JP2000338344A - 光デバイス用高分子光学材料、高分子光デバイス及びその製造方法 - Google Patents

光デバイス用高分子光学材料、高分子光デバイス及びその製造方法

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JP2000338344A
JP2000338344A JP2000066864A JP2000066864A JP2000338344A JP 2000338344 A JP2000338344 A JP 2000338344A JP 2000066864 A JP2000066864 A JP 2000066864A JP 2000066864 A JP2000066864 A JP 2000066864A JP 2000338344 A JP2000338344 A JP 2000338344A
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bis
hydroxyphenyl
polyarylate
polymer optical
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Application number
JP2000066864A
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English (en)
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Okihiro Sugihara
興浩 杉原
Masaaki Fujiwara
正明 藤原
Kenji Yasue
健治 安江
Takamasa Akizuki
隆昌 秋月
Tomohiro Hamada
知宏 濱田
Hiromasa Shirai
宏政 白井
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性・耐熱性を満足し、且つ従来高耐熱性
と両立が困難であった加工性を同時に満足させる光デバ
イス用高分子光学材料、これを用いた高分子光デバイス
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリアリレートからなる光デバイス用高
分子光学材料であって、ポリアリレートが下記一般式II
及び/または式IIIで表される構造単位からなることを
特徴とする光デバイス用高分子光学材料。 【化1】 (式中、R3、R4は各々独立に炭素数1〜4のアルキル
基からなる群より選ばれ、r,sは0〜4の整数を表
す。) 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性と加工性に
優れた高分子光学材料、さらに詳しくは、例えば光通
信、光情報処理、微小光学あるいはその他の一般光学の
分野で広く用いられる種々の光導波路、光導波路デバイ
ス、光集積回路または光配線板等の高分子光デバイスに
好適に利用できる高分子光学材料、これを用いた高分子
光デバイス及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】急速なインターネット網の普及・拡大に
伴う情報量の急激な増加により、既存の情報通信処理イ
ンフラにおける処理能力が限界に達しようとしている。
このようなマルチメディア通信の拡大に対し、10ギガ
バイト/秒(Gb/s)の処理能力を有するシステム
(ATM)が開発され、導入推進中であり、さらに40
〜100Gb/sの処理システムの開発が活発に行われ
ている。しかしながら、このようなシステムにおける電
気配線では、以下のような問題点により物理的限界が見
えている。すなわち、(1)消費電力増大による発熱、
(2)電磁波、(3)高周波損失、および(4)相互イ
ンターラクション、等が大きな問題である。
【0003】これらを解決する方法として昨今研究開発
が盛んに進められているのが光配線技術の利用である。
光配線は、(1)信号間の相互干渉がほとんどない、
(2)広いバンド幅と伝搬の高速性、(3)空間配線が
可能、(4)並列結線ができる、(5)プログラマブル
な配線が容易にできる、(6)アース線不要、といった
電気配線にはない優れた特徴があり、実用化が最も期待
され、光導波路や光ファイバーを用いたモジュール間あ
るいはボード間における本技術の研究開発が活発化され
ている。光配線に用いられる光デバイスには、種々の光
導波路、光導波路デバイス、回折格子、さらにはそれら
を組み合わせることにより設計される光集積回路などが
ある。
【0004】特に光デバイス技術の中枢をなす光導波路
は、基板の表面若しくは基板表面直下に、周囲よりわず
かに屈折率の高い部分を作ることにより光を閉じ込め、
光の合波・分波やスイッチングなどを行う重要な光デバ
イスである。具体的には、光通信や光情報処理の分野で
有用な光合分波回路、周波数フィルタ、光スイッチ及び
光インターコネクション部品等が挙げられる。光導波路
デバイスには、基本的に1本1本の光ファイバを加工し
て作る光ファイバ部品と比較して、精密に設計された導
波回路を基に高機能をコンパクトに実現できること、量
産に適すること、多種類の光導波路を1つのチップに集
積できること等の特長がある。光通信の通信モードには
シングルモードとマルチモードがあり、従来は前者に対
応したシングルモード光導波路の研究開発が盛んであっ
た。シングルモード光導波路の利点は、導波光制御が容
易であること、デバイスの小型化に有利であること、光
パワー密度が大きいこと、高速動作に適すること等が挙
げられる。一方、マルチメディアの急速な立ち上がりに
よって、オフィスや家庭にも光による高速信号の配信の
気運が高まる中、低コストの光デバイスとして、シング
ルモードに比較して量産に適し、接続等の取り扱いが格
段に容易な、マルチモード光導波路デバイスが注目され
始めている。
【0005】今後、これら光導波路をはじめとする光デ
バイスの実用化が急速に進むと見られるが、次には隣接
するボード間、さらにはボード内のチップ間〜チップ
内、といった微小領域における光配線技術に対応できる
光デバイスの検討が必要になってくると予想される。従
来、光デバイス用の光学材料としては、透明性に優れ光
学異方性の小さい無機ガラスが主に用いられてきた。し
かしながら、無機ガラスは、重く破損しやすいこと、生
産コストが高いことに加え、特に光ファイバー部品にお
いては、(1)曲げ損失、(2)心数増加、(3)機能
性付与困難、(4)ファイバー余長処理の必要性、等の
問題により、上述のような隣接場においては使用が制限
される。
【0006】そこで最近では、無機ガラスの代わりに、
透明性の高分子樹脂からなる高分子光学材料を使って、
光デバイスを製造しようという動きが活発化してきてい
る。高分子材料はスピンコート法やディップ法等による
薄膜形成が容易であり、大面積の光デバイスを作製する
のに適している。また石英等の無機ガラス材料を用いる
場合と比べて、成膜に際して高温の熱処理工程を含まな
いことから、プラスチック基板などの高温処理に適さな
い基板上にも光デバイスを作製できるという利点があ
る。更に、高分子の柔軟性や強靱成を活かした基板フリ
ーのフィルム状光デバイスの作製も可能である。また、
製造が基本的に低温プロセスであること、金型を用いた
量産など複製化への展開が容易であること等により、無
機ガラス系や半導体系の光学材料を使った光デバイスに
比べて、低コスト化できる可能性が高い。こうした理由
から、光通信の分野で用いられる光集積回路や、光情報
処理の分野で用いられる光配線板等の光デバイスを、高
分子光学材料を用いて大量・安価に製造できることが期
待されている。光デバイス用の高分子光学材料として
は、ポリイミドやポリメチルメタクリレートなど各種透
明性高分子が提案され、研究開発が進められている。こ
れらを用いた高分子光デバイスの一部は、既に実用化さ
れ始めている。特に、今後急速な立ち上がりが予想され
るマルチメディア通信の増大に対し、高分子光デバイス
を利用した光配線技術は、従来の電気配線技術の問題点
を解決し得る最有力技術として注目を集め、研究開発が
活発化されている。
【0007】光デバイス用の高分子光学材料が満たすべ
き課題は、加工性、光学特性(透明性等)、耐熱性であ
る。現状代表的な耐熱性高分子光学材料であるポリイミ
ド樹脂は、芳香族主鎖の剛直性により、分子鎖に柔軟性
がなく必要十分な導波路加工性を与えない。さらに、従
来のポリイミド樹脂を用いた光導波路は、芳香族基の配
向に起因する複屈折のため偏波依存性を有し、入射光の
強度が一定でも偏波面の変動によりその出力特性が変動
してしまい実際に光導波路として用いる場合には極端に
用途が限定されるという問題があった。このように、耐
熱性を考慮した従来のポリイミド光導波路は、剛直な芳
香族鎖のために、加工性と光学特性という2つの特性に
おいて問題があった。
【0008】また透明性に優位性のあるポリメチルメタ
クリレートやポリカーボネートは、加工性・光学特性で
は優れているものの、耐熱性が問題である。さらに、光
導波路構造を形成するためには、精密に屈折率制御さ
れ、且つ光損失の無いコア材、クラッド材が任意に得ら
れることが重要である。一般には、芳香環の脂環化やハ
イドロカーボン鎖のフルオロカーボン化・重水素化など
によって、クラッド材の屈折率を下げる方法、吸収損失
を低減させる方法が採用される。しかしながら、芳香環
の安易な脂環化は耐熱性を低下させ、また近赤外域にブ
ロードな吸収帯を生む原因となる。また、ハイドロカー
ボン鎖のフルオロカーボン化・重水素化は、非常に高価
であり、また密着性が顕著に低下する、等の欠点を有し
ていた。
【0009】このような欠点を解決する高分子光導波路
として、特開平10−332960号公報には、高分子
主鎖中にスピロインダン環及び9,9−ビス−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−フルオレン環を含有してなるポリ
カーボネートを用いたものが開示されている。しかし、
このポリカーボネートも、耐熱性の点で必ずしも充分と
は言えないものであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のような現状に鑑
み、本発明の課題は、透明性・耐熱性を満足し、且つ従
来高耐熱性と両立が困難であった加工性を同時に満足さ
せる光デバイス用高分子光学材料、これを用いた高分子
光デバイス及び高分子光デバイスの簡便な製造法を提供
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、ポリアリレートが高い耐熱性を有すると
共に、可視域から近赤外域にわたって光学的に極めて透
明で、光デバイス用の高分子光学材料として有用であ
り、特に、該ポリアリレートを構成する2価フェノール
成分が、2,2−ビス(3,5−ジメチルフェニル)プ
ロパン及び9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フ
ルオレンである場合、優れた耐熱性を示すと同時に、光
デバイスの製造における加工性(スピンコート法等の簡
便な方法で容易に膜形成ができること等をさす)及び光
学特性にも優れることを見出し、さらに、スピンコート
法により得られる本発明の高分子光学材料の薄膜に対
し、電子線描画装置法を用いて電子線を照射することに
より、光回路が作製でき、高分子光デバイスを製造でき
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明の要旨は、第1に、ポリ
アリレートからなる光デバイス用高分子光学材料であっ
て、ポリアリレートが下記一般式Iで示される構造単位
からなるポリアリレートであることを特徴とする光デバ
イス用高分子光学材料である。
【0013】
【化4】 (式中、R1,R2は各々独立に水素原子、ハロゲン原
子、炭化水素基及びニトロ基からなる群より選ばれ、炭
化水素基は炭素数1〜20の脂肪族基、炭素数3〜20
の脂環族基及び炭素数6〜20の芳香族基からなる群よ
り選ばれ、Xは単結合、酸素原子、硫黄原子、アルキレ
ン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基、シクロア
ルキリデン基、ハロ置換アルキレン基、ハロ置換アルキ
リデン基、フェニルアルキリデン基、置換フェニルアル
キリデン基、カルボニル基、スルホニル基、カルボキシ
ルアルキレン基、カルボキシルアルキリデン基、アルコ
キシカルボニルアルキレン基、アルコキシカルボニルア
ルキリデン基、フルオレン基、イサチン基、アルキルシ
ラン基及びジアルキルシラン基からなる群より選ばれ、
p,qは0〜4の整数を表す。)
【0014】第2に、前記一般式Iで示される構造単位
が下記一般式II及び/または式IIIで示される構造単位
からなることを特徴とする前記の光デバイス用高分子光
学材料である。
【0015】
【化5】 (式中、R3、R4は各々独立に炭素数1〜4のアルキル
基であり、r,sは0〜4の整数を表す。)
【0016】
【化6】
【0017】第3に、上記の高分子光学材料から形成さ
れた膜を用いてなることを特徴とする高分子光デバイス
である。
【0018】第4に、前記の高分子光学材料で膜を形成
し、その膜に電子線を照射することによって光回路を作
製することを特徴とする上記の高分子光デバイスの製造
方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の光デバイス用高分子光学材料を構成する
ポリアリレートについて説明する。本発明におけるポリ
アリレートは、一般式Iで示される構造単位からなるポ
リアリレートである。そのようなポリアリレートであれ
ば特に種類は限定されないが、テレフタル酸及びイソフ
タル酸と、二価フェノールとを界面重合して得られるも
のが好ましい。
【0020】本発明で使用できる二価フェノールを具体
的に例示すると、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、1,1−ビス(4−メチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビス
フェノールA)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エ
チルヘキサン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−ビフェ
ノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メ
チルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)オクタン、1,1−ビス(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビ
ス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、ビスフェノールフルオレン、1,1−ビス(2−
メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニ
ル)−2−メチルプロパン、4,4’−[1,4−フェ
ニレン−ビス(2−プロピリデン)−ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)]、1,1−ビス(3−フ
ェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
4,4’−ジヒドロキシフェニルエーテル、ビス(2−
ヒドロキシフェニル)メタン、2,4’−メチレンビス
フェノール、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−3−メチルブタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−
ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、3,
3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3
−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、3,3−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)ペンタン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、1,1−ビス(3
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエ
タン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)デカン、ビス(2−ヒドロキシ−3−te
rt−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、テルペンジ
フェノール、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル
フェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(3−
シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジs
ec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,
1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−
3,5−ジtert−ブチルフェニル)エタン、ビス
(3−ノニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,
2−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5
−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)メタン、
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルエタン、4,4−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ペンタン酸、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)酢酸ブチルエステル、ビス(3−フルオロ−4−
ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−
5−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサ
フルオロプロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−フルオロ−
4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、ビス(3
ーフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−(p−フルオ
ロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−(p−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(3
−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,
5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,
2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3−ニトロ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、3,3’−ジメチル−4,
4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチ
ル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テ
トラtert−ブチル−4,4’−ビフェノール、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、3,3’−ジフル
オロ−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−
テトラフルオロ−4,4’−ビフェノール、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−
ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビス(3−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エー
テル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)チオエーテル、ビス(2,3,5−トリメチル−4
−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、2,2−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)ドデカン、1,1−ビス(3−tert−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフ
ェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2−ヒ
ドロキシ−3,5−ジtert−ブチルフェニル)エタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
酸メチルエステル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン酸エチルエステル、イサチンビスフェノ
ール、イサチンビスクレゾール、2,2’,3,3’,
5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ビフェノール、ビ
ス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2,4’−メチ
レンビスフェノール、1,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2
−(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(2−ヒ
ドロキシ−3−アリルフェニル)メタン、1,1−ビス
(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−
メチルプロパン、1,1−ビス(2ーヒドロキシ−5−
tert−ブチルフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロ
キシ−5−フェニルフェニル)メタン、1,1−ビス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル
フェニル)ブタン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ
−5−シクロヘキシルフェニル)メタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカ
ン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)ペンタデカン、1,2−ビス(3,5−ジt
ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビ
ス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチルフェ
ニル)メタン、2,2−ビス(3−スチリル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−(p−ニトロフェニル)エタン、
ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)
メタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフ
ェニル)フェニルメタン、ビス(3,5−ジフルオロ−
4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(3
−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタ
ン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、3,3’,5,5’−テトラtert−
ブチル−2,2’−ビフェノール、2,2’−ジアリル
−4,4’−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキ
サン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,
3,5,5−テトラメチル−シクロヘキサン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,4−トリメ
チル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−3,3−ジメチル−5−エチル−シクロヘ
キサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチル−シクロペンタン、1,1−ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビ
ス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,
5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−
フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−ト
リメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジ
クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリ
メチル−シクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)フルオレン、9、9−ビス(3−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,1−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,
3,5−トリメチル−シクロヘキサン、ハイドロキノン
などが挙げられる。なお、上記した二価フェノールは、
必ずしも1種類で用いる必要はなく、2種類以上共重合
して用いてもよい。
【0021】いずれの二価フェノールを用いた系におい
ても、光デバイスに用いられる高分子光学材料が満たす
べき性能を満足するポリアリレートが得られるが、特
に、下記式IVで示される2,2−ビス(3,5−ジメチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン残基を有するポ
リアリレートが、耐熱性に優れているので好ましい。
【0022】
【化7】
【0023】また、特に、下記一般式Vで示される二価
フェノール残基を有するポリアリレートが、耐熱性が優
れているうえに、ベンゼン環を直交配置するスピロ構造
のために、芳香環分率が非常に高いにもかかわらず、複
屈折率が低減され、光学等方性に優れているので好まし
い。さらに言えば、下記一般式Vで示される二価フェノ
ール残基としては、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレン残基が特に好ましい。
【0024】
【化8】 (式中、R3、R4は各々独立に炭素数1〜4のアルキル
基であり、r,sは0〜4の整数を表す。)
【0025】本発明におけるポリアリレートを構成する
二価カルボン酸成分としては、テレフタル酸及びイソフ
タル酸から構成され、特に好ましくはテレフタル酸とイ
ソフタル酸の等量混合物である。二価カルボン酸成分と
しては、テレフタル酸及びイソフタル酸から構成される
が、これら以外の二価カルボン酸成分を本発明の目的、
効果を損なわない範囲で共重合成分として用いることが
可能である。そのような共重合可能な二価カルボン酸成
分を例示すると、オルトフタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、ジフェン酸、4、4′−ジカルボキシジ
フェニルエーテル、ビス(p−カルボキシフェニル)ア
ルカン、4,4′−ジカルボキシフェニルスルホンなど
の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク
酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などが挙げら
れる。これらの二価カルボン酸は、1種類で用いること
もできるし、2種類以上で併用することも可能である。
【0026】また、本発明におけるポリアリレートは、
必ずしも直鎖状のポリアリレートである必要はなく、三
価以上の多価のフェノールを共重合して、分岐を有する
ポリアリレートとして用いることができる。
【0027】そのような多価のフェノールを具体的に例
示すると、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビス
フェノール、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベン
ゾフェノン、4−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メ
チル]−2−メトキシフェノール、トリス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)メタン、4−[ビス(3−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−メト
キシフェノール、4−[ビス(3,5−ジメチル−4ー
ヒドロキシフェニル)メチル]−2−メトキシフェノー
ル、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エ
タン、1,1,1−トリス(3−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリス(3
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェ
ニル)メチル]−4−メチルフェノール、4−[ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチ
ル]−1,2−ジヒドロキシベンゼン、2−[ビス(2
−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニ
ル)メチル]−フェノール、4−[ビス(2−メチル−
4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチ
ル]−1,2−ジヒドロキシベンゼン、4−メチルフェ
ニル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、4−
[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−
トリヒドロキシベンゼン、4−[1−(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ジヒドロキ
シベンゼン、4−[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)メチル]−1,2,3−トリヒドロキシベ
ンゼン、1,4−ビス[1−ビス(3,4−ジヒドロキ
シフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−
ビス[1−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニ
ル)−1−メチルエチル]ベンゼン、2,4−ビス
[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ジヒ
ドロキシベンゼン、2−[ビス(3−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)メチル]フェノール、4−[ビス(3
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]フェノー
ル、2−[ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)メチル]フェノール、4−[ビス(3−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2−ジヒドロキ
シベンゼン、4−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メ
チル]−2−エトキシフェノール、2−[ビス(2,3
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]フェノ
ール、4−[ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)メチル]フェノール、3−[ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]フェノー
ル、2−[ビス(2−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフ
ェニル)メチル]フェノール、4−[ビス(2−ヒドロ
キシ−3,6−ジメチルフェニル)メチル]フェノー
ル、4−[ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、3,6−
[ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
メチル]−1,2−ジヒドロキシベンゼン、4,6−
[ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
メチル]−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、2−
[ビス(2,3,6−トリメチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)メチル]フェノール、2−[ビス(2,3,5−
トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]フェノ
ール、3−[ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)メチル]フェノール、4−[ビス
(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)
メチル]フェノール、4−[ビス(2,3,5−トリメ
チル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2−ジ
ヒドロキシベンゼン、3−[ビス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチル]フェ
ノール、4−[ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−シクロヘキシルフェニル)メチル]フェノール、4−
[ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキ
シルフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、
2,4,6−トリス[(4−ヒドロキシフェニル)メチ
ル]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,1,2,2
−テトラ(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1,2,2−テトラ(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)エタン、1,4−ジ[ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ジ
[ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メチ
ル]ベンゼン、1,4−ジ[ビス(3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、4−
[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ア
ニリン、(2,4−ジヒドロキシフェニル)(4−ヒド
ロキシフェニル)ケトン、2−[ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メチル]フェノール、1,3,3−トリ(4
−ヒドロキシフェニル)ブタンなどが挙げられる。これ
らは、必ずしも1種類で使用する必要はなく、複数の種
類を併用することもできる。
【0028】本発明におけるポリアリレートを製造する
方法としては、水と相溶しない有機溶剤に溶解させた二
価のカルボン酸ハライドとアルカリ水溶液に溶解させた
二価フェノールとを混合する界面重合法(W.M.EA
RECKSON J.Poly.Sci.XL399
1959年、特公昭40−1959号公報)が好適に採
用される。界面重合法は、溶液重合法と比較して反応が
速く、そのため酸ハライドの加水分解を最小限に抑える
ことが可能であり、特に後述する重合触媒を選ぶことに
より高分子量のポリマーを得る場合には有利である。
【0029】この界面重合法によって製造する方法をさ
らに詳細に説明すると、まず二価フェノールのアルカリ
水溶液を調製し、続いて、重合触媒を添加する。ここで
用いることができるアルカリとしては、水酸化ナトリウ
ムや水酸化カリウム等があり、また、重合触媒として
は、例えば、トリプロピルベンジルアンモニウムハライ
ド、トリブチルベンジルアンモニウムハライド、テトラ
ブチルアンモニウムハライド、トリプロピルベンジルホ
スホニウムハライド、トリブチルベンジルホスホニウム
ハライド、テトラブチルホスホニウムハライド等の第四
級アンモニウム塩または第四級ホスホニウム塩がある。
【0030】一方、水と相溶せず、かつポリアリレート
を溶解する様な溶媒、例えば塩化メチレン、1,2−ジ
クロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベン
ゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,
1−トリクロロエタン、o−,m−,p−ジクロロベン
ゼンなどの塩素系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレン
などの芳香族系炭化水素、もしくはテトラヒドロフラン
などに二価カルボン酸ハライドを溶解させた溶液を先の
アルカリ溶液に混合した後、25℃以下の温度で1時間
〜5時間撹拌しながら重合反応を行うことによって所望
のポリアリレートを得ることができる。
【0031】上記のようにして得られる本発明における
ポリアリレートは、実質的に非晶性で透明な樹脂であ
る。非晶性であるかどうかは、公知の方法例えば示差走
査熱量分析(DSC)や動的粘弾性測定等により融点が
存在しているかどうかを調べて確認することができる。
【0032】なお、本発明におけるポリアリレートの分
子量は、上記した界面重合法によらず、重合時に一官能
の物質を添加して末端を封止することによって調節する
ことができる。そのような末端封止剤としては、フェノ
ール、クレゾール、p−tert−ブチルフェノールな
どの一価フェノール類、安息香酸クロライド、メタンス
ルホニルクロライド、フェニルクロロホルメートなどの
一価酸クロライド類、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−
ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ドデシルア
ルコール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコー
ル、フェネチルアルコールなどの一価アルコール類、酢
酸、プロピオン酸、オクタン酸、シクロヘキサンカルボ
ン酸、安息香酸、トルイル酸、フェニル酢酸、p−te
rt−ブチル安息香酸、p−メトキシフェニル酢酸など
の一価アルコール類などが挙げられる。
【0033】本発明におけるポリアリレートの分子量を
固有粘度(1,1,2,2−テトラクロロエタン中、2
5℃で測定)を尺度として表わすと、固有粘度としては
0.25〜2.50であることが好ましく、0.50〜
1.50がより好ましい。固有粘度が0.25より低い
場合、膜形成が困難な傾向にあり、また膜形成できた場
合でもその機械的強度が不足する傾向にあるので好まし
くない。一方、固有粘度が2.50より高い場合、膜形
成の際に調製する溶液(ドープ)の粘度が上昇して取り
扱いが困難になったり、膜形成時に曳糸が生じたりする
場合があるので好ましくない。
【0034】本発明の高分子光学材料は、上記のポリア
リレートからなり、光デバイスに用いられる。高分子光
学材料を光デバイスに用いる際には、屈折率を所望の値
に制御することが望まれるが、本発明の高分子光学材料
においては、ポリアリレートの構造、特に二価フェノー
ル成分を選択することによって屈折率を変化させ、所望
の値に精密に制御することができる。高分子光学材料を
例えば高分子光導波路に用いる場合、屈折率の高い材料
がコアに適しており、屈折率の低い材料がクラッドに適
している。コアとクラッドの比屈折率差の大きさは導波
すべきモードとコアの寸法に応じて決定されるが、一般
的には0.1%〜5%の範囲であり、本発明の高分子光
学材料群はほぼこの領域を満たすことができる。
【0035】例えば、本発明におけるポリアリレートの
うちの好ましい態様である9,9−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)フルオレン残基と2,2−ビス(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン残基とを
有するポリアリレートを例にとると、前者のモル分率が
高いほど屈折率が高くなり、後者のモル分率が高いほど
屈折率が低くなるので、それらのモル分率が所望の割合
となるよう共重合したポリアリレートを合成することに
より、屈折率が精密に制御された高分子光学材料を得る
ことができる。なお、ポリアリレートの二価フェノール
成分によって屈折率を制御する方法としては、上記のよ
うに複数種類の二価フェノール成分を共重合する方法に
限らず、予め合成された二価フェノール成分の異なる複
数のポリアリレートを用意し、それらを混合して用いる
方法によることもできる。
【0036】次に、本発明の高分子光学材料から形成さ
れた膜を用いてなる高分子光デバイスについて説明す
る。まず、本発明の高分子光学材料から形成された膜に
ついて説明すると、その膜形成法としては、特に限定さ
れるものではないが、例えばスピンコート法が採用でき
る。この際には、ポリアリレートを溶媒に溶解させた溶
液(ドープ)を調製して用いるが、そのような溶媒とし
ては、トリクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン、N−メチルピロリドン、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、m−クレゾー
ル、トルエン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、シクロヘキサノン等が挙げられる。本発明における
ポリアリレートは、溶媒の種類の選択と溶液濃度の調整
により、膜の形成工程に対応した適当な粘性、重ね塗り
特性を得ることができるが、その溶液濃度の範囲として
は、1〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がより
好ましい。また、形成させる膜の厚さ(膜厚)として
は、目的によって異なるが、膜厚300μm以下の薄膜
であることが好ましい。
【0037】実際に高分子光デバイスに用いる膜を作製
する場合には、必要に応じて屈折率が制御されたポリア
リレートを準備して、ドープを調製する。次いで、例え
ばシリコン基板やガラス基板、あるいは後の工程で電子
線照射を行なう場合のチャージを防止する目的でインジ
ウム/スズ等の電極層を設けたガラス基板の上に上記の
ドープを用いてコーティングし、しかる後に溶媒を揮散
させることによって、本発明の高分子光学材料からなる
膜を形成する。
【0038】また、例えば囲い込み型光導波路を作製す
る場合には、光導波路に要求される導波モードに応じて
屈折率を制御した複数のポリアリレートを準備してすな
わち、コア材及びクラッド材として精密に制御された屈
折率を有する少なくとも2種のポリアリレートを準備し
て、それぞれのポリアリレートから調製したドープを用
いて、複層の膜を形成すればよい。
【0039】上記のようにして得られた本発明の高分子
光学材料の膜に対して光回路を作製するための処理を施
すことにより、本発明の高分子光デバイスが得られる。
なお、本発明の高分子光学材料の膜に対して光回路を作
製するための処理としては、特に限定されるものではな
く、後述する電子線直接描画法以外に、例えば高分子光
学材料の上にさらにレジスト層を形成して電子線描画を
行う方法、さらには公知のフォトリソグラフィー法を採
用することもできる。また、予め必要な回路パターンが
描かれた型を用意して、この型に沿ってドープあるいは
溶融させた高分子光学材料を流し込む方法によって光回
路を作製してもよい。
【0040】次に、本発明の製造方法であるところの、
高分子光学材料から形成された膜に電子線を照射して光
回路を作製する方法、すなわち電子線直接描画法につい
て説明する。電子線直接描画法とは、加速された電子線
を照射することにより高分子を分解させ描画パターンを
作製する方法であり、1)非接触マスクレス工程、2)
CADを利用してサブミクロン〜ナノメーターサイズの
描画が可能、3)大面積パターンを一回の工程で作製で
き、さらに4)位置合わせ等光部品の高精度実装が可
能、等の特徴を有する微細加工技術である。
【0041】なお、従来は、高分子光デバイスにおける
光回路を作製する方法としては、フォトリソグラフィー
法により、マスクパターンを形成し、次いで反応性イオ
ンエッチングによりマスクパターン以外のコア層をエッ
チングし、コアリッジを形成させる方法がとられてき
た。これに対し、本発明で用いる電子線直接描画法にお
いては、非接触マスクレス工程で、且つCADを利用す
ることで、サブミクロン〜ナノメーターサイズの直線
状、曲がり状等任意の描画が、高分子光学材料で形成し
た薄膜に電子線を直接照射し、熱現像するという簡便な
工程でコアリッジを形成させて光回路が作製できるとい
う利点を有している。さらには熱現像条件を種々選択す
ることにより現像深さを制御することができ、特に回折
格子を作製する上で有利である。この電子線直接描画法
を利用することで、例えば分岐・結合導波路や曲がり導
波路や光スイッチ等の種々の光導波路、光入出力機能付
与やWDM(波長多重伝送技術)用途等の回折格子、さ
らには作製した光導波路に他部品を実装する際のアライ
メント用マーキングの全てを、電子線照射−熱現像とい
う簡便な工程で作製することができ、光回路、特に光集
積回路を作製する方法として好適である。この電子線直
接描画法を適用する高分子光学材料の特性としては、シ
ャープな加工ができて描画の密度を向上させ得るという
点から、耐熱性が高いことが求められるが、本発明の高
分子光学材料は、耐熱性に優れたポリアリレートを用い
ているので、シャープなコアリッジを形成させることが
でき、そのような高分子光学材料として好適である。
【0042】この電子線直接描画法において、高分子光
学材料で形成された膜に電子線を照射する際には、市販
の電子線描画装置を用いればよく、特に、複雑に入り組
んだ光回路を精密に描画するためにはCADを併用する
ことが好ましい。なお、電子線照射条件及び熱現像条件
としては、膜の種類、厚さ及び目的とする描画の寸法に
よって適当な条件、例えば加速電圧、電流、照射量及び
現像条件(現像時間や温度)等を選べばよい。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例における各種の特性は以下の方法で測
定した。
【0044】1)ポリアリレートの固有粘度 ウベローデ粘度計(SCHOTT社製、Type 531 10)を用
い、1,1,2,2−テトラクロロエタンを測定用溶媒
として、濃度0.01〜0.25g/dl、温度25℃
の条件で測定した。 2)ポリアリレートのガラス転移温度 ポリアリレート10mgをサンプルとして、DSC(示
差走査熱量測定)装置(パーキン・エルマー社製、DS
C7)を用いて、昇温速度20℃/minの条件で測定
を行って求めた。
【0045】3)高分子光学材料薄膜の吸収スペクトル
と屈折率 吸光光度計を用いて吸収スペクトルを測定し、プリズム
結合によるm−ライン法(「光集積回路」、1985年、
オーム社発行、第237〜243ページ)で屈折率を測
定した。なお、屈折率の測定に使用した波長は633n
m(He−Neレーザー)及び1047nm(Nd:Y
LFレーザー)である。
【0046】4)耐熱性の評価 長期耐熱性能を評価するために、実施例で得られた高分
子光学材料薄膜を100℃のオーブンに入れ、5,2
0,50,100時間加熱したものについて、上記4)
の方法で吸収スペクトルと屈折率の測定を行った。ま
た、短期耐熱性能を評価するために、200℃で10分
間加熱した高分子光学材料薄膜についても、同様に吸収
スペクトルと屈折率の測定を行った。このようにして、
加熱された薄膜サンプルの吸収スペクトルと屈折率と
を、非加熱の高分子光学材料薄膜について同様に測定し
たデータと比較することにより、長期及び短期の耐熱性
を評価した。
【0047】実施例1 攪拌装置を備えた反応容器中に、ポリアリレートの二価
フェノール成分としての2,2−ビス(3,5−ジメチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン34.1質量
部、末端封止剤としてのp−tert−ブチルフェノー
ル0.225質量部、アルカリとしての水酸化ナトリウ
ム13.01質量部、重合触媒としてのベンジル−トリ
−n−ブチルアンモニウムクロライド0.50質量部を
仕込み、水919.8質量部に溶解して水相を調製し
た。これとは別に、塩化メチレン678.1質量部に、
テレフタル酸クロライド/イソフタル酸クロライド=1
/1混合物24.49質量部を溶解して有機相を調製し
た。この有機相を先に調製した水相中に強攪拌下で添加
し、15℃で2時間重合反応を行った後、酢酸5.1質
量部を添加して反応を停止し、水相と有機相をデカンテ
ーションして分離した。その後、有機相をメタノール中
に添加してポリマーを沈殿させ、分離・乾燥することに
より、ポリアリレートを得た。次に、電極がコーティン
グされたガラス基板(フルウチ化学株式会社製、ITO
ネサガラス、表面抵抗50Ω/cm2)を用意して、表
面にまず下部クラッド層としてのSiO2を蒸着し、そ
の上から上記で得られたポリアリレートをクロロホルム
に溶解させたドープ(2.5質量%濃度)をスピンコー
ティング(回転速度2000rpm、10秒)した後に
真空乾燥することにより、ポリアリレートからなる高分
子光学材料薄膜(膜厚1.3μm)をコア層として形成
した。
【0048】実施例2及び3 ポリアリレートを得る際の原料の仕込み組成を下記表1
に示す組成とする以外は実施例1と同様にして、ポリア
リレートを得た。また、得られたポリアリレートをクロ
ロホルムに溶解させたドープの濃度を下記表3に示す濃
度とする以外は実施例1と同様にして、ポリアリレート
からなる高分子光学材料薄膜を形成した。ここで、上記
の実施例1〜3においてポリアリレートを得る際の原料
の仕込み組成を下記表1に、高分子光学材料薄膜の成膜
条件及び膜厚を下記表2に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】なお、実施例1〜3で得られたポリアリレ
ートは、下記式VI又はVIIで示される構造単位からなる
ポリアリレートであり、構造単位VIと構造単位VIIの比
(VI:VII)としては、下記表3に示す通りであった。
実施例1〜3で得られたポリアリレートの構造単位の比
(VI:VII)並びにガラス転移温度及び固有粘度を下記
表3に示す。
【0052】
【化9】
【0053】
【化10】
【0054】
【表3】
【0055】また、実施例1〜3で形成して得られた高
分子光学材料薄膜の吸収スペクトルを測定した結果を図
1〜図3に示す。ここで、図1〜3中の縦軸は吸光度
を、横軸は光の波長を示す。さらに、高分子光学材料薄
膜の屈折率を測定した結果並びに耐熱性を調べた結果を
下記表4に示す。
【0056】
【表4】
【0057】実施例4 実施例1で作製した表面に高分子光学材料薄膜を有する
基板のサンプルを電子線描画装置(日本電子JBX50
0LS)内に装着し、加速電圧25kV、電流0.5n
A、ビーム径70nmで高分子光学材料薄膜に電子線照
射を行った。コア層に直線状パターンのコアリッジを形
成するため、パターン以外のコア層を電子線照射量30
00μC/cm2で照射するという電子線直接描画を行
った後、サンプルを取り出し、250℃で15分間熱現
像を行った。この現像後の形状を表面形状測定顕微鏡で
観察したところ、図4に示すように、0.20μmの現
像深さで照射部がエッチングされ、高さ0.20μm、
幅5μmで断面のほぼ垂直なコアリッジが形成されてい
るのが認められた。 このようにして電子線直接描画法
で光回路を作製した。
【0058】実施例5 電子線直接描画において光回路を作製するためのパター
ンすなわち電子線を照射する箇所を変える以外は実施例
4と同様にして電子線直接描画と熱現像を行うことによ
り、図5に示すような周期0.2μm、深さ0.2μm
という形状を有する光回路を作製して回折格子を製造し
た。
【0059】実施例6 実施例1で得られたポリアリレートをクロロホルムに溶
解させてドープ(2.5質量%濃度)を調製し、このド
ープをガラス基板上にスピンコーティングした後に真空
乾燥することにより、厚さ1.3μmの高分子光学材料
薄膜を形成した。次いでこの薄膜上にアルミニウムを蒸
着し、さらにその上にレジスト液(東京応化製レジスト
OMR-83)をスピンコートにより塗布した後、80℃で乾
燥することによりレジスト層を積層した。このレジスト
層に、加速電圧25kV、電流0.5nA、ビーム径7
0nmの条件で電子線を照射して光回路パターンの描画
を行い、現像・リンス工程を施した後に、60℃のリン
酸・硝酸混合溶液に数分浸すことによりアルミニウムの
エッチングを行った。そしてこれを乾燥した後、リアク
ティブイオンエッチング(RIE)装置(YOUTEC
社製、YE−569)を用いた高分子光学材料薄膜のエ
ッチングを行うことにより、図6に示すような1.3n
m×1.3nmの断面形状を有するチャネルリッジを作
製した。このようにして高分子光導波路を製造した。
【0060】実施例7 実施例2で得られたポリアリレートをシクロヘキサノン
に加熱しながら溶解させてドープ(12.5質量%濃
度)を調製し、このドープをガラス基板上にスピンコー
ティングした後に真空乾燥を行うことにより、厚さ10
μmの高分子光学材料薄膜をクラッド層として形成し
た。次に、実施例3で得られたポリアリレートから同様
にドープ(20質量%濃度)を調製し、このドープを用
いて上記のクラッド層の上にスピンコーティングした後
に真空乾燥を行うことにより、厚さ25μmの高分子光
学材料薄膜をコア層として形成した。このようにして得
た複層の高分子光学材料薄膜の上から、実施例6と同様
にアルミニウムの蒸着から高分子光学材料薄膜のエッチ
ングに至る操作を行うことにより、25μm×25μm
の断面形状を有するチャネルリッジを作製した。そして
蒸着したアルミニウムを除去した後、クラッド層の形成
に用いたのと同じドープをスピンコーティングしてクラ
ッド層でコア層を囲い込むことにより、図7に示すよう
な断面形状を有する囲い込みチャネル型導波路を製造し
た。
【0061】以上の実施例から、本発明の高分子光学材
料は、屈折率を微妙にコントロールした薄膜を形成で
き、加工性及び光学特性に優れる光デバイス用光学材料
であることがわかった。また、加熱による光学特性の変
化が少なく、長期及び短期の耐熱性に優れていることが
わかった。さらに、本発明の高分子光学材料を用いて高
分子光デバイスを製造するあたり、電子線直接描画法が
光回路作製法として有効であると共に、それ以外の光回
路作製法、例えばレジストを用いてパターニングを行う
方法も適用することができ、種々の光回路を作製して高
分子光デバイスを製造できることがわかった。
【0062】
【発明の効果】本発明の光デバイス用高分子光学材料
は、耐熱性・光学特性・加工性に優れているので、種々
の高分子光デバイスの製造に好適であり、これより得ら
れる本発明の高分子光デバイスは、今後急速に発展・普
及すると予想される光配線技術における光導波路、光回
路等において、耐熱性に優れた高分子光デバイスとして
好適に用いることができる。さらに、本発明の光デバイ
ス用高分子光学材料は、特に可視光領域の光に対する光
学特性に優れているので、可視光領域の光に適した光デ
バイスを製造することもでき、例えば可視光を利用して
実際に光が通っている経路を視認できるような光配線に
用いる高分子光デバイスを提供できる。また、本発明の
製造方法によれば、電子線直接描画法によって光回路が
作製できるので、それらの高分子光デバイスを簡便な工
程で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の高分子光学材料からなる薄
膜について、吸光度と吸光度の熱による変化を調べた吸
収スペクトルを示す図である。
【図2】本発明の実施例2の高分子光学材料からなる薄
膜について、吸光度と吸光度の熱による変化を調べた吸
収スペクトルを示す図である。
【図3】本発明の実施例3の高分子光学材料からなる薄
膜について、吸光度と吸光度の熱による変化を調べた吸
収スペクトルを示す図である。
【図4】本発明の高分子光学材料から作製されたコアリ
ッジの一例の断面構造をの概略的に示す模式図である。
【図5】本発明の高分子光学材料を用いて製造された回
折格子の一例の断面構造を概略的に示す模式図である。
【図6】本発明の高分子光学材料から作製されたチャネ
ルリッジの一例の断面構造を概略的に示す模式図であ
る。
【図7】本発明の高分子光学材料を用いて製造された囲
い込みチャネル型導波路の一例の断面構造を概略的に示
す模式図である。
【符号の説明】
1.電極がコーティングされたガラス基板 2.コア(ポリアリレート) 3.クラッド(SiO2) 4.ガラス基板 5.コア(実施例2で得られたポリアリレート) 6.クラッド(実施例3で得られたポリアリレート)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱田 知宏 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 白井 宏政 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 Fターム(参考) 2H047 QA05 TA00 4F073 AA21 AA32 BA25 BB01 CA42 4J029 AA04 AB01 AC01 AE04 BB18 CB05A CB06A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアリレートからなる光デバイス用高
    分子光学材料であって、ポリアリレートが下記一般式I
    で示される構造単位からなるポリアリレートであること
    を特徴とする光デバイス用高分子光学材料。 【化1】 (式中、R1,R2は各々独立に水素原子、ハロゲン原
    子、炭化水素基及びニトロ基からなる群より選ばれ、炭
    化水素基は炭素数1〜20の脂肪族基、炭素数3〜20
    の脂環族基及び炭素数6〜20の芳香族基からなる群よ
    り選ばれ、Xは単結合、酸素原子、硫黄原子、アルキレ
    ン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基、シクロア
    ルキリデン基、ハロ置換アルキレン基、ハロ置換アルキ
    リデン基、フェニルアルキリデン基、置換フェニルアル
    キリデン基、カルボニル基、スルホニル基、カルボキシ
    ルアルキレン基、カルボキシルアルキリデン基、アルコ
    キシカルボニルアルキレン基、アルコキシカルボニルア
    ルキリデン基、フルオレン基、イサチン基、アルキルシ
    ラン基及びジアルキルシラン基からなる群より選ばれ、
    p,qは0〜4の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 前記一般式Iで示される構造単位が下記
    一般式II及び/または式IIIで示される構造単位からな
    ることを特徴とする請求項1に記載の光デバイス用高分
    子光学材料。 【化2】 (式中、R3、R4は各々独立に炭素数1〜4のアルキル
    基であり、r,sは0〜4の整数を表す。) 【化3】
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の高分子
    光学材料から形成された膜を用いてなることを特徴とす
    る高分子光デバイス。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の高分子
    光学材料で膜を形成し、その膜に電子線を照射すること
    によって光回路を作製することを特徴とする請求項3に
    記載の高分子光デバイスの製造方法。
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