JP2000344382A - シート搬送装置及び記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転軸上に第１歯車と保護部材を備えた状態
でユニット化した搬送手段の取扱いが容易で、安価で組
立作業性がよい信頼性に優れたシート搬送装置及び記録
装置を提供する。 【解決手段】 搬送ローラ９の一端部には、搬送ローラ
ギア１６が設けられており、その外側には、傘状のギア
カバー１５が装着され、搬送ローラギア１６とギアカバ
ー１５を備えた状態で搬送ローラ９はユニット化されて
搬送ローラユニット３２となっており、取扱いが容易
で、装置内部への組込みも簡単に行え、組立作業性が向
上すると共に、ギアカバー１５は搬送ローラ９上の搬送
ローラギア１６だけを保護するので、安価に設けること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、シートを搬送する
搬送手段の回転軸上に歯車を備えるシート搬送装置に関
し、たとえば、プリンタ、複写機、ワープロ、パーソナ
ルコンピュータ、ファクシミリなどの記録装置に適用さ
れるものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、シートを搬送する回転軸が一体と
なった搬送手段としての搬送ローラ上に、搬送ローラへ
駆動を伝達する歯車（以下、ギアと呼ぶ）を備えた記録
装置では、（１）搬送ローラ上のギアに対してギアカバ
ー不備の構成、或いは、（２）特開平５−２８９２８０
号公報に開示されているように、搬送ローラ上のギアを
含む、駆動源から搬送ローラへ駆動を伝達する伝達ギア
全体を保護するギアカバーを備える構成であった。

【０００３】これらの記録装置では、シートの搬送精度
に対するギア精度の影響を減速によって緩和させること
ができないため、最終ギアとなる搬送ローラ上のギアを
大型化させた構成となっており、搬送ローラ上のギアの
歯数をできるだけ多くすることでシートの搬送精度を良
くしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術の記録装置の場合には、下記のような問
題が生じていた。

【０００５】（１）の搬送ローラ上のギアに対してギア
カバー不備の構成の場合には、装置本体のフレーム内
に、搬送ローラ上にギアを装着した搬送ローラを組込む
ときには、搬送ローラ上のギアが周囲に触れて傷つかな
いように、細心の注意が必要であり、組立作業性が悪か
った。

【０００６】また、フレーム内にギアを装着した搬送ロ
ーラを組込んだ後も、フレームを外装に組込むとき、或
いは上ケースをフレームに装着するとき、搬送ローラ上
のギアに外装や上ケースが触れてギアが傷つかないよう
に、細心の注意が必要であり、組立作業性が悪かった。

【０００７】また、（２）の伝達ギア全体を保護するギ
アカバーを備える構成の場合には、ギアカバーのための
スペースが大きく必要となり、装置全体が大型化してし
まう。また、ギアカバーを安価に取付けることができな
かった。

【０００８】また、（１），（２）いずれの場合も、搬
送ローラ上にギアを装着した状態で、搬送ローラを１ユ
ニットとして移動、保管等の作業を実施することが難し
く、取扱いが悪かった。

【０００９】本発明は上記の従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、回転
軸上に第１歯車と保護部材を備えた状態でユニット化し
た搬送手段の取扱いが容易で、安価で組立作業性がよい
信頼性に優れたシート搬送装置及び記録装置を提供する
ことにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のシート搬送装置にあっては、回転する回転軸
を有し、該回転軸を回転させてシートを搬送する搬送手
段と、該搬送手段の回転軸上に連結固定され、前記回転
軸に駆動源からの駆動を伝達する第１歯車と、を備えた
シート搬送装置において、前記回転軸に固定され、前記
第１歯車の歯を保護する保護部材を備えたことを特徴と
する。

【００１１】したがって、搬送手段の回転軸上に第１歯
車と保護部材を備えた状態でユニット化でき、ユニット
化した搬送手段は第１歯車の歯が保護されているため取
扱いが容易であり、装置内部への組込みも簡単に行え、
組立作業性が向上する。また、保護部材は、回転軸上の
第１歯車だけを保護するので、安価に設けることができ
る。

【００１２】前記第１歯車を、前記回転軸の一端部に固
定すると共に、前記保護部材を、前記回転軸の一端部外
側から前記第１歯車を覆う傘状に設けたことが好まし
い。

【００１３】これにより、保護部材によって第１歯車が
傷つきやすい回転軸の一端部外側を保護することができ
る。

【００１４】前記保護部材は、前記第１歯車の前記回転
軸からの抜けを防止することが好ましい。

【００１５】これにより、抜けを防止するための部品を
必要とせず、装置内部の部品点数の増加を防ぎ、装置を
安価に設けることができる。

【００１６】前記第１歯車に、前記回転軸に連結固定さ
れる筒状の固定部を設けると共に、前記保護部材に、前
記固定部の筒外周と嵌め合って周方向の位置決めを行う
嵌合穴を設けたことが好ましい。

【００１７】これにより、固定部と嵌合穴が嵌め合って
周方向の位置決めを行うので、装置本体の大きさを拡大
させることがなく、装置の省スペース化を図ることがで
きる。

【００１８】前記第１歯車の固定部に、溝を設けると共
に、前記保護部材の嵌合穴内周に、内径方向に突出した
突起を設け、前記固定部の溝に前記保護部材の突起を嵌
合させ、前記搬送手段に対する相対的な前記第１歯車の
回転を防止することが好ましい。

【００１９】これにより、前記搬送手段に対する相対的
な第１歯車の回転を防止するための部品を必要とせず、
装置内部の部品点数の増加を防ぎ、装置を安価に設ける
ことができる。

【００２０】前記保護部材は、前記第１歯車に噛合う第
２歯車も一緒に保護することが好ましい。

【００２１】これにより、第１歯車の歯を十分に保護す
ることができ、回転軸上に第１歯車と保護部材を備えた
状態でユニット化した搬送手段の取扱いが更によくな
る。

【００２２】本発明の記録装置にあっては、上記のシー
ト搬送装置と、搬送されるシートに画像情報に応じて記
録を行う記録手段と、を備えたことを特徴とする。

【００２３】したがって、回転軸上に第１歯車と保護部
材を備えた状態でユニット化した搬送手段の取扱いがよ
く、装置の組立作業性が向上すると共に、組立作業時間
が短縮されて装置を安価に製造することができる。

【００２４】前記記録手段は、インクジェット記録手段
であることが好ましい。

【００２５】

【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣
旨のものではない。

【００２６】（第１の実施の形態）図１〜図５を参照し
て、第１の実施の形態に係る記録装置としてのインクジ
ェット記録装置を例示して説明する。

【００２７】図１は、インクジェット記録装置の外観を
示す斜視図である。図２は、インクジェット記録装置内
部の概略構成を示す斜視図である。図３は、インクジェ
ット記録装置の記録部周辺の要部を示す斜視図である。
図４は、搬送ローラユニットの正面図である。図５は、
図４の断面図である。

【００２８】まず、図１〜図３を参照して、インクジェ
ット記録装置の概略構成について説明する。本実施形態
におけるインクジェット記録装置は、給紙部、シート搬
送装置としての搬送部、記録部、排紙部などを装備して
おり、これらが、上ケース１および下ケース２内に収納
されている。以下、これらの構成について説明する。

【００２９】給紙部３は、図１に示すように、３０°〜
６０°の角度を持って装置本体に取付けられており、積
載してセットされたシートである記録シートは、記録
後、水平に排紙されるように構成されている。また、給
紙部３の下方には、記録シートを略水平のまま給紙する
ための、不図示の給紙口が備えられている。

【００３０】給紙部３には、図２に示すように、給紙ロ
ーラ４、可動サイドガイド５、圧板６、ベース７、不図
示の分離爪などが備えられている。そして、圧板６上に
積載された記録シートは、分離爪と給紙ローラ４によ
り、１枚ずつ搬送部８に搬送される。

【００３１】搬送部８は、回転軸が一体となった搬送手
段としての搬送ローラ９、ピンチローラ１０、プラテン
１１、浮き規制部材１２などが備えられており、給紙部
３から搬送部８に送られた記録シートは、搬送ローラ９
とピンチローラ１０とのニップ部に送られる。

【００３２】ピンチローラ１０は、図３に示すように、
ピンチローラホルダ１３を介してピンチローラバネ１４
により搬送ローラ９に押圧されており、搬送ローラ９の
回転に従動回転して記録シートの搬送力を生み出してい
る。

【００３３】搬送ローラ９は、駆動モータ１８の駆動力
によって駆動回転するもので、搬送ローラ９の一端部に
は、第１歯車としての搬送ローラギア１６が設けられて
おり、その外側には、傘状のギアカバー１５が装着され
る。

【００３４】ギアカバー１５は、搬送ローラギア１６
と、搬送ローラギア１６が噛合う第２歯車としての中間
ギア１７の小ギア部１７aを同時に保護する。

【００３５】このように、搬送ローラギア１６とギアカ
バー１５を備えた状態で搬送ローラ９はユニット化さ
れ、搬送ローラユニット３２となっている。

【００３６】そして、搬送モータ１８の駆動が、中間ギ
ア１７と搬送ローラギア１６を介して搬送ローラ９に伝
達され、搬送ローラ９及びピンチローラ１０とのニップ
部に搬送された記録シートは、搬送ローラ７の回転によ
り、プラテン１１上を記録開始位置まで所定量搬送され
る。

【００３７】所定量搬送された記録シートは、記録手段
である記録ヘッド１９により、所定の画像情報に基づい
た記録が行われる。記録ヘッド１９は、搬送ローラ９及
びピンチローラ１０により搬送された記録シートにイン
ク像を記録するものである。この装置における記録手段
としては、記録ヘッドからインクを吐出して記録するイ
ンクジェット記録方式を用いている。

【００３８】即ち、この記録ヘッドは、微細な液体吐出
口（オリフィス）、液路及びこの液路の一部に設けられ
るエネルギー作用部と、作用部にある液体に作用させる
液滴形成エネルギーを発生するエネルギー発生手投を備
えている。

【００３９】このようなエネルギーを発生するエネルギ
ー発生手段としては、ピエゾ素子などの電気機械変換体
を用いた記録方法、レーザーなどの電磁波を照射して発
熱させ、発熱による作用で液滴を吐出させるエネルギー
発生手段を用いた記録方法、或いは、発熱抵抗体を有す
る発熱素子などの電気熱変換体によって液体を加熱して
液体を吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録方法
などがある。

【００４０】その中でも、熱エネルギーによって液体を
吐出させるインクジェット記録方式に用いられる記録ヘ
ッドは、記録用の液滴を吐出して吐出用液滴を形成する
ための液体吐出口（オリフィス）を高密度に配列するこ
とができるために、高解像度の記録を行うことが可能で
ある。 その中でも、電気熱変換体をエネルギー発生手
段として用いた記録ヘッドは、コンパクト化も容易であ
り、かつ、最近の半導体分野における技術の進歩と信頼
性の向上が著しいＩＣ技術やマイクロ加工技術の長所を
十二分に活用でき、高密度実装化が容易で、製造コスト
も安価なことから有利である。

【００４１】記録部２０は、図２に示すように、記録ヘ
ッド１９を取付けるキャリッジ２１、キャリッジ２１を
シート搬送方向と直角方向に往復走査させるためのガイ
ド軸２２、キャリッジ２１の上部を保持して記録ヘッド
１９と記録シート間の距離を維持するガイド２３、キャ
リッジモータ２４の駆動をキャリッジ２１に伝達するタ
イミングベルト２５、タイミングベルト２５を張設する
アイドルプーリ２６、記録ヘッド１９へ電気基板からの
ヘッド駆動信号を伝達するための不図示のフレキシブル
基板などを装備している。

【００４２】そして、記録ヘッド１９は、記録開始位置
に待機している記録シートに、キャリッジ２１と一体に
なって走査されることにより、インク像を記録する。

【００４３】この後、搬送ローラ９の回転によって、た
とえば５．４２ｍｍ搬送という行単位での記録シートの
搬送終了毎に、記録ヘッド１９は、キャリッジ２１と一
体になって走査され、プラテン１１上の記録シートにイ
ンク像を記録して行く。

【００４４】排紙部２７は、図２および図３に示すよう
に、排紙ローラ２８、排紙ローラ２８に装着されて中間
ギア１７を介して搬送モータ１８の駆動を排紙ローラ２
８に伝達する排紙ローラギア４０、不図示の拍車ホルダ
ーに取付けられたバネ軸２９の付勢力によって排紙ロー
ラ２８に押圧されて排紙ローラ２８の回転に従動回転し
て記録シートの搬送力を発生させる拍車３０、記録シー
トの排出を補助する排紙トレイ３１などを装備してい
る。

【００４５】次に、図４、図５を参照して、搬送ローラ
ユニット３２について説明する。図４に示す搬送ローラ
ユニット３２は、搬送ローラ９に設けられた溝９ａにＣ
Ｅリング３３が装着され、ＣＥリング３３の搬送ローラ
ギア１６側にワッシャー３４ａを介して圧縮バネ３５が
挿入されている。そして、圧縮バネ３５の復帰力で、搬
送ローラ９のスラスト方向のガタ取りが実施される。

【００４６】左軸受け３６は、ワッシャー３４ｂを介し
て圧縮バネ３５の搬送ローラギア１６側に挿入されてお
り、左軸受け３６が、右軸受け３７と共にフレーム３８
に装着されることにより、搬送ローラ９が回転可能にフ
レーム３８に装着される。

【００４７】搬送ローラギア１６は、ワッシヤー３４ｃ
を介して左軸受け３６の隣に圧入されている。搬送ロー
ラ９に対する搬送ローラギア１６の回転止めは、搬送ロ
ーラギア１６の筒部１６ｅ内径側で搬送ローラ９の環状
溝に挿入されたスプリングピン３９により実施されてい
る。

【００４８】搬送ローラギア１６は、図５に示した様
に、搬送ローラ９を連結固定する筒状の固定部である位
置決め挿入部１６ａを備える。そして、ギアカバー１５
の周方向への位置決めを、搬送ローラギア１６の位置決
め挿入部１６ａの筒外周である外周部１６ｂと、ギアカ
バー１５の嵌合穴の内周である周方向位置決め部１５ａ
と、を嵌め合せて実施する。

【００４９】またギアカバー１５は、搬送ローラ９の搬
送ローラギア１６が連結固定された一端部の外側端面に
ビス４１でビス止め固定され、搬送ローラ９及び搬送ロ
ーラギア１６と一体となって回転する。

【００５０】さらに、ギアカバー１５の搬送ローラギア
１６が抜けを防止する抜け止め防止面１５ｂと、搬送ロ
ーラギア１６の位置決め挿入部１６ａの端面１６ｃと、
のクリアランスＴが、０．３程度になるように設定され
ている。

【００５１】このため、圧縮バネ３５の復帰力によっ
て、搬送ローラギア１６が、図４中Ａ方向に移動した場
合でも、搬送ローラギア１６の端面１６ｃとギアカバー
１５の抜け止め防止面１５ｂとが当接して、搬送ローラ
ギア１６が搬送ローラ９から抜け落ることを防止してい
る。

【００５２】また、図２に示すように、ギアカバー１５
は、搬送ローラギア１６に噛合う中間ギア１７の小ギア
部１７ａも同時に覆うようになっており、搬送ローラギ
ア１６のギア歯面１６ｄが、ギアカバー１５に覆われて
保護される構成になっている。

【００５３】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、搬送ローラ９に搬送ローラギア１６及びギアカバー
１５を装着した状態で、搬送ローラ９をユニット化した
ことにより、搬送ローラユニット３２の状態で放置、移
動した場合も、ギア歯面１６dを傷つける虞がなくな
り、取扱い性を向上させる効果を得る。

【００５４】また、搬送ローラ９をギアカバー１５が装
着された状態でフレーム３８に組込む、或いは搬送ロー
ラ９をギアカバー１５が装着された状態で下ケース２若
しくは上ケースへの組込みなどの作業が、搬送ローラユ
ニット３２を用いて搬送ローラギア１６を傷つけること
なく実施可能になり、組立て作業性が容易になる効果を
得る。

【００５５】さらに、ギアカバー１５は、大型化して傷
つけ易い搬送ローラギア１６だけでなく、搬送ローラギ
ア１６に噛合う中間ギア１７の小ギア部１７aも同時に
覆う構成のため、搬送ローラギア１６のギア歯面１６ｄ
を十分に保護することが可能になり、取扱い性を更に向
上する効果を得る。

【００５６】さらにまた、ギアカバー１５は、上記必要
最小限のギアのみを保護するため、記録装置を大型化せ
ず、省スペースで、かつ、安価な構成で組立作業性を向
上させることが可能になる効果を得る。

【００５７】ギアカバー１５の周方向への位置決めを、
位置決め挿入部１６ａの外周部１６ｂで実施するため、
搬送ローラ９の軸方向を長くして記録装置の大きさを拡
大させることがなく、省スペース化を図ることができ
る。

【００５８】また、ギアカバー１５は、搬送ローラギア
１６の抜けを防止するため、抜け防止のための部材が必
要なく、部品点数を減少させて安価な構成とする効果を
得る。

【００５９】なお、本実施の形態では、搬送ローラギア
１６のギア歯面１６ｄを、搬送ローラ９の周方向から見
た時、完全に覆う位置までギアカバー１５を設けて搬送
ローラギア１６を保護する構成としたが、搬送ローラギ
ア１６の歯幅のどの程度を覆うかにより、覆った量に応
じた効果を得ることができる。

【００６０】また、ギアカバー１５の搬送ローラギア１
６の抜け止め防止面１５ｂと、搬送ローラギア１６の位
置決め挿入部１６ａの端面１６ｃとのクリアランスＴ
は、０．３以外の値でも、ギアカバー１５が搬送ローラ
９に装着され、搬送ローラギア１６の移動が許容できる
範囲内の値で自由に設定できるということは勿論であ
る。

【００６１】さらに、本実施の形態は、記録手段として
記録ヘッド１９を備えるインクジェット記録装置につい
て説明したが、たとえばトナーで記録シートに画像を記
録する電子写真方式などの記録手段を用いる記録装置
や、シートとしてのシート原稿を読取る画像読取装置な
どについても、搬送ローラユニット３２を備える構成で
あれば本発明を適用することができる。

【００６２】（第２の実施の形態）図６は第２の実施の
形態に係る搬送ローラギアとギアカバーを示す斜視図で
ある。ここでは、搬送ローラギアとギアカバーの周方向
の位置決めについてだけ説明する。その他の構成および
作用については第１の実施の形態と同一であり、その説
明は省略する。

【００６３】本実施の形態では、図６に示すように、搬
送ローラギア１６′の搬送ローラ９への位置決め挿入部
１６′ａの一部を削除して溝１６′ｆを設ける。またギ
アカバー１５′には、内径側に突出して搬送ローラ９の
外周部に当接可能となる突起としての位置決め部１５′
ｃを設ける。

【００６４】そして、搬送ローラギア１６′の溝１６′
ｆにギアカバー１５′の位置決め部１５′ｃを嵌め合せ
て、搬送ローラ９の外周部でギアカバー１５′を周方向
へ位置決めする構成である。

【００６５】また、ギアカバー１５′の周方向位置決め
部１５′ａと、搬送ローラギア１６′の外周部１６′ｂ
と、はクリアランスを設ける構成にしてもよい。

【００６６】この時、搬送ローラギア１６′の溝１６′
ｆの幅ａに、ギアカバー１５′の位置決め部１５′ｃの
幅ｂが一致するように設定すると、搬送ローラ９に対す
る相対的な搬送ローラギア１６′の回転を防止すること
ができ、搬送ローラギア１６′の回転止めであるスプリ
ングピン３９が不要になり、部品点数を減少させて安価
な装置とする効果を得る。

【００６７】なお、本実施の形態のように位置決め挿入
部１６ａの一部の削除した溝１６′ｆを設けず、第１の
実施の形態において、搬送ローラギア１６の位置決め挿
入部１６ａの端面１６ｃよりも搬送ローラ９を若干長く
し、その部分の搬送ローラ９の外周部で位置決めを行う
構成としてもよい。このようにしても、搬送ローラ９の
軸方向に若干スペースが必要になるが同様の効果を得る
ことができる。

【００６８】（第３の実施の形態）図７は第３の実施の
形態に係る搬送ローラとギアカバーを示す断面図であ
る。ここでは、ギアカバーの搬送ローラ９への固定につ
いてだけ説明する。その他の構成および作用については
第１の実施の形態と同一であり、その説明は省略する。

【００６９】上記第１の実施の形態では、ギアカバー１
５を搬送ローラ９にビス止めによって固定する構成で述
べたが、ギアカバー１５を搬送ローラ９に締結する方法
をビス止めに限定している訳ではないということは勿論
である。

【００７０】本実施の形態では、図７に示すように、ギ
アカバー１５″に爪部１５″ｄを設け、爪部１５″ｄを
搬送ローラ９″に設けた溝９″ｂに取付ける構成として
も、同様の効果を得ることができる。

【００７１】このようにギアカバー１５を固定する締結
方法は、特に限定されるものでなく、公知の方法を用い
ることができる。

【００７２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のシート搬
送装置は、回転軸に固定され、第１歯車の歯を保護する
保護部材を備えたことで、搬送手段の回転軸上に第１歯
車と保護部材を備えた状態でユニット化でき、ユニット
化した搬送手段は第１歯車の歯が保護されているため取
扱いが容易であり、装置内部への組込みも簡単に行え、
組立作業性が向上する。また、保護部材は、回転軸上の
第１歯車だけを保護するので、安価に設けることができ
る。

【００７３】第１歯車を、回転軸の一端部に固定すると
共に、保護部材を、回転軸の一端部外側から第１歯車を
覆う傘状に設けたことで、保護部材によって第１歯車が
傷つきやすい回転軸の一端部外側が保護することができ
る。

【００７４】保護部材は、第１歯車の回転軸からの抜け
を防止することで、抜けを防止するための部品を必要と
せず、装置内部の部品点数の増加を防ぎ、装置を安価に
設けることができる。

【００７５】第１歯車に、回転軸に連結固定される筒状
の固定部を設けると共に、保護部材に、固定部の筒外周
と嵌め合って周方向の位置決めを行う嵌合穴を設けたこ
とで、固定部と嵌合穴が嵌め合って周方向の位置決めを
行うので、装置本体の大きさを拡大させることがなく、
装置の省スペース化を図ることができる。

【００７６】第１歯車の固定部に、溝を設けると共に、
保護部材の嵌合穴内周に、内径方向に突出した突起を設
け、固定部の溝に保護部材の突起を嵌合させ、第１歯車
の搬送手段に対する相対的な回転を防止することで、第
１歯車の搬送手段に対する相対的な回転を防止するため
の部品を必要とせず、装置内部の部品点数の増加を防
ぎ、装置を安価に設けることができる。

【００７７】保護部材は、第１歯車に噛合う第２歯車も
一緒に保護することで、第１歯車の歯を十分に保護する
ことができ、回転軸上に第１歯車と保護部材を備えた状
態でユニット化した搬送手段の取扱いが更によくなる。

【００７８】本発明の記録装置は、上記のシート搬送装
置と、搬送されるシートに画像情報に応じて記録を行う
記録手段と、を備えたことで、回転軸上に第１歯車と保
護部材を備えた状態でユニット化した搬送手段の取扱い
がよく、装置の組立作業性が向上すると共に、組立作業
時間が短縮されて装置を安価に製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施の形態に係るインクジェット記録装
置の外観を示す斜視図である。

【図２】第１の実施の形態に係るインクジェット記録装
置内部の概略構成を示す斜視図である。

【図３】第１の実施の形態に係るインクジェット記録装
置の記録部の要部を示す斜視図である。

【図４】第１の実施の形態に係る搬送ローラユニットの
正面図である。

【図５】図４に示した搬送ローラユニットの一部断面図
である。

【図６】第２の実施の形態に係る搬送ローラギアとギア
カバーを示す斜視図である。

【図７】第３の実施の形態に係る搬送ローラとギアカバ
ーを示す一部断面図である。

【符号の説明】

１ 上ケース ２ 下ケース ３ 給紙部 ４ 給紙ローラ ５ 可動サイドガイド ６ 圧板 ７ ベース ８ 搬送部 ９ 搬送ローラ ９ａ 溝 ９″ｂ 溝 １０ ピンチローラ １１ プラテン １２ 浮き規制部材 １３ ピンチローラホルダ １４ ピンチローラバネ １５ ギアカバー １５ａ 周方向位置決め部 １５ｂ 抜け止め防止面 １５′ｃ 位置決め部 １５″ｄ 爪部 １６ 搬送ローラギア １６ａ 位置決め挿入部 １６ｂ 外周部 １６ｃ 端面 １６ｄ ギア歯面 １６ｅ 筒部 １６′ｆ 溝 １７ 中間ギア １７ａ 小ギア部 １８ 搬送モータ １９ 記録ヘッド ２０ 記録部 ２１ キャリッジ ２２ ガイド軸 ２３ ガイド ２４ キャリッジモータ ２５ タイミングベルト ２６ アイドルプーリ ２７ 排紙部 ２８ 排紙ローラ ２９ バネ軸 ３０ 拍車 ３１ 排紙トレイ ３２ 搬送ローラユニット ３３ ＣＥリング ３４ａ，３４ｂ，３４ｃ ワッシャー ３５ 圧縮バネ ３６ 左軸受け ３７ 右軸受け ３８ フレーム ３９ スプリングピン ４０ 排紙ローラギア ４１ ビス

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転する回転軸を有し、該回転軸を回転さ
   せてシートを搬送する搬送手段と、 該搬送手段の回転軸上に連結固定され、前記回転軸に駆
   動源からの駆動を伝達する第１歯車と、を備えたシート
   搬送装置において、 前記回転軸に固定され、前記第１歯車の歯を保護する保
   護部材を備えたことを特徴とするシート搬送装置。
2. 【請求項２】前記第１歯車を、前記回転軸の一端部に固
   定すると共に、 前記保護部材を、前記回転軸の一端部外側から前記第１
   歯車を覆う傘状に設けたことを特徴とする請求項１に記
   載のシート搬送装置。
3. 【請求項３】前記保護部材は、前記第１歯車の前記回転
   軸からの抜けを防止することを特徴とする請求項１又は
   ２に記載のシート搬送装置。
4. 【請求項４】前記第１歯車に、前記回転軸に連結固定さ
   れる筒状の固定部を設けると共に、前記保護部材に、前
   記固定部の筒外周と嵌め合って周方向の位置決めを行う
   嵌合穴を設けたことを特徴とする請求項１、２、又は３
   に記載のシート搬送装置。
5. 【請求項５】前記第１歯車の固定部に、溝を設けると共
   に、 前記保護部材の嵌合穴内周に、内径方向に突出した突起
   を設け、 前記固定部の溝に前記保護部材の突起を嵌合させ、前記
   搬送手段に対する相対的な前記第１歯車の回転を防止さ
   せることを特徴とする請求項１、２、又は３に記載のシ
   ート搬送装置。
6. 【請求項６】前記保護部材は、前記第１歯車に噛合う第
   ２歯車も一緒に保護することを特徴とする請求項１乃至
   ５のいずれか一つに記載のシート搬送装置。
7. 【請求項７】請求項１乃至６のいずれか一つに記載のシ
   ート搬送装置と、 搬送されるシートに画像情報に応じて記録を行う記録手
   段と、を備えたことを特徴とする記録装置。
8. 【請求項８】前記記録手段は、インクジェット記録手段
   であることを特徴とする請求項７に記載の記録装置。