JPH0815545A - 高分子光導波路製造装置及び高分子光導波路の製造方法 - Google Patents

高分子光導波路製造装置及び高分子光導波路の製造方法

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JPH0815545A
JPH0815545A JP17048694A JP17048694A JPH0815545A JP H0815545 A JPH0815545 A JP H0815545A JP 17048694 A JP17048694 A JP 17048694A JP 17048694 A JP17048694 A JP 17048694A JP H0815545 A JPH0815545 A JP H0815545A
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JP
Japan
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optical waveguide
electron beam
bis
polymer optical
polyimide
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JP17048694A
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English (en)
Inventor
Shigekuni Sasaki
重邦 佐々木
Toshiaki Tamamura
敏昭 玉村
Toru Maruno
透 丸野
Tomoki Sakata
知己 阪田
Yoko Maruo
容子 丸尾
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AFUTEI KK
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
AFUTEI KK
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子線描画方法を用い高分子光導波路を製造
する時に、電子線照射による熱の発生が高分子の変質を
引き起こすのを防ぎ、また導波路サイズを膨張させるの
を防ぎ、なおかつスループットの高い光導波路製造装置
及び製造方法を提供する。 【構成】 電子線描画方法により高分子光導波路を製造
する装置において、電子線照射可能面積の内、少なくと
も前記高分子光導波路のコア部を含む領域をラスタ走査
する機構と、前記高分子光導波路のコア部のみ電子線を
照射する機構とを具備する高分子光導波路製造装置。電
子線照射可能面積の内、少なくとも前記高分子光導波路
のコア部を含む領域をラスタ走査しながら、前記高分子
光導波路のコア部のみ電子線を照射する高分子光導波路
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子光導波路を製造
する装置及び方法に関し、特に電子線描画方法を用いる
光導波路の製造装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】低損失光ファイバの開発による光通信シ
ステムの実用化に伴い、種々の光通信用部品の開発が望
まれている。またこれら光部品を高密度に実装する光配
線技術、特に光導波路技術の確立が望まれている。一般
に、光導波路には、光損失が小さい、製造が容易、コア
とクラッドの屈折率差を制御できる、耐熱性に優れてい
る、等の条件が要求される。低損失な光導波路としては
石英系が主に検討されている。光ファイバで実証済みの
ように石英は光透過性が極めて良好であるため導波路と
した場合も波長が1.3μmにおいて0.1dB/cm
以下の低損失化が達成されている。しかしその光導波路
作製には長時間を必要とする、作製時に高温が必要であ
る、大面積化が困難であるなどの製造上の問題がある。
一方耐熱性に優れているポリイミドは電子部品の絶縁
膜、フレキシブルプリント配線板などの電子材料として
多く用いられているが、これまで光導波路などの光学部
品への適用についての実績はほとんどない。このような
観点に立ち、本発明者らはポリイミド光導波路について
研究開発を進めている。本発明者らは特開平4−873
4号公報でフッ素化ポリイミドを共重合することにより
光導波路の形成に必要な屈折率制御が可能であることを
明らかにしている。またこれらのフッ素化ポリイミドを
用いた光導波路については特開平4−9807号、同4
−235505号、同4−235506号各公報で明ら
かにしている。しかし従来のポリイミド光導波路の製造
方法は、半導体作製プロセスで用いられているリアクテ
ィブ イオン エッチング(RIE)を用いる方法が主
流であり、作製に当っては多くの工程を経るため、作製
に長時間を必要とする欠点があった。このためRIE法
のポリイミド光導波路の作製方法に代る、短時間で作製
可能な光導波路の作製方法が望まれている。本発明者ら
はこれらの問題を解決するため特願平4−226549
号明細書でポリイミドに電子線を照射することにより屈
折率を変化させることが可能であることを明らかにし
た。また特願平6−71282号明細書ではポリイミド
を含む高分子光導波路及びその製造方法として電子線照
射を特徴とする発明を明らかにしている。しかし既に報
告した方法により高分子の光導波路を製造する場合、高
分子導波路製造装置は存在せず、半導体産業等で用いて
いる電子線描画装置を使用する以外に方法はなかった。
一般の電子線描画装置を用い、スループットを高く光導
波路を作製しようとするとできる限りビーム径を大きく
し、電流密度を上げ、導波路のコアの部分のみ電子線を
走査し、照射するベクタスキャン方法がとられる。しか
しそのような方法を用いると、電子線は常時高分子に照
射されているため用いる電流密度によっては、電子線ビ
ームにより発生する熱が高分子の変質を引き起こした
り、導波路サイズの膨張を引き起こしたりするという問
題点が生じることがあった。またそのような問題を避け
ようとして電流密度を下げるとスループットが極端に低
下するという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
線描画方法を用い高分子光導波路を製造する時に、電子
線照射による熱の発生が高分子の変質を引き起こすのを
防ぎ、また導波路サイズを膨張させるのを防ぐ光導波路
製造装置及び製造方法を提供することにある。また、な
おかつスループットの高い光導波路製造装置及び製造方
法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明は高分子光導波路製造装置に関する発
明であって、電子線描画方法により高分子光導波路を製
造する装置において、電子線照射可能面積の内、少なく
とも前記高分子光導波路のコア部を含む領域をラスタ走
査する機構と、前記高分子光導波路のコア部のみ電子線
を照射する機構とを具備することを特徴とする。また本
発明の第2の発明は高分子光導波路の製造方法に関する
発明であって、電子線描画方法により高分子光導波路を
製造する方法において、電子線照射可能面積の内、少な
くとも前記高分子光導波路のコア部を含む領域をラスタ
走査しながら、前記高分子光導波路のコア部のみ電子線
を照射することを特徴とする。
【0005】前記のような状況にかんがみ、本発明者ら
は鋭意検討を行った結果、電子線照射可能面積の全面又
は一部分、すなわち導波路、及び導波路の周辺部のみを
ラスタスキャンする装置及び方法を用いることによっ
て、前記目的を達成できることを見いだし本発明を完成
するに至った。
【0006】本発明の高分子光導波路製造装置は電子線
照射可能面積の全面又は一部分のみをラスタスキャンで
きる機構を装備することを特徴とする。この機構は例え
ば図1に示すように電子銃、電子レンズ系、ブランキン
グプレート、及び電子線偏向系等から構成される。また
高分子光導波路の製造法は電子線走査を試料全面に行い
光導波路のコア部分のみ電子線をONするラスタスキャ
ン方法で高分子光導波路を製造することを特徴とする。
更に電子線走査を光導波路のコア部分及びその周辺部の
みに限り、その部分をラスタスキャンする方法で高分子
光導波路を製造することを特徴とする。
【0007】本発明に用いる高分子は電子線照射により
屈折率を制御できるすべての高分子を使用できる。例え
ばポリイミド、エポキシ樹脂、ポリエーテルスルホン、
ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、シリコ
ン樹脂、ポリベンゾシクロブテン等が挙げられる。これ
ら高分子は一種類単独で又は数種類組合せて用いてもよ
い。また光導波路特性に悪影響を及ぼさない限り必要に
応じて種々の配合剤を添加してもよい。今後は高分子光
導波路には耐熱性が要求される様になってくるため、耐
熱性に優れた高分子が好適である。上記の中ではポリイ
ミド、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリベンゾシクロ
ブテン等が耐熱性に優れているが、その中でも特に耐熱
性と信頼性が要求される半導体集積回路用の絶縁膜とし
て使用実績のあるポリイミドが好適である。以降高分子
としてポリイミドを例にとって説明する。
【0008】本発明に用いるポリイミドは、電子線照射
により屈折率を制御できるすべてのポリイミドを使用で
きる。例えば以下に示すテトラカルボン酸又はその誘導
体とジアミンから製造することができ、ポリイミド単
体、ポリイミド共重合体、ポリイミド混合物、及びこれ
らに必要に応じて添加剤等を添加したものなどがある。
【0009】テトラカルボン酸並びにその誘導体として
の酸無水物、酸塩化物、エステル化物等としては次のよ
うなものが挙げられる。ここではテトラカルボン酸とし
ての例を挙げる。(トリフルオロメチル)ピロメリット
酸、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸、ジ(ヘ
プタフルオロプロピル)ピロメリット酸、ペンタフルオ
ロエチルピロメリット酸、ビス{3,5−ジ(トリフル
オロメチル)フェノキシ}ピロメリット酸、2,3,
3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,
4,4′−テトラカルボキシジフェニルエーテル、2,
3,3′,4′−テトラカルボキシジフェニルエーテ
ル、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸、2,3,6,7−テトラカルボキシナフタレン、
1,4,5,7−テトラカルボキシナフタレン、1,
4,5,6−テトラカルボキシナフタレン、3,3′,
4,4′−テトラカルボキシジフェニルメタン、3,
3′,4,4′−テトラカルボキシジフェニルスルホ
ン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、5,5′−ビス(トリフ
ルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキ
シビフェニル、2,2′,5,5′−テトラキス(トリ
フルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボ
キシビフェニル、5,5′−ビス(トリフルオロメチ
ル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシジフェニ
ルエーテル、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−
3,3′,4,4′−テトラカルボキシベンゾフェノ
ン、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノ
キシ}ベンゼン、ビス{(トリフルオロメチル)ジカル
ボキシフェノキシ}(トリフルオロメチル)ベンゼン、
ビス(ジカルボキシフェノキシ)(トリフルオロメチ
ル)ベンゼン、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス
(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(ジカルボキシ
フェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼ
ン、3,4,9,10−テトラカルボキシペリレン、
2,2−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)フェニル}プロパン、ブタンテトラカルボン酸、シ
クロペンタンテトラカルボン酸、2,2−ビス{4−
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}ヘキサ
フルオロプロパン、ビス{(トリフルオロメチル)ジカ
ルボキシフェノキシ}ビフェニル、ビス{(トリフルオ
ロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオ
ロメチル)ビフェニル、ビス{(トリフルオロメチル)
ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル、ビス
(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチ
ル)ビフェニル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)ジメチルシラン、1,3−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェニル)テトラメチルジシロキサン、ジフルオロ
ピロメリット酸、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシ
トリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、
1,4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェ
ノキシ)オクタフルオロビフェニルなどである。
【0010】ジアミンとしては、例えば次のものが挙げ
られる。m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノト
ルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノ
デュレン、4−(1H,1H,11H−エイコサフルオ
ロウンデカノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−
(1H,1H−パーフルオロ−1−ブタノキシ)−1,
3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パーフルオ
ロ−1−ヘプタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、
4−(1H,1H−パーフルオロ−1−オクタノキシ)
−1,3−ジアミノベンゼン、4−ペンタフルオロフェ
ノキシ−1,3−ジアミノベンゼン、4−(2,3,
5,6−テトラフルオロフェノキシ)−1,3−ジアミ
ノベンゼン、4−(4−フルオロフェノキシ)−1,3
−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H,2H,2H−
パーフルオロ−1−ヘキサノキシ)−1,3−ジアミノ
ベンゼン、4−(1H,1H,2H,2H−パーフルオ
ロ−1−ドデカノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、
p−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、
2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミ
ン、2,5−ジアミノベンゾトリフルオライド、ビス
(トリフルオロメチル)フェニレンジアミン、ジアミノ
テトラ(トリフルオロメチル)ベンゼン、ジアミノ(ペ
ンタフルオロエチル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パ
ーフルオロヘキシル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パ
ーフルオロブチル)ベンゼン、ベンジジン、2,2′−
ジメチルベンジジン、3,3′−ジメチルベンジジン、
3,3′−ジメトキシベンジジン、2,2′−ジメトキ
シベンジジン、3,3′,5,5′−テトラメチルベン
ジジン、3,3′−ジアセチルベンジジン、2,2′−
ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフ
ェニル、オクタフルオロベンジジン、3,3′−ビス
(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニ
ル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′
−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフ
ェニルスルホン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)
プロパン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジ
フェニルエーテル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン、1,2−ビス(アニリノ)エ
タン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)ヘキサフル
オロプロパン、1,3−ビス(アニリノ)ヘキサフルオ
ロプロパン、1,4−ビス(アニリノ)オクタフルオロ
ブタン、1,5−ビス(アニリノ)デカフルオロペンタ
ン、1,7−ビス(アニリノ)テトラデカフルオロヘプ
タン、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,
4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ビス
(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフェニ
ルエーテル、3,3′,5,5′−テトラキス(トリフ
ルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′
−ジアミノベンゾフェノン、4,4′′−ジアミノ−p
−テルフェニル、1,4−ビス(p−アミノフェニル)
ベンゼン、p−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメ
チルフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)
ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(アミノフ
ェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼ
ン、4,4′′′−ジアミノ−p−クオーターフェニ
ル、4,4′−ビス(p−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、2,2−ビス{4−(p−アミノフェノキシ)フェ
ニル}プロパン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキ
シフェニル)ジフェニルスルホン、2,2−ビス{4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2−ビス{4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4
−(2−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロ
プロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキ
シ)−3,5−ジメチルフェニル}ヘキサフルオロプロ
パン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)−
3,5−ジトリフルオロメチルフェニル}ヘキサフルオ
ロプロパン、4,4′−ビス(4−アミノ−2−トリフ
ルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス
(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)ビ
フェニル、4,4′−ビス(4−アミノ−2−トリフル
オロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4′
−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキ
シ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス{4−(4−ア
ミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル}
ヘキサフルオロプロパン、ビス{(トリフルオロメチ
ル)アミノフェノキシ}ビフェニル、ビス〔{(トリフ
ルオロメチル)アミノフェノキシ}フェニル〕ヘキサフ
ルオロプロパン、ジアミノアントラキノン、1,5−ジ
アミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、ビス
{2−〔(アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオ
ロイソプロピル}ベンゼン、ビス(2,3,5,6−テ
トラフルオロ−4−アミノフェニル)エーテル、ビス
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アミノフェニ
ル)スルフィド、1,3−ビス(3−アミノプロピル)
テトラメチルジシロキサン、1,4−ビス(3−アミノ
プロピルジメチルシリル)ベンゼン、ビス(4−アミノ
フェニル)ジエチルシラン、1,3−ジアミノテトラフ
ルオロベンゼン、1,4−ジアミノテトラフルオロベン
ゼン、4,4′−ビス(テトラフルオロアミノフェノキ
シ)オクタフルオロビフェニル等がある。
【0011】本発明によれば、シリコンウェハなどの基
板上にスピンコートなどの方法により形成したポリイミ
ドフィルムに高分子光導波路製造装置を用いて電子線照
射を行い、任意の寸法、形状のコアを有するポリイミド
光導波路が形成できる。電子線のエネルギー、照射量は
使用するポリイミドフィルムの種類、コアとクラッドの
屈折率差の設計値、深さ方向のコアの寸法によって任意
に決めることができる。
【0012】従来のベクタスキャンの電子線描画装置及
び製造方法と比較して本発明のポリイミド光導波路の製
造装置及び製造方法を説明する。図2は本発明のポリイ
ミド光導波路製造装置のスキャン方法の一例を示す。試
料全面に電子線を走査し、光導波路のコア部分のみ電子
線をONして光導波路を作製する。また、図3は本発明
のポリイミド光導波路製造装置のスキャン方法の別の一
例を示す。電子線を走査する領域、及び電子線を照射す
る領域を設定し、その設定された電子線を走査する部分
のみをラスタスキャンして光導波路を作製する。図4は
従来の描画装置を用いてベクタスキャンで作製するポリ
イミド光導波路の作製方法を表した図である。従来の描
画装置を用いる方法では光導波路のコア部分のみ電子線
の走査を行い、常時電子線を照射していたのに対して、
本発明の電子線描画装置を用いる方法では電子線の照射
されていないOFFの時間を設け、その結果電子線によ
る熱の発生の影響が少なくポリイミド光導波路を作製で
きる。すなわちシリコンなどの基板上にポリイミド溶液
又はポリアミド酸溶液をスピンコートなどで塗布した後
加熱し、溶媒除去及び必要によってはキュアを行い、ポ
リイミドフィルムを得る。次にこれに試料全面に電子線
の走査が行われるラスタスキャン方法で電子線を所定の
屈折率になるように照射し、電子線による熱の発生の影
響を小さくして光導波路を得ることができる。
【0013】更に、図3に一例を示した本発明の電子線
描画装置を用いる方法では電子線の走査する領域を減ら
すことによりスループットを上げてポリイミド光導波路
を作製できる。すなわちシリコンなどの基板上にポリイ
ミド溶液又はポリアミド酸溶液をスピンコートなどで塗
布した後加熱し、溶媒除去及び必要によってはキュアを
行い、ポリイミドフィルムを得る。次にこれに導波路及
びその周辺部に電子線の走査を限定するようにしてラス
タスキャン方法で電子線を所定の屈折率になるように照
射し、スループットを上げて光導波路を得ることができ
る。
【0014】図4は従来の描画装置を用いてベクタスキ
ャンで作製するポリイミド光導波路の作製方法を表した
図である。従来の描画装置を用いる方法では試料表面の
導波路作製部分のみに電子線の走査を行っていたのに対
して、本発明の電子線描画装置を用いる方法では導波路
だけでなく試料全面又は光導波路の周辺部も走査するこ
とにより電子線照射により生じる熱を拡散することが可
能となり、熱の影響が少なくポリイミド光導波路を作製
できる。すなわちシリコンなどの基板上にポリイミド溶
液又はポリアミド酸溶液をスピンコートなどで塗布した
後加熱し、溶媒除去及び必要によってはキュアを行い、
ポリイミドフィルムを得る。次にこれに試料全面若しく
は導波路及びその周辺部に電子線の走査を限定するよう
にしてラスタスキャン方法で電子線を所定の屈折率にな
るように照射する。このような電子線照射によりポリイ
ミド内に生じる熱を拡散することが可能となり、熱の影
響を少なくして光導波路を得ることができる。
【0015】また電子線を照射する時必要に応じて静電
気の帯電による電子ビームのぶれを防止するための策を
講じる。この方法としては、例えばポリイミドフィルム
を導電性膜で覆う、ポリイミドフィルムに導電性メッシ
ュを圧着させる等の方法が挙げられる。また電子線を照
射する材料の前処理を種々行うことも可能である。例え
ばある物質に充満された雰囲気内に放置し、電子線を照
射し、電子線照射効果を顕著にすることもできる。特定
の目的に合せた前処理は自由に設定できる。
【0016】導波路の形状は、直線、曲線、折れ曲が
り、S字形、テーパ、分岐、交差、光方向結合器、2モ
ード導波路結合器、グレーティング等自由に設定でき
る。またコアの幅も自由に設定できる。
【0017】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を詳しく説明す
る。なお実施例では高分子としてポリイミドを用い、数
限りなく製造できる高分子光導波路のほんの一部につい
て説明するが本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではなく、材料の組合せ、導波路形状等を変えるこ
とにより多種、多様なポリイミド光導波路を製造できる
ことは明らかである。
【0018】実施例1 三角フラスコに2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物88.8g
(0.2mol)と1,4−ビス(p−アミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン66.8g(0.2mo
l)、及びN,N−ジメチルアセトアミド1000gを
加えた。この混合物を窒素雰囲気下、室温で3日間かく
はんし、濃度約15wt%のポリアミド酸を得た。この
ポリアミド酸溶液をシリコンウェハ上にスピンコートし
た後オーブン中で70℃で2時間、160℃で1時間、
250℃で30分、350℃で1時間加熱し、イミド化
を行い、厚さ50μmのポリイミドフィルムを得た。こ
のフィルムに真空蒸着装置内でAlを10nm蒸着後、
高分子光導波路製造装置に導入した。更にこのフィルム
に照射量1500μC/cm2 の条件で10kVのエネ
ルギーの電子線を用いて、8μm幅、長さ70mmの導
波路パターンを試料全面を電子線の走査範囲にしてラス
タスキャンを行った。その後Al蒸着膜をエッチング液
を用いて取り除いた。この方法により作製したポリイミ
ド光導波路を上面から微分干渉顕微鏡で観察した結果、
ベクタスキャンで作製したポリイミド光導波路に比較し
て電子線による熱の影響が少なく屈折率が均一でかつ導
波路幅の膨張が少ない導波路が形成されていることが明
らかとなった。
【0019】実施例2 実施例1と同様にして作製したポリイミドフィルムに、
真空蒸着装置内でAlを10nm蒸着後、高分子光導波
路製造装置に導入した。更にこのフィルムに照射量15
00μC/cm2 の条件で10kVのエネルギーの電子
線を用いて、8μm幅、長さ70mmの導波路パターン
を導波路のコア部分及びコア部分の周辺部10μmの領
域のみを電子線の走査範囲にしてラスタスキャンを行っ
た。その後Al蒸着膜をエッチング液を用いて取り除い
た。この方法により作製したポリイミド光導波路を上面
から微分干渉顕微鏡で観察した結果、ベクタスキャンで
作製したポリイミド光導波路に比較して電子線による熱
の影響が少なく屈折率が均一でかつ導波路幅の膨張が少
ない導波路が形成されていることが明らかとなった。ま
た実施例1に比較して1/5の時間で光導波路が作製で
きた。
【0020】比較例1 実施例1と同様にして作製したポリイミドフィルムに、
真空蒸着装置内でAlを10nm蒸着後、電子線描画装
置に導入した。従来のベクタスキャン電子線描画方法を
用いて照射量1500μC/cm2 の条件で10kVの
エネルギーで、8μm幅、長さ70mmのパターンを描
画した。その後Al蒸着膜をエッチング液を用いて取り
除いた。得られたポリイミド光導波路を上面から微分干
渉顕微鏡で観察した結果、電子線による熱の影響でポリ
イミドが変質し、導波路内に屈折率が不均一な部分及び
導波路幅が膨張している部分が多く存在していることが
明らかになった。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の高分子光
導波路製造装置及び製造方法を用いることにより、電子
線照射により生じる熱の影響が少なく光導波路を作製で
きるという効果がある。また更にスループットをあまり
落さずに光導波路を作製できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高分子光導波路製造装置を示す図であ
る。
【図2】本発明の高分子光導波路製造装置によるポリイ
ミド光導波路の作製方法を示す図である。
【図3】本発明の高分子光導波路製造装置によるポリイ
ミド光導波路の作製方法を示す図である。
【図4】従来の描画装置を用いベクタスキャン方法での
ポリイミド光導波路の作製方法を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/027 (72)発明者 丸野 透 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 阪田 知己 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 丸尾 容子 東京都武蔵野市緑町3丁目9番11号 株式 会社アフティ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子線描画方法により高分子光導波路を
    製造する装置において、電子線照射可能面積の内、少な
    くとも前記高分子光導波路のコア部を含む領域をラスタ
    走査する機構と、前記高分子光導波路のコア部のみ電子
    線を照射する機構とを具備することを特徴とする高分子
    光導波路製造装置。
  2. 【請求項2】 電子線描画方法により高分子光導波路を
    製造する方法において、電子線照射可能面積の内、少な
    くとも前記高分子光導波路のコア部を含む領域をラスタ
    走査しながら、前記高分子光導波路のコア部のみ電子線
    を照射することを特徴とする高分子光導波路の製造方
    法。
JP17048694A 1994-06-30 1994-06-30 高分子光導波路製造装置及び高分子光導波路の製造方法 Pending JPH0815545A (ja)

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