JP2000336110A - オレフィン重合用触媒および重合方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒および重合方法

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JP2000336110A JP11107577A JP10757799A JP2000336110A JP 2000336110 A JP2000336110 A JP 2000336110A JP 11107577 A JP11107577 A JP 11107577A JP 10757799 A JP10757799 A JP 10757799A JP 2000336110 A JP2000336110 A JP 2000336110A
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居 成 和 松
Kazutaka Tsuru
留 和 孝 津
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正 利 二田原
Terunori Fujita
田 照 典 藤
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谷 誠 三
Yukihiro Takagi
木 幸 浩 高
Takashi Nakano
野 隆 志 中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた重合活性を有するオレフィン重合用触
媒、および該触媒を用いたオレフィンの重合方法を提供
すること。 【解決手段】 オレフィン重合用触媒は、(A)下記式
(I)で表される遷移金属化合物と、必要に応じて
(B)有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合
物、および遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を
形成する化合物よりなる群より選ばれる少なくとも一種
の化合物とからなる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遷移金属化合物か
らなるオレフィン重合用触媒、ならびに該オレフィン重
合用触媒を用いたオレフィンの重合方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】オレフィン重合用触媒としては、
いわゆるカミンスキー触媒がよく知られている。この触
媒は非常に重合活性が高く、分子量分布が狭い重合体が
得られるという特徴がある。このようなカミンスキー触
媒に用いられる遷移金属化合物としては、たとえばビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(特
開昭58ー19309号公報参照)や、エチレンビス
(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジク
ロリド(特開昭61−130314号公報参照)などが
知られている。また重合に用いる遷移金属化合物が異な
ると、オレフィン重合活性や得られたポリオレフィンの
性状が大きく異なることも知られている。さらに最近新
しいオレフィン重合用触媒としてジイミン構造の配位子
を持った遷移金属化合物(国際公開特許第962301
0号参照)が提案されている。
【0003】ところで一般にポリオレフィンは、機械的
特性などに優れているため、各種成形体用など種々の分
野に用いられているが、近年ポリオレフィンに対する物
性の要求が多様化しており、様々な性状のポリオレフィ
ンが望まれている。また生産性の向上も課題である。
【0004】このような状況のもと、オレフィン重合活
性に優れ、しかも優れた性状を有するポリオレフィンを
製造しうるようなオレフィン重合用触媒の出現が望まれ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、遷移金属化
合物からなり、優れたオレフィン重合活性を有するオレ
フィン重合用触媒、および該触媒を用いるオレフィンの
重合方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1のオレ
フィン重合用触媒は、(A)下記式(a)で表される化
合物と下記式(e)で表される金属化合物とを結合反応
させて得られるものであって、金属原子に対する該金属
原子に結合する下記式(a)化合物に由来する配位子の
モル比が1〜6である遷移金属化合物と、必要に応じ
て、(B)(B-1) 有機金属化合物、(B-2) 有機アルミニ
ウムオキシ化合物、および(B-3) 遷移金属化合物(A)と
反応してイオン対を形成する化合物よりなる群から選ば
れる少なくとも1種の化合物と、からなることを特徴と
している。
【0007】
【化10】
【0008】(上式中、Aは、酸素原子、イオウ原子、
セレン原子、または結合基−R5を有する窒素原子を示
し、Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R10)−、
−P(O)(R11)−、−P(R12)−、−SO−または−S
−を示し、Zは、Nの結合基として、−R13および−R
14、=C(R15)R16または=NR17を示し、R1〜R17
は、互いに同一でも異なっていてもよい水素原子、ハロ
ゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含
有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有
基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマ
ニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうち2
個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。) MXk ・・・ (e) (上式中、Mは、周期表第3〜11族の遷移金属原子を
示し、kは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原
子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含
有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有
基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残
基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含
有基を示し、kが2以上の場合は、Xで示される複数の
基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示さ
れる複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
本発明に係る第2のオレフィン重合用触媒は、(A)下
記式(b)で表される化合物と前記式(e)で表される
金属化合物とを結合反応させて得られるものであって、
金属原子に対する該金属原子に結合する下記式(b)化
合物に由来する配位子のモル比が1〜6である遷移金属
化合物と、必要に応じて(B)(B-1) 有機金属化合物、
(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および(B-3) 遷
移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、か
らなることを特徴としている。
【0009】
【化11】
【0010】(上式中、Aは、酸素原子、イオウ原子、
セレン原子、または結合基−R5を有する窒素原子を示
し、Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R10)−、
−P(O)(R11)−、−P(R12)−、−SO−、または−
S−を示し、R1〜R13は、互いに同一でも異なってい
てもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ
環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有
基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、
ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基
を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形
成していてもよい。) 本発明に係る第3のオレフィン重合触媒は、(A)下記
式(c)で表される化合物と前記式(e)で表される金
属化合物とを結合反応させて得られるものであって、金
属原子に対する該金属原子に結合する下記式(c)化合
物に由来する配位子のモル比が1〜6、好ましくは1〜
3である遷移金属化合物と、必要に応じて(B)(B-1)
有機金属化合物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合
物、および(B-3) 遷移金属化合物(A)と反応してイオン
対を形成する化合物よりなる群から選ばれる少なくとも
1種の化合物と、からなることを特徴としている。
【0011】
【化12】
【0012】(上式中、Aは、酸素原子、イオウ原子、
セレン原子、または結合基−R5を有する窒素原子を示
し、Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R10)−、
−P(O)(R11)−、−P(R12)−、−SO−または−S
−を示し、R1〜R13は、互いに同一でも異なっていて
もよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環
式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有
基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、
ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基
を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形
成していてもよい。) 本発明に係る第4のオレフィン重合用触媒は、(A)下
記式(d)で表される化合物と前記式(e)で表される
金属化合物とを結合反応させて得られるものであって、
金属原子に対する該金属原子に結合する下記式(d)化
合物に由来する配位子のモル比が1〜6である遷移金属
化合物と、必要に応じて(B)(B-1) 有機金属化合物、
(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および(B-3) 遷
移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、か
らなることを特徴としている。
【0013】
【化13】
【0014】(上式中、Aは、酸素原子、イオウ原子、
セレン原子、または結合基−R5を有する窒素原子を示
し、Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R10)−、
−P(O)(R11)−、−P(R12)−、−SO−または−S
−を示し、Zは、Nの結合基として、−R13および−R
14、=C(R15)R16または=NR17を示しR1〜R
17は、互いに同一でも異なっていてもよい水素原子、ハ
ロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素
含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有
基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマ
ニウム含有基またはスズ含有基を示し、これらのうち2
個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。)本
発明に係る第5のオレフィン重合用触媒は、(A)下記
式(I)で表される遷移金属化合物と、必要に応じて
(B)(B-1) 有機金属化合物、(B-2) 有機アルミニウム
オキシ化合物、および(B-3) 遷移金属化合物(A)と反応
してイオン対を形成する化合物よりなる群から選ばれる
少なくとも1種の化合物と、からなることを特徴として
いる。
【0015】
【化14】
【0016】(上式中、Mは、周期表第3〜11族の遷
移金属原子を示し、mは、1〜6の整数であり、Aは、
酸素原子、イオウ原子、セレン原子、または結合基−R
5を有する窒素原子を示し、Dは、−C(R7)(R8)−、
−Si(R9)(R10)−、−P(O)(R11)−、−P(R12)
−、−SO−または−S−を示し、Zは、Nの結合基と
して、−R13および−R14、=C(R15)R16または=N
17を示し、R1〜R17は、互いに同一でも異なってい
てもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ
環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有
基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、
ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を
示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成
していてもよく、また、mが複数のときは、一つの配位
子に含まれるR1〜R17のうちの1個の基と、他の配位
子に含まれるR1〜R17のうちの1個の基とが結合され
ていてもよく、R1同士、R2同士、R3同士、R4同士、
5同士、R7同士、R8同士、R9同士、R10同士、R11
同士、R12同士、R13同士、R14同士、R 15同士、R16
同士およびR17同士は互いに同一でも異なっていてもよ
く、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原
子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含
有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有
基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残
基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含
有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の
基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示さ
れる複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
本発明に係る第6のオレフィン重合用触媒は、(A)下
記式(II)で表される遷移金属化合物と、必要に応じて
(B)(B-1) 有機金属化合物、(B-2) 有機アルミニウム
オキシ化合物、および(B-3) 遷移金属化合物(A)と反応
してイオン対を形成する化合物よりなる群から選ばれる
少なくとも1種の化合物と、からなることを特徴として
いる。
【0017】
【化15】
【0018】(上式中、Mは、周期表第3〜11族の遷
移金属原子を示し、mは、1〜6の整数であり、Aは、
酸素原子、イオウ原子、セレン原子、または結合基−R
5を有する窒素原子を示し、Dは、−C(R7)(R8)−、
−Si(R9)(R10)−、−P(O)(R11)−、−P(R12)
−、−SO−または−S−を示し、R1〜R13は、互い
に同一でも異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原
子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、
窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオ
ウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含
有基、またはスズ含有基を示し、これらのうち2個以上
が互いに連結して環を形成していてもよく、また、mが
複数のときは、一つの配位子に含まれるR1〜R1 3のう
ちの1個の基と、他の配位子に含まれるR1〜R13のう
ちの1個の基とが結合されていてもよく、R1同士、R2
同士、R3同士、R4同士、R5同士、R6同士、R7
士、R8同士、R9同士、R10同士、R11同士、R12同士
およびR13同士は互いに同一でも異なっていてもよく、
nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原子、ハ
ロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、
窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン
含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ
素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示
し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互い
に同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数
の基は互いに結合して環を形成してもよい。)本発明に
係る第7のオレフィン重合用触媒は、(A)下記式(II
I)で表される遷移金属化合物と、必要に応じて(B)
(B-1) 有機金属化合物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ
化合物、および(B-3) 遷移金属化合物(A)と反応してイ
オン対を形成する化合物よりなる群から選ばれる少なく
とも1種の化合物と、からなることを特徴としている。
【0019】
【化16】
【0020】(上式中、Mは、周期表第3〜11族の遷
移金属原子を示し、mは、1〜3の整数であり、Aは、
酸素原子、イオウ原子、セレン原子、または結合基−R
5を有する窒素原子を示し、Dは、−C(R7)(R8)−、
−Si(R9)(R10)−、−P(O)(R11)−、−P(R12)
−、−SO−または−S−を示し、R1〜R13は、互い
に同一でも異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原
子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、
窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオ
ウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含
有基、またはスズ含有基を示し、これらのうち2個以上
が互いに連結して環を形成していてもよく、また、mが
複数のときは、一つの配位子に含まれるR1〜R1 3のう
ちの1個の基と、他の配位子に含まれるR1〜R13のう
ちの1個の基とが結合されていてもよく、R1同士、R2
同士、R3同士、R4同士、R5同士、R7同士、R8
士、R9同士、R10同士、R11同士、R12同士およびR
13同士は互いに同一でも異なっていてもよく、nは、M
の価数を満たす数であり、Xは、水素原子、ハロゲン原
子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有
基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、
ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有
基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、n
が2以上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一
でも異なっていてもよく、またXで示される複数の基は
互いに結合して環を形成してもよい。)本発明に係る第
8のオレフィン重合用触媒は、(A)下記式(IV)で表
される遷移金属化合物と、必要に応じて(B)(B-1) 有
機金属化合物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、
および(B-3) 遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を
形成する化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種
の化合物と、からなることを特徴としている。
【0021】
【化17】
【0022】(上式中、Mは、周期表第3〜11族の遷
移金属原子を示し、mは、1〜6の整数であり、Aは、
酸素原子、イオウ原子、セレン原子、または結合基−R
5を有する窒素原子を示し、Dは、−C(R7)(R8)−、
−Si(R9)(R10)−、−P(O)(R11)−、−P(R12)
−、−SO−または−S−を示し、Zは、Nの結合基と
して、−R13および−R14、=C(R15)R16または=N
17を示し、R1〜R17は、互いに同一でも異なってい
てもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ
環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有
基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、
ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基
を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形
成していてもよく、また、mが複数のときは、一つの配
位子に含まれるR1〜R1 7のうちの1個の基と、他の配
位子に含まれるR1〜R17のうちの1個の基とが結合さ
れていてもよく、R1同士、R2同士、R3同士、R4
士、R5同士、R6同士、R7同士、R8同士、R9同士、
10同士、R11同士、R12同士、R13同士、R1 4同士、
15同士、R16同士およびR17同士は互いに同一でも異
なっていてもよく、nは、Mの価数を満たす数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有
基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミ
ニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環
式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、ま
たはスズ含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示さ
れる複数の基は互いに同一でも異なっていてもよく、ま
たXで示される複数の基は互いに結合して環を形成して
もよい。)本発明に係る第9のオレフィン重合用触媒
は、(A)下記式(V)で表される遷移金属化合物と、
必要に応じて(B)(B-1) 有機金属化合物、(B-2) 有機
アルミニウムオキシ化合物、および(B-3) 遷移金属化合
物(A)と反応してイオン対を形成する化合物よりなる群
から選ばれる少なくとも1種の化合物と、からなること
を特徴としている。
【0023】
【化18】
【0024】(上式中、Mは、周期表第3〜11族の遷
移金属原子を示し、mは0〜6、pは0〜6、qは0〜
3、rは0〜6の整数でこれらのうち三つ以上が同時に
0になることはなく、m+p+q+r≦6かつm+p+
2q≦6を満たし、A、A'、A''、A'''は、互いに同
一でも異なっていてもよい酸素原子、イオウ原子、セレ
ン原子、または、結合基−R5(A'、A''、A'''に対
応してそれぞれ−R5'、−R5''、−R5'''と表す。以
下同様。)を有する窒素原子を示し、D、D'、D''、
D'''は、互いに同一でも異なっていてもよい−C(R7)
(R8)−、−Si(R9)(R10)−、−P(O)(R11)−、−
P(R12)−、−SO−または−S−を示し、Z、Z'''
は、互いに同一でも異なっていてもよく、Nの結合基と
して、−R13および−R14、=C(R15)R16または=N
17を示し、R1〜R17、R1'〜R13'、R1''〜
13''、R1'''〜R17'''は、互いに同一でも異なって
いてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテ
ロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含
有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有
基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含
有基を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環
を形成していてもよく、また、m+p+q+r≧2のと
きは、一つの配位子に含まれるR1〜R17、R1'〜
13'、R 1''〜R13''、R1'''〜R17'''のうちの1個
の基と、他の配位子に含まれるR1〜R17、R1'〜
13'、R1''〜R13''、R1'''〜R17'''のうちの1個
の基とが結合されていてもよく、R1、R1'、R1''、R
1'''同士、R2、R2'、R2''、R 2'''同士、R3
3'、R3''、R3'''同士、R4、R4'、R4''、R4'''
同士、R 5、R5'、R5''、R5'''同士、R6'、R6'''同
士、R7、R7'、R7''、R7'''同士、R8、R8'、
8''、R8'''同士、R9、R9'、R9''、R9'''同士、
10、R 10'、R10''、R10'''同士、R11、R11'、R
11''、R11'''同士、R12、R12'、R12''、R12'''同
士、R13、R13'、R13''、R13'''同士、R14
14'''同士、R15、R15'''同士、R16、R16'''同士
およびR17、R17'''同士は互いに同一でも異なってい
てもよく、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水
素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオ
ウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含
有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物
残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ
含有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数
の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示
される複数の基は互いに結合して環を形成してもよ
い。)本発明のオレフィン重合触媒では、前記式(a)
〜(d)、(I)〜(V)においてD(式(V)におけ
るD'、D''、D'''を含む)を−C(R7)(R8)−とする
化合物であることが好ましい。
【0025】また、本発明に係るオレフィン重合用触媒
では、前記遷移金属化合物(A)と、(B-1):有機金属化
合物、(B-2):有機アルミニウムオキシ化合物、および(B
-3):遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する
化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
(B)に加えて、担体(C)を含んでいてもよい。
【0026】本発明に係るオレフィンの重合方法は、前
記のような触媒の存在下に、オレフィンを重合または共
重合させることを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明のオレフィン重合用
触媒ならびにこの触媒を用いたオレフィンの重合方法に
ついて具体的に説明する。なお、本明細書において「重
合」という語は、単独重合だけでなく、共重合をも包含
した意味で用いられることがあり、「重合体」という語
は、単独重合体だけでなく、共重合体をも包含した意味
で用いられることがある。
【0028】本発明のオレフィン重合用触媒は、(A)
前記遷移金属化合物と、必要に応じて(B)(B-1) 有機
金属化合物、(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物、お
よび(B-3) 遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形
成する化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の
化合物とから形成されている。
【0029】まず、本発明の遷移金属化合物(A)とと
もに、必要に応じて添加されるオレフィン重合用触媒を
形成する各触媒成分について説明する。(A)遷移金属化合物 本発明で用いられる第1の遷移金属化合物は、下記式
(a)で表わされる化合物(以後(a)〜(d)式の化
合物を「配位子前駆体」と呼ぶ場合がある。)と下記式
(e)で表わされる金属化合物とを結合反応させて得ら
れるものである。ここで、結合反応とは、結合を目的と
する反応であって特に限定されない。
【0030】
【化19】
【0031】式(a)中、Aは、酸素原子、イオウ原
子、セレン原子、または結合基−R5を有する窒素原子
を示す。Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R10)
−、−P(O)(R11)−、−P(R12)−、−SO−または
−S−を示す。これらの中では、−C(R7)(R8)−、−
Si(R9)(R10)−が好ましく、−C(R7)(R8)−が特
に好ましい。Zは、Nの結合基として、−R13および−
14、=C(R15)R16または=NR17を示す。(ここで
「−」および「=」はそれぞれ単結合、二重結合を表
す。以下同様。)R1〜R17は、互いに同一でも異なっ
ていてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘ
テロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素
含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有
基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含
有基を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環
を形成していてもよい。但し、R13またはR14は水素原
子以外のものであることが好ましい。
【0032】R1〜R17は、互いに同一であっても異な
っていてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、
ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、アル
ミニウム含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基であるこ
とが好ましい。より具体的には、R1〜R17が水素原
子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残
基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、
アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリ
ールチオ基、アシル基、エステル基、チオエステル基、
アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホンエ
ステル基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基、カ
ルボキシル基、スルホ基、メルカプト基、アルミニウム
含有基またはヒドロキシ基であることが好ましい。但
し、R13またはR14は水素原子以外のものであることが
好ましい。R1〜R4は、水素原子、炭化水素基、ヘテロ
環式化合物残基、炭化水素置換シリル基または炭化水素
置換シロキシ基であることが好ましく、水素原子、炭化
水素基、ヘテロ環式化合物残基または炭化水素置換シリ
ル基であることが特に好ましい。また、R5 〜R17は、
水素原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水
素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルミニウ
ム含有基であることが好ましく、水素原子、炭化水素
基、ヘテロ環式化合物残基、アルミニウム含有基である
ことが特に好ましい。
【0033】ここで、ハロゲン原子としては、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。炭化水素基として具
体的には、メチル、エチル、n-ブロピル、イソプロピ
ル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、 tert-ブチ
ル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどの炭素原子数が1〜
30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアル
キル基;ビニル、アリル(allyl)、イソプロペニルなど
の炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状
または分岐状のアルケニル基;エチニル、プロパルギル
など炭素原子数が2〜30、好ましくは2〜20の直鎖
状または分岐状のアルキニル基;シクロプロピル、シク
ロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマン
チルなどの炭素原子数が3〜30、好ましくは3〜20
の環状飽和炭化水素基;シクロペンタジエニル、インデ
ニル、フルオレニルなどの炭素数5〜30の環状不飽和
炭化水素基;フェニル、ベンジル、ナフチル、ビフェニ
ル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルな
どの炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリ
ール(aryl)基;トリル、iso-プロピルフェニル、t-ブチ
ルフェニル、ジメチルフェニル、ジ-t-ブチルフェニル
などのアルキル置換アリール基などが挙げられる。
【0034】上記炭化水素基は、水素原子がハロゲンで
置換されていてもよく、たとえば、トリフルオロメチ
ル、ペンタフルオロフェニル、クロロフェニルなどの炭
素原子数1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化炭
化水素基が挙げられる。
【0035】また、上記炭化水素基は、水素原子が他の
炭化水素基で置換されていてもよく、たとえば、ベンジ
ル、クミルなどのアリール基置換アルキル基などが挙げ
られる。
【0036】さらにまた、上記炭化水素基は、ヘテロ環
式化合物残基;アルコシキ基、アリーロキシ基、エステ
ル基、エーテル基、アシル基、カルボキシル基、カルボ
ナート基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、カルボン酸無
水物基などの酸素含有基;アミノ基、イミノ基、アミド
基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ
基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エ
ステル基、アミジノ基、ジアゾ基、アミノ基がアンモニ
ウム塩となったものなどの窒素含有基;ボランジイル
基、ボラントリイル基、ジボラニル基などのホウ素含有
基;メルカプト基、チオエステル基、ジチオエステル
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、
チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチオシ
アン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミ
ド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、ス
ルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル
基などのイオウ含有基;ホスフィド基、ホスホリル基、
チオホスホリル基、ホスファト基などのリン含有基、ケ
イ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を
有していてもよい。
【0037】これらのうち、特に、メチル、エチル、n-
ブロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-
ブチル、t-ブチル、ネオペンチル、n-ヘキシルなどの炭
素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または
分岐状のアルキル基;フェニル、ナフチル、ビフェニ
ル、ターフェニル、フェナントリル、アントラセニルな
どの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリー
ル基;これらのアリール基にハロゲン原子、炭素原子数
1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基またはアル
コキシ基、炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20の
アリール基またはアリーロキシ基などの置換基が1〜5
個置換した置換アリール基等が好ましい。
【0038】ヘテロ環式化合物残基としては、ピロー
ル、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなど
の含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、
チオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれ
らのヘテロ環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好
ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基などの置
換基がさらに置換した基などが挙げられる。
【0039】R1〜R17として示される酸素含有基、窒
素含有基、イオウ含有基、リン含有基としては、上記炭
化水素基に含まれていてもよい置換基として例示したも
のと同様のものが挙げられる。
【0040】R4は水素以外の置換基であることが好ま
しい。すなわち、R4はハロゲン原子、炭化水素基、ヘ
テロ環式化合物残基、酸素含有基、ホウ素含有基、イオ
ウ含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはス
ズ含有基が好ましい。特に、ハロゲン原子、炭化水素
基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭
化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ
基、アリーロキシ基、アリールチオ基、アシル基、エス
テル基、チオエステル基、アミド基、アミノ基、イミド
基、イミノ基、スルホンエステル基、スルホンアミド
基、シアノ基、ニトロ基またはヒドロキシ基であること
が好ましい。R4 として好ましい炭化水素基としては、
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチ
ル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ネオペン
チル、n-ヘキシルなどの炭素原子数が1〜30、好ましく
は1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロプ
ロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、アダマンチルなどの炭素原子数が3〜30、好まし
くは3〜20の環状飽和炭化水素基;フェニル、ベンジ
ル、ナフチル、ビフェニリル、トリフェニリルなどの炭
素原子数が6〜30、好ましくは6〜20のアリール
基;および、これらの基に炭素原子数が1〜30、好ま
しくは1〜20のアルキル基またはアルコキシ基、炭素
原子数が1〜30、好ましくは1〜20のハロゲン化ア
ルキル基、炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜20
のアリール基またはアリーロキシ基、ハロゲン、シアノ
基、ニトロ基、ヒドロキシ基などの置換基がさらに置換
した基などが好ましく挙げられる。R4として好ましい
炭化水素置換シリル基としては、メチルシリル、ジメチ
ルシリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチル
シリル、トリエチルシリル、ジフェニルメチルシリル、
トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジメチ
ル-t-ブチルシリル、ジメチル(ペンタフルオロフエニ
ル)シリルなどが挙げられる。特に好ましくは、トリメ
チルシリル、トリエチルフェニル、ジフェニルメチルシ
リル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、
ジメチル-t-ブチルシリル、ジメチル(ペンタフルオロ
フエニル)シリルなどが挙げられる。R4 としては特
に、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブ
チル、ネオペンチルなどの炭素原子数が3〜30、好ま
しくは3〜20の分岐状アルキル基、およびこれらの基
の水素原子を炭素原子数が6〜30、好ましくは6〜2
0のアリール基で置換した基(クミル基など)、アダマ
ンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシルなどの炭素原子数が3〜30、好ま
しくは3〜20の環状飽和炭化水素基から選ばれる基で
あることが好ましく、あるいはフェニル、ナフチル、フ
ルオレニル、アントラニル、フェナントリルなどの炭素
原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基、ま
たは炭化水素置換シリル基であることも好ましい。ホウ
素含有基としては、上記炭化水素基に含まれていてもよ
い置換基として例示したものと同様のもののほか、アル
キル基置換ホウ素、アリール基置換ホウ素、ハロゲン化
ホウ素、アルキル基置換ハロゲン化ホウ素等の基が挙げ
られる。アルキル基置換ホウ素としては、(Et)2B−、
(iPr)2B−、(iBu)2B−、(Et)3B、(iPr)3B、(i
Bu)3B;アリール基置換ホウ素としては、(C65)2
−、(C65)3B、(C65)3B、(3,5-(CF3)263)
3B;ハロゲン化ホウ素としては、BCl2−、BCl3
アルキル基置換ハロゲン化ホウ素としては、(Et)BCl
−、(iBu)BCl−、(C65)2BClなどが挙げられ
る。このうち三置換のホウ素については、配位結合した
状態であることがある。ここで、Etはエチル基、iPr
はイソプロピル基、iBuはイソブチル基を表す。
【0041】アルミニウム含有基としては、アルキル基
置換アルミニウム、アリール基置換アルミニウム、ハロ
ゲン化アルミニウム、アルキル基置換ハロゲン化アルミ
ニウム等の基が挙げられる。アルキル基置換アルミニウ
ムとしては、(Et)2Al−、(iPr)2Al−、(iBu)2Al
−、(Et)3Al、(iPr)3Al、(iBu)3Al;アリール基
置換アルミニウムとしては、(C65)2Al−;ハロゲン
化アルミニウムとしては、AlCl2−、AlCl3;アルキ
ル基置換ハロゲン化アルミニウムとしては、(Et)AlC
l−、(iBu)AlCl−などが挙げられる。このうち三置
換のアルミニウムについては、配位結合した状態である
ことがある。ここで、Etはエチル基、iPrはイソプロ
ピル基、iBuはイソブチル基を表す。
【0042】ケイ素含有基としては、シリル基、シロキ
シ基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ基
などが挙げられる。このうち炭化水素置換シリル基とし
て具体的には、メチルシリル、ジメチルシリル、トリメ
チルシリル、エチルシリル、ジエチルシリル、トリエチ
ルシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリ
ル、ジメチルフェニルシリル、ジメチル-t-ブチルシリ
ル、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリルなどが
挙げられる。これらの中では、メチルシリル、ジメチル
シリル、トリメチルシリル、エチルシリル、ジエチルシ
リル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、ト
リフェニルシリルなどが好ましい。特にトリメチルシリ
ル、トリエチルシリル、トリフェニルシリル、ジメチル
フェニルシリルが好ましい。炭化水素置換シロキシ基と
して具体的には、トリメチルシロキシなどが挙げられ
る。
【0043】ゲルマニウム含有基およびスズ含有基とし
ては、前記ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムおよび
スズに置換したものが挙げられる。次に上記で説明した
1〜R17の例について、より具体的に説明する。
【0044】酸素含有基のうち、アルコキシ基として
は、メトキシ、エトキシ、n-ブロポキシ、イソプロポキ
シ、n-ブトキシ、イソブトキシ、 tert-ブトキシなど
が、アリーロキシ基としては、フェノキシ、2,6-ジメチ
ルフェノキシ、2,4,6-トリメチルフェノキシなどが、ア
シル基としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル
基、p−クロロベンゾイル基、p-メトキシベンゾイル基
などが、エステル基としては、アセチルオキシ、ベンゾ
イルオキシ、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニ
ル、p-クロロフェノキシカルボニルなどが好ましく例示
される。
【0045】窒素含有基のうち、アミド基としては、ア
セトアミド、N-メチルアセトアミド、N-メチルベンズア
ミドなどが、アミノ基としては、ジメチルアミノ、エチ
ルメチルアミノ、ジフェニルアミノなどが、イミド基と
しては、アセトイミド、ベンズイミドなどが、イミノ基
としては、メチルイミノ、エチルイミノ、プロピルイミ
ノ、ブチルイミノ、フェニルイミノなどが好ましく例示
される。
【0046】イオウ含有基のうち、アルキルチオ基とし
ては、メチルチオ、エチルチオ等が、アリールチオ基と
しては、フェニルチオ、メチルフェニルチオ、ナフチル
チオ等が、チオエステル基としては、アセチルチオ、ベ
ンゾイルチオ、メチルチオカルボニル、フェニルチオカ
ルボニルなどが、スルホンエステル基としては、スルホ
ン酸メチル、スルホン酸エチル、スルホン酸フェニルな
どが、スルホンアミド基としては、フェニルスルホンア
ミド、N-メチルスルホンアミド、N-メチル-p-トルエン
スルホンアミドなどが好ましく挙げられる。
【0047】R1〜R17は、これらのうちの2個以上の
基、好ましくは隣接する基が互いに連結して脂肪環、芳
香環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を
形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有し
ていてもよい。
【0048】Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R
10)−、−P(O)(R11)−、−P(R 12)−、−SO−、
−S−のいずれかを示す。−C(R7)(R8)−の好ましい
例としては、メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレ
ン、ジメチル-1,2-エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-
テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘ
キシレンなどのアルキレン基、ジフェニルメチレン、ジ
フェニル-1,2-エチレンなどのアリールアルキレン基な
どの炭素数1から20の2価の炭化水素基が挙げられ
る。これらの中ではメチレンが特に好ましい。
【0049】−Si(R9)(R10)−の好ましい例として
は、メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリ
レン、ジ(n-ブロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレ
ン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリ
レン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ
(p-クロロフェニル)シリレンなどのアルキルシリレン、
アルキルアリールシリレン、アリールシリレン基、テト
ラメチル-1,2-ジシリレン、テトラフェニル-1,2-ジシリ
レンなどのアルキルジシリレン、アルキルアリールジシ
リレン、アリールジシリレン基などの2価のケイ素含有
基が挙げられる。
【0050】R11としては、酸素含有基であることも好
ましく、この場合アルコキシ基、アリーロキシ基、アリ
ールアルコキシ基が好ましく、特にメトキシ基、フェノ
キシ基などが好ましい。
【0051】上記式(a)の化合物と結合反応させる金
属化合物は、次式(e)で表わされる。 MXk ・・・ (e) 式(e)中、Mは周期表第3〜11族の遷移金属原子
(3族にはランタノイドも含まれる)を示し、好ましく
は3〜10族(3族にはランタノイドも含まれる)の金
属原子であり、より好ましくは3〜5族および8〜10
族の金属原子であり、特に好ましくは4族または5族の
金属原子である。具体的には、スカンジウム、イットリ
ウム、ランタノイド、チタン、ジルコニウム、ハフニウ
ム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデ
ン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウ
ム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウムなどで
あり、好ましくはスカンジウム、ランタノイド、チタ
ン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、
タンタル、鉄、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジ
ウムなどであり、より好ましくは、チタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、鉄、
コバルト、ロジウムなどであり、特に好ましくはチタ
ン、ジルコニウム、ハフニウムである。
【0052】kは、Mの価数を満たす数で、具体的には
0〜6の整数である。例えば2価金属ではk=2、3価
金属ではk=3、4価金属ではk=4、5価金属ではk
=5、6価金属ではk=6である。例えばTi(IV)の
場合k=4、Ti(III)の場合k=3などとなる。
【0053】Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素
基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含
有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有
基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウ
ム含有基、またはスズ含有基を示す。
【0054】ここで、ハロゲン原子としては、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。炭化水素基として
は、前記式(a)のR1〜R17で例示したものと同様の
ものが挙げられる。具体的には、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシ
ル、アイコシルなどのアルキル基;シクロペンチル、シ
クロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの炭素
原子数が3〜30のシクロアルキル基;ビニル、プロペ
ニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基;ベンジ
ル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリール
アルキル基;フェニル、トリル、ジメチルフェニル、ト
リメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニ
ル、ビフェニル、ナフチル、メチルナフチル、アントリ
ル、フェナントリルなどのアリール基などが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。また、これらの
炭化水素基には、ハロゲン化炭化水素、具体的には炭素
原子数1〜30の炭化水素基の少なくとも一つの水素が
ハロゲン置換した基も含まれる。これらのうち、炭素原
子数が1〜20のものが好ましい。
【0055】また、ヘテロ環式化合物残基としては、前
記式(a)のR1〜R17で例示したものと同様のものが
挙げられる。酸素含有基としては、前記式(a)のR1
〜R17で例示したものと同様のものが挙げられ、具体的
には、ヒドロキシ基;メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシなどのアルコシキ基;フェノキシ、メチル
フェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなどのア
リーロキシ基;フェニルメトキシ、フェニルエトキシな
どのアリールアルコキシ基;アセトキシ基;カルボニル
基などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0056】イオウ含有基としては、前記式(a)のR
1〜R17で例示したものと同様のものが挙げられ、具体
的には、メチルスルフォネート、トリフルオロメタンス
ルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスル
フォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベ
ンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフ
ォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフ
ルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート
基;メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、
ベンジルスルフィネート、p-トルエンスルフィネート、
トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベ
ンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基;アルキ
ルチオ基;アリールチオ基などが挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0057】窒素含有基として具体的には、前記式
(a)のR1〜R17で例示したものと同様のものが挙げ
られ、具体的には、アミノ基;メチルアミノ、ジメチル
アミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチル
アミノ、ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ
基;フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミ
ノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのア
リールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0058】ホウ素含有基として具体的には、BR
4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリ
ール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられる。リン含
有基として具体的には、トリメチルホスフィン、トリブ
チルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンなどの
トリアルキルホスフィン基;トリフェニルホスフィン、
トリトリルホスフィンなどのトリアリールホスフィン
基;メチルホスファイト、エチルホスファイト、フェニ
ルホスファイトなどのホスファイト基(ホスフィド
基);ホスホン酸基;ホスフィン酸基などが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0059】ケイ素含有基として具体的には、前記式
(a)のR1〜R17で例示したものと同様のものが挙げ
られ、具体的には、フェニルシリル、ジフェニルシリ
ル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピ
ルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシ
リル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、ト
リナフチルシリルなどの炭化水素置換シリル基;トリメ
チルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルエーテル
基;トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル
基;トリメチルシリルフェニルなどのケイ素置換アリー
ル基などが挙げられる。
【0060】ゲルマニウム含有基として具体的には、前
記式(a)のR1〜R17で例示したものと同様のものが
挙げられ、具体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をゲ
ルマニウムに置換した基が挙げられる。
【0061】スズ含有基としては、前記式(a)のR1
〜R17で例示したものと同様のものが挙げられ、より具
体的には、前記ケイ素含有基のケイ素をスズに置換した
基が挙げられる。
【0062】ハロゲン含有基として具体的には、P
6、BF4などのフッ素含有基、ClO4、SbCl6など
の塩素含有基、IO4などのヨウ素含有基が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0063】アルミニウム含有基として具体的には、A
lR4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいア
リール基、ハロゲン原子等を示す)が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0064】これらの中では、ハロゲン原子、アルキル
基が好ましく、さらには塩素、臭素、メチル基が好まし
い。なお、kが2以上の場合は、Xで示される複数の基
は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示され
る複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
【0065】前記(e)式のMXkの具体例として、T
iCl3、TiCl4、TiBr3、TiBr4、Ti(C
265)4 、Ti(N(Me)2)4 、ZrCl4、ZrB
4、Zr(CH265)4 、Zr(N(Me)2)4 、Hf
Br4、HfCl4、VCl4、VCl5、VBr4、VB
5、NbCl5、NbBr5、TaCl5、TaBr4
Ti(acac)3、FeCl2、FeCl3、FeBr2、Fe
Br3、CoCl2、CoCl3、CoBr2、CoB
3、RhCl2、RhCl3、RhBr2、RhBr 3
NiCl2、NiBr2、PdCl2、PdBr2、およ
び、これらのTHF(テトラヒドロフラン)、アセトニト
リル、ジエチルエーテルなどとの錯体などが挙げられ
る。
【0066】前記式(a)で表される化合物と、前記式
(e)で表される金属化合物とを反応させて得られる遷
移金属化合物では、金属原子に対して該金属原子に結合
する前記式(a)化合物に由来する配位子のモル比が1
〜6であることが好ましく、さらに好ましくは1〜4、
特に好ましくは1または2である。この反応生成物のモ
ル比は、単離された遷移金属化合物の元素分析、X線結
晶構造解析、マススペクトル、NMR、IRなどで分析
することにより確認することができる。
【0067】本発明で用いられる第2の遷移金属化合物
は、下記式(b)で表わされる化合物と前記式(e)で
表わされる金属化合物とを結合反応させて得られるもの
である。
【0068】
【化20】
【0069】式(b)中、Aは、酸素原子、イオウ原
子、セレン原子、または結合基−R5を有する窒素原子
を示す。Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R10)
−、−P(O)(R11)−、−P(R12)−、−SO−または
−S−を示す。これらの中では、−C(R7)(R8)−、−
Si(R9)(R10)−が好ましく、−C(R7)(R8)−が特
に好ましい。
【0070】R1〜R13は、互いに同一でも異なってい
てもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ
環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有
基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、
ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基
を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形
成していてもよい。また、R6は水素原子以外のもので
あることが好ましい。R1〜R13は、互いに同一であっ
ても異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化
水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有
基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基
であることが好ましい。より具体的には、R1〜R13
水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合
物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ
基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、
アリールチオ基、アシル基、エステル基、チオエステル
基、アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホ
ンエステル基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ
基、カルボキシル基、スルホ基、メルカプト基、アルミ
ニウム含有基またはヒドロキシ基であることが好まし
い。R1〜R4は、水素原子、炭化水素基、ヘテロ環式化
合物残基、炭化水素置換シリル基または炭化水素置換シ
ロキシ基であることが好ましく、水素原子、炭化水素
基、ヘテロ環式化合物残基または炭化水素置換シリル基
であることが特に好ましい。また、R5 〜R17は、水素
原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置
換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルミニウム含
有基であることが好ましく、水素原子、炭化水素基、ヘ
テロ環式化合物残基、アルミニウム含有基であることが
特に好ましい。R1〜R13の具体例としては、前記式
(a)におけるR1〜R17と同様の基が挙げられる。ま
た、Dの具体例としては、前記式(a)におけるDと同
様の基が挙げられる。
【0071】前記式(b)で表される化合物と、前記式
(e)で表される金属化合物とを反応させて得られる遷
移金属化合物では、金属原子に対して該金属原子に結合
する前記式(b)化合物に由来する配位子のモル比が1
〜6、好ましくは1〜4、さらに好ましくは1または2
である。
【0072】本発明で用いられる第3の遷移金属化合物
は、下記式(c)で表わされる化合物と前記式(e)で
表わされる金属化合物とを結合反応させて得られるもの
である。
【0073】
【化21】
【0074】式(c)中、Aは、酸素原子、イオウ原
子、セレン原子、または結合基−R5を有する窒素原子
を示す。Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R10)
−、−P(O)(R11)−、−P(R12)−、−SO−、また
は−S−を示す。これらの中では、−C(R7)(R8)−、
−Si(R9)(R10)−が好ましく、−C(R7)(R8)−が
特に好ましい。
【0075】R1〜R13は、互いに同一でも異なってい
てもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ
環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有
基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、
ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基
を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形
成していてもよい。R1〜R13は、互いに同一であって
も異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水
素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有
基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基
であることが好ましい。より具体的には、R1〜R13
水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合
物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシ
基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリーロキシ基、
アリールチオ基、アシル基、エステル基、チオエステル
基、アミド基、イミド基、アミノ基、イミノ基、スルホ
ンエステル基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ
基、カルボキシル基、スルホ基、メルカプト基、アルミ
ニウム含有基またはヒドロキシ基であることが好まし
い。R1〜R4は、水素原子、炭化水素基、ヘテロ環式化
合物残基、炭化水素置換シリル基または炭化水素置換シ
ロキシ基であることが好ましく、水素原子、炭化水素
基、ヘテロ環式化合物残基または炭化水素置換シリル基
であることが特に好ましい。また、R5 〜R17は、水素
原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置
換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルミニウム含
有基であることが好ましく、水素原子、炭化水素基、ヘ
テロ環式化合物残基、アルミニウム含有基であることが
特に好ましい。R1〜R13の具体例としては、前記式
(a)におけるR1〜R17と同様の基が挙げられる。ま
た、Dの具体例としては、前記式(a)におけるDと同
様の基が挙げられる。
【0076】前記式(c)で表される化合物と、前記式
(e)で表される金属化合物とを反応させて得られる遷
移金属化合物では、金属原子に対して該金属原子に結合
する前記式(c)化合物に由来する配位子のモル比が、
好ましくは1〜6であり、より好ましくは1〜3であ
る。
【0077】本発明で用いられる第4の遷移金属化合物
は、下記式(d)で表わされる化合物と前記式(e)で
表わされる金属化合物とを結合反応させて得られるもの
である。
【0078】
【化22】
【0079】式(d)中、Aは、酸素原子、イオウ原
子、セレン原子、または結合基−R5を有する窒素原子
を示す。Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R10)
−、−P(O)(R11)−、−P(R12)−、−SO−または
−S−を示す。これらの中では、−C(R7)(R8)−、−
Si(R9)(R10)−が好ましく、−C(R7)(R8)−が特
に好ましい。Zは、Nの結合基として、−R13および−
14、=C(R15)R16または=NR17を示す。これらの
なかでは、−R13および−R14、または=C(R15)R16
であることが好ましい。
【0080】R1〜R17は、互いに同一でも異なってい
てもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ
環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有
基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、
ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基
を示し、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形
成していてもよい。また、R6、R13またはR14のいず
れか1つは水素原子以外のものであることが好ましい。
1 〜R17は、互いに同一であっても異なっていてもよ
い水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化
合物残基、酸素含有基、窒素含有基、アルミニウム含有
基、イオウ含有基、ケイ素含有基であることが好まし
い。より具体的には、R1 〜R17が水素原子、ハロゲン
原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置
換シリル基、炭化水素置換シロキシ基、アルコキシ基、
アルキルチオ基、アリーロキシ基、アリールチオ基、ア
シル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、イミ
ド基、アミノ基、イミノ基、スルホンエステル基、スル
ホンアミド基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、
スルホ基、メルカプト基またはヒドロキシ基であること
が好ましい。但し、R13またはR14は水素原子以外のも
のであることが好ましい。R1 〜R4 は、水素原子、炭
化水素基、ヘテロ環式化合物残基、炭化水素置換シリル
基または炭化水素置換シロキシ基であることが好まし
く、水素原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基また
は炭化水素置換シリル基であることが特に好ましい。ま
た、R5 〜R17は、水素原子、炭化水素基、ヘテロ環式
化合物残基、炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロ
キシ基、アルミニウム含有基であることが好ましく、水
素原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、アルミニ
ウム含有基であることが特に好ましい。R1〜R17の具
体例としては、前記式(a)におけるR1〜R17と同様
の基が挙げられる。また、Dの具体例としては、前記式
(a)におけるDと同様の基が挙げられる。
【0081】前記式(d)で表される化合物と、前記式
(e)で表される金属化合物とを反応させて得られる遷
移金属化合物では、金属原子に対して該金属原子に結合
する前記式(d)化合物に由来する配位子のモル比が1
〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1または2で
ある。
【0082】前記式(a)〜(d)で表される化合物
と、前記式(e)で表される金属化合物との結合反応方
法は、特に制限されるものではないが、例えば、後に記
載する様に、(a)〜(d)式の化合物をそのまま
(e)式の金属化合物、例えば遷移金属ハロゲン化物や
遷移金属アルキル化物等と反応させるか、または、
(a)〜(c)式の化合物では、塩基と反応させてアニ
オンとした後(e)式の金属化合物、例えば遷移金属ハ
ロゲン化物や遷移金属アルキル化物等と反応させる方法
によって行われる。
【0083】本発明に係る第5の遷移金属化合物は下記
式(I)で表される化合物である。
【0084】
【化23】
【0085】(上式でN……Mにおける原子間の……は
配位結合していることを示すが、本発明では配位結合し
ていないものも含まれる。) 式(I)中、Mは、周期表第3〜11族の遷移金属原子
(3族にはランタノイドも含まれる)を示し、好ましく
は3〜10族(3族にはランタノイドも含まれる)の金
属原子であり、より好ましくは3〜5族および8〜10
族の金属原子であり、特に好ましくは4族または5族の
金属原子である。具体例としては、前記式(e)におけ
るMと同様なものが挙げられる。
【0086】mは、1〜6、好ましくは1〜4、さらに
好ましくは1〜2の整数である。Aは、酸素原子、イオ
ウ原子、セレン原子、または結合基−R5を有する窒素
原子を示す。
【0087】Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R
10)−、−P(O)(R11)−、−P(R 12)−、−SO−ま
たは−S−を示す。これらの中では、−C(R7)(R8)
−、−Si(R9)(R10)−が好ましく、−C(R7)(R8)
−が特に好ましい。Dがヘテロ原子を含む場合は、上式
(I)においてMとDとが配位結合していてもよい。な
お、配位結合の存在は、IR、NMR、X線結晶構造解
析により確認できる。
【0088】Zは、Nの結合基として、−R13および−
14、=C(R15)R16または=NR 17を示す。これらの
なかでは、−R13および−R14、または=C(R15)R16
であることが好ましい。R1〜R17は、互いに同一でも
異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素
基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、
ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リ
ン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、または
スズ含有基を示し、これらのうち2個以上の基、好まし
くは隣接する基が互いに連結して脂肪環、芳香環また
は、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を形成して
いてもよく、これらの環はさらに置換基を有していても
よい。また、R13またはR14は水素原子以外のものであ
ることが好ましい。
【0089】mが複数のときは、一つの配位子に含まれ
るR1〜R17のうちの1個の基と、他の配位子に含まれ
るR1〜R17のうちの1個の基とが結合されていてもよ
い。R13同士、R14同士、R15同士、R16同士またはR
17同士が結合される場合は、その結合の主鎖が3個以上
の原子で形成されるものが好ましい。さらに、R1
士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士、R7同士、
8同士、R9同士、R10同士、R11同士、R12同士、R
13同士、R14同士、R15同士、R16同士、R17同士は互
いに同一でも異なっていてもよい。R1〜R17の具体例
としては、前記式(a)におけるR1〜R17と同様の基
が挙げられる。
【0090】また、Dの具体例としては前記式(a)に
おけるDと同様の基が挙げられる。Xは、水素原子、ハ
ロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、
窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン
含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ
素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示
す。Xの具体例としては前記式(e)におけるXと同様
の基が挙げられる。
【0091】nは、Mの価数を満たす数であり、具体的
には0〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3
の整数である。nが2以上の場合は、Xで示される複数
の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示
される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
【0092】前記式(I)で表される遷移金属化合物に
おいて、mが2であり、一つの配位子に含まれるR1
17のうちの1個の基と、他の配位子に含まれるR1
17のうちの1個の基とが連結されている化合物は、た
とえば下記式(I-a)で表される化合物である。
【0093】
【化24】
【0094】式(I-a)中、A、D、Z、R1〜R17
M、Xは、それぞれ前記式(I)のA、D、Z、R1
17、M、Xと同じであり、A'はAと同一でも異なっ
ていてもよい酸素原子、イオウ原子、セレン原子、また
は結合基として−R5'を有する窒素原子を示す。D'は
Dと同一でも異なっていてもよく、−C(R7')(R8')
−、−Si(R9')(R10')−、−P(O)(R11')−、−P
(R12')−、−SO−、または−S−を示す。これらの
中では−C(R7')(R8')−が好ましい。Z'はZと同一
でも異なっていてもよく、Nの結合基として、−R13'
および−R14'、=C(R15')R16'または=NR17'を示
す。
【0095】R1'〜R17'はそれぞれ前記式(I)のR1
〜R17と同じ意味を表わし、好ましくは次のような基が
挙げられる。すなわちR1'〜R17'は、互いに同一でも
異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素
基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、
ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リ
ン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、または
スズ含有基を示し、具体的には前記式(a)のR1〜R1
7と同様の原子または基を示す。但し、R13'または
14'は水素原子以外のものであることが好ましい。
1'〜R17'のうちの2個以上の基、好ましくは隣接す
る基は、互いに連結して脂肪族環、芳香族環または窒素
原子などの異原子を含む炭化水素環を形成していてもよ
い。
【0096】Yは、R1〜R17から選ばれる少なくとも
1以上の基と、R1'〜R17'から選ばれる少なくとも1
以上の基とを結合する結合基または単結合である。結合
基は特に制限されるものではないが、好ましくは主鎖が
原子3個以上、より好ましくは4個以上20個以下、特
に好ましくは4個以上10個以下で構成された構造を有
する。なお、この結合基は置換基を有していてもよい。
【0097】Yで示される結合基としては、酸素、イオ
ウ、炭素、窒素、リン、ケイ素、セレン、スズ、ホウ素
などの中から選ばれる少なくとも1種の元素を含む基が
挙げられ、具体的には−O−、−S−、−Se−などの
カルコゲン原子含有基;−NH−、−N(CH3)2−、−
PH−、−P(CH3)2−などの窒素またはリン原子含有
基;−CH2−、−CH2−CH2−、−C(CH3)2−な
どの炭素原子数が1〜20の炭化水素基;ベンゼン、ナ
フタレン、アントラセンなどの炭素原子数が6〜20の
環状不飽和炭化水素残基;ピリジン、キノリン、チオフ
ェン、フランなどのヘテロ原子を含む炭素原子数が3〜
20のヘテロ環式化合物残基;−SiH 2−、−Si(C
3)2−などのケイ素原子含有基、−SnH2−、−Sn
(CH3)2−などのスズ原子含有基;−BH−、−B(C
3)−、−BF−などのホウ素原子含有基など、または
単結合が挙げられる。
【0098】以下に、前記式(I)で表される遷移金属
化合物の具体的な例を示すが、これらに限定されるもの
ではない。なお、下記具体例においてMは周期表第3〜
11族の遷移金属原子であり、具体例としてはスカンジ
ウム、イットリウム、ランタノイド、チタン、ジルコニ
ウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、ク
ロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウ
ム、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、
パラジウムなどであり、好ましくはスカンジウム、ラン
タノイド、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジ
ウム、ニオブ、タンタル、鉄、コバルト、ロジウム、ニ
ッケル、パラジウムなどであり、より好ましくは、チタ
ン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、
タンタル、鉄、コバルト、ロジウムなどであり、特に好
ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムである。
【0099】Xは、Cl、Br等のハロゲン、もしくは
メチル等のアルキル基を示すが、これらに限定されるも
のではない。また、Xが複数ある場合は、これらは同じ
であっても、異なっていてもよい。
【0100】nは金属Mの価数により決定される。例え
ば、2個のモノアニオン種が金属に結合している場合、
2価金属ではn=0、3価金属ではn=1、4価金属で
はn=2、5価金属ではn=3になる。金属がTi(IV)
の場合は、n=2となり、Zr(IV)の場合は、n=2と
なり、Hf(IV)の場合は、n=2となる。
【0101】以下の化合物例示中、Meはメチル基、E
tはエチル基、iPrはi-プロピル基、tBuはtert-
ブチル基、Phはフェニル基を示す。
【0102】
【化25】
【0103】
【化26】
【0104】
【化27】
【0105】
【化28】
【0106】
【化29】
【0107】
【化30】
【0108】
【化31】
【0109】
【化32】
【0110】
【化33】
【0111】
【化34】
【0112】本発明に係る第6の遷移金属化合物は下記
式(II)で表される化合物である。
【0113】
【化35】
【0114】(上式でA……Mにおける原子間の……は
配位結合していることを示すが、本発明では、配位結合
していないものも含まれる。) 式(II)中、Mは、周期表第3〜11族の遷移金属原子
(3族にはランタノイドも含まれる)を示し、好ましく
は3〜10族(3族にはランタノイドも含まれる)の金
属原子であり、より好ましくは3〜5族および8〜10
族の金属原子であり、特に好ましくは4族または5族の
金属原子である。具体例としては、前記式(e)におけ
るMと同様なものが挙げられる。
【0115】mは、1〜6、好ましくは1〜4、さらに
好ましくは1〜2の整数である。Aは、酸素原子、イオ
ウ原子、セレン原子、または結合基−R5を有する窒素
原子を示す。
【0116】Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R
10)−、−P(O)(R11)−、−P(R 12)−、−SO−、
または−S−を示す。これらの中では、−C(R7)(R8)
−、−Si(R9)(R10)−が好ましく、−C(R7)(R8)
−が特に好ましい。R1〜R13は、互いに同一でも異な
っていてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、
ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ
素含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含
有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ
含有基を示し、これらのうち2個以上、好ましくは隣接
する基が互いに連結して脂肪環、芳香環または窒素原子
などの異原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、
これらの環はさらに置換基を有していてもよい。また、
6は水素原子以外のものであることが好ましい。
【0117】mが複数のときは、一つの配位子に含まれ
るR1〜R13のうちの1個の基と、他の配位子に含まれ
るR1〜R13のうちの1個の基とが結合されていてもよ
く、R1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士、
6同士、R7同士、R8同士、R9同士、R10同士、R11
同士、R12同士、R13同士は互いに同一でも異なってい
てもよい。R1〜R13の具体例としては、前記式(a)
におけるR1〜R17と同様の基が挙げられる。
【0118】また、Dの具体例としては前記式(a)に
おけるDと同様の基が挙げられる。Xは、水素原子、ハ
ロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、
窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン
含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ
素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示
す。Xの具体例としては前記式(e)におけるXと同様
の基が挙げられる。
【0119】nは、Mの価数を満たす数であり、具体的
には0〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3
の整数である。nが2以上の場合は、Xで示される複数
の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示
される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
【0120】以下に、前記式(II)で表される遷移金属
化合物の具体的な例を示すが、これらに限定されるもの
ではない。なお、下記具体例においてMは周期表第3〜
11族の遷移金属原子であり、具体例としてはスカンジ
ウム、イットリウム、ランタノイド、チタン、ジルコニ
ウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、ク
ロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウ
ム、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、
パラジウムなどであり、好ましくはスカンジウム、ラン
タノイド、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジ
ウム、ニオブ、タンタル、鉄、コバルト、ロジウム、ニ
ッケル、パラジウムなどであり、より好ましくは、チタ
ン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、
タンタル、鉄、コバルト、ロジウムなどであり、特に好
ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムである。
【0121】Xは、Cl、Br等のハロゲン、もしくは
メチル等のアルキル基を示すが、これらに限定されるも
のではない。また、Xが複数ある場合は、これらは同じ
であっても、異なっていてもよい。
【0122】nは、金属Mの価数により決定される。例
えば、2個のモノアニオン種が金属に結合している場
合、2価金属ではn=0、3価金属ではn=1、4価金
属ではn=2、5価金属ではn=3になる。金属がTi
(IV)の場合は、n=2となり、Zr(IV)の場合は、n=
2となり、Hf(IV)の場合は、n=2となる。
【0123】
【化36】
【0124】
【化37】
【0125】
【化38】
【0126】
【化39】
【0127】本発明に係る第7の遷移金属化合物は、下
記式(III)で表される化合物である。
【0128】
【化40】
【0129】式(III)中、Mは、周期表第3〜11族
の遷移金属原子(3族にはランタノイドも含まれる)を
示し、好ましくは3〜10族(3族にはランタノイドも
含まれる)の金属原子であり、より好ましくは3〜5族
および8〜10族の金属原子であり、特に好ましくは4
族または5族の金属原子である。具体例としては、前記
式(e)におけるMと同様なものが挙げられる。
【0130】mは、1〜3、好ましくは1〜2の整数で
ある。Aは、酸素原子、イオウ原子、セレン原子、また
は結合基−R5を有する窒素原子を示す。
【0131】Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R
10)−、−P(O)(R11)−、−P(R 12)−、−SO−ま
たは−S−を示す。これらの中では、−C(R7)(R8)
−、−Si(R9)(R10)−が好ましく、−C(R7)(R8)
−が特に好ましい。R1〜R13は、互いに同一でも異な
っていてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、
ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ
素含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リン含
有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ
含有基を示し、これらのうち2個以上、好ましくは隣接
する基が互いに連結して脂肪環、芳香環または、窒素原
子などの異原子を含む炭化水素環を形成していてもよ
く、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。
【0132】mが複数のときは、一つの配位子に含まれ
るR1〜R13のうちの1個の基と、他の配位子に含まれ
るR1〜R13のうちの1個の基とが結合されていてもよ
く、R1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士、
7同士、R8同士、R9同士、R10同士、R11同士、R
12同士、R13同士は互いに同一でも異なっていてもよ
い。R1〜R13の具体例としては、前記式(a)におけ
るR1〜R17と同様の基が挙げられる。
【0133】また、Dの具体例としては前記式(a)に
おけるDと同様の基が挙げられる。Xは、水素原子、ハ
ロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、
窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン
含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ
素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示
す。Xの具体例としては前記式(e)におけるXと同様
の基が挙げられる。
【0134】nは、Mの価数を満たす数であり、具体的
には0〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3
の整数である。nが2以上の場合は、Xで示される複数
の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示
される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
【0135】以下に、前記式(III)で表される遷移金
属化合物の具体的な例を示すが、これらに限定されるも
のではない。なお、下記具体例においてMは周期表第3
〜11族の遷移金属原子であり、具体例としてはスカン
ジウム、イットリウム、ランタノイド、チタン、ジルコ
ニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、
クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウ
ム、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、
パラジウムなどであり、好ましくはスカンジウム、ラン
タノイド、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジ
ウム、ニオブ、タンタル、鉄、コバルト、ロジウム、ニ
ッケル、パラジウムなどであり、より好ましくは、チタ
ン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、
タンタル、鉄、コバルト、ロジウムなどであり、特に好
ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムである。
【0136】Xは、Cl、Br等のハロゲン、もしくは
メチル等のアルキル基を示すが、これらに限定されるも
のではない。また、Xが複数ある場合は、これらは同じ
であっても、異なっていてもよい。
【0137】nは、金属Mの価数により決定される。1
個のジアニオンが金属に配位している場合、2価金属で
はn=0、3価金属ではn=1、4価金属ではn=2、
5価金属ではn=3である。例えば、金属MがTi(IV)
ではn=2、Zr(IV)ではn=2、Hf(IV)ではn=
2、Co(II)ではn=0、Fe(II)ではn=0、Rh(I
I)ではn=0、Ni(II)ではn=0、Pd(II)ではn=
0となる。
【0138】
【化41】
【0139】
【化42】
【0140】
【化43】
【0141】
【化44】
【0142】本発明に係る第8の遷移金属化合物は下記
式(IV)で表される化合物である。
【0143】
【化45】
【0144】(上式でA……M、N……Mにおける二つ
の原子間の……は配位結合していることを示すが、本発
明では、これらのうちのいずれか一方が配位結合してい
ないものも含まれる。) 式(IV)中、Mは、周期表第3〜11族の遷移金属原子
(3族にはランタノイドも含まれる)を示し、好ましく
は3〜10族(3族にはランタノイドも含まれる)の金
属原子であり、より好ましくは3〜5族および8〜10
族の金属原子であり、特に好ましくは8〜10族の金属
原子である。具体例としては、前記式(e)におけるM
と同様なものが挙げられる。
【0145】mは、1〜6、好ましくは1〜4、さらに
好ましくは1〜2の整数である。Aは、酸素原子、イオ
ウ原子、セレン原子、または結合基−R5を有する窒素
原子を示す。
【0146】Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R
10)−、−P(O)(R11)−、−P(R 12)−、−SO−ま
たは−S−を示す。これらの中では、−C(R7)(R8)
−、−Si(R9)(R10)−が好ましく、−C(R7)(R8)
−が特に好ましい。Dがヘテロ原子を含む場合は、上式
(IV)においてMとDとが配位結合していてもよい。
【0147】Zは、Nの結合基として、−R13および−
14、=C(R15)R16または=NR 17を示す。これらの
なかでは、−R13および−R14、または=C(R15)R16
であることが好ましい。R1〜R17は、互いに同一でも
異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素
基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、
ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リ
ン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、または
スズ含有基を示し、これらのうち2個以上、好ましくは
隣接する基が互いに連結して脂肪環、芳香環または、窒
素原子などの異原子を含む炭化水素環を形成していても
よく、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。
また、R6、R13またはR14のうちのいずれか一つは水
素原子以外のものであることが好ましい。
【0148】mが複数のときは、一つの配位子に含まれ
るR1〜R17のうちの1個の基と、他の配位子に含まれ
るR1〜R17のうちの1個の基とが結合されていてもよ
い。R14同士、R15同士、R16同士またはR17同士が結
合される場合は、その結合の主鎖が3個以上の原子で形
成されるものが好ましい。さらに、R1同士、R2同士、
3同士、R4同士、R5同士、R6同士、R7同士、R8
士、R9同士、R10同士、R11同士、R12同士、R13
士、R14同士、R15同士、R16同士、R17同士は互いに
同一でも異なっていてもよい。R1〜R17の具体例とし
ては、前記式(a)におけるR1〜R17と同様の基が挙
げられる。
【0149】また、Dの具体例としては前記式(a)に
おけるDと同様の基が挙げられる。Xは、水素原子、ハ
ロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、
窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン
含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ
素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示
す。Xの具体例としては前記式(e)におけるXと同様
の基が挙げられる。
【0150】nは、Mの価数を満たす数であり、具体的
には0〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3
の整数である。nが2以上の場合は、Xで示される複数
の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示
される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
【0151】以下に、前記式(IV)で表される遷移金属
化合物の具体的な例を示すが、これらに限定されるもの
ではない。なお、下記具体例においてMは周期表第3〜
11族の遷移金属原子であり、具体例としてはスカンジ
ウム、イットリウム、ランタノイド、チタン、ジルコニ
ウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、ク
ロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウ
ム、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、
パラジウムなどであり、好ましくはスカンジウム、ラン
タノイド、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジ
ウム、ニオブ、タンタル、鉄、ルテニウム、コバルト、
ロジウム、ニッケル、パラジウムなどであり、より好ま
しくは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウ
ム、ニオブ、タンタル、鉄、ルテニウム、コバルト、ロ
ジウム、ニッケル、パラジウムなどであり、特に好まし
くは鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、
パラジウムである。
【0152】Xは、Cl、Br等のハロゲン、もしくは
メチル等のアルキル基を示すが、これらに限定されるも
のではない。また、Xが複数ある場合は、これらは同じ
であっても、異なっていても良い。
【0153】nは、金属Mの価数により決定される。例
えば、2座配位子が金属に配位している場合、2価金属
ではn=2、3価金属ではn=3、4価金属ではn=
4、5価金属ではn=5である。例えば、金属MがTi
(IV)ではn=4、Zr(IV)ではn=4、Hf(IV)ではn
=4、Co(II)ではn=2、Fe(II)ではn=2、Rh
(II)ではn=2、Ni(II)ではn=2、Pd(II)ではn
=2となる。
【0154】
【化46】
【0155】
【化47】
【0156】
【化48】
【0157】本発明に係る第9の遷移金属化合物は下記
式(V)で表される化合物である。
【0158】
【化49】
【0159】(上式で原子間の……は配位結合している
ことを示すが、本発明には、A−M結合に隣接するN…
…MとA'……Mが配位結合していないものも含まれ
る。また、A'''……Mとそれに隣接するN……Mにつ
いては、それらのいずれか一方が配位結合していないも
のも含まれる。)式(V)中、Mは、周期表第3〜11
族の遷移金属原子(3族にはランタノイドも含まれる)
を示し、好ましくは3〜10族(3族にはランタノイド
も含まれる)の金属原子であり、より好ましくは3〜5
族および8〜10族の金属原子である。具体例としては
前記式(e)におけるMと同様なものが挙げられる。
【0160】mは0〜6、pは0〜6、qは0〜3、r
は0〜6の整数で、これらのうち三つ以上が同時に0に
なることはなく、m+p+q+r≦6かつm+p+2q
≦6の関係を満たす。
【0161】A、A'、A''、A'''は、互いに同一でも
異なっていてもよい酸素原子、イオウ原子、セレン原
子、又は、結合基−R5(A'、A''、A'''に対応して
それぞれ−R5'、−R5''、−R5'''と表す。以下同
様。)を有する窒素原子を示す。
【0162】D、D'、D''、D'''は、互いに同一でも
異なっていてもよい−C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R
10)−、−P(O)(R11)−、−P(R12)−、−SO−ま
たは−S−を示す。これらの中では、−C(R7)(R8)
−、−Si(R9)(R10)−が好ましく、−C(R7)(R8)
−が特に好ましい。D、D'''がヘテロ原子を含む場合
は、上式(V)においてMとD、MとD'''が配位結合
していてもよい。
【0163】Z、Z'''は、互いに同一でも異なってい
てもよく、Nの結合基として、−R1 3および−R14、=
C(R15)R16または=NR17を示す。これらの中では、
−R1 3および−R14、または=C(R15)R16が好まし
い。R1〜R17、R1'〜R13'、R1''〜R13''、R1'''
〜R17'''は、互いに同一でも異なっていてもよい水素
原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残
基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニ
ウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有
基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、こ
れらのうち2個以上、好ましくは隣接する基が互いに連
結して脂肪環、芳香環または、窒素原子などの異原子を
含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさ
らに置換基を有していてもよい。また、R13またはR14
のいずれかと、R6'と、R6'''、R13'''またはR14'''
のうちのいずれか一つとは、水素原子以外のものである
ことが好ましい。
【0164】また、m+p+q+r≧2のときは、一つ
の配位子に含まれるR1〜R17、R1'〜R13'、R1''〜
13''、R1'''〜R17'''のうちの1個の基と、他の配
位子に含まれるR1〜R17、R1'〜R13'、R1''〜
13''、R1'''〜R17'''のうちの1個の基とが結合さ
れていてもよい。R13、R13'''同士、R14、R14'''同
士、R 15、R15'''同士、R16、R16'''同士または、R
17、R17'''同士が結合される場合は、その結合の主鎖
が3個以上の原子で形成されるものが好ましい。さら
に、R1、R1'、R1''、R1'''同士、R2、R2'、
2''、R2'''同士、R3、R3'、R3''、R3'''同士、
4、R4'、R4''、R4'''同士、R5、R5'、R5''、R
5'''同士、R6'、R6'''同士、R7、R7'、R7''、
7'''同士、R8、R8'、R8''、R8'''同士、R9
9'、R9''、R9'''同士、R10、R10'、R10''、
10'''同士、R11、R11'、R11''、R11'''同士、R
12、R12'、R12''、R12'''同士、R13、R13'、
13''、R13'''同士、R14、R14'''同士、R15
15'''同士、R16、R16'''同士およびR17、R17'''
同士は互いに同一でも異なっていてもよい。R1
17、R1'〜R13'、R1''〜R13''、R1'''〜R17'''
の具体例としては、前記式(a)におけるR1〜R17
同様の基が挙げられる。
【0165】また、D、D'、D''、D'''の具体例とし
ては前記式(a)におけるDと同様の基が挙げられる。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有
基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミ
ニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環
式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、ま
たはスズ含有基を示す。Xの具体例としては前記式
(e)におけるXと同様の基が挙げられる。
【0166】nは、Mの価数を満たす数であり、具体的
には0〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3
の整数である。nが2以上の場合は、Xで示される複数
の基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示
される複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。
【0167】以下に、前記式(V)で表される遷移金属
化合物の具体的な例を示すが、これらに限定されるもの
ではない。なお、下記具体例においてMは周期表第3〜
11族の遷移金属原子であり、具体例としてはスカンジ
ウム、イットリウム、ランタノイド、チタン、ジルコニ
ウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、ク
ロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウ
ム、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、
パラジウムなどであり、好ましくはスカンジウム、ラン
タノイド、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジ
ウム、ニオブ、タンタル、鉄、ルテニウム、コバルト、
ロジウム、ニッケル、パラジウムなどである。
【0168】Xは、Cl、Br等のハロゲン、もしくは
メチル等のアルキル基を示すが、これらに限定されるも
のではない。また、Xが複数ある場合は、これらは同じ
であっても、異なっていても良い。
【0169】nは、金属Mの価数により決定される。
【0170】
【化50】
【0171】上記(I)ないし(V)の遷移金属化合物
の一例として、さらに詳しくは、例えば以下のような化
合物が列挙されるがこれに限定されるものではない。
【0172】
【化51】
【0173】
【化52】
【0174】
【化53】 これらのうち、TiをZrまたはHfに置き換えた化合
物も列挙できる。以上のような遷移金属化合物(A)
は、1種単独または2種以上組み合わせて用いられる。
【0175】また、本発明のオレフィン重合用触媒に
は、上記遷移金属化合物(A)とともに他の遷移金属化
合物、例えば窒素、酸素、イオウ、ホウ素またはリンな
どのヘテロ原子を含有する配位子からなる公知の遷移金
属化合物を組み合わせて用いることもできる。以下、組
み合わせて用いることのできる他の遷移金属化合物につ
いて説明する。
【0176】他の遷移金属化合物 上記遷移金属化合物(A)以外の遷移金属化合物とし
て、具体的には、下記のような遷移金属化合物を用いる
ことができる。ただし、これらに限定されるものではな
い。 (a-1) 下記式で表される遷移金属イミド化合物:
【0177】
【化54】
【0178】式中、Mは、周期表第8〜10族の遷移金
属原子を示し、好ましくはニッケル、パラジウムまたは
白金である。R21〜R24は、互いに同一でも異なってい
てもよい炭素数1〜50の炭化水素基、炭素数1〜50
のハロゲン化炭化水素基、炭化水素置換シリル基または
窒素、酸素、リン、イオウおよびケイ素から選ばれる少
なくとも1種の元素を含む置換基で置換された炭化水素
基を示す。R21〜R24で表される基は、これらのうちの
2個以上、好ましくは隣接する基が互いに連結して環を
形成していてもよい。
【0179】Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲ
ン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含
有基または窒素含有基を示し、qは、0〜4の整数であ
る。qが2以上の場合には、Xで示される複数の基は互
いに同一であっても異なっていてもよい。 (a-2) 下記式で表される遷移金属アミド化合物:
【0180】
【化55】
【0181】式中、Mは、周期表第3〜6族の遷移金属
原子を示し、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムで
あることが好ましい。R’およびR”は、互いに同一で
も異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜50の炭
化水素基、炭素数1〜50のハロゲン化炭化水素基、炭
化水素置換シリル基、または、窒素、酸素、リン、硫黄
およびケイ素から選ばれる少なくとも1種の元素を有す
る置換基を示す。
【0182】Aは、周期表第13〜16族の原子を示
し、具体的には、ホウ素、炭素、窒素、酸素、ケイ素、
リン、硫黄、ゲルマニウム、セレン、スズなどが挙げら
れ、炭素またはケイ素であることが好ましい。mは、0
〜2の整数であり、nは、1〜5の整数である。nが2
以上の場合には、複数のAは、互いに同一でも異なって
いてもよい。
【0183】Eは、炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒
素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素から選ばれる少な
くとも1種の元素を有する置換基である。mが2の場
合、2個のEは、互いに同一でも異なっていてもよく、
あるいは互いに連結して環を形成していてもよい。
【0184】Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
数が1〜20の炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハ
ロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ
素含有基または窒素含有基を示し、pは、0〜4の整数
である。pが2以上の場合には、Xで示される複数の基
は互いに同一でも異なっていてもよい。これらのうち、
Xはハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基
またはスルホネート基であることが好ましい。 (a-3) 下記式で表される遷移金属ジフェノキシ化合物:
【0185】
【化56】
【0186】式中、Mは周期表第3〜11族の遷移金属
原子を示し、lおよびmはそれぞれ0または1の整数で
あり、AおよびA’は炭素原子数1〜50の炭化水素
基、炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素、また
は、酸素、硫黄またはケイ素を含有する置換基を持つ炭
素原子数1〜50の炭化水素基、または炭素原子数1〜
50のハロゲン化炭化水素基であり、AとA’は同一で
も異なっていてもよい。
【0187】Bは、炭素原子数1〜50の炭化水素基、
炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基、R12
で表される基、酸素または硫黄であり、ここで、R1
よびR2は炭素原子数1〜20の炭化水素基または少な
くとも1個のヘテロ原子を含む炭素原子数1〜20の炭
化水素基であり、Zは炭素、窒素、硫黄、リンまたはケ
イ素を示す。
【0188】nは、Mの価数を満たす数である。Xは、
水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水
素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸
素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有
基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基
は互いに同一でも異なっていてもよく、或いは互いに結
合して環を形成していてもよい。 (a-4) 下記式で表される少なくとも1個のヘテロ原子を
含むシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む遷
移金属化合物:
【0189】
【化57】
【0190】式中、Mは周期表3〜11族の遷移金属原
子を示す。Xは、周期表第13、14または15族の原
子を示し、Xのうちの少なくとも1つは炭素以外の元素
である。
【0191】Rは、互いに同一でも異なっていてもよい
水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化
水素基、炭化水素基置換シリル基、又は窒素、酸素、リ
ン、イオウおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種の
元素を含む置換基で置換された炭化水素基を示し、2個
以上のRが互いに連結して環を形成していてもよい。
【0192】aは、0または1であり、bは、1〜4の
整数であり、bが2以上の場合、各[((R)a)5−X5
基は同一でも異なっていてもよく、さらにR同士が架橋
していてもよい。
【0193】cは、Mの価数を満たす数である。Yは、
水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水
素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸
素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有
基を示す。cが2以上の場合は、Yで示される複数の基
は互いに同一でも異なっていてもよく、また、Yで示さ
れる複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。 (a-5) 式RB(Pz)3MXnで表される遷移金属化合
物: 式中、Mは周期表3〜11族遷移金属化合物を示し、R
は水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭
素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示し、Pz
はピラゾリル基または置換ピラゾリル基を示す。
【0194】nは、Mの価数を満たす数である。Xは、
水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水
素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸
素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または窒素含有
基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基
は互いに同一でも異なっていてもよく、あるいは互いに
結合して環を形成してもよい。 (a-6) 下記式で示される遷移金属化合物:
【0195】
【化58】
【0196】式中、Y1およびY3は、互いに同一であっ
ても異なっていてもよい周期表第15族の元素であり、
2は周期表第16族の元素である。R21〜R28は、互
いに同一でも異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原
子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜
20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有
基またはケイ素含有基を示し、これらのうち2個以上が
互いに連結して環を形成していてもよい。 (a-7) 下記式で表される化合物と周期表第8〜10族の
遷移金属原子との化合物:
【0197】
【化59】
【0198】式中、R31〜R34は、互いに同一でも異な
っていてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1
〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲ
ン化炭化水素基であり、これらのうち2個以上が互いに
連結して環を形成していてもよい。 (a-8) 下記式で示される遷移金属化合物:
【0199】
【化60】
【0200】式中、Mは、周期表第3〜11族の遷移金
属原子を示し、mは、0〜3の整数であり、nは、0ま
たは1の整数であり、pは、1〜3の整数であり、q
は、Mの価数を満たす数である。
【0201】R41〜R48は、互いに同一でも異なってい
てもよい水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20
の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水
素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含有基または
窒素含有基を示し、これらのうちの2個以上が互いに連
結して環を形成していてもよい。
【0202】Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲ
ン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、ケイ素含
有基または窒素含有基を示し、qが2以上の場合は、X
で示される複数の基は互いに同一でも異なっていてもよ
く、またはXで示される複数の基は互いに結合して環を
形成してもよい。
【0203】Yは、ボラータベンゼン環を架橋する基で
あり、炭素、ケイ素またはゲルマニウムを示す。Aは、
周期表第14、15または16族の元素を示す。 (a-9) 前記(a-4)以外のシクロペンタジエニル骨格を有
する配位子を含む遷移金属化合物。
【0204】(a-10) マグネシウム、チタン、ハロゲン
を必須成分とする化合物。 次に、必要に応じて用いられる(B)成分の各化合物に
ついて説明する。(B-1) 有機金属化合物 本発明で必要に応じて用いられる(B-1)有機金属化合物
として、具体的には下記のような周期表第1、2族およ
び第12、13族の有機金属化合物がある。 (B-1a)一般式Ra mAl(ORb)npq (式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていて
もよい炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化
水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦
3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3
の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表さ
れる有機アルミニウム化合物。 (B-1b)一般式M2AlRa 4 (式中、M2はLi、NaまたはKを示し、Raは炭素原
子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示
す。)で表される1族金属とアルミニウムとの錯アルキ
ル化物。 (B-1c)一般式Rab3 (式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていて
もよい炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化
水素基を示し、M3はMg、ZnまたはCdである。)
で表される2族または12族金属のジアルキル化合物。
【0205】前記の(B-1a)に属する有機アルミニウム化
合物としては、次のような化合物を例示できる。 一般式Ra mAl(ORb)3-m (式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていて
もよい炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化
水素基を示し、mは、好ましくは1.5≦m≦3の数で
ある。)で表される有機アルミニウム化合物、 一般式Ra mAlX3-m (式中、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜
4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは
好ましくは0<m<3である。)で表される有機アルミ
ニウム化合物、 一般式Ra mAlH3-m (式中、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜
4の炭化水素基を示し、mは好ましくは2≦m<3であ
る。)で表される有機アルミニウム化合物、 一般式Ra mAl(ORb)nq (式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていて
もよい炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化
水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦
3、nは0≦n<3、qは0≦q<3の数であり、かつ
m+n+q=3である。)で表される有機アルミニウム
化合物。
【0206】(B-1a)に属する有機アルミニウム化合物と
して、より具体的には、トリメチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリ
プロピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、ト
リヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、
トリデシルアルミニウムなどのトリn-アルキルアルミニ
ウム;トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert
-ブチルアルミニウム、トリ2-メチルブチルアルミニウ
ム、トリ3-メチルブチルアルミニウム、トリ2-メチルペ
ンチルアルミニウム、トリ3-メチルペンチルアルミニウ
ム、トリ4-メチルペンチルアルミニウム、トリ2-メチル
ヘキシルアルミニウム、トリ3-メチルヘキシルアルミニ
ウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分
岐鎖アルキルアルミニウム;トリシクロヘキシルアルミ
ニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシ
クロアルキルアルミニウム;トリフェニルアルミニウ
ム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミ
ニウム;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブ
チルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミ
ニウムハイドライド;(i-C49)xAly(C510)z(式
中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)な
どで表されるトリイソプレニルアルミニウムなどのトリ
アルケニルアルミニウム;イソブチルアルミニウムメト
キシド、イソブチルアルミニウムエトキシド、イソブチ
ルアルミニウムイソプロポキシドなどのアルキルアルミ
ニウムアルコキシド;ジメチルアルミニウムメトキシ
ド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミ
ニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコ
キシド;エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチル
アルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニ
ウムセスキアルコキシド;Ra 2.5Al(ORb)0.5などで
表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化された
アルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムフェノキ
シド、ジエチルアルミニウム(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチ
ルフェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6-ジ-t
-ブチル-4-メチルフェノキシド)、ジイソブチルアルミ
ニウム(2,6-ジ-t- ブチル-4-メチルフェノキシド)、
イソブチルアルミニウムビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチ
ルフェノキシド)などのジアルキルアルミニウムアリー
ロキシド;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルア
ルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、
ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニ
ウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウ
ムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド
などのアルキルアルミニウムセスキハライド;エチルア
ルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリ
ド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアル
ミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたア
ルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド、
ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミ
ニウムヒドリド;エチルアルミニウムジヒドリド、プロ
ピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウ
ムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキ
ルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロリ
ド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアル
ミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化
およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどが挙
げられる。
【0207】また(B-1a)に類似する化合物も使用するこ
とができ、たとえば窒素原子を介して2以上のアルミニ
ウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物も挙げる
られる。このような化合物として、具体的には、(C2
5)2AlN(C25)Al(C25)2などが挙げられる。
【0208】前記(B-1b)に属する化合物としては、Li
Al(C25)4、LiAl(C715)4などが挙げられ
る。またその他にも、(B-1)有機金属化合物としては、
メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、
ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、メチル
マグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、
エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシウムブ
ロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブチルマグネ
シウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、ジメチ
ルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグ
ネシウム、ブチルエチルマグネシウムなどを使用するこ
ともできる。
【0209】また重合系内で上記有機アルミニウム化合
物が形成されるような化合物、たとえばハロゲン化アル
ミニウムとアルキルリチウムとの組合せ、またはハロゲ
ン化アルミニウムとアルキルマグネシウムとの組合せな
どを使用することもできる。(B-1)有機金属化合物のな
かでは、有機アルミニウム化合物が好ましい。
【0210】上記のような(B-1)有機金属化合物は、1
種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。(B-2) 有機アルミニウムオキシ化合物 本発明で必要に応じて用いられる(B-2)有機アルミニウ
ムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであって
もよく、また特開平2−78687号公報に例示されて
いるようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化
合物であってもよい。
【0211】従来公知のアルミノキサンは、たとえば下
記のような方法によって製造することができ、通常、炭
化水素溶媒の溶液として得られる。 (1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する
塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化
合物とを反応させる方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸
気を作用させる方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0212】なお該アルミノキサンは、少量の有機金属
成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノ
キサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化
合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミ
ノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
【0213】アルミノキサンを調製する際に用いられる
有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(B-1a)
に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと
同様の有機アルミニウム化合物が挙げられる。これらの
うち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキル
アルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特
に好ましい。
【0214】上記のような有機アルミニウム化合物は、
1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。アル
ミノキサンの調製に用いられる溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族
炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの
脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シ
クロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化
水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分または上記
芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハ
ロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水
素溶媒が挙げられる。さらにエチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。こ
れらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化
水素が好ましい。
【0215】また本発明で用いられるベンゼン不溶性の
有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに
溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好
ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であるも
の、すなわちベンゼンに対して不溶性または難溶性であ
るものが好ましい。
【0216】本発明で用いられる有機アルミニウムオキ
シ化合物の例としては、下記一般式(i)で表されるボ
ロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物が挙げられ
る。
【0217】
【化61】
【0218】式中、R20は炭素原子数が1〜10の炭化
水素基を示す。R21は、互いに同一でも異なっていても
よい水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10の
炭化水素基を示す。
【0219】前記一般式(i)で表されるボロンを含ん
だ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式(ii)
で表されるアルキルボロン酸と、 R20−B−(OH)2 ・・・ (ii) (式中、R20は上記と同じ基を示す。)有機アルミニウ
ム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、
−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させること
により製造できる。
【0220】前記一般式(ii)で表されるアルキルボロ
ン酸の具体的なものとしては、メチルボロン酸、エチル
ボロン酸、イソプロピルボロン酸、n-ブロピルボロン
酸、n-ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n-ヘキシ
ルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン
酸、3,5-ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロ
フェニルボロン酸、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フ
ェニルボロン酸等が挙げられる。これらの中では、メチ
ルボロン酸、n-ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、
3,5-ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェ
ニルボロン酸が好ましい。
【0221】これらは1種単独でまたは2種以上組み合
わせて用いられる。このようなアルキルボロン酸と反応
させる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記
(B-1a)に属する有機アルミニウム化合物として例示した
ものと同様の有機アルミニウム化合物が挙げられる。こ
れらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロア
ルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミ
ニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアル
ミニウムが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以
上組み合わせて用いられる。
【0222】上記のような (B-2)有機アルミニウムオキ
シ化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用い
られる。(B-3) 遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成す
る化合物 本発明で必要に応じて用いられる遷移金属化合物(A)
と反応してイオン対を形成する化合物(B-3)(以下、
「イオン化イオン性化合物」という。)は、前記遷移金
属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物で
ある。従って、少なくとも前記遷移金属化合物(A)と
接触させてイオン対を形成するものは、この化合物に含
まれる。このような化合物としては、特開平1−501
950号公報、特開平1−502036号公報、特開平
3−179005号公報、特開平3−179006号公
報、特開平3−207703号公報、特開平3−207
704号公報、USP−5321106号などに記載さ
れたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカ
ルボラン化合物などが挙げられる。さらに、ヘテロポリ
化合物およびイソポリ化合物もあげることができる。
【0223】具体的には、ルイス酸としては、BR
3(Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基な
どの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素
である。)で示される化合物が挙げられ、たとえば、ト
リフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フ
ルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェ
ニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボ
ロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリ
ス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、ト
リス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられ
る。
【0224】イオン性化合物としては、たとえば下記一
般式(VI)で表される化合物が挙げられる。
【0225】
【化62】
【0226】式中、R22としては、H+、カルボニウム
カチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオ
ン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニル
カチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンな
どが挙げられる。R23〜R26は、互いに同一でも異なっ
ていてもよい有機基、好ましくはアリール基または置換
アリール基である。
【0227】前記カルボニウムカチオンとして具体的に
は、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ(メチル
フェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェ
ニル)カルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウム
カチオンなどが挙げられる。前記アンモニウムカチオン
として具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、
トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモ
ニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、ト
リ(n-ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキ
ルアンモニウムカチオン;N,N-ジメチルアニリニウムカ
チオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N-2,4,
6-ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N-ジアル
キルアニリニウムカチオン;ジ(イソプロピル)アンモ
ニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオ
ンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げら
れる。
【0228】前記ホスホニウムカチオンとして具体的に
は、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチル
フェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェ
ニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホ
ニウムカチオンなどが挙げられる。
【0229】R22としては、カルボニウムカチオン、ア
ンモニウムカチオンなどが好ましく、特にトリフェニル
カルボニウムカチオン、N,N-ジメチルアニリニウムカチ
オン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
【0230】またイオン性化合物として、トリアルキル
置換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、
ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウ
ム塩なども挙げられる。
【0231】トリアルキル置換アンモニウム塩として具
体的には、たとえばトリエチルアンモニウムテトラ(フ
ェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フ
ェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ
(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ
(p-トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ
(o-トリル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテ
トラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピル
アンモニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ホウ素、
トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(m,m-ジメチルフ
ェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ
(p-トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブ
チル)アンモニウムテトラ(3,5-ジトリフルオロメチル
フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテト
ラ(o-トリル)ホウ素などが挙げられる。
【0232】N,N-ジアルキルアニリニウム塩として具体
的には、たとえばN,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フ
ェニル)ホウ素、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フ
ェニル)ホウ素、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウム
テトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。ジアルキ
ルアンモニウム塩として具体的には、たとえばジ(1-プ
ロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フ
ェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0233】さらにイオン性化合物として、トリフェニ
ルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカ
ルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、
N,N-ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタ
ジエニル錯体、下記式(VII )または(VIII)で表され
るホウ素化合物なども挙げられる。
【0234】
【化63】
【0235】(式中、Etはエチル基を示す。)
【0236】
【化64】
【0237】ボラン化合物として具体的には、たとえば
デカボラン(14);ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニ
ウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニ
ウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニ
ウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アン
モニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)ア
ンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n-
ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートな
どのアニオンの塩;トリ(n-ブチル)アンモニウムビス
(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩
(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス
(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩
(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられ
る。
【0238】カルボラン化合物として具体的には、たと
えば4-カルバノナボラン(14)、1,3-ジカルバノナボ
ラン(13)、6,9-ジカルバデカボラン(14)、ドデ
カハイドライド-1-フェニル-1,3- ジカルバノナボラ
ン、ドデカハイドライド-1-メチル-1,3-ジカルバノナボ
ラン、ウンデカハイドライド-1,3-ジメチル-1,3-ジカル
バノナボラン、7,8-ジカルバウンデカボラン(13)、
2,7-ジカルバウンデカボラン(13)、ウンデカハイド
ライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボラン、ド
デカハイドライド-11-メチル-2,7-ジカルバウンデカボ
ラン、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバデカボレ
ート、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバウンデカ
ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバドデ
カボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-トリメチ
ルシリル-1-カルバデカボレート、トリ(n-ブチル)ア
ンモニウムブロモ-1-カルバドデカボレート、トリ(n-
ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート(14)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート
(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウム7-カルバウン
デカボレート(13)、トリ(n-ブチル)アンモニウム
7,8-ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウム2,9-ジカルバウンデカボレート(1
2)、トリ(n-ブチル)アンモニウムドデカハイドライ
ド-8-メチル-7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-
ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8- エチル
-7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)ア
ンモニウムウンデカハイドライド-8- ブチル-7,9-ジカ
ルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ウンデカハイドライド-8- アリル-7,9-ジカルバウンデ
カボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハ
イドライド-9-トリメチルシリル-7,8-ジカルバウンデカ
ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイ
ドライド-4,6-ジブロモ-7-カルバウンデカボレートなど
のアニオンの塩;トリ(n-ブチル)アンモニウムビス
(ノナハイドライド-1,3-ジカルバノナボレート)コバ
ルト酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス
(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレー
ト)鉄酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス
(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレー
ト)コバルト酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウ
ムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカ
ボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アン
モニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウ
ンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アン
モニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウ
ンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アン
モニウムビス(ノナハイドライド-7,8- ジメチル-7,8-
ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n-ブ
チル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8- ジメ
チル-7,8-ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(II
I)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオ
クタハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)コ
バルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n-ブチル)アンモニ
ウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカ
ボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)
アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバ
ウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ
(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライ
ド-7- カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、
ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカ
ハイドライド-7- カルバウンデカボレート)ニッケル酸
塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げ
られる。
【0239】ヘテロポリ化合物は、ケイ素、リン、チタ
ン、ゲルマニウム、ヒ素もしくは錫からなる原子と、バ
ナジウム、ニオブ、モリブデンおよびタングステンから
選ばれる1種または2種以上の原子からなっている。具
体的には、リンバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ヒ素
バナジン酸、リンニオブ酸、ゲルマノニオブ酸、シリコ
ノモリブデン酸、リンモリブデン酸、チタンモリブデン
酸、ゲルマノモリブデン酸、ヒ素モリブデン酸、錫モリ
ブデン酸、リンタングステン酸、ゲルマノタングステン
酸、錫タングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リン
タングストバナジンン酸、ゲルマノタングストバナジン
ン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモ
リブドタングストバナジン酸、リンモリブドタングステ
ン酸、リンモリブドニオブ酸、これらの酸の塩、例えば
周期表第1族または2族の金属、具体的には、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベ
リリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム等との塩、およびトリフェニルエチル塩等
の有機塩、およびイソポリ化合物を使用できるが、この
限りではない。
【0240】ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物と
しては、上記の化合物の中の1種に限らず、2種以上用
いることができる。上記のような (B-3)イオン化イオン
性化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用い
られる。
【0241】本発明に係る遷移金属化合物を触媒とする
場合、高い重合活性でオレフィン重合体が得られ、また
その分子量は高い。例えば助触媒成分としてのメチルア
ルミノキサンなどの有機アルミニウムオキシ化合物(B-
2)とを併用すると、オレフィン化合物に対して非常に高
い重合活性を示す。また助触媒成分としてトリフェニル
カルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レートなどのイオン化イオン性化合物(B-3)を用いる
と、良好な活性で非常に分子量の高いオレフィン重合体
が得られる。
【0242】また、本発明に係るオレフィン重合用触媒
は、前記遷移金属化合物(A)、必要に応じて(B-1)有
機金属化合物、(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、
および(B-3)イオン化イオン性化合物から選ばれる少な
くとも1種の化合物(B)とともに、さらに必要に応じ
て後述するような担体(C)を用いることもできる。
【0243】(C)担体 本発明で必要に応じて用いられる(C)担体は、無機ま
たは有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の
固体である。このうち無機化合物としては、多孔質酸化
物、無機塩化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層
状化合物が好ましい。
【0244】多孔質酸化物として、具体的にはSi
2、Al23、MgO、ZrO、TiO2、B23、C
aO、ZnO、BaO、ThO2など、またはこれらを
含む複合物または混合物を使用、例えば天然または合成
ゼオライト、SiO2−MgO、SiO2−Al23、S
iO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2−Cr
23、SiO2−TiO2−MgOなどを使用することが
できる。これらのうち、SiO2および/またはAl2
3を主成分とするものが好ましい。
【0245】なお、上記無機酸化物は、少量のNa2
3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4
Al2(SO43、BaSO4、KNO3、Mg(NO3
2、Al(NO33、Na2O、K2O、Li2Oなどの炭
酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差
し支ない。
【0246】このような多孔質酸化物は、種類および製
法によりその性状は異なるが、本発明に好ましく用いら
れる担体は、粒径が10〜300μm、好ましくは20
〜200μmであって、比表面積が50〜1000m2
/g、好ましくは100〜700m2/gの範囲にあ
り、細孔容積が0.3〜3.0cm3/gの範囲にある
ことが望ましい。このような担体は、必要に応じて10
0〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成し
て使用される。
【0247】無機塩化物としては、MgCl2、MgB
2、MnCl2、MnBr2等が用いられる。無機塩化
物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミル
により粉砕した後に用いてもよい。また、アルコールな
どの溶媒に無機塩化物を溶解させた後、析出剤によって
を微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
【0248】本発明で担体として用いられる粘土は、通
常粘土鉱物を主成分として構成される。また、本発明で
担体として用いられるイオン交換性層状化合物は、イオ
ン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で
平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含
有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱
物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘
土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然
産のものに限らず、人工合成物を使用することもでき
る。また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合
物として、粘土、粘土鉱物、また、六方細密パッキング
型、アンチモン型、CdCl2 型、CdI2型などの層
状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物などを例示す
ることができる。
【0249】このような粘土、粘土鉱物としては、カオ
リン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフ
ェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モ
ンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石
群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、デ
ィッカイト、ハロイサイトなどが挙げられ、イオン交換
性層状化合物としては、α−Zr(HAsO42・H2
O、α−Zr(HPO4 2、α−Zr(KPO42・3
2O、α−Ti(HPO42、α−Ti(HAsO4
2・H2O、α−Sn(HPO42・H2O、γ―Zr
(HPO42、γ−Ti(HPO42、γ−Ti(NH
4PO42・H2Oなどの多価金属の結晶性酸性塩などが
挙げられる。
【0250】このような粘土、粘土鉱物またはイオン交
換性層状化合物は、水銀圧入法で測定した半径20オン
グストローム以上の細孔容積が0.1cc/g以上のも
のが好ましく、0.3〜5cc/gのものが特に好まし
い。ここで、細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた
水銀圧入法により、細孔半径20〜3×104オングス
トロームの範囲について測定される。半径20オングス
トローム以上の細孔容積が0.1cc/gより小さいも
のを担体として用いた場合には、高い重合活性が得られ
にくい傾向がある。
【0251】本発明で用いられる粘土、粘土鉱物には、
化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表
面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結
晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化
学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類
処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は、表面の
不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mg
などの陽イオンを溶出させることによって表面積を増大
させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、
粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物
処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体など
を形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
【0252】本発明で用いられるイオン交換性層状化合
物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別
の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡
大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩
高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担って
おり、通常、ピラーと呼ばれる。また、このように層状
化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレ
ーションという。インターカレーションするゲスト化合
物としては、TiCl4、ZrCl4などの陽イオン性無
機化合物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(O
R)3、B(OR)3などの金属アルコキシド(Rは炭化
水素基など)、[Al134(OH)24 7+、[Zr
4(OH)142+、[Fe3O(OCOCH36+など
の金属水酸化物イオンなどが挙げられる。
【0253】これらの化合物は単独でまたは2種以上組
み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインタ
ーカレーションする際に、Si(OR)4、Al(O
R)3、Ge(OR)4などの金属アルコキシド(Rは炭
化水素基など)などを加水分解して得た重合物、SiO
2などのコロイド状無機化合物などを共存させることも
できる。また、ピラーとしては、上記金属水酸化物イオ
ンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水する
ことにより生成する酸化物などが挙げられる。
【0254】本発明で用いられる粘土、粘土鉱物、イオ
ン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボ
ールミル、ふるい分けなどの処理を行った後に用いても
よい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱
水処理した後に用いてもよい。さらに、単独で用いて
も、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0255】これらのうち、好ましいものは粘土または
粘土鉱物であり、特に好ましいものはモンモリロナイ
ト、バーミキュライト、ヘクトライト、テニオライトお
よび合成雲母である。
【0256】有機化合物としては、粒径が10〜300
μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げる
ことができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1-
ブテン、4-メチル-1-ペンテンなどの炭素原子数が2〜
14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)
重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分
として生成される(共)重合体、およびびそれらの変成
体を例示することができる。
【0257】本発明に係るオレフイン重合用触媒は、前
記遷移金属化合物(A)、必要に応じて(B-1)有機金属
化合物、(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B-3)イオン化イオン性化合物から選ばれる少なくとも
1種の化合物(B)、必要に応じて担体(C)と共に、
さらに必要に応じて後述するような特定の有機化合物
(D)を含むこともできる。
【0258】(D)有機化合物成分 本発明において、(D)有機化合物成分は、必要に応じ
て、重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目
的で使用される。このような有機化合物としては、アル
コール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合
物およぴスルホン酸塩等が挙げられるが、これに限られ
るものではない。
【0259】アルコール類およびフェノール性化合物と
しては、通常、R31−OHで表されるものが使用され
(ここで、R31は炭素原子数1〜50の炭化水素基また
は炭素原子数1〜50のハロゲン化炭化水素基を示
す。)、アルコール類としては、R 31がハロゲン化炭化
水素のものが好ましい。また、フェノール性化合物とし
ては、水酸基のα,α’-位が炭素数1〜20の炭化水
素で置換されたものが好ましい。
【0260】カルボン酸としては、通常、R32−COO
Hで表されるものが使用される。R 32は炭素原子数1〜
50の炭化水素基または炭素原子数1〜50のハロゲン
化炭化水素基を示し、特に炭素原子数1〜50のハロゲ
ン化炭化水素基が好ましい。リン化合物としては、P−
O−H結合を有するリン酸類、P−OR、P=O結合を
有するホスフェート、ホスフィンオキシド化合物が好ま
しく使用される。
【0261】スルホン酸塩としては、下記一般式(IX)
で表されるものが使用される。
【0262】
【化65】
【0263】式中、Mは周期表1〜14族の元素であ
る。R33は水素、炭素原子数1〜20の炭化水素基また
は炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の
炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水
素基である。mは1〜7の整数であり、nは1≦n≦7
である。
【0264】図1に、本発明に係るオレフイン重合触媒
の調製工程を示す。次に、オレフイン重合方法について
説明する。本発明に係るオレフイン重合方法は、上記の
触媒の存在下にオレフインを(共)重合させることから
なる。重合の際、成分(A)を重合器に添加する方法、
各成分の使用法、添加方法、添加順序は任意に選ばれる
が、以下のような方法が例示される。 (1) 成分(A)と、(B-1)有機金属化合物、(B-2)有機ア
ルミニウムオキシ化合物および(B-3) イオン化イオン性
化合物から選ばれる少なくとも1種の成分(B)(以下
単に「成分(B)」という。)とを任意の順序で重合器
に添加する方法。 (2) 成分(A)と成分(B)とを予め接触させた触媒を
重合器に添加する方法。 (3) 成分(A)と成分(B)を予め接触させた触媒成
分、およぴ成分(B)を任意の順序で重合器に添加する
方法。この場合、成分(B)は、同一でも異なっていて
もよい。
【0265】(4)成分(A)を担体(C)に担持した触
媒成分、および成分(B)を任意の順序で重合器に添加
する方法。 (5) 成分(A)と成分(B)とを担体(C)に担持した
触媒を重合器に添加する方法。 (6) 成分(A)と成分(B)とを担体(C)に担持した
触媒成分、および成分(B)を任意の順序で重合器に添
加する方法。この場合、成分(B)は、同一でも異なっ
ていてもよい。
【0266】(7)成分(B)を担体(C)に担持した触
媒成分、および成分(A)を任意の順序で重合器に添加
する方法。 (8) 成分(B)を担体(C)に担持した触媒成分、成分
(A)、および成分(B)を任意の順序で重合器に添加
する方法。この場合、成分(B)は、同一でも異なって
いてもよい。 (9) 成分(A)を担体(C)に担持した成分、および成
分(B)を担体(C)に担持した成分を任意の順序で重
合器に添加する方法。
【0267】(10)成分(A)を担体(C)に担持した成
分、成分(B)を担体(C)に担持した成分、および成
分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場
合、成分(B)は、同一でも異なっていてもよい。 (11)成分(A)、成分(B)、および有機化合物成分
(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。 (12)成分(B)と成分(D)をあらかじめ接触させた成
分、およぴ成分(A)を任意の順序で重合器に添加する
方法。
【0268】(13)成分(B)と成分(D)を担体(C)
に担持した成分、および成分(A)を任意の順序で重合
器に添加する方法。 (14)成分(A)と成分(B)を予め接触させた触媒成
分、および成分(D)を任意の順序で重合器に添加する
方法。 (15)成分(A)と成分(B)を予め接触させた触媒成
分、および成分(B)、成分(D)を任意め順序で重合
器に添加する方法。
【0269】(16)成分(A)と成分(B)を予め接触さ
せた触媒成分、およぴ成分(B)と成分(D)をあらか
じめ接触させた成分を任意の順序で重合器に添加する方
法。(17)成分(A)を担体(C)に担持した成分、成分
(B)、および成分(D)を任意の順序で重合器に添加
する方法。 (18)成分(A)を担体(C)に担持した成分、および成
分(B)と成分(D)をあらかじめ接触させた成分を任
意の順序で重合器に添加する方法。
【0270】(19) 成分(A)と成分(B)と成分
(D)を予め任意の順序で接触させた触媒成分を重合器
に添加する方法。 (20)成分(A)と成分(B)と成分(D)を予め接触さ
せた触媒成分、および成分(B)を任意の順序で重合器
に添加する方法。この場合、成分(B)は、同一でも異
なっていてもよい。 (21)成分(A)と成分(B)と成分(D)を担体(C)
に担持した触媒を重合器に添加する方法。 (22)成分(A)と成分(B)と成分(D)を担体(C)
に担持した触媒成分、およぴ成分(B)を任意の順序で
重合器に添加する方法。この場合、成分(B)は、同一
でも異なっていてもよい。
【0271】上記の担体(C)に成分(A)、必要に応
じて成分(B)が担持された固体触媒成分はオレフイン
が予備重合されていてもよい。本発明に係るオレフイン
の重合方法では、上記のようなオレフイン重合触媒の存
在下に、オレフインを重合または共重合することにより
オレフイン重合体を得る。本発明では、重合は溶解重
合、懸濁重合などの液相重合法または気相重合法のいず
れにおいても実施できる。
【0272】液相重合法において用いられる不活性炭化
水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、へプタン、オクタン、デカン、ドデカ
ン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シク
ロへキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水
素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタ
ンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物など
を挙げることができ、オレフイン自身を溶媒として用い
ることもできる。
【0273】上記のようなオレフイン重合用触媒を用い
て、オレフインの重合を行うに際して、成分(A)は、
反応容積1リットル当り、通常10-12〜10-2モル、
好ましくは10-10〜10-3モルとなるような量で用い
られる。本発明では、成分(A)を、比較的薄い濃度で
用いた場合であっても、高い重合活性でオレフインを重
合することができる。
【0274】また、成分(B)を必要に応じて用いる場
合、成分(B-1)は、成分(B-1)と、成分(A)中の遷移金
属原子(M)とのモル比〔(B-1)/M〕が、通常0.0
1〜100000、好ましくは0.05〜50000と
なるような量で用いられる。成分(B-2)は、成分(B-2)中
のアルミニウム原子と、成分(A)中の遷移金属原子
(M)とのモル比〔(B-2)/M〕が、通常10〜500
000、好ましくは20〜100000となるような量
で用いられる。成分(B-3)は、成分(B-3)と、成分(A)
中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B-3)/M〕が、
通常1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用い
られる。
【0275】成分(D)は、成分(B)に対して、成分
(B-1)の場合、モル比〔(D)/(B-1)〕が通常0.01
〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で、成分
(B-2)の場合、成分(D)と成分(B-2)中のアルミニウム
原子とのモル比〔(D)/(B-2)〕が通常0.001〜
2、好ましくは0.005〜1となるような量で、成分
(B-3)の場合、モル比〔(D)/(B-3)〕が通常0.01
〜10、好ましくは0.1〜5となるような量で用いら
れる。
【0276】また、このようなオレフィン重合触媒を用
いたオレフィンの重合温度は、通常、−50〜200
℃、好ましくは0〜170℃の範囲である。重合圧力
は、通常、常圧〜100kg/cm2、好ましくは常圧
〜50kg/cm2の条件であり、重合反応は、回分
式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うこ
とができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に
分けて行うことも可能である。
【0277】得られるオレフィン重合体の分子量は、重
合系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させ
ることによって調節することができる。さらに、使用す
る成分(B)の違いにより調節することもできる。
【0278】このようなオレフィン重合触媒により重合
することができるオレフィンとしては、炭素原子数が2
〜20のα−オレフィン、たとえばエチレン、プロピレ
ン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘ
キセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、
1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、
1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン;炭素
原子数が3〜20の環状オレフィン、たとえばシクロペ
ンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-
ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-メチル1,4,5,
8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレ
ン;極性モノマー、たとえば、アクリル酸、メタクリル
酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタ
コン酸、ビシクロ[2.2.1]-5-ヘプテン-2,3-ジカルボン
酸などのα,β−不飽和カルボン酸、およびこれらのナ
トリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネ
シウム塩、カルシウム塩などの金属塩;アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブロピル、アクリ
ル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イ
ソブチル、アクリル酸 tert-ブチル、アクリル酸2-エチ
ルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸n-ブロピル、メタクリル酸イソプロピ
ル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチルな
どのα,β−不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビ
ニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフ
ルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸
グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノ
グリシジルエステルなどの不飽和グリシジルエステル、
塩化ビニル、フッ化ビニル、フッ化アリルなどのハロゲ
ン化オレフィンなどが挙げられる。
【0279】さらにビニルシクロヘキサン、ジエンまた
はポリエンなどを用いることもできる。このジエンまた
はポリエンとしては、炭素原子数4〜30、好ましくは
4〜20で二個以上の二重結合を有する環状又は鎖状の
化合物である。具体的には、ブタジエン、イソプレン、
4-メチル-1,3- ペンタジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-
ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、
1,3-ヘキサジエン、1,3-オクタジエン、1,4-オクタジエ
ン、1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタ
ジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン;7-メチル-1,6-オクタジエ
ン、4−エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン、5,9-ジ
メチル-1,4,8-デカトリエン。さらに芳香族ビニル化合
物、例えばスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチ
レン、p-メチルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-エ
チルスチレン、m−エチルスチレン、p-エチルスチレン
などのモノもしくはポリアルキルスチレン;メトキシス
チレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安
息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシ
スチレン、o-クロロスチレン、p-クロロスチレン、ジビ
ニルベンゼンなどの官能基含有スチレン誘導体;および
3-フェニルプロピレン、4-フェニルプロピレン、α-メ
チルステレンなどが挙げられる。
【0280】本発明に係るオレフィン重合用触媒は、高
い重合活性を示し、また分子量分布の狭い重合体を得る
ことができる。さらに、2種以上のオレフィンを共重合
したときに、組成分布が狭いオレフィン共重合体を得る
ことができる。
【0281】また、本発明に係るオレフィン重合用触媒
は、α−オレフィンと共役ジエンとの共重合に用いるこ
ともできる。ここで用いられるα−オレフィンとして
は、上記と同様の炭素原子数が2〜30、好ましくは2
〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィンが挙げら
れる。なかでもエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペ
ンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテ
ンが好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。
これらのα−オレフィンは、1種単独でまたは2種以上
組合わせて用いることができる。
【0282】また共役ジエンとしては、たとえば1,3-ブ
タジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3-シクロヘキ
サジエン、1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジ
エン、1,3-ヘキサジエン、1,3-オクタジエンなどの炭素
原子数が4〜30、好ましくは4〜20の脂肪族共役ジ
エンが挙げられる。これらの共役ジエンは、1種単独で
または2種以上組合わせて用いることができる。
【0283】また、本発明ではα−オレフィンと極性モ
ノマーを共重合させることもできる。用いられる極性モ
ノマーとしては、前記したものと同様のものが挙げられ
る。本発明では、さらに、α−オレフィンと非共役ジエ
ンまたはポリエンを共重合させることも出来る。用いら
れる非共役ジエンまたはポリエンとしては、1,4-ペン
タジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、
1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエン、1,6-オクタジ
エン、1,7-オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビ
ニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7-メチル-
1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジ
エン、5,9-ジメチル-1,4,8-デカトリエン等を挙げるこ
とができる。
【0284】次に、遷移金属化合物の製造方法について
説明する。遷移金属化合物の製造方法 本発明に係る遷移金属化合物は、特に限定されることな
く、配位子を形成する化合物(配位子前駆体)と金属化
合物とを反応させることにより合成することができ、た
とえば以下のようにして製造することができる。
【0285】用いられる配位子前駆体は、例えば、前記
式(a)〜(d)の化合物であり、o-位に酸素原子、硫
黄原子または窒素原子を導入したアシルベンゼン類化合
物と、アニリン類化合物もしくはアミン類化合物とを反
応させ、イミン部を還元もしくはN-アルキル化等の付加
反応を行うことにより得られる。たとえばAが酸素原子
の場合の具体的な配位子前駆体の合成法は、以下のよう
になる。
【0286】(1)サリチルアルデヒド類化合物またはo-
ホルミルアニリン化合物と、1級アミン類もしくは窒素
部が無置換のアニリン類とを溶媒に溶解または直接混合
し、室温から還流条件で1〜48時間程度反応させるこ
とで対応するイミン化合物が生成する。ここで用いられ
る溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のア
ルコール溶媒やトルエン等の炭化水素溶媒を用いること
ができる。この時、蟻酸、酢酸、トルエンスルホン酸等
の酸触媒を用いてもよい。反応中、ディーンシュターク
を用いて系中の水を除くことは反応進行に効果的であ
る。脱水剤としてモレキュラーシーブ、硫酸マグネシウ
ム、硫酸ナトリウム等を用いることもできる。
【0287】ここで得られたイミン化合物を白金等の触
媒存在下水素添加するか、リチウムアルミニウムヒドリ
ド、ジイソプロピルアルミニウム等の水素化剤を用いて
水素添加することで前述の(b)または(c)で、Dが
−C(R7 )(R8 )−である化合物が得られ、またイミン
部を、例えばアルキルリチウムやGrignard試薬でイミン
部のアルキル化等の付加反応をすることで前述の化合物
(a)または(d)において、Dが−C(R7 )(R8 )−
である化合物が得られる。
【0288】(2)Si含有アミン化合物を合成する場合
は、例えばフェノール類またはアニリン類のオルトシリ
ル化反応により得られた、Siのo-位に酸素、硫黄、ま
たは窒素含有置換基を持つフェニル基を有するハロゲン
化シラン化合物と、アミン類もしくはアニリン類を上記
と同様に反応させ、次いで上記と同様にイミン部を水素
添加することで前述の(b)または(c)で、Dが−S
i(R9 )(R10)−である化合物が得られ、またイミン部
をアルキル化等の付加反応をすることで前述の化合物
(a)または(d)において、Dが−Si(R9 )
(R10)−である化合物が得られる。
【0289】(3)またリン含有アミン化合物を合成する
場合は、例えばフェノール類またはアニリン類のオルト
位をオキシリン化またはリン化することにより得られ
た、POまたはPのo-位に酸素、硫黄、または窒素含有
置換基を持つフェニル基を導入したオキシハロゲン化リ
ン化合物と、アミン類もしくはアニリン類を上記と同様
に反応させ、次いで上記と同様にイミン部を水素添加す
ることで前述の(b)または(c)で、Dが−P(O)
(R11)−または−P(R12)−である化合物が得られ、ま
たイミン部をアルキル化等の付加反応をすることで前述
の化合物(a)または(d)において、Dが−P(O)
(R11)−または−P(R12)−である化合物が得られる。
【0290】(4)SO含有アミン化合物を合成する場合
は、例えばフェノール類またはアニリン類のオルトチオ
ニル化により得られた、SOのo-位に酸素、硫黄、また
は窒素含有置換基を持つフェニル基を導入したハロゲン
化チオニル化合物と、アミン類もしくはアニリン類を上
記と同様に反応させ、次いで上記と同様にイミン部を水
素添加することで前述の(b)または(c)で、Dが−
SO−である化合物が得られ、またイミン部をアルキル
化等の付加反応をすることで前述の化合物(a)または
(d)において、Dが−SO−である化合物が得られ
る。
【0291】(5)S含有アミン化合物を合成する場合
は、例えばフェノール類またはアニリン類のオルト位に
ハロゲン化硫黄基を有する化合物と、アミン類もしくは
アニリン類を上記と同様に反応させ、次いで上記と同様
にイミン部を水素添加することで前述の(b)または
(c)で、Dが−S−である化合物が得られ、またイミ
ン部をアルキル化等の付加反応をすることで前述の化合
物(a)または(d)において、Dが−S−である化合
物が得られる。
【0292】(6)上記(1)〜(5)で得られた(b)または
(c)を用い、これとさらに、ホルミル基やケトン基を
有する化合物とのイミノ化反応を行うことで(a)また
は(d)においてZがNR17である化合物を合成するこ
とができる。
【0293】配位子前駆体の合成ルートの一例を以下に
示す。
【0294】
【化66】
【0295】次に、こうして得られた配位子前駆体を金
属化合物(例えば、前述のMXkで表される化合物)と
反応させることで対応する遷移金属化合物を合成するこ
とができる。例えば(a)をアニオン化してMXkと反
応させることで、遷移金属化合物(I)が得られる。ま
た、(b)をアニオン化してMXkと反応させること
で、遷移金属化合物(II)が得られる。(c)をジアニ
オン化してMXkと反応させることで、遷移金属化合物
(III)が得られる。(d)をMXkと反応させること
で、遷移金属化合物(IV)が得られる。配位子の数、す
なわち式(I)ないし(IV)でいうmは、反応させる配
位子とMXkの比率を変えることで調節することができ
る。
【0296】具体的には、合成した配位子を溶媒に溶解
し、必要に応じて塩基と接触させて塩を調製した後、金
属ハロゲン化物、金属アルキル化物等の金属化合物と低
温下で混合し、−78℃から室温、もしくは還流条件下
で、約1〜48時間攪拌する。溶媒としては、このよう
な反応に普通のものを使用できるが、なかでもエーテ
ル、THF等の極性溶媒、トルエン等の炭化水素溶媒な
どが好ましく使用される。また、塩を調製する際に使用
する塩基としては、n-ブチルリチウム等のリチウム塩、
水素化ナトリウム等のナトリウム塩等の金属塩や、トリ
エチルアミン、ピリジン等の有機塩基が好ましいが、こ
の限りではない。反応する配位子の数は、遷移金属M含
有化合物と配位子との仕込み比を変えることにより調整
することが出来る。また、複数の種類の配位子が配位す
る遷移金属化合物を合成するには、例えば前記式(a)
〜(d)の化合物のうち2種類以上を溶媒に溶解したも
のを用いて反応を行ってもよいし、或いは反応途中で異
なる種類の化合物を逐次的に加えてもよい。各化合物の
仕込み比を変えることで、対応する配位子の割合を調整
することができる。
【0297】化合物の性質によっては、塩調製を経由せ
ず、配位子前駆体と金属化合物とを直接反応させること
で、対応する遷移金属化合物を合成することもできる。
たとえば、前記式(a)〜(c)の化合物と遷移金属ハ
ロゲン化物と反応させて調製する。また、(d)の化合
物を遷移金属ハロゲン化物と反応させて調製する。
【0298】さらに、合成した遷移金属化合物中の金属
Mを、常法により別の遷移金属と交換することも可能で
ある。また、例えばR1〜R17の何れかがHである場合
には、合成の任意の段階において、H以外の置換基を導
入することができる。また、イミン含有金属錯体を還元
することで対応するアミン含有金属錯体を合成すること
もできる。
【0299】
【発明の効果】本発明により、高い重合活性を有するオ
レフィン重合用触媒が提供される。さらに、本発明に係
るオレフィンの重合方法によれば、高い重合活性でオレ
フィン(共)重合体を製造できる。
【0300】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0301】合成実施例で得られた化合物の構造は、2
70MHz1H−NMR(日本電子GSH−270
型)、FT−IR(SHIMAZUFTIR−8200
D型)、FD−質量分析(日本電子SX−102A
型)、金属含有量分析(乾式灰化・希硝酸溶解後ICP
法により分析、機器:SHIMAZUICPS−800
0型)、炭素、水素、窒素含有量分析(ヘラウス社CH
NO型)等を用いて決定した。また、極限粘度[η]
は、135℃デカリン中で測定した。
【0302】以下に本発明に係る遷移金属化合物の具体
的な合成例を示すとともに、オレフィン重合の具体的な
実施例を示す。 (合成例1) <配位子(L1)の合成>エタノール中、室温で3-t-ブ
チルサリチルアルデヒドとアニリンを作用させることで
対応するイミン体が得られた。(収率95%) 次に、窒素雰囲気下、このイミン体0.11g(4.0
mmol)のTHF15ml溶液に、n-Bu2SnH2
0.47g(2.0mmol)とn-Bu2SnCl
2 0.63g(2.0mmol)の混合液を室温で一括
添加し、そのまま20分撹拌した。これにヘキサメチル
ホスホルアミド(HMPA)0.70ml(4.0mm
ol)とヨウ化メチル0.25ml(4.0mmol)
を添加し、60℃で3時間撹拌した。この反応液をメタ
ノールでクエンチ後、シリカゲルカラムで精製すること
で、下記式に示す配位子(L1)を0.74g得た。
(収率69%)
【0303】
【化67】
【0304】FD-質量分析:(M+)2691 H-NMR(CDCl3): 1.42(s,9H) 2.76(s,3H) 4.33(s,2H)
6.75-7.40(m,8H) 11.80(s,1H) <化合物(A-1)の合成>充分に乾燥、アルゴン置換し
た100mlの反応器に、化合物L1;0.40g
(1.50mmol)とジエチルエーテル10mlを仕
込み、−78℃に冷却し攪拌した。これにn-ブチルリチ
ウム0.98ml(1.60mmol/ml-n-ヘキサ
ン溶液、1.58mmol)を5分かけて滴下し、その
後ゆっくりと室温まで昇温し、室温で4時間攪拌を続
け、リチウム塩溶液を調製した。この溶液を−78℃に
冷却し、四塩化チタン溶液1.50ml(0.5mmo
l/ml-ヘプタン溶液、0.75mmol)を徐々に
滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温まで昇温しなが
ら攪拌を続けた。さらに室温で4時間攪拌した後、反応
液を減圧濃縮し、析出した固体を塩化メチレン20ml
に溶解し、不溶物を除去した。得られたろ液を減圧濃縮
し、析出した固体をジエチルエーテルとヘキサンの混合
溶液で洗浄、さらにヘキサンでリスラリー洗浄し、これ
を減圧乾燥させることにより下記式で示される茶褐色粉
末の化合物(A−1)を0.06g(収率12%)得
た。
【0305】
【化68】
【0306】元素分析 : Ti;7.4%(7.3%)
…( )内は計算値1 H-NMR(CDCl3): 1.46(s,18H) 3.24(s,6H) 4.55(brs,4
H) 6.50-6.80,7.25-7.70(m,16H) (合成例2) <化合物(B-1)の合成>充分にアルゴン置換した1
00mlの反応器に上記で得られた化合物L1;0.5
6g(2.1mmol)をジエチルエーテル15mlに
溶解し、−78℃に冷却し撹拌した。これにn−ブチル
リチウム1.36ml(n-ヘキサン溶液、1.60N、
2.17mmol)を5分かけて滴下し、その後ゆっく
りと室温まで昇温した。室温で4時間撹拌後、−78℃
に冷却したZrCl4・2THF錯体0.39g(1.
03mmol)のTHF15ml溶液に徐々に添加し
た。添加後、ゆっくりと室温まで昇温し、さらに加熱環
流を4時間行った。この反応液を減圧濃縮し、析出した
固体を塩化メチレン20mlで洗浄し、不溶物を除去し
た。得られた塩化メチレン溶液を減圧濃縮し、析出した
固体を塩化メチレン・ヘキサン混合液で再沈し、さらに
ヘキサンでリスラリー洗浄後、減圧乾燥させることによ
り下記式で示される黄色の粉末の化合物(B−1)を
0.36g(収率18%)得た。
【0307】
【化69】
【0308】元素分析 : Zr;13.1%(13.0%)
…( )内は計算値1 H-NMR(CDCl3): 1.42(s,18H) 3.75(s,6H) 4.45(brs,4
H) 6.40-7.00,7.10-7.70(m,16H) (合成例3) <配位子(L2)の合成>エタノール中、室温で3-t-ブ
チルサリチルアルデヒドとアニリンを作用させることで
対応するイミン体を得た。次に、窒素雰囲気下室温で、
このイミン体2.02g(8.0mmol)のメタノー
ル20ml溶液に、NaBH4 0.66g(16.0m
mol)のメタノール10ml溶液を徐々に添加し、そ
のまま30分撹拌した。これを氷水でクエンチし、シリ
カゲルカラムで精製することにより、下記式の白色結晶
の化合物(L2)を2.01g得た。(収率99%)
【0309】
【化70】
【0310】FD-質量分析:(M+)2551 H-NMR(CDCl3): 1.42(s,9H) 4.13(s,2H) 6.75-7.30(m,
8H) <化合物(A-2)の合成>上記で合成したL2を用
い、合成例1と同様の条件でオレンジ色粉末の下記式化
合物(A-2)を合成した。(収率7%)
【0311】
【化71】
【0312】FD-質量分析 : (M+) 626 元素分析 : Ti;7.8%(7.6%) …( )内は計算
値 (合成例4) <化合物(B-2)の合成>合成例3で合成したL2を
用い、合成例2と同様の条件で黄色粉末の下記式化合物
(B−2)を合成した。(収率10%)
【0313】
【化72】
【0314】FD-質量分析 : (M+) 669 元素分析 : Zr;13.3%(13.6%) …( )内は計
算値 (合成例5) <化合物(A-3)の合成>充分に乾燥、アルゴン置換
した100mlの反応器に、合成例3で合成した化合物
L2;0.38g(1.50mmol)とジエチルエー
テル10mlを仕込み、−78℃に冷却し、攪拌した。
これにn-ブチルリチウム1.92ml(1.60mmo
l/ml-n-ヘキサン溶液、3.08mmol)を5分
かけて滴下し、その後ゆっくりと室温まで昇温し、室温
で4時間攪拌を続け、リチウム塩溶液を調製した。この
溶液を−78℃に冷却し、四塩化チタン溶液3.0ml
(0.5mmol/ml-ヘプタン溶液、1.50mm
ol)を徐々に滴下した。滴下終了後、ゆっくりと室温
まで昇温しながら攪拌を続けた。さらに室温で4時間攪
拌した後、反応液を減圧濃縮し、析出した固体を塩化メ
チレン20mlに溶解し、不溶物を除去した。得られた
ろ液を減圧濃縮し、析出した固体をジエチルエーテルと
ヘキサンの混合溶液で洗浄、さらにヘキサンでリスラリ
ー洗浄し、これを減圧乾燥させることにより下記式で示
されるオレンジ色粉末の化合物(A−3)を0.47g
(収率84%)得た。
【0315】
【化73】
【0316】FD-質量分析:(M+)3721 H-NMR(CDCl3): 1.43(s.9H) 4.84(brs,2H) 6.50-6.80,
7.25-7.40(m,8H) 元素分析 : Ti;12.6%(12.9%) …( )内は計
算値 (合成例6) <化合物(B-3)の合成>合成例3で合成したL2と
ZrCl4・2THFを用い、合成例5と同様の条件で
黄色粉末の下記式化合物(B−3)を合成した。(収率
10%)
【0317】
【化74】
【0318】FD-質量分析 : (M+) 414 元素分析 : Zr;21.9%(22.0%) …( )内は計
算値 (実施例1)充分に窒素置換した内容積500mlのガ
ラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、
液相および気相をエチレン100リットル/hrで飽和
させる。その後、トリイソブチルアルミニウム(TIB
A)を0.25mmol、引き続き化合物(A−1)を
0.005mmol、トリフェニルカルベニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(TrB)を
0.006mmol加え重合を開始した。常圧のエチレ
ンガス雰囲気下、25℃で30分反応させた後、少量の
イソブタノールを添加することにより重合を停止した。
重合終了後、反応物を大量のメタノールに投入してポリ
マーを全量析出させた後、塩酸を加えてグラスフィルタ
ーで濾過した。ポリマーを80℃、10時間で減圧乾燥
した後、ポリエチレンを0.08g得た。チタン1mo
lあたりの重合活性は32kg/mol・hrであり、
得られたポリエチレンの極限粘度[η]は32.9dl/
gであった。 (実施例2)充分に窒素置換した内容積500mlのガ
ラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、
エチレン100リットル/hrで液相および気相をエチ
レンで飽和させた。その後、メチルアルミノキサン(M
AO)をアルミニウム原子換算で1.1875mmo
l、引き続き、合成例1で得られた化合物(B-1)を
0.005mmol加え重合を開始した。常圧のエチレ
ンガス雰囲気下、25℃で30分間反応させた後、少量
のイソブタノールを添加することにより重合を停止し
た。重合終了後、反応物を大量のメタノールに投入して
ポリマーを全量析出させた後、塩酸を加えてグラスフィ
ルターで濾過した。ポリマーを80℃、10時間で減圧
乾燥した後、ポリエチレンを0.07g得た。ジルコニ
ウム1molあたりの重合活性28kg/mol・h
r、得られたポリエチレンの極限粘度[η]は22.8
dl/gであった。 (実施例3)合成例2で得られた化合物(B−1)を用
い、実施例1と同様の条件で重合反応を30分行った結
果、ポリエチレンを0.14g得た。ジルコニウム1m
olあたりの重合活性は56kg/mol・hrであ
り、得られたポリエチレンの極限粘度[η]は9.44
dl/gであった。 (実施例4)合成例3で得られた化合物(B−2)を用
い、実施例1と同様の条件で重合反応を30分行った結
果、ポリエチレンを0.20g得た。ジルコニウム1m
olあたりの重合活性は80kg/mol・hrであ
り、得られたポリエチレンの極限粘度[η]は4.20
dl/gであった。 (実施例5)合成例4で得られた化合物(A−2)を用
い、実施例2と同様の条件で重合反応を30分行った結
果、ポリエチレンを0.03g得た。チタン1molあ
たりの重合活性は12kg/mol・hrであった。 (実施例6)合成例4で得られた化合物(A−3)を用
い、実施例1と同様の条件で重合反応を30分行った結
果、ポリエチレンを0.17g得た。チタン1molあ
たりの重合活性は68kg/mol・hrであり、得ら
れたポリエチレンの極限粘度[η]は23.2dl/g
であった。 (実施例7)合成例4で得られた化合物(A−3)を用
い、実施例2と同様の条件で30分重合反応を行った結
果、ポリエチレンを0.13g得た。チタン1molあ
たりの重合活性は52kg/mol・hrであり、得ら
れたポリエチレンの極限粘度[η]は19.0dl/g
であった。 (実施例8)合成例5で得られた化合物(B−3)を用
い、実施例2と同様の条件で重合反応を30分行った結
果、ポリエチレンを0.25g得た。チタン1molあ
たりの重合活性は100kg/mol・hrであり、得
られたポリエチレンの極限粘度[η]は2.5dl/g
であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオレフィン重合用触媒の調製工程
を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平11−79292 (32)優先日 平成11年3月24日(1999.3.24) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 二田原 正 利 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 藤 田 照 典 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 三 谷 誠 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 高 木 幸 浩 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 中 野 隆 志 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4J028 AA01A AB01A AC08A AC10A AC18A AC20A AC31A AC41A AC42A AC44A AC45A AC46A AC47A AC48A AC49A AC50A BA01B BA02B BA03B BB00B BB01B BB02B BC01B BC05B BC06B BC12B BC15B BC16B BC17B BC19B BC24B BC25B BC27B BC29B CA25C CA27C CA28C CA29C CA30C DB02A DB03A DB04A DB05A EB02 EB04 EB05 EB07 EB08 EB09 EB10 EB13 EB14 EB16 EB17 EB18 EB21 EB24 EB25 EB26 EC01 EC02 FA02 FA03 FA04 FA07 GA04 GB01 GB02 4J100 AA02P AA03P AA04P AA07P AA09P AA15P AA16P AA17P AA18P AA19P AA20P AA21P AB01P AB02P AB04P AB07P AB08P AB16P AC03P AC22P AC23P AG02P AG04P AG05P AG08P AJ02P AJ08P AJ09P AK08P AK13P AK20P AK21P AK31P AK32P AL03P AL04P AL10P AL82P AR03P AR04P AR09P AR11P AR16P AR16Q AR22P AR22Q AS01P AS01Q AS02P AS02Q AS03P AS03Q AS04P AS04Q AS07Q AS11P AS11Q AS15P AS15Q AS21P AS21Q AS25P AS25Q BA03P BA05P BA06P BA10P BA16P BA17P BA20P BB18P BC54P CA01 CA04 FA10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記式(a)で表される化合物と下
    記式(e)で表される金属化合物とを結合反応させて得
    られるものであって、金属原子に対する該金属原子に結
    合する下記式(a)化合物に由来する配位子のモル比が
    1〜6である遷移金属化合物からなることを特徴とする
    オレフィン重合用触媒; 【化1】 (上式中、Aは、酸素原子、イオウ原子、セレン原子、
    または結合基−R5を有する窒素原子を示し、Dは、−
    C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R10)−、−P(O)
    (R11)−、−P(R12)−、−SO−または−S−を示
    し、Zは、Nの結合基として、−R13および−R14、=
    C(R15)R16または=NR17を示し、R1〜R17は、互
    いに同一でも異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原
    子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、
    窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオ
    ウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含
    有基、またはスズ含有基を示し、これらのうち2個以上
    が互いに連結して環を形成していてもよい。) MXk ・・・・ (e) (上式中、Mは、周期表第3〜11族の遷移金属原子を
    示し、kは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原
    子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含
    有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有
    基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残
    基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含
    有基を示し、kが2以上の場合は、Xで示される複数の
    基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示さ
    れる複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
  2. 【請求項2】(A)下記式(b)で表される化合物と前
    記式(e)で表される金属化合物とを結合反応させて得
    られるものであって、金属原子に対する該金属原子に結
    合する下記式(b)化合物に由来する配位子のモル比が
    1〜6である遷移金属化合物からなることを特徴とする
    オレフィン重合用触媒; 【化2】 (上式中、Aは、酸素原子、イオウ原子、セレン原子、
    または結合基−R5を有する窒素原子を示し、Dは、−
    C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R10)−、−P(O)
    (R11)−、−P(R12)−、−SO−または−S−を示
    し、R1〜R13は、互いに同一でも異なっていてもよい
    水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合
    物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アル
    ミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含
    有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示し、こ
    れらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していて
    もよい。)
  3. 【請求項3】(A)下記式(c)で表される化合物と前
    記式(e)で表される金属化合物とを結合反応させて得
    られるものであって、金属原子に対する該金属原子に結
    合する下記式(c)化合物に由来する配位子のモル比が
    1〜6である遷移金属化合物からなることを特徴とする
    オレフィン重合用触媒; 【化3】 (上式中、Aは、酸素原子、イオウ原子、セレン原子、
    または結合基−R5を有する窒素原子を示し、Dは、−
    C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R10)−、−P(O)
    (R11)−、−P(R12)−、−SO−または−S−を示
    し、R1〜R13は、互いに同一でも異なっていてもよい
    水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合
    物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アル
    ミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含
    有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、
    これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成してい
    てもよい。)
  4. 【請求項4】(A)下記式(d)で表される化合物と前
    記式(e)で表される金属化合物とを結合反応させて得
    られるものであって、金属原子に対する該金属原子に結
    合する下記式(d)化合物に由来する配位子のモル比が
    1〜6である遷移金属化合物からなることを特徴とする
    オレフィン重合用触媒; 【化4】 (上式中、Aは、酸素原子、イオウ原子、セレン原子、
    または結合基−R5を有する窒素原子を示し、Dは、−
    C(R7)(R8)−、−Si(R9)(R10)−、−P(O)
    (R11)−、−P(R12)−、−SO−または−S−を示
    し、Zは、Nの結合基として、−R13および−R14、=
    C(R15)R16または=NR17を示し、R1〜R17は、互
    いに同一でも異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原
    子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、
    窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオ
    ウ含有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含
    有基、またはスズ含有基を示し、これらのうち2個以上
    が互いに連結して環を形成していてもよい。)
  5. 【請求項5】(A)下記式(I)で表される遷移金属化
    合物からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒; 【化5】 (上式中、Mは、周期表第3〜11族の遷移金属原子を
    示し、mは、1〜6の整数であり、Aは、酸素原子、イ
    オウ原子、セレン原子、または結合基−R5を有する窒
    素原子を示し、Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)
    (R10)−、−P(O)(R11)−、−P(R12)−、−SO
    −、または−S−を示し、Zは、Nの結合基として、−
    13および−R14、=C(R15)R16または=NR17を示
    し、R1〜R17は、互いに同一でも異なっていてもよい
    水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合
    物残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アル
    ミニウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含
    有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、
    これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成してい
    てもよく、また、mが複数のときは、一つの配位子に含
    まれるR1〜R1 7のうちの1個の基と、他の配位子に含
    まれるR1〜R17のうちの1個の基とが結合されていて
    もよく、R1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5
    士、R7同士、R8同士、R9同士、R10同士、R11
    士、R12同士、R13同士、R14同士、R 15同士、R16
    士およびR17同士は互いに同一でも異なっていてもよ
    く、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原
    子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含
    有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有
    基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残
    基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有
    基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基
    は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示され
    る複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
  6. 【請求項6】(A)下記式(II)で表される遷移金属化
    合物からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒; 【化6】 (上式中、Mは、周期表第3〜11族の遷移金属原子を
    示し、mは、1〜6の整数であり、Aは、酸素原子、イ
    オウ原子、セレン原子、または結合基−R5を有する窒
    素原子を示し、Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)
    (R10)−、−P(O)(R11)−、−P(R12)−、−SO−
    または−S−を示し、R1〜R13は、互いに同一でも異
    なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素
    基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、
    ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リ
    ン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、または
    スズ含有基を示し、これらのうち2個以上が互いに連結
    して環を形成していてもよく、また、mが複数のとき
    は、一つの配位子に含まれるR1〜R1 3のうちの1個の
    基と、他の配位子に含まれるR1〜R13のうちの1個の
    基とが結合されていてもよく、R1同士、R2同士、R3
    同士、R4同士、R5同士、R6同士、R7同士、R8
    士、R9同士、R10同士、R11同士、R12同士、R13
    士は互いに同一でも異なっていてもよく、nは、Mの価
    数を満たす数であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、
    炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、
    ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロ
    ゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲ
    ルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以
    上の場合は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異
    なっていてもよく、またXで示される複数の基は互いに
    結合して環を形成してもよい。)
  7. 【請求項7】(A)下記式(III)で表される遷移金属
    化合物からなることを特徴とするオレフィン重合用触
    媒; 【化7】 (上式中、Mは、周期表第3〜11族の遷移金属原子を
    示し、mは、1〜3の整数であり、Aは、酸素原子、イ
    オウ原子、セレン原子、または結合基−R5を有する窒
    素原子を示し、Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)
    (R10)−、−P(O)(R11)−、−P(R12)−、−SO−
    または−S−を示し、R1〜R13は、互いに同一でも異
    なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、炭化水素
    基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、窒素含有基、
    ホウ素含有基、アルミニウム含有基、イオウ含有基、リ
    ン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、または
    スズ含有基を示し、これらのうち2個以上が互いに連結
    して環を形成していてもよく、また、mが複数のとき
    は、一つの配位子に含まれるR1〜R1 3のうちの1個の
    基と、他の配位子に含まれるR1〜R13のうちの1個の
    基とが結合されていてもよく、R1同士、R2同士、R3
    同士、R4同士、R5同士、R7同士、R8同士、R9
    士、R10同士、R11同士、R12同士、R13同士は互いに
    同一でも異なっていてもよく、nは、Mの価数を満たす
    数であり、Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素
    基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含
    有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有
    基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウ
    ム含有基、またはスズ含有基を示し、nが2以上の場合
    は、Xで示される複数の基は互いに同一でも異なってい
    てもよく、またXで示される複数の基は互いに結合して
    環を形成してもよい。)
  8. 【請求項8】(A)下記式(IV)で表される遷移金属化
    合物からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒; 【化8】 (上式中、Mは、周期表第3〜11族の遷移金属原子を
    示し、mは、1〜6の整数であり、Aは、酸素原子、イ
    オウ原子、セレン原子、または結合基−R5を有する窒
    素原子を示し、Dは、−C(R7)(R8)−、−Si(R9)
    (R10)−、−P(O)(R11)−、−P(R12)−、−SO−
    または−S−を示し、Zは、Nの結合基として、−R13
    および−R14、=C(R15)R16または=NR17を示し、
    1〜R17は、互いに同一でも異なっていてもよい水素
    原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残
    基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニ
    ウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有
    基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、こ
    れらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していて
    もよく、また、mが複数のときは、一つの配位子に含ま
    れるR1〜R1 7のうちの1個の基と、他の配位子に含ま
    れるR1〜R17のうちの1個の基とが結合されていても
    よく、R1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5
    士、R6同士、R7同士、R8同士、R9同士、R10同士、
    11同士、R12同士、R13同士、R1 4同士、R15同士、
    16同士、R17同士は互いに同一でも異なっていてもよ
    く、nは、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原
    子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含
    有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有
    基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残
    基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含
    有基を示し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の
    基は互いに同一でも異なっていてもよく、またXで示さ
    れる複数の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
  9. 【請求項9】(A)下記式(V)で表される遷移金属化
    合物からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒; 【化9】 (上式中、Mは、周期表第3〜11族の遷移金属原子を
    示し、mは0〜6、pは0〜6、qは0〜3、rは0〜
    6の整数でこれらのうち三つ以上が同時に0になること
    はなく、m+p+q+r≦6かつm+p+2q≦6を満
    たし、A、A'、A''、A'''は、互いに同一でも異なっ
    ていてもよい酸素原子、イオウ原子、セレン原子、また
    は、結合基−R5(A'、A''、A'''に対応してそれぞ
    れ−R5'、−R5''、−R5'''と表す。以下同様。)を
    有する窒素原子を示し、D、D'、D''、D'''は、互い
    に同一でも異なっていてもよい−C(R7)(R8)−、−S
    i(R9)(R10)−、−P(O)(R11)−、−P(R12)−、
    −SO−、または−S−を示し、Z、Z'''は、互いに
    同一でも異なっていてもよく、Nの結合基として、−R
    13および−R14、=C(R15)R16または=NR17を示
    し、R1〜R17、R1'〜R13'、R1''〜R13''、R1'''
    〜R17'''は、互いに同一でも異なっていてもよい水素
    原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残
    基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニ
    ウム含有基、イオウ含有基、リン含有基、ケイ素含有
    基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示し、こ
    れらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していて
    もよく、また、m+p+q+r≧2のときは、一つの配
    位子に含まれるR1〜R17、R1'〜R13'、R 1''〜
    13''、R1'''〜R17'''のうちの1個の基と、他の配
    位子に含まれるR1〜R17、R1'〜R13'、R1''〜
    13''、R1'''〜R17'''のうちの1個の基とが結合さ
    れていてもよく、R1、R1'、R1''、R1'''同士、
    2、R2'、R2''、R 2'''同士、R3、R3'、R3''、R
    3'''同士、R4、R4'、R4''、R4'''同士、R 5
    5'、R5''、R5'''同士、R6'、R6'''同士、R7、R
    7'、R7''、R7'''同士、R8、R8'、R8''、R8'''同
    士、R9、R9'、R9''、R9'''同士、R10、R 10'、R
    10''、R10'''同士、R11、R11'、R11''、R11'''同
    士、R12、R12'、R12''、R12'''同士、R13
    13'、R13'',R13'''同士、R14、R14'''同士、
    15、R15'''同士、R16、R16'''同士、R17
    17'''同士は互いに同一でも異なっていてもよく、n
    は、Mの価数を満たす数であり、Xは、水素原子、ハロ
    ゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒
    素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含
    有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素
    含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基を示
    し、nが2以上の場合は、Xで示される複数の基は互い
    に同一でも異なっていてもよく、またXで示される複数
    の基は互いに結合して環を形成してもよい。)
  10. 【請求項10】 前記式(a)〜(d)、(I)〜
    (V)において、D(式(V)におけるD'、D''、
    D'''を含む)が−C(R7)(R8)−である化合物を、前
    記(A)遷移金属化合物とする請求項1ないし9のいず
    れか1項に記載のオレフィン重合用触媒。
  11. 【請求項11】さらに(B)(B-1) 有機金属化合物、(B
    -2) 有機アルミニウムオキシ化合物、および(B-3) 遷移
    金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物よ
    りなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含むこ
    とを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記
    載のオレフィン重合用触媒。
  12. 【請求項12】 さらに担体(C)を含むことを特徴と
    する請求項11に記載のオレフィン重合用触媒。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれか1項に
    記載のオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを
    重合または共重合させることを特徴とするオレフィンの
    重合方法。
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JP2006516954A (ja) * 2002-11-04 2006-07-13 バーゼル、ポリオレフィン、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング オレフィン性モノマーの(共)重合用遷移金属触媒
JP2009508919A (ja) * 2005-09-20 2009-03-05 イネオス ユーロープ リミテッド 重合触媒

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