JP2000339667A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JP2000339667A
JP2000339667A JP11150749A JP15074999A JP2000339667A JP 2000339667 A JP2000339667 A JP 2000339667A JP 11150749 A JP11150749 A JP 11150749A JP 15074999 A JP15074999 A JP 15074999A JP 2000339667 A JP2000339667 A JP 2000339667A
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JP11150749A
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Ichiro Kanekawa
一朗 金川
Jota Ito
条太 伊藤
Shinichi Matsumura
伸一 松村
Hiroshi Yatagai
洋 谷田貝
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリアミドフィルムからなる非磁性支持体を
用いた場合であっても、高精度に平坦化する。 【解決手段】 非磁性支持体1の一主面上に、少なくと
も金属磁性膜4が成膜されてなる磁気記録媒体におい
て、上記非磁性支持体4は、幅方向における200℃の
熱収縮率が1.5〜2.5%である芳香族ポリアミドフ
ィルムからなり、上記金属磁性膜4は、当該金属磁性膜
4表面に形成された表面酸化層をエッチングされてな
り、上記非磁性支持体1の上記金属磁性膜4が成膜され
る側と反対側の他主面に針状非磁性顔料含有バックコー
ト層5が成膜されることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体の一
主面上に金属磁性膜が成膜されてなる磁気記録媒体に関
し、特に大容量のテープストリーマーとして用いて好適
な磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ミニコンピュータ、パーソナルコ
ンピュータなどのオフィスコンピュータの普及に伴っ
て、外部記憶媒体としてコンピュータデータを記録する
ための磁気テープ(いわゆる、テープストリーマー)の
研究が盛んに行われている。このような用途の磁気テー
プの実用化に際しては、特にコンピュータの小型化、情
報処理能力の増大と相まって記録の大容量化、小型化を
達成するために記録容量の向上が強く要求される。
【0003】一方、ビデオカセット用の磁気記録媒体と
しては、ビデオカセットの小型化に伴い、より一層のコ
ンパクト化と長時間記録化が望まれている。
【0004】また、磁気テープの使用環境の広がりによ
る幅広い環境条件下(特に、変動の激しい温湿度条件下
など)での使用、データ保存に対する信頼性、更に高速
での繰り返し使用による多数回走行におけるデータの安
定した記録、読み出し等の性能に対する信頼性なども従
来にまして要求されている。
【0005】一般に、磁気テープは、合成樹脂などの可
撓性材料の非磁性支持体上に磁性層が設けられた構成で
ある。そして、上述したような大きい記録容量(体積記
録容量)を達成するためには、磁性層を強磁性金属薄膜
にすることにより磁性層自体の記録密度を高めるととも
に、磁気テープの全厚を薄くすることが有効な方法であ
るとされている。すなわち、磁気テープとしては、非磁
性支持体上に、金属磁性薄膜を成膜してなる、いわゆる
蒸着テープが有効である。
【0006】この蒸着テープにおいて、非磁性支持体と
しては、ポリエステル、主としてポリエチレンテレフタ
レートフィルムが用いられている。特に、ホームビデオ
カセットテープ、例えば、8mmテープに用いられる非
磁性支持体としては、7〜10μm程度のポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルムが用いられ、コンピ
ュータのデータバックアップ用のテープストリーマーに
は5〜7μm程度のポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルムが用いられている。
【0007】また、ビデオテープに使用される磁気記録
媒体の記録時間を延長するための方法としては、例え
ば、特開平6−215350号公報に記載されるよう
に、非磁性支持体としてポリエステルを主成分とし、更
に具体的にはポリエチレンナフタレートを用いるのが望
ましいとされている。
【0008】一方、上述したようなポリエチレンテレフ
タレートやポリエチレンナフタレートフィルムに比べ強
度が高い芳香族ポリアミドフィルムを用いる検討もなさ
れている。このポリアミドフィルムを非磁性支持体とし
て用いた磁気記録媒体は、強度が高いため、厚さを薄く
することが可能であり、ビデオカセットテープの長時間
記録化、テープストリーマーの大容量化に対応した磁気
記録媒体として注目されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリア
ミドフィルムは、通常、非磁性支持体として用いられる
ポリエステルと熱収縮率が異なるため、蒸着テープの製
造工程で発生する熱履歴に対して反応が異なりいわゆる
カッピングやカーリングが発生する。このようにカッピ
ングやカーリングが発生し、その量が所定の限度を越え
ると、磁気記録媒体とヘッドとの接触状態、いわゆるヘ
ッド当たりが悪くなるといった問題点がある。
【0010】更に、近年、磁気記録媒体は、ビデオカセ
ット等に用いられる場合、ビデオカセット等の小型化に
伴い、より一層のコンパクト化と長時間記録が要求され
ている。また、昨今の情報量の増大化に伴い、テープス
トリーマーにおいても、大容量化が要求されており、非
磁性支持体の薄膜化が強く要求されている。しかしなが
ら、磁気記録媒体では、非磁性支持体として薄型のもの
を用いると、高度な平坦性を達成することが困難である
といった不都合が生じる。
【0011】特に、磁気記録媒体を製造するに際して、
カッピングやカーリングを矯正するために、所定の圧力
とともに意図的に数10℃〜200℃程度の熱を加え
る、いわゆるホットロール処理が施されている。しかし
ながら、このホットロール処理を施したとしても、所望
の平坦性を得るのは困難であり、特に、薄型の非磁性支
持体を用いる場合には殆ど効果がなかった。
【0012】そこで、本発明は、このような技術的背景
に基づいて創案されたものであり、ポリアミドフィルム
からなる非磁性支持体を用いた場合であっても、高精度
に平坦化された磁気記録媒体を提供することを目的と
し、また、ポリアミドフィルムからなる非磁性支持体を
用いた場合であっても、高精度に平坦化することができ
る磁気記録媒体の製造方法の提供を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気記録媒
体は、非磁性支持体の一主面上に、少なくとも金属磁性
膜が成膜されてなる磁気記録媒体において、上記非磁性
支持体は、芳香族ポリアミドフィルムからなるとともに
幅方向における200℃の熱収縮率が1.5〜2.5%
であり、上記金属磁性膜は、当該金属磁性膜表面に形成
された表面酸化層をエッチングされてなり、上記非磁性
支持体の上記金属磁性膜が成膜される側と反対側の他主
面に針状非磁性顔料含有バックコート層が成膜されるこ
とを特徴とする。
【0014】以上のように構成された本発明に係る磁気
記録媒体は、非磁性支持体の幅方向における200℃の
熱膨張率を上述したように規定されるため、所定の熱履
歴が加えられた場合においても、幅方向のカーリングや
カッピングが防止される。
【0015】また、本発明に係る磁気記録媒体は、金属
磁性膜の表面に形成された表面酸化層がエッチングされ
るため、優れた電磁変換特性を有することとなる。
【0016】そして、本発明に係る磁気記録媒体は、非
磁性支持体の金属磁性膜が成膜される側と反対側の他主
面に針状非磁性顔料含有バックコート層が成膜されるた
め、幅方向のカーリングやカッピングが確実に防止され
る。
【0017】したがって、本発明に係る磁気記録媒体は
優れた電磁変換特性と形状安定性を有する。
【0018】また、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法は、非磁性支持体の一主面上に、少なくとも金属磁性
膜が成膜されてなる磁気記録媒体の製造方法において、
幅方向における200℃の熱収縮率が1.5〜2.5%
である芳香族ポリアミドフィルムからなる非磁性支持体
を用い、当該非磁性支持体の一主面上に上記金属磁性膜
を成膜する工程と、上記金属磁性膜を成膜した後に当該
金属磁性膜表面に形成された表面酸化層をエッチングす
る工程と、上記非磁性支持体の上記金属磁性膜が成膜さ
れる側と反対側の他主面に針状非磁性顔料含有バックコ
ート層を成膜する工程と、上記針状非磁性顔料含有バッ
クコート層を成膜した後に熱履歴を加える工程とを有す
ることを特徴とする以上のような本発明に係る磁気記録
媒体の製造方法によれば、幅方向における200℃の熱
収縮率を上述したように規定するため、所定の熱履歴が
加えられた場合においても、磁気記録媒体は、幅方向の
カーリングやカッピングが防止される。
【0019】また、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法によれば、金属磁性膜の表面に形成された表面酸化層
をエッチングするため、磁気記録媒体は、優れた電磁変
換特性を有する。
【0020】そして、本発明に係る磁気記録媒体の製造
方法によれば、非磁性支持体の金属磁性膜が成膜される
側と反対側の他主面に針状非磁性顔料含有バックコート
層を成膜するため、磁気記録媒体は、幅方向のカーリン
グやカッピングが確実に防止される。
【0021】本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持
体の一主面上に、少なくとも金属磁性膜が成膜されてな
る磁気記録媒体において、上記非磁性支持体は、芳香族
ポリアミドフィルムからなるとともに幅方向における2
00℃の熱収縮率が1.5〜2.5%であり、上記金属
磁性膜は、当該金属磁性膜表面に形成された表面酸化層
をエッチングされてなり、上記非磁性支持体の上記金属
磁性膜が成膜される側と反対側の他主面に電子線感応性
樹脂含有バックコート層が成膜されることを特徴とす
る。
【0022】以上のように構成された本発明に係る磁気
記録媒体は、非磁性支持体の幅方向における200℃の
熱膨張率を上述したように規定されるため、所定の熱履
歴が加えられた場合においても、幅方向のカーリングや
カッピングが防止される。
【0023】また、本発明に係る磁気記録媒体は、金属
磁性膜の表面に形成された表面酸化層がエッチングされ
るため、優れた電磁変換特性を有することとなる。
【0024】そして、本発明に係る磁気記録媒体は、非
磁性支持体の金属磁性膜が成膜される側と反対側の他主
面に電子線感応性樹脂含有バックコート層が成膜される
ため、幅方向のカーリングやカッピングが確実に防止さ
れる。
【0025】したがって、本発明に係る磁気記録媒体は
優れた電磁変換特性と形状安定性を有する。
【0026】また、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法は、非磁性支持体の一主面上に、少なくとも金属磁性
膜が成膜されてなる磁気記録媒体の製造方法において、
幅方向における200℃の熱収縮率が1.5〜2.5%
である芳香族ポリアミドフィルムからなる非磁性支持体
を用い、当該非磁性支持体の一主面上に上記金属磁性膜
を成膜する工程と、上記金属磁性膜を成膜した後、当該
金属磁性膜表面に形成された表面酸化層をエッチングす
る工程と、上記非磁性支持体の金属磁性膜が成膜される
側と反対側の他主面に電子線感応性樹脂含有バックコー
ト層を成膜する工程と、上記電子線感応性樹脂含有バッ
クコート層に電子線照射を施す工程と、上記電子線照射
を施した後に熱履歴を加える工程とを有することを特徴
とする。
【0027】以上のような本発明に係る磁気記録媒体の
製造方法によれば、幅方向における200℃の熱収縮率
を上述したように規定するため、所定の熱履歴が加えら
れた場合においても、磁気記録媒体は、幅方向のカーリ
ングやカッピングが防止される。
【0028】また、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法によれば、金属磁性膜の表面に形成された表面酸化層
をエッチングするため、磁気記録媒体は、優れた電磁変
換特性を有する。
【0029】そして、本発明に係る磁気記録媒体の製造
方法によれば、非磁性支持体の金属磁性膜が成膜される
側と反対側の他主面に電子線感応性樹脂含有バックコー
ト層を成膜するため、磁気記録媒体は、幅方向のカーリ
ングやカッピングが確実に防止される。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気記録媒体
の好適な実施の形態を、図面を参照して詳細に説明す
る。
【0031】第1の実施の形態 本実施の形態として示す磁気記録媒体は、図1に示すよ
うに、非磁性支持体1と、この非磁性支持体1の一主面
1a上に成膜された金属磁性膜4と、非磁性支持体1の
他主面1b上に形成された針状非磁性顔料含有バックコ
ート層5とを備えるものである。また、この磁気記録媒
体において、非磁性支持体1は、芳香族ポリアミドフィ
ルムからなる。
【0032】そして、この芳香族ポリアミドフィルム
は、長手方向と直交する方向、すなわち幅方向における
200℃の熱収縮率が1.5〜2.5%となっている。
【0033】以下、非磁性支持体1、金属磁性膜4及び
針状非磁性顔料含有バックコート層5、並びにこれら各
層に用いられる結合剤及び添加剤について順に詳述す
る。
【0034】非磁性支持体1 先ず、非磁性支持体1は、上述したように、芳香族ポリ
アミドフィルムから構成されている。この非磁性支持体
1は、芳香族ポリアミドフィルムを用いることにより、
引っ張り強度などの物性において優れており、全体とし
ての厚みが非常に薄い場合でも十分耐え得る強度を有し
ている。
【0035】芳香族ポリアミドフィルムは、例えば、下
記式(I)及び/又は(II)で表される芳香族ポリア
ミドを、50%モル以上、好ましくは70モル%以上含
有している。
【0036】
【化1】
【0037】なお、上記式において、X、Yは、−O
−,−CH2−,−CO−,−SO2−,−S−,−C
(CH32−等から選ばれるが、これに限定されるもの
ではない。更に、上記式において、芳香環上の水素原子
の一部が、ハロゲン基(特に、塩素)、ニトロ基、炭素
数1から3のアルキル基(特に、メチル基)、炭素数1
から3のアルコキシ基などの置換基で置換されているも
のであっても良く、また、重合体を構成するアミド結合
中の水素が他の置換基によって置換されていても良い。
【0038】また、芳香族ポリアミドフィルムは、剛性
を高くする観点から、芳香環がパラ位で結合されたもの
が、全芳香環の60%以上、より好ましくは80%以上
を占める重合体であることが好ましい。また、吸湿性を
小さくする観点から芳香環上の水素原子の一部がハロゲ
ン基(特に、塩素原子)、ニトロ基、炭素数1から3の
アルキル基(特に、メチル基)、炭素数1から3のアル
コキシ基などで置換された芳香環が全体の30%以上を
占める重合体であることが好ましい。
【0039】更に、芳香族ポリアミドフィルムとして
は、上記式(I)及び/又は上記式(II)で表される
繰り返し単位を50モル%以上含むものであって、50
モル%未満は他の繰り返し単位、例えば、芳香族ポリイ
ミド単位や他の芳香族ポリアミド単位などが共重合、又
はブレンドしてなる重合体を使用することができるが、
全芳香族ポリアミド(アラミド)を用いることが好まし
い。
【0040】更にまた、この非磁性支持体1において
は、芳香族ポリアミドフィルムの構成は複合構造であっ
ても良い。すなわち、この非磁性支持体1は、複数の芳
香族ポリアミドフィルムが積層されてなるようなもので
あっても良い。
【0041】この場合、各層を構成する芳香族ポリアミ
ドフィルムは、上記式で表される重合体を主体とするも
のであれば、各層が同一組成であっても、異なっていて
も差し支えない。しかしながら、生産性の観点から、各
層が同一組成である方が有利である。例えば図2に、非
磁性支持体1が、第1の芳香族ポリアミドフィルム2と
第2の芳香族ポリアミドフィルム3との2層構造からな
る構成例を示す。
【0042】複数の芳香族ポリアミドフィルムを積層す
るには、各層を構成する複数の原液を公知の方法、例え
ば、特開昭56ー162617号公報に記載されるよう
に、合流管で積層したり、口金内で積層して形成するこ
とができる。
【0043】ところで、この芳香族ポリアミドフィルム
を作製する際には、先ず、芳香族ポリアミドをN−メチ
ル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させてなる溶液
を、温度100℃〜200℃のベルト上に流延し、10
0℃〜250℃の熱風で加熱を行い溶媒を蒸発させるこ
とにより自己保持性を有するフィルムを得る。その後、
このフィルムを、長手方向、幅方向にそれぞれ1.0〜
2.0倍に延伸しながら乾燥と熱処理を行うことによっ
て、芳香族ポリアミドフィルムが作製される。
【0044】このとき、芳香族ポリアミドフィルムで
は、長手方向及び幅方向に延伸される際の延伸倍率及び
熱処理条件等を調節することによって、長手方向及び幅
方向のヤング率及び熱収縮率を制御することができる。
【0045】具体的に、非磁性支持体1は、厚さが2.
5μm〜5.0μmであり、長さ方向のヤング率が10
00kg/mm2以上であり、及び幅方向のヤング率が
1300kg/mm2以上であることが好ましい。この
ように、非磁性支持体1の厚み及びヤング率を規定する
ことによって、所望の強度が得られるとともに、磁気記
録媒体としての厚みを薄型化することが可能となり、記
録時間の長時間化及び記録量の大容量化に対応させるこ
とができる。
【0046】また、この非磁性支持体1には、磁気記録
媒体の製造工程でのハンドリング性あるいは磁性層表面
を適度な粗さにし、磁気記録媒体の高い走行耐久性を得
るため、不活性粒子を添加することが望ましい。
【0047】この非磁性支持体1中に添加される不活性
粒子としては、SiO2、TiO2、Al23、CaSO
4、BaSO4、CaCO3、カ−ボンブラック、ゼオラ
イト、その他の金属微粉末などの無機粒子や、シリコン
粒子、ポリイミド粒子、架橋共重合体粒子、架橋ポリエ
ステル粒子、テフロン粒子などの有機高分子などを使用
することができる。なかでも、耐熱性の観点からは、上
述した無機粒子を使用することが好ましい。
【0048】この不活性粒子の添加方法としては、粒子
を予め溶媒中に十分スラリ化した後、重合用溶媒又は希
釈用溶媒として使用する方法や、原液を調製した後に直
接添加する方法などがある。
【0049】また、この非磁性支持体1が複数の芳香族
ポリアミドフィルムからなる場合、各層に対して異なる
平均粒径を有する不活性粒子を添加することが好まし
い。具体的に、金属磁性膜4が成膜される面を構成する
芳香族ポリアミドフィルムには、平均粒径が比較的小で
ある不活性粒子が添加され、金属磁性膜4が成膜される
面とは反対側の面を構成する芳香族ポリアミドフィルム
には、平均粒径が比較的大である不活性粒子が添加され
ることが好ましい。
【0050】このように、金属磁性膜4が成膜される芳
香族ポリアミドフィルムに平均粒径が比較的小の不活性
粒子を添加することによって、この金属磁性膜4が成膜
される面の表面粗さを低く抑えることができる。これに
より、金属磁性膜4が所望の表面性を有することとなり
磁気記録媒体の優れた電磁変換特性を確保することがで
き、また、金属磁性膜4表面の粗大突起が形成されにく
いため、ドロップアウト等の発生を抑えることができ、
磁気記録媒体の走行安定性を確保することができる。
【0051】また、これに対して、金属磁性膜4が成膜
される面とは反対側の芳香族ポリアミドフィルムに平均
粒径が比較的大の不活性粒子を添加することによって、
針状非磁性顔料含有バックコート層5が形成される面の
表面粗さを比較的に大とすることができる。これによ
り、針状非磁性顔料含有バックコート層5の表面粗さを
比較的に大とすることができ、製造工程におけるハンド
リング特性を向上させることができる。
【0052】より具体的には、針状非磁性顔料含有バッ
クコート層5が形成される芳香族ポリアミドフィルムに
含有される不活性粒子の平均粒径は、0.05〜1.5
μmであることが好ましい。また、この芳香族ポリアミ
ドフィルムに含有される不活性粒子の添加量は、0.0
5〜2.0wt%であることが好ましく、更に、0.1
〜1.0wt%であることがより好ましい。
【0053】また、金属磁性膜4が成膜される芳香族ポ
リアミドフィルムに含有される不活性粒子は、金属磁性
膜4表面の平滑性と易滑性を向上させるため、平均粒径
が、0.03〜0.15μm、添加量が、0.01wt
%〜1wt%であることが好ましい。
【0054】更に、この非磁性支持体1では、金属磁性
膜4を成膜する一主面表面の表面粗さ(SRa)が1.
5nm〜5.0nmであることが好ましく、更に、2.
0〜3.5nmであることがより好ましい。この表面粗
さ(SRa)は、芳香族ポリアミドフィルム中に添加さ
れる不活性粒子の大きさや添加量、あるいは非磁性支持
体1の層構成によって調節される。このように、金属磁
性膜4を成膜する一主面表面の表面粗さ(SRa)を
1.5nm〜5.0nmとすることによって、磁気記録
媒体の良好な電磁変換特性と走行耐久性を確保すること
ができる。
【0055】更に、この非磁性支持体1において、針状
非磁性顔料含有バックコート層5形成面側の表面の表面
粗さ(SRa)は、芳香族ポリアミドフィルム中に添加
される不活性粒子の大きさ及び添加量によって調節さ
れ、製造工程におけるハンドリング性の観点から、でき
るだけ大きい方が望ましい。しかしながら、この表面粗
さ(SRa)が大きすぎると、金属磁性層4を成膜した
後、巻き取ってロール状にした際の裏移りの影響が大き
くなるため、4nm〜15nm、好ましくは5nm〜1
0nmとされる。
【0056】更にまた、この非磁性支持体1は、厚さ
2.5μm〜5.0μmとすることにより、必要な強度
が得られるとともに、磁気記録媒体の厚みを薄くして大
容量化に対応させることができる。
【0057】更にまた、この非磁性支持体1は、金属磁
性膜4が成膜される一主面側の表面に103〜105個/
mm2の密度で突起が形成されていることが好ましい。
【0058】このように、一主面側の表面に103〜1
5個/mm2の密度で突起が形成されることによって、
金属磁性膜4の表面性を所望な状態とすることができ
る。言い換えると、一主面側の表面に103〜105個/
mm2の密度で突起が形成されることによって、金属磁
性膜4の表面は、所望の表面粗さを有することになる。
これにより、磁気記録媒体は、走行耐久性及び電磁変換
特性に優れたものとなる。
【0059】金属磁性膜4 次に、金属磁性膜4は、上述した非磁性支持体1におけ
る第2の芳香族ポリアミドフィルム3上に成膜されるも
のである。
【0060】このとき、金属磁性膜4は、例えば、図3
に示すような連続巻き取り式の真空蒸着装置等を用いて
形成される。
【0061】この真空蒸着装置11は、いわゆる斜方蒸
着用として構成され、内部が例えば約10-3Pa程度の
真空状態とされた真空室12内に、例えば−20℃程度
に冷却され、図中の反時計回り方向(矢印A方向)に回
転する冷却キャン13と対向するように金属磁性膜4用
の蒸着源14とが配置されている。
【0062】蒸着源14は坩堝等の容器にCo等の強磁
性金属材料が収容されたものであり、この蒸着源14
(強磁性金属材料)に対し、電子ビーム発生源15から
電子ビーム16を加速照射して強磁性金属材料を加熱、
蒸発させ、これを図中の反時計回り方向に回転する供給
ロール18から図中の矢印B方向に繰り出され、冷却キ
ャン13の周面に沿って走行する非磁性支持体1上に付
着(蒸着)させることによって金属磁性膜4を形成す
る。そして、金属磁性膜4が形成された非磁性支持体1
は、巻き取りロール19に巻き取られる。
【0063】このとき、蒸着源14と冷却キャン13と
の間には防着板20を設け、この防着板20にシャッタ
21を位置調整可能に設けて、非磁性支持体1に対して
所定の角度で入射する蒸着粒子のみを通過させる。こう
して斜め蒸着法によって金属磁性膜4が形成されるよう
になされている。
【0064】なお、供給ロール18と冷却キャン13と
の間、及び冷却キャン13と巻き取りロール19との間
にはそれぞれガイドローラー22、23が配置され、供
給ロール18から冷却キャン13、及びこの冷却キャン
13から巻き取りロール19に従って走行する非磁性支
持体1に所定のテンションをかけ、非磁性支持体1が円
滑に走行するようになされている。
【0065】更に、このような金属磁性膜4の蒸着に際
し、図示しない酸素ガス導入口を介して非磁性支持体1
の表面に酸素ガスが供給され、これによって金属磁性膜
4の磁気特性、耐久性及び耐候性の向上が図られてい
る。また、蒸着源14を加熱するためには、上述のよう
な電子ビームによる加熱手段の他、例えば、抵抗加熱手
段、高周波加熱手段、レーザ加熱手段等の公知の手段を
使用できる。
【0066】以上は、斜め蒸着法によりCo等からなる
強磁性金属材料を用いて成膜する例について説明した
が、強磁性金属材料を用いて成膜する方法としては、こ
の例の他に垂直蒸着法やスパッタリング法等の公知の薄
膜形成法が適用でき、また、強磁性金属材料としては、
Coの他にNi、Fe等やこれらの合金を使用すること
ができる。ただし、非磁性支持体1との付着強度改善、
あるいは金属磁性膜自体の耐性、耐摩耗性改善等の目的
から、蒸着時の雰囲気を酸素ガスが支配的となる雰囲気
としたとき得られる酸素を含む金属磁性膜4を使用する
ことが望ましい。また、金属磁性膜4の厚さは、0.0
5〜0.25μm程度、好ましくは、0.1〜0.2μ
m程度である。
【0067】また、この金属磁性膜4では、電磁変換特
性を向上させるために、表面に形成された表面酸化膜を
エッチングすることが好ましい。この表面酸化膜は、上
述したように成膜された金属磁性膜4の表面に形成され
る非磁性の膜であり、スペーシングロスの原因となる。
すなわち、この表面酸化膜は、非磁性であるが故に電磁
変換特性を劣化させる原因となる。したがって、この表
面酸化膜をエッチングにより除去することによって、磁
気記録媒体では、金属磁性膜4の電磁変換特性を大幅に
向上させることができる。
【0068】このエッチングに際しては、いかなる方法
を適用しても良いが、例えば、逆スパッタ法、イオンエ
ッチング法、ECRプラズマエッチング法等を使用する
ことが好ましい。また、このエッチングに際しては、A
rガス雰囲気下にて圧力0.4Pa程度とすることが好
ましい。
【0069】更に、この磁気記録媒体は、金属磁性膜4
の摩耗を防止するため、金属磁性膜4上に、図4に示す
ようなマグネトロンスパッタ装置30等を用いて、カー
ボン保護膜を形成することが望ましい。
【0070】このマグネトロンスパッタ装置30は、外
側がチャンバ31にて覆われている。そして、チャンバ
31内は、真空ポンプ32にて約10-4Paまで減圧さ
れた後、真空ポンプ32側へ廃棄するバルブ33の角度
を全開状態から10度まで絞ることにより排気速度を落
とし、ガス導入管34からArガスを導入して、真空度
が約0.8Paとされる。
【0071】マグネトロンスパッタ装置30は、このチ
ャンバ31内に、例えば−40℃程度に冷却され、図中
の反時計回り方向(矢印A方向)に回転する冷却キャン
35と、この冷却キャン35と対向配置されるターゲッ
ト36とがそれぞれ設けられている。
【0072】ターゲット36は、カーボン保護膜の材料
となるものであり、カソード電極を構成するバッキング
プレート37に支持されている。そして、バッキングプ
レート37の裏側には、磁場を形成するマグネット38
が配設されている。このマグネトロンスパッタ装置30
によりカーボン保護膜を形成する際は、ガス導入管34
からArガスを導入するとともに、冷却キャン35をア
ノード、バッキングプレート37をカソードとして約3
000(V)の電圧を印加し、1.4Aの電流が流れる
状態を保つようにする。
【0073】この電圧の印加により、Arガスがプラズ
マ化し、電離されたイオンがターゲット36に衝突する
ことにより、ターゲット36の原子がはじき出される。
このとき、バッキングプレート37の裏側にはマグネッ
ト38が配設されており、ターゲット36の近傍に磁場
が形成されるので、電離されたイオンはターゲット36
の近傍に集中されることになる。
【0074】ターゲット36からはじき出された原子
は、図中の反時計回り方向に回転する供給ロール39か
ら図中の矢印B方向に繰り出され、冷却キャン35の周
面に沿って走行する金属磁性膜4が成膜された非磁性支
持体1上に付着し、カーボン保護膜が形成される。そし
て、カーボン保護膜が形成された非磁性支持体1は、巻
き取りロール41に巻き取られる。
【0075】このカーボン保護膜は、スペーシングロス
を小さくし、かつ、金属磁性膜4の摩耗防止の効果を得
ることができるように、その厚さを3〜15nm程度、
特に5〜10nm程度とすることが好ましい。
【0076】以上は、マグネトロンスパッタによりカー
ボン保護膜を形成する例について説明したが、カーボン
保護膜を形成する方法としては、この例の他に、イオン
ビームスパッタやイオンビームプレーティング法、CV
D法等の公知の薄膜形成方法を用いることができる。
【0077】また、この磁気記録媒体は、カーボン保護
膜の表面に滑剤を存在せしめることが望ましい。これに
より、磁気記録媒体は、微細突起の形状に基づく走行性
改善効果を更に高めることが可能である。
【0078】更に、この磁気記録媒体は、その表面、裏
面、又はそれらの近傍あるいはカーボン保護膜、金属磁
性膜4内の空隙、カーボン保護膜と金属磁性膜4との界
面、金属磁性膜4と非磁性支持体1との界面、非磁性支
持体1内等に、必要に応じて公知の手段で防錆剤、帯電
防止剤、防かび剤等の各種添加剤を存在せしめることが
できる。
【0079】針状非磁性顔料含有バックコート層5 針状非磁性顔料含有バックコート層5は、非磁性支持体
1の金属磁性膜4が成膜される面とは反対側の面に配設
されている。この針状非磁性顔料含有バックコート層5
は、主として、結合剤、針状非磁性顔料及びカーボンブ
ラックから構成される。
【0080】ここで針状非磁性顔料としては、アスペク
ト比が10以上の針状非磁性顔料を使用することが好ま
しい。これにより、磁気記録媒体の厚さ方向だけでな
く、平面方向の引っ張り強度や曲げ強度等の機械的強度
を大きく向上させることができる。針状非磁性顔料の材
質としては、特に制限されるものではなく、ヘマタイ
ト、ゲータイト、酸化チタンや酸化アルミニウムを使用
することができる。
【0081】更に、針状非磁性顔料含有バックコート層
5では、カーボンブラックは、平均粒子サイズの異なる
二種類のものを使用することが好ましい。この場合、そ
の平均粒子サイズは、10〜20nmの微粒子状カーボ
ンブラックと平均粒子サイズが230〜300nmの粗
粒子状カーボンブラックとを使用することが好ましい。
【0082】一般に、上述したような微粒子状のカーボ
ンブラックの添加により、針状非磁性顔料含有バックコ
ート層5の表面電気抵抗を低く設定でき、また光透過率
も低く設定できる。磁気記録の装置によっては、テープ
の光透過率を利用し、動作の信号に使用しているものが
多くあるため、このような場合には特に、微粒子状のカ
ーボンブラックの添加は有効になる。
【0083】また、微粒子状カーボンブラックは、一般
に、潤滑剤に対する保持力に優れるため、潤滑剤を併用
することができ、その結果、摩擦係数を低減することが
可能となる。
【0084】一方、粒子サイズが230〜300nmの
粗粒子状カーボンブラックは、固体潤滑剤としての機能
を有しており、表面に微小突起を形成することとなるた
め、接触面積を低減化して、摩擦係数を低減することが
可能となる。しかし、粗粒子状のカーボンブラックは、
過酷な走行系では、テープ摺動により、針状非磁性顔料
含有バックコート層5からの脱落が生じ易くなり、エラ
ー比率の増大につながる虞がある。
【0085】具体的に、微粒子状カーボンブラックとし
ては、以下のものを挙げることができる。RAVEN2
000B(18nm)、RAVEN1500B(17n
m)(以上、コロンビアカーボン社製)、BP800
(17nm)(キャボット社製)、PRINTEX90
(14nm)、PRINTEX95(15nm)、PR
INTEX85(16nm)、PRINTEX75(1
7nm)(以上、デグサ社製)、#3950(16n
m)(三菱化成工業(株)製)。また、粗粒子カーボン
ブラックとしては、サーマルブラック(270nm)
(カーンカルブ社製)、RAVEN MTP(275n
m)(コロンビアカーボン社製)を挙げることができ
る。
【0086】針状非磁性顔料含有バックコート層5にお
いて、平均粒子サイズの異なる二種類のものを使用する
場合、10〜20nmの微粒子状カーボンブラックと2
30〜300nmの粗粒子状カーボンブラックの含有比
率(重量比)は、微粒子状カーボンブラック:粗粒子状
カーボンブラック=98:2〜75:25の範囲が好ま
しく、更に好ましくは、95:5〜85:15である。
また、針状非磁性顔料含有バックコート層5におけるカ
ーボンブラック(微粒子状と粗粒子状を加えた場合にお
いては、その全量)の含有量は、後述する結合剤100
重量部に対して、通常30〜80重量部の範囲であり、
好ましくは、45〜65重量部の範囲である。
【0087】また、結合材(B)と針状非磁性顔料
(P)の比率、結合材/針状非磁性顔料は0.5〜5で
あるのが好ましい。結合材/針状非磁性顔料が0.5よ
り小さいと顔料の充填量が少なく、機械的強度の補強効
果が発揮されず、また、結合材/針状非磁性顔料が5を
超えると結合材が少なすぎるために、針状非磁性顔料含
有バックコート層自体が結合が弱く、粉落ち等塗布層の
耐久性が悪くなる。
【0088】更に、針状非磁性顔料含有バックコート層
5には、潤滑剤を含有させることができる。潤滑剤は、
上述したように、例えば、脂肪酸、あるいは脂肪酸エス
テルを挙げることができる。脂肪酸としては、例えば、
酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミ
チン酸、ベヘン酸、アラキン酸、オレイン酸、リノール
酸、リノレン酸、エライジン酸、及びパルミトレイン酸
等の脂肪族カルボン酸又はこれらの混合物を挙げること
ができる。
【0089】また、脂肪酸エステルとしては、例えば、
ブチルステアレート、sec−ブチルステアレート、イ
ソプロピルステアレート、ブチルオレエート、アミルス
テアレート、3−メチルブチルステアレート、2−エチ
ルヘキシルステアレート、2−ヘキシルデシルステアレ
ート、ブチルパルミテート、2−エチルヘキシルミリス
テート、ブチルステアレートとブチルパルミテートの混
合物、オレイルオレエート、ブトキシエチルステアレー
ト、2−ブトキシ−1−プロピルステアレート、ジプロ
ピレングリコールモノブチルエーテルをステアリン酸で
アシル化したもの、ジエチレングリコールジパルミテー
ト、ヘキサメチレンジオールをミリスチン酸でアシル化
してジオールとしたもの、そしてグリセリンのオレエー
ト等の種々のエステル化合物を挙げることができる。こ
れらのものは、単独で、あるいは組み合わせて使用する
ことができる。
【0090】針状非磁性顔料含有バックコート層5にお
いて、潤滑剤は、結合剤樹脂100重量部に対して通常
1〜5重量部の範囲で添加されることが好ましい。
【0091】また、針状非磁性顔料含有バックコート層
5に使用される結合剤としては、例えば、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物を挙げ
ることができる。
【0092】熱可塑性樹脂の例としては、塩化ビニル、
酢酸ビニル、ビニルアルコ−ル、マレイン酸、アクリル
酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニ
トリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレ
ン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニル
アセタール、及びビニルエーテルを構成単位として含む
重合体、あるいは共重合体を挙げることができる。共重
合体としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル
−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−ア
クリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビ
ニリデン共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重
合体、メタアクリル酸エステル−アクリロニトリル共重
合体、メタアクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合
体、メタアクリル酸エステル−スチレン共重合体、塩化
ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重
合体、クロロビニルエーテル−アクリル酸エステル共重
合体を挙げることができる。上記の他に、ポリアミド樹
脂、繊維素系樹脂(セルロースアセテートブチレート、
セルロースダイアセテート、セルロースプロピオネー
ト、ニトロセルロースなど)、ポリ弗化ビニル、ポリエ
ステル樹脂、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂等も例
示することができる。
【0093】また、熱硬化性樹脂又は反応型樹脂として
は、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレ
タン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹
脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリ
コン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹
脂とポリイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエ
ステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリ
ウレタンとポリイソシアネートの混合物を挙げることが
できる。
【0094】更に、針状非磁性顔料含有バックコート層
5の厚さとしては、0.1〜0.6μmであることが好
ましい。針状非磁性顔料含有バックコート層5の厚さが
薄すぎる場合、機械的強度の補強効果が発揮されず、ま
た、厚すぎる場合、針状非磁性顔料含有バックコート層
5自体ににクラックが生じ易くなる。
【0095】添加剤 添加剤としては、針状非磁性顔料含有バックコート層5
を形成する塗布液に、カーボンブラックや非磁性粉末等
を結合剤中に良好に分散させるために添加される分散剤
を挙げることができる。また、添加剤としては、必要に
応じて添加される、可塑剤、カーボンブラック以外の導
電性粒子(帯電防止剤)、防黴剤等を挙げることができ
る。
【0096】分散剤としては、例えば、カプリル酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、
リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸等の炭素数1
2〜18個の脂肪酸(RCOOH、Rは炭素数11〜1
7個のアルキル基、又はアルケニル基)、前記脂肪酸の
アルカリ金属又はアルカリ土類金属からなる金属石け
ん、前記の脂肪酸エステルのフッ素を含有した化合物、
前記脂肪酸のアミド、ポリアルキレンオキサイドアルキ
ルリン酸エステル、レシチン、トリアルキルポリオレフ
ィンオキシ第四級アンモニウム塩(アルキルは炭素数1
〜5個、オレフィンは、エチレン、プロピレンなど)、
硫酸塩、及び銅フタロシアニン等を使用することができ
る。これらは、単独でも組み合わせて使用しても良い。
特に、針状非磁性顔料含有バックコート層5には、オレ
イン酸銅、銅フタロシアニン、及び硫酸バリウムを組み
合わせて使用することが好ましい。また、分散剤は、結
合剤樹脂100重量部に対して0.5〜20重量部の範
囲で添加される。
【0097】第2の実施の形態 本実施の形態として示す磁気記録媒体は、図5に示すよ
うに、非磁性支持体1と、この非磁性支持体1の一主面
1a上に成膜された金属磁性膜4及び非磁性支持体1の
他主面1b上に形成された電子線感応性樹脂含有バック
コート層6を備えるものである。また、この磁気記録媒
体において、非磁性支持体1は、芳香族ポリアミドフィ
ルムからなる。また、図6に本発明を適用した磁気記録
媒体の他の構成例を示す。図6に示した磁気記録媒体で
は、非磁性支持体1を2層構造により構成している。
【0098】そして、この芳香族ポリアミドフィルム
は、長手方向と直交する方向、すなわち幅方向における
200℃の熱収縮率が1.5〜2.5%となっている。
【0099】以下、第2の実施の形態について説明する
が、非磁性支持体1及び金属磁性膜4、並びにこれら各
層に用いられる結合材及び添加剤に関しては、第1の実
施の形態と同じため説明を省略し、電子線感応性樹脂含
有バックコート層6に関して詳述する。
【0100】電子線感応性樹脂含有バックコート層6 本発明に係る電子線感応性樹脂含有バックコート層6
は、電子線により重合可能な化合物を含有する層を電子
線照射することによって得られる層である。
【0101】電子線による重合が可能な化合物とは、電
子線による重合が可能な不飽和結合を有する化合物で、
例えば、ビニルないしビニリデン炭素−炭素二重結合を
好ましくは複数個有する化合物であり、アクリロイル
基、アクリルアミド基、アリル基、ビニルエーテル基、
ビニルチオエーテル基等を含む化合物及び不飽和ポリエ
ステル等の化合物である。
【0102】特に好ましくは、上記の不飽和結合を有す
る化合物としてアクリロイル基、メタクロイル基を直鎖
の両末端に有し、骨格がポリエステル、ポリウレタン、
エポキシ樹脂、ポリエーテル、ポリカーボネートである
化合物が挙げられる。また、これらの化合物の分子量
は、約500〜20,000であることが好ましい。
【0103】更に、これらの化合物には不飽和の炭素−
炭素結合を分子内に有するモノマを添加することができ
る。かかるモノマとしては、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、アクリル酸メチル及びその同族
体であるアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸メ
チル及びその同族体であるメタクリル酸アルキルエステ
ル、スチレン及びその同族体であるα−メチルスチレ
ン、β−クロルスチレン等、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、アクリロアミド、メタクリルアミド、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。また、
分子内に不飽和結合が2個以上有していても良い。特
に、ポリオールの不飽和エステル類、例えばエチレンジ
アクリレート、ジエチレングリコールジアリレート、グ
リセロールトリメタクリレート、エチレンジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等、
及びエポキシ環を有するグリシジルメタクリレート等が
好ましい。また、分子内に不飽和結合が1個有する化合
物と分子内に不飽和結合を2個以上有する化合物とを混
合しても良い。
【0104】モノマを添加する場合、ポリマとモノマと
の混合比率は、ポリマ/モノマ=2/8以上であること
が好ましい。ポリマ/モノマ=2/8未満であると電子
線感応性樹脂含有バックコート層6を硬化させる際に多
大なエネルギーが必要となる。
【0105】電子線加速器としては、バンデグラーフ型
のスキャニング方式、ダブルスキャニング方式あるいは
カーテンビーム方式を採用することができる。その中で
も、カーテンビーム方式は、比較的安価で大出力が得ら
れるため好ましい。電子線特性としては、加速電圧が1
00〜1000KV、好ましくは150〜300KVで
あり、吸収線量として0.5〜20メガラッド好ましく
は2〜10メガラッドである。加速電圧が100KVよ
り小さい場合は、エネルギーの透過量が不足し、100
0KVを超えると重合に使われるエネルギー効率が低下
し経済的ではない。また、吸収線量として、0.5メガ
ラッド未満では硬化反応が不十分で、所望の塗膜強度が
得られず、また、20メガラッドを超えると電子線感応
性樹脂含有バックコート層の硬化に使用されるエネルギ
ー効率が低下したり、被照射体が発熱し、特に非磁性支
持体が変形するので好ましくない。
【0106】本発明の電子線感応性樹脂含有バックコー
ト層6には、通常の結合材を単独あるいは混合して加え
ても良い。ここで、結合材としては、例えば塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレ
イン酸共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル
酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エ
ステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステ
ル−スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フ
ェノキシ樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−ア
クリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリ
ル−メタクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、セ
ルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ
エステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、尿素−ホルムアル
デヒド樹脂等が挙げられる。
【0107】また、本発明の電子線感応性樹脂含有バッ
クコート層6は、無機顔料粉末を必要に応じて添加する
ことができる。無機顔料粉末としては、カーボンブラッ
ク、グラファイト、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウ
ム、タルク、カオリン、酸化クロム、硫化カドミウム、
ゲータイト、シリカアエロジル、無水アルミナ微粉末、
炭酸カルシウム、二硫化モリブデン等を用いることがで
きる。
【0108】また、電子線感応性樹脂含有バックコート
層6内には必要に応じて帯電防止剤、潤滑剤等を含有さ
せることも可能である。
【0109】更に、電子線感応性樹脂含有バックコート
層6の厚さとしては、0.1〜0.6μmであることが
好ましい。
【0110】
【実施例】以下、上述した磁気記録媒体の具体的な実施
例及び比較例を記載し、本発明を更に具体的に説明す
る。実施例1乃至実施例5及び比較例1乃至比較例5
は、第1の実施の形態に対応するものであり、実施例6
乃至実施例10及び比較例6乃至比較例10は、第2の
実施の形態に対応するものである。なお、本実施例にお
ける種々の物性値及び特性は以下に示す方法により測定
したものである。
【0111】<芳香族ポリアミドフィルムの熱収縮率の
測定>芳香族ポリアミドフィルムの熱収縮率を測定する
際には、先ず、測定対象サンプルを幅10mm、長さ3
00mmに裁断し、裁断されたサンプル表面に200m
m間隔でマーキングする。次に、150℃あるいは20
0℃に設定された熱風循環式炉にて、サンプルに対して
1kgf/mm2の荷重下で10分間熱収縮させる。そ
して、熱収縮後、サンプル表面のマーキングの間隔を測
定し、熱収縮率を算出した。
【0112】<芳香族ポリアミドフィルムのヤング率の
測定>芳香族ポリアミドフィルムのヤング率は、25
℃、65%RHの条件下で、テンシロン型の引っ張り試
験機器を使用して測定した。
【0113】<カッピングの測定>カッピングの測定
は、図7に示すような光学顕微鏡40を有するカッピン
グ測定装置を用いて行った。このカッピング測定装置で
は、先ず、所定のテンションが負荷された磁気テープ4
1を一対のロール42に掛け渡す。次に、光学顕微鏡4
0(倍率100倍)を駆動手段43にて、磁気テープ4
1の幅方向の中心部又は両端部に位置決めする。そし
て、このカッピング測定装置では、光学顕微鏡40が上
下方向に駆動することによって、磁気テープ41の幅方
向の中心部あるいは両端部において、それぞれ焦点を合
わせる。このとき、カッピング測定装置では、光学顕微
鏡40の上下駆動に連動するマイクロメータ44にて、
磁気テープ41の幅方向の中心部と両端部との高さ違い
を測定する。
【0114】このとき、金属磁性膜を凸とする状態を負
のカッピングとし、逆に、金属磁性膜を凹とする状態を
正のカッピングとする。
【0115】<テープ特性>実施例及び比較例における
磁気記録媒体の特性評価は、ソニー株式会社製のAIT
ドライブSDX−S300C(商品名)を改造したもの
を用いて行った。記録は、相対速度10.04m/se
c、最短記録波長0.35μmで行った。
【0116】走行耐久性 走行耐久性を評価する際には、先ず、長さが170mの
磁気テープを1000パス走行させ、1パス走行後のエ
ラーレート及び1000パス走行後のエラーレートを測
定した。そして、これら測定値を比較することによっ
て、走行耐久性を評価した。
【0117】ヘッドとの当たり特性 ヘッドとの当たり特性を評価する際には、先ず、磁気テ
ープ再生時の出力信号(当たり波形)を1トラック分で
見た場合の出力信号を測定した。そして、この出力信号
の最小値(MIN)/最大値(MAX)の値(%)を算
出することによって、ヘッドとの当たり特性を評価し
た。なお、ヘッドとの当たり特性は、1パス走行後及び
1000パス走行後について測定した。
【0118】以下まず、実施例1乃至実施例5及び比較
例1乃至比較例5について説明する。
【0119】実施例1 先ず、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中で平均
粒径0.1μmの乾式シリカ粒子を分散させたスラリを
用意した。
【0120】次に、重合槽にNMPと上記スラリを仕込
み、この中に芳香族ジアミン成分として80モル%に相
当する2−クロルパラフェニレンジアミンと、20モル
%に相当する4、4’−ジアミノジフェニルエ−テルと
を溶解させ、これに100モル%に相当する2−クロル
テレフタル酸クロリドを添加し、2時間攪拌して重合を
完了した。これを水酸化リチウムで中和してポリマ溶液
を得た。なお、粒子の含有量は芳香族ポリアミドに対し
て0.1wt%であった。
【0121】このポリマ溶液は、ポリマ濃度が10重量
%、30℃での溶液粘度を3000ポイズに調整して製
膜原液とした。
【0122】そして、これら製膜原液を5μmカットの
フィルタ−を通した後、150℃とされた金属ベルト上
に流延し、150℃の熱風で加熱を行って溶媒を蒸発さ
せ、自己保持性を得たフィルムをベルトから連続的に剥
離した。
【0123】次に、NMPの濃度勾配をつけた水槽内へ
フィルムを導入して残存溶媒と中和で生じた無機塩の水
抽出を行い、テンターで水分の乾燥と熱処理を行った。
この間にフィルム長手方向と幅方向に各々1.2倍、
1.4倍延伸を行い、300℃で1.5分間乾燥と熱処
理を行った後、20℃/秒の速度で徐冷し、厚み3.5
μmの非磁性支持体を得た。
【0124】次に、このようにして作製された非磁性支
持体を用いて、下記のような手法にて、磁気テープ原反
を作製した。
【0125】すなわち、図3に示したような連続巻き取
り式の蒸着装置11を、その内部が10-3Pa程度の真
空状態となるように排気し、上記の非磁性支持体を、こ
の蒸着装置にセッティングした。そして、連続真空斜め
蒸着法により、微量の酸素存在下において、非磁性支持
体の一主面1a上にCoからなる金属磁性膜4を形成し
た。蒸着の入射角は、非磁性支持体の法線方向が90〜
45度までであり、非磁性支持体の走行速度が50m/
分で、金属磁性膜の厚さが0.18μmとなるように、
電子ビームの強さを調節して作製した。
【0126】次に、ECRプラズマエッチング装置の内
部をArガスにより0.4Pa程度にした。そして、E
CRプラズマエッチング装置に金属磁性膜を形成した非
磁性支持体をセッティングし、ECRプラズマエッチン
グを施すことにより強磁性金属薄膜上に形成された表面
酸化層を約5nmまで薄膜化させた。また、この時、E
CRプラズマエッチング装置の投入パワーは、300K
wとした。
【0127】次に、図4に示したようなマグネトロンス
パッタリング装置を、その内部が10-4Pa程度になる
まで減圧した後、Arガスを導入し、0.8Pa程度に
した。そして、このマグネトロンスパッタリング装置に
金属磁性膜が形成された非磁性支持体をセッティング
し、−40℃に冷却した冷却キャン上を5m/分の速度
で走行させて金属磁性膜上にカーボン保護膜を形成し
た。
【0128】次に、下記の組成に準じて針状非磁性顔料
を含有するバックコート塗料を調製した。
【0129】 <バックコート塗料組成> ゲータイト(長軸0.2μm、アスペクト比30) 100重量部 カーボンブラック(旭社製,#50) 50重量部 ポリエステルポリウレタン 100重量部 (日本ポリウレタン(株)製 商品名N−2304) 溶剤:メチルエチルケトン 500重量部 トルエン 500重量部 そして、調製されたバックコート塗料を、非磁性支持体
の金属磁性膜4が成膜された面とは反対側の面に塗布、
乾燥することで厚さ0.4μmの針状非磁性顔料含有バ
ックコート層5を形成した。
【0130】次に、針状非磁性顔料含有バックコート層
5を形成した後、200℃に加熱されたロールに金属磁
性膜4を接触させながら、100m/minの速度で走
行させた。
【0131】その後、カーボン保護膜上に、パーフルオ
ロポリエーテルよりなる潤滑剤のトップコート層を10
mg/m2となるように塗布した。
【0132】このようにして非磁性支持体1上に金属磁
性膜4及び針状非磁性顔料含有バックコート層5が形成
されてなるテープ原反を、8mm幅にスリットした後に
カセット本体に収納してカセットテープを作製した。
【0133】実施例2 実施例2では、芳香族ポリアミドフィルムを作製する際
の熱処理温度を290℃としたこと以外は、実施例1と
同様にしてカセットテープを作製した。
【0134】実施例3 実施例3では、芳香族ポリアミドフィルムを作製する際
の熱処理温度を280℃としたこと以外は、実施例1と
同様にしてカセットテープを作製した。
【0135】実施例4 実施例4では、針状非磁性顔料含有バックコート層5形
成後の熱処理温度を250℃としたこと以外は、実施例
2と同様にしてカセットテープを作製した。
【0136】実施例5 実施例5では、芳香族ポリアミドフィルムを作製する際
の幅方向の延伸倍率を1.6倍とし、熱処理温度を32
0℃としたこと以外は、実施例1と同様にしてカセット
テープを作製した。
【0137】比較例1 比較例1では、実施例1において、針状非磁性顔料含有
バックコート層5の代わりに、下記に示す通常のバック
コート塗料を調製し、乾燥厚で0.4μmとなるバック
コート層を形成こと以外は、実施例1と同様にして磁気
テープを作製した。
【0138】 <バック塗料組成> カーボンブラック(旭社製、#50) 100重量部 ポリエステルポリウレタン 100重量部 (日本ポリウレタン(株)製 商品名N−2304) 溶剤:メチルエチルケトン 500重量部 トルエン 500重量部比較例2 比較例2では、針状非磁性顔料含有バックコート層5の
代わりに、比較例1で用いた通常の塗料を調製し、乾燥
厚で0.4μmとなるバックコート層を形成したこと以
外は、実施例2と同様にして磁気テープを作製した。
【0139】比較例3 比較例3では、針状非磁性顔料含有バックコート層5の
代わりに、比較例1で用いた通常の塗料を調製し、乾燥
厚で0.4μmとなるバックコート層を形成したこと以
外は、実施例3と同様にして磁気テープを作製した。
【0140】比較例4 比較例4では、針状非磁性顔料含有バックコート層5の
代わりに、比較例1で用いた通常の塗料を調製し、乾燥
厚で0.4μmとなるバックコート層を形成したこと以
外は、実施例4と同様にして磁気テープを作製した。
【0141】比較例5 比較例5では、針状非磁性顔料含有バックコート層5の
代わりに、比較例1で用いた通常の塗料を調製し、乾燥
厚で0.4μmとなるバックコート層を形成したこと以
外は、実施例5と同様にして磁気テープを作製した。
【0142】特性評価 上述したような実施例1乃至実施例5と比較例1乃至比
較例5に関して、上述したような物性の評価及び特性の
評価を行った。その結果を表1に示す。
【0143】
【表1】
【0144】表1に示したとおり、200℃の幅方向の
熱収縮率が1.5%〜2.5%である芳香族ポリアミド
フィルムを用い、針状非磁性顔料含有バックコート層5
を形成した実施例1乃至実施例5のサンプルに関しては
カッピングが極力低く抑えられており、また、ヘッド当
たりも良好なものとなっている。また、これらの実施例
1乃至実施例5では、1000パス走行後のエラーレー
トも低く抑えられている。
【0145】このことから、実施例1乃至実施例5に示
したように、200℃の幅方向の熱収縮率が1.5〜
2.5%である芳香族ポリアミドフィルムを用い、かつ
針状非磁性顔料含有バックコート層5を形成することに
よって、主面を高精度に平坦化することができ、ヘッド
との接触状態の良好な、高い走行耐久性を備えた磁気記
録媒体を得ることが可能となった。
【0146】また、実施例1乃至実施例4と実施例5と
を比較すると、実施例5と比較して、実施例1乃至実施
例4の方が良好な結果となっている。このことより、芳
香族ポリアミドフィルムにおいて、150℃の幅方向の
熱収縮率を0.5%以上の範囲に規定することによっ
て、更に、主面が平坦であって、ヘッドとの接触状態の
良好な、高い走行耐久性を備えた磁気記録媒体となるこ
とが分かった。
【0147】次に、実施例6乃至実施例10及び比較例
6乃至比較例10について説明する。
【0148】実施例6 先ず、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中で平均
粒径0.1μmの乾式シリカ粒子を分散させたスラリを
用意した。
【0149】次に、重合槽にNMPと上記スラリを仕込
み、この中に芳香族ジアミン成分として80モル%に相
当する2−クロルパラフェニレンジアミンと、20モル
%に相当する4、4’−ジアミノジフェニルエ−テルと
を溶解させ、これに100モル%に相当する2−クロル
テレフタル酸クロリドを添加し、2時間攪拌して重合を
完了した。これを水酸化リチウムで中和してポリマ溶液
を得た。なお、粒子の含有量は芳香族ポリアミドに対し
て0.1wt%であった。
【0150】このポリマ溶液は、ポリマ濃度が10重量
%、30℃での溶液粘度を3000ポイズに調整して製
膜原液とした。
【0151】そして、これら製膜原液を5μmカットの
フィルタ−を通した後、150℃とされた金属ベルト上
に流延し、150℃の熱風で加熱を行って溶媒を蒸発さ
せ、自己保持性を得たフィルムをベルトから連続的に剥
離した。
【0152】次に、NMPの濃度勾配をつけた水槽内へ
フィルムを導入して残存溶媒と中和で生じた無機塩の水
抽出を行い、テンターで水分の乾燥と熱処理を行った。
この間にフィルム長手方向と幅方向に各々1.2倍、
1.4倍延伸を行い、300℃で1.5分間乾燥と熱処
理を行った後、20℃/秒の速度で徐冷し、厚み3.5
μmの非磁性支持体1を得た。
【0153】次に、このようにして作製された非磁性支
持体1を用いて、下記のような手法にて、磁気テープ原
反を作製した。
【0154】すなわち、図3に示したような連続巻き取
り式の蒸着装置11を、その内部が10-3Pa程度の真
空状態となるように排気し、上記の非磁性支持体1を、
この蒸着装置にセッティングした。そして、連続真空斜
め蒸着法により、微量の酸素存在下において、非磁性支
持体の一主面1a上にCoからなる金属磁性膜4を形成
した。蒸着の入射角は、非磁性支持体1の法線方向が9
0〜45度までであり、非磁性支持体1の走行速度が5
0m/分で、金属磁性膜4の厚さが0.18μmとなる
ように、電子ビームの強さを調節して作製した。
【0155】次に、ECRプラズマエッチング装置の内
部をArガスにより0.4Pa程度にした。そして、E
CRプラズマエッチング装置に金属磁性膜4を形成した
非磁性支持体1をセッティングし、ECRプラズマエッ
チングを施すことにより強磁性金属薄膜上に形成された
表面酸化層を約5nmまで薄膜化させた。また、この
時、ECRプラズマエッチング装置の投入パワーは、3
00Kwとした。
【0156】次に、図4に示したようなマグネトロンス
パッタリング装置を、その内部が10-4Pa程度になる
まで減圧した後、Arガスを導入し、0.8Pa程度に
した。そして、このマグネトロンスパッタリング装置に
金属磁性膜4が形成された非磁性支持体1をセッティン
グし、−40℃に冷却した冷却キャン上を5m/分の速
度で走行させて金属磁性膜4上にカーボン保護膜を形成
した。
【0157】次に、下記の組成に準じて電子線感応性樹
脂を含有するバックコート塗料を調製した。
【0158】 <バックコート塗料組成> カーボンブラック(旭社製,#50) 100重量部 ポリウレタン樹脂 50重量部 エステルアクリレートオリゴマー 20重量部 ジエチレングリコールジアクリレート 20重量部 ブトシキエチルアクリレート 20重量部 メチルエチルケトン80%、トルエン20% 300重量部 そして、調製されたバックコート塗料を、非磁性支持体
の金属磁性膜4が成膜された面とは反対側の面に塗布
し、吸収線量が5メガラドになるように電子線を照射
し、厚さ0.4μmの電子線感応性樹脂含有バックコー
ト層6を形成した。
【0159】次に、電子線感応性樹脂含有バックコート
層6を形成した後、200℃に加熱されたロールに金属
磁性膜4を接触させながら、100m/minの速度で
走行させた。
【0160】その後、カーボン保護膜上に、パーフルオ
ロポリエーテルよりなる潤滑剤のトップコート層を10
mg/m2となるように塗布した。
【0161】このようにして非磁性支持体1上に金属磁
性膜4及び針状非磁性顔料含有バックコート層5が形成
されてなるテープ原反を、8mm幅にスリットした後に
カセット本体に収納してカセットテープを作製した。
【0162】実施例7 実施例7では、芳香族ポリアミドフィルムを作製する際
の熱処理温度を290℃としたこと以外は、実施例6と
同様にしてカセットテープを作製した。
【0163】実施例8 実施例8では、芳香族ポリアミドフィルムを作製する際
の熱処理温度を280℃としたこと以外は、実施例6と
同様にしてカセットテープを作製した。
【0164】実施例9 実施例9では、電子線感応性樹脂含有バックコート層6
形成後の熱処理温度を250℃としたこと以外は、実施
例7と同様にしてカセットテープを作製した。
【0165】実施例10 実施例10では、芳香族ポリアミドフィルムを作製する
際の幅方向の延伸倍率を1.6倍とし、熱処理温度を3
20℃としたこと以外は、実施例6と同様にしてカセッ
トテープを作製した。
【0166】比較例6 比較例6では、電子線感応性樹脂含有バックコート層6
の代わりに、下記に示す通常のバックコート塗料を調製
し、乾燥厚で0.4μmとなるバックコート層を形成し
たこと以外は、実施例6と同様にしてカセットテープを
作製した。
【0167】 <バックコート塗料組成> カーボンブラック(旭社製,#50) 100重量部 ポリエステルポリウレタン 100重量部 (日本ポリウレタン(株)製 商品名N−2304) 溶剤:メチルエチルケトン 500重量部 トルエン 500重量部比較例7 比較例7では、電子線感応性樹脂含有バックコート層6
の代わりに、比較例6で用いたバックコート塗料を調製
し、乾燥厚で0.4μmとなるバックコート層を形成し
たこと以外は、実施例7と同様にしてカセットテープを
作製した。
【0168】比較例8 比較例8では、電子線感応性樹脂含有バックコート層6
の代わりに、比較例6で用いたバックコート塗料を調製
し、乾燥厚で0.4μmとなるバックコート層を形成し
たこと以外は、実施例8と同様にしてカセットテープを
作製した。
【0169】比較例9 比較例9では、電子線感応性樹脂含有バックコート層6
の代わりに、比較例6で用いたバックコート塗料を調製
し、乾燥厚で0.4μmとなるバックコート層を形成し
たこと以外は、実施例9と同様にしてカセットテープを
作製した。
【0170】比較例10 比較例10では、電子線感応性樹脂含有バックコート層
6の代わりに、比較例6で用いたバックコート塗料を調
製し、乾燥厚で0.4μmとなるバックコート層を形成
したこと以外は、実施例10と同様にしてカセットテー
プを作製した。
【0171】特性評価 上述したような実施例6乃至実施例10と比較例6乃至
比較例10に関して、上述したような物性の評価及び特
性の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0172】
【表2】
【0173】表2に示したとおり、200℃の幅方向の
熱収縮率が1.5%〜2.5%である芳香族ポリアミド
フィルムを用い、電子線感応性樹脂を含有し、電子線照
射により硬化された電子線感応性樹脂含有バックコート
層6を形成した実施例6乃至実施例10のサンプルに関
しては、カッピングが極力低く抑えられており、また、
ヘッド当たりも良好なものとなっている。また、これら
の実施例6乃至実施例10では、1000パス走行後の
エラーレートも低く抑えられている。
【0174】このことから、実施例6乃至実施例10に
示したように、200℃の幅方向の熱収縮率が1.5%
〜2.5%である芳香族ポリアミドフィルムを用い、か
つ電子線感応性樹脂含有バックコート層6を形成するこ
とによって、主面を高精度に平坦化することができ、ヘ
ッドとの接触状態の良好な、高い走行耐久性を備えた磁
気記録媒体を得ることが可能となった。
【0175】また、実施例6乃至実施例9と実施例10
とを比較すると、実施例10と比較して、実施例6乃至
実施例9の方が良好な結果となっている。このことよ
り、芳香族ポリアミドフィルムにおいて、150℃の幅
方向の熱収縮率を0.5%以上の範囲に規定することに
よって、更に、主面が平坦であって、ヘッドとの接触状
態の良好な、高い走行耐久性を備えた磁気記録媒体とな
ることが分かった。
【0176】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係る磁気記録媒体では、芳香族ポリアミドフィルムの幅
方向における200℃の熱膨張率を所定の値に規定する
ことによって、熱処理等を施した場合であっても、カー
リングやカッピング等を発生させるようなことがなく優
れた形状安定性を有することとなる。したがって、この
磁気記録媒体は、ヘッドとの当たりが良好であって、優
れた走行安定性を有することとなる。
【0177】また、本発明に係る磁気記録媒体の製造方
法は、幅方向における200℃の熱収縮率が1.5〜
2.5%であるような非磁性支持体を用いているため、
熱履歴を加えた場合であっても、カーリングやカッピン
グ等を発生させることなく、磁気記録媒体の表面を高精
度に平坦に形成することができる。
【0178】更に針状非磁性顔料含有バックコート層を
形成することにより、薄物磁気記録媒体の強度が向上
し、繰り返し走行後においてもエラーレートの劣化や当
たり特性の劣化等が生じることなく、耐久性、信頼性に
優れた薄物磁気記録媒体が得られる。
【0179】また、本発明に係る磁気記録媒体では、針
状非磁性顔料含有バックコート層の代わりに電子線感応
性樹脂含有バックコート層を形成しても良く、電子線感
応性樹脂含有バックコート層を形成した場合においても
針状非磁性顔料含有バックコート層を形成した場合と同
様に耐久性、信頼性に優れた薄物磁気記録媒体が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】針状非磁性顔料含有バックコート層を用いた本
発明に係る磁気記録媒体の一構成例の要部断面図であ
る。
【図2】針状非磁性顔料含有バックコート層を用いた本
発明に係る磁気記録媒体の他の構成例の要部断面図であ
る。
【図3】金属磁性膜を成膜する際に用いられる連続巻き
取り式の真空蒸着装置の概略構成図である。
【図4】カーボン保護膜を形成する際に用いられるマグ
ネトロンスパッタ装置の概略構成図である。
【図5】電子線感応性樹脂含有バックコート層を用いた
本発明に係る磁気記録媒体の一構成例の要部断面図であ
る。
【図6】電子線感応性樹脂含有バックコート層を用いた
本発明に係る磁気記録媒体の他の構成例の要部断面図で
ある。
【図7】カッピング測定装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 非磁性支持体、4 金属磁性層、5 針状非磁性顔
料含有バックコート層、6 電子線感応性樹脂含有バッ
クコート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 33/00 606 B32B 33/00 606Z C23C 14/58 C23C 14/58 D G11B 5/64 G11B 5/64 5/735 5/735 5/84 5/84 Z (72)発明者 松村 伸一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 谷田貝 洋 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4D075 AE03 AE24 BB21Z BB47Z BB66Y BB93Z CA24 DA04 DB53 DC28 EA02 EA21 EC22 4F100 AA17C AA20H AA37 AA37H AB01B AB15 AC10H AK01D AK17 AK47A AK51 AK54 BA04 BA05 BA07 BA10C BA10D CA13D CA23 CC00D DE10D DE10H EH462 EH661 EJ151 EJ381 EJ423 EJ501 EJ533 EJ591 EJ601 EJ611 GB41 JA03A JB14D JG06B JG06D JG06H JK07A JK15 JL00 JL04 YY00A YY00B YY00D YY00H 4K029 AA11 AA25 BA06 BA34 BB02 BC06 BD11 CA01 DC39 FA05 GA02 JA10 KA03 5D006 BB01 BB07 CB03 CB06 CB07 CB08 CC01 CC02 CC03 EA03 FA05 5D112 AA02 AA05 AA08 AA11 AA22 BA01 BB01 BD01 BD08 FA02 GA20 GB01

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の一主面上に、少なくとも
    金属磁性膜が成膜されてなる磁気記録媒体において、 上記非磁性支持体は、芳香族ポリアミドフィルムからな
    り、幅方向における200℃の熱収縮率が1.5〜2.
    5%であり、 上記金属磁性膜は、当該金属磁性膜表面に形成された表
    面酸化層をエッチングされてなり、 上記非磁性支持体の上記金属磁性膜が成膜される側と反
    対側の他主面に、針状非磁性顔料含有バックコート層が
    成膜されることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記非磁性支持体は、幅方向における1
    50℃の熱収縮率が0.5%以上であることを特徴とす
    る請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記非磁性支持体は、多層構造からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記金属磁性膜の厚みが、0.05〜
    0.25μmであることを特徴とする請求項1記載の磁
    気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記非磁性支持体の厚みが、2.5〜
    5.0μmであることを特徴とする請求項1記載の磁気
    記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記非磁性支持体は、長さ方向のヤング
    率が1000kg/mm2以上であり、幅方向のヤング
    率が1300kg/mm2以上であることを特徴とする
    請求項1記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 上記針状非磁性顔料含有バックコート層
    の厚みが、0.1〜0.6μmであることを特徴とする
    請求項1記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 上記針状非磁性顔料含有バックコート層
    に含有される針状非磁性顔料のアスペクト比が10以上
    であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 非磁性支持体の一主面上に、少なくとも
    金属磁性膜が成膜されてなる磁気記録媒体の製造方法に
    おいて、 幅方向における200℃の熱収縮率が1.5〜2.5%
    である芳香族ポリアミドフィルムからなる非磁性支持体
    を用い、当該非磁性支持体の一主面上に上記金属磁性膜
    を成膜する工程と、 上記金属磁性膜を成膜した後、当該金属磁性膜表面に形
    成された表面酸化層をエッチングする工程と、 上記非磁性支持体の上記金属磁性膜が成膜される側と反
    対側の他主面に針状非磁性顔料含有バックコート層を成
    膜する工程と上記針状非磁性顔料含有バックコート層を
    成膜した後、熱履歴を加える工程とを有することを特徴
    とする磁気記録媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記非磁性支持体の上記金属磁性膜が
    成膜される側と反対側の他主面に上記針状非磁性顔料含
    有バックコート層を成膜した後、100℃〜250℃の
    熱処理を施すことを特徴とする請求項9記載の磁気記録
    媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】 非磁性支持体の一主面上に、少なくと
    も金属磁性膜が成膜されてなる磁気記録媒体において、 上記非磁性支持体は、芳香族ポリアミドフィルムからな
    り、幅方向における200℃の熱収縮率が1.5〜2.
    5%であり、 上記金属磁性膜は、当該金属磁性膜表面に形成された表
    面酸化層をエッチングされてなり、 上記非磁性支持体の上記金属磁性膜が成膜される側と反
    対側の他主面に電子線感応性樹脂含有バックコート層が
    成膜されることを特徴とする磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】 上記非磁性支持体は、幅方向における
    150℃の熱収縮率が0.5%以上であることを特徴と
    する請求項11記載の磁気記録媒体。
  13. 【請求項13】 上記非磁性支持体は、多層構造からな
    ることを特徴とする請求項11記載の磁気記録媒体。
  14. 【請求項14】 上記金属磁性膜の厚みが、0.05〜
    0.25μmであることを特徴とする請求項11記載の
    磁気記録媒体。
  15. 【請求項15】 上記非磁性支持体の厚みが、2.5〜
    5.0μmであることを特徴とする請求項11記載の磁
    気記録媒体。
  16. 【請求項16】 上記非磁性支持体は、長さ方向のヤン
    グ率が1000kg/mm2以上であり、幅方向のヤン
    グ率が1300kg/mm2以上であることを特徴とす
    る請求項11記載の磁気記録媒体。
  17. 【請求項17】 上記電子線感応性樹脂含有バックコー
    ト層の厚みが、0.1〜0.6μmであることを特徴と
    する請求項11記載の磁気記録媒体。
  18. 【請求項18】 非磁性支持体の一主面上に、少なくと
    も金属磁性膜が成膜されてなる磁気記録媒体の製造方法
    において、 幅方向における200℃の熱収縮率が1.5〜2.5%
    である芳香族ポリアミドフィルムからなる非磁性支持体
    を用い、当該非磁性支持体の一主面上に上記金属磁性膜
    を成膜する工程と、 上記金属磁性膜を成膜した後、当該金属磁性膜表面に形
    成された表面酸化層をエッチングする工程と、 上記非磁性支持体の金属磁性膜が成膜される側と反対側
    の他主面に電子線感応性樹脂含有バックコート層を成膜
    する工程と上記電子線感応性樹脂含有バックコート層に
    電子線照射を施す工程と上記電子線照射を施した後、熱
    履歴を加える工程とを有することを特徴とする磁気記録
    媒体の製造方法。
  19. 【請求項19】 上記非磁性支持体の上記金属磁性膜が
    成膜される側と反対側の他主面に上記電子線感応性樹脂
    含有バックコート層を成膜した後、100℃〜250℃
    の熱処理を施すことを特徴とする請求項18記載の磁気
    記録媒体の製造方法。
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