JP2000327804A - 金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム - Google Patents

金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム

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JP2000327804A JP13683499A JP13683499A JP2000327804A JP 2000327804 A JP2000327804 A JP 2000327804A JP 13683499 A JP13683499 A JP 13683499A JP 13683499 A JP13683499 A JP 13683499A JP 2000327804 A JP2000327804 A JP 2000327804A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐衝撃性、耐レトルト性を保持しな
がら、保味保香性、特にレトルト後の保味保香性に優
れ、かつ成形加工性が改善された金属板貼合せ成形加工
用ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合
ポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分とする、
融点が210〜245℃であるポリエステルからなる二
軸延伸フィルムであって、該フィルムの1/2結晶化時
間が300秒以上2000秒以下であることを特徴とす
る金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属板貼合せ成形加
工用ポリエステルフィルムに関し、さらに詳しくは金属
板と貼合せて絞り加工などの製缶加工をする際優れた成
形加工性を示し、かつ耐熱性、耐レトルト性、保味保香
性、耐衝撃性などに優れた金属缶、例えば飲料缶、食品
缶などを製造し得る金属板貼合せ成形加工用ポリエステ
ルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】金属缶には内外面の腐蝕防止として一般
に塗装が施されているが、最近、工程簡素化、衛生性向
上、公害防止などの目的で、有機溶剤を使用せずに防錆
性を得る方法の開発が進められ、その一つとして熱可塑
性フィルムによる被覆が試みられている。すなわち、ブ
リキ、ティンフリースチール、アルミニウム等の金属板
に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした後、絞り加工
等により製缶する方法の検討が進められている。
【0003】この熱可塑性樹脂フィルムとしては、成形
加工性、耐熱性、耐衝撃性、保味保香性などの点で、共
重合ポリエステルフィルムが適していることが次第に明
らかになりつつある。しかしながら、このポリエステル
フィルムは緑茶類など極めて微妙な味わいが重要な飲
料、さらには無味無臭が要求されるミネラルウォーター
を内容物とした場合、必ずしも十分な保味保香性を示さ
ず、臭気や味に対する変化が感知される。これに対し、
特開平6−116376号では、特定量のアルカリ金属
元素とゲルマニウム元素を含有する共重合ポリエステル
からなる、フレーバー性を向上せしめた金属板成形加工
用ポリエステルフィルムが提案されている。しかし、こ
のフィルムを用いた場合、コールドパックシステムのよ
うな内容物をつめた段階で熱のかからない工程では優れ
た保味保香性を示すが、レトルト処理のような内容物を
つめた段階で熱処理が行われる工程においては、必ずし
も十分な保味保香性が得られない。
【0004】一方、本発明者のこれまでの検討で、ある
特定の融点を有する共重合ポリエチレンテレフタレート
を用い、特定のガラス転移温度、動的粘弾性を有するフ
ィルムとすれば、保味保香性が改善できることを見出し
た(特開平10−166440)。しかしながら、製缶
加工条件によっては、必ずしも十分な成形性を得られる
ものではないことがわかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の問題点を解消し、共重合ポリエステルフィ
ルムが持っている優れた耐熱性、耐衝撃性、耐レトルト
性を保持しながら、保味保香性、特にレトルト処理後の
保味保香性に優れ、かつ成形加工性を改善した金属板貼
合せ成形加工用ポリエステルフィルムを提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ある特定の融点を
有する共重合ポリエチレンテレフタレートを用い、フィ
ルムの1/2結晶化時間を特定の範囲にすることによ
り、保味保香性と成形性が改善できることを見出し、本
発明に至った。
【0007】すなわち、本発明は、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレートを主た
る構成成分とする、融点が210〜245℃であるポリ
エステルからなる二軸延伸フィルムであって、該フィル
ムの1/2結晶化時間が300秒以上2000秒以下で
あることを特徴とする金属板貼合せ成形加工用ポリエス
テルフィルムである。また、該ポリエステル中にはナフ
トエ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキルエステ
ルを、ナフトエ酸メチルエステルとしての換算で0.5
〜100ppm含有することが好ましく、さらには該フ
ィルムをイオン交換水で121℃、2時間抽出処理した
ときの抽出量が0.5mg/inch2以下であること
が好ましい。
【0008】本発明においては、種々のポリエステルの
なかでも、優れた耐熱性、耐衝撃性、耐レトルト性を保
持しながら、保味保香性、特にレトルト処理後の保味保
香性を改善することができることから、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレートを
主たる構成成分とするポリエステルを使用する。該ポリ
エステルには、さらに他の成分を共重合させてもよく、
この共重合成分としては、ジカルボン酸成分でもジオー
ル成分でもよい。このジカルボン酸成分としてはイソフ
タル酸、フタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等
の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の如き脂肪族ジ
カルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸の如き脂環族
ジカルボン酸等が例示でき、またジオール成分としては
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
ジエチレングリコール等の如き脂肪族ジオール、1,4
−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオール、
ビスフェノールAの如き芳香族ジオールが例示できる。
【0009】2,6−ナフタレンジカルボン酸および他
の共重合成分の割合は、その種類にもよるが、結果とし
てポリマー融点が210〜245℃、好ましくは215
〜240℃の範囲になる割合である。融点が210℃未
満では耐熱性が劣ることになる。一方、融点が245℃
を超えると、ポリマーの結晶性が大きすぎて成形加工性
が損なわれる。ここで、ポリエステルの融点測定は、D
u Pont Instruments 910 DS
Cを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める方
法による。なおサンプル量は20mgとする。
【0010】さらに、本発明で用いるポリエステルの固
有粘度(オルトクロロフェノール、35℃)は0.52
〜1.50であることが好ましく、さらに好ましくは
0.57〜1.00、特に好ましくは0.60〜0.8
0である。この固有粘度が0.52未満の場合には耐衝
撃性が不足することがあり好ましくない。他方、固有粘
度が1.50を超える場合には、成形加工性が損なわれ
ることがある。
【0011】本発明におけるポリエステルは、その製法
により限定されることはないが、テレフタル酸、エチレ
ングリコールおよび共重合成分をエステル化反応させ、
ついで得られた反応生成物を目的とする重合度になるま
で重縮合反応させる方法、あるいはテレフタル酸ジメチ
ルエステル、エチレングリコールおよび共重合成分をエ
ステル交換反応させ、ついで得られた反応生成物を目的
とする重合度になるまで重縮合反応させる方法を好まし
く挙げることができる。また、上記の方法(溶融重合)
により得られたポリエステルは、必要に応じて固相状態
での重合方法(固相重合)により、さらに重合度の高い
ポリマーとすることができる。該ポリエステルには必要
に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、粘度調整剤、可塑
剤、色相改良剤、滑剤、核剤、紫外線吸収剤などの添加
剤を加えることができる。前記重縮合反応に使用する触
媒としては、アンチモン化合物(Sb化合物)、チタン
化合物(Ti化合物)、ゲルマニウム化合物(Ge化合
物)などが好ましく挙げられ、これらの中、チタン化合
物、ゲルマニウム化合物はフィルムの保味保香性の点で
さらに好ましい。チタン化合物としては、例えばチタン
テトラブトキシド、酢酸チタンなどが好ましく挙げられ
る。また、ゲルマニウム化合物としては、(イ)無定形
酸化ゲルマニウム、(ロ)微細な結晶性酸化ゲルマニウ
ム、(ハ)酸化ゲルマニウムをアルカリ金属またはアル
カリ土類金属もしくはそれらの化合物の存在下にグリコ
ールに溶解した溶液、(ニ)酸化ゲルマニウムを水に溶
解した溶液などが好ましく挙げられる。
【0012】本発明のポリエステルフィルムは、そのポ
リエステル中にナフトエ酸および/またはナフトエ酸の
低級アルキルエステルを、ナフトエ酸メチルエステルと
しての換算で0.5〜100ppm、さらに1〜80p
pm、特に2〜50ppm含有することが好ましい。こ
こでナフトエ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキ
ルエステルとは、ポリエステル中に含まれる遊離ナフト
エ酸、遊離ナフトエ酸の低級アルキルエステルおよびポ
リエステルの末端に結合したナフトエ酸をいい、ナフト
エ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキルエステル
を含有する量とは、ポリエステル中に含まれる遊離ナフ
トエ酸、遊離ナフトエ酸の低級アルキルエステルおよび
ポリエステルの末端に結合したナフトエ酸を、遊離ナフ
トエ酸メチルエステルとして換算したものの総重量のポ
リエステルに対する重量割合(ppm)をいう。ナフト
エ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキルエステル
が0.5ppm未満であると、缶の形状によっては成形
性が劣ることがあり、一方、100ppmを超えると、
保味保香性が悪化することがある。なお、ポリエステル
中にナフトエ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキ
ルエステルを含有させる方法は特に限定されないが、例
えば、共重合成分として添加する2,6−ナフタレンジ
カルボン酸および/またはその低級アルキルエステルと
して、ナフトエ酸および/またはナフトエ酸の低級アル
キルエステルを含有するものを使用する方法が好ましく
挙げられる。かかるナフトエ酸および/またはナフトエ
酸の低級アルキルエステルを含有する2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸および/またはその低級アルキルエステ
ルを得る方法としては、2,6−ナフタレンジカルボン
酸および/またはその低級アルキルエステルに所定量の
ナフトエ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキルエ
ステルを添加する方法や、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸を回収する工程において、回収した副生ナフトエ酸
メチルエステルを含む2,6−ナフタレンジカルボン酸
のメチルエステルを混合する方法などが挙げられる。
【0013】本発明のポリエステルフィルムは、二軸延
伸、熱固定した状態で使用される。このとき、ポリエス
テルの1/2結晶化時間は300秒以上、2000以下
である必要がある。1/2結晶化時間が300秒未満で
あると、フィルムの結晶性が高くなりすぎるために成形
加工性が著しく低下する。一方、2000秒を越える
と、フィルムの結晶性が低くなりすぎて耐熱性に劣るこ
とがある。ここで、フィルムの1/2結晶化時間は、コ
タキ製作所製結晶化速度測定装置(MK−801型)を
用いて、フィルムサンプルを300℃で5分間溶融保持
後、160℃における1/2結晶化時間を求める。フィ
ルムの1/2結晶化時間をかかる範囲とするには、共重
合成分の共重合量および固有粘度を調整することで達成
できる。すなわち共重合量を多くするか固有粘度を高く
すると1/2結晶化時間が長くなる。
【0014】本発明のポリエステルフィルムは、特に食
品缶または飲料缶に用いられるものであるから、該フィ
ルムより溶出あるいは飛散する物質が少ないほど良い
が、それらの物質を全くなくすことは実質的に不可能で
ある。そこで、食品缶または飲料缶用途に使用するため
には、例えばイオン交換水で121℃、2時間抽出した
ときのフィルム1平方インチ当りの抽出量が0.5mg
以下であることが好ましく、0.1mg以下であること
がさらに好ましい。上記抽出量を少なくするには、フィ
ルムのガラス転移温度を高くすればよい。フィルムのガ
ラス転移温度は該フィルムを構成するポリマーのガラス
転移温度と配向度によって決まるが、配向度を上げると
成形加工性が悪化するので、ポリマー(ポリエステル)
のガラス転移温度を高くするのが好ましい。
【0015】また、フィルムの厚さ方向の屈折率は1.
500〜1.540であることが好ましく、1.505
〜1.530であることがさらに好ましい。この屈折率
が低すぎると成形加工性が不十分となり、一方高すぎる
と非晶に近い構造となるため、耐熱性が低下することが
ある。ここで、フィルムの厚さ方向の屈折率は、アッベ
の屈折計の接眼側に偏光板アナライザーを取り付け、単
色光NaD線で測定する。マウント液は、ヨウ化メチレ
ンを用い、測定温度は25℃である。
【0016】本発明のフィルムは、好ましくは厚みが6
〜75μmである。さらに8〜75μm、特に10〜5
0μmであることが好ましい。厚みが6μm未満では加
工時に破れなどが生じやすくなり、一方75μmを超え
るものは過剰品質であって不経済である。
【0017】本発明のフィルムが貼合せられる金属板、
特に製缶用金属板としては、ブリキ、ティンフリースチ
ール、アルミニウム等の板が適切である。金属板へのポ
リエステルフィルムの貼合せは、例えば下記、の方
法で行うことができる。 金属板をフィルムの融点以上に加熱しておいてフィ
ルムを貼合せた後冷却し、金属板に接するフィルムの表
層部(薄層部)を非晶化して密着させる。 フィルムに予め接着剤層をプライマーコートしてお
き、この面と金属板を貼合せる。接着剤層としては公知
の樹脂接着剤、例えばエポキシ系接着剤、エポキシ−エ
ステル系接着剤、アルキッド系接着剤等を用いることが
できる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。なお、フィルムの特性は下記の方法で測定した。
【0019】(1)ポリエステルの固有粘度 オルトクロロフェノール中、35℃で測定した。
【0020】(2)ポリエステルの融点 Du Pont Instruments 910 D
SCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める
方法による。なおサンプル量は20mgとする。
【0021】(3)フィルムの1/2結晶化時間 コタキ製作所製結晶化速度測定装置(MK−801型)
を用いて、フィルムサンプルを300℃で5分間溶融保
持後、160℃における1/2結晶化時間として求め
た。
【0022】(4)ポリエステル中のナフトエ酸および
/またはナフトエ酸の低級アルキルエステル含有量 フィルムサンプル0.5gを2mlのメタノールに分散
させ、260℃で6時間オートクレーブ(90kgf/
cm2)にて分解処理後、クロロホルムに溶解させ、ガ
スクロマトグラフィーでフィルムサンプル中の末端に結
合および遊離のナフトエ酸およびナフトエ酸の低級アル
キルエステルを定量し、ナフトエ酸メチルエステルとし
ての含有率を求めた。
【0023】(5)深絞り加工性 フィルムをポリエステルの融点以上に加熱した板圧0.
25mmのティンフリースチールの両面に貼合せ、水冷
した後140mm径の円板状に切り取り、絞りダイスと
ポンチを用いて4段階で深絞り加工し、50mm径の側
面無継目容器(以下、缶と略す)を作成した。この缶に
ついて以下の観察および試験を行い、各々下記の基準で
評価した。 深絞り加工性−1 ○:フィルムに異常なく加工されたフィルムに白化や破
断が認められない。 △:フィルムの缶上部に白化認められる。 ×:フィルムの一部にフィルム破断が認められる。 深絞り加工性−2 ○:異常なく加工され、缶内フィルム面の防錆性試験
(1%NaCl水溶液を缶内に入れ、電極を挿入し、缶
体を陽極にして6Vの電圧をかけた時の電流値を測定す
る。以下、ERV試験と略す)において0.2mA以下
を示す。 ×:フィルムに異常はないが、ERV試験では電流値が
0.2mAを超えており、通電箇所を拡大観察するとフ
ィルムの粗大滑剤を起点としたピンホール状の割れが認
められる。
【0024】(6)耐衝撃性 深絞り成形が良好な缶について、水を満注し、0℃に冷
却した後、各テストにつき10個ずつを高さ30cmか
ら塩ビタイル床面に落とした後、缶内のERV試験を行
った結果、 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えているか、ある
いは落下後既にフィルムのひび割れが認められた。
【0025】(7)耐熱脆化性 深絞りが良好であった缶を200℃×5分間加熱保持し
た後、前述の耐衝撃性評価を行った結果、 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えているか、ある
いは200℃×5分間加熱後既にフィルムのひび割れが
認められた。
【0026】(8)耐レトルト性 深絞り成形が良好な缶について、水を満注し、蒸気滅菌
器で120℃、1時間レトルト処理を行い、しかる後、
50℃で30日間保存した。得られた缶を各テストにつ
き10個ずつ高さ50cmから塩ビタイル床面に落とし
た後、缶内のERV試験を行った。 ○:全10個について0.2mA以下であった。 △:1〜5個について0.2mAを超えていた。 ×:6個以上について0.2mAを超えているか、ある
いは落下後既にフィルムのひび割れが認められた。
【0027】(9)保味保香性−1 深絞り成形が良好な缶について、イオン交換水を充填
し、常温下(20℃)30日間保管する。その浸漬液を
用いて30人のパネラーにて試飲テストを行い、比較用
のイオン交換水と比較し、下記基準で評価した。 ◎:30人中3人以下が比較液と比べて味、香りの変化
を感じた。 〇:30人中4人〜6人が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。 △:30人中7人〜9人が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。 ×:30人中10人以上が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。
【0028】(10)保味保香性−2 深絞り成形が良好な缶について、イオン交換水を充填
し、蒸気滅菌器で120℃、1時間レトルト処理を行
い、しかる後、常温下(20℃)30日間保管する。そ
の浸漬液を用いて30人のパネラーにて試飲テストを行
い、比較用のイオン交換水と比較し、下記基準で評価し
た。 ◎:30人中3人以下が比較液と比べて味、香りの変化
を感じた。 〇:30人中4人〜6人が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。 △:30人中7人〜9人が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。 ×:30人中10人以上が比較液と比べて味、香りの変
化を感じた。
【0029】[実施例1〜6および比較例1〜5]表1
に示す共重合成分を表1に示す割合で共重合し、ナフト
エ酸および/またはナフトエ酸の低級アルキルエステル
を10ppm含有した、表1に示す固有粘度のポリエチ
レンテレフタレート(平均粒径1.6μm、粒径比1.
09、相対標準偏差0.08の真球状単分散シリカ0.
1重量%含有)を乾燥した後溶融押出し、急冷固化して
未延伸フィルムを得た。次いで、この未延伸フィルムを
表1に示す温度および倍率で縦延伸した後、表1に示す
温度および倍率で横延伸し、さらに180℃で熱固定し
て二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは
25μmであった。また、フィルムの1/2結晶化時
間、フィルム厚さ方向の屈折率およびイオン交換水抽出
量を表2に、その他の評価結果を表3に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】表3の評価結果から明らかなように、本発
明のフィルムは、成形加工性、耐衝撃性、耐熱性、保味
保香性に優れたものである。
【0034】
【発明の効果】本発明の金属板貼合せ成形加工用ポリエ
ステルフィルムは、金属板と貼合わせた後製缶加工、例
えば深絞り加工して金属缶を成形するにあたり、共重合
ポリエステルが持っている優れた耐熱性、耐衝撃性、耐
レトルト性を保持しながら、保味保香性、特にレトルト
後の保味保香性に優れ、かつ成形加工性が改善されたも
のであり、金属容器用フィルムとして極めて有用であ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA44 AA46 AA84 AA89 AC09 AF05Y AF11Y AH05 BB08 BC01 CA01 CD02 CD07 4F100 AA20A AB01B AK42A AL01A BA02 DE01A EJ38A GB16 GB23 JA04A JJ03 JK10 JL01 YY00A 4J002 CF051 CF081 EF096 GG00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合
    ポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分とする、
    融点が210〜245℃であるポリエステルからなる二
    軸延伸フィルムであって、該フィルムの1/2結晶化時
    間が300秒以上2000秒以下であることを特徴とす
    る金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 ポリエステル中にナフトエ酸および/ま
    たはナフトエ酸の低級アルキルエステルを、ナフトエ酸
    メチルエステルとしての換算で0.5〜100ppm含
    有する請求項1に記載の金属板貼合せ成形加工用ポリエ
    ステルフィルム。
  3. 【請求項3】 フィルムをイオン交換水で121℃、2
    時間抽出処理したときの抽出量が0.5mg/inch
    2以下である請求項1に記載の金属板貼合せ成形加工用
    ポリエステルフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007106989A (ja) * 2005-09-14 2007-04-26 Unitika Ltd 金属板ラミネート用水系接着剤、およびこれを積層してなる金属板ラミネート用ポリエステルフィルム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007106989A (ja) * 2005-09-14 2007-04-26 Unitika Ltd 金属板ラミネート用水系接着剤、およびこれを積層してなる金属板ラミネート用ポリエステルフィルム

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