JP2003030817A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2003030817A
JP2003030817A JP2001215633A JP2001215633A JP2003030817A JP 2003030817 A JP2003030817 A JP 2003030817A JP 2001215633 A JP2001215633 A JP 2001215633A JP 2001215633 A JP2001215633 A JP 2001215633A JP 2003030817 A JP2003030817 A JP 2003030817A
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Jota Ito
条太 伊藤
Toshiaki Miura
利昭 三浦
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低いエラーレートと優れた走行耐久性とを両
立することが可能である。 【解決手段】 非磁性支持体1の一主面上に形成された
金属磁性薄膜からなる磁性層2と、上記非磁性支持体1
の他主面上に形成されたバックコート層3とを備え、上
記非磁性支持体1は、芳香族ポリアミドを有するととも
に、膜厚が3.0μm以上4.0μm以下の範囲内とさ
れ、上記バックコート層2は少なくともポリカーボネー
トポリウレタンを含有するとともに、膜厚が0.8μm
以上1.4μm以下の範囲内とされている。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、非磁性支持体の一
主面上に形成された金属磁性薄膜からなる磁性層と、上
記非磁性支持体の他主面上に形成されたバックコート層
とを備える磁気記録媒体に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、ミニコンピュータ、パーソナルコ
ンピュータ等のオフィスコンピュータの普及に伴って、
外部記憶媒体としてコンピュータデータを記録するため
の磁気テープ(いわゆる、テープストリーマー)の研究
が盛んに行われている。このような用途の磁気テープの
実用化に際しては、特にコンピュータの小型化、情報処
理能力の増大と相まって記録の大容量化、小型化を達成
するために記録容量の向上が強く要求される。一方、ビ
デオカセット用の磁気記録媒体としては、ビデオカセッ
トの小型化に伴い、より一層のコンパクト化と長時間記
録化が望まれている。 【0003】また、磁気テープの使用環境が多様化して
いるため、幅広い環境条件下(特に、変動の激しい温湿
度条件下など)での使用、データ保存に対する信頼性、
さらに高速での繰り返し使用による多数回走行における
データの安定した記録、読み出し等の性能に対する信頼
性等も従来にも増して要求されている。 【0004】一般に、磁気テープは、合成樹脂等の可撓
性材料からなる非磁性支持体上に、磁性層が形成されて
なる。磁気テープにおいて上述したような大きい記録容
量(体積記録容量)を達成するためには、磁性層を強磁
性金属薄膜にすることにより磁性層自体の記録密度を高
めるとともに、磁気テープの全厚を薄くすることが有効
な方法であるとされている。すなわち、磁気テープとし
ては、非磁性支持体上に、金属磁性薄膜を成膜してな
る、いわゆる蒸着テープが有効である。 【0005】この蒸着テープにおいて、非磁性支持体と
しては、ポリエステル、主としてポリエチレンテレフタ
レートフィルムが用いられている。特に、ホームビデオ
カセットテープ、例えば、8mmテープに用いられる非
磁性支持体としては、7μm〜10μm程度のポリエチ
レンテレフタレートフィルムが用いられ、コンピュータ
のデータバックアップ用のテープストリーマーには5μ
m〜7μm程度のポリエチレンフィルムが用いられてい
る。 【0006】また、ビデオテープに使用される磁気記録
媒体の記録時間を延長するための方法としては、例え
ば、特開平6−215350号公報に記載されるよう
に、非磁性支持体としてポリエステルを主成分とし、さ
らに具体的にはポリエチレンナフタレートを用いること
が好ましいとされている。 【0007】また、上述したようなポリエチレンテレフ
タレートやポリエチレンナフタレートに比べ強度が高い
ポリアミドを、非磁性支持体として用いる検討もなされ
ている。このポリアミドフィルムを非磁性支持体として
用いた磁気記録媒体は、強度が高いため、磁気記録媒体
の全厚を薄くすることが可能であり、ビデオカセットテ
ープの長時間記録化、及びテープストリーマーの大容量
化に対応した磁気記録媒体として注目されている。 【0008】近年、磁気記録媒体は、ビデオカセット等
に用いられる場合、ビデオカセット等の小型化に伴い、
より一層のコンパクト化と長時間記録とが要求されてい
る。また、昨今の情報量の増大化に伴い、テープストリ
ーマーにおいても、大容量化が要求されている。このた
め、上述したような非磁性支持体そのものの薄膜化が強
く要求されている。 【0009】ところで蒸着テープは、蒸着テープに力を
加えない状態において、テープ幅方向の形状が磁性層形
成面側に凹となる、いわゆる正のカッピングを生じる。
この正のカッピングは、非磁性支持体上に強磁性金属材
料を被着させる蒸着工程において、強磁性金属材料が凝
固する際に収縮することによって引き起こされる。 【0010】磁気テープに生じた正のカッピングの量
が、所定の限度を越えて大きくなると、磁気記録媒体と
磁気ヘッドとの接触状態、いわゆるヘッド当たりが悪く
なり、磁気記録媒体がドラムに巻き付く際に磁気記録媒
体の幅方向のエッジにダメージが入り易くなるといった
不都合を引き起こす。このため、蒸着工程の後に、磁気
テープの正のカッピングを、テープ幅方向の形状が磁性
層側が凸となる形状、すなわち負のカッピングに矯正す
る必要がある。 【0011】ポリエチレンテレフタレート及びポリエチ
レンナフタレートは、大きな熱収縮率を付与することが
可能な材料であるため、これらの材料を非磁性支持体と
して用いた磁気テープでは、蒸着工程の後で磁気テープ
に対して100℃〜150℃程度の熱を加えることによ
り、非磁性支持体がテープ幅方向に1%〜2%程度収縮
し、カッピングを好適な値に制御することが容易であ
る。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリア
ミドフィルムは、通常非磁性支持体として用いられるポ
リエステルフィルムと熱収縮率が異なる、すなわち蒸着
テープの製造工程で発生する熱履歴に対して反応が異な
るため、カッピングの制御が困難である。 【0013】言い換えると、ポリアミドフィルムは、そ
の物性及び製法上の問題から、通常非磁性支持体として
用いられるポリエステルフィルムに比べて熱収縮率を大
きくすることが困難である。このため、ポリアミドフィ
ルムを用いた磁気テープの正のカッピングを適当な負の
カッピングに矯正するために必要な、磁気テープの1%
〜2%程度の収縮を得るためには、磁気テープに対して
200℃以上の高温での熱処理が要求される。 【0014】ところが、この200℃以上の熱処理に起
因して、磁気テープのバックコート層が脱落する問題が
あり、これがいわゆるドロップアウトと呼ばれる記録抜
けを引き起こす原因となり、エラーレートが増加し、高
密度記録の障害になっている。 【0015】したがって、磁気テープに対して200℃
以上の高温での熱処理を回避することが求められてい
る。 【0016】そこで本発明はこのような従来の実情に鑑
みて提案されたものであり、低いエラーレートと優れた
走行耐久性とを両立することが可能な磁気記録媒体を提
供することを目的とする。 【0017】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持体の一
主面上に形成された金属磁性薄膜からなる磁性層と、上
記非磁性支持体の他主面上に形成されたバックコート層
とを備え、上記非磁性支持体は、芳香族ポリアミドを有
するとともに、膜厚が3.0μm以上4.0μm以下の
範囲内とされ、上記バックコート層は少なくともポリカ
ーボネートポリウレタンを含有するとともに、膜厚が
0.8μm以上1.4μm以下の範囲内とされているこ
とを特徴とする。 【0018】以上のように構成された磁気記録媒体で
は、非磁性支持体の磁性層が形成された側と反対側の主
面に、ポリカーボネートポリウレタンを含有するバック
コート層が膜厚0.8μm以上1.4μm以下の範囲内
で形成されているため、バックコート層が大きな収縮を
起こし、磁気テープのカッピングを好適な範囲内に制御
している。このため、非磁性支持体として熱収縮率の小
さい芳香族ポリアミドを用いた場合でも、適度な熱収縮
率を付与するための200℃以上の高温での熱処理が不
要となる。また、非磁性支持体の膜厚が3.0μm以上
4.0μm以下と薄くされているため、バックコート層
の膜厚を厚くした分、磁気テープ全厚の増大を抑えてい
る。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気記録媒体
について、図面を参照しながら詳細に説明する。 【0020】本発明を適用した磁気記録媒体は、図1に
示すように、非磁性支持体1と、この非磁性支持体1の
一主面上に成膜された金属磁性薄膜からなる磁性層2
と、非磁性支持体1の他主面上に形成されたバックコー
ト層3とを備えるものである。 【0021】非磁性支持体1は、芳香族ポリアミドフィ
ルムから構成されている。この非磁性支持体1は、芳香
族ポリアミドフィルムを用いることにより、引っ張り強
度などの物性において優れており、全体としての厚みが
非常に薄い場合でもポリエチレンテレフタレートやポリ
エチレンナフタレート等を厚くした場合と同等以上の強
度を有している。 【0022】この非磁性支持体1は、膜厚を3.0μm
以上4.0μm以下とすることにより、必要な強度が得
られるとともに、磁気記録媒体の厚みを薄くして大容量
化に対応させることができる。これに対して、非磁性支
持体の膜厚が3.0μm未満である場合、磁気記録媒体
の強度が弱くなったり、シワ等が入り易くなり、製造上
取り扱い難くなる。また、非磁性支持体の膜厚が4.0
μmを上回る場合、磁気記録媒体の全厚が過剰となるた
め、記録容量の向上を望めない。 【0023】非磁性支持体1として用いられる芳香族ポ
リアミドフィルムは、例えば、下記の化1及び/又は化
2で示される繰返し単位を有する芳香族ポリアミドを、
50%モル以上、好ましくは70モル%以上含有してい
る。 【0024】 【化1】 【0025】 【化2】 【0026】ここで、化1及び化2中のAr,Ar
及びArは、例えば下記の化3〜化7から選ばれる。 【0027】 【化3】 【0028】 【化4】【0029】 【化5】 【0030】 【化6】 【0031】 【化7】 【0032】なお、化6及び化7において、X及びY
は、−O−,−CH−,−CO−,−SO−,−S
−,−C(CH−等から選ばれるが、これに限定
されるものではない。また、上記化1及び化2で示され
る芳香族ポリアミドは、芳香環上の水素原子の一部が、
ハロゲン基(特に、塩素)、ニトロ基、炭素数1〜3の
アルキル基(特に、メチル基)、炭素数1から3のアル
コキシ基等の置換基で置換されているものであってもよ
く、また、重合体を構成するアミド結合中の水素が他の
置換基によって置換されていてもよい。 【0033】また、芳香族ポリアミドフィルムは、剛性
を高くする観点から、芳香環がパラ位で結合されたもの
が全芳香環の60%以上示す重合体であることが好まし
く、80%以上を占める重合体であることがより好まし
い。また、吸湿性を小さくする観点から芳香環上の水素
原子の一部がハロゲン基(特に、塩素原子)、ニトロ
基、炭素数1〜3のアルキル基(特に、メチル基)、炭
素数1〜3のアルコキシ基等で置換された芳香環が全体
の30%以上を占める重合体であることが好ましい。 【0034】さらに、芳香族ポリアミドフィルムとして
は、化1及び/又は化2で示される繰返し単位を50モ
ル%以上含むものであって、50モル%未満は他の繰返
し単位、例えば、芳香族ポリイミド単位や他の芳香族ポ
リアミド単位などが共重合、又はブレンドしてなる重合
体を使用することができるが、全芳香族ポリアミド(ア
ラミド)を用いることが好ましい。 【0035】さらにまた、この非磁性支持体1において
は、芳香族ポリアミドフィルムの構成は複合構造であっ
てもよい。すなわち、この非磁性支持体1は、複数の芳
香族ポリアミドフィルムが積層されてなるようなもので
あってもよい。この場合、各層を構成する芳香族ポリア
ミドフィルムは、化1及び/又は化2で示される重合体
を主体とするものであれば、各層が同一組成であって
も、異なっていても差し支えない。しかしながら、生産
性の観点から、各層が同一組成である方が有利である。 【0036】また、この非磁性支持体1には、磁気記録
媒体の製造工程でのハンドリング性或いは磁性層2の表
面を適度な粗さにし、磁気記録媒体の高い走行耐久性を
得るため、不活性粒子を添加することが望ましい。 【0037】この非磁性支持体1中に添加される不活性
粒子としては、SiO、TiO、Al、Ca
SO、BaSO、CaCO、カ−ボンブラック、
ゼオライト、その他の金属微粉末等の無機粒子や、シリ
コン粒子、ポリイミド粒子、架橋共重合体粒子、架橋ポ
リエステル粒子、ポリテトラフルオロエチレン粒子等の
有機高分子等を使用することができる。なかでも、耐熱
性の観点からは、不活性粒子として上述した無機粒子を
使用することが好ましい。 【0038】この不活性粒子の添加方法としては、不活
性粒子を予め溶媒中に分散させて充分スラリー化した
後、重合用溶媒又は希釈用溶媒として使用する方法や、
原液を調製した後に直接添加する方法などがある。 【0039】また、この非磁性支持体1が複数の芳香族
ポリアミドフィルムからなる場合、各層に対して異なる
平均粒径を有する不活性粒子を添加することが好まし
い。具体的に、磁性層2が成膜される面を構成する芳香
族ポリアミドフィルムには、平均粒径が比較的小である
不活性粒子が添加され、磁性層2が成膜される面とは反
対側の面を構成する芳香族ポリアミドフィルムには、平
均粒径が比較的大である不活性粒子が添加されることが
好ましい。 【0040】このように、磁性層2が成膜される側の芳
香族ポリアミドフィルムに平均粒径が比較的小の不活性
粒子を添加することによって、この磁性層2が成膜され
る面の表面粗さを低く抑えることができる。これによ
り、磁性層2が所望の表面性を有することとなり磁気記
録媒体の優れた電磁変換特性を確保することができ、ま
た、磁性層2の表面に粗大突起が形成されにくいため、
ドロップアウト等の発生を抑えることができ、磁気記録
媒体の走行安定性を確保することができる。 【0041】また、これに対して、磁性層2が成膜され
る面とは反対側の芳香族ポリアミドフィルムに平均粒径
が比較的大の不活性粒子を添加することによって、バッ
クコート層3が形成される面の表面粗さを比較的に大と
することができる。これにより、バックコート層3の表
面粗さを比較的に大とすることができ、製造工程におけ
るハンドリング特性を向上させることができる。 【0042】より具体的に、バックコート層3が形成さ
れる芳香族ポリアミドフィルムに含有される不活性粒子
の平均粒径は、0.05μm〜1.5μmであることが
好ましい。また、この芳香族ポリアミドフィルムに含有
される不活性粒子の添加量は、0.05wt%〜2.0
wt%であることが好ましく、さらには、0.1μm〜
1.0μmであることがより好ましい。 【0043】また、磁性層2が成膜される芳香族ポリア
ミドフィルムに含有される不活性粒子は、磁性層2表面
の平滑性と易滑性を向上させるため、平均粒径が、0.
03μm〜0.15μm、添加量が、0.01wt%〜
1wt%であることが好ましい。 【0044】さらに、この非磁性支持体1では、磁性層
2を成膜する一主面表面の表面粗さ(SRa)が1.5
nm〜5.0nmであることが好ましく、2.0nm〜
3.5nmであることがより好ましい。この表面粗さ
(SRa)は、芳香族ポリアミドフィルム中に添加され
る不活性粒子の大きさや添加量、又は非磁性支持体1の
層構成によって調節される。このように、磁性層2を成
膜する一主面表面の表面粗さ(SRa)を1.5nm〜
5.0nmとすることによって、磁気記録媒体の良好な
電磁変換特性と走行耐久性とを確保することができる。 【0045】さらに、この非磁性支持体1において、バ
ックコート層3の形成面側の表面の表面粗さ(SRa)
は、芳香族ポリアミドフィルム中に添加される不活性粒
子の大きさ及び添加量によって調節され、製造工程にお
けるハンドリング性の観点から、できるだけ大きい方が
好ましい。しかしながら、この表面粗さ(SRa)が大
きすぎると、磁性層2を成膜した後、巻き取ってロール
状にした際の裏移りの影響が大きくなるため、4nm〜
15nm、好ましくは5nm〜10nmとされる。 【0046】さらにまた、この非磁性支持体1は、磁性
層2が成膜される一主面側の表面に10〜10個/
mmの密度で突起が形成されていることが好ましい。
このように、一主面側の表面に10〜10個/mm
の密度で突起が形成されることによって、磁性層2の
表面性を所望の状態とすることができる。言い換える
と、一主面側の表面に10〜10個/mmの密度
で突起が形成されることによって、磁性層2の表面は、
所望の表面粗さを有することになる。これにより、磁気
記録媒体は、走行耐久性及び電磁変換特性に優れたもの
となる。 【0047】磁性層2は、金属磁性材料を例えばPVD
技術によって非磁性支持体1上に被着させてなる、いわ
ゆる金属磁性薄膜型の磁性層である。 【0048】磁性層2を形成する金属磁性材料として
は、従来公知の金属、合金をいずれも使用することがで
きる。例えば、Fe、Co、Ni等の金属や、FeN
i、CoNi、CoFe、CoNiFe、FeCoNi
B、CoCr、CoPt、CoPtB、FeNiB、C
oPtNi、CoCrPt、CoCrTa、CoCrP
tTa等の材料や、これらの材料を酸素雰囲気中で蒸着
し、層中に酸素を含有させたもの、又はこれらの材料に
1種或いは2種以上のその他の金属を含有させたもの、
さらには、Co−Al、CoPt−SiO等の
既存の強磁性金属合金を含み非固溶系磁性層を形成した
ものであってもよい。 【0049】磁性層2は、略真空下で金属磁性材料を加
熱蒸発させ、非磁性支持体1上に沈着させる真空蒸着法
や、金属磁性材料の蒸発を放電中で行うイオンプレーテ
ィング法、アルゴンを主成分とする雰囲気中でグロー放
電を起こし、アルゴンイオンでターゲット表面の原子を
叩き出すスパッタ法等、いわゆるPVD技術によって形
成される。 【0050】磁性層2が、特に面内磁化記録用の金属磁
性薄膜である場合には、予め非磁性支持体1の磁性層形
成面上に、Bi、Sb、Pb、Sn、Ga、In、G
e、Si、Ti等の低融点非磁性材料からなる下地層を
形成しておき、金属磁性材料を蒸着、又はスパッタし、
金属磁性薄膜中にこれらの低融点非磁性材料を拡散さ
せ、配向性を解消して面内等方性を確保するとともに保
磁力を向上するようにしてもよい。 【0051】また、磁性層2の膜厚は、0.12μm〜
0.23μm程度であることが好ましく、0.14μm
〜0.20μm程度であることがより好ましい。磁性層
2の膜厚を上述した範囲内とすることにより、短波長の
記録において信号出力に強く影響するスペーシングロス
が効果的に低減される。これに対して、磁性層2の膜厚
が0.23μmを上回ると、短波長の記録において厚み
損失が増大し、信号出力が低減する虞がある。 【0052】なお、磁性層2は単層膜又は多層膜のいず
れでもよい。なお、非磁性支持体1と磁性層2との間、
又は磁性層2が複数の金属磁性薄膜より形成されてなる
場合にはこれらの金属磁性薄膜間に、各層間の付着力向
上、保磁力の制御等を図るために任意の下地層や中間層
を形成してもよい。また、磁性層2の表面近傍は耐蝕性
の改善や機械的強度の向上を目的として酸化物層となっ
ているようにしてもよい。 【0053】バックコート層3は、少なくともポリカー
ボネートポリウレタンを含有するとともに、乾燥後の膜
厚が、0.8μm以上1.4μm以下とされている。バ
ックコート層3がこのような構成とされることで、顔料
の脱落が抑えられるとともに、バックコート層3の収縮
を制御し、磁気記録媒体の正のカッピングを適度な負の
カッピングに矯正することができる。これに対して、バ
ックコート層の膜厚が0.8μm未満である場合、バッ
クコート層の収縮が小さいため、正のカッピングの矯正
が不充分であり、ヘッド当たりの改善が不可能となる。
また、バックコート層の膜厚が1.4μmを上回る場
合、バックコート層の収縮が過剰となる。 【0054】バックコート層3が含有する非磁性顔料、
潤滑剤、防錆剤等としては、従来公知のものがいずれも
使用できる。 【0055】具体的な非磁性顔料としては、カーボン、
ヘマタイト、雲母、シリカゲル、酸化マグネシウム、硫
化亜鉛、炭化タングステン、窒化ホウ素、デンプン、酸
化亜鉛、カオリン、タルク、粘土、硫酸鉛、炭酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ベーム石(γ
−Al・HO)、アルミナ、硫化タングステ
ン、酸化チタン、ポリテトラフルオロエチレン粉末、ポ
リエチレン粉末、ポリ塩化ビニル粉末、金属粉等が挙げ
られる。 【0056】カーボンとしては、平均粒子サイズの異な
る二種類のものを使用することが好ましい。この場合、
その平均粒子サイズは、10μm〜20μmの微粒子状
カーボンブラックと平均粒子サイズが230μm〜30
0μmの粗粒子状カーボンブラックとを使用することが
好ましい。 【0057】一般に、上述したような微粒子状のカーボ
ンブラックの添加により、バックコート層3の表面電気
抵抗を低く設定でき、また光透過率も低く設定できる。
磁気記録の装置によっては、テープの光透過率を利用
し、動作の信号に使用しているものが多くあるため、こ
のような場合には特に、微粒子状のカーボンブラックの
添加は有効になる。 【0058】また、微粒子状カーボンブラックは、一般
に、潤滑剤に対する保持力に優れるため、潤滑剤を併用
することができ、その結果、摩擦係数を低減することが
可能となる。 【0059】一方、粒子サイズが230μm〜300m
μの粗粒子状カーボンブラックは、固体潤滑剤としての
機能を有しており、表面に微小突起を形成することとな
るため、接触面積を低減化して、摩擦係数を低減するこ
とが可能となる。しかし、粗粒子状のカーボンブラック
は、過酷な走行系では、テープ摺動により、バックコー
ト層からの脱落が生じ易くなり、エラーレートの増大に
つながる虞がある。 【0060】具体的に、微粒子状カーボンブラックとし
ては、以下のものを挙げることができる。RAVEN2
000B(18μm)、RAVEN1500B(17μ
m)(以上、コロンビアカーボン社製)、BP800
(17μm)(キャボット社製)、PRINNTEX9
0(14μm)、PRINTEX95(15μm)、P
RINTEX85(16μm)、PRINTEX75
(17μm)(以上、デグサ社製)、#3950(16
μm)(三菱化成工業(株)製)。また、粗粒子カーボ
ンブラックとしては、サーマルブラック(270μm)
(カーンカルブ社製)、RAVEN MTP(275μ
m)(コロンビアカーボン社製)を挙げることができ
る。 【0061】バックコート層3において、平均粒子サイ
ズの異なる2種類のものを使用する場合、10μm〜2
0μmの微粒子状カーボンブラックと230μm〜30
0μmの粗粒子状カーボンブラックの含有比率(重量
比)は、微粒子状カーボンブラック:粗粒子状カーボン
ブラック=98:2〜75:25の範囲が好ましく、さ
らに好ましくは、95:5〜85:15である。また、
バックコート層3におけるカーボンブラック(微粒子状
と粗粒子状を加えた場合においては、その全量)の含有
量は、結合剤100重量部に対して、通常30重量部〜
80重量部の範囲であり、好ましくは、45重量部〜6
5重量部の範囲である。 【0062】一方、無機質粉末は、特にモース硬度が5
〜9のものが用いられることにより磁気記録媒体に繰り
返し走行耐久性を付与し、バックコート層3を強化する
ことができる。これらの無機質粉末を前記のカーボンブ
ラックや炭酸カルシウムと共に使用すると、そのフィラ
ー効果により、バックコート層3が、繰り返し摺動に対
しても劣化が少なく、強いバックコート層3となる。 【0063】また、バックコート層3で使用する無機質
粉末を、モース硬度が5〜9と比較的高いものとする
と、バックコート層3の表面に適度の研磨力が生じ、ガ
イドポール等への付着が低減する。磁気記録媒体として
は、特に、バックコート層に炭酸カルシウムと無機質粉
末とを併用すると、表面の粗いガイドポール等に対して
の摺動特性が向上し、バックコート層3の摩擦係数の安
定化も図ることができる。なお、無機質粉末は、その平
均粒子サイズが80μm〜250μmの範囲のものであ
ることが好ましく、さらに好ましくは、100μm〜2
10μmの範囲のものである。 【0064】この無機質粉末としては、例えば、α−酸
化鉄、α−アルミナ、及び酸化クロム(Cr)を
挙げることができる。これらの無機質粉末は、それぞれ
単独で用いてもよいし、或いは併用してもよい。これら
の中では、α−酸化鉄又はα−アルミナが好ましい。モ
ース硬度が5〜9の無機質粉末の含有量は、カーボンブ
ラック100重量部に対して通常3重量部〜30重量部
であり、好ましくは、3重量部〜20重量部である。特
に、バックコート層3には、平均粒子サイズの異なる2
種類のカーボンブラックと前記粒子サイズの炭酸カルシ
ウムと、そして前記特定のモース硬度を有する無機質粉
末が含有されていることが好ましい。 【0065】バックコート層3には、潤滑剤を含有させ
ることができる。潤滑剤は、上述したように、例えば、
脂肪酸、或いは脂肪酸エステルを挙げることができる。
脂肪酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、オクタ
ン酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、アラキン
酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン
酸、及びパルミトレイン酸等の脂肪族カルボン酸又はこ
れらの混合物を挙げることができる。 【0066】また、脂肪酸エステルとしては、例えば、
ブチルステアレート、sec−ブチルステアレート、イ
ソプロピルステアレート、ブチルオレエート、アミルス
テアレート、3−メチルブチルステアレート、2−エチ
ルヘキシルステアレート、2−ヘキシルデシルステアレ
ート、ブチルパルミテート、2−エチルヘキシルミリス
テート、ブチルステアレートとブチルパルミテートの混
合物、オレイルオレエート、ブトキシエチルステアレー
ト、2−ブトキシ−1−プロピルステアレート、ジプロ
ピレングリコールモノブチルエーテルをステアリン酸で
アシル化したもの、ジエチレングリコールジパルミテー
ト、ヘキサメチレンジオールをミリスチン酸でアシル化
してジオールとしたもの、そしてグリセリンのオレエー
ト等の種々のエステル化合物を挙げることができる。こ
れらのものは、単独で、或いは組み合わせて使用するこ
とができる。 【0067】バックコート層3において、潤滑剤は、結
合剤樹脂100重量部に対して通常1重量部〜5重量部
の範囲で添加されることが好ましい。 【0068】また、バックコート層3は、上述したポリ
カーボネートポリウレタンの他、従来公知の結合剤を併
用することが可能である。結合剤としては、例えば熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物
等が挙げられる。 【0069】具体的な熱可塑性樹脂としては、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アク
リル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリ
ロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ス
チレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビ
ニルアセタール、及びビニルエーテルを構成単位として
含む重合体、又は共重合体等を挙げることができる。共
重合体としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、
塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−ア
クリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリ
ロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリ
デン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合
体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アク
リロニトリル−メタクリル酸共重合体、ポリビニルブチ
ラール、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル酸エ
ステル−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−ア
クリロニトリル共重合体、メタクリル酸エステル−塩化
ビニリデン共重合体、クロロビニルエーテル−アクリル
酸エステル共重合体等が挙げられる。また、熱可塑性樹
脂としては、フェノキシ樹脂、ポリ弗化ビニル、ポリエ
ステル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹
脂、繊維素系樹脂(セルロースアセテートブチレート、
セルロースダイアセテート、セルロースプロピオネー
ト、ニトロセルロース等のセルロース誘導体)、各種ゴ
ム系樹脂等が挙げられる。 【0070】また、熱硬化性樹脂又は反応型樹脂として
は、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポ
リウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹
脂、尿素樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、アクリル系反応
樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポ
リエステル樹脂とポリイソシアネートプレポリマーとの
混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネート
との混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートプレポ
リマーとの混合物等を例示できる。 【0071】上述したような結合剤には、より優れた分
散性と耐久性を向上させるために必要に応じて極性基を
導入することが好ましい。 【0072】極性基としては、−COOM、−SO
M、−OSOM、−P=O(OM) 、−O−P=
O(OM)(Mは水素原子、又はアルカリ金属塩基を
表わす。)、−OH、−NR、−N(Rは炭化
水素基を表わす。)、エポキシ基、−SH、−CNなど
から選ばれる少なくともひとつの極性基を共重合又は付
加反応で導入することが好ましい。このような極性基
は、10−1モル/g〜10 −8モル/g(さらに好ま
しくは、10−2モル/g〜10−6モル/g)の量で
導入されていることが好ましい。 【0073】また、バックコート層3は、ポリイソシア
ネート系硬化剤を含有することにより、磁気記録媒体の
耐久性を向上させることができる。 【0074】具体的なポリイソシアネートとしては、例
えば、トリレンジイソシアネート、4−4'−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−
1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメ
タントリイソシアネートなどのイソシアネート類、これ
らのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、及
びイソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシ
アネ−トを挙げることができる。 【0075】以上のように、金属磁性薄膜型の磁気記録
媒体において、非磁性支持体1は、芳香族ポリアミドを
有するとともに、膜厚が3.0μm以上4.0μm以下
の範囲内とされている。また、バックコート層3は、少
なくともポリカーボネートポリウレタンを含有するとと
もに、膜厚が0.8μm以上1.4μm以下の範囲内と
されている。 【0076】この磁気記録媒体においては、ポリカーボ
ネートポリウレタンを含有するバックコート層3が、特
定の膜厚で形成されているため、バックコート層3を形
成するために塗料を塗布し、塗料中の溶剤を揮発させる
ためのドライヤー中で熱を加えることにより、バックコ
ート層3が大きく収縮し、磁気記録媒体の正のカッピン
グを適度な負のカッピングとなるように矯正する。すな
わち、この磁気記録媒体は、磁気ヘッドとの良好な当た
りが確保されるとともに、走行時に磁気記録媒体の幅方
向のエッジにダメージが入りにくく、走行耐久性に優れ
たものとなる。 【0077】また、非磁性支持体1の主成分として芳香
族ポリアミドを用いた場合であっても、200℃以上の
熱処理を施すことなく正のカッピングを矯正できるた
め、バックコート層が剥離することが防止される。した
がって、磁気記録媒体は、バックコート層の剥離による
ドロップアウトの発生が減少し、低いエラーレートを達
成することができる。 【0078】ところで、従来の技術動向は、記録容量の
向上を図るために、磁気記録媒体の全厚を薄くする傾向
が一般的である。このため、従来のバックコート層の膜
厚は、0.5μm程度とされている。これに対して、本
発明を適用した磁気記録媒体においては、カッピングの
制御を目的として、バックコート層の膜厚を3.0μm
以上4.0μm以下と厚く設定しているため、磁気記録
媒体の全厚が厚くなり、記録容量の低下を招く虞があ
る。 【0079】そこで、本発明を適用した磁気記録媒体に
おいては、芳香族ポリアミドを主体とする非磁性支持体
1の膜厚が0.8μm以上1.4μm以下とされてい
る。非磁性支持体1が、従来の磁気記録媒体に用いられ
る非磁性支持体の膜厚に比べて薄い、特定の膜厚とされ
ているため、磁気記録媒体の全厚を増すことがない。し
たがって、この磁気記録媒体は、上述した低エラーレー
ト及び走行耐久性とともに、高い記録容量を実現するこ
とができる。 【0080】なお、通常、非磁性支持体の膜厚を薄くす
ると、磁気記録媒体にシワが入る等の製造上の不都合が
生じ易いが、この磁気記録媒体では、低エラーレート及
び繰り返し走行での信頼性の確保を最優先としている。
このため、本発明を適用した磁気記録媒体は、データス
トリーマー用途の磁気記録媒体として用いられて好適で
ある。 【0081】また、この磁気記録媒体は、磁性層2の摩
耗を防止するため、磁性層2上に、カーボン等からなる
保護層4を形成することが望ましい。 【0082】この保護層4は、スペーシングロスを小さ
くし、かつ、磁性層2の摩耗防止の効果を得ることがで
きるように、その厚さを3nm〜15nm程度、特に5
nm〜10nm程度とすることが好ましい。 【0083】また、この磁気記録媒体は、保護層4の表
面に潤滑剤を存在せしめることが好ましい。これによ
り、磁気記録媒体は、微細突起の形状に基づく走行性改
善効果をさらに高めることが可能である。 【0084】さらに、この磁気記録媒体は、その表面、
裏面、又はそれらの近傍或いは保護層4、磁性層2内の
空隙、保護層4と磁性層2との界面、磁性層2と非磁性
支持体1との界面、非磁性支持体1内等に、必要に応じ
て公知の手段で防錆剤、帯電防止剤、防かび剤等の各種
添加剤を存在せしめることができる。 【0085】つぎに、以上のような構成の磁気記録媒体
として、磁気テープの製造方法について図2に示すフロ
ーチャートを用いて説明する。 【0086】先ず、ステップS1において、非磁性支持
体1として用いられる芳香族ポリアミドフィルムを作製
する。 【0087】芳香族ポリアミドフィルムを作製する際に
は、先ず、芳香族ポリアミドをN−メチル−2−ピロリ
ドン(NMP)に溶解させてなる溶液を、温度100℃
〜200℃のベルト上に流延し、100℃〜250℃の
熱風で加熱を行い溶媒を蒸発させることにより自己保持
性を有するフィルムを得る。その後、このフィルムを、
長手方向、幅方向にそれぞれ1.0〜2.0倍に延伸し
ながら乾燥と熱処理を行うことによって、芳香族ポリア
ミドフィルムが作製される。 【0088】このとき、長手方向及び幅方向に延伸され
る際の延伸倍率及び熱処理条件等を調節することによっ
て、芳香族ポリアミドフィルムの長手方向及び幅方向の
ヤング率及び熱収縮率を制御することができる。 【0089】具体的に、非磁性支持体1は、長さ方向の
ヤング率が1000kg/mm以上であり、及び幅方
向のヤング率が1300kg/mm以上であることが
好ましい。このように、非磁性支持体1の厚み及びヤン
グ率を規定することによって、所望の強度が得られると
ともに、磁気記録媒体としての厚みを薄型化することが
可能となり、記録時間の長時間化及び記録量の大容量化
に対応させることができる。 【0090】なお、複数の芳香族ポリアミドフィルムを
積層するには、各層を構成する複数の原液を公知の方
法、例えば、特開昭56−162617号公報に記載さ
れるように、合流管で積層したり、口金内で積層して形
成することができる。 【0091】次に、ステップS2に示すように、膜厚
3.0μm以上4.0μm以下の範囲内とされた芳香族
ポリアミドを含有する非磁性支持体1上に、金属磁性薄
膜からなる磁性層2を形成する。このとき、磁性層2
は、例えば、図3に示すような連続巻き取り式の真空蒸
着装置等を用いて形成される。 【0092】この真空蒸着装置11は、いわゆる斜方蒸
着用として構成され、内部が例えば約10−3(Pa)
程度の真空状態とされた真空室12内に、例えば−20
℃程度に冷却され、図中の時計回り方向(矢印方向)に
回転する冷却キャン13と対向するように磁性層2用の
蒸着源14とが配置されている。 【0093】蒸着源14はルツボ等の容器にCo等の強
磁性金属材料が収容されたものであり、この蒸着源14
(強磁性金属材料)に対し、電子銃15から電子ビーム
16を加速照射して強磁性金属材料を加熱、蒸発させ、
これを図中の時計回り方向に回転する供給ロール18か
ら図中の矢印方向に繰り出され、冷却キャン13の周面
に沿って走行する非磁性支持体1上に付着(蒸着)させ
ることによって磁性層2を形成する。そして、磁性層2
が形成された非磁性支持体1は、巻取りロール19に巻
き取られる。 【0094】このとき、蒸着源14と冷却キャン13と
の間には防着板20を設け、この防着板20にシャッタ
21を位置調整可能に設けて、非磁性支持体1に対して
所定の角度で入射する蒸着粒子のみを通過させる。こう
して斜め蒸着法によって磁性層2が形成されるようにな
されている。 【0095】なお、供給ロール18と冷却キャン13と
の間、及び冷却キャン13と巻取りロール19との間に
はそれぞれガイドローラー22、23が配置され、供給
ロール18から冷却キャン13、及びこの冷却キャン1
3から巻取りロール19に従って走行する非磁性支持体
1に所定のテンションをかけ、非磁性支持体1が円滑に
走行するようになされている。 【0096】さらに、このような磁性層2の蒸着に際
し、図示しない酸素ガス導入口を介して非磁性支持体1
の表面に酸素ガスが供給され、これによって磁性層2の
磁気特性、耐久性及び耐候性の向上が図られている。ま
た、蒸着源14を加熱するためには、上述のような電子
ビームによる加熱手段の他、例えば、抵抗加熱手段、高
周波加熱手段、レーザ加熱手段等の公知の手段を使用で
きる。 【0097】以上は、斜め蒸着法によりCo等からなる
強磁性金属材料を用いて成膜する例について説明した
が、強磁性金属材料を用いて成膜する方法としては、こ
の例の他に垂直蒸着法やスパッタリング法等の公知の薄
膜形成法が適用できる。ただし、非磁性支持体1との付
着強度改善、或いは金属磁性薄膜自体の耐性、耐摩耗性
改善等の目的から、蒸着時の雰囲気を酸素ガスが支配的
となる雰囲気としたとき得られる酸素を含む磁性層2を
使用することが望ましい。 【0098】次に、ステップS3に示すように、磁性層
2上に、カーボンからなる保護層4を形成する。このと
き、保護層4は、例えば、図4に示すようなマグネトロ
ンスパッタ装置を用いて形成される。 【0099】このマグネトロンスパッタ装置30は、外
側が真空チャンバ31にて覆われている。そして、チャ
ンバ31内は、真空ポンプ32にて約10−4(Pa)
まで減圧された後、真空ポンプ32側へ排気するバルブ
33の角度を全開状態から10度まで絞ることにより排
気速度を落とし、ガス導入管34からArガスを導入し
て、真空度が約0.8Paとされる。 【0100】マグネトロンスパッタ装置30は、このチ
ャンバ31内に、例えば−40℃程度に冷却され、図中
の時計回り方向(矢印方向)に回転する冷却キャン35
と、この冷却キャン35と対向配置されるターゲット3
6とがそれぞれ設けられている。 【0101】ターゲット36は、保護層4の材料となる
ものであり、例えばカーボンからなる。このターゲット
36は、カソード電極を構成するバッキングプレート3
7に支持されている。そして、バッキングプレート37
の裏側には、磁場を形成するマグネット38が配設され
ている。このマグネトロンスパッタ装置30により保護
層4を形成する際は、ガス導入管34からArガスを導
入するとともに、冷却キャン35をアノード、バッキン
グプレート37をカソードとして約3000(V)の電
圧を印加し、1.4Aの電流が流れる状態を保つように
する。 【0102】この電圧の印加により、Arガスがプラズ
マ化し、電離されたイオンがターゲット36に衝突する
ことにより、ターゲット36の原子がはじき出される。
このとき、バッキングプレート37の裏側にはマグネッ
ト38が配設されており、ターゲット36の近傍に磁場
が形成されるので、電離されたイオンはターゲット36
の近傍に集中されることになる。 【0103】ターゲット36からはじき出された原子
は、図中の時計回り方向に回転する供給ロール39から
図中の矢印方向に繰り出され、冷却キャン35の周面に
沿って走行する磁性層2が成膜された非磁性支持体1上
に付着し、保護層4が形成される。そして、保護層4が
形成された非磁性支持体1は、巻取りロール41に巻き
取られる。 【0104】以上、マグネトロンスパッタ法により保護
層4を形成する例について説明したが、保護層4を形成
する方法としては、この例の他に、イオンビームスパッ
タやイオンビームプレーティング法、CVD法等の公知
の薄膜形成方法を用いることができる。 【0105】次に、ステップS4に示すように、非磁性
支持体1の磁性層2が形成された面とは反対側の主面上
に、バックコート層3を形成する。 【0106】バックコート層3を形成するためには、先
ず、結合剤として少なくともポリカーボネートポリウレ
タンと、非磁性顔料とを、溶剤に分散させて塗料を調製
する。次に、この塗料を、乾燥後の膜厚が0.8μm以
上1.4μm以下の範囲内となるように、非磁性支持体
1上に塗布する。 【0107】このとき用いる溶剤としては、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサン等のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエ
ステル等のエステル系溶剤、グリコールジメチルエーテ
ル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等のグ
リコールエーテル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチレンクロライド、エ
チレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレ
ンクロルヒドリン、ジクロロベンゼン等の有機塩素化合
物系溶剤等が挙げられる。 【0108】次に、ドライヤーによって非磁性支持体1
及び塗料に熱を加えることにより、塗料中の溶剤を蒸発
させ、バックコート層3を形成する。非磁性支持体1上
に磁性層2が形成されただけの状態では、磁気テープは
金属磁性材料の凝縮によって正のカッピングとなってい
るが、バックコート層の塗料を所定の膜厚となるように
塗布するとともに、塗料を乾燥させるためのドライヤー
温度を適宜制御することにより、磁気テープを好適な範
囲の負のカッピングとすることができる。 【0109】次に、ステップS5に示すように、保護層
4上に潤滑剤を溶剤に溶解してなる溶剤を塗布し、磁気
記録媒体の最表層に潤滑剤を保持させる。 【0110】次に、ステップS6に示すように、磁気記
録媒体の原反を所定幅に裁断することにより、磁気テー
プを得る。 【0111】最後に、ステップS7に示すように、得ら
れた磁気テープを必要に応じてカートリッジに組み込む
ことにより、カセットテープが得られる。 【0112】以上説明したように、本発明を適用した磁
気記録媒体は、非磁性支持体として芳香族ポリアミドを
用い、非磁性支持体の膜厚が所定の範囲内とされ、バッ
クコート層が少なくともポリカーボネートポリウレタン
を含有するとともに、バックコート層の膜厚が所定の範
囲内とされている。このため、磁気記録媒体は、200
℃を上回る高温での熱処理を施すことなく、カッピング
が好適な範囲内に制御され、優れた耐久性と低エラーレ
ートとを両立するとともに、高記録容量を実現すること
ができる。 【0113】本発明は上述の記載に限定されることはな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可
能である。 【0114】 【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、実験結果に基づいて説明する。 【0115】〔ポリアミドフィルムの作製〕先ず、N−
メチル−2−ピロリドン(NMP)中に平均粒径0.1
μmの乾式シリカ粒子を分散させてなるスラリーを用意
した。 【0116】次に、重合槽にNMPとスラリーとを仕込
み、この中に芳香族ジアミン成分として80モル%に相
当する2−クロルパラフェニレンジアミンと、20モル
%に相当する4、4'−ジアミノジフェニルエ−テルと
を溶解させ、これに100モル%に相当する2−クロル
テレフタル酸クロリドを添加し、2時間撹拌して重合を
完了した。これを水酸化リチウムで中和してポリマー溶
液を得た。なお、粒子の含有量は、芳香族ポリアミドに
対して0.1wt%であった。 【0117】このポリマー溶液を、ポリマー濃度を10
重量%、30℃での溶液粘度を3000ポイズに調整す
ることにより、製膜原液とした。 【0118】そして、これら製膜原液を5μmカットの
フィルタ−を通した後、150℃とされた金属ベルト上
に流延し、150℃の熱風で加熱を行って溶媒を蒸発さ
せ、自己保持性を得たフィルムをベルトから連続的に剥
離した。 【0119】次に、NMPの濃度勾配をつけた水槽内へ
フィルムを導入して残存溶媒及び中和で生じた無機塩の
水抽出を行い、テンターで水分の乾燥と熱処理とを行っ
た。この間にフィルム長手方向と幅方向とに各々1.2
倍、1.4倍延伸を行い、熱固定温度を310℃とし、
1.5分間乾燥を行った後、20℃/秒の速度で徐冷
し、非磁性支持体となるポリアミドフィルムを得た。 【0120】この際に、製膜原液の流延量を変化させる
ことで、膜厚が2.5μm、3.0μm、3.5μm、
4.0μm及び4.5μmの5種類のポリアミドフィル
ムの成膜を行った。 【0121】このようにして作製したポリアミドフィル
ムの熱収縮率を次のようにして測定を行った。先ず、測
定対象サンプルとしてポリアミドフィルムを幅10m
m、長さ300mmに裁断し、裁断されたサンプル表面
に200mm間隔でマーキングした。次に、180℃に
設定された熱風循環式炉にて、サンプルに対して荷重を
加えずに上端を固定して30分間熱収縮させた。そし
て、熱収縮後、サンプル表面のマーキングの間隔を測定
し、熱収縮率を算出した。その結果、いずれのサンプル
においても熱収縮率は1.0%を示した。 【0122】〔磁性層の形成〕つぎに、上述したように
作製されたポリアミドフィルム上に、真空蒸着法により
磁性層を形成した。 【0123】すなわち、図3に示すような連続巻き取り
式の真空蒸着装置の真空室内を10 −3(Pa)程度に
排気し、非磁性支持体としてポリアミドフィルムをセッ
ティングした。次に、連続真空斜め蒸着法により、微量
の酸素存在下においてポリアミドフィルム表面にCoか
らなる磁性層を形成した。蒸着の際の入射角は、非磁性
支持体の法線方向に対して90°〜45°の範囲内であ
り、非磁性支持体の走行速度を50m/分とし、磁性層
の厚さが0.18μmとなるように、電子ビームの強さ
を調節した。 【0124】ただし、上述非磁性支持体のうち、膜厚
2.5μmのポリアミドフィルムについては、蒸着時に
加わる熱のためにポリアミドフィルムの溶解が起こり、
これ以上のサンプルテープの作製ができなかった。な
お、この非磁性支持体の膜厚が2.5μmであるもの
を、サンプル1とする。よって、以降のプロセスの処理
を行ったのは膜厚3.0μm、3.5μm、4.0μm
及び4.5μmの3種類のポリアミドフィルムを使用し
たテープについてのみである。 【0125】〔保護層の形成〕つぎに、磁性層上に保護
層を形成した。 【0126】すなわち、図4に示すようなマグネトロン
スパッタリング装置の真空チャンバ内を10−4(P
a)程度になるまで減圧した後、真空チャンバにArガ
スを導入し、0.8(Pa)程度とした。そして、この
マグネトロンスパッタリング装置に磁性層が形成された
非磁性支持体をセッティングし、−40℃に冷却した冷
却キャン上を5m/分の速度で走行させて磁性層上にカ
ーボンからなる保護層を膜厚が8nmとなるよう形成し
た。 【0127】〔バックコート層の形成〕次に、下記の組
成に準じてバックコート層形成用の塗料を調製した。 カーボンブラック(旭社製、#50):100重量部 ポリエステルポリウレタン(ニッポラン社製、N−23
04):100重量部 メチルエチルケトン:500重量部 トルエン:500重量部 そして、調製されたバックコート層形成用の塗料を、非
磁性支持体の磁性層が成膜された面とは反対側の面に塗
布、乾燥することでバックコート層を形成した。 【0128】塗布はマイクログラビア方式で行ったが、
この際、使用するマイクログラビア表面の刻みの深さを
変えることで塗布量を変化させ、乾燥後のバックコート
層の膜厚を変化させた。また、それぞれの塗布膜厚にお
いて、ドライヤーの温度を3段階に変化させ、合計15
種類の塗布を行った。これにより、サンプル2〜サンプ
ル61の磁気テープを得た。 【0129】〔潤滑剤の塗布及びカセット組み込み〕つ
ぎに、潤滑剤としてパーフルオロポリエーテルを、乾燥
後の膜厚が約10nmとなるような濃度で溶媒に溶解さ
せて、保護層の表面に塗布した。 【0130】このようにして作製した磁気記録媒体を、
8mm幅にスリットした後に、AITカセットに長さ2
30m収納して、カセットテープを作製した。 【0131】これらのカセットテープについて、カッピ
ング及び走行耐久性の評価を行った。 【0132】(1)カッピングの測定 カッピングの測定は、図5に示すような、光学顕微鏡5
0を有するカッピング測定装置を用いて行った。このカ
ッピング測定装置では、先ず、所定のテンションが負荷
された磁気テープ51を一対のロール52に掛け渡す。
次に、光学顕微鏡50の対物レンズ53(倍率100
倍)を対物レンズ移動手段54にて、磁気テープ51の
幅方向の中心部又は両端部に位置決めする。そして、こ
のカッピング測定装置では、対物レンズ移動手段54及
び資料異動装置55によって、磁気テープ51の幅方向
の中心部又は両端部において、それぞれ対物レンズ53
の焦点を合わせる操作を行う。このとき、カッピング測
定装置では、対物レンズ53の上下駆動に連動する上下
位置表示装置56にて、磁気テープ51の幅方向の中心
部と両端部との高さの違い、すなわちカッピングを測定
する。 【0133】このとき、磁性層を凸とする状態を負のカ
ッピングとし、逆に、磁性層を凹とする状態を正のカッ
ピングとする。すなわち、図6(a)に示すように、正
のカッピングの状態では、磁気テープのエッジ61と、
磁気テープの幅方向中心部62との差を、カッピングと
して測定した。また図6(b)に示すように、負のカッ
ピングの状態では、磁気テープの幅方向中心部63と、
磁気テープの磁性面側のエッジ64との差をカッピング
として測定した。 【0134】(2)カセット組み込みテスト 8mm幅に裁断した磁気テープを、規定の230m分、
カセットテープに巻き込むことの可否を試験した。 【0135】(3)走行耐久性 走行耐久性の試験は、磁気記録再生装置(ソニー社製、
AITドライブSDX−S500C)を用いて行った。 【0136】まず、上記のカセット組み込みテストで合
格したサンプルのカセットテープに対して、相対速度1
3.40m/sec、最短記録波長0.243μmで記
録を行った。つぎに、230m長の磁気テープを100
00パス走行させ、1パス走行後のエラーレート及び1
0000パス走行後のエラーレートを測定した。 【0137】サンプル1〜サンプル31の評価結果を下
記の表1に、また、サンプル32〜サンプル61の評価
結果を下記の表2に示す。なお表1及び表2中、「−」
は、試験を行えなかったことを表す。 【0138】 【表1】【0139】 【表2】 【0140】表1及び表2の結果から、ポリアミドフィ
ルムの膜厚が薄いほど、負のカッピングとなる傾向があ
ることがわかる。また、ポリアミドフィルムの膜厚に拘
わらず、バックコート層の膜厚が厚いほど、負のカッピ
ングとなる傾向がある。また、ドライヤー温度が高いほ
ど、負のカッピングとなる傾向があることがわかる。こ
れらの結果から、バックコート層を乾燥させるドライヤ
ーの工程で、バックコート層が収縮するということがわ
かった。 【0141】また、カッピングが0.3mm以上の磁気
テープ、すなわち正のカッピングである磁気テープで
は、10000回走行する前に、エラーレートが極めて
高い値となり、走行停止に至った。 【0142】また、負のカッピングであっても、カッピ
ングが−1.0mm以下である磁気テープは、磁気テー
プのエッジでの折れが顕著であり、カセットテープへの
正常な組み込みが不可能であった。 【0143】したがって、ポリカーボネートポリウレタ
ンを含有するバックコート層の膜厚を0.8μm以上
1.4μm以下とし、ポリアミドフィルムからなる非磁
性支持体の膜厚を3.0μm以上4.0μm以下とし、
ドライヤーの温度を適宜調節することにより、カッピン
グを好適な範囲内とし、低エラーレート及び優れた走行
耐久性を実現できることがわかった。 【0144】また、10000回走行後のエラーレート
を10−2以下に抑えるためには、カッピングを0mm
以下とすることがより好ましいことが明らかとなった。 【0145】また、磁気テープの全厚が5.6μmを上
回るものは、所定の長さをカセットテープに組み込むこ
とが不可能であった。したがって、磁気テープの全厚
は、5.6μm以下であることが好ましいとわかった。 【0146】 【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持体の磁性層が形成
された側と反対側の主面に、ポリカーボネートポリウレ
タンを含有するバックコート層が膜厚0.8μm以上
1.4μm以下の範囲内で形成されているため、バック
コート層が大きな収縮を起こし、磁気テープのカッピン
グを好適な範囲内に制御している。このため、非磁性支
持体として熱収縮率の小さい芳香族ポリアミドを用いた
場合でも、熱収縮率を付与するための200℃以上の高
温での熱処理が不要となる。また、非磁性支持体の膜厚
が3.0μm以上4.0μm以下と薄くされているた
め、バックコート層の膜厚を厚くした分による、磁気テ
ープ全厚の増大を抑えている。 【0147】したがって、本発明によれば、カッピング
が好適な範囲内におさめられるため、走行時のダメージ
が抑えられ、走行耐久性に優れた磁気記録媒体を提供で
きる。また、200℃以上の熱処理をかけることなくカ
ッピングを抑えられるため、バックコート層の剥離が抑
制され、低エラーレートを実現できる。また、磁気記録
媒体の全厚も増えないため、高容量を維持できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明を適用した磁気記録媒体の断面図であ
る。 【図2】本発明を適用した磁気記録媒体の製造工程を説
明するためのフローチャートである。 【図3】連続巻き取り式の真空蒸着装置を示す概略構成
図である。 【図4】マグネトロンスパッタ装置を示す概略構成図で
ある。 【図5】カッピング測定装置を示す斜視図である。 【図6】カッピングの定義を示す断面図であり、(a)
は正のカッピングを示し、(b)は負のカッピングを示
す。 【符号の説明】 1 非磁性支持体、2 磁性層、3 バックコート層、
4 保護層

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 非磁性支持体の一主面上に形成された金
    属磁性薄膜からなる磁性層と、上記非磁性支持体の他主
    面上に形成されたバックコート層とを備え、 上記非磁性支持体は、芳香族ポリアミドを有するととも
    に、膜厚が3.0μm以上4.0μm以下の範囲内とさ
    れ、 上記バックコート層は少なくともポリカーボネートポリ
    ウレタンを含有するとともに、膜厚が0.8μm以上
    1.4μm以下の範囲内とされていることを特徴とする
    磁気記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014501823A (ja) * 2010-12-21 2014-01-23 ソルヴェイ(ソシエテ アノニム) ポリマー混合物
JP2021190140A (ja) * 2020-05-28 2021-12-13 富士フイルム株式会社 磁気テープ装置、磁気テープおよび磁気テープカートリッジ

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JP2014501823A (ja) * 2010-12-21 2014-01-23 ソルヴェイ(ソシエテ アノニム) ポリマー混合物
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