JP5128735B2 - 排水中のリンおよび凝集剤回収再利用方法 - Google Patents
排水中のリンおよび凝集剤回収再利用方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5128735B2 JP5128735B2 JP2001144665A JP2001144665A JP5128735B2 JP 5128735 B2 JP5128735 B2 JP 5128735B2 JP 2001144665 A JP2001144665 A JP 2001144665A JP 2001144665 A JP2001144665 A JP 2001144665A JP 5128735 B2 JP5128735 B2 JP 5128735B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phosphorus
- flocculant
- sludge
- added
- wastewater
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W10/00—Technologies for wastewater treatment
- Y02W10/10—Biological treatment of water, waste water, or sewage
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は排水中のリンおよび凝集剤を回収再利用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
排水中の汚濁物質を除去するため、固液分離、膜処理、物理化学的処理、生物学的処理等、さまざな処理技術が適用されているが、近年、富栄養化対策として栄養塩類を排水から除去することが広く行われ、窒素は硝化・脱窒という微生物反応によって除去され、リンは一般的に、生物学的処理プロセスへの凝集剤添加によって除去(3次処理、高度処理)されている。リン対応の高度処理は、標準活性汚泥法や脱窒型嫌気・好気活性汚泥法プロセスなどの工程途中に凝集剤を添加して、不溶解性のリン酸金属塩の生成と凝集を促進し、リン酸塩を余剰汚泥に取り込んだ形で除去するものである。そのほか、脱リン型嫌気・好気活性汚泥法(生物脱リン法)や、標準活性汚泥法などの生物学的処理プロセスからでる2次処理水に石灰を加え、不溶解性のリン酸カルシウムとして物理化学的に沈澱除去する方法、同じく2次処理水に対してリンの化学的晶析反応を利用して除去する晶析脱リン法などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
凝集剤添加リン除去法では凝集剤を連続的に添加し、大量の凝集剤が消費され、運転費用の負担が大きくなってくる。また、凝集沈殿する分の汚泥が発生するため、発生分の汚泥処理の負担が増えて、これもまた運転費用がかさむ原因となっている。凝集剤添加リン除去法で発生する大量の汚泥から凝集剤を回収して再利用できれば、凝集剤費用が軽減すると同時に、凝集沈殿汚泥から凝集剤を回収する分汚泥発生量が減少し、通常の凝集剤添加リン除去法よりも発生汚泥量が減じ、汚泥処理費用の負担が軽減することになる。
一方リン資源の観点からみると、リンは、石油と同様に数十年で枯渇すると予測されている。リンは主に肥料として消費され、国内消費量の大部分がリン鉱石の輸入に頼っている状況である。下水処理水中のリン流出量は国内消費量の10%程度であり、これを回収利用することが検討され始めている。現状の凝集剤添加リン除去法では、大部分の発生汚泥はリンを含んだまま焼却後に埋め立て処分されており、これを回収利用できればリン資源枯渇問題のひとつの解決手段となると考えられる。
本発明は、産業排水処理や下水処理などで富栄養化対策により、排水中に含まれるリンを凝集剤添加により不溶化して沈殿除去する際に、リン及び凝集剤を回収し再利用する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、リンを含む排水を生物反応槽に収容し、前記生物反応槽中の排水にアルミニウム系の無機凝集剤を添加し、前記生物反応槽中の排水に生じた凝集フロックを前記生物反応槽後段の沈殿池にて沈殿させ、沈殿した沈殿汚泥の一部を余剰汚泥として汚泥処理工程へ送られる排水処理工程におけるリン及び凝集剤回収再利用方法であって、前記余剰汚泥をリン・凝集剤成分溶出槽にてアルカリ処理して、前記余剰汚泥からリンと凝集剤成分とを溶出させ可溶化したリン・凝集剤成分溶出槽の混合液を得る工程と、前記リン・凝集剤成分溶出槽の混合液を固液分離して分離液と分離汚泥とを得る工程と、リンと前記凝集剤成分を含有した前記分離液をリン回収装置に導入し、前記分離液に含まれるリンを回収する工程において、前記分離液にカルシウム系の薬品を添加してリンを不溶化させる凝集法、又は前記分離液にアパタイトを主成分とする担体及びカルシウム系薬品を添加し、前記担体上に前記分離液中のリンを析出させる晶析法により、リン回収物と、凝集剤成分が残存している回収凝集剤成分溶解液とを得る工程と、前記回収凝集剤成分溶解液に酸を添加し、pHを4未満とした後に前記生物反応槽へ添加することで、前記生物反応槽内の前記回収凝集剤成分溶解液を含む排水を酸性とし、かつ前記回収凝集剤成分溶解液に含まれる前記凝集剤成分を再利用する工程と、を含む、ことを特徴とする。また、前記リン回収装置内の前記分離液中の[Ca]/[P]モル比が1.7以上5以下であることが好ましい。また,前記担体は、前記カルシウム系の薬品を添加することで、当該担体表面にリン酸カルシウムが被覆されているものを含むことが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】
一般的な排水処理工程での凝集剤添加リン除去法のフローを図5に示す。図中符号20は生物反応槽、21は散気管、22は沈殿池、23は汚泥濃縮、脱水、消化、焼却、溶融等の汚泥処理工程である。
流入排水中のリンは生物反応槽20へ送られ、凝集剤を生物反応槽へ添加するとリンと凝集フロックを生成する。凝集フロックは後段の沈殿池22にて沈殿し、沈殿汚泥は余剰汚泥として汚泥処理工程へ送られる。汚泥処理工程では汚泥の脱水処理や焼却処理がなされ、脱水汚泥または焼却灰として最終的に排水処理施設から排出される。リンは最終的に脱水汚泥または焼却灰に含まれたまま埋め立てなどで処分されている。また凝集剤も連続的に添加され、最終的にリンと一緒に脱水ケーキまたは焼却灰として処分されている。
【0006】
本発明リン・凝集剤回収再利用方法のフローを図1に示す。
図1中、符号10は生物反応槽、11は散気管、12は沈殿池、13はリン・凝集剤成分溶出槽、14は固液分離器、15はリン回収装置、16は汚泥濃縮、脱水、消化、焼却、溶融等の汚泥処理工程である。
本発明では、凝集剤を生物反応槽10へ添加し、流入排出中のリンを凝集フロックとし、沈殿池12にて沈殿させる。沈殿池の汚泥を余剰汚泥として引き抜き、リン・凝集剤成分溶出槽13へ送る。この槽では余剰汚泥を水酸化ナトリウムなどでpHをアルカリ側に調整し、リンと凝集剤成分を余剰汚泥から溶出させる。また、リンについては余剰汚泥中に凝集フロック由来のもの以外に、活性汚泥由来の生物体内中のリンが含まれ、アルカリ処理することで可溶化し、凝集剤でのリン除去分以上のリンが液中に溶出することになる。また可溶化することで余剰汚泥量が減量化し、後段の汚泥処理での負担の軽減を期待できる。リン・凝集剤成分溶出槽の混合液は遠心濃縮機などの固液分離手段で固液分離を行い、リンと凝集剤成分を含んだ分離液をリン回収装置で処理する。
【0007】
リン回収装置での具体的なリン除去方法としては、CaCl2等のカルシウム系薬品を添加してリン酸カルシウムとして不溶化させる凝集法、リン鉱石等のカルシウムを多く含む担体を充填させた槽へカルシウム系薬品を添加して液中のリンを担体上に析出させる晶析法(接触脱リン法とも呼ばれている)、リン吸着剤による吸着法などがある。なお晶析法では析出担体としてリン鉱石、転炉スラグ、珊瑚礁石灰岩等数多くのものがあるが、カルシウムを多く含有したものであれば限定はしない。ただし、カルシウム含量が少ないケイ砂等であっても一定期間カルシウム薬品を添加することで担体表面がリン酸カルシウムで被覆されているものを含む物質も析出担体として使用できる。
また、晶析法と類似した方法で、カルシウム系薬品の代替として水酸化マグネシウムや塩化マグネシウム等のマグネシウム系薬品を添加し、リン酸マグネシウムアンモニウム(MgNH4PO4・6H2O)、いわゆるストラバイト(struvite)を主成分とする担体上に液中のリンを析出させる方法もあり、MAP法(Magnesiumu Ammonium Phosphete法)、MAP造粒脱リン法等と称する方法でもよい。
【0008】
リン回収装置において、カルシウム系薬品による凝集法、晶析法やMAP法でリン除去する場合は、アルカリ性にする必要があるが、これはリン除去反応が次の反応式により進み、水酸化物イオン(OH-)を消費するためである。
凝集法および晶析法;5Ca2++7OH-+3H2PO4 -→Ca5(OH)(PO4)3+H2O
MAP法;Mg2++NH4 ++HPO4 2-+OH-+6H2O→MgNH4PO4・6H2O+H2O
しかし、リン・凝集剤成分溶出槽では前述のようにリンと凝集剤成分を液中に溶出させるため、アルカリ性で調整されているため、リン回収装置であらためて必要なアルカリ側のpH調整が不要となる。
【0009】
リン回収装置で処理した後の液はリンが除去され、凝集剤成分が残存しており、凝集剤としての機能を持っているので、これを再利用し、図1中の流入排水、返流水および生物反応槽等へ添加し、排水中のリンを凝集沈殿除去することが可能となる。ただし、回収した凝集剤成分の凝集機能を発揮させるためには、回収凝集剤成分溶解液を図1中の流入排水、返流水およ微生物反応槽等へ添加する際、硫酸などでpHを4未満に調整するのが望ましい。これは、下水道協会誌第17巻第197号第43〜49頁「晶析法による下水中のリンの除去に関する研究(第1報)」(1980年10月)の第43頁に掲載された、図−1『各種形態のリンに対するpHの関係』から、液中のリンがAlPO4として不溶化しやすいpHが6付近であるところに由来している。
リン・凝集剤成分溶出槽では、リンと凝集剤成分を液中に溶出させ、アルカリ性で調整されているため、回収凝集剤成分溶解液もアルカリ性であり、これを予めpH4未満に調整しておくことで、図1中の流入排水、返流水および生物反応槽等へ添加したときにちょうどpH6付近にすることが可能となる。回収凝集剤成分溶解液のpH調整を行わなければ、pHは6付近に低下せず、アルカリ性のままでリン除去効率は悪化する。このように回収凝集剤成分溶解液を凝集剤として再利用できることから、凝集剤の使用量を大幅に削減でき、凝集剤購入費用の大幅な低減とこれに伴う発生汚泥量の減量化が期待できる。
【0010】
【実施例】
リン・凝集剤回収再利用法の基本的性能を基礎実験で確認したので、図2に示す基礎実験手順にもとづく実施例で詳細を説明する。
[リン・凝集剤成分溶出工程]
アルミニウム系凝集剤を使用した凝集剤添加リン除去法の余剰汚泥をNaOHでpH12に調整し、常温で1時間緩やかに攪拌後、遠心分離機で分離液を回収する。表1(リン・凝集剤成分溶出工程での溶出液の水質)に示すように、分離液中にはリンとアルミニウムが溶出し、アルカリ処理後のリン溶出率は48%、アルミニウム溶出率は90%となった。またアルカリ処理により汚泥が可溶化し、固形物の可溶化率は62%となり、BOD濃度が900mg/l−1と高まった。このことから汚泥処理での処理量が低減することによる運転費の軽減が期待できる。
【0011】
【表1】
【0012】
[リン回収工程]
次に図2の分離液にCaCl2を添加し、カルシウムとリンのモル比[Ca]/[P]を1.7にてリン除去したところ、リン除去率は70%、アルミニウム残存率は91%であり、リンを高い除去率で回収できるとともに、再利用するための凝集剤金属成分であるアルミニウムを後段のリン除去工程に凝集剤として再利用できることになる。
【0013】
[リン除去工程]
図2のリン回収工程後、凝集剤成分が残存した液が回収されるので、この回収凝集剤成分溶液をpH調整し、1vol%の割合で下水に添加したときのリン除去状況を図3に示す。図3は、回収凝集剤成分溶解液と新規凝集剤のリン除去反応との関係を示してあり、図中の太線は新規の凝集剤を添加した場合である。pH4未満ではリン除去能力が向上し、余剰汚泥から回収した凝集剤成分を適切なpHに調整することで、新規凝集剤と変わらないリン除去効果が得られた。
【0014】
[比較例]
凝集剤添加リン除去法とリン・凝集剤回収再利用法の、主に運転費用の大部分を占めると考えられる汚泥処分費と薬品費の比較を表2に示し、運転費用算出条件を表3に示す。
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
汚泥処分費用は、凝集剤添加リン除去法の19.7円/m3 −下水に対し、本発明のリン・凝集剤回収再利用法では10.0円/m3 −下水となり、ほぼ半減することとなった。薬品費は、凝集剤添加リン除去法では凝集剤費用が1.3円/m3 −下水に対して、リン・凝集剤回収再利用法ではNaOH費用0.5円/m3 −下水、CaCl2費用1.5円/m3 −下水、硫酸費用0.9円/m3 −下水、凝集剤費用0.4円/m3 −下水で合計すると3.3円/m3 −下水となる。薬品費に関しては2.5倍費用が増加するが、汚泥処分費と薬品費の合計は凝集剤添加リン除去法では凝集剤費用が21.0円/m3 −下水に対して、リン・凝集剤回収再利用法では13.4円/m3 −下水となり、36%の運転費用の削減効果が得られる。また、リン・凝集剤回収再利用法ではリン回収物が得られ、肥料として売却利益を期待できる可能性がある。
【0018】
次に、本発明の利点を説明する。
1)アルカリ処理について
生物汚泥の可溶化は時間がかかるため積極的に考えていない。もちろん温度は高いほうがよいが、必ずしも期待しない。無機汚泥(凝集剤汚泥または凝集フロック)は積極的に可溶化させ、可溶化液中の凝集剤成分およびリンを回収再利用する。アルカリ処理時間は1時間以内でよい。常温でよい。
2)アルカリ処理にかかる時間
余剰汚泥は生物汚泥と無機汚泥(凝集フロック)から成り、無機汚泥中には不溶化したリンがAlPO4として存在し、またAl(OH)3も無機汚泥中に存在する。強アルカリ性にすることでリンとアルミニウムはすぐに解離し、液中に溶出する化学反応であるため、溶出にかかる時間はそれほどかからない。そのためリン・凝集剤成分溶出槽の滞留時間はかなり短い。実施例では1時間で十分であった。
3)回収凝集剤の効果1
再活性化(凝集剤としての効果を高めて)して水処理へ戻す。
4)回収凝集剤の効果2
汚泥を高速でアルカリ処理してリンと凝集剤成分を可溶化させる。液中にリンと凝集剤成分が溶ける。これを各々回収する。リンはリン酸カルシウム、リン酸マグネシウムまたはリン酸マグネシウムアンモニウム等として不溶化させ、回収再利用する。凝集剤成分は硫酸や塩酸などでpHを4未満に低下させ、凝集剤として再利用する。この場合、図1中の新規凝集剤の添加モル比は[Al]/[P]=0.30程度で回収した凝集剤成分をpH4未満にすることで、少ないモル比で効率的なリン除去反応を期待できる。残汚泥は汚泥処理工程16へ送る。
【0019】
5)再利用可能なリン除去能を有する媒体
余剰汚泥中に含まれる不溶化したAlPO4とAl(OH)3は、リン・凝集剤成分溶出槽でのアルカリ処理で液中に溶出し、リン成分とアルミニウム成分を液中に溶出させる。これを固液分離し、分離液中に含まれるリンはカルシウム系薬品と化合させリン酸カルシウムとして再不溶化し回収する。リンが除去された回収凝集剤成分溶解液をpH4未満に調整し、図1中の流入排水、返流水および生物反応槽等へ添加し、AlPO4が不溶化しやすいpH6付近となるようにpH調整することで、リン除去を行うことができる。
6)着色の影響
アルミニウム系凝集剤はPAC(Poly Alumium Chloride)、Al2(SO4)3があり、リン除去用の凝集剤としては主流である。着色などの影響はない。
鉄系凝集剤はポリ硫酸第二鉄、Fe2(SO4)3、FeCl3、FeSO4、FeCl2等があるが、リン除去用として優れているのはポリ硫酸第二鉄やFeCl3である。しかし、反応後の処理水は黄色に着色するため、特に処理規模の大きい下水処理場などでは採用されない傾向がある。
7)リン・凝集剤成分溶出槽でのリン溶出率
アルミニウム系のPAC凝集剤と鉄系のポリ硫酸第二鉄を使用し、ビーカーにて所定量のリンとそれぞれの凝集剤を添加し、NaOHまたはHClでpH調整し、緩やかに攪拌して、リンの1時間後の溶出状況を調べた。
図4(A)はアルミニウム系凝集剤とリン溶出へのpHの影響を示したもので、
pH11 アルミニウム系凝集剤 溶出リン濃度143mg/l リン溶出率89%
pH12 アルミニウム系凝集剤 溶出リン濃度150mg/l リン溶出率94%
という高いリン溶出率が得られ、リン回収量が多い。PAC以外の硫酸バン土Al2(SO4)3やアルミン酸ソーダNaAlO2でも同様の傾向である。
鉄系凝集剤とリン溶出へのpHの影響を調べると図4(B)から明らかなように、
pH11 鉄系凝集剤 溶出リン濃度 77mg/l リン溶出率48%
pH12 鉄系凝集剤 溶出リン濃度113mg/l リン溶出率71%
となってリン溶出率が低く、したがってリン回収量も少ない。
【0020】
【発明の効果】
上記のように、本発明は、リンを含む排水にアルミニウム系無機系凝集剤を添加して、液中のリンを不溶化させた凝集沈殿汚泥を、アルカリ処理してリンと凝集剤成分を液中に溶出させて固液分離し、リンと凝集剤成分を含有した分離液については、リンを不溶化する薬品を添加してリンを回収するものであって、回収したリンは肥料等として資源回収でき、有効利用できる。
リン回収後の分離液には凝集剤成分が残存しており、排水、生物処理工程での曝気槽中、または排水処理施設の汚泥処理工程から排出される返流水に添加することで、液中のリンを除去することができ、リン除去のための凝集剤添加量を大幅に削減可能となる。また、アルカリ処理後、固液分離した分離汚泥はアルカリ処理による可溶化のため汚泥量が減少し、余剰汚泥量が減少するため、汚泥処理工程での処理量と処理費用を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明リン・凝集剤回収再利用法のフローを示す図である。
【図2】本発明の基礎実験手順を示す図である。
【図3】回収凝集剤成分溶解液と新規凝集剤のリン除去反応との関係を示すグラフである。
【図4】リン溶出とpHとの関係を示すもので、(A)はアルミニウム系凝集剤とリン溶出へのpHの影響を示し、(B)は鉄系凝集剤とリン溶出へのpHの影響を示す図である。
【図5】一般的な排水処理工程における凝集剤添加リン除去法のフローを示す図である。
【符号の説明】
10 生物反応槽 11 散気管
12 沈殿池 13 リン・凝集剤成分溶出槽
14 固液分離器 15 リン回収装置
16 汚泥濃縮、脱水、消化、焼却、溶融等を含む汚泥処理工程
Claims (3)
- リンを含む排水を生物反応槽に収容し、前記生物反応槽中の排水にアルミニウム系の無機凝集剤を添加し、前記生物反応槽中の排水に生じた凝集フロックを前記生物反応槽後段の沈殿池にて沈殿させ、沈殿した沈殿汚泥の一部を余剰汚泥として汚泥処理工程へ送られる排水処理工程におけるリン及び凝集剤回収再利用方法であって、
前記余剰汚泥をリン・凝集剤成分溶出槽にてアルカリ処理して、前記余剰汚泥からリンと凝集剤成分とを溶出させ可溶化したリン・凝集剤成分溶出槽の混合液を得る工程と、
前記リン・凝集剤成分溶出槽の混合液を固液分離して分離液と分離汚泥とを得る工程と、
リンと前記凝集剤成分を含有した前記分離液をリン回収装置に導入し、前記分離液に含まれるリンを回収する工程において、
前記分離液にカルシウム系の薬品を添加してリンを不溶化させる凝集法、又は
前記分離液にアパタイトを主成分とする担体及びカルシウム系薬品を添加し、前記担体上に前記分離液中のリンを析出させる晶析法により、
リン回収物と、凝集剤成分が残存している回収凝集剤成分溶解液とを得る工程と、
前記回収凝集剤成分溶解液に酸を添加し、pHを4未満とした後に前記生物反応槽へ添加することで、前記生物反応槽内の前記回収凝集剤成分溶解液を含む排水を酸性とし、かつ前記回収凝集剤成分溶解液に含まれる前記凝集剤成分を再利用する工程と、
を含む、
排水中のリンおよび凝集剤回収再利用方法。 - 前記リン回収装置内の前記分離液中の[Ca]/[P]モル比が1.7以上5以下である請求項1に記載の回収再利用方法。
- 前記担体は、前記カルシウム系の薬品を添加することで、当該担体表面にリン酸カルシウムが被覆されているものを含む、請求項1記載の回収再利用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001144665A JP5128735B2 (ja) | 2001-05-15 | 2001-05-15 | 排水中のリンおよび凝集剤回収再利用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001144665A JP5128735B2 (ja) | 2001-05-15 | 2001-05-15 | 排水中のリンおよび凝集剤回収再利用方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002336870A JP2002336870A (ja) | 2002-11-26 |
JP5128735B2 true JP5128735B2 (ja) | 2013-01-23 |
Family
ID=18990578
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001144665A Expired - Lifetime JP5128735B2 (ja) | 2001-05-15 | 2001-05-15 | 排水中のリンおよび凝集剤回収再利用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5128735B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106219697A (zh) * | 2016-08-18 | 2016-12-14 | 桂林市春晓环保科技有限公司 | 一种新型工业废水絮凝剂及其制备方法 |
Families Citing this family (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003001012A (ja) * | 2001-06-19 | 2003-01-07 | Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd | 凝集沈殿処理方法及び沈殿汚泥の処理方法 |
JP4528175B2 (ja) * | 2005-03-22 | 2010-08-18 | メタウォーター株式会社 | 有機性汚泥の処理方法 |
JP2008183519A (ja) * | 2007-01-30 | 2008-08-14 | Kansai Pgs Kk | 下水処理装置およびリンの回収方法 |
JP5118572B2 (ja) * | 2008-08-05 | 2013-01-16 | メタウォーター株式会社 | 下水処理方法 |
CN102774977A (zh) * | 2011-05-09 | 2012-11-14 | 上海丰信环保科技有限公司 | 一种能够高效去除涂装废水中磷的方法 |
JP5439439B2 (ja) * | 2011-07-04 | 2014-03-12 | 水ing株式会社 | 汚泥処理装置、リンの製造方法および汚泥処理方法 |
KR101141928B1 (ko) * | 2011-10-19 | 2012-05-14 | 코오롱워터앤에너지 주식회사 | 인의 회수 및 응집제 재활용을 이용한 하, 폐수처리 장치 및 그 방법 |
CN103112989B (zh) * | 2012-11-09 | 2013-11-13 | 浙江大学 | 一种印染助剂废水的处理装置及其处理方法 |
JP2015091566A (ja) * | 2013-11-08 | 2015-05-14 | 太平洋セメント株式会社 | リン回収用スラリー、その製造方法、並びに、リンを含む排水からのリンの回収方法 |
CN104211154B (zh) * | 2014-09-25 | 2016-06-15 | 王伟 | 一种磁性絮凝剂及其应用方法 |
JP6583022B2 (ja) * | 2016-02-01 | 2019-10-02 | 日本製鉄株式会社 | スラグ系土木材料の褐色化方法および簡易舗装路の施工方法 |
JP7205856B2 (ja) * | 2018-06-21 | 2023-01-17 | 国立大学法人 新潟大学 | 汚泥の処理方法および汚泥の処理システム |
CN115385535B (zh) * | 2022-09-02 | 2023-12-29 | 爱沃特智能水务(安徽)有限公司 | 一种从化学污泥中同步回收铝和磷的方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3466270B2 (ja) * | 1994-05-13 | 2003-11-10 | 株式会社西原環境テクノロジー | 貝殻を用いたリン除去方法およびヒドロキシアパタイトの利用方法 |
JP2002326088A (ja) * | 2001-05-02 | 2002-11-12 | Ebara Corp | リン、cod含有水の処理方法及び装置 |
-
2001
- 2001-05-15 JP JP2001144665A patent/JP5128735B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106219697A (zh) * | 2016-08-18 | 2016-12-14 | 桂林市春晓环保科技有限公司 | 一种新型工业废水絮凝剂及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002336870A (ja) | 2002-11-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5128735B2 (ja) | 排水中のリンおよび凝集剤回収再利用方法 | |
JP2000033386A (ja) | フッ素含有排水の処理方法とその装置 | |
CN109502720A (zh) | 一种利用脱硫废水中镁盐去除废水中氮磷的方法 | |
WO1997034837A1 (fr) | Procede et dispositif pour traiter des eaux usees contenant du selenium | |
JP6376951B2 (ja) | リン回収設備及びリン回収方法 | |
JPH09108690A (ja) | リン含有汚水の処理方法 | |
JP3480904B2 (ja) | 汚泥中のリン分回収方法およびその装置 | |
JP3442205B2 (ja) | リン含有汚水の処理方法 | |
JP2716348B2 (ja) | 下水返流水の処理方法 | |
JP2002205077A (ja) | 有機性汚水の処理方法及び装置 | |
JP2003300095A (ja) | 下水処理方法及び装置 | |
JP2002177966A (ja) | 脱リン剤と脱リン方法及び汚泥の脱水処理方法 | |
JP2002316192A (ja) | 有機性汚水の処理方法及び装置 | |
JP3496773B2 (ja) | 有機性汚水の高度処理方法及び装置 | |
JP4368159B2 (ja) | リン酸塩を含む排水の処理方法 | |
JP2002316191A (ja) | 有機性汚水の処理方法及び装置 | |
JP3277832B2 (ja) | 下水処理水から回収したリンの処理方法 | |
JPH11319889A (ja) | セレン含有排水の処理方法及び装置 | |
JP3339352B2 (ja) | 汚泥の処理方法 | |
JP2002079004A (ja) | 凝集方法 | |
JP2002326088A (ja) | リン、cod含有水の処理方法及び装置 | |
JPH0141110B2 (ja) | ||
JP2002143883A (ja) | リン含有有機性汚水の処理方法 | |
JP4259700B2 (ja) | 汚泥の凝集方法および水処理方法 | |
JP4141554B2 (ja) | 汚泥中のリンの溶出防止方法および汚泥中のリンの溶出防止剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A80 | Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80 Effective date: 20010517 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080423 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100402 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110301 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110502 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20110502 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110502 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120321 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120511 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121023 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121101 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 5128735 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151109 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |