JP2000336832A - 木片セメント板およびその製造方法 - Google Patents

木片セメント板およびその製造方法

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JP2000336832A
JP2000336832A JP11148265A JP14826599A JP2000336832A JP 2000336832 A JP2000336832 A JP 2000336832A JP 11148265 A JP11148265 A JP 11148265A JP 14826599 A JP14826599 A JP 14826599A JP 2000336832 A JP2000336832 A JP 2000336832A
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JP
Japan
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cement
composition
wood
weight
layer
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JP11148265A
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English (en)
Inventor
Yoichi Ikemoto
陽一 池本
Takashi Sawara
敬 佐原
Yoshihiro Nakao
喜浩 中尾
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に加飾模様を有し、寸法安定性に優れ、
反りやねじれのない木片セメント板を提供する。 【解決手段】 表面に加飾模様を有し、かつ厚み方向に
二層構造である木片セメント板であって、表面層は、セ
メント組成物、木片および無機質充填材を主成分とする
組成物から形成され、また、裏面層は、セメント組成物
および木片を主成分とする組成物から形成され、(表面
層の木片重量)/(裏面層の木片重量)が0.1〜0.
8である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外壁などの建築材
料として用いられる木片セメント板およびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築材料、例えば、木片セメント
板は、防火性や耐水性に優れていることから、主に建物
の外壁などに用いられている。この木片セメント板は、
ポルトランドセメントを主成分とするセメント組成物と
木片フレークと水とを混合した後、これらの混合物を成
形型に供給し、加圧加熱することにより所定の形状に賦
形し、硬化させることで製造される(例えば、特開昭5
6−140059号公報および特公平5−13098号
公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た木片セメント板は、表面に凹凸模様を形成した場合、
薄肉部分と厚肉部分が混在することになり、薄肉部分は
緻密構造となる一方、厚肉部分は比較的粗構造となるこ
とから、同一面内に組織の比重差を生じさせるという問
題があった。この結果、同一面内に組織の比重差に起因
する寸法安定性の差異が生じ、反りやねじれが発生し易
い他、複雑な凹凸模様を転写できないという問題があっ
た。
【0004】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、反りやねじれの発生を防止して寸法安
定性に優れるとともに、複雑な凹凸模様を形成すること
のできる木片セメント板およびその製造方法を提供する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の発明は、表面に加飾模様を有し、かつ厚み方向に二
層構造である木片セメント板であって、表面層は、セメ
ント組成物、木片および無機質充填材を主成分とする組
成物から形成され、また、裏面層は、セメント組成物お
よび木片を主成分とする組成物から形成され、(表面層
の木片重量)/(裏面層の木片重量)が0.1〜0.8
であることを特徴とするものである。
【0006】この発明によれば、表面層は裏面層に比べ
て木片混入率が小さく、しかも無機質充填材が混入され
ているため、プレス時の材料流動性に優れ、表面加飾を
転写することが容易となる。また、加飾に伴う厚肉部と
薄肉部の比重差が少なくなり、同一面内の組織の比重差
に起因する寸法安定性の差異が生じず、反りやねじれが
発生することはない。一方、裏面層は表面層に比べて木
片混入率が大きいため、木片の補強効果が大きく、強度
に優れ、かつ軽量である。しかも、表面の加飾付与に悪
影響を及ぼさない。
【0007】請求項1記載の発明において、表面層およ
び裏面層に使用するセメント組成物としては、普通ポル
トランドセメント、早強ポルトランドセメントなどのポ
ルトランドセメントを主成分とするものが使用できる。
製造にホットプレスを使用する場合には、硬化時間を短
縮するため、ポルトランドセメントに熱硬化成分を添加
することが好ましい。
【0008】前記熱硬化成分としては、例えば、アルミ
ナセメント、無水石膏および半水石膏から選ばれる成分
が単独または2種以上混合状態にて主成分として使用さ
れる。ポルトランドセメントとこれら成分から、エトリ
ンガイト(3CaO・Al23 ・3CaS04 ・32
2 0)が生成してセメントを硬化させる。
【0009】セメント組成物における熱硬化成分に対す
るポルトランドセメントの混合割合は、重量比で1:4
〜4:1が好適である。この範囲を外れ、セメント組成
物中の熱硬化成分の含有量が少なすぎ、かつポルトラン
ドセメントの含有量が多すぎる場合には、ホットプレス
中にセメントの硬化反応があまり進行せず、型板から脱
型するのに十分な強度が得られない。逆に、熱硬化成分
の含有量が多すぎ、かつポルトランドセメントの含有量
が少なすぎる場合には、原料費が上がってしまうととも
に、注水からの十分な作業時間が得られない。
【0010】前記セメント組成物においては、セメント
の一部に代えて珪砂、珪砂粉、珪ソウ土などの充填材に
置換してもよい。
【0011】請求項1記載の発明において、表面層およ
び裏面層に使用する木片としては、新木材および建築廃
木材などから作製された木チップを細分化した木片が使
用され、例えば、杉、檜、松、栂、さわら、樫、なら、
かば、ブナ、オーク、ラワン、ひば、栗、けやき、椎、
柳、竹などの材料からなるものが使用される。
【0012】木片の大きさは、用途や強度などの必要に
応じて選択されるが、長さ60mm以下、幅20mm以
下、厚さ2mm以下のものが好ましく、目開き1.68
mm以下の篩で分級された通過分を70重量%以上含有
するものが特に好ましい。
【0013】木片を作製する方法としては公知の方法を
使用することができ、例えば、プレス、回転ロールによ
る圧搾、スリッターや切断機による切断などの方法が挙
げられる。
【0014】請求項1記載の発明において、表面層に使
用する無機質充填材としては特に限定されないが、例え
ば、 パーライト、シラスバルーン、フライアッシュバル
ーン、太平洋セメント社製の商品名「E−スフィアー
ズ」、ガラスバルーンなどの無機軽量骨材、珪砂、川砂
などのセメントモルタル用骨材、フライアッシュ、シリ
カフラワー、シリカヒューム、ベントナイト、高炉スラ
グなどの混合セメント用骨材、セピオライト、ワラスト
ナイト、炭酸カルシウム、マイカなどの天然鉱物などが
挙げられる。
【0015】前記無機質充填材は、単独で使用されても
よいし、2種類以上併用されてもよいが、乾燥、湿潤の
水分変化の少ないもので、かつプレス時の組成物混合物
の流動を妨げないものが好適である。
【0016】請求項1記載の発明において、表面層のセ
メント組成物、木片、無機質充填材および水の混合割合
は、セメント組成物が100重量部に対し、木片が3〜
50重量部、無機質充填材が10〜200重量部、水が
15〜70重量部であることが好ましい。
【0017】前記木片が3重量部未満の場合には、補強
効果が得られず、強度不足となるとともに、比重が大き
くなり、表面層の重量が大きくなるおそれがある。ま
た、木片が50重量部を超えると、バインダーの役目を
するセメント量が少なくなり、強度が低くなるととも
に、防火性能が劣るなどの問題が出てくる。
【0018】前記無機質充填材が10重量部未満の場合
には、比重が大きくなり、表面層の重量が大きくなる。
また、無機質充填材が200重量部を超えると、木片の
場合と同様に、バインダーであるセメント量が少なくな
り、強度が低くなる。
【0019】前記水が15重量部未満の場合には、セメ
ントの水和反応が不十分となり、強度低下を引き起こす
可能性がある。また、水が70重量部を超えると、混合
時に組成物が均一に分散できず、凝集物となるため、成
形された木片セメント板が不均質で強度が出なくなる。
【0020】請求項1記載の発明において、裏面層のセ
メント組成物、木片および水の混合割合は、セメント組
成物が100重量部に対し、木片が3〜50重量部およ
び水が15〜70重量部であることが好ましい。
【0021】前記木片が3重量部未満の場合には、補強
効果が得られず、強度不足となるとともに、比重が大き
くなり、表面層の重量が大きくなるおそれがある。ま
た、木片が50重量部を超えると、バインダーの役目を
するセメント量が少なくなり、強度が低くなるととも
に、防火性能が劣るなどの問題が出てくる。
【0022】前記水が15重量部未満の場合には、セメ
ントの水和反応が不十分となり、強度低下を引き起こす
可能性がある。また、水が70重量部を超えると、混合
時に組成物が均一に分散することができず、凝集物とな
るため、成形された木片セメント板が不均質で強度が出
なくなる。
【0023】この場合、表面層の木片重量:裏面層の木
片重量=0.1〜0.8の範囲内にある必要がある。
【0024】請求項1記載の発明において、セメント組
成物、木片、無機質充填材および水からなる表面層組成
物の混合物の調整、セメント組成物、木片および水から
なる裏面層組成物の混合物の調整は、公知な方法で行わ
れ、例えば、オムニミキサー、ヘンシェルミキサーなど
を使用して行うことができる。
【0025】請求項2記載の発明は、加飾模様を形成し
た型板にセメント組成物、木片、無機質充填材および水
からなる表面層組成物の混合物を散布落下させて堆積さ
せた後、セメント組成物、木片および水からなる裏面層
組成物の混合物を散布落下させて堆積させ、次いで、プ
レス成形することを特徴とするものである。
【0026】この発明によれば、表面に加飾模様を有
し、寸法安定性に優れ、反りやねじれのない木片セメン
ト板をプレス成形によって簡単に製造することができ
る。
【0027】請求項2記載の発明において、セメント組
成物が熱硬化性セメントであり、また、プレス成形が加
熱プレス成形であると、硬化時間を短縮することができ
る。
【0028】一方、請求項4記載の発明は、表面に加飾
模様を有し、かつ厚み方向に三層構造である木片セメン
ト板であって、表面層は、セメント組成物および補強繊
維を主成分とする組成物から形成され、また、中心層
は、セメント組成物、木片および無機質充填材を主成分
とする組成物から形成され、さらに、裏面層は、セメン
ト組成物および木片を主成分とする組成物から形成さ
れ、(中心層の木片重量)/(裏面層の木片重量)が
0.1〜0.8であることを特徴とするものである。
【0029】この発明によれば、中心層は裏面層に比べ
て木片混入率が小さく、しかも無機質充填材が混入され
ているため、プレス時の材料流動性に優れ、表面加飾を
転写することが容易となる。また、加飾に伴う厚肉部と
薄肉部の比重差が少なくなるため、同一面内の組織の比
重差に起因する寸法安定性の差異が生じず、反りやねじ
れが発生することはない。一方、裏面層は中心層に比べ
て木片混入率が大きいため、木片の補強効果が大きく、
強度に優れ、かつ軽量である。しかも、表面の加飾付与
には悪影響を及ぼさない。さらに、表面に繊維補強層が
積層されているため、耐衝撃性や耐透水性に優れる。
【0030】請求項4記載の発明において、表面層、中
心層および裏面層に使用するセメント組成物としては、
普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント
などのポルトランドセメントを主成分とするものが使用
できる。製造にホットプレスを使用する場合には、硬化
時間を短縮するため、ポルトランドセメントに熱硬化成
分を添加することが好ましい。
【0031】前記熱硬化成分としては、例えば、アルミ
ナセメント、無水石膏および半水石膏から選ばれる成分
が単独または2種以上混合状態にて主成分として使用さ
れる。ポルトランドセメントとこれら成分から、エトリ
ンガイト(3CaO・Al23 ・3CaS04 ・32
2 0)が生成してセメントを硬化させる。
【0032】セメント組成物における熱硬化成分に対す
るポルトランドセメントの混合割合は、重量比で1:4
〜4:1が好適である。この範囲を外れ、セメント組成
物中の熱硬化成分の含有量が少なすぎ、かつポルトラン
ドセメントの含有量が多すぎる場合には、ホットプレス
中にセメントの硬化反応があまり進行せず、型板から脱
型するのに十分な強度が得られない。逆に、熱硬化性成
分の含有量が多すぎ、かつポルトランドセメントの含有
量が少なすぎる場合には、原料費が上がってしまうとと
もに、注水からの十分な作業時間が得られない。
【0033】前記セメント組成物においては、セメント
の一部に代えて珪砂、珪砂粉、珪ソウ土などの充填材に
置換してもよい。
【0034】請求項4記載の発明において、表面層に使
用する補強繊維としては特に限定されないが、例えば、
ビニロン、ポリプロピレン、レーヨン、アクリルなどの
有機繊維や、ガラス繊維、ワラストナイト、セピオライ
トなどの無機繊維、粒径1mm以下の微細木粉などが使
用できる。
【0035】請求項4記載の発明において、中心層およ
び裏面層に使用する木片としては、新木材および建築廃
木材などから作製された木チップを細分化した木片が使
用され、例えば、杉、檜、松、栂、さわら、樫、なら、
かば、ブナ、オーク、ラワン、ひば、栗、けやき、椎、
柳、竹などの材料からなるものが使用される。
【0036】木片の大きさは、用途や強度などの必要に
応じて選択されるが、長さ60mm以下、幅20mm以
下、厚さ2mm以下のものが好ましく、目開き1.68
mm以下の篩で分級された通過分を70重量%以上含有
するものが特に好ましい。
【0037】木片を作製する方法としては公知の方法を
使用することができ、例えば、プレス、回転ロールによ
る圧搾、スリッターや切断機による切断などの方法が挙
げられる。
【0038】請求項4記載の発明において、中心層に使
用する無機質充填材としては特に限定されないが、例え
ば、 パーライト、シラスバルーン、フライアッシュバル
ーン、太平洋セメント社製の商品名「E−スフィアー
ズ」、ガラスバルーンなどの無機軽量骨材、珪砂、川砂
などのセメントモルタル用骨材、フライアッシュ、シリ
カフラワー、シリカヒューム、ベントナイト、高炉スラ
グなどの混合セメント用骨材、セピオライト、ワラスト
ナイト、炭酸カルシウム、マイカなどの天然鉱物などが
挙げられる。
【0039】前記無機質充填材は、単独で使用されても
よいし、2種類以上併用されてもよいが、乾燥、湿潤の
水分変化の少ないもので、かつプレス時の組成物混合物
の流動を妨げないものが好適である。
【0040】請求項4記載の発明において、表面層のセ
メント組成物、補強繊維および水の混合割合は、セメン
ト組成物が100重量部に対し、補強繊維が1〜20重
量部、水が15〜70重量部であることが好ましい。
【0041】前記補強繊維が1重量部未満の場合には、
十分な補強効果が得られず、強度不足となる。また、補
強繊維が20重量部を超えると、均一に分散させること
が困難となり、凝集物による強度低下を引き起こす。
【0042】前記水が15重量部未満の場合には、セメ
ントの水和反応が不十分となり、強度低下を引き起こす
可能性がある。また、水が70重量部を超えると、混合
時に組成物が均一に分散することができず、凝集物とな
るため、成形された木片セメント板が不均質で強度が出
なくなる。
【0043】請求項4記載の発明において、中心層のセ
メント組成物、木片、無機質充填材および水の混合割合
は、セメント組成物が100重量部に対し、木片が3〜
50重量部、無機質充填材が10〜200重量部、水が
15〜70重量部であることが好ましい。
【0044】前記木片が3重量部未満の場合には、補強
効果が得られず、強度不足となるとともに、比重が大き
くなり、表面層の重量が大きくなるおそれがある。ま
た、木片が50重量部を超えると、バインダーの役目を
するセメント量が少なくなり、強度が低くなるととも
に、防火性能が劣るなどの問題が出てくる。
【0045】前記無機質充填材が10重量部未満の場合
には、比重が大きくなり、表面層の重量が大きくなる。
また、無機質充填材が200重量部を超えると、木片の
場合と同様に、バインダーであるセメント量が少なくな
り、強度が低くなる。
【0046】前記水が15重量部未満の場合には、セメ
ントの水和反応が不十分となり、強度低下を引き起こす
可能性がある。また、水が70重量部を超えると、混合
時に組成物が均一に分散できず、凝集物となるため、成
形された木片セメント板が不均質で強度が出なくなる。
【0047】請求項4記載の発明において、裏面層のセ
メント組成物、木片および水の混合割合は、セメント組
成物が100重量部に対し、木片が3〜50重量部およ
び水が15〜70重量部であることが好ましい。
【0048】前記木片が3重量部未満の場合には、補強
効果が得られず、強度不足となるとともに、比重が大き
くなり、表面層の重量が大きくなるおそれがある。ま
た、木片が50重量部を超えると、バインダーの役目を
するセメント量が少なくなり、強度が低くなるととも
に、防火性能が劣るなどの問題が出てくる。
【0049】前記水が15重量部未満の場合には、セメ
ントの水和反応が不十分となり、強度低下を引き起こす
可能性がある。また、水が70重量部を超えると、混合
時に組成物が均一に分散することができず、凝集物とな
るため、成形された木片セメント板が不均質で強度が出
なくなる。
【0050】この場合、中心層の木片重量:裏面層の木
片重量=0.1〜0.8の範囲内にある必要がある。
【0051】請求項5記載の発明において、セメント組
成物、補強繊維および水からなる表面層組成物の混合物
の調整、セメント組成物、木片、無機質充填材および水
からなる中心層組成物の混合物の調整、セメント組成
物、木片および水からなる裏面層組成物の混合物の調整
は、公知な方法で行われ、例えば、オムニミキサー、ヘ
ンシェルミキサーなどを使用して行うことができる。
【0052】請求項5記載の発明は、加飾模様を形成し
た型板にセメント組成物、補強繊維および水からなる表
面層組成物の混合物を散布落下させて堆積させた後、セ
メント組成物、木片、無機質充填材および水からなる中
心層組成物の混合物を散布落下させて堆積させ、その
後、セメント組成物、木片および水からなる裏面層組成
物の混合物を散布落下させて堆積させ、次いで、プレス
成形することを特徴とするものである。
【0053】この発明によれば、表面に加飾模様を有
し、耐衝撃性や耐透水性に優れるとともに、寸法安定性
に優れ、反りやねじれのない木片セメント板をプレス成
形によって簡単に製造することができる。
【0054】請求項5記載の発明において、セメント組
成物が熱硬化性セメントであり、また、プレス成形が加
熱プレス成形であると、硬化時間を短縮することができ
る。
【0055】
【実施例】以下、請求項1記載の木片セメント板の実施
例1−1,1−2および木片セメント板の比較例1−
1,1−2について説明する。
【0056】これらの木片セメント板の実施例1−1,
1−2および木片セメント板の比較例1−1,1−2
は、下記の表1に示す組成を表1に示す配合で作製した
ものである。
【0057】
【表1】
【0058】セメント組成物としては、早強ポルトラン
ドセメント(太平洋セメント社製)70重量部、アルミ
ナセメント(電気化学社製「デンカ2号」)14重量
部、焼石膏(アドラ工業社製)10重量部、消石灰(駒
形石灰工業社製)6重量部を予備混合したものを用い
た。
【0059】木片としては、檜、杉の混合された木材チ
ップを、パールマン社のリング型ハンマーミルで切削し
て得た。
【0060】無機充填材としては、フライアッシュバル
ーン(ユニオン化成社製「CFビーズ」)を用いた。
【0061】セメント組成物、木片、無機充填材および
水の混合は、オムニミキサーを用いて行った。
【0062】表面層組成物の混合においては、まず、木
片あるいは木片と無機質充填材の混合物に水を混合し、
次いで、セメント組成物と無機充填材の混合物あるいは
セメント組成物を混合し、混合物を得た。
【0063】裏面層組成物の混合においては、まず、木
片に水を混合し、次いで、セメント組成物を混合し、混
合物を得た。
【0064】表面層組成物の混合物を、加飾模様が形成
された金属製の型板上に散布落下させて堆積させた後、
裏面層組成物の混合物を散布落下させて堆積させ、次い
で、圧力40kgf/cm2 、温度93℃にて15分間
ホットプレスにより加熱加圧することで硬化させた後、
脱型して、図1に示す断面形状の木片セメント板(50
0mm×500mm)を得た。
【0065】これらの木片セメント板の実施例1−1,
1−2および木片セメント板の比較例1−1,1−2に
ついて、曲げ強度、比重、反りの各試験を行った。
【0066】曲げ強度については、JIS A 140
8に準拠して行った。
【0067】比重については、JIS A 5417に
準拠して行った。
【0068】反りについては、木片セメント板を水中に
1日浸漬した後、熱風乾燥機によって60℃で1日乾燥
させることを1サイクルとする乾温繰り返し試験を5サ
イクル行った後、反りを測定するとともに、ねじれを観
察し、以下の基準で評価した。
【0069】○:反り量が1mm以下で、かつねじれの
ないもの △:反り量が1〜2mmのもの ×:反り量
が2mm以上、あるいはねじれがあるもの 前記表1から実施例1−1,1−2は、曲げ強度に優れ
るとともに、山谷比重差も少なく、反りやねじれの発生
が認められなかったが、比較例1−1は、山谷比重差が
大きく、反りやねじれが発生し、比較例1−2は、曲げ
強度に劣る。
【0070】次に、請求項4記載の木片セメント板の実
施例2−1,2−2および木片セメント板の比較例2−
1〜2−3について説明する。
【0071】これらの木片セメント板の実施例2−1,
2−2および木片セメント板の比較例2−1〜2−3
は、下記の表2に示す組成を表2に示す配合で作製した
ものである。
【0072】
【表2】
【0073】セメント組成物としては、早強ポルトラン
ドセメント(太平洋セメント社製)70重量部、アルミ
ナセメント(電気化学社製「デンカ2号」)14重量
部、焼石膏(アドラ工業社製)10重量部、消石灰(駒
形石灰工業社製)6重量部を予備混合したものを用い
た。
【0074】木片としては、檜、杉の混合された木材チ
ップを、パールマン社のリング型ハンマーミルで切削し
て得た。
【0075】無機質充填材としては、フライアッシュバ
ルーン(ユニオン化成社製「CFビーズ」)を用いた。
【0076】補強繊維としては、ビニロン(クラレ社製
「RM182」)を用いた。
【0077】セメント組成物、木片、無機質充填材、補
強繊維および水の混合は、オムニミキサーを用いて行っ
た。
【0078】表面層組成物の混合においては、補強繊維
に水を混合し、次いで、セメント組成物を混合し、混合
物を得た。
【0079】中心層組成物の混合においては、まず、木
片あるいは木片と無機充填材の混合物に水を混合し、次
いで、セメント組成物と無機充填材の混合物あるいはセ
メント組成物を混合し、混合物を得た。
【0080】裏面層組成物の混合においては、まず、木
片に水を混合し、次いで、セメント組成物を混合し、混
合物を得た。
【0081】表面層組成物の混合物を、加飾模様が形成
された金属製の型板上に散布落下させて堆積させた後、
中心層組成物の混合物を散布落下させて堆積させ、その
後、裏面層組成物の混合物を散布落下させて堆積させ、
次いで、圧力40kgf/cm2 、温度93℃にて15
分間ホットプレスにより加熱加圧することで硬化させた
後、脱型して、図2に示す断面形状の木片セメント板
(500mm×500mm)を得た。
【0082】これらの木片セメント板の実施例2−1,
2−2および木片セメント板の比較例2−1〜2−3に
ついて、曲げ強度、比重、耐衝撃性、反りの各試験を行
った。
【0083】曲げ強度については、JIS A 140
8に準拠して行った。
【0084】比重については、JIS A 5417に
準拠して行った。
【0085】耐衝撃性については、JIS A 542
3に準拠して行った。
【0086】反りについては、木片セメント板を水中に
1日浸漬した後、熱風乾燥機によって60℃で1日乾燥
させることを1サイクルとする乾温繰り返し試験を5サ
イクル行った後、反りを測定するとともに、ねじれを観
察し、以下の基準で評価した。
【0087】○:反り量が1mm以下で、かつねじれの
ないもの △:反り量が1〜2mmのもの ×:反り量
が2mm以上、あるいはねじれがあるもの 前記表2から実施例2−1,2−2は、曲げ強度、耐衝
撃性ともに優れるとともに、山谷比重差も少なく、反り
やねじれの発生が認められなかったが、比較例2−1
は、山谷比重差が大きく、反りやねじれが発生し、比較
例2−2は、曲げ強度に劣り、比較例2−3は、耐衝撃
性に劣る。
【0088】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の木片セメン
ト板によれば、表面加飾を転写することが容易となると
ともに、加飾に伴う厚肉部と薄肉部の比重差が少なくな
り、同一面内の組織の比重差に起因する寸法安定性の差
異が生じず、反りやねじれを発生することがない。
【0089】また、請求項2記載の木片セメント板の製
造方法によれば、表面に加飾模様を有し、寸法安定性に
優れ、反りやねじれのない木片セメント板をプレス成形
によって簡単に製造することができる。
【0090】一方、請求項4記載の木片セメント板によ
れば、表面加飾を転写することが容易となるとともに、
加飾に伴う厚肉部と薄肉部の比重差が少なくなり、同一
面内の組織の比重差に起因する寸法安定性の差異が生じ
ず、反りやねじれを発生することがなく、また、耐衝撃
性や耐透水性に優れる。
【0091】また、請求項5記載の木片セメント板の製
造方法によれば、表面に加飾模様を有し、耐衝撃性や耐
透水性に優れるとともに、寸法安定性に優れ、反りやね
じれのない木片セメント板をプレス成形によって簡単に
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木片セメント板の第1実施例を模式的
に示す断面図である。
【図2】本発明の木片セメント板の第2実施例を模式的
に示す断面図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に加飾模様を有し、かつ厚み方向に
    二層構造である木片セメント板であって、表面層は、セ
    メント組成物、木片および無機質充填材を主成分とする
    組成物から形成され、また、裏面層は、セメント組成物
    および木片を主成分とする組成物から形成され、(表面
    層の木片重量)/(裏面層の木片重量)が0.1〜0.
    8であることを特徴とする木片セメント板。
  2. 【請求項2】 加飾模様を形成した型板にセメント組成
    物、木片、無機質充填材および水からなる表面層組成物
    の混合物を散布落下させて堆積させた後、セメント組成
    物、木片および水からなる裏面層組成物の混合物を散布
    落下させて堆積させ、次いで、プレス成形することを特
    徴とする木片セメント板の製造法。
  3. 【請求項3】 前記セメント組成物が熱硬化性セメント
    であり、また、プレス成形が加熱プレス成形であること
    を特徴とする請求項2記載の木片セメント板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 表面に加飾模様を有し、かつ厚み方向に
    三層構造である木片セメント板であって、表面層は、セ
    メント組成物および補強繊維を主成分とする組成物から
    形成され、また、中心層は、セメント組成物、木片およ
    び無機質充填材を主成分とする組成物から形成され、さ
    らに、裏面層は、セメント組成物および木片を主成分と
    する組成物から形成され、(中心層の木片重量)/(裏
    面層の木片重量)が0.1〜0.8であることを特徴と
    する木片セメント板。
  5. 【請求項5】 加飾模様を形成した型板にセメント組成
    物、補強繊維および水からなる表面層組成物の混合物を
    散布落下させて堆積させた後、セメント組成物、木片、
    無機質充填材および水からなる中心層組成物の混合物を
    散布落下させて堆積させ、その後、セメント組成物、木
    片および水からなる裏面層組成物の混合物を散布落下さ
    せて堆積させ、次いで、プレス成形することを特徴とす
    る木片セメント板の製造法。
  6. 【請求項6】 前記セメント組成物が熱硬化性セメント
    であり、また、プレス成形が加熱プレス成形であること
    を特徴とする請求項5記載の木片セメント板の製造方
    法。
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CN104230226A (zh) * 2014-08-25 2014-12-24 安徽博大纤维素科技有限公司 一种含有木质素的轻质隔墙板

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CN104230226A (zh) * 2014-08-25 2014-12-24 安徽博大纤维素科技有限公司 一种含有木质素的轻质隔墙板
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