキルアルミニウムセスキハライ
ド;アルキルアルミニウムジハライド;アルキルアルミ
ニウムハイドライド、有機アルミニウムアルコキサイド
等が挙げられる。
【0030】本発明に係る(A)エチレン(共)重合体
の製造方法は、前記触媒の存在下、実質的に溶媒の存在
しない気相重合法、スラリー重合法、溶液重合法等で製
造され、実質的に酸素、水等を断った状態で、ブタン、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素
等に例示される不活性炭化水素溶媒の存在下または不存
在下で製造される。重合条件は特に限定されないが、重
合温度は通常15〜350℃、好ましくは20〜200
℃、さらに好ましくは50〜110℃であり、重合圧力
は低中圧法の場合通常常圧〜70kg/cm2 G、好ま
しくは常圧〜20kg/cm2 Gであり、高圧法の場合
通常1500kg/cm2 G以下が望ましい。重合時間
は低中圧法の場合通常3分〜10時間、好ましくは5分
〜5時間程度が望ましい。高圧法の場合、通常1分〜3
0分、好ましくは2分〜20分程度が望ましい。また、
重合は一段重合法はもちろん、水素濃度、モノマー濃
度、重合圧力、重合温度、触媒等の重合条件が互いに異
なる2段階以上の多段重合法など特に限定されるもので
はない。特に好ましい製造方法としては特開平5−13
2518号公報に記載の方法が挙げられる。
【0031】本発明における(B)密度が0.935g
/cm3 以上の高密度ポリエチレン系樹脂(以下、
(B)高密度ポリエチレン系樹脂と記す)は、主成分と
してエチレンを含み、密度が0.935g/cm3 以上
のものであれば各種のものを利用することができる。具
体的には、エチレンのみからなるホモポリマー、エチレ
ンと他のモノマー(例えばプロピレン、1−ブテン、1
−ヘキセンなどのα−オレフィン)からなる共重合体、
あるいは2種以上のモノマーからなるプレポリマーとエ
チレンとからなる共重合体などを例示することができ
る。
【0032】(B)高密度ポリエチレン系樹脂の密度が
0.935g/cm3 未満では、得られる組成物フィル
ムの高密度ポリエチレンフィルムとしての優れた性質、
例えば腰の強さ(ヤング率)やガスバリヤー性(防湿
性)などが損なわれる。また、(B)高密度ポリエチレ
ン系樹脂のメルトフローレート[JIS K7210に
おける表1の条件4;試験温度190℃,試験荷重2.
16kgf,以下MFR(190℃)と記す]は1.0
g/10分以下であることが望ましい。MFR(190
℃)が1.0g/10分を超えるとフィルムの強度が低
下する傾向にある。
【0033】本発明における(C)ラジカル重合法によ
って得られたポリエチレン系樹脂としては、高圧ラジカ
ル重合法による密度が0.935g/cm3 以下の低密
度ポリエチレン、エチレン・ビニルエステル共重合体、
エチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体
との共重合体などが挙げられる。中でも密度が0.93
5g/cm3 以下の低密度ポリエチレンが、フィルムの
透明性等が優れる点で好適に用いられる。
【0034】密度が0.935g/cm3 以下の低密度
ポリエチレンとは、いわゆる高圧法ポリエチレンといわ
れるエチレンの単独重合体である。この低密度ポリエチ
レンのヤング率や融点は、密度、MFR(190℃)等
の値によっても変化するが、一般にヤング率で200N
/mm2 前後、融点で105〜110℃前後のものが多
い。低密度ポリエチレン系樹脂のMFR(190℃)
は、0.1〜20g/10分のものが好ましい。MFR
(190℃)が0.1g/10分未満では加工性が低下
し、20g/10分を超えるとフィルムの強度が不足す
るようになる。
【0035】エチレン・ビニルエステル共重合体とは、
高圧ラジカル重合法で製造されるエチレンを主成分とす
るプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニ
ル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン
酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエステ
ル単量体との共重合体である。中でも、特に好ましいも
のとしては、酢酸ビニルを挙げることができる。また、
エチレン50〜99.5重量%、ビニルエステル0.5
〜50重量%、他の共重合可能な不飽和単量体0〜4
9.5重量%からなる共重合体が好ましい。特に、ビニ
ルエステルの含有量は3〜30重量%、好ましくは5〜
25重量%の範囲である。エチレン・ビニルエステル共
重合体のMFRは、0.1〜20g/10分、さらに好
ましくは0.3〜10g/10分の範囲である。
【0036】エチレンとα,β−不飽和カルボン酸また
はその誘導体との共重合体としては、エチレン・(メ
タ)アクリル酸またはそのアルキルエステル共重合体が
挙げられ、これらのコモノマーとしては、アクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプ
ロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブ
チル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸シクロヘキ
シル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メ
タクリル酸ステアリル、アクリル酸グリシジル、メタク
リル酸グリシジル等を挙げることができる。この中でも
特に好ましいものとして、(メタ)アクリル酸のメチ
ル、エチル等のアルキルエステルを挙げることができ
る。特に、(メタ)アクリル酸エステルの含有量は3〜
30重量%、好ましくは5〜25重量%の範囲である。
エチレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体
との共重合体のMFRは0.1〜20g/10分、さら
に好ましくは0.3〜10g/10分である。
【0037】本発明の透明性樹脂組成物は、(A)エチ
レン(共)重合体20〜70重量%と、(B)高密度ポ
リエチレン系樹脂30〜70重量%と、(C)ラジカル
重合法によって得られたポリエチレン系樹脂1〜10重
量%とを有するものである。
【0038】(A)エチレン(共)重合体が20重量%
未満では十分な低温ヒートシール性が得られず、70重
量%を超えると十分なヤング率(弾性率)が得られな
い。(B)高密度ポリエチレン系樹脂が30重量%では
十分なヤング率、強度が得られず、70重量%を超える
と十分な透明性、低温ヒートシール性が得られない。ま
た、(C)ラジカル重合法によって得られたポリエチレ
ン系樹脂が1重量%未満では、十分な透明性が得られ
ず、10重量%を超えると十分な強度が得られない。
【0039】本発明の透明性樹脂組成物は公知の方法、
例えば、(A)エチレン(共)重合体、(B)高密度ポ
リエチレン系樹脂および(C)ラジカル重合法によって
得られたポリエチレン系樹脂をタンブラーブレンダー、
ヘンシェルミキサー等で混合する方法、混合後さらに単
軸押出機、多軸押出機等で溶融混練し、造粒する方法、
あるいはニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練
し、造粒する方法などによって得ることができる。
【0040】本発明のフィルムは、本発明の透明性樹脂
組成物を種々の方法で成形することによって製造され
る。成形方法としては、例えば、通常の空冷インフレー
ション法、空冷二段冷却インフレーション法、T−ダイ
法、水冷インフレーション法等が適しており、特に空冷
インフレーション法が好適である。空冷法インフレーシ
ョンフィルムの製造は、空冷法インフレーションフィル
ム製造装置で実行可能であり、例えば、樹脂組成物を1
50〜250℃の温度で押出機よりサーキュラーダイを
通して押出し、空冷式エアーリングより吹き出す空気に
接触させて急冷し、固化させてピンチロールで引き取っ
た後、枠に巻き取ることにより行われる。この方法によ
り空冷法インフレーションフィルムの透明性、弾性率お
よびヒートシール性を同時に改善することができる。空
冷法インフレーションフィルム以外にも、水冷法インフ
レーションフィルム、T−ダイ法フィルムを製造するこ
ともでき、透明性、弾性率、低温ヒートシール性等の良
好な単層フィルムを得ることができる。かかる方法によ
り製造されたフィルムの厚さは、使いやすさの点から1
5〜100μm、好ましくは20〜80μm程度である
ことが望ましい。
【0041】本発明のフィルムは、JIS K7105
に準拠して測定されたヘイズの値が10%以下であり、
JIS K7105に準拠して測定されたグロスの値が
105%以上であり、JIS K7105に準拠して測
定されたクラリティーの値が70%以上であることが望
ましい。ヘイズ、グロスおよびクラリティーが上記範囲
外では、フィルムを通してのバーコード読み取りが可能
な透明性を得ることができない。
【0042】本発明のフィルムは、ASTM D882
に準拠して測定されたヤング率が5000kg/cm3
以上であることが望ましい。ヤング率が5000kg/
cm3未満では、高速自動包装への適用が困難となる。
本発明のフィルムのヒートシール温度は、135℃以下
であることが望ましい。ヒートシール温度が135℃を
超えると、高速自動包装への適用が困難となる。
【0043】本発明のフィルムには、必要に応じて酸化
防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤、帯電防止剤、防
曇剤、紫外線吸収剤、有機あるいは無機フィラー、有機
系あるいは無機系顔料、造核剤、架橋剤などの公知の添
加剤を本発明のフィルムの特性を本質的に阻害しない範
囲で添加することができる。
【0044】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるも
のではない。
【0045】本実施例における試験方法は以下の通りで
ある。 [密度]JIS K6760に準拠した。 [MFR]JIS K6760に準拠した。 [Mw/Mn]GPC(ウォータース社製150C型)
を用い、溶媒として135℃のODCBを使用した。カ
ラムは東ソーのGMHHR−H(S)を使用した。 [TREF]酸化防止剤(BHT)を加えたエチレン
(共)重合体を135℃のODCBに溶解して、0.0
5重量%の試料を得た。カラムを140℃に保って試料
5mlを注入して0.1℃/分で25℃まで冷却し、ポ
リマーをガラスビーズ上に沈着させた後、カラムを下記
条件にて昇温して各温度で溶出したポリマー濃度を赤外
検出器で検出した。溶媒:ODCB、流速:1ml/
分、昇温速度:50℃/hr、検出器:赤外分光器(波
長2925cm-1)、カラム:0.8cmφ×12cm
L(ガラスビーズを充填)
【0046】[ヘイズ]JIS K7105に準拠し
た。 [グロス]JIS K7105に準拠した。 [クラリティー]JIS K7105に準拠した。 [ヤング率]ASTM D882に準拠した。 [ヒートシール温度]厚さ80μmの単層フィルムを作
製し、ヒートシール幅を15mm、長さ80mmの試験
片を作成し、ヒートシール時間1.0秒、ヒートシール
圧力2kg/cm2 の条件でヒートシールし、ついで速
度300mm/分で剥離試験を行い、ヒートシール強度
(g/15mm幅)を求めた。シール温度を数点かえて
ヒートシールを行い、剥離試験で上記のようにヒートシ
ール強度を求めた。シール温度とヒートシール強度のグ
ラフを作成し、グラフからヒートシール強度が1kg/
15mm幅となるシート温度を求め、この温度をヒート
シール温度とした。
【0047】実施例および比較例に用いた各種成分は以
下の通りである。 (エチレン共重合体(A−1))シングルサイト系触媒
によるエチレン・ヘキセン−1共重合体 密度:0.912g/cm3 MFR:3.5g/10分 分子量分布(Mw/Mn):2.6 組成分布パラメーターCb:1.23 TREFピーク温度:69.7℃、92.1℃ (エチレン共重合体(A−2))市販メタロセン系触媒
によるエチレン・ヘキセン−1共重合体(mLL) 密度:0.911g/cm3 MFR:4.5g/10分 分子量分布(Mw/Mn):2.2 組成分布パラメーターCb:1.02 TREFピーク温度:71℃
【0048】また、(B)高密度ポリエチレン系樹脂お
よび(C)ラジカル重合法によって得られたポリエチレ
ン系樹脂には、次のものを用いた。 (市販の高密度ポリエチレン(HDPE)) 密度:0.952g/cm3 MFR:0.2g/10分 (市販の高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレン
(LDPE)) 密度:0.922g/cm3 MFR:0.2g/10分
【0049】[実施例1]エチレン共重合体(A−1)
41重量部、HDPE50重量部、LDPE9重量部を
タンブラーミキサーでドライブレンド後、空冷インフレ
ーション法にて厚さ80μmのフィルムを成形した。こ
のフィルムについてヘイズ、グロス、クラリティー、ヤ
ング率、ヒートシール温度を測定した。結果を表1に示
す。
【0050】[実施例2]エチレン共重合体(A−1)
30重量部、HDPE65重量部、LDPE5重量部を
用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示
す。
【0051】[実施例3]エチレン共重合体(A−1)
65重量部、HDPE32重量部、LDPE3重量部を
用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示
す。
【0052】[実施例4]エチレン共重合体(A−2)
41重量部、HDPE50重量部、LDPE9重量部を
タンブラーミキサーでドライブレンド後、空冷インフレ
ーション法にて厚さ80μmのフィルムを成形した。こ
のフィルムについてヘイズ、グロス、クラリティー、ヤ
ング率、ヒートシール温度を測定した。結果を表1に示
す。
【0053】[比較例1]エチレン共重合体(A−1)
のみを用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表
1に示す。エチレン共重合体(A−1)のみからなるフ
ィルムは、ヘイズ、グロス、クラリティー、ヤング率が
劣っていた。
【0054】[比較例2]HDPEのみを用いた以外は
実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。HDPE
のみからなるフィルムは、ヘイズ、グロス、クラリティ
ー、低温ヒートシール性が劣っていた。
【0055】[比較例3]LDPEのみを用いた以外は
実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。LDPE
のみからなるフィルムは、クラリティー、ヤング率が劣
っていた。
【0056】[比較例4]市販のチグラー系触媒による
線状低密度ポリエチレン(LLDPE)(密度0.92
0g/cm3 、MFR0.8g/10分)のみを用いた
以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。L
LDPEのみからなるフィルムは、ヤング率が劣ってい
た。
【0057】[比較例5]エチレン共重合体(A−1)
75重量部、HDPE20重量部、LDPE5重量部を
用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示
す。エチレン共重合体(A−1)が70重量%を超え、
HDPEが30重量%未満の組成物からなるフィルム
は、ヤング率が劣っていた。
【0058】[比較例6]エチレン共重合体(A−1)
15重量部、HDPE80重量部、LDPE5重量部を
用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示
す。エチレン共重合体(A−1)が20重量%未満、H
DPEが70重量%を超える組成物からなるフィルム
は、ヘイズ、ヒートシール温度が劣っていた。
【0059】[比較例7]エチレン共重合体(A−1)
40重量部、HDPE45重量部、LDPE15重量部
を用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に
示す。LDPEが10重量%を超える組成物からなるフ
ィルムは、ヤング率が劣っていた。
【0060】[比較例8]エチレン共重合体(A−1)
50重量部、HDPE50重量部を用いた以外は実施例
1と同様に行った。結果を表1に示す。LDPEが1重
量%未満の組成物からなるフィルムは、ヘイズ、グロス
およびヒートシール温度が劣っていた。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の透明性樹
脂組成物にあっては、上述の(イ)〜(ニ)の要件を満
足する(A)エチレン(共)重合体20〜70重量%
と、(B)密度が0.935g/cm3 以上の高密度ポ
リエチレン系樹脂30〜70重量%と、(C)ラジカル
重合法によって得られるポリエチレン系樹脂1〜10重
量%とを有するので、フィルムに成形したとき、透明
性、弾性率、低温ヒートシール性等に優れたものとな
る。また、前記(A)エチレン(共)重合体が、さらに
上述の(ホ)の要件を満足すれば、さらに耐熱性および
剛性が向上する。また、前記(A)エチレン(共)重合
体が、シングルサイト系触媒の存在下で、エチレンまた
はエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを
(共)重合させることにより得られるエチレン単独重合
体またはエチレン・α−オレフィン共重合体である場
合、機械的特性、低温ヒートシール性、耐熱ブロッキン
グ性等に優れ、しかも耐熱性の良いものとなる。
【0063】そして、本発明のフィルムは、本発明の透
明性樹脂組成物からなるので、透明性、弾性率、低温ヒ
ートシール性等に優れたものとなる。また、本発明のフ
ィルムは、厚みが15〜100μm、ヘイズが10%以
下、グロスが105%以上、クラリティーが70%以
上、ヤング率が5000kg/cm2 以上、ヒートシー
ル温度が135℃以下である場合、高速自動包装に好適
に用いることができ、かつフィルムを通してのバーコー
ド読み取りが十分可能なものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 波田野 久 神奈川県川崎市川崎区夜光二丁目3番2号 日本ポリオレフィン株式会社研究開発セ ンター内 Fターム(参考) 4F071 AA15 AA15X AA16 AA20X AA21X AA28X AA33X AA82 AA88 AF20Y AF30Y AF32Y AF59Y AH04 BB06 BB09 BC01 BC12 4J002 BB03W BB03X BB033 BB05X BB15X GG02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレンまたはエチレンと炭素数
    3〜20のα−オレフィンとを(共)重合させることに
    より得られる下記(イ)〜(ニ)の要件を満足するエチ
    レン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合
    体20〜70重量%と、 (イ)密度が0.86〜0.96g/cm3 (ロ)メルトフローレートが0.01〜100g/10
    分 (ハ)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜5.0 (ニ)組成分布パラメータCbが2.00以下 (B)密度が0.935g/cm3 以上の高密度ポリエ
    チレン系樹脂30〜70重量%と、(C)ラジカル重合
    法によって得られたポリエチレン系樹脂1〜10重量%
    とを有することを特徴とする透明性樹脂組成物。(ただ
    し、A+B+C=100重量%である)
  2. 【請求項2】 前記(A)エチレン単独重合体またはエ
    チレン・α−オレフィン共重合体が、更に下記(ホ)の
    要件を満足することを特徴とする請求項1記載の透明性
    樹脂組成物。 (ホ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量曲線のピークが複数個存在すること
  3. 【請求項3】 前記(A)エチレン単独重合体またはエ
    チレン・α−オレフィン共重合体の(ニ)組成分布パラ
    メータCbが、1.08〜2.00であることを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の透明性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記(A)エチレン単独重合体またはエ
    チレン・α−オレフィン共重合体が、シングルサイト系
    触媒の存在下で、エチレンまたはエチレンと炭素数3〜
    20のα−オレフィンとを(共)重合させることにより
    得られるエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレ
    フィン共重合体であることを特徴とする請求項1ないし
    3いずれか一項に記載の透明性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記(C)ラジカル重合法によって得ら
    れたポリエチレン系樹脂が、密度が0.935g/cm
    3 以下の低密度ポリエチレンであることを特徴とする請
    求項1ないし4いずれか一項に記載の透明性樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5いずれかの透明性樹脂
    組成物からなることを特徴とするフィルム。
  7. 【請求項7】 厚みが15〜100μm、ヘイズが10
    %以下、グロスが105%以上、クラリティーが70%
    以上、ヤング率が5000kg/cm2 以上、ヒートシ
    ール温度が135℃以下であることを特徴とする請求項
    6記載のフィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006176717A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Nippon Polyethylene Kk ポリエチレン系樹脂組成物及びそれを用いた容器
JP2015051632A (ja) * 2013-08-08 2015-03-19 日本ポリエチレン株式会社 積層体及びそれを用いた食品包装容器、電子レンジ用容器

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