JP3277832B2 - 下水処理水から回収したリンの処理方法 - Google Patents
下水処理水から回収したリンの処理方法Info
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Description
理水中に含有され、そのまま放流されている溶解性リン
を不溶性のリン化合物として汚泥ともに回収した後、汚
泥を緑農地等へ有機質肥料として再利用を図る場合、不
溶性リン化合物を再び溶解性リンに変化させると同時
に、汚泥中の重金属類を不溶性硫化物とする方法に関す
るものである。
懸濁物を沈降分離したのち、活性汚泥を用いて汚水中の
溶解性物質を基準値以下に浄化して公共水域に放流する
仕組みとなっている。しかし、活性汚泥法においては、
流入する全リン量を除去することは困難で、流入リン量
の約45〜50%が処理水に含まれ、公共水域へ放流さ
れているのが通常である。また、公共水域へは、農業排
水及び生活廃水などの汚水も直接流入し、水質汚濁及び
水質悪化が問題となっている状況下にあって、下水処理
場から排出される放流水も極力リン及び窒素などの栄養
素となる物質が少量であることが望まれる。一方、放流
水中に含まれるリンを減少させるため、流入汚水に硫酸
鉄、塩化鉄などの鉄塩、または、ポリ塩化アルミ、硫酸
アルミなどのアルミ塩類を添加して、汚水中の溶解性リ
ンを不溶性のリン酸化合物とした後、活性汚泥処理を行
い、不溶化したリンを汚泥に混入させて回収する方法も
実施されている。この方法で回収されたリンは不溶性で
あるため、汚泥をコンポスト化し、緑農地等へ施肥する
場合は、リンの肥効性が低下したものとなる。
鎖水域に窒素及びリンなどの栄養素を含む汚水が多量に
流入し、水生植物及び藻類微生物の異常増殖によっても
たらされる水質の悪化が問題となっている。これらの水
域の水質悪化の防止には、流入する汚水を削減させると
ともに、集約処理がなされている下水処理場からの放流
水中に含まれる窒素及びリンを極力減少させることが重
要である。しかしながら現在、下水処理場において実施
されている活性汚泥を用いる汚水処理方法では、流入す
るリンの全量を除去することは困難で、流入するリン量
の約45〜50%が処理水として放流されているのが通
常である。
ったり、また、土水取水水域と併用する場合などでは、
下水処理工程で鉄塩またはアルミニウム塩類を添加し
て、不溶性リン化合物として放流水中の溶解性リンを除
去する方法が一部では実施されているが、この方法が実
施されている下水処理場で発生する汚泥を有機質肥料と
して再利用する場合は、汚泥中のリンが不溶性であるた
め、リンの肥効性が低下したものとなっている。
下水処理場からの放流水中に含まれるリンを大幅に削減
させ、しかも回収したリンを可溶性に変化させ、汚泥を
緑農地等への有機質肥料として再利用する場合、リンの
肥効性を向上させるとともに汚泥中に含まれる重金属類
を不溶性の硫化物とする経済的な方法を提供しようとす
るものである。
性汚泥を用いて浄化した処理水を最終沈殿池にて懸濁物
を沈降分離した上澄水には、流入リン量の約45〜50
%が含まれ、このまま放流されている。そして、放流水
中に含まれるリンの約60〜70%が溶解性のリン酸イ
オン(PO 4 -3 )である。この溶解性リンイオンを、不
溶性の化合物として凝集沈殿させ分離すれば、放流水中
のリンを大幅に削減させることが可能であることが容易
に予測される。溶解性リンイオンを不溶性化合物とする
方法として、カルシウム塩類、または、マグネシウム塩
類を添加する方法、及び鉄塩類、アルミニウム塩類を添
加する方法などがあるが、溶解性リン酸イオンとの反応
性及び取扱い性、そして、後述する処理方法を考慮する
と、塩化第一鉄(Fecl 2 )及び塩化第二鉄(Fec
l 3 )を用いる方法が最も適性である。
いて、処理水に塩化第一鉄または塩化第二鉄を添加する
と、溶解性リン酸イオンは、リン酸第一鉄(Fe 3 (P
o 4 ) 2 )またはリン酸第二鉄(FePo 4 ) を生成
し、最終沈殿池で処理液中に含まれる汚泥とともに沈殿
する。通常は、最終沈殿池汚泥は最初沈殿池汚泥と混合
され、濃縮工程を経て汚泥調質された後、脱水機を用い
て固液分離される。固液分離された脱水汚泥を緑農地等
への有機質肥料として再利用する場合、汚泥に含まれる
重金属類、特に最も多く含まれる亜鉛などが少ないこと
が重要となる。
特に亜鉛を除去する方法として、濃縮汚泥に塩化第二鉄
と次亜塩素酸ソーダを添加して溶出させて分離除去する
方法を開発しており、この方法で処理することによっ
て、汚泥中の亜鉛は大幅に除去されたものとなる。しか
し、この方法で処理した脱水汚泥中にも重金属類及び亜
鉛が塩化物の形で少量残存するため、この残存する金属
塩化物を不溶性の硫化物としておくことが重要である。
以上記述したように、下水処理場から排出される放流水
から溶解性リンを回収し、しかも重金属類、特に亜鉛の
除去を行なった脱水汚泥は、不溶性のリン酸鉄化合物と
残留した少量の重金属塩化物及び亜鉛塩化物を含む組織
となっている。
て生成させた硫化水素を反応させると、不溶性のリン酸
鉄化合物は、硫化鉄と可溶性のリン酸を生成する。一
方、重金属類塩化物及び亜鉛塩化物は、不溶性の硫化物
になる。そして、硫化鉄と塩酸より硫化水素を生成させ
た残渣は、塩化第一鉄となっているので、この塩化第一
鉄は放流水中から溶解性リン酸イオンを回収するために
循環利用することができる。
て凝集沈殿分離する場合、溶解性リン濃度が希薄である
ものは回収が困難であるといわれている。そして、下水
処理場から排出される放流水中のリン濃度も、数ppm
〜数十ppmで希薄であるので、放流水に鉄塩を添加し
て凝集沈殿分離する方法は、非常に回収率の低いものと
なる。しかし、下水処理場工程において、最終沈殿池へ
入る前の処理水中には、曝気槽からの汚泥粒子が多量に
含まれているので、最終沈殿池に入る直前に鉄塩を添加
することによって、生成したリン酸鉄は、汚泥粒子に付
着または凝集フロックを生成したりして、共沈し、効率
良く沈降分離することが可能となる。
も、塩化鉄による凝集フロックを生成し、沈降分離する
ことができるようになり、放流水の水質向上ともなる。
この様に、鉄塩を添加して回収したリン酸鉄は不溶性で
あるので、脱水汚泥を有機質肥料として利用する場合
は、リンの肥料効果が低いものとなっているので、可溶
性のリン化合物に変える必要がある。また、汚泥中の重
金属類及び亜鉛を塩化第二鉄と次亜塩素酸ソーダを用い
て処理した脱水汚泥は、可溶性の金属塩化物となってい
るので、不溶性化合物としなければ除去効果が減少する
こととなる。
汚泥と硫化水素を反応させれば、リン酸鉄は可溶性のリ
ン酸となり、金属塩化物は不溶性の硫化物となる。そし
て、硫化鉄と塩酸の反応によって硫化水素と塩化第一鉄
が生成するので、塩化第一鉄はリン酸の回収薬剤として
循環使用する。上記の作用を化学式を用いて記述すると
以下の通りである。
の通りである。図1において、初沈・曝気槽・終沈は、
下水処理場の汚水処理工程を示すもので、流入汚水Aは
活性汚泥を用いたこの工程を経て処理放流Bされる。こ
の処理工程中、初沈から初沈汚泥が、終沈から余剰汚泥
が発生し、この両者を合わせて重力濃縮され、混合生汚
泥となる。
ソーダを添加し、汚泥中の重金属類、特に亜鉛化合物を
溶出させる。溶出処理を行なった汚泥をアルカリ剤を用
いてPH調整を行ない、脱水機を用いて脱水操作を行な
い、重金属類、特に亜鉛含有量を削減させた脱水ケーキ
と、溶出分離した重金属類及び亜鉛を多く含有した脱水
ろ液を得る。
て発生させた硫化水素を通じて、脱水ケーキに含まれる
重金属類及び亜鉛を不溶性の硫化物とすると同時に、リ
ン酸鉄を可溶性のリン酸に変える。この硫化操作を行な
った脱水ケーキをアルカリ剤で中和し、肥料及びコンポ
スト化等の対応が容易なものとする。
む脱水ろ液は、アルカリ剤で中和し、溶解している重金
属類及び亜鉛を水酸化物として析出、沈殿させたのち、
脱水して重金属類及び亜鉛を多量に含む脱水ケーキを分
離回収する。この操作で発生する分離水は、清澄となる
ので、濃縮槽へ返送し、濃縮分離水と合わせて処理す
る。また、硫化鉄と塩酸を用いて硫化水素を発生させた
残渣は、塩化第一鉄であるので、この塩化第一鉄を終沈
でのリン酸の回収に再利用する。
場から排出されるリンを大幅に減少させることができ、
しかも、汚泥中の重金属類を削減させ、特に亜鉛の殆ど
を除去することが可能となり、残留した重金属類を不溶
性化し、更に有機質肥料として脱水ケーキを再利用する
場合、リン化合物の可溶性によって肥料効果を向上させ
ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 下水処理場等の処理水中に金属塩類を添
加し、含まれる溶解性リンを不溶性金属化合物として最
終沈殿池の汚泥と一緒に回収し、回収した汚泥に塩化第
二鉄及び次亜塩素酸ソーダを添加して汚泥中の重金属化
合物類を溶出させたのち固液分離し、不溶性のリン酸鉄
化合物、重金属塩化物および塩化亜鉛を含有した分離汚
泥に、硫化水素を反応させて不溶性リン酸化合物を溶解
性のリン酸とし、重金属類塩化物および塩化亜鉛を不溶
性の硫化物とする下水処理水から回収したリンの処理方
法。 - 【請求項2】 上記不溶性のリン酸鉄化合物、重金属塩
化物および塩化亜鉛を含有した分離汚泥に反応させる硫
化水素を硫化鉄と塩酸とを反応させて生ずる硫化水素と
し、このとき、同時に生ずる塩化第一鉄を溶解性リンを
不溶性金属化合物とするための金属塩類として使用する
ことを特徴とする請求項1記載の下水処理水から回収し
たリンの処理方法。
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JP32063696A JP3277832B2 (ja) | 1996-12-02 | 1996-12-02 | 下水処理水から回収したリンの処理方法 |
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JPH10156391A JPH10156391A (ja) | 1998-06-16 |
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- 1996-12-02 JP JP32063696A patent/JP3277832B2/ja not_active Expired - Fee Related
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