JP2000334472A - 排水の処理方法 - Google Patents
排水の処理方法Info
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Abstract
排出される高濃度重金属、リン含有排水から重金属を効
率的に除去すると共に、リンをMAPとして除去、回収
し、その有効再利用を図る。 【解決手段】 溶融炉排ガス処理工程排水中の重金属イ
オンを硫化物処理によって除去した、排水中に残存する
オルトリン酸イオンからMAP(リン酸マグネシウムア
ンモニウム)を生成させ、生成したMAPを除去する。
Description
おける排ガス処理工程から排出される高濃度重金属及び
リン含有排水から重金属を除去すると共に、リンをMA
P(リン酸マグネシウムアンモニウム)として除去、回
収する排水の処理方法に関する。
の排水処理プロセスは図2に示す通りであり、汚泥の濃
縮、脱水、乾燥の各工程から排出される有機性排水は活
性汚泥処理された後、溶融炉の排ガス処理工程で発生す
る排水と混合後、下水処理場へ移送される。即ち、溶融
炉の排ガス処理で発生する排水は、無機性SS(重金属
含有)や重金属イオン、オルトリン酸イオン等を含むも
のであるが、この排水は、他の排水の活性汚泥処理水と
混合されて希釈された後、汚泥集約処理場に隣接して設
けられている下水処理場へ移送され(以下、この水を
「返流水」と称す場合がある。)、下水処理場で更に他
の排水と混合されて処理されており、直接処理は行われ
ていない。
機性排水であるが、この溶融炉排ガス処理工程排水は無
機性の排水であるため、活性汚泥処理する必要がない。 むしろ、溶融炉排ガス処理工程排水を活性汚泥槽へ
流入させると排水中の重金属により活性汚泥処理に弊害
を起こす可能性があるため、活性汚泥処理は行えない。 溶融炉排ガス処理工程排水には重金属が高濃度で含
有されているが、活性汚泥処理水と比較して水量が少な
いため、これと混合し、更に下水処理場で他の排水と混
合すれば重金属が大幅に希釈されるため、従来において
は、処理上の問題はないと考えられていた。
近で行うため、汚泥に微量ながら含有される重金属及び
リンのうち、塩形態で沸点の低い成分は溶融スラグへ移
行せずに一部ガス化する。このガス中に含まれる重金属
及びリンは排ガス処理工程で排水側へ移行し、固形物又
はイオン形態で溶融炉排ガス処理工程排水中に残存する
ものとなる。
ンは、汚泥の溶融工程を経て濃縮されているため、排ガ
ス処理工程排水に高濃度に含まれることになる。このよ
うに、重金属及びリンを高濃度に含有する排水を他の排
水と混合後処理すると、重金属による硝化阻害などの恐
れがあり、また、高濃度のリンの存在は高度処理の観点
から好ましくない。
び窒素の放流水規制の高まりを受け、終末処理場での高
度処理を円滑に行う必要性から、返流水のリン負荷を低
減することが求められている。
することは、その下水処理場内の活性汚泥処理において
硝化阻害を起こす危険があり、その場合には窒素除去が
不充分となる恐れがあることから、返流水の重金属負荷
の削減も重要な課題である。
びリン負荷の原因となる、溶融炉排ガス処理工程排水中
の重金属及びリンを効率的に除去することが望まれる。
時除去法として、アルカリによるpH調整を行って不溶
物を析出させ自然沈降により沈殿を分離する方法があ
る。この方法によれば、沈殿分離によって排水中の無機
性SSが除去でき、重金属イオンと共にオルトリン酸イ
オンも除去可能である。
アルカリによるpH調整後、沈殿分離を行う方法では、
溶融炉排ガス処理工程排水中に高濃度で含有されるオル
トリン酸イオンが、沈殿分離で得られる無機汚泥中に含
有されて除去されるため、リンの回収、有効再利用が不
可能である。
理工程で発生する汚泥脱水濾液、硝化脱離液等のリン含
有水からリンを除去する方法として、含有されるリンと
必要に応じて添加されるアンモニア成分及びマグネシウ
ムとからMAPを生成させ、生成したMAP粒子を分離
回収する方法が知られているが、このMAP処理法を、
リンと共に高濃度で重金属を含有する溶融炉排ガス処理
工程排水に適用しても、高純度なMAPを回収すること
はできず、また、重金属イオンを除去することはできな
い。
の溶融処理における排ガス処理工程から排出される高濃
度重金属及びリン含有排水を処理して、重金属を除去す
ると共に、リンをMAPとして除去、回収する排水の処
理方法を提供することを目的とする。
は、汚泥の溶融処理における排ガス処理工程排水を処理
する方法において、該排水中の重金属イオンを硫化物処
理によって除去した後、排水中に残存するオルトリン酸
イオンからMAPを生成させ、生成したMAPを分離す
ることを特徴とする。
理により、溶融炉排ガス処理工程排水中の重金属(M)
及びリンを次のような反応で高度に除去することがで
き、リンをMAPとして回収することができる。
2O→MgNH4PO4・6H2O(MAP) 上記硫化物処理で生成する金属硫化物MSの溶解度積は
金属水酸化物と比較して非常に小さい値をとり、pH中
性でも処理できる。従って、この金属硫化物の沈殿の除
去においては、オルトリン酸イオンの大部分を除去する
ことなく、分離水側へ残留させることができるため、そ
の後のMAP処理でオルトリン酸イオンをMAPとして
効率的に除去、回収することができる。
に説明する。
態を示す系統図であり、(a)図は硫化物処理工程を示
し、(b)はMAP処理工程を示す。
槽、3は沈殿槽、4は汚泥貯留槽であり、5は混合槽、
6はMAP反応塔、7は処理水槽である。
処理に当っては、溶融炉排ガス処理工程排水(原水)を
反応槽1に導入し、必要に応じて酸、アルカリ等のpH
調整剤を添加すると共に硫化物を添加して、原水中の重
金属イオンを重金属硫化物として不溶化させる。
行うのが好ましく、pH計1Aに連動するバルブV1の
開閉によりpH調整剤を添加してpH調整を行う。
ては、硫化ナトリウム(Na2S)、硫化水素ナトリウ
ム(NaHS)、硫化水素(H2S)等を用いることが
でき、これらの処理薬剤はORP値に基いて注入制御す
ることができ、ORP計1Bに連動するポンプP1の作
動でORPが−100mVとなるように注入制御され
る。
に送給され、重金属硫化物の沈殿が分離され、分離水は
硫化物処理水として、後段のMAP処理工程へ送給され
る。一方、分離汚泥はポンプP2により抜き出され、汚
泥貯留槽4に移送される。
ンが重金属硫化物として含有されると共に、無機性SS
が含有され、これらが除去される。
除去され、オルトリン酸イオンの大部分が残留するもの
であり、通常の場合、MAP生成には、アンモニウムイ
オンが不足する。
ンの供給源として、汚泥の溶融処理工程の他工程の排
水、即ち、濃縮分離水、脱水濾液及び乾燥工程排水のう
ちの1種を用いるか、或いは2種以上を混合して用いる
のが好ましい。即ち、これらの排水には、アンモニウム
イオンが十分に含まれており、これらの排水を利用する
ことは、同一の工程内で排出される排水を容易にアンモ
ニウムイオン源として用いると共に、これらの排水処理
をも行えることから、工業的に極めて有利である。
排水をアンモニウムイオン源として用いる場合、図1
(b)に示す如く、硫化物とこれらの他工程排水とを予
め混合槽5で混合してMAP反応塔6に導入するのが好
ましい。
理水中のアンモニウムイオン濃度、リン濃度によってM
AP生成に好適な混合割合となるように適宜決定される
が、通常の場合、硫化物処理水:他工程排水=1:10
〜20(容積比)とされる。
P反応塔6に導入されてMAP処理される。
部に混合水の導入配管が設けられると共に、上部に処理
水の取出配管が設けられ、下部に反応部が形成され、上
部に径の大きい分離部が形成されている。反応塔6の底
部はMAP粒子を引き抜き易いようにコーン状とされて
いる。反応塔6の下部にはNaOH等のアルカリ剤の供
給管が設けられ、底部にはMAP粒子の排出管が設けら
れている。なお、MAPの生成にマグネシウムが不足す
る場合には、MgCl2等のマグネシウム塩溶液(マグ
ネシウム塩を含有するものであれば良く、海水であって
も良い。)の供給管を、この反応塔6の下部に設けてマ
グネシウムを補給する。
7に貯留され、一部はポンプP4により反応塔6下部に
循環され、残部は系外へ排出される。6Aは溢流堰、7
AはpH計であり、V2はMAP粒子の引き抜きバルブ
である。
件、即ちpH7.7〜9.0、好ましくはpH8.1と
なるように、NaOH等のアルカリ剤が注入される。ま
た、前述の如く、MAPの析出にマグネシウムが不足す
る場合には、MgCl2等のマグネシウム塩溶液を注入
する。
AP粒子を種晶としてMAPが造粒される。即ち、混合
水の流入と処理水の循環でMAP粒子が流動状態とな
り、このMAP粒子の表面に新たなMAPが析出して、
大粒のMAP粒子が造粒される。
処理水は反応塔6内を上昇して取出配管から処理水槽7
を経て排出される。
は、バルブV2を開として反応塔6下部の排出管より間
欠的に取り出される。
ス処理工程排水中のオルトリン酸イオンを殆ど除去する
ことなく重金属を除去し、その後、MAP処理で残留す
るオルトリン酸イオンからMAPを生成させ、これを分
離することにより、リンの有効再利用を図ることができ
る。
処理工程は、本発明の実施の形態の一例であって、本発
明はその要旨を超えない限り、何ら図示の方法に限定さ
れるものではなく、MAP反応塔の形式等においても何
ら制限されるものではない。
説明する。
排水のうち、湿式電気集塵機排水を原水として処理を行
った。
通りとした。
300Lに汚泥乾燥工程排水150Lを混合し、MAP
処理した。
硫化物処理水の水質からSS、重金属及びリンの除去率
を調べたところ、表1に示す通りであり、硫化物処理に
より、オルトリン酸イオンは殆ど除去されることなく、
重金属イオンや無機性SSが効率的に除去されているこ
とがわかる。
びこれらの混合水と、MAP処理水の水質は表2に示す
通りであり、表2より、汚泥乾燥工程排水中のアンモニ
ウムイオンを有効利用して、効率的なMAP処理を行え
ることがわかる。
1L当り22mgのMAPを回収することができ、その
有効再利用を図ることができた。
方法によれば、汚泥の溶融処理における排ガス処理工程
から排出される高濃度重金属、リン含有排水から重金属
を効率的に除去すると共に、リンをMAPとして除去、
回収し、その有効再利用を図ることができる。
統図であり、(a)図は硫化物処理工程を示し、(b)
はMAP処理工程を示す。
処理プロセスを示す説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 汚泥の溶融処理における排ガス処理工程
排水を処理する方法において、該排水中の重金属イオン
を硫化物処理によって除去した後、排水中に残存するオ
ルトリン酸イオンからリン酸マグネシウムアンモニウム
を生成させ、生成したリン酸マグネシウムアンモニウム
を分離することを特徴とする排水の処理方法。
Priority Applications (1)
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