JPH11254785A - 印刷装置およびその制御方法 - Google Patents

印刷装置およびその制御方法

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JPH11254785A
JPH11254785A JP6113198A JP6113198A JPH11254785A JP H11254785 A JPH11254785 A JP H11254785A JP 6113198 A JP6113198 A JP 6113198A JP 6113198 A JP6113198 A JP 6113198A JP H11254785 A JPH11254785 A JP H11254785A
Authority
JP
Japan
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platen roller
electric motor
roller
line head
paper
Prior art date
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Application number
JP6113198A
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English (en)
Inventor
Ichiji Fujiwara
一司 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
F & F Kk
F&F Ltd
Original Assignee
F & F Kk
F&F Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感熱用紙を用いた薄型のプリンタを実現する
ために、小径で摩擦係数の高いプラテンローラを用い、
さらに、小型の駆動モータで駆動可能な印刷装置を提供
する。 【解決手段】 ピックアップローラ12aおよび12b
とプラテンローラ16を駆動する駆動モータ20aおよ
び20bを逆転させてヘッドカム30を駆動し、プラテ
ンローラ16とラインヘッド15とのギャップを駆動モ
ータで制御できるようにする。駆動モータを逆転させる
ことによりプラテンローラ16とラインヘッド15との
間にギャップが形成できるので、紙送り初期にはプラテ
ンローラ16をラインヘッド15に直に接触しないで回
転できるので、小型のモータでも摩擦係数の高いプラテ
ンローラを駆動することが可能となり、薄くコンパクト
なプリンタ10を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱用紙を用いた
コンパクトタイプの印刷装置およびその制御方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】感熱紙を用いた印刷装置としては、ファ
ックスあるいはPOSプリンタなどがあり、ロール紙状
の感熱紙を本体に収納し、サーマルヘッドを用いて印刷
を行うようになっている。また、プリンタが本体と一体
となったワードプロセッサも市販されており、これらの
プリンタはサーマルヘッドが走査方向に移動しながらA
4あるいはB5サイズに規格化され、カットシートの形
状になった定形の感熱用紙(感熱シート)に印刷できる
ようになっているものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】発明者らによって、従
来の感熱用紙より小さなA6(105×148mm)あ
るいはB7(91×128mm)サイズの規格にしたが
った定形の感熱用紙(感熱シート)を用いた印刷装置が
開発されている。この印刷装置は、用紙サイズが小さい
ので、用紙幅程度のサーマル型のラインヘッドと、この
ラインヘッドに感熱用紙を密着させながら紙送りするプ
ラテンローラの組み合わせでラインプリンタを構成する
ことが可能であり、ヘッドの移動機構を省いたコンパク
トなプリンタを実現できる。さらに、このプリンタは、
インクなどの消耗品が不要な感熱用紙を用いているの
で、これらの消耗品およびそれを取り扱う機構を収納す
るスペースも省くことができるので非常にコンパクトと
なる。また、小さなサイズの定形用紙(定形シート)で
あれば、所定の形状にカットされているので、ロール紙
と異なり、複数枚の印刷用紙を薄い方形のカートリッジ
(カセット)に収納してプリンタに装着したり、プリン
タに用意された薄い収納スペースに複数の定形用紙を収
納することが可能であり、卓上型、携帯型あるいはパソ
コンなどの本体収納型などの形態のプリンタを提供する
ことができる。さらに、小サイズの定形用紙を採用して
いるために、ロール紙と異なり、印刷用紙を挿入する際
などに位置が多少ずれてもそのずれが蓄積されることは
なく、簡易な機構で信頼性の高いプリンタを実現でき
る。このように小サイズの定形の感熱用紙を採用するこ
とにより、小型、低コストのパーソナルプリンタとして
用いることができる種々の形態の印刷装置を実現でき
る。
【0004】この小型の印刷装置は、カートリッジから
定形の感熱用紙をピックアップするピックアップロー
ラ、プラテンローラおよびサーマルヘッドといった機構
をほぼ直線的に配置することにより非常に薄く構成する
ことが可能であり、収納型としては、高さ13mm程度
のノート型のパソコン(パーソナルコンピュータ)のデ
バイスベイに収納可能なサイズにパッケージングするこ
とが考えられている。しかしながら、厚さ13mmのハ
ウジング内にサーマルヘッドとプラテンローラとを上下
方向に配置すると、プラテンローラの直径は最小限とい
われる直径10mm程度以下にする必要がある。したが
って、プラテンローラと印刷用紙との接触面積が不足す
るので、紙送りのために十分な推進力を得ることが難し
くなる。
【0005】プラテンローラの材質を軟質で摩擦係数の
大きなゴムなどに変えて推進力を増すことができるが、
ラインヘッドに感熱用紙が到達していない印刷開始直後
においては、プラテンローラとラインヘッドとの間に印
刷用紙がなく、プラテンローラとラインヘッドが直に接
触する。このため、摩擦係数の大きな材質を採用すると
プラテンローラを駆動するために非常に大きな力が必要
になる。特に、印刷装置をコンパクトにするために、用
紙幅と同程度の幅のサーマル型のラインヘッドを採用し
ているので、サーマルヘッドを移動するタイプのプリン
タと異なり、プラテンローラとラインヘッドの接触面積
が大きく、プラテンローラを駆動するために必要な力が
大きくなる。しかしながら、上記のような薄いデバイス
ベイに収納可能なサイズのプリンタとして纏めるために
は、駆動力の大きなモータを採用することはサイズ的に
不可能であり、また、消費電力の点からも問題がある。
【0006】プランジャーを用いてプラテンローラとラ
インヘッドとの間にギャップを設けて印刷用紙がライン
ヘッドに到達するまではプラテンローラとラインヘッド
とを離しておくことが考えられるが、プランジャーおよ
びその制御システムを収納するスペースが必要となるの
で印刷装置が大きくなってしまう。また、プランジャー
を駆動する際に大量の電力が消費されるために、バッテ
リー駆動を前提とした小型あるいは携帯型の印刷装置で
は動作可能な時間が短くなってしまう。
【0007】そこで、本発明においては、紙送りのため
に十分な推進力を発揮できるプラテンローラを備え、さ
らに、ノート型パソコンのデバイスベイにも収納可能な
程度に十分に薄くすることができる印刷装置を提供する
ことを目的としている。このため、印刷中は十分な推進
力を発揮できるプラテンローラを印刷初期に低負荷で駆
動でき、かつ、小型で薄い印刷装置として実現できる印
刷装置およびその制御方法を提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、ラインヘッドとプラテンローラのギャップのオン
オフ制御を電動モータで行いて給紙する前にギャップを
設け、ラインヘッドまで感熱用紙を給紙した後にギャッ
プを閉じて印刷を行うようにしている。すなわち、本発
明の印刷装置は、定形の感熱用紙をピックアップしてサ
ーマル式のラインヘッドに紙送り可能な少なくとも1つ
のピックアップローラと、その感熱用紙をラインヘッド
との間に挟んで紙送り可能なプラテンローラと、ライン
ヘッドとプラテンローラのギャップを制御可能な少なく
とも1つの電動モータと、電動モータを駆動してギャッ
プを開けた後に、少なくともピックアップローラを駆動
して感熱用紙をピックアップし、ラインヘッドに感熱用
紙が到達すると電動モータを再び駆動してギャップを閉
じた後に、少なくともプラテンローラを駆動して印刷可
能な制御装置とを有することを特徴としている。
【0009】近年、電動モータ、特にパルスモータある
いは直流モータは小型でコンパクトなものが市販されて
おり、電動モータを歯車列とカムなどの機構と組み合わ
せることにより上述したような小型で薄いプリンタに低
パワーで動くオンオフ機構を組み込むことができる。そ
して、制御装置により、給紙前にプラテンローラとサー
マル式のラインヘッドとの間にギャップを設けた後に、
ギャップを閉じて印刷を開始することにより、少なくと
も印刷を開始するためにプラテンローラが回転するとき
はプラテンローラとラインヘッドの間に感熱用紙が存在
する。また、ピックアップローラで給紙を行うときにプ
ラテンローラを回転させてもギャップがあるのでプラテ
ンローラが直にラインヘッドに接触することはない。し
たがって、小径で摩擦係数の高いプラテンローラであっ
ても低負荷で駆動でき、プラテンローラおよびそれを駆
動するモータを小型化できる。このため、ノートパソコ
ンのデバイスベイに収納可能な程度に薄い印刷装置を実
現できる。
【0010】ピックアップローラまたはプラテンローラ
を駆動するための電動モータとギャップを制御する電動
モータを兼用することが可能であり、モータ自体の数も
低減でき、さらにシンプルでコンパクトな印刷装置を実
現できる。さらに、ピックアップローラまたはプラテン
ローラを駆動するときと、ギャップを制御するときで電
動モータの回転方向を変えるようにすれば、簡単な構成
の伝達機構および制御方法でギャップの制御ができる。
すなわち、ギャップを制御可能であると共に、ピックア
ップローラまたはプラテンローラに駆動力を供給可能な
電動モータを有する印刷装置においては、この電動モー
タが第1の方向に回転したときにピックアップローラま
たはプラテンローラに駆動力を伝達する第1の伝達機構
と、電動モータが第2の方向に回転したときにラインヘ
ッドとプラテンローラとのギャップを制御可能な第2の
伝達機構とを設けることが望ましい。
【0011】このような印刷装置であれば、ピックアッ
プローラあるいはプラテンローラのいずれか一方、また
はピックアップローラおよびプラテンローラの両方を駆
動するように設けられた電動モータにより、新たな駆動
源を追加することなくするプラテンローラとラインヘッ
ドの間のギャップを制御することができる。このため、
さらに小型で薄く、消費電力も少ない印刷装置を提供で
きる。特に、ピックアップローラおよびプラテンローラ
に対し共通して動力を供給する1つまたは複数の電動モ
ータを設けることにより、印刷装置の駆動源を1個所に
纏めることができるので、シンプルな構成の印刷装置を
実現できる。また、部品点数も少ないので、コストおよ
び信頼性の面でもメリットがある。そして、印刷初期に
はプラテンローラとサーマルヘッドとの間にギャップを
設けることができるので、プラテンローラの駆動するた
めのモータ負荷を下げることができる。したがって、小
径で摩擦係数の高い材質を用いたプラテンローラであっ
てもギャップの制御などと兼用できる小型の電動モータ
で駆動することが可能であり、紙送りのために十分な推
進力を備えた薄くコンパクトな印刷装置を提供できる。
【0012】さらに、紙送りのためにピックアップロー
ラあるいはプラテンローラを駆動する処理と、プラテン
ローラとラインヘッドのギャップを調整する処理とを電
動モータの回転方向で切り替えるようにしているので、
伝達機構も簡易になる。また、切り替え制御方法および
制御プログラムも簡単となる。たとえば、伝達機構とし
ては伝達方向の異なる2つのワンウェイクラッチを用い
ることによりピックアップローラまたはプラテンローラ
に駆動力を伝達する第1の伝達機構と、ギャップを制御
する第2の伝達機構に電動モータからの動力を切り替え
て供給することができる。すなわち、第1の伝達機構に
電動モータによって駆動される駆動シャフトからピック
アップローラまたはプラテンローラに駆動力を伝達可能
な第1のワンウェイクラッチを設け、第2の伝達機構に
ラインヘッドまたはプラテンローラの少なくともいずれ
かの姿勢を制御可能なカムシャフトと、このカムシャフ
トに対し第1のワンウェイクラッチと異なる方向の駆動
力を駆動シャフトから伝達可能な第2のワンウェイクラ
ッチとを設けることにより、電動モータの回転方向を切
り替えることが可能であり、共通の電動モータで簡単に
ギャップの制御を行うことができる。
【0013】また、本発明の印刷装置は、ギャップを制
御可能な電動モータを用いて次のようなステップを備え
た制御方法により、制御することができる。
【0014】1.電動モータを駆動してプラテンローラ
とラインヘッドの間にギャップを開ける第1の工程。
【0015】2.少なくともピックアップローラを駆動
して感熱用紙をピックアップする第2の工程。
【0016】3.ラインヘッドに感熱用紙が到達すると
電動モータを再び駆動してギャップを閉じる第3の工
程。
【0017】4.少なくともプラテンローラを駆動して
印刷を行う第4の工程。
【0018】プラテンローラまたはピックアップローラ
に動力を供給可能な電動モータをギャップ制御のために
共通に使用することも可能であり、このような装置の制
御方法においては、第1の工程では、ピックアップロー
ラまたはプラテンローラに対し第1の方向に回転したと
きに駆動力を伝達可能な電動モータを第2の方向に駆動
してギャップを開け、第2の工程では、電動モータを第
1の方向に駆動して感熱用紙をピックアップし、第3の
工程では、電動モータを第2の方向に駆動してギャップ
を閉じ、さらに、第4の工程では、電動モータを第1の
方向に駆動して印刷を行うことができる。
【0019】また、本発明の制御方法は、これらの工程
の処理を実行可能な命令を備えた制御プログラムとして
提供することが可能であり、印刷装置のROMなどの記
録媒体に記録して使用することができる。
【0020】プラテンローラとピックアップローラを共
通の動力源により駆動すると、定形の感熱用紙の末端側
を印刷しているときに、カートリッジに収納された次の
感熱用紙をピックアップするようにピックアップローラ
が回転してしまう。このようなピックアップローラの動
きは、プラテンローラの紙送り速度をピックアップロー
ラの紙送り速度よりも速く設定し、さらに、ピックアッ
プローラに対し電動モータの動力を適当な条件で逃がす
ことができる第3の伝達機構を介して供給することによ
り回避できる。この第3の伝達機構は、ピックアップロ
ーラと連動し回転する受動部と、この受動部から分離し
た状態で回転可能であり、受動部に対しピックアップロ
ーラがピックアップする回転方向で接触したときに電動
モータの駆動力を伝達可能な能動部とを備えているもの
であり、受動部が能動部に対し先行して回転した状態に
なると、能動部が受動部に接触するまで動力が受動部に
伝達されない。このため、印刷中はピックアップローラ
に連結された受動部の回転速度を早くすることにより、
受動部を能動部から切り離してピックアップローラの回
転を止めることができる。
【0021】さらに、ピックアップローラを、紙送りの
方向に複数のローラを並列に配置し、これらのローラを
駆動するようにすれば、1つ1つのローラの径が小さく
ても感熱用紙との接触面積を確保でき、感熱用紙をピッ
クアップしてラインヘッドに送る力を確保できる。した
がって、印刷装置をさらに薄型にできる。また、プラテ
ンローラとの間に感熱用紙を挟んで回転可能なアシスト
ローラを設けることにより、プラテンローラの径を小さ
くしても感熱用紙との接触面積を確保できる。したがっ
て、薄型の印刷装置を実現するのに有効である。
【0022】また、本発明の印刷装置においては小出力
の電動モータでプラテンローラを駆動でき、さらにギャ
ップの制御も可能なので、電動モータが小さくなり、第
1および第2の伝導機構を構成する歯車列の収納スペー
スに電動モータを共に収納することも可能となる。特
に、電動モータを複数にすることにより、個々の電動モ
ータのサイズが小さくなるので、歯車列と一体にして収
納スペースに設置しやすくなる。このような配置であれ
ばモータ用の専用の配置スペースが不要になるので、印
刷装置のデザインおよびサイズがモータに左右されるこ
とがなくなり、よりコンパクトで薄い印刷装置を実現で
きる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態に係る印刷装置(プリンタ)を説明する。図1
に本例のプリンタ10の主な部品の配置を断面を用いて
示してある。本例のプリンタ10は、定形の感熱用紙1
が複数枚収納された用紙カートリッジ5を、略方形のハ
ウジング19の一方の側面19aに設けられた差込口1
1に着脱して印刷を行うようになっている。ハウジング
19の差込口11には、差し込まれた用紙カートリッジ
5の給紙口6と対峙する位置に2連のピックアップロー
ラ12aおよび12bが配置されており、これらのピッ
クアップローラ12aおよび12bの給紙方向(紙送り
方向)Xにサーマル型のラインヘッド15とプラテンロ
ーラ16が上下に接触するように配置されている。プラ
テンローラ16の給紙方向Xには、さらに、アシストロ
ーラ17が配置されており、プラテンローラ16とライ
ンヘッド15とに挟まれて印刷された感熱用紙1が、さ
らにプラテンローラ16とアシストローラ17とに挟ま
れて上方Yに向きを変え、ハウジング19の上面19b
に設けられた排紙口18から排紙されるようになってい
る。ハウジング19には、ピックアップローラ12およ
びプラテンローラ16の駆動源となる2連の駆動モータ
20aおよび20bがX方向に配置されている。また、
プラテンローラ16の近傍には、ラインヘッド15の姿
勢を制御するための制御カム(ヘッドカム)30および
カムシャフト31が配置されており、ヘッドカム30に
よってラインヘッド15とプラテンローラ16との間に
ギャップを設けられるようになっている。
【0024】本例のプリンタ10は、このように、差込
口11およびピックアップローラ12、プラテンローラ
16およびラインヘッド15、さらに駆動モータ20が
X方向に略直線的に配置されている。このため、高さの
低い、平たいハウジング19にコンパクトに纏めること
が可能であり、小型の卓上用あるいは携帯用に適したプ
リンタとなっている。本例のプリンタ10は、A6ある
いはB7サイズ、あるいはそれ以下のサイズの感熱用紙
1が収納されたカートリッジ5を一方の側から差し込ん
で使用できるようになっている。このため、印刷済みの
感熱用紙1の排紙経路をカートリッジの差込方向に設定
することによりパソコンの本体90のデバイスベイに収
納可能なプリンタとして提供することも可能である。そ
して、ハウジング19の高さが略13mmあるいはそれ
以下にすることによりノートパソコンのデバイスベイに
収納して利用できるようになっている。
【0025】図2に、本例のプリンタ10の上方から見
た平面的な配置を示してある。カートリッジ5が差し込
まれる差込口11から順番に、紙送り方向に並列になっ
た2連のピックアップローラ12a及び12b、カム軸
31、プラテンローラ16およびアシストローラ17が
配置されており、プラテンローラ16の下側には用紙幅
方向に延びたサーマルタイプのラインヘッド15が見え
ている。そして、ラインヘッド15のX方向のハウジン
グ内には制御装置41が配置され、さらにバッテリーを
収納可能なスペース42も用意されている。制御装置4
1は、モータ20aおよび20bを制御するためのプロ
グラムなどが収納されたROM45と、その制御プログ
ラムによってモータ20およびラインヘッド15を制御
して印刷を行うCPU46などを備えている。
【0026】さらに、ハウジング19の図2の下側にな
る区画(ギアトレインボックス)19cには、電動式の
駆動モータ20aおよび20bが、それらの駆動力を歯
車列(輪列)で伝達する伝達機構50と一体となるよう
に組み立てられて配置されている。この伝達機構50に
は、ピックアップローラ12aおよび12bとクラッチ
52aおよび52bを介して接続されたローラシャフト
51aおよび51bが連結されており、駆動モータ20
aおよび20bの動力をピックアップローラ12aおよ
び12bに伝達できるようになっている。また、プラテ
ンローラ16もローラシャフト53を介して伝達機構5
0と連結されており、駆動モータ20aおよび20bに
よって駆動できるようになっている。さらに、ラインヘ
ッド15の姿勢制御用のカム30もカムシャフト31を
介して伝達機構50に連結されており、駆動モータ20
aおよび20bによって駆動できるようになっている。
なお、アシストローラ17は伝達機構50と連結されて
おらず、プラテンローラ16に従属し補助ローラとして
回転するようになっている。
【0027】図3に本例の伝達機構50を拡大して示し
てあり、また図4に、本例の伝達機構50を側面から見
た様子を示してある。本例の伝達機構50は、2連のモ
ータ20aおよび20bの駆動力を駆動シャフト58に
伝達するモータ動力伝達系統59と、ピックアップロー
ラ12aおよび12bに各々連結されたローラシャフト
51aおよび51bに駆動シャフト58から動力を伝達
するピックアップローラの動力伝達系統60と、プラテ
ンローラ16に連結されたローラシャフト53に駆動シ
ャフト58から動力を伝達するプラテンローラの動力伝
達系統61と、さらに、カムシャフト31に駆動シャフ
ト58から動力を伝達する姿勢制御の動力伝達系統62
を備えている。
【0028】モータ動力伝達系統58は、モータ20a
および20bのモータ歯車21aおよび21bを連絡す
る中間歯車22と、この動力を駆動シャフト58に順次
伝達する第1の歯車23、第2の歯車24および第3の
歯車25を備えており、モータ20aおよび20bの正
転(+方向あるいは時計方向)および逆転(−方向ある
いは反時計方向)の駆動力を駆動シャフト58に伝達で
きるようになっている。駆動シャフト58には、2つの
ワンウェイクラッチ28および29が連結されており、
第1のワンウェイクラッチ28は駆動シャフト58の正
転方向(モータ20aおよび20bでは逆転方向)の駆
動力を伝達できるようになっており、第2のワンウェイ
クラッチ29は駆動シャフト58の逆転方向(モータ2
0aおよび20bでは正転方向)の駆動力を伝達できる
ようになっている。
【0029】駆動シャフト58からピックアップローラ
12aおよび12bに接続されたローラシャフト51a
および51bに対し動力を伝達する動力伝達系統60
は、第1のワンウェイクラッチ28に接続した中間歯車
66と、この中間歯車66に接続した駆動歯車65aお
よび駆動歯車65bとを備えており、この駆動歯車65
aがローラシャフト51aと連結し、駆動歯車65bが
ローラシャフト51bに連結している。したがって、動
力伝達系統60により、モータ20aおよび20bから
伝達された駆動シャフト58の正転方向の動力がピック
アップローラ12aおよび12bに伝達される。
【0030】プラテンローラ16に接続されたローラシ
ャフト53に駆動シャフト58から動力を伝達する動力
伝達系統61も第1のワンウェイクラッチ28に接続さ
れており、本例においては、ローラシャフト53に連結
された駆動歯車67がワンウェイクラッチ28とかみ合
っている。このため、プラテンローラ16にも動力伝達
系統61により、モータ20aおよび20bから伝達さ
れた駆動シャフト58の正転方向の動力が伝達されるよ
うになっている。したがって、本例の伝達機構50にお
いては動力伝達系統60および61が、モータ20aお
よび20bが第1の方向に回転したときの動力をピック
アップローラ12aおよび12b、およびプラテンロー
ラ16に伝達する第1の伝達機構としての機能を果たし
ている。
【0031】一方、ラインヘッド15の姿勢を制御する
ヘッドカム30が連結されたカムシャフト31は、第2
のワンウェイクラッチ29に接続されている。このた
め、この動力伝達系統62により、モータ20aおよび
20bから伝達された駆動シャフト58の逆転方向の動
力が伝達される。したがって、伝達機構50において
は、動力伝達系統62が、モータ20aおよび20bが
第2の方向に回転したときの動力を姿勢制御用のカム3
0に伝達する第2の伝達機構としての機能を果たしてい
る。
【0032】このように、本例の伝達機構50において
は、モータ20aおよび20bから駆動シャフト58に
伝達された正転方向の駆動力によってピックアップロー
ラ12aおよび12bは正転方向に、また、プラテンロ
ーラ16は逆転方向に回転駆動され、それぞれのローラ
が紙送り方向に動くようになっている。一方、駆動シャ
フト58に伝達された逆転方向の駆動力はカムシャフト
31に伝達され、モータ20aおよび20bの動力を用
いてラインヘッド15の姿勢制御ができるようになって
いる。
【0033】図5に、本例のプリンタ10における印刷
処理過程をフローチャートを用いて示してある、また、
図6に、駆動シャフト58の回転方向、ヘッドカム30
の動きおよび感熱用紙の進行状況をタイミングチャート
を用いて示してある。なお、以下では、駆動モータ20
aおよび20bは一括で制御されるので、駆動モータ2
0として参照する。まず、ステップ81で印刷開始コマ
ンドあるいは印刷データの有無を確認する。時刻t1に
印刷開始コマンドあるいは印刷データをプリンタ10が
受信すると、ステップ82で駆動モータ20を第2の方
向(本例では正転方向)に駆動して駆動シャフト58を
逆転させる。これにより、第2のワンウェイクラッチ2
9を介して動力伝達系統62に動力が伝達され、カムシ
ャフト31が逆転方向に動く。
【0034】図7に示すように、カムシャフト31に連
結されたヘッドカム30は偏心しており、ラインヘッド
15の先端15aにヘッドカム30が当たりラインヘッ
ド15を旋回中心15bの回りに旋回できるようになっ
ている。このため、ヘッドカム30を、例えば180度
駆動するとラインヘッド15とプラテンローラ16との
間にギャップGが形成される。そして、さらにヘッドカ
ム30を180度駆動すると、ラインヘッド15とプラ
テンローラ16が接触し、旋回中心15bの回りに設置
された押えばね14によりラインヘッド15がプラテン
ローラ16に密着するようになっている。
【0035】本例のプリンタ10においては、カムシャ
フト31を180度駆動するためにモータ20を動かす
時間Tgが予め制御装置41のROM45に設定されて
おり、図5に示したステップ82においては、制御装置
41のCPU46によりプログラムにしたがってモータ
20が第2の方向に時間Tgだけ駆動される。その結
果、ラインヘッド15とプラテンローラ16との間には
ギャップGが形成される。
【0036】時刻t1から時間Tg経過した時刻t2に
なると、CPU46によってモータ20の回転は停止さ
れ、ステップ83でモータ20は逆方向の第1の方向に
駆動される。モータ20が逆方向の第1の方向に駆動し
て駆動シャフト58が正転すると、第1のワンウェイク
ラッチ28を介してモータ20の動力が動力伝達系統6
0および61によりピックアップローラ12aおよび1
2bと、プラテンローラ16に伝達される。したがっ
て、カートリッジ5から感熱用紙1がピックアップさ
れ、その先端がラインヘッド15に向かって紙送りされ
る。このとき、ラインヘッド15とプラテンローラ16
との間には隙間Gが形成されているので、プラテンロー
ラ16はラインヘッド15から離れている。したがっ
て、摩擦係数が高く、紙送り能力の優れたプラテンロー
ラ16であってもラインヘッド15と接触させずに低い
動力で駆動することができる。このため、出力の小さな
モータ20であってもピックアップローラおよびプラテ
ンローラを駆動することが可能であり、感熱用紙をスム
ーズに給紙することができる。ピックアップローラ12
aおよび12bにより感熱用紙1がラインヘッド15に
向けて給紙されるときに、ギャップGを設けておくこと
により、感熱用紙の先端がラインヘッド15の印刷部分
まで抵抗なく進むので、紙詰まり、あるいは偏進するこ
となくスムーズに給紙できる。また、その際にプラテン
ローラ16も回転駆動しておくことにより、感熱用紙1
の先端がプラテンローラ16に当たっても感熱用紙1を
ラインヘッド15の所定の位置に導ける。したがって、
これらの点でもギャップGを開けてプラテンローラ16
を回転できるようにしておくことは、紙詰まりや、感熱
用紙のよじれなどの印刷上のトラブルあるいは印刷品質
が低下する原因を防止するために効果がある。
【0037】ステップ84で時刻t3に感熱用紙の先端
がラインヘッド15に到達されたことが不図示の紙セン
サーなどにより検出されると、モータ20の回転は停止
され、ステップ85で再び第2の方向に駆動される。本
例においては、感熱用紙の先端の位置を検出するように
しているが、プリンタ10においては、カートリッジ5
からピックアップされた感熱用紙1の先端がラインヘッ
ド15に到達するまでの時間は略一定である。このた
め、紙送りに要する時間を予めROM45に設定してお
き、その時間だけモータ20を第1の方向に駆動し、そ
の後、回転方向を第1の方向から第2の方向に切り替え
るようにしてももちろん良い。
【0038】ステップ85においては、時刻t3から時
間Tgだけモータ20を第2の方向に駆動し、駆動シャ
フト58および第2のワンウェイクラッチ29を介して
カムシャフト31をさらに180度回転する。これによ
り、ヘッドカム30が180度回転するので、ラインヘ
ッド15がプラテンローラ16に密着してギャップGが
閉じて、ラインヘッド15とプラテンローラ16を印刷
時の姿勢に復帰させることができる。このとき、感熱用
紙1の先端がラインヘッド15に達しているので、プラ
テンローラ16とラインヘッド15は感熱用紙1を挟ん
だ状態で密着される。
【0039】時刻t3から時間Tg後の時刻t4に、ス
テップ86でモータ20を第1の方向に駆動する。これ
により駆動シャフト58が正転方向に駆動され、第1の
ワンウェイクラッチ28を介してピックアップローラ1
2aおよび12b、およびプラテンローラ16が紙送り
方向に回転する。ステップ85においてプラテンローラ
16とラインヘッド15はギャップGが閉じて、感熱用
紙1を挟んで密着した状態になっている。このため、プ
ラテンローラ16が紙送り方向に回転すると、感熱用紙
1がプラテンローラ16によって紙送りされ、その表面
にラインヘッド15によって印刷データに基づき順次処
理される。そして、感熱用紙1に文字あるいはグラフィ
ックなどのデータが印刷される。ステップ87において
時刻t5に感熱用紙1の末端がプラテンローラ16の位
置あるいは過ぎた位置まで到達し、そのことが紙センサ
ーにより検出されると、モータ20の回転を止めて印刷
を終了する。このようにして1枚の定形の感熱用紙1の
印刷が行われる。
【0040】さらに、時刻t11にステップ81で新た
な印刷コマンドを検出すると、ステップ82でモータ2
0を第2の方向に駆動しラインヘッド15とプラテンロ
ーラ16との間にギャップGを開ける。時刻t12にギ
ャップGが形成されると、モータ20を再び第1の方向
に回転して、上記と同様に印刷用紙をピックアップして
ラインヘッド15に給紙し、さらに、ラインヘッド15
の姿勢を戻して印刷を行う処理を繰り返す。このような
制御を行うプログラムは、ROM45に収納されてお
り、適当なタイミングでCPU46にロードされ、各々
の感熱用紙に印刷するときにモータ20を上記のように
制御できるようになっている。
【0041】本例のプリンタ10は、モータ20が第1
の方向に駆動されるとプラテンローラ16と共にピック
アップローラ12aおよび12bのローラシャフト51
aおよび51bが常に駆動されるようになっている。こ
のため、ステップ86で印刷が進んで感熱用紙1の末端
がカートリッジ5から排出されたときにピックアップロ
ーラ12aおよび12bがそのまま継続して動くと、次
の感熱用紙1がピックアップされてしまう。そこで、本
例のプリンタ10においてはローラシャフト51aおよ
び51bに回転力を逃がすことができる第3の伝達機構
としてピックアップ用のクラッチ52aおよび52bが
設置されている。図8に、このピックアップ用のクラッ
チ52の機構を模式的に示してある。本例のピックアッ
プ用のクラッチ52はピックアップローラ12に連結さ
れた受動部71と、ローラシャフト51に連結された能
動部72とを備えている。そして、図8(a)に示すよ
うに、受動部71から突出した突起73に対し、能動部
72から突出した突起74が紙送り方向(正転方向)に
旋回して接触したときに能動部72から受動部71に動
力を伝達できるようになっている。また、図8(b)に
示すように、受動部71が能動部72より先に回転し、
受動部71の突起73に対し能動部72の突起74が離
れた位置になると、ローラシャフト51の動力をピック
アップローラ12に伝達できないようになっている。
【0042】このため、本例のプリンタ10は、ピック
アップローラ12aおよび12b、およびプラテンロー
ラ16に対し動力を伝達する動力伝達系統60および6
1のギア比を変えたり、ピックアップローラ12aおよ
び12bの直径とプラテンローラ16の直径を変えるな
どの方法によりプラテンローラ16の紙送り速度がピッ
クアップローラ12aおよび12bの紙送り速度よりも
速くなるように設定されている。したがって、印刷を開
始するとピックアップローラ12aおよび12bが感熱
用紙1を介してプラテンローラ16に引っ張られた状態
となり、受動部71が能動部72より先行して回転す
る。これにより、受動部71の突起73は能動部72の
突起74から離れた位置となり、能動部72からの動力
が伝達されない状態となる。このため、印刷が進んで感
熱用紙1の末端がカートリッジ5からプリンタ10の内
部に供給された後は、所定の時間、ローラシャフト51
aおよび51bが回転していてもピックアップローラ1
2aおよび12bは回転駆動されない状態となり、次の
感熱用紙がプリンタ10に給紙されてしまう事態を防止
できる。
【0043】このように、本例のプリンタ10は、プラ
テンローラ16およびピックアップローラ12を駆動す
るモータ20を逆方向に駆動することによってプラテン
ローラ16とラインヘッド15との間のギャップが制御
できるようになっている。このため、駆動モータ20を
動かして印刷初期にプラテンローラ16とラインヘッド
15との間にギャップGを開けることができる。したが
って、プラテンローラ16がラインヘッド15に対し直
に接触した状態で駆動されることはなく、離れた状態
か、あるいは感熱用紙1を挟んだ状態となった後にライ
ンヘッド15に感熱用紙を押し付けながら回転させるこ
とができる。このため、感熱用紙1との摩擦係数が高
く、大きな推進力の得られるゴムなどの材質を採用した
プラテンローラ16であっても駆動モータ20に大きな
負荷をかけることなく駆動することができる。したがっ
て、径の小さくして、摩擦係数の大きな材質のプラテン
ローラ16を採用することが可能であり、そのプラテン
ローラを用いて感熱用紙1を紙送りするのに十分な推進
力を得ることが可能である。このため、平たいハウジン
グ19にプラテンローラ16とラインヘッド15をコン
パクトに収納することができる。
【0044】さらに、本例のプリンタ10においては、
プラテンローラ16に接触しながら、あるいは、感熱用
紙を間に挟んで回転するアシストローラ17を設けて、
径の小さなプラテンローラ16であっても感熱用紙1と
の接触面積を確保できるようにしている。また、ピック
アップローラ12aおよび12bを紙送り方向に並列し
て配置し、これら2本のローラで感熱用紙1に接してピ
ックアップできるようにしている。したがって、一本の
ピックアップローラの径を細くしても感熱用紙をピック
アップするのに必要な接触面積を確保できる。このよう
に、本例のプリンタ10においては、紙送り能力を低下
させることなくプラテンローラ16およびピックアップ
ローラ12を細くできるようにしており、より薄くコン
パクトなプリンタを実現できるようになっている。もち
ろん、プラテンローラ16の前後いずれの方向にアシス
トローラ17を設けても良く、さらには、前後両方に唖
システムローラを設けることも可能である。また、ピッ
クアップローラ12も2本に限らず3本以上のローラを
並列に設置することも可能である。しかしながら、ロー
ラの本数を増やしすぎると、感熱用紙をフィードする方
向に長いプリンタになってしまうのでプリンタ全体をコ
ンパクトに纏めることが難しくなる。
【0045】また、上述したように、本例のプリンタ1
0は、紙送りするときにギャップGを設けることにより
駆動モータ20にかかる負荷を大幅に下げられるように
している。したがって、小型で容量の小さな、動力性能
の低い駆動モータで紙送りするのに十分な動力を得るこ
とができる。さらに、そのギャップGを制御するヘッド
カム30もカムシャフト31を介してモータ20で制御
できるようにしているので、そのための動力も小さくて
済み、小型のモータ20でプリンタ10を動作および制
御するための全ての動力をまかなうことができる。この
ため、モータ20を収納するスペースも狭くできるの
で、プリンタ10をよりコンパクトに纏めることができ
る。さらに、本例のプリンタ10においては、複数の電
動モータを連結して必要な動力を得るようにしており、
個々のモータのサイズを小さくして歯車列50と共に配
置しやすいようにしている。すなわち、小型のパルスモ
ータ20aおよび20bを直線的に配置し、これらを連
結して使用することにより、モータの設置スペースを増
やさずに、特にハウジング19が厚くならないようにし
ており、その一方で、高速の印字ができる程度の駆動力
が得られるようにしている。そして、これらのモータ2
0を歯車列50と一体に組み立て、歯車列の収納スペー
ス19cに共に配置している。したがって、モータを設
置するための専用スペースを確保する必要はなく、プリ
ンタを小型化できると共に、ハウジング19のデザイン
的な自由度も広がる。
【0046】もちろん、印字速度によっては駆動モータ
20は1つでも良く、1つのモータでローラの駆動力お
よびギャプGの制御力などプリンタ10を稼動するため
に必要なすべての動力をまかなうようにすることも可能
である。たとえば、本例のプリンタ10においても、印
刷速度によっては、1つのモータ20aで全ての動力を
まかなうことが可能であり、このモータ20aがギヤト
レインボックス19cに収まってしまうので、制御用あ
るいはバッテリー用スペースをさらにコンパクトにする
ことにより、名刺サイズあるいはそれ以下のサイズにプ
リンタ10を纏めることが可能である。
【0047】そして、本例のプリンタ10は駆動モータ
20の回転方向を切り替えるだけで、ギャップGの制御
と、プラテンローラ16あるいはピックアップローラ1
2を駆動することが可能である。したがって、機械的に
伝達機構を切り替える必要がなく、簡易な機構でこれら
の制御を行うことができる。また、制御プログラムも駆
動モータ20の回転方向を制御するだけで良いので、簡
易になり、信頼性の高い制御プログラムおよび制御機構
を備えたプリンタを低コストで提供することができる。
【0048】本例のプリンタ10においては、1組のモ
ータによりピックアップローラおよびプラテンローラを
駆動し、さらに、ギャップGの制御も行っているが、ピ
ックアップローラあるいはプラテンローラを専用に駆動
するモータを設け、そのいずれかのモータをギャップG
の制御に兼用することも可能である。また、ギャップG
の制御専用にモータを配置することも可能である。近
年、パルスモータなどの電動モータはコンパクトで低消
費電力のものが市販されており、ギヤ輪列およびカムな
どの適当な機構と組み合わせて使用することにより、オ
ンオフ制御を行う機構を極めてコンパクトに組み立てる
ことができる。したがって、給紙するときにその電動モ
ータを動かしてギャップを開け、ラインヘッドまで給紙
した後に再び電動モータを動かしてギャップを閉じるこ
とによりプラテンローラに無駄な負荷をかけずに感熱用
紙をセットできる機構を、本例のような薄型でコンパク
トなプリンタにも組み込むことができる。さらに、本例
のプリンタのように、1組あるいは1つのモータにより
ピックアップローラおよびプラテンローラも含めたすべ
ての系統を駆動および制御することにより、制御系統お
よび制御プログラムを簡易にすることができるので、よ
り小型のプリンタを低コストで供給することができる。
【0049】また、本例のプリンタ10においては、サ
ーマル式のラインヘッド15の姿勢を制御することによ
りギャップGを調整しているが、プラテンローラ16、
あるいはプラテンローラ16およびラインヘッド15の
両者の位置を制御してギャップGを調整することももち
ろん可能である。しかしながら、プラテンローラ16は
歯車列を介して伝達機構50と接続しているので、位置
を制御するためには伝達機構も含めて移動する必要があ
る。これに対し、サーマル型のラインヘッド15は機械
的な稼動部分がないので、その位置あるいは姿勢を制御
することは簡単であり、本例のプリンタ10のように簡
易な構成でギャップGを制御することができる。
【0050】さらに、上記に示した歯車列の構成は例示
に過ぎないことはもちろんであり、モータの回転速度あ
るいはプラテンローラの回転速度など各プリンタの条件
に適した構成の歯車列あるいはその他の動力伝達機構を
用いて本発明を実現することができる。また、上記では
プリンタ本体に印刷用紙を収納したカートリッジ(カセ
ット)が差込されるタイプのプリンタを例に説明してい
るが、カートリッジを内臓可能なプリンタ、あるいは、
本体内に定形の感熱用紙を収納可能なカセット状の収納
部分を備えたプリンタなど、カット紙(単票用紙)であ
る定形の感熱用紙を用いて連続的な印刷が可能な様々な
タイプの印刷装置に本発明を提供できることはもちろん
である。
【0051】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の印刷装
置およびその制御方法は、感熱用紙を用いた小型の印刷
装置において、プラテンローラとラインヘッドのギャッ
プを制御するために電動モータを用いている。さらに、
ピックアップローラあるいはプラテンローラを駆動する
駆動モータを逆転させることによりギャップを制御でき
るようにしている。このため、駆動モータだけで紙送り
初期にギャップを開閉する制御も含めたプリンタの制御
が可能である。このため、プラテンローラを無理なく動
かすことができ、プラテンローラとラインヘッドの間に
スムーズに感熱用紙を導くことができる。したがって、
小径で摩擦係数の高い材質を用いたプラテンローラと小
型の駆動モータを用いて紙送りするのに十分な駆動力を
得ることが可能となる。このため、定形の感熱用紙を用
いた小型で薄くコンパクトな印刷装置であって、さら
に、ノートパソコンのデバイスベイに収納可能なサイズ
にもアレンジでき、品質の良いプリントが得られる印刷
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリンタの概略構成を示す断面図であ
る。
【図2】図1に示すプリンタの平面的な構成を示す図で
ある。
【図3】図1に示すプリンタの伝達機構を拡大して示す
図である。
【図4】図3に示す伝達機構を側面から見た様子を示す
図である。
【図5】図1に示すプリンタの制御方法を示すフローチ
ャートである。
【図6】図1に示すプリンタの制御過程を示すタイミン
グチャートである。
【図7】図1に示すプリンタにおいて、プラテンローラ
とラインヘッドとのギャップを制御する機構を示す図で
ある。
【図8】図1に示すプリンタのピックアップローラに供
給される動力を逃がすことができるクラッチの構成を模
式的に示す図である。
【符号の説明】
1・・感熱用紙 5・・用紙カートリッジ 10・・プリンタ 12a、12b・・ピックアップローラ 15・・ラインヘッド 16・・プラテンローラ 20a、20b・・駆動モータ 30・・ヘッドカム 31・・カムシャフト 28、29・・ワンウェイクラッチ 41・・制御装置 45・・ROM 46・・CPU 50・・伝達機構 52a、52b・・クラッチ 58・・駆動シャフト 59、60、61、62・・動力伝達系統

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定形の感熱用紙をピックアップしてサー
    マル式のラインヘッドに紙送り可能な少なくとも1つの
    ピックアップローラと、 その感熱用紙を前記ラインヘッドとの間に挟んで紙送り
    可能なプラテンローラと、 前記ラインヘッドとプラテンローラのギャップを制御可
    能な少なくとも1つの電動モータと、 前記電動モータを駆動して前記ギャップを開けた後に、
    少なくとも前記ピックアップローラを駆動して感熱用紙
    をピックアップし、前記ラインヘッドに感熱用紙が到達
    すると前記電動モータを再び駆動して前記ギャップを閉
    じた後に、少なくとも前記プラテンローラを駆動して印
    刷可能な制御装置とを有することを特徴とする印刷装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記電動モータは、
    前記ピックアップローラまたはプラテンローラに駆動力
    を供給可能であり、 この電動モータが第1の方向に回転したときに前記ピッ
    クアップローラまたはプラテンローラに駆動力を伝達可
    能な第1の伝達機構と、 前記電動モータが第2の方向に回転したときに前記ライ
    ンヘッドと前記プラテンローラとのギャップを制御可能
    な第2の伝達機構とを有することを特徴とする印刷装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記第1の伝達機構
    は、前記電動モータによって駆動される駆動シャフトか
    ら前記ピックアップローラまたはプラテンローラに駆動
    力を伝達可能な第1のワンウェイクラッチを備えてお
    り、 前記第2の伝達機構は、前記ラインヘッドまたは前記プ
    ラテンローラの少なくともいずれかの姿勢を制御可能な
    カムシャフトと、このカムシャフトに対し前記第1のワ
    ンウェイクラッチと異なる方向の駆動力を前記駆動シャ
    フトから伝達可能な第2のワンウェイクラッチとを備え
    ていることを特徴とする印刷装置。
  4. 【請求項4】 請求項2において、前記第2の伝達機構
    は、前記ラインヘッドの姿勢を制御することを特徴とす
    る印刷装置。
  5. 【請求項5】 請求項2において、前記第1の伝達機構
    は前記ピックアップローラおよびプラテンローラに駆動
    力を供給し、前記プラテンローラの紙送り速度は、前記
    ピックアップローラの紙送り速度よりも速く設定されて
    おり、 さらに、前記ピックアップローラに対し前記電動モータ
    の動力を伝達する第3の伝達機構を有し、 この第3の伝達機構は、前記ピックアップローラと連動
    し回転する受動部と、 この受動部から分離した状態で回転可能であり、前記受
    動部に対し前記ピックアップローラがピックアップする
    回転方向で接触したときに前記電動モータの駆動力を伝
    達可能な能動部とを備えていることを特徴とする印刷装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項2において、前記ピックアップロ
    ーラは、紙送りの方向に並列に配置された複数のローラ
    を備えていることを特徴とする印刷装置。
  7. 【請求項7】 請求項1において、前記プラテンローラ
    との間に感熱用紙を挟んで回転可能なアシストローラを
    有することを特徴とする印刷装置。
  8. 【請求項8】 請求項2において、前記第1および第2
    の伝導機構を構成する歯車列を有し、この歯車列の収納
    スペースに前記電動モータが共に収納されていることを
    特徴とする印刷装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記電動モータは複
    数であることを特徴とする印刷装置。
  10. 【請求項10】 定形の感熱用紙をピックアップローラ
    でピックアップし、その感熱用紙をプラテンローラとサ
    ーマル式のラインヘッドで挟んで印刷および紙送り可能
    な印刷装置の制御方法であって、 電動モータを駆動して前記プラテンローラとラインヘッ
    ドの間にギャップを開ける第1の工程と、 少なくとも前記ピックアップモータを駆動して感熱用紙
    をピックアップする第2の工程と、 前記ラインヘッドに感熱用紙が到達すると前記電動モー
    タを再び駆動して前記ギャップを閉じる第3の工程と、 少なくとも前記プラテンローラを駆動して印刷を行う第
    4の工程とを有することを特徴とする印刷装置の制御方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記第1の工程
    では、前記ピックアップローラまたはプラテンローラに
    対し第1の方向に回転したときに駆動力を伝達可能な前
    記電動モータを第2の方向に駆動して前記ギャップを開
    け、 前記第2の工程では、前記電動モータを前記第1の方向
    に駆動して感熱用紙をピックアップし、 前記第3の工程では、前記電動モータを前記第2の方向
    に駆動して前記ギャップを閉じ、 前記第4の工程では、前記電動モータを前記第1の方向
    に駆動して印刷を行うことを特徴とする印刷装置の制御
    方法。
  12. 【請求項12】 定形の感熱用紙をピックアップローラ
    でピックアップし、その感熱用紙をプラテンローラとサ
    ーマル式のラインヘッドで挟んで印刷および紙送り可能
    な印刷装置の制御プログラムであって、 電動モータを駆動して前記プラテンローラとラインヘッ
    ドの間にギャップを開ける第1の処理と、 少なくとも前記ピックアップモータを駆動して感熱用紙
    をピックアップする第2の処理と、 前記ラインヘッドに感熱用紙が到達すると前記電動モー
    タを再び駆動して前記ギャップを閉じる第3の処理と、 少なくとも前記プラテンローラを駆動して印刷を行う第
    4の処理とを実行可能な命令を有する制御プログラムが
    記録されていることを特徴とする記録媒体。
  13. 【請求項13】 請求項11において、前記第1の処理
    では、前記ピックアップローラまたはプラテンローラに
    対し第1の方向に回転したときに駆動力を伝達可能な前
    記電動モータを第2の方向に駆動して前記ギャップを開
    け、 前記第2の処理では、前記電動モータを前記第1の方向
    に駆動して感熱用紙をピックアップし、 前記第3の処理では、前記電動モータを前記第2の方向
    に駆動して前記ギャップを閉じ、 前記第4の処理では、前記電動モータを前記第1の方向
    に駆動して印刷を実行可能な命令を有する制御プログラ
    ムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170082404A (ko) * 2016-01-06 2017-07-14 디에스글로벌 (주) 포토 프린터용 엔진
KR20170082432A (ko) * 2016-06-01 2017-07-14 디에스글로벌 (주) 포토 프린터용 엔진
KR20190061115A (ko) * 2017-11-27 2019-06-05 디에스글로벌 (주) 기어모터가 구비된 포토 프린터

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170082404A (ko) * 2016-01-06 2017-07-14 디에스글로벌 (주) 포토 프린터용 엔진
KR20170082432A (ko) * 2016-06-01 2017-07-14 디에스글로벌 (주) 포토 프린터용 엔진
KR20190061115A (ko) * 2017-11-27 2019-06-05 디에스글로벌 (주) 기어모터가 구비된 포토 프린터

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