JP2000344672A - マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤 - Google Patents
マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤Info
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Abstract
の抗腫瘍転移薬剤としての臨床的有用性は、まだ不明で
あり、さらに新たなMMPs阻害剤の候補物質の開発が求め
られている。 【解決手段】 本発明者らは、下記の一般式(I)で示
されるタンニン化合物がマトリックスメタロプロテアー
ゼMMPs阻害活性を有することを見出し、MMPs阻害活性を
調べた結果、該化合物が、優れたMMPs阻害作用を示し、
結果として、MMPs活性の調節不能に起因する難治性疾患
の治療および予防に対して有用性が期待できることを見
出し本発明を完成した。 【化1】 (式中、Rは、ガロイル基、または隣接する2つのRが
一緒になってヘキサヒロキシジフェノイル基を示す。)
Description
有効成分とするマトリックスメタロプロテアーゼ(matr
ix metalloproteinases : MMPs)阻害剤に関する。さら
に、MMPsによる細胞外基質(extracellular matrix : E
CM)の分解によって引き起こされる慢性関節リウマチ、
変形性関節症等の関節疾患、がん細胞の転移、歯肉炎等
の難治性疾患の治療および予防に有用なMMPs阻害剤に関
する。
(remodelling)に関与する一群の酵素で、Zn2+を活性
部位にもつ。現在までに16種類ものヒトMMPsが同定され
(Nagase, H. : Biol. Chem., 378 : 151-160, 199
7)、これらは、一次構造と基質特異性の違いから、コ
ラゲナーゼ群、ゼラチナーゼ群、ストロメライシン群、
膜型(MT-MMP)、およびその他(マトリライシン)の5
群に分類される。
えば、関節のライニング(lining)、間質性の結合組
織、基底膜、軟骨などに存在するタンパク質を分解す
る。これらのタンパク質は、コラーゲン(collagen)、
ラミニン(laminin)、エラスチン(elastin)、フィブ
ロネクチン(fibronectin)、プロテオグリカン(prote
oglycan)などを含む。
占める主要な構造タンパク質であり、軟骨、骨、腱、お
よび皮膚を含む多くのマトリックス組織の必須な成分で
ある。間質性コラゲナーゼ(MMP-1)は、nativeなI、I
I、III型コラーゲン分子を3:1の箇所で特異的に切断
する。コラゲナーゼにより1箇所を切断されると、通常
の組織内では安定なコラーゲン分子は、生理学的温度
(体温)で自然に変性して一本鎖のゼラチンとなり、他
の様々なプロテアーゼにより分解されるようになる。そ
の結果、マトリックス組織の構造の完全性が失われる。
この過程は不可逆的である。
性コラーゲン)、IV型コラーゲン(基底膜)およびV型
コラーゲン、フイブロネクチン(軟結合組織および基底
膜に存在する高度にクロスリンクした高分子の多機能性
糖タンパク質)、およびエラスチン(動脈、腱、皮膚な
ど弾性組織の特殊成分をなす構造タンパク質)を変性さ
せる。
MP-10)は、ラミニン、フイブロネクチン、プロテオグ
リカン、およびコラーゲン(IV型およびIX型)を含む広
範囲のマトリックス基質を分解する。
テオグリカン、ゼラチン、エラスチンおよびラミニンを
含む広範囲のマトリックス基質を分解する。
潜在型酵素(pro-MMP)の産生、2)その潜在型酵素の
活性化、3)活性化酵素のインヒビターによる阻害、の
3つのステップで厳密に調節されている。その結果、MM
Psによる結合組織の分解と、新しいマトリックス組織の
合成とは、ダイナミックに平衡を保っている。
は、MMPs活性の調節不能により、MMPs活性が増強し、EC
Mの分解が亢進する。これらの病的状態は、動脈硬化、
関節炎(例えば、慢性関節リウマチおよび変形性関節
症)、歯周疾患、異所性脈管形成、腫瘍性浸潤および転
移、組織の潰瘍形成(例えば、角膜潰瘍、胃潰瘍、或い
は表皮性潰瘍)、骨疾患(例えば、骨粗鬆症および人工
関節置換術後の弛みなどの骨吸収性疾患)、血管再閉塞
および再狭窄、HIV感染および糖尿病合併症、等の難治
性疾患の治癒を遅延させている主要な原因の一つとなっ
ている。したがって、MMPsに対して阻害作用を有する物
質は、これら難治性疾患の予防および治療剤として有用
であると考えられる。とりわけ、がん細胞の組織浸潤・
転移の際の細胞外マトリックスの分解に関与するMMPsの
役割は重要で、MMPsの作用を阻害する物質は、がんの浸
潤・転移を抑制する薬剤として有望である。
阻害によるがん転移治療薬として、ヒドロキサム酸骨格
をもつマリマスタット(3R-(2,2-ジメチル-1S-メチルカ
ルバモイル-プロピルカルバモイル)-2S-ヒドロキシ-5-
メチル-ヘキサノ-ヒドロキサム酸)を始めとして、いく
つかの抗転移薬剤が臨床開発中である。しかしこれらの
抗腫瘍転移薬剤は、腫瘍細胞の生物学的特徴を標的とし
ているので、抗がん剤のように、直接的腫瘍縮小効果が
認められないため、抗がん剤の評価基準をそのまま適用
して判断するのが難しく、その有用性の臨床評価はこれ
からである。また、タンニン化合物が、トポイソメラー
ゼ阻害活性を有し、それによる抗癌剤ことが記載されて
いる(特開平6-72885公報,特開平7-138165公報)。しか
しながら、タンニン化合物が、MMPsに対して阻害作用を
示すことは、これまで知られていない。
化合物(特開平8-104628号公報)、エスクレチン誘導体
(特開平8-183785号公報)、スルホニルアミノ酸誘導体
(特開平9-309875号公報)、TIMPs(特開平10-17492号
公報)、等が知られている。
報告されている数多くのMMPs阻害剤の臨床応用につい
て、抗腫瘍転移薬剤を例にとれば、その臨床的有用性
は、まだ不明であり、さらに新たなMMPs阻害剤の候補物
質の開発が求められている。
を解決するために、ポリフェノール類の抗酸化活性や抗
ウイルス活性など多様な生物活性に着目し、その一種で
あるカテキン化合物のMMPs阻害活性を調べたところ、そ
のうちのいくつかが、優れたMMPs阻害活性を有すること
を見出している。そこで、ポリフェノール類であるタン
ニン化合物についても、MMPs阻害活性を調べた結果、該
化合物が、優れたMMP阻害作用を示し、結果として、MMP
s活性の調節不能に起因する難治性疾患の治療および予
防に対して有用性が期待できることを見出し、本発明を
完成した。。
物を有効成分として含有するマトリックスメタロプロテ
アーゼ(MMPs)阻害剤、(2)タンニン化合物が下記の
一般式(I):
一緒になってヘキサヒドロキシジフェノイル基を示す)
で示される化合物である(1)記載のマトリックスメタ
ロプロテアーゼ阻害剤、(3)タンニン化合物を有効成
分として含有するマトリックスメタロプロテアーゼ(MM
Ps)活性調節不能に起因する難治性疾患の治療および予
防剤、(4)タンニン化合物が下記の一般式(I):
一緒になってヘキサヒドロキシジフェノイル基)で示さ
れる化合物である請求項3記載の難治性疾患の治療およ
び予防剤、(5)難治性疾患が慢性関節リウマチ、変形
性関節症、歯周疾患、異所性脈管形成、腫瘍性浸潤およ
び転移、潰瘍形成、骨疾患、血管再閉塞、血管再狭窄、
HIV感染症、または糖尿病合併症である(4)記載の治
療および予防剤、に関する。
(特に樹皮に多く含まれる)に存在する多数のフェノー
ル性ヒドロキシル基をもつ複雑な構造の芳香族化合物
で、水で抽出される。本発明のタンニン化合物は、該タ
ンニン化合物であって、かつMMPs阻害作用を示すタンニ
ン化合物を全て包含する。タンニン化合物は、化学構造
上、1)加水分解性タンニン化合物、および2)縮合型
タンニン化合物に分類される。加水分解性タンニン化合
物は、一般に、分子内のポリフェノール部分として、ガ
ロイル(galloyl)基、ヘキサヒドロキシジフェノイル
(hexahydoxydiphenoyl; HHDP)基、およびその酸化体な
どがあり、これらが、分子内の糖または環状ポリアルコ
ールとエステル結合した構造をもつ。これらは、それぞ
れガロタンニン(gallo-tannin)、およびエラジタンニ
ン(ellagitannin)と総称される。酸や酵素によって、
このエステル結合が切断されやすいので、加水分解性タ
ンニンの名がある(Okuda, T. et al.: Heterocycles,15
: 1323, 1981; 奥田拓男: 化学と薬学の教室, 80: 12,
1983; 81: 22,1983; 83: 2,1984)。一方、縮合型タン
ニン化合物は、カテキン(catechin)類が、たがいに分
子間で、C4-C8、またはC4-C6位などでC-C結合に
より結ばれた2量体以上の大きい分子を順次形成したも
のである。酸や酵素の作用でこの縮合がさらに進行し、
より大きい分子を形成していくことが多い(Okuda, T. e
t al.: Heterocycles,15 : 1323, 1981; 奥田拓男: 化
学と薬学の教室, 80: 12, 1983; 81: 22,1983;83: 2,19
84)。加水分解性のタンニンの糖部分の1位とポリフェ
ノールが結合して、C-配糖体を形成し、糖の環が開環
した構造をもつC-配糖体型タンニン(C-glycoside tan
nin)、加水分解性タンニン分子にカテキン類が結合した
複合タンニン化合物(complex tannin)(Okuda,T. et a
l.: Chem. Pharm. Bull., 35 : 443, 1987)、加水分解
性タンニンが2分子以上たがいに結合したオリゴマー化
合物(oligomerichydrolyzable tannin)(Okuda, T. et
al.: J. Natl. Prod.,52: 1, 1989)、分子内のポリフェ
ノール部分が、カフェー酸(caffeoyl基)であるカフェ
ータンニン(caffeetannin)(奥田拓男・他: 薬誌,106:
894,1986)やシソ科タンニン(labiataetannin)(奥田拓
男・他: 薬誌,106: 1108, 1986; Agata,I. et al.: Che
m.Pharm. Bull. 35: 3223, 1988)、DHHDP(dehydrohexah
ydroxy diphenoyl)基をもつエラジタンニン(dehydroel
lagitannin)[Okuda, T. et al.: Tetrahedron Lett. 2
3: 3941, 1982)がアスコルビン酸と縮合したもの(Okud
a,T. et al.: Chem.Pharm. Bull. 34: 4075, 1986)、な
どタンニン化合物の種類は多い。
植物から、水、または水分含量の多い水性エタノールを
用いて抽出する。タンニン含有植物としては、先ず、日
常的に飲用している、緑茶、紅茶などの茶葉が挙げられ
るが、その他にも、例えば、ツバキ(Camellia japonic
a)、ハーブ・スパイスとして、ベイベリイ(Bayberr
y)、クローブ(Clove)、シャクヤク(Peony)、ローズ・
レッド(Rose red)、ベイリーフ、コンフリー(Comfre
y)、ユーカリ(Eucalyptus)、メリーザ(Melissa)、ペ
ニーロイヤル(Pennyroyal)、ローズ・ピンク(Rose pi
nk)、スター・アニス(Star anise)、タイムなどが挙げ
られる。これらの植物は、採取された直後は、一般に多
量の水分を含有するので、含有成分タンニンの変質を防
止するためにも、乾燥が必要である。これらのタンニン
含有植物からのタンニンの抽出は、水性溶媒、例えば、
精製水、或いは、エタノールやメタノールを含む精製水
により行う。抽出温度、および時間は、タンニンの安定
性を考慮して、当業者が適宜設定することができる。抽
出液は、そのまま本発明に用いることができるが、抽出
液の濃縮物、あるいは該抽出液を分画、文献に記載の方
法(Hashimoto, M. et al.: Chem. Pharm. Bull. 37: 77
-85, 1989)で精製したタンニン化合物を用いることが好
ましい。また、化学合成したタンニンでもよい。好まし
くは、一般式(I)で示されるタンニン化合物(式中、
Rは、ガロイル基、または隣接する2つのRが一緒にな
ってヘキサヒドロキシジフェノイル基を示す)などを、
本発明のMMPs阻害剤として用いることができるが、これ
らに限定されるものではない。本発明においては、ま
た、タンニン化合物を単独または組み合わせて用いるこ
とができる。
(式中、Rは表1に示すようにガロイル基、または隣接
する2つのRが一緒になってヘキサヒドロキシジフェノ
イル基を示す)に示す2種のタンニン化合物(化合物1
および2)は、表2に示すように、MMP-7、MT1-MMP、お
よびMMP-2に対して、化合物1は、50%酵素阻害濃度(I
C50)が、それぞれ、0.04、0.3、および39μM、化合物
2は、それぞれ、0.048、0.4、および16μMと、何れも
極めて低濃度で、優れたMMPs阻害作用を有することが明
らかである。
上皮性細胞には発現しないが、上皮性のがん細胞である
大腸がんや胃がんで特異的に発現が亢進しているMMP-7
(Mori, M. et al.: Cancer, 75: 1516-1519, 1995; Ka
taoka, H. Oncol. Res. 9: 101-109, 1997)、潜在型MM
P-2の細胞膜上の活性化因子であり(Sato, H. et al.:N
ature, 370: 61-65, 1994)、さらに、様々ながん細胞
の膜上に発現していることが示されているMT1-MMP(Yam
amoto, M. et al.: Cancer Res. 56: 384-392,1996; Ok
ada, A. et al.: Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92: 273
0-2734, 1995;Ohtani, H. et al.: Int. J. Cancer, 6
8: 565-570, 1996)、あるいは、がん組織中で、その活
性型が検出されているMMP-2(Davies, B. et al.: Canc
er Res. 53: 5365-5369, 1993; Emonard, H.P. et al.:
Cancer Res. 52: 5845-5848,1992)に対して優れた阻
害作用を示している。がん組織中の活性型MMP-2の存在
は、胃がんや乳がんの浸潤度と非常によく相関している
ことから(Polette, M. et al.: Virchows Arch. 428:
29-35, 1996)、MMP-2のがん浸潤における役割がさらに
クローズアップされている。また、MT1-MMP自身もI、I
I、III型コラーゲン、フィブロネクチンを分解すること
が報告され(Ohuchi, E. et al.: J. Biol. Chem. 272:
2466-2451, 1997)、この酵素が発現することは、ECM
分解を2方向から助長することが示唆される。このよう
なことから、MMPsに対して優れた阻害作用を示すタンニ
ン化合物は、がんの組織浸潤・転移を抑制することが期
待され、抗腫瘍転移薬として有望である。また、多くの
病的疾患においては、MMPs活性の調節不能により、MMPs
活性が増強し、ECMの分解が亢進する。これらの病的状
態は、動脈硬化、関節炎(例えば、慢性関節リウマチお
よび変形性関節症)、歯周疾患、異所性脈管形成、組織
の潰瘍形成(例えば、角膜潰瘍、胃潰瘍、或いは表皮性
潰瘍)、骨疾患(例えば、骨粗鬆症および人工関節置換
術後の弛みなどの骨吸収性疾患)、血管再閉塞および再
狭窄、HIV感染および糖尿病合併症、等の難治性疾患の
治癒を遅延させている主要な原因の一つとなっている。
したがって、MMPsに対して阻害作用を有する物質は、こ
れら難治性疾患の予防、および治療剤としても有用であ
ると考えられる。本発明者らは、先に、カテキン類が優
れたMMPs阻害作用を有することを見出しており、カテキ
ン類とタンニン化合物とを組み合わせることにより、MM
Ps阻害作用のスペクトラムの拡大、相加効果、或いは相
乗効果が期待される。
MMPs阻害剤の製剤形態は、一般的な形態でよい。タンニ
ン化合物単独、またはタンニン化合物と製剤上許容でき
る単体若しくは希釈剤との混合物のいずれでも、製剤と
して使用することができる。製剤中の有効成分の量も限
定されるものではない。
のいずれでも投与することができる。投与量は、年令、
個人差、病状等に依るので、特に限定されないが、1日
当たり0.1〜500mg/kg(体重)、好ましくは、0.5〜200m
g/kg(体重)である。通常、1日量を、1回または2〜
4回に分けて投与する。
るが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは
ない。
膜型のMT1-MMP(membrene-type MMP)、およびゼラチナ
ーゼA(MMP-2)のcDNA(Nagase, H. : Biol. Chem., 3
78 : 151-160, 1997 ; Sato, H. et al.: Nature, 370
: 61-65, 1994 ; Crit. Rev. Oral. Biol.Med., 4 : 1
97-250, 1993)を、C末端にヒスチジン6残基を持つ組
換え潜在型酵素(proMMP)として、大腸菌大量発現系を
用い発現させた後、活性化した。
のT7プロモーターの下流に、リボソーム結合部位、翻
訳開始コドン、マルチクローニング部位、ヘキサヒスチ
ジンタグをコードする配列、および翻訳終始コドンを含
んでいる。
ン)cDNAを、5’PCRプライマー:5'-ggcggatccatgctcgc
ctccctcggctcg-3'(配列番号:1)、および3'PCRプラ
イマー:3'-gccgtcgacgttcccgtcacagatgttggg-5'(配列
番号:2)を用い、MT1-MMPの3.5kb cDNA断片を含むpME
18S-MTMMPを鋳型として、PCR反応を行った。得られた18
Leuから322Asnまでをコードする0.8kb PCR断片をBam HI
/Sal Iで消化し、pTH-72発現ベクター(pTH-MT1MMP-P
C)のBam HI/Sal I部位にクローン化した。
cDNAを、5’PCRプライマー:5'-ggcggatccatggcgccgtcg
cccatcatc-3'(配列番号:3)、および3'PCRプライマ
ー:3'-gccgtcgactacaatgtcctgtttgcagat-5'(配列番
号:4)を用い、MMP-2の3.3kbcDNA断片を含むpSG-GelA
を鋳型として、PCR反応を行った。得られた30Alaから4
74Valまでをコードする1.3kbPCR断片をBam HI/Sal Iで
消化し、pTH-72発現ベクター(pTH-MMP2-PC)のBam HI/
Sal I部位にクローン化した。
et al.: J. Biochem., 119 : 667-673, 1996)で発現さ
せた。
戻し(リフォールディング;refolding)は、公知の方
法(例えば、西村義文,大野茂雄 監修 : タンパク実験
プロトコール, 細胞工学別冊 実験プロトコールシリー
ズ2 構造解析編, 1997)に準じて行った。すなわち、
発現ベクター(pTH-MMP-7、pTH-MT1-MMP-PC、或いはpTH
-MMP2-PC)を、大腸菌BL21(DE3)株にトランスフェク
トし、IPTGで発現誘導した。発現タンパクは、Ni-NTA樹
脂(QIAGEN INC., USA)を用いてアフィニティー精製
後、リフォールディングを行い、MMP-7およびMT1-MMPは
トリプシンと37℃、5分間反応後、DIFP(diisopropylpho
sphofluoridate)とトリプシン阻害剤(Tris-HCl 50mM, N
aCl 150mM, CaCl2 10mM, NaN3 0.02%, Brij35 0.05%)を
加えることにより活性型へ移行させた。一方、MMP-2はp
-APMA(p-aminophenylmerucuric acetate)と37℃、15分
間反応させることにより活性型へ移行させた。これを酵
素標本とし、蛍光性ペプチド基質(MOCAc/DNP peptide)
切断活性反応を、蛍光マイクロプレートリーダー(励起
波長 340nm, 蛍光波長 400nm)による蛍光強度で測定
し、酵素活性とした。一般式(I)(式中、Rは、ガロ
イル基、または隣接する2つのRが一緒になってヘキサ
ヒドロキシジフェノイル基を示す)に示すタンニン2種
は、50%エタノールに溶解させ10mMとし、水で1mM, 30
0mM, 100μM, 30μM,10μM, 3μMに希釈した。MMPs阻害
活性の測定は、活性型MMP40μl, タンニン20μl, アッ
セイバッファー20μl (Tris-HCl pH7.5 500mM, NaCl 1.
5M, CaCl2 100mM, ZnSO4 500μM, NaN3 30mM, Brij35
0.05%)を、37℃、15分間プレインキュベーションした
後、MOCAc/DNP peptide 120μl (4.16μM)を添加し、37
℃、15分毎に2時間反応させた。2時間後の50%酵素阻
害濃度(IC50)を、表2に示す。
害作用を有することが明らかである。
に対して優れた阻害作用を有することが明らかにされ
た。MMPsを有効成分として含有するMMPs阻害剤は、MMPs
活性調節不能に起因する難治性疾患、例えば、動脈硬化
症、関節炎(例えば、慢性関節リウマチおよび変形性関
節症)、歯周疾患、異所性脈管形成、腫瘍性浸潤および
転移、組織の潰瘍形成(例えば、角膜潰瘍、胃潰瘍、或
いは表皮性潰瘍)、骨疾患(例えば、骨粗鬆症および人
工関節置換術後の弛みなどの骨吸収性疾患)、血管再閉
塞および再狭窄、HIV感染および糖尿病合併症、等の治
療および予防剤として期待できる。
Claims (5)
- 【請求項1】タンニン化合物を有効成分として含有する
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)阻害剤。 - 【請求項2】タンニン化合物が下記の一般式(I): 【化1】 (式中、Rは、ガロイル基、または隣接する2つのRが
一緒になってヘキサヒドロキシジフェノイル基を示す)
で示される化合物である請求項1記載のマトリックスメ
タロプロテアーゼ阻害剤。 - 【請求項3】タンニン化合物を有効成分として含有する
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)活性調節不能
に起因する難治性疾患の治療及び予防剤。 - 【請求項4】タンニン化合物が下記の一般式(I): 【化2】 (式中、Rは、ガロイル基、または隣接する2つのRが
一緒になってヘキサヒドロキシジフェノイル基)で示さ
れる化合物である請求項3記載の難治性疾患の治療およ
び予防剤。 - 【請求項5】難治性疾患が慢性関節リウマチ、動脈硬
化、変形性関節症、歯周疾患、異所性脈管形成、腫瘍性
浸潤および転移、潰瘍形成、骨疾患、血管再閉塞、血管
再狭窄、HIV感染症、または糖尿病合併症である請求項
4記載の治療および予防剤。
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