JP2000344178A - スクータ型車両の変速ペダル取付構造 - Google Patents

スクータ型車両の変速ペダル取付構造

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JP2000344178A
JP2000344178A JP11261622A JP26162299A JP2000344178A JP 2000344178 A JP2000344178 A JP 2000344178A JP 11261622 A JP11261622 A JP 11261622A JP 26162299 A JP26162299 A JP 26162299A JP 2000344178 A JP2000344178 A JP 2000344178A
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貞通 遠城
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智之 武若
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速ペダルの操作が変速レバーに精度良く
伝達され、変速ペダルの取付作業が容易なスクータ型車
両の変速ペダル取付構造を供する。 【解決手段】 低床式フロアを有し同フロア部に内燃
機関が配置されたスクータ型車両において、内燃機関と
ともに変速機が内蔵された機関ケース25bにステー92が
延設され、ステー92に揺動自在に枢支された変速ペダル
95がフロア36の上方所要位置に配置され、変速機の変速
作動部96,97と変速ペダル95とがリンク部材98を介して
連結されるスクータ型車両の変速ペダル取付構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクータ型車両の
変速ペダル取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車における変速ペダルは、実公
昭62−9193号公報等に記載あるように、ピラーチ
ューブ(車体フレーム)にステップブラケットを調整可
能に固着され、同ステップブラケットに変速ペダルが揺
動自在に軸支され、変速ペダルに一体に形成された作動
レバーとエンジンのシフト軸に固着された変速レバーと
がリンクを介して連結されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】車体フレーム側に支持
された操作側の変速ペダルとエンジン側に支持された作
動側の変速レバーとが、リンクを介して連結されている
構成なので、車体に対してエンジンが弾性支持されて相
対的移動があると、変速ペダルの操作が変速レバーに精
度良く伝達されない。
【0004】変速ペダルは、エンジン側に取り付けられ
る変速レバーとは別の車体フレーム側に取り付けられる
ので、変速レバーとの位置関係を考慮して変速ペダルを
取り付けなければならず組付作業が簡単ではない。
【0005】本発明は、斯かる点に鑑みなされたもの
で、その目的とする処は、変速ペダルの操作が変速レバ
ーに精度良く伝達され、変速ペダルの取付作業が容易な
スクータ型車両の変速ペダル取付構造を供する点にあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用効果】上記目的を
達成するために、本発明は、低床式フロアを有し同フロ
ア部に内燃機関が配置されたスクータ型車両において、
前記内燃機関とともに変速機が内蔵された機関ケースに
ステーが延設され、前記ステーに揺動自在に枢支された
変速ペダルが前記フロアの上方所要位置に配置され、前
記変速機の変速作動部と前記変速ペダルとがリンク部材
を介して連結されるスクータ型車両の変速ペダル取付構
造とした。
【0007】機関ケースに一体に延設されたステーに変
速ペダルが軸支されるので、同機関ケースに内蔵される
変速機の変速作動部と変速ペダルとは、固定された位置
関係にあるので、車体に対する機関ケースの相対的変位
に関係なくリンク部材を介して変速ペダルの操作が変速
レバーに精度良く伝達されるとともに、変速ペダルの取
付作業が容易となる。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載のス
クータ型車両の変速ペダル取付構造において、前記変速
作動部が、機関ケースより外側へ突出したシフト軸に変
速レバーが嵌着された構成で、前記変速ペダルと前記変
速レバーが、前記リンク部材により連結されることを特
徴とする。
【0009】ステーに枢支された変速ペダルの操作がリ
ンク部材により変速レバーに伝達され、変速レバーが嵌
着されたシフト軸を駆動し変速することができる。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項2記載のス
クータ型車両の変速ペダル取付構造において、前記ステ
ーより車体側方へ突設された支軸がフロアカバーを貫通
し、同支軸の端部に前記変速ペダルが枢支され、前記変
速ペダルの下方へ突出した突出部が前記フロアの孔を貫
通し、同突出部の端部と前記変速レバーとが前記リンク
部材により連結されることを特徴とする。
【0011】フロアカバー内のステーに枢支される変速
ペダルをフロアカバーの外側のフロアの上方所要位置に
配置でき、操作し易い。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1記載のス
クータ型車両の変速ペダル取付構造において、前記ステ
ーより車体側方へ突設された支軸に前記変速ペダルの枢
支部が枢支され、前記支軸との間で前記枢支部に装着さ
れるオイルシールが、前記枢支部の端面より外方に突出
していることを特徴とする。
【0013】変速ペダルがエンジンの振動により加振さ
れても、変速ペダルの枢支部端面より外方に突出したオ
イルシールがステー側部分との間で緩衝作用を果たし、
自励振動を抑制して異音(びびり音)の発生を防止する
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明に係る一実施の形態に
ついて図1ないし図6に図示し説明する。本実施の形態
に係るスクータ型車両1の全体側面図を図1に示す。
【0015】車体フレーム2は、ヘッドパイプ3から1
本ダウンフレーム4が略下向きに延出し下端が後方へ屈
曲しており、その屈曲部から左右に分岐した左右対称な
一対のメインフレーム6,6が後方へ延出している。
【0016】左右のメインフレーム6,6間を連結する
クロスパイプ5の中央部が、メインフレーム6,6より
も下方へ延びたダウンフレーム4の後方へ屈曲した下端
に接合され、ダウンフレーム4とメインフレーム6,6
との結合を強固にし剛性を高めている。
【0017】該メインフレーム6,6は、ダウンフレー
ム4から分岐して略水平に後方へ延出してフロア部6
a,6aを構成した後、斜め上方に立ち上がり傾斜部6
b,6bを構成し、その上部が水平後方に屈曲して水平
部6c,6cをなしてリヤサブフレーム7に接続されて
いる。リヤフサブレーム7は上面視でコ字状に屈曲され
て後端が連結されている。
【0018】かかる車体フレーム2の前部ヘッドパイプ
3に回動自在に支持されたステアリングシャフト10の下
部がフロントフォーク11に連結されていて、フロントフ
ォーク11にフロントクッションリンク12を介して前輪13
が軸支され、ステアリングシャフト10の上部にハンドル
14が設けられている。
【0019】メインフレーム6,6の傾斜部6b,6b
間を所定高さ位置でクロスパイプ8が連結しており、同
クロスパイプ8に後記する4点連結リンク15を介して左
右一対のL字形状をしたブラケット16,16が吊設され、
その水平部の前端の支軸50と鉛直部の中央より若干下方
の支軸51によりミッションケース25cの上部と後部を支
持されて内燃機関25が懸架されており、該内燃機関25は
メインフレーム6,6のフロア部6a,6a間に搭載さ
れる。
【0020】4点連結リンク15を介して吊設されたL字
形状のブラケット16,16には、その鉛直部間に架設され
た枢軸17によりリヤフォーク18が前端を枢支されて後端
を揺動自在に連結されている。
【0021】リヤフォーク18の後端には後輪19が軸支さ
れ、同後端とメインフレーム6,6の傾斜部6b,6b
の上部との間にリヤクッション20,20が介装されてい
る。さらにブラケット16,16の鉛直部下端にメインスタ
ンド21が枢着されている。
【0022】ブラケット16,16を支持する4点連結リン
ク15は、前記クロスパイプ8から前方に左右一対の支持
フレーム52a,52aが突設され、図3に示すように両支
持フレーム52a,52a間に支軸53が一体に架設され、支
軸53にラバーブッシュ55を介して外筒57が同軸に支持さ
れている。
【0023】外筒57の左右に連結部材59を介して外環部
材60,60が下方に一体に吊設され、左右外環部材60,60
内のラバーブッシュ61,61を介して支軸50が左右端を支
持されて架設されている。
【0024】またクロスパイプ8から後方に左右一対の
支持フレーム52b,52bが突設され、両支持フレーム52
b,52b間に支軸54が一体に架設され、前方の支軸53と
同様にラバーブッシュ56を介して外筒58が支持され、外
筒58に連結部材64を介して外環部材65,65が下方に一体
に吊設され、左右外環部材65,65内のラバーブッシュ6
6,66を介して支軸67が左右端を支持されて架設されて
いる。
【0025】この左右水平方向に指向して架設された前
側支軸50と後側支軸67に左右一対のL字状のブラケット
16,16がその水平部前後を貫通されて支持されている。
したがってクロスパイプ8および支持フレーム52a,52
bを介して車体フレーム2と一体の前後の支軸53,54と
ブラケット16,16を吊設する前後の支軸50,67が4点連
結リンク15を形成している。
【0026】なお外筒57,58の回動をさらに弾性的に抑
制する機構がクロスパイプ8と、前側外筒57との間に設
けられている。すなわちクロスパイプ8に矩形の箱体70
が、外筒57に開口を向けて斜めに傾いて設けられ、内部
にラバー71が嵌入されており、一方外筒57から斜め上方
に突設された突起72が箱体70のラバー71内に挿入されて
いる。
【0027】ブラケット16に前後方向に負荷が加わる
と、ラバーブッシュ61,66の弾性変形に基づき外環部材
60,65が前後に変位し、この前側外環部材60の変位は連
結部材59を介して外筒57を支軸53を中心にラバーブッシ
ュ55の弾性変形により回動し、後側外環部材65の変位は
連結部材64を介して外筒58を支軸54を中心にラバーブッ
シュ56の弾性変形により回動する。
【0028】そして外筒57が支軸53を中心に回動しよう
とするのを突起72を介してラバー71が弾性変形して抑制
する。かかるブラケット16,16に内燃機関25が支軸50と
支軸51に支持され、リヤフォーク18の前端が枢軸17によ
り枢支されている。
【0029】したがって内燃機関25の振動は、4点連結
リンク15に設けられたラバーブッシュ55,56,61,66お
よびラバー71の介在により車体フレーム2側に伝達され
るのを低減することができる。
【0030】またクロスパイプ8から斜め上方に支持ス
テー80が突設され、一方メインフレーム6,6の水平部
6c,6cの前部のクロスメンバ81aに支持ステー81が
立設され、前側の支持ステー80と後側の支持ステー81に
よりヘルメット収納ボックス22が支持される。ヘルメッ
ト収納ボックス22は、ボックス部22aの後壁の上端が後
方へ屈曲して略水平に延びる庇部22bが形成されてい
る。
【0031】前側の支持ステー80の上端水平面にヘルメ
ット収納ボックス22のボックス部22aの底壁所定箇所を
当接して左右2点をボルト82,82で螺着し、後側の支持
ステー81の上端水平面にヘルメット収納ボックス22の庇
部22bの下面所定箇所を当接して左右2点をボルト83,
83で螺着する。
【0032】各支持ステー80,81の上端水平部の下面に
はそれぞれナット82a,83aが固着されており、上方よ
りボルト82,83が螺合され、同ボルト82,83により支持
ステー80,81にヘルメット収納ボックス22が締結支持さ
れる。したがって4本のボルト82,83を外せば、ヘルメ
ット収納ボックス22を車体から簡単に離脱することがで
きる。
【0033】このヘルメット収納ボックス22の後方には
燃料タンク24がクロスメンバ81a及びリヤサブフレーム
7により支持されており、ヘルメット収納ボックス22の
庇部22bが燃料タンク24の上方を覆っている。
【0034】ヘルメット収納ボックス22のボックス部22
aの底壁の前後方向中央部を支持ステー80が支持してお
り、同支持部より後半部底壁に略矩形の開口が形成され
て、同開口を蓋部材24が開閉自在に上方より塞ぐように
なっている。この開口の周囲から下方へ略矩形の周壁22
cが延出している。
【0035】蓋部材24とその下方の前記クロスパイプ8
より後方へ突出した支持フレーム52bとの間の空間にバ
ッテリ収納ケース85が支持フレーム52bにボルト85b,
85bにより固定支持されて設置されているバッテリ収納
ケース85は、略矩形箱状をなし、その上端開口部をヘル
メット収納ボックス22の下方へ延出した周壁22c内に間
隙を存して挿入し上端開口を蓋部材24及びその右方の底
壁部分に近接対向させている。
【0036】このバッテリ収納ケース85にバッテリ86が
左側に寄せて収納され、バンド87で締めつけ固定され
る。バッテリ収納ケース85には左側に寄せて配置された
バッテリ86の右側にさらに空間があり、同空間に制御ユ
ニット88や点火ユニット89等が配設される。
【0037】したがって蓋部材24を取り外せばバッテリ
86のメンテナンスや交換等の作業を行うことができ便利
である。またバッテリ収納ケース85の上部でヘルメット
収納ボックス22の下方へ延出した周壁22cとの間に間隙
を有するので、バッテリ86の熱はこもらず抜けることが
できる。なおバッテリ収納ケース85の後壁および底壁か
ら下方及び後方へリヤフェンダ85aが延設されている。
【0038】内燃機関25は、OHC型動弁機構を備えた
4サイクル内燃機関であり、クランクケース25bとミッ
ションケース25cが一体に形成されて、変速機がともに
内蔵されており、前側のクランクケース25bから突出し
たシリンダ25aが略水平近くまで倒伏しており、上方に
延出した吸気管26が後方へ屈曲して気化器27に接続さ
れ、気化器27から後方へ延びた吸気ダクト28が上方へ屈
曲してエアクリーナ29に接続されている。
【0039】エアクリーナ29は、支持ステー80より前方
でヘルメット収納ボックス22のボックス部22aの前半部
の底壁に沿って下方に配置され、図5に示すように上面
視でヘルメット収納ボックス22の形状に沿って半円形状
をしていて、空間を有効に利用している。なおヘルメッ
ト収納ボックス22は底壁の一部が該エアクリーナ29の吸
気ダクト29aを避けるようにして凹んでいる。
【0040】以上のようにヘルメット収納ボックス22の
ボックス部22aの底壁に沿ってエアクリーナ29とバッテ
リ86が前後に配置されるので、エアクリーナ29やバッテ
リ86によって車体の前後長が大きくなるようなことはな
い。
【0041】そしてヘルメット収納ボックス22を取り外
せば、エアクリーナ29が露出してメンテナンス等の作業
を簡単に行うこともできる。なおヘルメット収納ボック
ス22を取り外せば制御ユニット88及び点火ユニット89に
ついも同時にメンテナンス等を行うことができる。
【0042】車体前部は、ヘッドパイプ3の前後をフロ
ントカバー30とレッグシールド31が覆い、レッグシール
ド31は左右に展開してダウンフレーム4に沿って下方に
延びている。レッグシールド31の下半部中央の凹部に前
輪13の上方を前後に覆うフロントフェンダ32がフロント
フォーク11と一体に装着されている。ステアリングシャ
フト10の上部にはステアリングカバー33が被せられてい
る。
【0043】車体中央部は、幅方向中央に配置される内
燃機関25をチャンネル状をしたフロアトンネルカバー34
が上方から覆い、フロアトンネルカバー34の左右に展開
する足載せのフロアプレート36,36がメインフレーム
6,6のフロア部6a,6aに支持されて設けられてい
る。
【0044】フロアトンネルカバー34は、上壁34aがレ
ッグシールド31の下端から内燃機関25および気化器27の
上方を斜めに覆い、左右側壁34b,34bがその側方を覆
ってトンネル状をなすとともに、左右側壁34b,34bは
さらに後方へ延出してメインフレーム6,6の傾斜部6
b,6bの側方にまで至り、左右側壁34b,34bの後部
間は平面視で略U字状に開口している。
【0045】この左右側壁34b,34bの前半部に大きく
開口34c,34cが形成されていて、同開口34c,34cに
メッシュ35,35が着脱自在に嵌め込まれ、メッシュ35,
35によりシリンダヘッド周囲を覆い隠している。
【0046】この開口34c,34cは内燃機関25のシリン
ダヘッドから気化器27にかけての側方に形成されてい
て、外気がメッシュ35,35を通して排風して内燃機関25
の冷却ができるとともに、メッシュ35,35を外さずにメ
ッシュの孔を利用して気化器27のメンテナンスができ
る。
【0047】このフロアトンネルカバー34の後部U字状
開口に沿ってヘルメット収納ボックス22の前方から左右
側方を覆ったリヤカバー37が、さらに後方へ延出して後
部燃料タンク23の後方で後輪19の上方までを覆ってい
る。リヤカバー37の上方開口は、アンダカバー38を備え
たシート39が、その前端部をヘルメット収納ボックス22
の前端部に支軸39aにより枢着されて開閉自在に覆うよ
うになっている。
【0048】内燃機関25のミッションケース25cの後部
に突出した出力軸40に嵌着されたドライブスプロケット
41と後輪19に一体に設けられたドリブンスプロケット42
との間にチェーン43が架渡され、動力が伝達される。
【0049】このミッションケース25cからは左方にシ
フトスピンドル96が突出しており、その先端にチェンジ
レバー97が嵌着されている。一方で内燃機関25のクラン
クケース25の左側前端部に上下2箇所でボルト90,91に
より後端を固着された取付ステー92が、図2及び図5に
示すようにシリンダ25aに沿ってフロアトンネルカバー
34の内側を前方へ延設されており、その前端にチェンジ
ペダル95がボルト94を介して揺動自在に軸支されてい
る。
【0050】取付ステー92は、図2に示すように側面視
で略三角形状をした中空の板状部材であり、取付ステー
92の後部に三角形の2つの角部が上下にあって同角部が
ボルト90,91によりクランクケース25bの左側前端部に
固着される。クランクケース25bに固着された後部92c
から前方へ延出した前部に三角形のもう1つの角部を有
し、同角部から上方へ延出した延出部92aが形成されて
いる。
【0051】この延出部92aに段付きボルト94が左水平
方向に突設される。フロントトンネルカバー34の左側壁
34bには下端縁から逆U字状に切り欠かれた開口34dが
前記メッシュ35の嵌め込まれる開口34cの下部に形成さ
れていて、前記段付きボルト94は、この開口34dを左外
方向に貫通している(図5及び図6参照)。
【0052】図7に示すように段付きボルト94は、頭部
にフランジ94aを形成した円柱部94bの他方先端側に径
を縮小した雄ねじ部94cが段をなして同軸に突出してお
り、円柱部94bの中央外周面に周方向に亘って形成され
た溝がグリス溜まり94dである。
【0053】この段付きボルト94は、チェンジペダル95
の枢支部であるスリーブ95dを円柱部94bで軸支して雄
ねじ部94cにより前記取付ステー92の延出部92aに螺着
される。したがってチェンジペダル95は、一体に嵌着さ
れたスリーブ94aを枢支部として取付ステー92に突設さ
れた段付きボルト94に揺動自在に軸支される。
【0054】スリーブ95dの両端開口部には環状にオイ
ルシール101,102が、段付きボルト94との間に装着され
てグリス溜まり94dに充填されたグリスが漏れ出さない
ようにシールしている。
【0055】このオイルシール101,102は、スリーブ95
dの端面より外側に突出して装着されており、一方のオ
イルシール101はスリーブ95dと取付ステー92との間に
介在し両者間の緩衝部材としての機能を果たし、他方の
オイルシール102もスリーブ95dと段付きボルト94のフ
ランジ94aとの間に介在し両者間の緩衝部材としての機
能も果たすことができる。
【0056】したがって内燃機関25の振動によりチェン
ジペダル95が加振されても該オイルシール101,102の緩
衝作用により自励振動を抑制してびびり音の発生を防止
することができる。オイルシール101,102をスリーブ95
dの端面より外方に突出させる簡単な構造によりびびり
音の発生を防止できるので、コストを低く抑えることが
できる。
【0057】チェンジペダル95は、フロアトンネルカバ
ー34の外側面に沿って位置しており、枢支部分から前後
にペダルアームが延びて、それぞれ先端に踏部95a,95
bが設けられるとともに、枢支部から下方にレバー部95
cが延出しており、同レバー部95cは、フロアプレート
36に前記逆U字状の開口34dに連通するように形成され
た矩形孔36aを下方へ貫通している。
【0058】このフロアプレート36を下方へ貫通したレ
バー部95cの下端と前記シフトスピンドル96に嵌着され
たチェンジレバー97との間を連結ロッド98が連結してお
り、チェンジペダル95の操作が連結ロッド98を介してシ
フトスピンドル96を回動しミッションギアの噛み合いを
切り替え変速する。なお連結ロッド98は、ワイヤを用い
る場合もある。
【0059】チェンジペダル95は、左フロアプレート36
の右寄りでフロアトンネルカバー34に沿って設けられて
おり、左フロアプレート36の上方所要位置にチェンジペ
ダル95の前後の踏部95a,95bが位置している。チェン
ジペダル95の左側に足載せ部があり、運転者はチェンジ
ペダル95の操作がし易い。
【0060】クランクケース25bに一体に延設された取
付ステー92にチェンジペダル95が枢支されるので、クラ
ンクケース25bと一体のミッションケース25cに内蔵さ
れるミッションギヤの変速作動部であるチェンジレバー
97とチェンジペダル95とは、固定された位置関係にあ
り、車体に対する内燃機関25の相対移動に影響されずに
連結ロッド98を介してチェンジペダル95の操作がチェン
ジレバー97に精度良く伝達される。
【0061】またチェンジペダル95の取り付けに際して
チェンジレバー97との位置関係を考慮した高い取付精度
が要求されず取付作業が容易となる。
【0062】本実施の形態ではチェンジペダル95のみが
フロントトンネルカバー34等のカバー外側に配置され、
内燃機関25その他取付ステー92等はカバーの内側にあ
り、取付ステー92に突設されチェンジペダル95を支持す
るボルト94が貫通するフロントトンネルカバー34の逆U
字状開口34dは、チェンジペダル92の枢支部分,枢支部
近傍の揺動分及び内燃機関25とともに変位する変位分に
干渉しない最小限の大きさに設定されている。
【0063】なお本実施の形態ではチェンジペダルは取
付ステーを介して取り付けられているが、内燃機関に直
接取り付けることも可能である。
【0064】フロントトンネルカバー34の右側壁34bに
は、左側壁34bの逆U字状開口34dに略対応する部位に
開口34eが形成されており、内燃機関25のシリンダヘッ
ドに配設される点火プラグ99が該開口34eに臨む位置に
あって、該開口34より点火プラグ99のメンテナンスが行
えるようになっている。なお通常該開口34eは蓋部材10
0で塞がれている。
【0065】また、本発明では、チェンジペダルの代り
にブレーキペダル、ブレーキレバー、またはクラッチレ
バーにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るスクータ型車両の
全体側面図である。
【図2】内燃機関の懸架構造を示すカバーを外した要部
側面図である。
【図3】図2において III−III 線に沿って切断した断
面図である。
【図4】図2においてIV−IV線に沿って切断した断面図
である。
【図5】一部省略した部分的平面図である。
【図6】図5においてVI−VI線に沿って切断した断面図
である。
【図7】図6の要部拡大図である。
【符号の説明】
1…スクータ型車両、2…車体フレーム、3…ヘッドパ
イプ、4…ダウンフレーム、5…クロスパイプ、6…メ
インフレーム、7…リヤサブフレーム、8…クロスパイ
プ、10…ステアリングシャフト、11…フロントフォー
ク、12…フロントクッションリンク、13…前輪、14…ハ
ンドル、15…4点連結リンク、16…ブラケット、17…枢
軸、18…リヤフォーク、19…後輪、20…リヤクッショ
ン、21…メインスタンド、22…ヘルメット収納ボック
ス、23…蓋部材、24…燃料タンク、25…内燃機関、26…
吸気管、27…気化器、28…吸気ダクト、29…エアクリー
ナ、30…フロントカバー、31…レッグシールド、32…フ
ロントフェンダー、33…ステアリングカバー、34…フロ
アトンネルカバー、35…メッシュ、36…フロアプレー
ト、37…リヤカバー、38…アンダカバー、39…シート、
40…出力軸、41…ドライブスプロケット、42…ドリブン
スプロケット、43…チェーン、50,51…支軸、52…支持
フレーム、53,54…支軸、55,56…ラバーブッシュ、5
7,58…外筒、59…連結部材、60…外環部材、61…ラバ
ーブッシュ、64…連結部材、65…外環部材、66…ラバー
ブッシュ、67…支軸、70…箱体、71…ラバー、72…突
起、80,81…支持ステー、83,84…ボルト、85…バッテ
リ収納ケース、86…バッテリ、87…バンド、88…制御ユ
ニット、89…点火ユニット、90,91…ボルト、92…取付
ステー、94…段付きボルト、95…チェンジペダル、96…
シフトスピンドル、97…チェンジレバー、98…連結ロッ
ド、99…点火プラグ、100…蓋部材、101,102…オイル
シール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長内 芳美 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 遠城 貞通 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 武若 智之 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 若生 宏 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低床式フロアを有し同フロア部に内燃機
    関が配置されたスクータ型車両において、 前記内燃機関とともに変速機が内蔵された機関ケースに
    ステーが延設され、 前記ステーに揺動自在に枢支された変速ペダルが前記フ
    ロアの上方所要位置に配置され、 前記変速機の変速作動部と前記変速ペダルとがリンク部
    材を介して連結されることを特徴とするスクータ型車両
    の変速ペダル取付構造。
  2. 【請求項2】 前記変速作動部は、機関ケースより外側
    へ突出したシフト軸に変速レバーが嵌着された構成で、
    前記変速ペダルと前記変速レバーが、前記リンク部材に
    より連結されることを特徴とする請求項1記載のスクー
    タ型車両の変速ペダル取付構造。
  3. 【請求項3】 前記ステーより車体側方へ突設された支
    軸がフロアカバーを貫通し、同支軸の端部に前記変速ペ
    ダルが枢支され、 前記変速ペダルの下方へ延出した延出部が前記フロアの
    孔を貫通し、 前記延出部の端部と前記変速レバーとが前記リンク部材
    により連結されることを特徴とする請求項2記載のスク
    ータ型車両の変速ペダル取付構造。
  4. 【請求項4】 前記ステーより車体側方へ突設された支
    軸に前記変速ペダルの枢支部が枢支され、 前記支軸との間で前記枢支部に装着されるオイルシール
    が、前記枢支部の端面より外方に突出していることを特
    徴とする請求項1記載のスクータ型車両の変速ペダル取
    付構造。
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