JPH07209536A - ポリイミド光導波路製造装置及びポリイミド光導波路の製造方法 - Google Patents

ポリイミド光導波路製造装置及びポリイミド光導波路の製造方法

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JPH07209536A
JPH07209536A JP1409394A JP1409394A JPH07209536A JP H07209536 A JPH07209536 A JP H07209536A JP 1409394 A JP1409394 A JP 1409394A JP 1409394 A JP1409394 A JP 1409394A JP H07209536 A JPH07209536 A JP H07209536A
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JP
Japan
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optical waveguide
polyimide
electron beam
bis
width
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JP1409394A
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Inventor
Yoko Maruo
容子 丸尾
Shigekuni Sasaki
重邦 佐々木
Toshiaki Tamamura
敏昭 玉村
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子線描画方法を用いポリイミド光導波路を
製造する時に、描画のつなぎ目のない導波路を製造する
装置及び方法を提供する。 【構成】 試料台上のポリイミドに電子線を照射し、光
導波路のコア部を作製するためのポリイミド光導波路製
造装置において、少なくとも前記コア部のコア幅と同じ
大きさの直径を有する電子線を発生する電子線発生源を
有するポリイミド光導波路製造装置。前記装置で、前記
試料台を移動する手段を有する装置。ポリイミドに電子
線を照射し、光導波路のコア部を作製するポリイミド光
導波路製造方法において、前記ポリイミドを試料台上に
固定し、前記電子線幅を前記コア部の幅と同一の幅に設
定し、電子線を走引するか、試料台を移動することによ
りコア部を作製するポリイミド光導波路製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリイミド光導波路を製
造する装置及び方法に関し、特に電子線描画方法を用い
る光導波路の製造装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】低損失光ファイバの開発による光通信シ
ステムの実用化に伴い、種々の光通信用部品の開発が望
まれている。またこれら光部品を高密度に実装する光配
線技術、特に光導波路技術の確立が望まれている。一般
に、光導波路には、光損失が小さい、製造が容易、コア
とクラッドの屈折率差を制御できる、耐熱性に優れてい
る、等の条件が要求される。低損失な光導波路としては
石英系が主に検討されている。光ファイバで実証済みの
ように石英は光透過性が極めて良好であるため導波路と
した場合も波長が1.3μmにおいて0.1dB/cm
以下の低損失化が達成されている。しかしその光導波路
作製には長時間を必要とする、作製時に高温が必要であ
る、大面積化が困難であるなどの製造上の問題がある。
一方耐熱性に優れているポリイミドは電子部品の絶縁
膜、フレキシブルプリント配線板などの電子材料として
多く用いられているが、これまで光導波路などの光学部
品への適用についての実績はほとんどない。このような
観点に立ち、本発明者らはポリイミド光導波路について
研究開発を進めている。本発明者らは特開平4−873
4号公報でフッ素化ポリイミドを共重合することにより
光導波路の形成に必要な屈折率制御が可能であることを
明らかにしている。またこれらのフッ素化ポリイミドを
用いた光導波路については特開平4−9807号、同4
−235505号、同4−235506号各公報で明ら
かにしている。しかし従来のポリイミド光導波路の製造
方法は、半導体作製プロセスで用いられているリアクテ
ィブ イオン エッチング(RIE)を用いる方法が主
流であり作製工程が多く、作製に長時間を必要とする欠
点があった。これらのポリイミド光導波路の作製方法に
替る、作製工程が少なく、短時間で作製可能な光導波路
の作製方法が望まれている。本発明者らはこれらの問題
を解決するため特願平4−226549号明細書でポリ
イミドに電子線を照射することにより屈折率を変化させ
ることが可能であることを明らかにし、また特願平5−
82516号明細書では電子線照射ポリイミドをコア、
電子線未照射ポリイミドをクラッドとしたポリイミド光
導波路を明らかにした。更に特願平5−178574号
明細書では電子線の照射方法として電子線描画法を用い
ることにより、RIE法による加工をせずにコアを形成
できることを明らかにし、また複数のポリイミドの積層
膜を用いることにより、コア形成だけでなくクラッド形
成もできることを明らかにした。しかし既に報告した方
法によりポリイミドの光導波路を製造する場合、ポリイ
ミド導波路製造装置は存在せず、半導体産業等で用いて
いる電子線描画装置を使用する以外に方法はなかった。
一般の電子線描画装置を用いると、電子線描画装置は電
子線の走引と試料の移動機構の両方を用いて描画を行う
ため、光導波路の途中に描画のつなぎ目が存在し、これ
が光損失の原因になる恐れがあった。そこで、より低光
損失の導波路作製のために描画のつなぎ目なしで光導波
路を製造する装置及び方法が必要になった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
線描画方法を用いポリイミド光導波路を製造する時に、
描画のつなぎ目のない導波路を製造する装置及び方法を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明はポリイミド光導波路製造装置に関す
る発明であって、試料台上のポリイミドに電子線を照射
し、光導波路のコア部を作製するためのポリイミド光導
波路製造装置において、少なくとも前記コア部のコア幅
と同じ大きさの直径を有する電子線を発生する電子線発
生源を有することを特徴とする。また、本発明の第2の
発明は、第1の発明のポリイミド光導波路製造装置に関
する発明であって、前記試料台を移動する手段を有する
ことを特徴とする。更に、本発明の第3の発明は、ポリ
イミド光導波路の製造方法に関する発明であって、ポリ
イミドに電子線を照射し、光導波路のコア部を作製する
ポリイミド光導波路製造方法において、前記ポリイミド
を固定された試料台に固定し、前記電子線幅を前記コア
部の幅と同一の幅に設定し、前記電子線を前記ポリイミ
ド上で走引することによってコア部を作製することを特
徴とする。そして、本発明の第4の発明はポリイミド光
導波路の製造方法に関する発明であって、ポリイミドに
電子線を照射し、光導波路のコア部を作製するポリイミ
ド光導波路製造方法において、前記ポリイミドを試料台
上に固定し、前記電子線幅を前記コア部の幅と同一の幅
に設定し、該試料台を移動することによってコア部を作
製することを特徴とする。
【0005】前記のような状況にかんがみ、本発明者ら
は鋭意検討を行った結果、導波路のコア幅の電子線を用
い、電子線の走引のみを行う、又は導波路のコア幅の電
子線を用い、電子線の走引は行わず、試料のみを移動さ
せることによって、前記目的を達成できることを見いだ
し本発明を完成するに至った。
【0006】本発明のポリイミド光導波路製造装置は導
波路のコア幅の直径の電子線を発生することが可能な電
子線発生源を装備することを特徴とする。この電子線発
生源は例えば電子銃、レンズ、及びアパーチャ等から構
成される。また走引可能な電子線と固定した試料台を装
備すること、若しくは固定した電子線と移動可能な試料
台を装備することを特徴とする。またポリイミド光導波
路の製造法はコア幅と同幅の電子線を用い、試料を固定
し電子線の走引のみを行う。若しくは電子線を固定し、
試料の移動のみを行って電子線描画方法でポリイミド光
導波路を製造することを特徴とする。
【0007】本発明に用いるポリイミドは、例えば以下
に示すテトラカルボン酸又はその誘導体とジアミンから
製造することができ、ポリイミド単体、ポリイミド共重
合体、ポリイミド混合物及びこれらに必要に応じて添加
材等を添加したものなどがある。
【0008】テトラカルボン酸並びにその誘導体として
の酸無水物、酸塩化物、エステル化物等としては次のよ
うなものが挙げられる。ここではテトラカルボン酸とし
ての例を挙げる。(トリフルオロメチル)ピロメリット
酸、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸、ジ(ヘ
プタフルオロプロピル)ピロメリット酸、ペンタフルオ
ロエチルピロメリット酸、ビス{3,5−ジ(トリフル
オロメチル)フェノキシ}ピロメリット酸、2,3,
3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,
4,4′−テトラカルボキシジフェニルエーテル、2,
3,3′,4′−テトラカルボキシジフェニルエーテ
ル、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸、2,3,6,7−テトラカルボキシナフタレン、
1,4,5,7−テトラカルボキシナフタレン、1,
4,5,6−テトラカルボキシナフタレン、3,3′,
4,4′−テトラカルボキシジフェニルメタン、3,
3′,4,4′−テトラカルボキシジフェニルスルホ
ン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、5,5′−ビス(トリフ
ルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキ
シビフェニル、2,2′,5,5′−テトラキス(トリ
フルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボ
キシビフェニル、5,5′−ビス(トリフルオロメチ
ル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシジフェニ
ルエーテル、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−
3,3′,4,4′−テトラカルボキシベンゾフェノ
ン、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノ
キシ}ベンゼン、ビス{(トリフルオロメチル)ジカル
ボキシフェノキシ}(トリフルオロメチル)ベンゼン、
ビス(ジカルボキシフェノキシ)(トリフルオロメチ
ル)ベンゼン、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス
(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(ジカルボキシ
フェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼ
ン、3,4,9,10−テトラカルボキシペリレン、
2,2−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)フェニル}プロパン、ブタンテトラカルボン酸、シ
クロペンタンテトラカルボン酸、2,2−ビス{4−
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}ヘキサ
フルオロプロパン、ビス{(トリフルオロメチル)ジカ
ルボキシフェノキシ}ビフェニル、ビス{(トリフルオ
ロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオ
ロメチル)ビフェニル、ビス{(トリフルオロメチル)
ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル、ビス
(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチ
ル)ビフェニル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)ジメチルシラン、1,3−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)テトラメチルジシロキサン、ジフルオロ
ピロメリット酸、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシ
トリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、
1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェ
ノキシ)オクタフルオロビフェニルなどである。
【0009】ジアミンとしては、例えば次のものが挙げ
られる。m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノト
ルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノ
デュレン、4−(1H,1H,11H−エイコサフルオ
ロウンデカノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−
(1H,1H−パーフルオロ−1−ブタノキシ)−1,
3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パーフルオ
ロ−1−ヘプタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、
4−(1H,1H−パーフルオロ−1−オクタノキシ)
−1,3−ジアミノベンゼン、4−ペンタフルオロフェ
ノキシ−1,3−ジアミノベンゼン、4−(2,3,
5,6−テトラフルオロフェノキシ)−1,3−ジアミ
ノベンゼン、4−(4−フルオロフェノキシ)−1,3
−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H,2H,2H−
パーフルオロ−1−ヘキサノキシ)−1,3−ジアミノ
ベンゼン、4−(1H,1H,2H,2H−パーフルオ
ロ−1−ドデカノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、
p−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、
2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミ
ン、2,5−ジアミノベンゾトリフルオライド、ビス
(トリフルオロメチル)フェニレンジアミン、ジアミノ
テトラ(トリフルオロメチル)ベンゼン、ジアミノ(ペ
ンタフルオロエチル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パ
ーフルオロヘキシル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パ
ーフルオロブチル)ベンゼン、ベンジジン、2,2′−
ジメチルベンジジン、3,3′−ジメチルベンジジン、
3,3′−ジメトキシベンジジン、2,2′−ジメトキ
シベンジジン、3,3′,5,5′−テトラメチルベン
ジジン、3,3′−ジアセチルベンジジン、2,2′−
ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフ
ェニル、オクタフルオロベンジジン、3,3′−ビス
(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニ
ル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′
−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフ
ェニルスルホン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)
プロパン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジ
フェニルエーテル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン、1,2−ビス(アニリノ)エ
タン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)ヘキサフル
オロプロパン、1,3−ビス(アニリノ)ヘキサフルオ
ロプロパン、1,4−ビス(アニリノ)オクタフルオロ
ブタン、1,5−ビス(アニリノ)デカフルオロペンタ
ン、1,7−ビス(アニリノ)テトラデカフルオロヘプ
タン、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,
4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ビス
(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテル、3,3′,5,5′−テトラキス(トリフ
ルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′
−ジアミノベンゾフェノン、4,4′′−ジアミノ−p
−テルフェニル、1,4−ビス(p−アミノフェニル)
ベンゼン、p−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメ
チルフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)
ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(アミノフ
ェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼ
ン、4,4′′′−ジアミノ−p−クオーターフェニ
ル、4,4′−ビス(p−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、2,2−ビス{4−(p−アミノフェノキシ)フェ
ニル}プロパン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキ
シフェニル)ジフェニルスルホン、2,2−ビス{4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2−ビス{4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4
−(2−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロ
プロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキ
シ)−3,5−ジメチルフェニル}ヘキサフルオロプロ
パン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)−
3,5−ジトリフルオロメチルフェニル}ヘキサフルオ
ロプロパン、4,4′−ビス(4−アミノ−2−トリフ
ルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス
(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)ビ
フェニル、4,4′−ビス(4−アミノ−2−トリフル
オロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4′
−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキ
シ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス{4−(4−ア
ミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル}
ヘキサフルオロプロパン、ビス{(トリフルオロメチ
ル)アミノフェノキシ}ビフェニル、ビス〔{(トリフ
ルオロメチル)アミノフェノキシ}フェニル〕ヘキサフ
ルオロプロパン、ジアミノアントラキノン、1,5−ジ
アミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、ビス
{2−〔(アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオ
ロイソプロピル}ベンゼン、ビス(2,3,5,6−テ
トラフルオロ−4−アミノフェニル)エーテル、ビス
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アミノフェニ
ル)スルフィド、1,3−ビス(3−アミノプロピル)
テトラメチルジシロキサン、1,4−ビス(3−アミノ
プロピルジメチルシリル)ベンゼン、ビス(4−アミノ
フェニル)ジエチルシラン、1,3−ジアミノテトラフ
ルオロベンゼン、1,4−ジアミノテトラフルオロベン
ゼン、4,4′−ビス(テトラフルオロアミノフェノキ
シ)オクタフルオロビフェニル等がある。
【0010】シリコンウェハなどの基板上にスピンコー
トなどの方法により形成したポリイミドフィルムに本発
明によるポリイミド光導波路製造装置を用いて電子線照
射を行い、任意の寸法、形状のコアを有するポリイミド
光導波路が形成できる。電子線のエネルギー、照射量は
使用するポリイミドフィルムの種類、コアとクラッドの
屈折率差の設計値、深さ方向のコアの寸法によって任意
に決めることができる。ただし用いる電子線の幅が導波
路のコアと同じ幅であることが必須である。
【0011】従来の電子線の走引と試料の移動の両方を
用いる電子線描画による光導波路の製造装置及び製造方
法と比較して、本発明のポリイミド光導波路の製造装置
及び製造方法を説明する。図1に本発明のポリイミド光
導波路製造装置の1例を示す。電子銃の後に設けたアパ
ーチャ板で均一性の悪い電子ビームの周辺部をカット
し、その後レンズ系で電子線の直径を基板上で導波路の
コア径と同じになるように調節し、基板に電子線を照射
するようにする。その後電子線の走引、又は試料の移動
を行って導波路を作製する。図2は本発明の電子線描画
によるポリイミド光導波路製造装置を用いて作製する光
導波路の作製方法を表した図である。コアと同幅の電子
線を用い、試料を固定し電子線の走引のみを行って導波
路を製造する。また図3は本発明の電子線描画によるポ
リイミド光導波路製造装置を用いて作製する光導波路の
作製方法を表した図である。コアと同幅の電子線を用
い、試料の移動のみを行って導波路を製造する。図4は
従来の描画装置を用いて作製するポリイミド光導波路の
作製方法を表した図であり、図5は図4の1光導波路部
分の拡大図である。
【0012】従来の描画装置を用いる方法では導波路の
途中に描画によるつなぎ目が含まれているのに対して、
本発明の電子線描画装置を用いる方法では描画のつなぎ
目のないポリイミド光導波路を作製できる。すなわちシ
リコンなどの基板上にポリイミド溶液又はポリアミド酸
溶液をスピンコートなどで塗布した後加熱し、溶媒除去
及び必要によってはキュアを行い、ポリイミドフィルム
を得る。次にこれにコアと同幅の電子線を所定の屈折率
になるように照射し、電子線の走引のみ若しくは、試料
の移動のみを行ってコアを形成する。このようにして描
画のつなぎ目のないポリイミド光導波路が形成できる。
【0013】また好適には電子線を照射する時必要に応
じて静電気の帯電による電子ビームのぶれを防止するた
めの策を講じる。この方法としては、例えばポリイミド
フィルムを導電性膜で覆う、ポリイミドフィルムに導電
性メッシュを圧着させる等の方法が挙げられる。
【0014】また電子線を照射する材料の前処理を種々
行うことも可能である。例えばある物質に充満された雰
囲気内に放置し、電子線を照射し、電子線照射効果を顕
著にすることもできる。特定の目的に合せた前処理は自
由に設定できる。
【0015】導波路の形状は、直線、曲線、折れ曲が
り、S字形、テーパ、分岐、交差、光方向結合器、2モ
ード導波路結合器、グレーティング等自由に設定でき
る。またコアの幅は電子線の広がる範囲内で自由に設定
できる。
【0016】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を詳しく説明す
る。なお本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではなく、材料の組合せ、導波路形状等を変えることに
より多種、多様なポリイミド光導波路を製造できるが、
本実施例では代表的な例を示す。
【0017】実施例1 三角フラスコに2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物88.8g
(0.2mol)と2,2−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4′−ジアミノビフェニル64.0g(0.
2mol)及びN,N−ジメチルアセトアミド1000
gを加えた。この混合物を窒素雰囲気下、室温で3日間
かくはんし、濃度約15wt%のポリアミド酸を得た。
このポリアミド酸溶液をシリコンウェハ上にスピンコー
トした後オーブン中で70℃で2時間、160℃で1時
間、250℃で30分、350℃で1時間加熱し、イミ
ド化を行い、厚さ50μmのポリイミドフィルムを得
た。このフィルムに真空蒸着装置内でAlを10nm蒸
着後、試料台に固定して、ポリイミド光導波路製造装置
に導入した。このフィルムに照射量1500μC/cm
2 の条件で10kVのエネルギー、8μm幅の電子線を
照射し、電子線の走引のみを行って長さ3mmのパター
ンを描画した。その後Al蒸着膜をエッチング液を用い
て取り除いた。得られたポリイミド光導波路を上面から
微分干渉顕微鏡で観察した結果、露光のつなぎ目なしに
導波路が形成されていることが明らかになった。
【0018】実施例2 三角フラスコに2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物88.8g
(0.2mol)と2,2−ビス(トリフルオロメチ
ル)−4,4′−ジアミノビフェニル64.0g(0.
2mol)及びN,N−ジメチルアセトアミド1000
gを加えた。この混合物を窒素雰囲気下、室温で3日間
かくはんし、濃度約15wt%のポリアミド酸を得た。
このポリアミド酸溶液をシリコンウェハ上にスピンコー
トした後オーブン中で70℃で2時間、160℃で1時
間、250℃で30分、350℃で1時間加熱し、イミ
ド化を行い、厚さ50μmのポリイミドフィルムを得
た。このフィルムに真空蒸着装置内でAlを10nm蒸
着後、試料台に固定して、ポリイミド光導波路製造装置
に導入した。更にこのフィルムに照射量1500μC/
cm2 の条件で10kVのエネルギー、8μm幅の電子
線を照射した。この時、試料台の移動のみを行って長さ
70mmのパターンをポリイミドフィルム上に描画し
た。その後Al蒸着膜をエッチング液を用いて取り除い
た。実施例1の場合よりも長さの長い導波路を作製する
ことができた。得られたポリイミド光導波路を上面から
微分干渉顕微鏡で観察した結果、露光のつなぎ目なしに
導波路が形成されていることが明らかになった。
【0019】比較例1 実施例1と同様にして作製したポリイミドフィルムに、
真空蒸着装置内でAlを10nm蒸着後、1μm幅の電
子線を発生することのできる電子線描画装置に導入し
た。図4に示したごとく従来の電子線描画方法を用いて
照射量1500μC/cm2 の条件で10kVのエネル
ギーで、8μm幅、長さ70mmのパターンを描画し
た。その後Al蒸着膜をエッチング液を用いて取り除い
た。得られたポリイミド光導波路を上面から微分干渉顕
微鏡で観察した結果、約0.5μm幅の露光のつなぎ目
が1.5mmおきに存在していることが明らかになっ
た。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明のポリイミド
光導波路製造装置及び製造方法を用いることにより、電
子線描画方法で描画のつなぎ目なしにポリイミドの光導
波路を形成でき、つなぎ目のため生じる光損失をなくす
ことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリイミド光導波路製造装置を示す図
である。
【図2】本発明のポリイミド光導波路製造装置によるポ
リイミド光導波路の作製方法を示す図である。
【図3】本発明のポリイミド光導波路製造装置によるポ
リイミド光導波路の作製方法を示す図である。
【図4】従来の描画装置を用いたポリイミド光導波路の
作製方法を示す図である。
【図5】図4の1光導波路部分の拡大図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料台上のポリイミドに電子線を照射
    し、光導波路のコア部を作製するためのポリイミド光導
    波路製造装置において、少なくとも前記コア部のコア幅
    と同じ大きさの直径を有する電子線を発生する電子線発
    生源を有することを特徴とするポリイミド光導波路製造
    装置。
  2. 【請求項2】 前記試料台を移動する手段を有すること
    を特徴とする請求項1に記載のポリイミド光導波路製造
    装置。
  3. 【請求項3】 ポリイミドに電子線を照射し、光導波路
    のコア部を作製するポリイミド光導波路製造方法におい
    て、前記ポリイミドを固定された試料台に固定し、前記
    電子線幅を前記コア部の幅と同一の幅に設定し、前記電
    子線を前記ポリイミド上で走引することによってコア部
    を作製することを特徴とするポリイミド光導波路製造方
    法。
  4. 【請求項4】 ポリイミドに電子線を照射し、光導波路
    のコア部を作製するポリイミド光導波路製造方法におい
    て、前記ポリイミドを試料台上に固定し、前記電子線幅
    を前記コア部の幅と同一の幅に設定し、該試料台を移動
    することによってコア部を作製することを特徴とするポ
    リイミド光導波路製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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