JP4100789B2 - スクータ型車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低床式フロアを有するスクータ型車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるスクータ型車両でフロア部に内燃機関を配置したものにおいては、例えば特開平10−167156号公報に開示されるように内燃機関が車体フレームに直接懸架され、別途車体フレームの下部後方に設けられたブラケットにリヤフォークが枢支されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように内燃機関が車体フレームに直接懸架されていると、フレーム形態の変化に対して、組付性を良好にし、かつ同じエンジンを共通に搭載することは困難である。
またリヤフォークを枢支するのに専用のブラケットなどの取付部材が必要とされる。
【0004】
本発明はかかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、フレーム形態の変化に対して同じ内燃機関を容易に懸架することができ、リヤフォークを枢支する専用の取付部材を必要としないスクータ型車両を供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用効果】
上記目的を達成するために、本発明は、低床式フロアを有するスクータ型車両において、車体フレームは、メインフレームが前記フロアを支持する左右一対のフロア部とその後方で斜め上方に立ち上がる左右一対の傾斜部を備え、前記メインフレームの一対の傾斜部間を連結するクロスパイプに左右一対の支持フレームが前後水平方向に指向して設けられ、前記左右一対の支持フレームの前端および後端に前側リンクと後側リンクの上部がそれぞれ連結され、水平部とその後部が下方へ屈曲延出した鉛直部とからL字状をした板部材である左右一対のブラケットの水平部の前端および後端が前記前側リンクと後側リンクの下部にそれぞれ連結されて、前記左右一対の支持フレームに対して略平行な四辺形をなす4点連結リンクを介して前記左右一対のブラケットが吊設され、前記左右一対のブラケットの水平部と鉛直部により内燃機関の後部のミッションケースの上部と後部を支持されて、内燃機関が前記メインフレームの左右一対のフロア部間に位置して前記左右一対のブラケットを介して懸架され、前記ブラケットの後部にリヤフォークが枢支されるスクータ型車両とした。
【0006】
車体フレームにリンク結合されたブラケットを介して内燃機関が懸架されるので、車体フレームの形態が変化したときでも、内燃機関の支持構造を大きく変える必要がなく同じ内燃機関を共通に懸架することが容易にできる。
【0007】
またブラケット後部にリヤフォークを枢支するように形状を設計することで、別途リヤフォーク枢支用の専用のブラケットを必要とせず、部品点数を削減することができる。
またブラケットに内燃機関およびリヤフォークを予め組み付けておくことで、製造ラインでは車体フレームにブラケットを組み付ければよく、ラインでの組付性が向上する。
【0009】
略平行な四辺形をなす4点連結リンクの介在により内燃機関の振動が車体に伝達されるのを低減することができる。
なお略平行な四辺形とは、平行四辺形をも含む意味である。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載のスクータ型車両において、側面視で後輪の接地点と前記リヤフォークの枢支点とを結ぶ直線が、前記4点連結リンクのブラケット側の前後の2支点の間を通るように構成したことを特徴とする。
後輪からの挙動に対し内燃機関の姿勢変化を抑えることができる。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項記載のスクータ型車両において、前記4点連結リンクの上側前後2点を前記車体フレームが連結し、下側前後2点を前記ブラケットが連結し、前側上下2点を連結する前側リンクと後側上下2点を連結する後側リンクが互いに不等長であることを特徴とする。
【0012】
加速・減速時のリヤフォークを介してブラケットに作用する力を、車体フレームに対するブラケットの揺動を含む前後方向の相対的変位により緩衝して車体への影響を低減することができ、4点連結リンクは前後のリンクが不等長で互いの揺動角度が異なり、短いリンクによりブラケットおよび内燃機関の前後の変位量は規制されて必要以上の移動は阻止される。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1記載のスクータ型車両において、前記内燃機関の変速を行うチェンジペダルを前記フロアの上面に設けたことを特徴とする。
足載せのフロアにチェンジペダルを設けたので、チェンジペダルを容易に操作することができる。
【0014】
請求項8記載の発明は、請求項1記載のスクータ型車両において、前記内燃機関の上方を逆U字状のフロアトンネルカバーで覆い、前記フロアトンネルカバーに開口を設けたことを特徴とする。
【0015】
内燃機関を覆うフロアトンネルカバーの前方から入る空気を該開口を通して排風することにより内燃機関を冷却することができるとともに、該開口を利用して気化器等のメンテナンスをすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施の形態について図1ないし図5に図示し説明する。
本実施の形態に係るスクータ型車両1の全体側面図を図1に示す。
【0017】
車体フレーム2は、ヘッドパイプ3から1本ダウンフレーム4が略下向きに延出し下端が後方へ屈曲しており、その屈曲部から左右に分岐した左右対称な一対のメインフレーム6,6が後方へ延出している。
【0018】
左右のメインフレーム6,6間を連結するクロスパイプ5の中央部が、メインフレーム6,6よりも下方へ延びたダウンフレーム4の後方へ屈曲した下端に接合され、ダウンフレーム4とメインフレーム6,6との結合を強固にし剛性を高めている。
【0019】
該メインフレーム6,6は、ダウンフレーム4から分岐して略水平に後方へ延出してフロア部6a,6aを構成した後、斜め上方に立ち上がり傾斜部6b,6bを構成し、その上部が水平後方に屈曲してリヤサブフレーム7に接続されている。
リヤフサブレーム7は上面視でコ字状に屈曲されて後端が連結されている。
【0020】
かかる車体フレーム2の前部ヘッドパイプ3に回動自在に支持されたステアリングシャフト10の下部がフロントフォーク11に連結されていて、フロントフォーク11にフロントクッションリンク12を介して前輪13が軸支され、ステアリングシャフト10の上部にハンドル14が設けられている。
【0021】
メインフレーム6,6の傾斜部6b,6b間を所定高さ位置でクロスパイプ8が連結しており、同クロスパイプ8に後に詳述する4点連結リンク15を介して左右一対のL字形状をしたブラケット16,16が吊設され、同ブラケット16,16に内燃機関25がその後部のミッションケース25bをマウント支持されて懸架され、該内燃機関25はメインフレーム6,6のフロア部6a,6a間に搭載される。
【0022】
4点連結リンク15を介して吊設されたL字形状のブラケット16,16には、その鉛直部間に架設された枢軸17によりリヤフォーク18が前端を枢支されて後端を揺動自在に連結されている。
【0023】
リヤフォーク18の後端には後輪19が軸支され、同後端とメインフレーム6,6の傾斜部6b,6bの上部との間にリヤクッション20,20が介装されている。
さらにブラケット16,16の鉛直部下端にメインスタンド21が枢着されている。
メインフレーム6,6の傾斜部6b,6bにはヘルメット収納用ボックス22が支持され、その後方に燃料タンク23がリヤサブフレーム7により支持されている。
【0024】
内燃機関25は、OHC型動弁機構を備えた4サイクル内燃機関であり、シリンダ25aが略水平近くまで倒伏しており、上方に延出した吸気管26が後方へ屈曲して気化器27に接続され、気化器27から後方へ延びた吸気ダクト28が上方へ屈曲してエアクリーナ29に接続されている。
エアクリーナ29は、ヘルメット収納用ボックス22の前部に位置し、ヘルメット収納用ボックス22は底面が該エアクリーナ29を避けるようにして前部が大きく上方に膨出してエアクリーナ29用の空間22aを形成している。
【0025】
車体前部は、ヘッドパイプ3の前後をフロントカバー30とレッグシールド31が覆い、レッグシールド31は左右に展開してダウンフレーム4に沿って下方に延びている。
レッグシールド31の下半部中央の凹部に前輪13の上方を前後に覆うフロントフェンダ32がフロントフォーク11と一体に装着されている。
ステアリングシャフト10の上部にはステアリングカバー33が被せられている。
【0026】
車体中央部は、幅方向中央に配置される内燃機関25をチャンネル状をしたフロアトンネルカバー34が上方から覆い、フロアトンネルカバー34の左右に展開する足載せのフロアプレート36,36がメインフレーム6,6のフロア部6a,6aに支持されて設けられている。
【0027】
フロアトンネルカバー34は、上壁34aがレッグシールド31の下端から内燃機関25および気化器27の上方を斜めに覆い、左右側壁34b,34bがその側方を覆ってトンネル状をなすとともに、左右側壁34b,34bはさらに後方へ延出してメインフレーム6,6の傾斜部6b,6b の側方にまで至り、左右側壁34b,34bの後部間は平面視で略U字状に開口している。
【0028】
この左右側壁34b,34bの前半部に大きく開口34c,34cが形成されていて、同開口34c,34cにメッシュ35,35が着脱自在に嵌め込まれ、メッシュ35,35によりシリンダヘッド周囲を覆い隠している。
【0029】
この開口34c,34cは内燃機関25のシリンダヘッドから気化器27にかけての側方に形成されていて、外気がメッシュ35,35を通して排風して内燃機関25の冷却ができるとともに、メッシュ35,35を外さずにメッシュの孔を利用して気化器27のメンテナンスができる。
【0030】
このフロアトンネルカバー34の後部U字状開口に沿ってヘルメット収納用ボックス22の前方から左右側方を覆ったリヤカバー37が、さらに後方へ延出して後部燃料タンク23の後方で後輪19の上方までを覆っている。
リヤカバー37の上方開口は、アンダカバー38を備えたシート39が、開閉自在に覆うようになっている。
【0031】
内燃機関25のミッションケース25bの後部に突出した出力軸40に嵌着されたドライブスプロケット41と後輪19に一体に設けられたドリブンスプロケット42との間にチェーン43が架渡され、動力が伝達される。
【0032】
このミッションケース25bからは左方にシフトスピンドル44が突出しており、一方で左フロアプレート36に立設された取付ステー36aにチェンジペダル45が揺動自在に支持され、チェンジペダル45の枢軸に嵌着されたレバー46がフロアプレート36を下方へ貫通してその先端と前記シフトスピンドル44に嵌着されたレバー47との間を連結バー48が連結しており、チェンジペダル45の操作が連結バー48を介してシフトスピンドル44を回動しミッションギアの噛み合いを切り替え変速する。
なお連結バー48は、ロッド状のものまたはワイヤを用いる。
【0033】
なおチェンジペダル45は、左フロアプレート36の右寄りでフロアトンネルカバー34に沿って設けられており、チェンジペダル45の左側に足載せフロアがあり、運転者はチェンジペダル45の操作がし易い。
【0034】
該内燃機関25を支持する左右一対のブラケット16,16は、水平部とその後部が下方へ屈曲延出した鉛直部とからL字状をした板部材であり、水平部の前端の支軸50と鉛直部の中央より若干下方の支軸51によりミッションケース25bの上部と後部を支持されて内燃機関25が懸架されている。
【0035】
そしてブラケット16を支持する4点連結リンク15の構造を図2ないし図4に基づき説明する。
メインフレーム6,6の傾斜部6b,6b間に架設されたクロスパイプ8にチャンネル状をした左右一対の支持フレーム52,52がその中央部を溶接されて前後水平方向に指向して固着されており、支持フレーム52,52の前端間および後端間に左右水平の支軸53,54が一体に架設され、各支軸53,54にはラバーブッシュ55,56を介して外筒57,58が同軸に支持されている。
【0036】
前側外筒57の左右にそれぞれ連結部材59,59を介して外環部材60,60が下方に一体に吊設され、左右の外環部材60,60内のラバーブッシュ61,61を介して支軸50が左右端を支持されて架設されている。
同様に後側外筒58の左右にもそれぞれ連結部材64,64を介して外環部材65,65が下方に一体に吊設され、左右の外環部材65,65内のラバーブッシュ66,66を介して支軸67が左右端を支持されて架設されている。
【0037】
この左右水平方向に指向して架設された前側支軸50と後側支軸67に左右一対のL字状のブラケット16,16がその水平部前後を貫通されて支持されている。
したがってクロスパイプ8および支持フレーム52,52を介して車体フレーム2と一体の前後の支軸53,54とブラケット16,16を吊設する前後の支軸50,67が4点連結リンク15を形成している。
【0038】
4本の支軸53,54,50,67は、側面視で偏平な略平行四辺形をなしているが、前側の連結部材59は外筒57に外環部材60が殆ど接する程に短くて後側の連結部材64の方がいくらか長く、正確には台形をなしている。
【0039】
ブラケット16に前後方向に負荷が加わると、ラバーブッシュ61,66の弾性変形に基づき外環部材60,65が前後に変位し、この前側外環部材60の変位は連結部材59を介して外筒57を支軸53を中心にラバーブッシュ55の弾性変形により回動し、後側外環部材65の変位は連結部材64を介して外筒58を支軸54を中心にラバーブッシュ56の弾性変形により回動する。
【0040】
この外筒57,58の回動をさらに弾性的に抑制する機構がクロスパイプ8と、前側外筒57との間に設けられている。
すなわちクロスパイプ8の中央に矩形の箱体70が、外筒57に開口を向けて斜めに傾いて固着され、内部にラバー71が嵌入されており、一方外筒57の中央から斜め上方に突設された突起72が箱体70のラバー71内に挿入されている。
【0041】
前記したようにブラケット16に前後方向に負荷が加わり、外筒57が支軸53を中心に回動しようとするのを突起72を介してラバー71が弾性変形して抑制する。
かかるブラケット16,16に内燃機関25が支軸50と支軸 51に支持され、リヤフォーク18の前端が枢軸17により枢支されている。
【0042】
したがって内燃機関25の振動は、4点連結リンク15に設けられたラバーブッシュ55,56,61,66およびラバー71の介在により車体フレーム2側に伝達されるのを低減することができる。
【0043】
そして図1を参照して後輪19の接地点とリヤフォーク18の枢軸17とを結ぶ直線Lが、ブラケット16の前後の支軸50,67の間を通るように構成している。
したがって後輪19からの挙動に対してリヤフォーク18を介するブラケット16の動きを抑えることができ、ひいては内燃機関の姿勢変化を小さく抑えることができる。
【0044】
加速時には後輪19の回転がリヤフォーク18を車体に対して前方へ押しやるので、ブラケット16にはリヤフォーク18との枢軸17部において前方への力が作用し、図5に実線で示すように(図5は説明のため動きを誇張して図示している)ラバーブッシュ61,66の弾性変形に基づき外環部材60,65が前方に揺動変位し、この前側外環部材60の変位は連結部材59を介して外筒57を支軸53を中心にラバーブッシュ55の弾性変形により左側面視で時計回りに回動し、後側外環部材65の変位は連結部材64を介して外筒58を支軸54を中心にラバーブッシュ56の弾性変形により左側面視で時計回りに回動する。
そして前側外筒57の回動は、一体の突起72を左側面視で時計回りに揺動し車体側箱体70内のラバー71を弾性変形させる。
【0045】
したがって加速時に車体に作用する力は、ラバー71および4点連結リンク15に設けられたラバーブッシュ55,56,61,66により緩衝される。
減速時には車体フレーム2に対してブラケット16に後方への力が作用し、図5に2点鎖線で示すように前後の外筒57,58を左側面視で反時計回りに回動し、ラバー71および4点連結リンク15に設けられたラバーブッシュ55,56,61,66により減速時に作用する力は緩衝され車体への影響を抑制する。
【0046】
ここに4点連結リンク15は前側の連結部材59よりも後側の連結部材64の方が長いので、前側外環部材60の揺動角度が後側外環部材65の揺動角度より大きく、短い連結部材59によりブラケット16および内燃機関25の前後の変位量は規制されて必要以上の移動は阻止される。
【0047】
また前側外筒57の回動角度が後側外筒58の回動角度より大きく、この大きく回動する前側外筒57に突設された突起72が車体側箱体70内のラバー71に挿入されているので、ラバー71の弾性変形による緩衝効果が大きく、4点連結リンク15に設けられたラバーブッシュ55,56,61,66に大きな負荷を与えないようにすることができる。
【0048】
以上のように車体フレーム2に4点連結リンク15により吊設されたブラケット16を介して内燃機関25が懸架されリヤフォーク18が枢支されるので、リヤフォーク18専用の枢支部材が不要でかつブラケット16が吊設された4点連結リンク15によりリヤフォーク18に作用する加速・減速時の力を緩衝して車体への影響を小さくすることができる。
【0049】
また車体フレーム2の形態が変更された場合でもブラケット16の形状を変えることにより同じ内燃機関を共通に懸架することが容易にできる。
図6に別の実施の形態に係るスクータ型車両80の要部側面図、図7に同断面図を示す。
【0050】
本スクータ型車両80の車体フレーム82は、ヘッドパイプ83から下方へダウンフレーム84が延出し、その途中から左右に分岐して延出した左右一対のメインフレーム86,86が下部で後方屈曲して水平なフレーム部86a,86aをなし、次いで上方へ屈曲した若干の鉛直部86b,86bを経て斜め傾斜部86c,86cに移り、その上部が水平に屈曲した処からリヤサブフレーム87に連結している。
【0051】
前記実施の形態のスクータ型車両1の車体フレーム2に比べ本スクータ型車両80の車体フレーム82はメインフレーム86のフロア部86aが前後に短く、その後部の立ち上がった鉛直部86bが内燃機関96のシリンダ96a近傍にある。
そして傾斜部86c,86cのそれぞれ途中2か所からブラケット88,88とブラケット89,89が下方へ突出され、ブラケット88,88の先端間に支軸91、ブラケット89,89の先端間に支軸92が架設される。
【0052】
前側の低い高さ位置のブラケット88が短く、後側の高い位置のブラケット89が長く延出しており、各先端に設けられた支軸91,92は略同じ高さで前後に平行に配設される。
【0053】
この支軸91,92を上側前後の2点として下側前後の支軸93,94がL字状のブラケット101 の水平部前後に設けられて側面視で略平行四辺形をなす4点連結リンク90が形成される。
前側の支軸91と支軸93との連結リンクおよび後側の支軸92と支軸94との連結リンクの構造は前記実施の形態の4点連結リンク15と同じである。
【0054】
すなわち支軸91,92にはラバーブッシュを介して外筒95,96が同軸に覆っており、外筒95,96に連結部材97,98を介して左右一対ずつ外環部材99,100 が吊設され、前側一対の外環部材99,99間に支軸93がラバーブッシュを介して架設され、後側一対の外環部材100 ,100 間に支軸94がラバーブッシュを介して架設され、前後の支軸93,94に左右一対のブラケット101 が吊設される。
【0055】
メインフレーム86の形態の変更に伴いブラケット88,89を備えるとともにL字状のブラケット101 が若干変形されており、該ブラケット101 に前記実施の形態と同じ内燃機関105 がミッションケース105bの2点でマウント支持され懸架されるとともに、リヤフォーク106 の前端が枢軸107 に枢支され、下端にはメインスタンド108 が枢着されている。
このようにメインフレームの形態の変更に対してもブラケットを変形して同じ内燃機関を共通に懸架することが容易にできる。
【0056】
なおメインフレーム86,86間に架設されたクロスパイプ109 に固着された箱体110 内のラバーに、前側外筒95から突設された突起112 が挿入されていて、加速・減速時にブラケット101 に作用する力を緩衝して車体への影響を抑制することができる。
【0057】
本4サイクル内燃機関105 の場合、シリンダヘッドから上方へ延出した吸気管120 が後方へ屈曲して気化器121 に接続され、気化器121 からさらに後方へ延びた吸気ダクト122 が後側外筒96上に支持されたエアクリーナ123 に接続されている。
このエアクリーナ123 を避けるようにして底面が形成されたヘルメットボックス125 が上方に配置される。
【0058】
内燃機関105 の振動は、4点連結リンク90に設けられたラバーブッシュおよび箱体110 内のラバーが介在することにより車体フレーム82側に伝達されるのを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るスクータ型車両の全体側面図である。
【図2】内燃機関の懸架構造を示すカバーを外した要部側面図である。
【図3】図2の III−III 線に沿って切断した断面図である。
【図4】4点連結リンクの構造を示す斜視図である。
【図5】加速・減速時の内燃機関の懸架状態を示す側面図である。
【図6】別実施の形態に係るスクータ型車両のカバーを外した要部側面図である。
【図7】図6の VII−VII 線に沿って切断した断面図である。
【符号の説明】
1…スクータ型車両、2…車体フレーム、3…ヘッドパイプ、4…ダウンフレーム、5…クロスパイプ、6…メインフレーム、7…リヤサブフレーム、8…クロスパイプ、
10…ステアリングシャフト、11…フロントフォーク、12…フロントクッションリンク、13…前輪、14…ハンドル、
15…4点連結リンク、16…ブラケット、17…枢軸、18…リヤフォーク、19…後輪、20…リヤクッション、21…メインスタンド、22…ヘルメット収納用ボックス、23…燃料タンク、25…内燃機関、26…吸気管、27…気化器、28…吸気ダクト、29…エアクリーナ、
30…フロントカバー、31…レッグシールド、32…フロントフェンダー、33…ステアリングカバー、34…フロアトンネルカバー、35…メッシュ、36…フロアプレート、37…リヤカバー、38…アンダカバー、39…シート、
40…出力軸、41…ドライブスプロケット、42…ドリブンスプロケット、43…チェーン、44…シフトスピンドル、45…チェンジペダル、46,47…レバー、48…連結バー、
50,51…支軸、52…支持フレーム、53,54…支軸、55,56…ラバーブッシュ、57,58…外筒、59…連結部材、60…外環部材、61…ラバーブッシュ、64…連結部材、65…外環部材、66…ラバーブッシュ、67…支軸、70…箱体、71…ラバー、72…突起、
80…スクータ型車両、82…車体フレーム、83…ヘッドパイプ、84…ダウンフレーム、85…クロスパイプ、86…メインフレーム、87…リヤサブフレーム、88,89…ブラケット、90…4点連結リンク、91,92,93,94…支軸、95,96…外筒、97,98…連結部材、99,100 …外環部材、101 …ブラケット、
105 …内燃機関、106 …リヤフォーク、107 …枢軸、108 …メインスタンド、109 …クロスパイプ、110 …箱体、112 …突起、120 …吸気管、121 …気化器、122 …吸気ダクト、123 …エアクリーナ、125 …ヘルメットボックス。
Claims (9)
- 低床式フロアを有するスクータ型車両において、
車体フレームは、メインフレームが前記フロアを支持する左右一対のフロア部とその後方で斜め上方に立ち上がる左右一対の傾斜部を備え、
前記メインフレームの一対の傾斜部間を連結するクロスパイプに左右一対の支持フレームが前後水平方向に指向して設けられ、
前記左右一対の支持フレームの前端および後端に前側リンクと後側リンクの上部がそれぞれ連結され、
水平部とその後部が下方へ屈曲延出した鉛直部とからL字状をした板部材である左右一対のブラケットの水平部の前端および後端が前記前側リンクと後側リンクの下部にそれぞれ連結されて、前記左右一対の支持フレームに対して略平行な四辺形をなす4点連結リンクを介して前記左右一対のブラケットが吊設され、
前記左右一対のブラケットの水平部と鉛直部により内燃機関の後部のミッションケースの上部と後部を支持されて、内燃機関が前記メインフレームの左右一対のフロア部間に位置して前記左右一対のブラケットを介して懸架され、
前記ブラケットの後部にリヤフォークが枢支されることを特徴とするスクータ型車両。 - 前記左右一対の支持フレームの前端間および後端間に左右水平の上側支軸が一体に架設され、前後の前記上側支軸にラバーブッシュを介して前記前側リンクと後側リンクの上部がそれぞれ連結され、
前記左右一対のブラケットの水平部の前端間および後端間に左右水平の下側支軸が架設され、前後の前記下側支軸にラバーブッシュを介して前記前側リンクと後側リンクの下部がそれぞれ連結され、
内部にラバーが嵌入された箱体が前記クロスパイプの中央に設けられ、前記前側リンクの中央から突設された突起が前記箱体のラバー内に挿入されることを特徴とする請求項1記載のスクータ型車両。 - 側面視で後輪の接地点と前記リヤフォークの枢支点とを結ぶ直線が、前記4点連結リンクのブラケット側の前後の2支点の間を通るように構成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載のスクータ型車両。
- 前記4点連結リンクの上側前後2点を前記車体フレームが連結し、下側前後2点を前記ブラケットが連結し、前側上下2点を連結する前側リンクと後側上下2点を連結する後側リンクが互いに不等長であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかの項記載のスクータ型車両。
- 前記前側リンクの上下2点間の長さより前記後側リンクの上下2点間の長さが長いことを特徴とする請求項4記載のスクータ型車両。
- 前記内燃機関の変速を行うチェンジペダルを前記フロアの上面に設けたことを特徴とする請求項1記載のスクータ型車両。
- 前記内燃機関をチャンネル状をしたフロアトンネルカバーが上方から覆い、
前記フロアトンネルカバーの左右に展開する足載せのフロアプレートが前記メインフレームのフロア部に支持され、
前記チェンジペダルは、左フロアプレートに揺動自在に支持されるとともに、左フロアプレートの右寄りでフロアトンネルカバーに沿って設けられることを特徴とする請求項6記載のスクータ型車両。 - 前記内燃機関の上方を逆U字状のフロアトンネルカバーで覆い、
前記フロアトンネルカバーに開口を設けたことを特徴とする請求項1記載のスクータ型車両。 - 前記左右一対のブラケットの鉛直部下端にメインスタンドが枢着されることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかの1項記載のスクータ型車両。
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